JP4161301B2 - 造粒粉末及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉末冶金による焼結体の製造用粉末、およびこれを用いた焼結体に関する。
【0002】
【従来の技術】
粉末冶金法は、圧延法あるいは鋳造法では製造困難な金属部品を容易に大量生産できるという特徴がある。最近はこのような粉末冶金法の特徴を活かした金属部品の適用分野が拡大しており、強度を要するような一般の焼結機械部品に限らず、耐食性や磁気特性など、機能性を要求する分野にも広がっている。
【0003】
このような観点から粉末冶金法による焼結体に求められる特性として、相対密度、炭素含有量、酸素含有量をあげることができる。すなわち、相対密度が高く、酸素含有量、および炭素含有量はいずれも低いことが求められている。なお、相対密度は、JIS Z2500「粉末や(冶)金用語」によれば、「多孔質体の密度とそれと同一組成の材料の気孔のない状態における密度との比」と定義される。
【0004】
まず相対密度に注目すると、従来の粉末冶金法では、いわゆる「―100メッシュ品」に代表される粉末を原料として、圧縮成形および焼結の工程を経て金属部品を製造しており、このような方法では、相対密度はせいぜい90%程度である。
【0005】
この対策として、最近、平均粒径10μm程度の粉末を単独で造粒し、あるいは平均粒径が大きい粉末と混合した後造粒して90%以上、さらには95%以上の相対密度を得る方法が開示されている。たとえば、特許文献1では平均粒径が5.2〜38.9μmのSUS316L粉末を原料として製造した造粒粉末を用いて、95〜98%の相対密度の金属部品を得ている。また、特許文献2では、平均粒径1〜20μmの小径粒子と平均粒径30〜150μmの大径粒子を混合造粒した粉末を用いて89〜98%の相対密度の金属部品を得ている。しかしながら、いずれも98%が上限となっており、さらに高密度(相対密度が98%以上)の金属部品は得られていないのが現状である。
【0006】
次に従来の粉末冶金法による金属部品の炭素含有量および酸素含有量について注目すると、基本的には原料として用いる金属粉末の炭素含有量と酸素含有量がそのまま焼結体の炭素含有量、酸素含有量となる。例えば粉末冶金法による金属部品製造の原料として用いられることの多い、水アトマイズ法によるステンレス鋼粉末は、その酸素含有量は1000〜3000ppm程度であり、炭素含有量は低炭素鋼種では0.020%前後である。
【0007】
これらの酸素含有量を減少せしめる方法として焼結を真空雰囲気で行う方法、炭素を添加して焼結する方法等が知られている。例えば、非特許文献1には、真空雰囲気でステンレス鋼を焼結した時の炭素含有量と酸素含有量の関係が示されており、炭素含有量を0.02%程度以上とすると、酸素含有量を1000ppm以下にできることが示されている。また同ページには原料粉末にグラファイトを添加して焼結すると酸素含有量の低減に効果があるが、この場合には焼結体の炭素含有量が上昇するので注意が必要であることが記載されている。
【0008】
また、例えば特許文献3には「水アトマイズ法によって得られた粉末に、該粉末中に含まれる酸素重量の1/8〜1/1重量の炭素粉末を添加して成形した後、水素雰囲気中で1000〜1300℃で30分以上加熱保持し、さらに加熱保持温度より高い温度で焼結を行う」方法により、密度が高く、かつ引張強さ、伸び、孔食電位等の性質の優れたステンレス鋼焼結体の製造方法を開示している。しかしながら、この方法での炭素、酸素含有量については触れられておらず、さらに実施例に記載された焼結密度も、7.54〜7.80(ステンレス鋼の真比重を7.95とした場合の相対密度は94.8〜98.1%である)と、まだ低いものである。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−106804号公報
【特許文献2】
特開2001−98301号公報
【特許文献3】
特開平9−202934号公報
【非特許文献1】
「エーエスエム・ハンドブック(ASM Handbook)」、Vol.7、(米国)、マテリアル・インフォメーション・ソサエティ(The Materials Information Society)、1998年、p.480、Fig.20
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、粉末冶金法による金属部品について、高い相対密度を実現し、炭素含有量および酸素含有量を同時に低下せしめる有効な方法は、まだ開発されていないのが現状である。
【0010】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたもので、従来の粉末冶金法による金属部品製造における上記のような問題を解決し、相対密度が高く、同時に、酸素含有量、炭素含有量が少ない焼結体を得ることができる造粒粉末、およびこれを用いた焼結体を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本件発明者らは、上記問題について検討し、原料金属粉末と炭素粉末との混合の方法に原因があることを見出した。すなわち、金属粉末と炭素粉末を単純に混合した場合、金属粉末と炭素粉末との比重が異なるためと思われるが、均一な混合がなされず、従って、金属粉末の酸素と炭素粉末との反応が均一に起こらないことがわかった。このような場合、この反応による酸素除去も均一には行われず、一部では脱酸反応は進むが、一部では炭素が過剰となって炭素含有量が増加することなり、また一部では全く炭素が存在しないため、脱酸反応がまったく進まないこととなる。
【0012】
このような現象は、金属粉末と炭素粉末の混合品を輸送、金型への装入等、混合品を移動している時に、混合品に加わる振動によって原料粉末と炭素粉末が分離することにより、一層促進されることになることが判明した。
【0013】
本件発明者らは、このような観点からさらに検討を行ったところ、原料粉末と炭素粉末を均一に混合させ、さらにこの均一な混合状態を製造工程中に維持することによって、前記問題が解決できることに想到し、本発明をなしたものである。
【0014】
そこで本発明は、以下の構成により、高密度焼結体製造用の原料として有用な造粒粉末、およびそれを用いて、高相対密度、低酸素含有量、低炭素含有量の焼結体を提供する。
【0015】
本発明の造粒粉末の製造方法は、還元剤粉末を懸濁させたバインダ溶液を用いて原料粉末を造粒することを特徴とする。
【0016】
本発明の焼結体の製造方法は、還元剤粉末を懸濁させたバインダ溶液を用いて原料粉末を造粒する第1工程と、第1工程により得られた造粒粉末を成形後、焼結して焼結体を製造する第2工程と、を備えることを特徴とする。
【0017】
前記第2工程は、1200℃〜1400℃の温度条件で焼結する工程を少なくとも備えることが好ましい。
【0018】
前記バインダ溶液における還元剤粉末の濃度又は添加量は、原料粉末の酸素含有量及び/又は炭素含有量に基づいて決定されることが好ましい。
【0019】
前記還元剤粉末の造粒粉末への添加量は、原料粉末の酸素含有量及び/又は炭素含有量に基づいて調整された量であることが好ましい。
【0020】
前記還元剤粉末は炭素質であることが好ましい。
【0021】
本発明の造粒粉末製造用バインダ溶液は、還元剤粉末を懸濁させていることを特徴とする。
【0022】
本発明の造粒粉末は、還元剤粉末を懸濁させたバインダ溶液を用いて原料粉末を造粒することにより製造されることを特徴とする。
【0023】
本発明の焼結体は、還元剤粉末を懸濁させたバインダ溶液を用いて原料粉末を造粒することにより製造される造粒粉末を、1200℃〜1400℃の温度条件で焼結してなることを特徴とする。
【0024】
前記焼結体は、酸素含有量が0.030重量パーセント以下、炭素含有量が0.030重量パーセント以下、相対密度が98%以上であることを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
最初に、本発明に基づいて、高密度焼結体製造用の原料として有用な造粒粉末、およびそれを用いて、高相対密度、低酸素含有量、低炭素含有量の焼結体を得ることができる理由を説明する。
【0026】
一般に、原料粉末(例えば金属粉末)と炭素粉末の混合は、ブレンダ等のような機械的な混合装置を用いて実施されている。この場合、原料粉末と炭素粉末は機械的に混合しているだけであり、原料粉末と炭素粉末との比重が異なるため、均一な混合がなされず、前述のような問題が生ずる。また、このような混合粉末をバインダを用いて造粒しても、不均一な混合状態のまま造粒されるため、原料粉末あるいは炭素粉末の偏析という問題は解決されない。
【0027】
そこで本発明においては、炭素粉末をあらかじめバインダ溶液に懸濁・分散せしめた状態の懸濁液を用意し、これを原料粉末に噴霧し、造粒することにより、原料粉末と炭素粉末とが均一に混合された状態の造粒粉末を製造する。
【0028】
より詳細に説明すると、まず水、メチルアルコール、エチルアルコールのような溶媒を用意し、これにバインダを添加してバインダ溶液を作製する。バインダとしてはポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ワックス、寒天、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カルシウム、エチレンビスステアロアシド、エチレンビニル共重合体等を用いることができる。なお、バインダは、原料粉末と原料粉末との結合剤として機能するものであればよく、公知のものの中から鹸化度や重合度に応じて適宜選択して用いることができる。
【0029】
このバインダ溶液にさらに炭素粉末を添加・攪拌して、炭素粉末を懸濁させたバインダ溶液を作製する。炭素粉末としては一般的な黒鉛粉末を使用することができる。
【0030】
ここで、「炭素懸濁バインダ溶液」における炭素粉末の添加量は、製造目的とする造粒粉末の酸素含有量や炭素含有量が所望の値(例えば0.030重量パーセント以下)となるように、原料粉末の酸素含有量及び/又は炭素含有量に基づいて決定する。例えば、還元反応が理想的に行われた場合に造粒粉末に含まれる酸素及び炭素がほぼ除去されるように、具体的には、造粒粉末に含有される炭素量と、原料粉末に含有される酸素をC+O→COの反応式により還元するに必要な炭素量とが等しくなるように、炭素粉末の添加量を決定することが考えられる。この際、原料粉末にもともと含有されている炭素量についても考慮して、添加量を決定することが望ましい。
【0031】
例えば、炭素含有量0.06重量%、酸素含有量0.4重量%の原料粉末の場合、この原料粉末に含まれる酸素をC+O→COの反応により還元するためには、0.4×12/16=0.3の計算により、原料粉末1kgあたり3gの炭素が必要となるが、原料粉末にはもともと0.06重量%(原料粉末1kgあたり0.6g)の炭素が含まれているので、炭素粉末の添加量は、原料粉末1kgあたり2.4g(=3−0.6)となる。
【0032】
次に、上記で定めた適切な量の炭素粉末が原料粉末の造粒に用いられるように、「炭素懸濁バインダ溶液」の炭素粉末懸濁濃度を設定する。例えば、上記例の原料粉末1kgを100mlの「炭素懸濁バインダ溶液」で造粒する場合、100mlに対して2.4gの炭素粉末を添加して、「炭素懸濁バインダ溶液」の炭素粉末懸濁濃度を24g/lに設定する。
【0033】
次に、このように設定した「炭素懸濁バインダ溶液」を用いて原料粉末を造粒する。この結果、造粒粉末には、原料粉末の酸素含有量及び/又は炭素含有量に基づいて調整された量の炭素(上記例では、原料粉末1kgあたり2.4gの炭素)が添加されることになる。
【0034】
次に、「炭素懸濁バインダ溶液」を用いて製造した造粒粉末を、最終製品とほぼ同形の内部空間を有する型の内部に充填し、粉末を例えば上パンチにより2〜6ton/cm程度の圧力で加圧して圧縮成形し、圧粉体とする。なお成形は加圧による圧縮成形以外の、例えば、射出成形のような方法を取ることもできる。
【0035】
次に、この圧粉体を型から取りだし、真空中又は水素ガスやアンモニア分解ガス等の雰囲気を含む環境下で、所定の温度条件で燒結して焼結体を製造する。所定の温度条件としては、焼結温度を1200〜1400℃とするのがより好ましい。1200℃未満であると、焼結が十分に進行しないおそれがあり、また1400℃を超えた場合には、焼結の過程で収縮が顕著になり、製品の寸法精度の劣化を招くおそれがあるからである。
【0036】
また焼結においては、上記焼結温度まで昇温・加熱していく途中で、C+O→COの反応により生成したCOガスの焼結体からの逸出を促進するために、「還元操作域」を設定することが好ましい。「還元操作域」は、真空中又は水素ガスやアンモニア分解ガス等の雰囲気、好ましくは真空中で、800℃〜1050℃の温度範囲に焼結体を維持することによって行われる。
【0037】
上記のような温度範囲としたのは、800℃未満であると、C+O→CO反応自体が進行せず、また1050℃を越えた場合は、C+O→CO反応と競争的に焼結反応が進行するため、COガスの逸出が阻害されるおそれがあるためである。
【0038】
この操作を行うことにより、前記反応によるCOガスの系外への逸出が促進され、炭素、酸素の除去が一層進行することで、本発明の目的のひとつである酸素、炭素の除去が促進する。また、「還元操作域」を経た粉末は、その表面に酸化物部分がほとんど存在しない極めて清浄な状態となるため、以降の焼結反応が進行し易く、すなわち焼結密度が上昇し易くなり、高い相対密度を実現することができる。
【実施例1】
1.原料粉末の用意
表―1に示す化学成分を有するステンレス鋼の水アトマイズ粉末を、原料粉末として用意した。この原料粉末の粒度分布および平均粒径は、市販のレーザー回析式粒度分布測定装置により測定したところ、表―2のような特性であった。
【0039】
なお、本発明における原料粉末は、最終的に製造される焼結体の用途に応じて適宜選択され、特に限定されるものではない。また、原料粉末は、単独あるいは二種類以上の混合物であってもよい。
【0040】
【表1】
Figure 0004161301
【0041】
【表2】
Figure 0004161301
2.バインダ溶液の用意
次に市販のポリビニルピロリドンをバインダとして選択し、これを3重量パーセント、水を97重量パーセントの割合で混合攪拌し、バインダ水溶液とした。
3.黒鉛粉末の用意
次に還元剤粉末として、市販の黒鉛粉末を用意した。この黒鉛粉末はカタログによれば、固定炭素分:>98.5%、灰分:<0.5%、揮発分:<1.0%、平均粒径:12μmであった。
4.黒鉛粉末添加量の決定
黒鉛粉末の添加量は、表―1に示した原料粉末の酸素含有量の全量を、「O+C→CO」の反応式により還元するに必要な量とし、まず原料粉末1kgに対し、1000(g)×0.2618(%)×12÷16=1.96g
の計算により求めた量から、もともとの原料粉末に含まれる炭素量(1000×0.022=0.22)を差し引いた量、すなわち1.96−0.22=1.74gとした。
5.黒鉛粉末添加バインダ溶液の用意
原料粉末の造粒に際しては、ポリビニルピロリドンの使用量は原料粉末に対して1.0%とした。従って2で用意したようにバインダ溶液中のポリビニルピロリドン濃度は3%であるので、原料粉末1kgに対して使用するバインダ溶液は、1000×0.01÷0.03=333cmとした。これに対して4で求めた黒鉛粉末1.74gを混合し、黒鉛粉末添加バインダ溶液とした。すなわち、黒鉛粉末添加バインダ溶液における黒鉛粉末の濃度は、1.74÷(333+1.74)=約0.52%である。
6.造粒
上記のように用意した原料粉末および黒鉛粉末添加バインダ溶液を使用して、造粒を行った。装置としては転動流動造粒装置((株)パウレック製)を用い、原料粉末をこの装置に供給し、回転ディスク部を回転させながら黒鉛粉末添加バインダ溶液を連続的に供給して造粒を行った。
【0042】
この間、黒鉛粉末添加バインダ溶液の貯蔵タンクは連続攪拌して黒鉛粉末の沈降分離が起こらないようにした。
7.成形・脱脂
6で得た造粒粉末をプレスにより成形し、直径37mm、厚さ5mmの円盤状の成形体を得た。この成形体を管状炉に装入し、水素雰囲気中で600℃に維持することにより、脱脂を行った。この脱脂後の成形体(脱脂体)について炭素と酸素を分析したところ、C:0.23%、O:2600ppmであった。すなわち、脱脂体にはもともと原料粉末に含まれていた炭素、還元剤として添加した黒鉛粉末に起因する炭素がそのまま残っており、さらにバインダとして添加したポリビニルピロリドンに起因する炭素も完全には除去されずに残っていることが推測される。
8.焼結
7で得た脱脂体を、表―3に示す条件で焼結した。なお、表―3のうち工程2はバインダの除去、工程4は「C+O→CO」の反応促進、工程7は焼結促進を目的として、それぞれの温度で保持したものである。
【0043】
【表3】
Figure 0004161301
この結果、密度7.90、炭素含有量0.002%、酸素含有量0.0043%(43ppm)の焼結体を得た。この密度はSUS316Lの真密度を7.95とすると、その相対密度は、99.4%に相当するものであり、低炭素、低酸素、高密度の焼結体を得ることができた。またこの焼結体の断面について、JIS G0555に定められた方法により介在物含有量を測定したところ、0.03%という値が得られた。このような炭素、酸素含有量の値は、通常の製鋼法で得られる、いわゆる溶製材に匹敵するレベル、もしくはそれ以上のものである。
【実施例2】
実施例1に述べた成形体を用いて、実施例1の表―3に示した工程7の温度のみ変えて焼結工程を実施し、焼結温度の影響を調査したところ、C、Oについて表―4の結果を得た。
【0044】
【表4】
Figure 0004161301
【発明の効果】
本発明によれば、相対密度が高く、同時に、酸素含有量、炭素含有量が少ない焼結体および、かかる焼結体を得ることができる造粒粉末を提供することができる。

Claims (7)

  1. 還元剤粉末である炭素質を懸濁させたバインダ溶液を用いて、当該バインダ溶液を原料粉末に噴霧して造粒粉末を製造することを特徴とする造粒粉末の製造方法。
  2. 還元剤粉末である炭素質を懸濁させたバインダ溶液を用いて、当該バインダ溶液を原料粉末に噴霧して原料粉末を造粒する第1工程と、第1工程により得られた造粒粉末を成形後、焼結して焼結体を製造する第2工程と、を備えることを特徴とする、焼結体の製造方法。
  3. 前記第2工程は、1200℃〜1400℃の温度条件で焼結する工程を少なくとも備えることを特徴とする請求項2記載の製造方法。
  4. 前記バインダ溶液における前記炭素質の濃度又は添加量は、原料粉末の酸素含有量及び/又は炭素含有量に基づいて決定されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記炭素質の造粒粉末への添加量は、原料粉末の酸素含有量及び/又は炭素含有量に基づいて調整された量であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 請求項1に記載の製造方法に用いられる、還元剤粉末である炭素質を懸濁させバインダ溶液。
  7. 請求項1に記載の製造方法により製造される造粒粉末。
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