JP4160952B2 - 断熱構造体、断熱材、及び、断熱材の製造方法 - Google Patents

断熱構造体、断熱材、及び、断熱材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、断熱構造体、断熱材、及び、断熱材の製造方法に関する。
一般に、建築物の外壁や屋根下地などは、外装材と断熱材と内装材とを積層することにより断熱構造に形成されている。このような断熱構造体の内部に、内装材を透過して屋内の湿気が入り込むと、外装材の裏面(断熱材側)に結露が生じ、カビや腐蝕の原因になるとともに、断熱材が湿気を帯びてしまい断熱効果が低減してしまうことがある。
そこで、外装材と断熱材の間に空間を形成することにより、結露やカビの発生を防止することが行われている。
例えば、特許文献1および特許文献2では、所定間隔を隔てて配置された外装材と内装材との間の空間部内に、外装材に接触するように凹凸状に形成された緩衝体(空間維持材)を配置し、この緩衝体(空間維持材)と内装材との間に発泡断熱材を配置することにより、断熱構造体を形成していた。
特開平9−53283号公報(段落0017、0057、図1) 特開平5−171709号公報(段落0017、0031、図2)
しかしながら、従来の断熱構造体は、緩衝体(空間維持材)を用いて空間(通気層)を形成しているため、部品点数が多くなり、材料コストがかかるという問題を有していた。さらに、従来の断熱構造体は、緩衝体を設置する工程を必要とするため、工程数が多くなり、施工手間がかかるという問題を有していた。
また、断熱材には、ポリウレタンフォーム等を発泡させて形成する発泡系断熱材と、グラスウール等を積層させて形成する繊維系断熱材の2種類が存在するが、繊維系断熱材は、発泡系断熱材に比して成形性に乏しく、従来の繊維系断熱材は専ら両面が平坦な板状の部材に成型されていた。換言すれば、繊維系断熱材を特殊な形状に成形するには、特殊な形状に構成したプレス機などを用意しなければならず、特殊な表面形状を備える繊維系断熱材を従来の設備で製造することが困難であった。
なお、特許文献2には、予め表面を成形加工した断熱材を用いる場合には、空間維持材を省略可能である旨が記載されているが、表面を成形加工する具体的な方法については言及されておらず、特にグラスウールなどの繊維系断熱材は、その伸縮性などが原因となり、面材との間に空間を維持できる適当な凹凸を付与することは困難であった。
本発明は、これらの問題を解決するためになされたものであり、少ない部品点数及び工程数で通気層を形成可能な断熱構造体、断熱材、及び、断熱材の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、面材との間に空間を容易に形成可能な断熱構造体、断熱材、及び、断熱材の製造方法を提供することを他の課題とする。
請求項1に係る断熱構造体は、少なくとも一方の表面に凹凸を備える断熱材と、面材と、を有する断熱構造体であって、前記断熱材の凸部が前記面材に当接されることにより、前記面材と前記断熱材との間に空間が形成され、前記断熱材は、少なくとも一方の表面に凹凸を備える複数の凹凸部材を、前記凹凸を同じ方向に向けた状態で組み合わせてなり、前記凹凸部材は、複数の繊維層を積層して平板状に形成された繊維系断熱材からなる原材料を、少なくとも一方の切断面に凹凸が形成されるように、前記複数の繊維層と略直交する方向に切断して形成されることを特徴とする。
かかる構成によれば、断熱材の凸部を面材に当接させることにより、面材と断熱材との間に空間が形成されることとなる。そのため、従来、断熱材と面材との間に空間を設けるために設置していた緩衝体が不要となる。
なお、面材としては、例えば構造用合板や鋼製板などを用いることができる。さらに、断熱構造体としては、例えば住宅の壁体や屋根下地などに適用可能である。
また、面材の屋内側の面に結露が発生した場合でも、面材と断熱材との間に空間が存在することにより、当該結露が断熱材に接触し難くなるため、断熱構造体の内部を早期に乾燥状態に戻すことができる。なお、例えば合板などの通気性、通湿性の良い材料を面材として用いることにより、面材と断熱材との間の空間内の空気を通気させて、当該空間内の空気の湿度を低く抑えることができる。そのため、面材の屋内側における結露の発生を防止することができる。
また、かかる構成によれば、凹凸部材の本数を加減することにより、断熱材の幅を現場の寸法に容易に合わせることができる。
なお、凹凸部材同士の固定方法としては、各凹凸部材の少なくとも一方の面に、各凹凸部材にまたがって例えば防湿シート等からなる外被材を貼り付けることにより固定する方法が望ましい。かかる方法によれば、凹凸部材同士は、外被材を介して連結されているだけであるため、外被材をカッターなどで切断することにより、断熱材の寸法を容易に調節することができる。
また、かかる構成によれば、少なくとも一方の面(切断面)に凹凸が形成された複数の凹凸部材を、その切断面を同じ方向に向けて組み合わせることにより、少なくとも一方の表面に凹凸を備える断熱材が形成される。そのため、凹凸を設けた型枠などの特殊な設備を用いることなく表面に凹凸のある断熱材が容易に形成され、面材と断熱材との間に空間を形成することができる。
また、一般に、繊維系断熱材は、伸縮性(膨張性)が大きいため、凹凸を形成することが困難であるが、前記した構成によれば、繊維系断熱材の表面に凹凸を容易に形成することができる。
また、一般に、複数の繊維層を積層して形成した繊維系断熱材は、積層方向に高い伸縮性を有し、積層方向に対して直交する方向には伸縮性に乏しい性質を有する。そのため、かかる構成によれば、複数の繊維層と略直交する方向に原材料を切断して凹凸部材を形成することから、伸縮性の乏しい方向に凹凸が形成されることとなる。したがって、面材の表面と凹凸を備える切断面とを当接させても凹凸がつぶれ難く、面材と断熱材との間に空間を容易に形成できる。
なお、切断面に形成する凹凸の形状としては、例えば波形に形成するのが好適である。波形の例としては例えば正弦波(余弦波)、三角波、台形波、パルス波、矩形波、あるいはこれらを組み合わせた波形などがある。また、波形の振幅は一定であるほうが好ましいが、周期は不規則であっても良い。波形の振幅を一定にすると、断熱材の凸部の頂点の位置が等しくなり、全部の凸部が面材に同時に当接することとなるため、空間がつぶれ難くなる。また、台形波や矩形波よりも、正弦波や三角波などの方が、面材との接触面積を小さくすることができるので、防露、防カビ効果が向上する。
ここで、切断面の形状を例えば正弦波(余弦波)、三角波、台形波、パルス波などに形成すると、かかる切断面を同じ方向に向けるだけで波形の位相が半周期ずれることとなり、隣接する凹部同士を2方向に連通させることができ、好適である。
本願の請求項に係る断熱材は、少なくとも一方の表面に凹凸を備える複数の凹凸部材を、前記凹凸を同じ方向に向けた状態で組み合わせてなる断熱材であって、前記凹凸部材は、繊維系断熱材からなり、前記繊維系断熱材は、複数の繊維層を積層して形成されており、前記凹凸部材は、前記複数の繊維層と略直交する方向に前記凹凸が形成されていることを特徴とする。
かかる構成によれば、断熱材の少なくとも一方の面に凹凸が形成されることから、その凸部を面材に当接させることにより、スペーサなどの別部材を用いることなく、面材と断熱材との間に空間を容易に形成することができる。
また、断熱材は、少なくとも一方の表面に凹凸を備える複数の凹凸部材を、前記凹凸を同じ方向に向けた状態で組み合わせてなることから、凹凸部材の本数を変更することにより、当該断熱材を取り付ける断熱構造体の寸法に容易に合わせることができる。
ここで、凹凸部材の凹凸を波形に形成するとともに、この波形の位相を交互にずらして組み合わせれば、隣接する凹部が互いに連通することとなり、2方向に通気性が確保され好適である。なお、平板状の原材料を波形に切断し、これを回転させると、自動的に波形の位相がずれた状態となり好適である。
また、かかる構成によれば、繊維系断熱材の表面に容易に凹凸を形成することができる。
また、かかる構成によれば、複数の繊維層と略直交する方向に凹凸が形成されていることから、凹凸が崩れ難い繊維系断熱材を形成することができる。
本願の請求項に係る断熱材の製造方法は、複数の繊維層を積層して平板状に形成された繊維系断熱材からなる原材料を、少なくとも一方の切断面に凹凸が形成されるように、前記複数の繊維層と略直交する方向に切断し、複数の凹凸部材を製造する切断工程と、前記凹凸が形成された切断面を同じ方向に向けた状態で前記複数の凹凸部材を組み合わせる組合せ工程と、を備えることを特徴とする。
かかる方法によれば、凹凸が形成された特殊な型枠などを用意する必要がなく、少なくとも一方の表面に凹凸を備える断熱材を容易に形成することができる。
また、一般に、繊維系断熱材は、伸縮性(膨張性)が大きいため、凹凸を形成することが困難であるが、かかる方法によれば、繊維系断熱材の表面に凹凸を容易に形成することができる。
また、一般に、複数の繊維層を積層して形成した繊維系断熱材は、積層方向に高い伸縮性を有し、積層方向に対して直交する方向には伸縮性に乏しい性質を有する。そのため、かかる方法によれば、複数の繊維層と略直交する方向に原材料を切断して凹凸部材を形成することから、伸縮性の乏しい方向に凹凸が形成されることとなる。したがって、面材の表面と凹凸を備える切断面とを当接させても凹凸がつぶれ難い繊維系断熱材を容易に製造することができる。
本発明によれば、少ない部品点数及び工程数で通気層を形成可能な断熱構造体、断熱材、及び、断熱材の製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、面材との間に空間を容易に形成可能な断熱構造体、断熱材、及び、断熱材の製造方法を提供することができる。
本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
<第1実施形態>
第1実施形態として、本発明を木造建築物の壁体に適用した場合を例にとって説明する。参照する図面において、図1は第1実施形態に係る壁体の斜視図である。また、図2は第1実施形態に係る壁体の断面図である。
(壁体1の構造)
断熱構造体たる壁体1は、図1、図2に示すように、いわゆるツーバイフォー構法における壁パネルを構成するものであり、下枠2と上枠3と竪枠4、4とからなる枠組体5と、この枠組体5の屋内側に取り付けられる内装材6と、枠組体5の屋外側に取り付けられる面材たる外装材7と、枠組体5の内部に設置される断熱材8とから構成されている。
壁体1は、床組材Yの端部にホールダウン金物などを用いて固定されている。また、床組材Yは、土台Dを介して布基礎Bに固定されている。
(断熱材8)
断熱材8は、例えば繊維系断熱材からなり、図1に示すように、一方の表面に波形の凹凸が形成された凹凸部材81を、この凹凸を外装材7の方向に向けた状態で、複数本並列に組み合わせて構成されている。断熱材8は、図2に示すように、凸部81aを外装材7の屋内側の面に当接させた状態で設置されている。これにより、外装材7と凸部81aと凹部81bとに囲まれた空間9が形成され、壁体1内の空気の通気が図られる。凹凸部材81は、隣り合う凹凸の位相が互いに1/2周期ずれた状態で組み合わされており、隣り合う空間9同士が図1における上下方向と左右方向の2方向に連通するようになっている。
また、図1においては図示を省略するが、断熱材8の凹凸面(切断面M1)には、図4(c)に示すように、透湿孔を有する外被材82が貼り付けられており、断熱材8の平坦面(切断面M2)には、透湿孔を有しない外被材83が張り付けられている。そのため、図2に示すように、室内側から壁体1の内部に入り込んだ湿気は外被材83に遮られるため、断熱材8が湿気を帯び難くなっている。また、万が一、断熱材8が湿気を帯びた場合には、外被材82の透湿孔を通して湿気を空間9に放出できるようになっている。
なお、かかる外被材82、83は、必須のものではなく、適宜省略可能である。
(外装材7)
外装材7は、例えば通気性の良い構造用合板で構成されており、図1に示すように、枠組体5の屋外側を塞ぐように取り付けられている。外装材7の屋外側には縦胴縁Hを介して外壁材Gが取り付けられており、外装材7と外壁材Gとの間には換気層Kが形成されている。換気層Kの湿度よりも空間9内の湿度の方が高い場合には、図2に矢印で示すように、空間9内の湿気は、外装材7の微細な空隙や外装材7と枠組体5との隙間を透過して、換気層Kに移行することとなる。そのため、空間9内の湿気を低減させて、結露やカビの発生を防止することができる。なお、外壁材Gの下端部には水切り金物MKが取り付けられている。
(断熱材8の製造方法)
つづいて、断熱材8の製造方法について説明する。参照する図面において、図3および図4は、断熱材の製造工程を示した説明図である。
(1)繊維積層工程
はじめに、図3(a)に示すように、ガラス溶融炉Rにおいてガラス原料を溶融し、溶融したガラス原料を遠心法による繊維化装置Pによってガラス繊維Sに繊維化する。そして、接着剤吹付装置Qから接着剤(バインダー)をガラス繊維Sに吹き付けながら、集綿装置Wによってガラス繊維Sを複数層に積層させる。
(2)原材料成型工程
つぎに、図3(b)に示すように、集綿装置Wによって積層されたガラス繊維S’を、乾燥装置Aなどを用いて所定の厚さと密度(単位体積重量)になるように調整するとともに、カッターCを用いて所定の長さに切断し、原材料となる平板状の繊維系断熱材Zを形成する。
なお、原材料となる繊維系断熱材Zは、その密度が10kg/m3〜120kg/m3程度の範囲となるように形成するのが好適である。また、密度が16kg/m3〜64kg/m3の範囲となるように形成するのがさらに好適である。このようにすると、凹凸がつぶれ難く、かつ、取り扱い性に支障のない重さの断熱材8を形成することができる。
(3)切断工程
そして、図3(c)に示すように、切断機Fを用いて一方の切断面M1が波形となるように平板状の繊維系断熱材Zを切断することにより、凹凸部材81を形成する。このとき、凹凸部材81の凸部の頂点から平坦に切断された他方の切断面M2(あるいは端面)までの距離が等しくなるように切断するのが好適である(図5(a)参照)。
なお、本実施形態においては、切断機Fの例として、細長い刀(あるいはカッター)のような形状のものを記載したが、これに限られるものではなく、例えば丸ノコ形状のものであってもよい。また、打ち抜き方式の切断機を用いてもよい。
ここで、図3(c)に示すように、原材料たる繊維系断熱材Zの繊維層の方向に対して切断面M1、M2が略直交するように繊維系断熱材Zを切断する。これにより、切断面M1に形成される凹凸がつぶれ難くなり、面材たる外装材7と断熱材8との間の空間9をつぶれ難くすることができる。
なお、凸部の頂点と凹部の底点との高低差は、3mm〜100mmの範囲に形成すればよく、好ましくは10mm〜80mm程度にするのが良い。前述のように形成した凹凸は変形し難いことから、数mmの凹凸でも十分に空間9を維持することができる。
(4)回転工程
つぎに、図4(a)に示すように、凹凸が形成された切断面M1が同じ方向を向くように、各凹凸部材81を回転させる。かかる製造方法によれば、凹凸部材を回転させると、波形の凹凸の位相が1/2周期ずつずれることとなり、空間9(図2参照)を容易に連通させることができる。
(5)組合せ工程
そして、図4(b)に示すように、凹凸が形成された切断面M1を同じ方向に向けた状態で複数の凹凸部材81を組み合わせることにより、一方の表面に凹凸を備える断熱材8を形成する。このように、切断および回転という非常に簡易な工程を経ることで、原材料たる平板状の繊維系断熱材Zから、一方の表面に凹凸を備える断熱材8を容易に形成することができる。
(6)外被材取付工程
ここで、凹凸部材81同士の固定は、例えば接着剤などを用いることにより、適宜な方法で行っても良いが、図4(c)に示すように、凹凸部材81の切断面M1、M2の少なくとも一方に(図4(c)では両方に)、各凹凸部材81にまたがるように外被材82、83を貼り付けることにより、凹凸部材81同士を固定するのが好適である。
かかる構造によれば、凹凸部材81同士は直接的に接着されていないことから、外被材82、83をカッターなどで切断するだけで、断熱材8を好みの寸法に調節することができる。そのため、建築現場において、断熱材の設置箇所の寸法に断熱材8の寸法を合わせることが容易となり、施工能率を向上させることができる。
<原材料の切断形状の変形例>
つづいて、原材料たる平板状の繊維系断熱材Zの切断形状の変形例について、図5を参照して説明する。
(変形例1)
原材料たる平板状の繊維系断熱材Zは、図5(a)に示すように、いわゆる三角波形状に切断してもよい。かかる形状によっても、凹凸面が同じ方向を向くように各凹凸部材81Bを回転させ、これらを組み合わせることにより、一方の面に凹凸を備える断熱材8を容易に製造することができる。また、三角波形状にすることにより、空間9(図2参照)を相互に連続させることができ、通気性、換気性を良好にすることができる。また、三角波形状にすることにより、後記する台形波、矩形波などと比較して、外装材7との接触点を増大させつつ接触面積を低減することができ、低密度品を用いた場合でも十分な強度を確保することが可能となる。
なお、繊維系断熱材Zの端部における切断面M1の切り始めの位置は、図5(a)に示すように、その両側に存在する平坦な切断面M2(又は端面)から等距離tとなる位置とするのが好適である。このようにすると、断熱材8を縦方向(図5の左右方向)に継ぎ足したときに、継ぎ足した面において空間9が塞がれることがなくなり、通気性、換気性を必ず確保することができる。
(変形例2)
原材料たる平板状の繊維系断熱材Zは、図5(b)に示すように、いわゆるパルス波形状に切断してもよい。かかる形状によっても、凹凸面が同じ方向を向くように各凹凸部材81Cを回転させ、これらを組み合わせることにより、一方の面に凹凸を備える断熱材8を容易に製造することができる。また、パルス波形状にすることにより、空間9(図2参照)を相互に連続させることができ、通気性、換気性を良好にすることができる。また、パルス波形状にすることにより、後記する台形波、矩形波などと比較して、外装材7との接触点を増大させつつ接触面積を低減することができ、低密度品を用いた場合でも十分な強度を確保することが可能となる。
(変形例3)
原材料たる平板状の繊維系断熱材Zは、図5(c)に示すように、いわゆる台形波形状に切断してもよい。かかる形状によっても、凹凸面が同じ方向を向くように各凹凸部材81Dを回転させ、これらを組み合わせることにより、一方の面に凹凸を備える断熱材8を容易に製造することができる。また、台形波形状にすることにより、空間9(図2参照)を相互に連続させることができ、通気性、換気性を良好にすることができる。
(変形例4)
原材料たる平板状の繊維系断熱材Zは、図5(d)に示すように、いわゆる矩形波形状に切断してもよい。かかる形状によっても、凹凸面が同じ方向を向くように各凹凸部材81Eを回転させ、これらを組み合わせることにより、一方の面に凹凸を備える断熱材8を容易に製造することができる。
ここで、繊維系断熱材Zを矩形波形状に切断した場合は、凹凸部材81Eの位相を例えば1/4周期ずつ相互にずらすことにより、隣り合う空間9同士を連通させるのが好適である。
以上、本発明の第1実施形態について図面を参照して説明したが本発明はかかる実施形態に限定されるものではないことは言うまでもない。
例えば、第1実施形態においては、原材料として繊維系断熱材Zを用いたが、これに限られるものではなく、例えばポリウレタンフォーム等を発泡させて形成した平板状の発泡系断熱材を原材料として適用することも可能である。かかる場合にも、特殊な形状に形成した型枠などを用いることなく、凹凸を備える断熱材を容易に形成することができる。
また、凹凸を備える切断面M1の形状は、図1〜図5に示した形状に限られるものではなく、これらを組み合わせた形状であっても良いし、これら以外の形状、例えば円弧が交互に逆向きに連続する形状やまったく不規則な凹凸が連続する形状などでもよい。
<第2実施形態>
つづいて、本発明の第2実施形態について図6を参照して説明する。図6は、本発明の第2実施形態に係る壁体を示した断面図である。
第2実施形態に係る壁体20は、第1実施形態に係る壁体1と比較して、一方の表面に凹凸を備える断熱材8が外装材7の屋外側に設置されていわゆる外断熱構造となっている点が異なっている。
かかる構成によれば、断熱材8の凸部81aの頂点と、面材たる外装材7の屋外側の面とが当接することにより、断熱材8と外装材7との間に空間9が形成される。これにより、壁体20の断熱性を確保しつつ壁体20の内部と空間9との換気を図ることができる。そのため、壁体20内部の結露およびカビの発生などを防止することができる。
このように、断熱材8は、凹凸面に対して繊維層の方向が略直交していることから、低密度品であっても比較的強度が高く、外断熱工法の断熱材として用いることができる。
なお、第2実施形態においては、図6に示すように、断熱材8の凹凸を屋内側に向けて、断熱材8と外装材7との間に空間9を形成したが、断熱材8の凹凸を屋外側に向けて、断熱材8と外壁材Gとの間に空間を形成するようにしてもよい。このような構成によっても、外断熱構造(あるいは遮熱構造)の構造体とすることができる。
<第3実施形態>
つづいて、本発明の第3実施形態について図7を参照して詳細に説明する。図7は、本発明の第3実施形態に係る屋根下地を示した断面図である。
(屋根下地30)
第3実施形態に係る断熱構造体たる屋根下地30は、図7の紙面垂直方向に等間隔で配置されたいわゆる垂木31と、この垂木31の上部に貼り付けられた面材たる野地板32と、垂木31の間にはめ込まれた断熱材33と、垂木31の下部(屋根裏側)に胴縁34を介して貼り付けられた下地板35と、から構成されている。野地板32の上部には、ルーフィング37によって防水層が形成されている。また、ルーフィング37の上部には瓦38が設置されている。
屋根下地30は、図7に示すように、壁体1から所定長さだけ張り出している。この張り出した部分の下地板35には、軒裏換気口36が設けられており、屋根下地30の内部空間と外部とが連通されている。また、壁体1の換気層Kの上端も、屋根下地30の内部空間と連通されており、換気を図れるようになっている。
(断熱材33)
断熱材33は、第1、第2実施形態における断熱材8と略同じ構造を呈している。すなわち、断熱材32は、野地板31側の面に波形の凹凸を有しており、その凸部が野地板31に当接することにより空間9が形成されるようになっている。当該空間9は、軒裏換気口36及び換気層Kと連通しており、通気性を有している。これにより、屋根下地30内の防露・防カビを図ることができる。
なお、本実施形態においては、断熱材33は、屋根下地30と壁体1との接合部付近までしか充填されていない。そのため、屋根下地30の妻30a付近は、断熱材8が充填されておらず空洞になっており、軒裏換気口36を介して換気を図りやすくなっている。
(野地板32)
野地板32は、例えば透湿性の高い合板などで構成されており、空間9の湿気を屋外に放出することができるようになっている。ここで、ルーフィング37は、下面に凹凸を備える防水紙(防水シート)を用いて構成するのが好適である。かかる構成によれば、屋根下地30の内部の湿気が放出されやすくなる。
かかる屋根下地30によれば、野地板32と断熱材33との間に容易に空間9を形成することができ、屋根下地30の内部における通気性を確保し、結露やカビの発生を防止することができる。
以上、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
例えば、本実施形態においては、本発明に係る断熱構造体を壁体および屋根下地に適用したが、これに限られるものではなく、断熱材が用いられる他の構造体、例えば天井、床、化粧柱、建具などに適用してもよい。
また、本願の断熱材の製造方法は、第1実施形態で説明したように、繊維系断熱材に凹凸を形成する場合に特に有効であるが、発泡系断熱材に凹凸を形成する場合に用いても良いことは言うまでもない。
なお、繊維系断熱材の原料としては、グラスウール、ロックウール、PET(ポリエチレンテレフタレート)等がある。また、発泡系断熱材の原料としては、ポリウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム、フェノールフォーム、尿素樹脂発泡体、エポキシフォーム等がある。
また、第1実施形態においては、木造枠組壁構法の壁体1を例にして説明したが、木造軸組構法の壁体や屋根下地、あるいは木造ではないスチールハウス等に適用してもよい。屋根下地についても同様である。
本発明の第1実施形態に係る壁体の斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る壁体の断面図である。 第1実施形態に用いる断熱材の製造工程を示した説明図である。 第1実施形態に用いる断熱材の製造工程を示した説明図である。 原材料の切断形状の変形例を示した説明図である。 本発明の第2実施形態に係る壁体を示した断面図である。 本発明の第3実施形態に係る屋根下地を示した断面図である。
符号の説明
1 壁体(断熱構造体)
2 下枠
3 上枠
4 竪枠
5 枠組体
6 内装材
7 外装材(面材)
8 断熱材
81 凹凸部材
9 空間
Z 繊維系断熱材(原材料)

Claims (3)

  1. 少なくとも一方の表面に凹凸を備える断熱材と、面材と、を有する断熱構造体であって、
    前記断熱材の凸部が前記面材に当接されることにより、前記面材と前記断熱材との間に空間が形成され
    前記断熱材は、少なくとも一方の表面に凹凸を備える複数の凹凸部材を、前記凹凸を同じ方向に向けた状態で組み合わせてなり、
    前記凹凸部材は、複数の繊維層を積層して平板状に形成された繊維系断熱材からなる原材料を、少なくとも一方の切断面に凹凸が形成されるように、前記複数の繊維層と略直交する方向に切断して形成されることを特徴とする断熱構造体。
  2. 少なくとも一方の表面に凹凸を備える複数の凹凸部材を、前記凹凸を同じ方向に向けた状態で組み合わせてなる断熱材であって、
    前記凹凸部材は、繊維系断熱材からなり、
    前記繊維系断熱材は、複数の繊維層を積層して形成されており、
    前記凹凸部材は、前記複数の繊維層と略直交する方向に前記凹凸が形成されていることを特徴とする断熱材。
  3. 複数の繊維層を積層して平板状に形成された繊維系断熱材からなる原材料を、少なくとも一方の切断面に凹凸が形成されるように、前記複数の繊維層と略直交する方向に切断し、複数の凹凸部材を製造する切断工程と、
    前記凹凸が形成された切断面を同じ方向に向けた状態で前記複数の凹凸部材を組み合わせる組合せ工程と、を備えることを特徴とする断熱材の製造方法。
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