JP4160873B2 - 多光軸光電スイッチ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、異常検出機能を備え異常を検出したときには異常表示灯を表示させるようにした多光軸光電スイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の多光軸光電スイッチとして、例えば特許文献1に開示されるものがある。この特許文献1に開示されている構成によれば、1つの異常表示灯で点灯回数を変更することで複数の異常状態を表示している。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−013210号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成においては、多光軸光電スイッチが異常状態となって異常が検出されたときに、作業者が異常状態を異常表示灯の点灯回数により識別する必要があるため、作業者がこの異常表示灯を凝視して確認する必要があり、しかも点灯回数を正確に認識しなければならないため確認しにくく、作業者が誤って異常状態を判断してしまう虞もある。
【0005】
そこで異常表示灯の数を複数設けて対処する方法も考えられる。しかし多光軸光電スイッチには何等かの異常が発生した場合に備えて、その異常状態をできる限り素早く検出し作業者に報知するため数多くの制御が行われている。したがって、投光器や受光器を主として制御動作する投光制御手段や受光制御手段に設けられる出力制御線もその制御やその他の制御に用いられているため、異常表示灯の数を増加させてそれぞれ個別に制御するだけの出力制御線を設けることは、大幅な改変を必要としてしまうことになる。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数種類の異常状態を点灯表示させるために複数の異常表示灯を設ける際に、出力制御線の数を増加させず、少ない数の出力制御線のみで異常表示灯の点灯制御を行うことができる多光軸光電スイッチを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、所定範囲の検出エリアに投光するように配置された複数の投光素子と、投光制御信号を出力する投光制御手段と、この投光制御手段から出力される投光制御信号に基づいて複数の投光素子を順次選択して投光駆動する投光駆動手段とを備えてなる投光器と、複数の投光素子に対向して配置される複数の受光素子と、受光制御信号を出力する受光制御手段と、この受光制御手段から出力される受光制御信号に基づいて複数の投光素子の投光タイミングに同期して投光素子に対応した受光素子の受光信号を選択する受光選択手段とを備え、受光選択手段により選択された受光素子からの受光信号に基づいて検出信号を出力する受光器と、により構成され、投光器には、少なくとも投光器の異常状態を検出し異常検出信号を出力する異常検出手段と、異常表示灯とを備え、投光制御手段は、異常検出手段から出力される異常検出信号に基づいて異常表示灯を点灯制御する多光軸光電スイッチにおいて、投光器は、異常表示灯が複数接続された異常表示駆動手段と、異常検出手段から出力される異常検出信号に基づいて投光器の異常状態の種類を判別し異常状態の種類に応じた異常判別信号を出力する異常判別手段とを備え、投光制御手段は、異常判別手段から出力された異常判別信号に基づいて異常状態に対応した異常表示選択信号を異常表示駆動手段に出力し、異常表示駆動手段は、投光制御手段から出力された異常表示選択信号に基づいて異常状態に対応した異常表示灯を選択的に点灯駆動することを特徴としている。
しかも、異常表示駆動手段は投光駆動手段と少なくとも一部が共用されるように構成されると共に、複数の異常表示灯は複数の投光素子の少なくとも一部とそれぞれ対応するように設けられ、切替手段を設け、切替手段は、異常検出手段から異常検出信号が出力されないときには、複数の投光素子による投光動作を有効化するように切替えると共に、複数の異常表示灯による表示動作を無効化するように切替え、投光制御手段は、異常判別手段から異常判別信号が出力されないときには、投光制御信号を出力することに基づいて投光駆動手段により複数の投光素子を順次選択して投光させるように駆動し、他方、切替手段は、異常検出手段から異常検出信号が出力されるときには、複数の投光素子による投光動作を無効化するように切替えると共に、複数の異常表示灯による表示動作を有効化するように切替え、投光制御手段は、異常判別手段から異常判別信号が出力されるときには、異常状態に対応した異常表示選択信号を異常表示駆動手段に出力することに基づいて異常表示駆動手段により複数の異常表示灯を点灯駆動させることを特徴としている。
【0008】
このような手段によれば、投光制御手段は、異常判別手段から出力される異常判別信号に基づいて異常状態に対応した異常表示選択信号を異常表示駆動手段に出力し、異常表示駆動手段は、投光制御手段から出力された異常表示選択信号に基づいて異常状態に対応した異常表示灯を選択的に点灯駆動するため、複数種類の異常状態を点灯表示させるために複数の異常表示灯を設ける際に、出力制御線の数を増加させず、少ない数の出力制御線のみで異常表示灯の点灯制御を行うことができる。
【0010】
しかも、投光制御手段は、異常判別手段から異常判別信号が出力されない時には、投光制御信号を出力することに基づいて投光駆動手段により複数の投光素子を順次選択して投光させるように駆動し、異常判別信号が出力されるときには投光制御信号の出力を停止して異常状態に対応した異常表示選択信号を異常表示駆動手段に出力するため、異常表示灯を設ける際に、異常表示灯を駆動するための新たな部品を設ける必要がなくなり、コストアップすることなく異常表示灯を設置することができるという効果を奏する。
【0011】
さらに、請求項記載の発明は、請求項記載の発明において、投光駆動手段は、複数の投光素子に対応するように接続され投光制御手段から出力される投光制御信号に基づいて順次選択する投光選択回路と、この投光選択回路の選択タイミングに同期して複数の投光素子を駆動する駆動回路とから構成され、異常検出手段は駆動回路の異常を検出すると当該異常に対応した異常検出信号を出力するように構成され、投光制御手段は、異常検出手段から出力される異常検出信号に基づいて異常表示灯を点灯制御することを特徴としている。
【0012】
このような手段によれば、異常検出手段が駆動回路の異常を検出すると当該異常に対応した異常検出信号を出力し、投光制御手段は、異常検出手段から出力される異常検出信号に基づいて異常表示灯を点灯制御するため、駆動回路の異常を検出したとしても、当該異常状態を異常表示灯に点灯させることができ、作業者に通知することができる。
【0013】
請求項記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、投光駆動手段は、複数の投光素子に対応するように接続され投光制御手段から出力される投光制御信号に基づいて順次選択する投光選択回路と、この投光選択回路の選択タイミングに同期して複数の投光素子を駆動する駆動回路とから構成され、異常検出手段は、投光選択回路の異常を検出すると当該異常に対応した異常検出信号を出力するように構成され、投光制御手段は、異常検出手段から出力される異常検出信号に基づいて異常表示灯を点灯制御することを特徴としている。
【0014】
このような手段によれば、異常検出手段が投光選択回路の異常を検出すると当該異常に対応した異常検出信号を出力し、投光制御手段は、異常検出手段から出力される異常検出信号に基づいて異常表示灯を点灯制御するため、投光選択回路の異常を検出したとしても、当該異常状態を異常表示灯に点灯させることができ、作業者に通知することができる。
【0015】
請求項記載の発明は、請求項1ないしの何れかに記載の発明において、投光選択回路はシフトレジスタにより構成されており、投光制御手段は、異常判別手段から出力される異常判別信号に基づいて複数の異常表示灯のうち2つ以上の所定数表示させるための異常表示選択信号をシフトレジスタに異常状態に応じて出力し、シフトレジスタは、異常状態に対応して投光制御手段から出力された異常表示選択信号により選択された所定数の異常表示灯を点灯するように構成したところを特徴としている。
【0016】
このような手段によれば、投光選択回路はシフトレジスタにより構成されており、投光制御手段は、複数の異常表示灯のうち2つ以上の所定数表示させるための異常表示選択信号をシフトレジスタに異常状態に応じて出力し、シフトレジスタは異常状態に対応して投光制御手段から出力された異常表示選択信号により選択された所定数の異常表示灯を点灯するため、異常状態に応じて所定数の異常表示灯を複数組み合わせて表示させることができ、異常表示灯を設けるときに必要最小限の個数で済み、複数の異常表示灯を一度に表示させることができ、導入コストを極力抑制することができる。
【0017】
請求項記載の発明は、所定範囲の検出エリアに投光するように配置された複数の投光素子と、投光制御信号を出力する投光制御手段と、この投光制御手段から出力される投光制御信号に基づいて複数の投光素子を順次選択して投光駆動する投光駆動手段とを備えてなる投光器と、複数の投光素子に対向して配置される複数の受光素子と、受光信号を出力する受光制御手段と、この受光制御手段から出力される受光制御信号に基づいて複数の投光素子の投光タイミングに同期して投光素子に対応した受光素子の受光信号を選択する受光選択手段とを備え、受光選択手段により選択された受光素子からの受光信号に基づいて検出信号を出力する受光器と、により構成され、受光器には、少なくとも受光器の異常状態を検出し異常検出信号を出力する異常検出手段と、異常表示灯とを備え、受光制御手段は、異常検出手段から出力される異常検出信号に基づいて異常表示灯を点灯制御する多光軸光電スイッチにおいて、受光器は、異常表示灯が複数接続された異常表示駆動手段と、異常検出手段からの異常検出信号に基づいて受光器の異常状態の種類を判別し異常状態の種類に応じた異常判別信号を出力する異常判別手段とを備え、受光制御手段は、異常判別手段からの異常判別信号に基づいて異常状態に対応した異常表示選択信号を異常表示駆動手段に出力し、異常表示駆動手段は、投光制御手段から出力された異常表示選択信号に基づいて異常状態に対応した異常表示灯を選択的に点灯駆動することを特徴としている。
しかも、異常表示駆動手段は受光選択手段と少なくとも一部が共用されるように構成されると共に、複数の異常表示灯は複数の受光素子の少なくとも一部とそれぞれ対応するように設けられ、切替手段を設け、切替手段は、異常検出手段から異常検出信号が出力されないときには複数の受光素子による受光信号を受付けるようにすると共に複数の異常表示灯による表示動作を無効化するように切替え、受光制御手段は、異常判別手段から異常判別信号が出力されないときには、受光制御信号を出力することに基づいて受光選択手段により複数の受光素子を順次選択して受光させるように動作し、切替手段は、異常検出手段から異常検出信号が出力されるときには、複数の受光素子による受光信号を受付けないようにすると共に複数の異常表示灯による表示動作を有効化するように切替え、受光制御手段は、異常判別手段から異常判別信号が出力されるときには異常状態に対応した異常表示選択信号を異常表示駆動手段に出力することに基づいて異常表示駆動手段に複数の異常表示灯を点灯駆動させることを特徴としている。
【0018】
請求項記載の発明によれば、受光制御手段は、異常判別手段から出力される異常判別信号に基づいて異常状態に対応した異常表示選択信号を異常表示駆動手段に出力し、異常表示駆動手段は、受光制御手段から出力された異常表示選択信号に基づいて異常状態に対応した異常表示灯を選択的に点灯駆動するため、複数種類の異常状態を点灯表示させるために複数の異常表示灯を設ける際に、出力制御線の数を増加させず、少ない数の出力制御線のみで異常表示灯の点灯制御を行うことができるという優れた効果を奏する。
【0020】
しかも、受光制御手段は、異常判別手段から異常判別信号が出力されない時には、複数の受光素子による受光信号を受付けるようにすると共に複数の異常表示灯による表示動作を無効化するように切替え、異常判別手段から異常判別信号が出力されるときには受光制御信号の出力を停止して異常状態に対応した異常表示選択信号を異常表示駆動手段に出力するため、異常表示灯を設ける際に、異常表示灯を駆動するための新たな部品を設ける必要がなくなり、コストアップすることなく異常表示灯を設置することができる。
【0021】
請求項記載の発明は、請求項記載の発明において、受光選択手段は、複数の受光素子の受光信号を選択するためのスイッチ回路と、複数の投光素子の投光タイミングに同期して受光制御手段の受光制御信号に基づいてスイッチ回路をオンオフ切替えする受光選択回路とから構成され、異常検出手段は、受光選択回路の異常を検出すると当該異常に対応した異常検出信号を出力するように構成され、受光制御手段は、異常検出手段から出力される異常検出信号に基づいて異常表示灯を点灯制御することを特徴としている。
【0022】
このような手段によれば、異常検出手段が受光選択回路の異常を検出すると当該異常に対応した異常検出信号を出力し、受光制御手段は、異常検出手段から出力される異常検出信号に基づいて異常表示灯を点灯制御するため、受光選択回路の異常を検出したとしても、当該異常状態を異常表示灯に点灯させることができ、作業者に通知することができる。
【0023】
請求項記載の発明は、請求項5または6記載の発明において、受光選択手段は、複数の受光素子の受光信号を選択するためのスイッチ回路と、複数の投光素子の投光タイミングに同期して受光制御手段の受光制御信号に基づいてスイッチ回路をオンオフする受光選択回路とから構成され、異常検出手段は、スイッチ回路の異常を検出すると当該異常に対応した異常検出信号を出力するように構成され、受光制御手段は、異常検出手段から出力される異常検出信号に基づいて異常表示灯を点灯制御することを特徴としている。
【0024】
このような手段によれば、異常検出手段がスイッチ回路の異常を検出すると、当該異常に対応した異常検出信号を出力し、受光制御手段は、異常検出手段から出力される異常検出信号に基づいて異常表示灯を点灯制御するため、スイッチ回路の異常を検出したとしても、当該異常状態を異常表示灯に点灯させることができ、作業者に通知することができる。
【0025】
請求項記載の発明は、請求項ないしの何れかに記載の発明において、受光選択回路は、シフトレジスタを含んで構成されており、受光制御手段は、異常判別手段から出力される異常判別信号に基づいて複数の異常表示灯のうち2つ以上の所定数表示させるための異常表示選択信号をシフトレジスタに異常状態に応じて出力し、シフトレジスタは、異常状態に対応して投光制御手段から出力された異常表示選択信号により選択された所定数の異常表示灯を点灯するように構成されているところを特徴としている。
【0026】
このような手段によれば、受光選択回路はシフトレジスタを含んで構成されており、受光制御手段は、複数の異常表示灯のうち2つ以上の所定数表示させるための異常表示選択信号をシフトレジスタに異常状態に応じて出力し、シフトレジスタは異常状態に対応して受光制御手段から出力された異常表示選択信号により選択された所定数の異常表示灯を点灯するため、異常状態に応じて所定数の異常表示灯を複数組み合わせて表示させることができ、異常表示灯を設けるときに必要最小限の個数で済み、複数の異常表示灯を一度に表示させることができ、導入コストを極力抑制することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を4光軸の多光軸光電スイッチに適用した一実施形態について図1を参照しながら説明する。
図1は、多光軸光電スイッチの電気的構成を主体として示している。この図1において、多光軸光電スイッチ(以下、光電スイッチと略す)1は、4個の投光素子となるLED2a〜2dを有する投光器3と、4個の受光素子となるフォトダイオード(以下、PDと称す)4a〜4dを有する受光器5とから構成されている。
【0028】
これらのLED2a〜2dは、PD4a〜4dとそれぞれ対向するように配置されており4光軸が形成されている。これらの4光軸により投光器3と受光器5との間に所定範囲の検出エリアが設定される。この検出エリアに被検出物体が存在すると、LED2a〜2dおよびPD4a〜4d間をそれぞれ通過する光が遮断されることになり、このうち1光軸でも光が遮断されれば検出エリアに被検出物体が存在することを光電スイッチ1が検出することができるようになる。
【0029】
投光器3は、投光器3の全体の制御を行う投光制御手段6を主体として構成されている。投光制御手段6は、投光用のCPU,ROM,RAMを備えてなるマイクロコンピュータを備え、EEPROMが設けられて構成されている(何れも図示せず)。この投光制御手段6は、受光器5の全体の制御を行う受光制御手段7に電気的に接続されている。この受光制御手段7は、受光用のCPU,ROM,RAMを備えてなるマイクロコンピュータを備え、EEPROMやA/D変換器,WDT回路(ウォッチドッグタイマ回路)等が設けられて構成されている(何れも図示せず)。これら投光制御手段6および受光制御手段7間では同期信号を送受信するように構成されており、この同期信号に基づいて投光器3のLED2a〜2dから投光された光が所定範囲の検出エリアを介して受光器5のPD4a〜4dで受光されるようになっている。
【0030】
投光制御手段6は、投光駆動手段8に投光制御信号を出力するようになっている。また投光制御手段6は、外部切替型定電流回路9にオンオフ切替信号を出力する。この外部切替型定電流回路9は、投光有効無効切替手段として機能するもので、投光制御手段6から与えられるオンオフ切替信号に基づいてLED2a〜2dに対する通電をオンオフ切替えするようになっている。
【0031】
投光駆動手段8は、投光選択回路としてのシフトレジスタ10と、駆動回路11a〜11dとから構成されている。シフトレジスタ10は、4ビットの直列入力−並列出力シフトレジスタにより構成されており、通常動作時には投光制御手段6から出力される投光制御信号が与えられることにより駆動回路11a〜11dを順次選択して駆動させる。より詳細に説明すると、投光制御手段6は投光駆動手段8とは、主要な制御線としてシフトレジスタ10のデータ端子(D端子)およびクロック端子(CK端子)の2本の出力制御線により接続されており、これにより駆動回路11a〜11dに駆動させる。また、シフトレジスタ10のQ3端子(最上位)は投光制御手段6に接続されている。
【0032】
尚、本実施形態では、4個のLEDおよび4個の異常表示灯を有する投光器の実施形態を示すが、2個もしくは3個の異常表示灯を有する投光器については言うまでもなく、5個以上のLED,5個以上の異常表示灯を有する投光器についても、詳細説明は省略するが、例えばシフトレジスタ10を複数段接続することで、投光制御手段6と投光駆動手段8との間の主要な出力制御線を2本で接続した状態で、後述するような作用効果を実現することができる。
【0033】
外部切替型定電流回路9が投光制御手段6から与えられたオンオフ切替信号によりLED2a〜2dに対する通電をオン状態に切替えている場合には、シフトレジスタ10による駆動回路11a〜11dの選択タイミングに同期してそれぞれ接続されたLED2a〜2dを投光駆動する。したがってこの場合、投光制御手段6は、投光制御信号として駆動指令を投光駆動手段8に与えることにより所定の投光タイミングでLED2a〜2dを投光駆動することができる。
【0034】
他方、外部切替型定電流回路9が投光制御手段6から与えられたオンオフ切替信号によりLED2a〜2dに対する通電をオフ状態に切替えている場合には、LED2a〜2dに通電されないため、たとえ投光制御手段6から投光駆動手段8に投光制御信号として駆動指令が与えられても、駆動回路11a〜11dはLED2a〜2dを投光駆動できない。
【0035】
また、投光器3は、4個の異常表示灯12a〜12dを備えている。この異常表示灯12a〜12dは、それぞれLEDにより構成されており、投光駆動手段8に接続されている。消灯時には異常動作しておらず正常動作が行われていることを示しており、点灯時には投光器3内に何等かの異常が発生していることを示している。
【0036】
この異常表示灯12a〜12dは、その4個の点灯時の組み合わせにより全消灯時以外で最大(2の4乗−1)=15種類の異常内容を外部に通知することができる。この異常内容例を挙げると、例えば投光制御手段6内に構成されるEEPROMのCRCチェック異常、光軸数のチェック異常、投光光量の異常、投光回路(駆動回路11a〜11dもしくはLED2a〜2d)の異常、WDT回路異常、投光制御手段6内のROMの異常等が挙げられる。尚、本実施形態においては故障時等の異常時には異常表示灯12a〜12dを点灯制御するのみであり、例えば点滅制御するように構成していないため、作業者が異常確認を素早く正確に行うことができる。本実施形態では、これらの15種類の異常内容を素早く外部に報知しながら、投光制御手段6の主要な出力制御線をできる限り少なくするようにした実施形態を説明する。
【0037】
これらの異常表示灯12a〜12dを構成するLEDは、図1に示す電気的構成上、LED2a〜2dとそれぞれ対応するように1対1で並列に設けられ、LED2a〜2dの駆動回路11a〜11dが異常表示灯12a〜12dをそれぞれ駆動するように構成されており、LED2a〜2dの駆動用および異常表示灯12a〜12dの駆動用の駆動回路(投光駆動手段8)が共用されている。したがって投光駆動手段8は、異常表示駆動手段として機能するようになっている。
【0038】
さて投光制御手段6は、異常表示灯有効無効切替手段13にオンオフ切替信号を出力するようになっている。この異常表示灯有効無効切替手段13は、例えばハードウェアにより構成される場合には図1に示すようにBJT等のトランジスタにより構成されるもので、投光制御手段6から与えられるオンオフ切替信号により異常表示灯12a〜12dに対する電源Vcの通電をオンオフ切替えすることにより異常表示灯12a〜12dによる点灯表示を有効/無効切替可能に構成されている。
【0039】
このとき仮に異常表示灯有効無効切替手段13が投光制御手段6から与えられたオンオフ切替信号により異常表示灯12a〜12dに対する電源Vcの通電をオン状態に切替えている場合には、駆動回路11a〜11dにより異常表示灯12a〜12dを点灯駆動することができる。すなわち異常表示灯12a〜12dによる点灯表示が有効化される。
【0040】
他方逆に、異常表示灯有効無効切替手段13が投光制御手段6から与えられたオンオフ切替信号により異常表示灯12a〜12dに対する電源Vcの通電をオフ状態に切替えている場合には、異常表示灯12a〜12dには通電されないため、駆動回路11a〜11dは異常表示灯12a〜12dを点灯駆動することができない。すなわち異常表示灯12a〜12dの駆動回路11a〜11dによる点灯駆動を無効化することができる。
【0041】
また投光器3には、異常検出手段としての異常検出回路14が設けられている。この異常検出回路14は、抵抗により構成されており、当該抵抗がLED2a〜2dおよび駆動回路11a〜11dに並列接続されており(図1参照)、駆動回路11a〜11dが各LED2a〜2dを駆動するときに、各LED2a〜2dおよび各駆動回路11a〜11dに流れる電流を電圧検出するように構成されている。
【0042】
投光制御手段6は、異常判別手段15を備えている。この異常判別手段15は、異常検出回路14により出力された電圧を駆動回路11a〜11dがLED2a〜2dを駆動する所定のタイミングで検出し、この駆動状態およびタイミング,投光制御手段6による投光制御信号の出力タイミング,シフトレジスタ10のQ3端子(最上位)からの信号等に基づいて光軸数の異常、投光光量の異常、投光回路(駆動回路11a〜11dもしくはLED2a〜2d)の異常、等の異常を検出,判別するようになっている。また、異常判別手段15は、投光制御手段6に設けられたEEPROMのCRCチェック異常、WDT回路異常、ROMの異常を判別する。そして異常判別手段15は、投光制御手段6にこの異常判別信号を出力するようになっている。
【0043】
受光器5は、受光器5の全体の制御を行う受光制御手段7を主体として構成されている。受光制御手段7は、前述したように受光用のマイクロコンピュータを備えEEPROMやA/D変換器,WDT回路等が設けられて構成されている。
【0044】
受光制御手段7は、受光選択手段17を構成するシフトレジスタ18のD端子およびクロック端子(CK端子)に受光制御信号を出力するようになっている。シフトレジスタ18の出力(Q端子)にはそれぞれスイッチ回路としてのアナログスイッチ19a〜19dが接続されており受光選択手段17を構成している。シフトレジスタ18は、4ビットの直列入力−並列出力シフトレジスタにより構成されており、受光制御手段7から出力される受光制御信号が与えられることによりアナログスイッチ19a〜19dをオンオフ切替えする。
【0045】
このオンオフ切替制御は、受光制御手段7により行われるようになっており、受光制御手段7は、投光制御手段6および受光制御手段7間の同期信号の送受信により投光器3側の駆動回路11a〜11dが駆動するLED2a〜2dの投光タイミングに同期して、対応したアナログスイッチ19a〜19dをオン状態に切替制御する。受光制御手段7は、受光選択手段17とは、主要な制御線としてシフトレジスタ18のデータ端子(D端子)およびクロック端子(CK端子)の2本の出力制御線により接続されており、これによりアナログスイッチ19a〜19dを切替制御する。
【0046】
また、シフトレジスタ18のQ3端子(最上位)は受光制御手段7に接続されている。本実施形態では、4個のPDおよび4個の異常表示灯を有する受光器の実施形態を示すが、5個以上のPD,5個以上の異常表示灯を有する受光器にも適用することができる。詳細説明は省略するが、例えばシフトレジスタ18を複数段接続することで、受光制御手段7と受光選択手段17,異常表示駆動手段22との間の主要な出力制御線を2本接続した状態で、後述するような作用効果を実現することができる。
【0047】
アナログスイッチ19a〜19dは、シフトレジスタ18によりオンオフ切替えされてオン状態となると、PD4a〜4dの受光信号を増幅回路20a〜20dを介して異常検出手段21および受光制御手段7に入力させるようになっている。尚、アナログスイッチ19a〜19dは、逆にシフトレジスタ18によりオンオフ切替えされてオフ状態となると、PD4a〜4dによる受光信号を遮断し異常検出手段21および受光制御手段7に入力しない。
【0048】
異常検出手段21は、アナログスイッチ19a〜19dがオン状態のときに受光信号を入力し電圧検出するように構成されている。したがって、アナログスイッチ19a〜19dがオン状態となり受光信号を受光制御手段7に入力すべきタイミングで受光信号が異常検出手段21に入力しない場合には、異常検出手段21は受光信号によるアナログ電圧検出することがないため、この場合に異常検出手段21により受光制御手段7に異常検出信号として出力されることになる。
【0049】
受光制御手段7は、アナログスイッチ19a〜19dがオン状態のときにアナログ入力された受光信号を所定のしきい値と比較し、受光素子4a〜4dにおいて受光したか否かを判定しこの結果に基づいて被検出物体が検出エリアに存在するか否かを判定しこの結果として検出信号を出力するようになっている。
【0050】
さて、受光器5にも同様に4個の異常表示灯16a〜16dが備えられている。これらの異常表示灯16a〜16dはLEDにより構成されている。これらの異常表示灯16a〜16dは、消灯時には異常動作しておらず正常動作が行われていることを示しており、点灯時には受光器5内に何等かの異常が発生していることを示している。
【0051】
この異常表示灯16a〜16dは、その4個の点灯時の組み合わせにより全消灯時以外で最大(2の4乗−1)=15種類の異常内容を外部に通知することができる。この異常内容例を挙げると、例えば受光制御手段7内に構成されるEEPROMのCRCチェック異常、光軸数のチェック異常、外乱光の異常、OSSD異常、投光器3および受光器5の相互監視異常、受光回路(PD4a〜4d,増幅回路20a〜20d,アナログスイッチ19a〜19d)の異常、受光制御手段7内のROMの異常等が挙げられる。尚、本実施形態においては投光器3と同様に異常表示灯16a〜16dを点灯制御するのみであり、点滅制御するように構成していないため、作業者が受光器5側においても異常確認を素早く正確に行うことができる。本実施形態では、これらの15種類の異常内容を素早く外部に報知しながら、受光制御手段7の主要な出力制御線をできる限り少なくするようにした実施形態を説明する。
【0052】
受光制御手段7は、異常表示灯有効無効切替手段24にオンオフ切替信号を出力するようになっている。この異常表示灯有効無効切替手段24は、例えばハードウェアにより構成される場合には図1に示すようにBJT等のトランジスタにより構成されるもので、受光制御手段7から与えられるオンオフ切替信号により異常表示灯16a〜16dに対する電源Vcの通電をオンオフ切替えすることにより異常表示灯16a〜16dによる点灯表示を有効/無効切替可能に構成されている。
【0053】
これらの異常表示灯16a〜16dを構成するLEDは、PD4a〜4dとそれぞれ対応するように1対1で設けられている。このとき、異常表示灯16a〜16dを点灯駆動するための異常表示駆動手段22が設けられており、この異常表示駆動手段22は、受光選択手段17と一部共用されている。具体的には、受光選択手段17を構成するシフトレジスタ18の出力(Q端子)が、異常表示灯16a〜16dをそれぞれ駆動するための駆動回路23a〜23dを介して異常表示灯16a〜16dを点灯駆動可能に接続されている。
【0054】
このとき、異常表示灯有効無効切替手段24が受光制御手段7から与えられたオンオフ切替信号により異常表示灯16a〜16dに対する電源Vcの通電をオン状態に切替えている場合には、駆動回路23a〜23dにより異常表示灯16a〜16dを点灯駆動することができる。
【0055】
逆に、異常表示灯有効無効切替手段24が受光制御手段7から与えられたオンオフ切替信号により異常表示灯16a〜16dに対する電源Vcの通電をオフ状態に切替えている場合には、駆動回路23a〜23dにより異常表示灯16a〜16dを点灯駆動できない。すなわち異常表示灯16a〜16dの駆動回路23a〜23dによる点灯駆動を無効化することができる。
【0056】
受光制御手段7は、異常判別手段25を備えている。この異常判別手段25は、異常検出手段21により出力された電圧を検出し、投光制御手段6との同期信号およびシフトレジスタ18に対する受光制御信号の出力タイミング,シフトレジスタ18のQ3端子(最上位)からの信号等に基づいて光軸数の異常、受光回路(PD4a〜4dや増幅回路20a〜20d,アナログスイッチ19a〜19d)の異常、等の異常を検出,判別するようになっている。また、異常判別手段25は、この他にも動作時には受光制御手段7に設けられたEEPROMのCRCチェック異常、EEPROMの故障、ROMの異常等を判別する。そして、異常判別手段25は、受光制御手段7にこの異常判別信号を出力するようになっている。
【0057】
上記構成の作用について、説明する。
【0058】
投光制御手段6および受光制御手段7は、同期信号を送受信することに基づいてLED2a〜2dおよびPD4a〜4dにより投受光制御する。この通常動作状態では、投光器3側では、投光制御手段6により外部切替型定電流回路9がオン状態に切替えられLED2a〜2dに通電されるとともに、異常表示灯有効無効切替手段13がオフ状態に切替えられ異常表示灯12a〜12dには通電されず無効化される。またこのような通常動作状態では、受光器5側では、異常表示灯有効無効切替手段24がオフ状態に切替えられ異常表示灯16a〜16dに通電されず無効化される。
【0059】
したがって、投光制御手段6および受光制御手段7がLED2a〜2dおよびPD4a〜4dにより投受光制御したとしても異常表示灯12a〜12dおよび16a〜16dの消灯状態が維持される。この場合、投光器3側では、LED2a〜2d,駆動回路11a〜11dもしくは投光選択回路10等に異常が発生しない限り、異常検出回路14から異常検出信号として異常な電圧信号が出力されることはない。
【0060】
受光器5側では、PD4a〜4d,増幅回路20a〜20dもしくはアナログスイッチ19a〜19d,シフトレジスタ18に異常が発生しない限り、異常検出手段21が異常な電圧を検出することはなく異常検出信号として異常な信号電圧が出力されることはない。
【0061】
ここで、投光器3内もしくは受光器5内で異常が生じると異常判別手段15もしくは25がこの異常を判別する。
【0062】
<投光器3の異常について>
このとき、投光選択回路10のQ3端子から所定のタイミングで駆動回路11dを駆動する駆動信号が出力されないと異常判別手段15では投光選択回路10から異常検出信号が出力されたものと見なし異常と検出する。すなわち、この場合、異常判別手段15は、投光選択回路10に異常が発生したことを検出し、当該異常に対応した異常検出信号を投光制御手段6に出力する。
【0063】
また、異常検出回路14が、駆動回路11a〜11dがLED2a〜2dを駆動する所定のタイミングで電圧検出しない場合には、電圧検出されない旨が異常検出信号が出力されたものと見なし、異常判別手段15は、投光回路(駆動回路11a〜11d,LED2a〜2d)に異常が発生した旨を検出,判別する。この場合、異常判別手段15は、駆動回路11a〜11dもしくはLED2a〜2dに異常が発生したと検出,判別する。
【0064】
異常判別手段15が異常を検出して異常状態の種類を判別すると、投光制御手段6にこの異常判別信号を出力する。切替手段として機能する投光制御手段6は、外部切替型定電流回路9にオンオフ切替信号を出力して電流出力をオフ状態に切替える。したがって、LED2a〜2dには通電されなくなりLED2a〜2dによる投光動作が無効化されるように切替えられる。
【0065】
投光制御手段6は、異常判別手段15から出力された異常判別信号に基づいて異常表示灯12a〜12dを点灯制御する。具体的には、投光制御手段6は、投光駆動手段8に対して投光制御信号の出力を停止し、代わりに異常表示駆動手段としても機能する投光駆動手段8に対して、異常状態に対応した異常表示選択信号を出力する。具体的には、投光制御手段6は、シフトレジスタ10のD端子に異常表示灯12a〜12dを表示駆動するための所定のデータを設定し、CK端子にクロック信号を与えて、Q0〜Q3端子の電圧(ハイ,ロウ)状態を順次変化させ、Q0〜Q3端子に異常状態に応じたハイ,ロウの状態にセットする。
【0066】
この後、投光制御手段6は、異常表示灯有効無効切替手段13をオン状態にするオンオフ切替信号を出力すると、異常表示灯12a〜12dに通電されるようになり異常表示灯12a〜12dの表示動作が有効化されるようになる。このとき異常表示灯12a〜12dが所定の設定状態で全て同時に点灯する。
【0067】
すなわち投光制御手段6は、異常表示駆動手段8に異常表示灯12a〜12dを選択的に点灯駆動させることができる。したがって、投光器3で異常が生じた旨を異常表示灯12a〜12dに点灯表示させることができる。またこの場合、LED2a〜2dのうち4つのうち2つ以上のLEDを同時に点灯制御することができる。
【0068】
尚、投光制御手段6から出力する出力制御線は、異常表示灯12a〜12dを複数個設ける際に、異常表示灯12a〜12dを選択して表示させるための必要最小限の本数だけ設ければよい。
【0069】
<受光器5の異常について>
受光器5側では、例えば、シフトレジスタ18のQ3端子から所定のタイミングでアナログスイッチ19a〜19dをオンオフ切替えする制御が行われないと、Q3端子から当該タイミングでアナログスイッチ19a〜19dの切替制御信号が出力されないため、異常判別手段25ではシフトレジスタ18から異常検出信号が出力されたものと見なし異常と検出する。
【0070】
また、異常検出手段21によりPD4a〜4dからアナログスイッチ19a〜19dのオンタイミング(所定のタイミング)で電圧検出されず、しかも受光制御手段7で検出エリアの光が遮断されたと判定されない場合には、当該電圧検出されない旨が異常検出信号が出力されたものと見なし、異常判別手段25は、受光回路(PD4a〜4d,増幅回路20a〜20d,アナログスイッチ19a〜19d)に異常が発生したと検出,判別する。この場合、異常判別手段25は、PD4a〜4d,増幅回路20a〜20d,アナログスイッチ19a〜19dに異常が発生したと検出,判別する。
【0071】
異常判別手段25が異常を検出して異常状態の種類を判別すると、受光制御手段7にこの異常判別信号を出力する。受光制御手段7は、受光選択手段17に受光制御信号の出力を停止する。
【0072】
受光制御手段7は、異常判別手段25から出力された異常判別信号に基づいて異常表示灯16a〜16dを点灯制御する。受光制御手段7は、異常表示駆動手段22に対して異常状態に対応した異常表示選択信号を出力する。具体的には、受光制御手段7は、シフトレジスタ18のD端子に異常表示灯16a〜16dを表示駆動するための所定のデータを設定し、CK端子にクロック信号を与えて、Q0〜Q3端子の電圧(ハイ,ロウ)状態を順次変化させ、Q0〜Q3端子に異常状態に応じたハイ、ロウの状態にセットする。
【0073】
この後、受光制御手段7は、異常表示灯有効無効切替手段24をオン状態にするオンオフ切替信号を異常表示選択信号として出力する。したがって、異常表示灯16a〜16dに通電されるようになり異常表示灯16a〜16dの表示動作が有効化されるようになる。
【0074】
すなわち、受光制御手段7は、異常表示駆動手段22に異常表示灯16a〜16dを選択的に点灯駆動させることができる。したがって、受光器5で異常が生じた旨を異常表示灯16a〜16dに点灯表示させることができ、4個の異常表示灯16a〜16dのうち2つ以上の異常表示灯を同時に点灯制御することができる。
【0075】
尚、投光制御手段6から出力する出力制御線は、異常表示灯12a〜12dを複数個設ける際に、異常表示灯12a〜12dを選択して表示させるための必要最小限の本数だけ設ければよい。
【0076】
このような実施形態によれば、投光器3側では、異常検出回路14により異常検出信号が出力されると異常判別手段25がこの異常の種類を判別し、投光制御手段6は、異常判別手段15から出力された異常判別信号に基づいて異常状態に対応した異常表示選択信号を、異常表示駆動手段と共用するように構成された投光駆動手段8に出力し、投光駆動手段8は、投光制御手段6から出力された異常表示選択信号に基づいて異常状態に対応した異常表示灯12a〜12dを選択的に点灯駆動するため、15種類の異常状態を点灯表示させるために4個の異常表示灯12a〜12dを設ける際に、投光制御手段6からシフトレジスタ10に接続する主要な出力制御線の数を2本としながら、異常表示灯12a〜12dの点灯制御を行うことができる。しかも、異常表示灯12a〜12dを駆動するための新たな部品を設ける必要がなくなり、コストアップすることなく異常表示灯12a〜12dを設置することができる。
【0077】
投光制御手段6が、シフトレジスタ10のQ3端子から出力される信号に基づいてシフトレジスタ10の異常を検出することができるので、当該異常を異常表示灯12a〜12dに点灯表示することで作業者に通知することができる。
【0078】
投光駆動手段8の異常を検出することができるので、当該異常を異常表示灯12a〜12dに点灯表示することで作業者に通知することができる。
【0079】
また、受光器5側でも同様に、異常検出手段21により異常検出信号が出力されると異常判別手段25がこの異常の種類を判別し、受光制御手段7は、異常判別手段25から出力された異常判別信号に基づいて異常状態に対応した異常表示選択信号を、受光選択手段17と一部共用するように構成された異常表示駆動手段22に出力し、異常表示駆動手段22は、受光制御手段7から出力された異常表示選択信号に基づいて異常状態に対応した異常表示灯16a〜16dを選択的に点灯駆動するため、15種類の異常状態を点灯表示させるために4個の異常表示灯16a〜16dを設ける際に、受光制御手段7からシフトレジスタ18に接続する主要な出力制御線の数を2本としながら、異常表示灯16a〜16dの点灯制御を行うことができる。しかも、異常表示灯16a〜16dを駆動するための新たな部品を設ける必要がなくなり、コストアップすることなく異常表示灯16a〜16dを設置することができる。
【0080】
受光制御手段7が、シフトレジスタ18のQ3端子から出力される信号に基づいてシフトレジスタ18の異常を検出することができるので、当該異常を異常表示灯12a〜12dに点灯表示することで作業者に通知することができる。
【0081】
受光選択手段17の異常を検出することができるので、当該異常を異常表示灯12a〜12dに点灯表示することで作業者に通知することができる。
【0082】
(他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような拡張,変形が可能である。
2光軸,3光軸の光軸を有する多光軸光電スイッチに適用しても良いし、5光軸以上の複数光軸を有する多光軸光電スイッチに適用しても良い。
投光素子(LED2a〜2d)の数や受光素子(PD4a〜4d)の数に、必ずしも異常表示灯12a〜12dもしくは16a〜16dの数を一致させる必要はない。すなわち例えば8光軸の多光軸光電スイッチに適用した場合に、4光軸に対応する部分のみに異常表示灯を設け、他の光軸部分に設けなくても良い。
【0083】
例えば投光器側の構成として、図2に示すように、AND回路26a〜26d,27a〜27dを組み合わせて、投光素子2a〜2dもしくは異常表示灯12a〜12dの点灯を有効/無効切替えしながら駆動するように構成しても良い。すなわち、投光素子2a〜2dに対する通電が有効化されている場合には、異常表示灯12a〜12dに対する通電を無効化するように切替え、逆に異常表示灯12a〜12dに対する通電を有効化するように切替える場合には、投光素子2a〜2dに対する通電を無効化するように切替えるように構成しても良い。
【0084】
同様に、図3に示すように、AND回路26a〜26dに代えてスイッチ28a〜28d,29a〜29dを組み合わせても良い。
【0085】
【発明の効果】
本発明によれば、以上の説明から明らかなように、投光制御手段が、異常判別手段から出力される異常判別信号に基づいて異常状態に対応した異常表示選択信号を異常表示駆動手段に出力し、異常表示駆動手段は、投光制御手段から出力された異常表示選択信号に基づいて異常状態に対応した異常表示灯を選択的に点灯駆動するため、複数種類の異常状態を点灯表示させるために複数の異常表示灯を設ける際に、出力制御線の数を増加させず、少ない数の出力制御線のみで異常表示灯の点灯制御を行うことができるという優れた効果を奏する。
【0086】
他の発明によれば、受光制御手段は、異常判別手段から出力される異常判別信号に基づいて異常状態に対応した異常表示選択信号を異常表示駆動手段に出力し、異常表示駆動手段は、受光制御手段から出力された異常表示選択信号に基づいて異常状態に対応した異常表示灯を選択的に点灯駆動するため、複数種類の異常状態を点灯表示させるために複数の異常表示灯を設ける際に、出力制御線の数を増加させず、少ない数の出力制御線のみで異常表示灯の点灯制御を行うことができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の電気的構成を示す図
【図2】 投光器の電気的構成の変形例を示す図(その1)
【図3】 投光器の電気的構成の変形例を示す図(その2)
【符号の説明】
1は多光軸光電スイッチ、2a〜2dはLED(投光素子)、3は投光器、4a〜4dはフォトダイオード(受光素子)、5は受光器、6は投光制御手段(切替手段)、7は受光制御手段(切替手段)、8は投光駆動手段(異常表示駆動手段)、9は外部切替型定電流回路、10はシフトレジスタ、11a〜11dは駆動回路、12a〜12dは異常表示灯、13は異常表示灯有効無効切替手段、14は異常検出手段、15は異常判別手段、16a〜16dは異常表示灯、17は受光選択手段、18はシフトレジスタ(受光選択回路)、19a〜19dはアナログスイッチ(スイッチ回路)、21は異常検出手段、22は異常表示駆動手段、23a〜23dは駆動回路、24は異常表示灯有効無効切替手段、25は異常判別手段である。

Claims (8)

  1. 所定範囲の検出エリアに投光するように配置された複数の投光素子と、投光制御信号を出力する投光制御手段と、この投光制御手段から出力される投光制御信号に基づいて前記複数の投光素子を順次選択して投光駆動する投光駆動手段とを備えてなる投光器と、
    前記複数の投光素子に対向して配置される複数の受光素子と、受光制御信号を出力する受光制御手段と、この受光制御手段から出力される受光制御信号に基づいて前記複数の投光素子の投光タイミングに同期して前記投光素子に対応した前記受光素子の受光信号を選択する受光選択手段とを備え、前記受光選択手段により選択された前記受光素子からの受光信号に基づいて検出信号を出力する受光器と、により構成され、
    前記投光器には、少なくとも投光器の異常状態を検出し異常検出信号を出力する異常検出手段と、異常表示灯とを備え、
    前記投光制御手段は、前記異常検出手段から出力される異常検出信号に基づいて異常表示灯を点灯制御する多光軸光電スイッチにおいて、
    前記投光器は、
    前記異常表示灯が複数接続された異常表示駆動手段と、
    前記異常検出手段から出力される異常検出信号に基づいて前記投光器の異常状態の種類を判別し異常状態の種類に応じた異常判別信号を出力する異常判別手段とを備え、
    前記投光制御手段は、前記異常判別手段から出力された異常判別信号に基づいて異常状態に対応した異常表示選択信号を異常表示駆動手段に出力し、
    前記異常表示駆動手段は、前記投光制御手段から出力された異常表示選択信号に基づいて異常状態に対応した前記異常表示灯を選択的に点灯駆動するように構成され、
    前記異常表示駆動手段は前記投光駆動手段と少なくとも一部が共用されるように構成されると共に、前記複数の異常表示灯は前記複数の投光素子の少なくとも一部とそれぞれ対応するように設けられ、
    切替手段を設け、
    前記切替手段は、前記異常検出手段から異常検出信号が出力されないときには、前記複数の投光素子による投光動作を有効化するように切替えると共に、複数の異常表示灯による表示動作を無効化するように切替え、前記投光制御手段は、前記異常判別手段から異常判別信号が出力されないときには、投光制御信号を出力することに基づいて前記投光駆動手段により前記複数の投光素子を順次選択して投光させるように駆動し、
    前記切替手段は、前記異常検出手段から異常検出信号が出力されるときには、前記複数の投光素子による投光動作を無効化するように切替えると共に、複数の異常表示灯による表示動作を有効化するように切替え、前記投光制御手段は、前記異常判別手段から前記異常判別信号が出力されるときには、異常状態に対応した異常表示選択信号を前記異常表示駆動手段に出力することに基づいて前記異常表示駆動手段により前記複数の異常表示灯を点灯駆動させることを特徴とする多光軸光電スイッチ。
  2. 前記投光駆動手段は、前記複数の投光素子に対応するように接続され前記投光制御手段から出力される投光制御信号に基づいて順次選択する投光選択回路と、この投光選択回路の選択タイミングに同期して前記複数の投光素子を駆動する駆動回路とから構成され、
    前記異常検出手段は、駆動回路の異常を検出すると当該異常に対応した異常検出信号を出力するように構成され、
    前記投光制御手段は、前記異常検出手段から出力される異常検出信号に基づいて異常表示灯を点灯制御することを特徴とする請求項1記載の多光軸光電スイッチ。
  3. 前記投光駆動手段は、前記複数の投光素子に対応するように接続され前記投光制御手段から出力される投光制御信号に基づいて順次選択する投光選択回路と、この投光選択回路の選択タイミングで同期して前記複数の投光素子を駆動する駆動回路とから構成され、
    前記異常検出手段は、前記投光選択回路の異常を検出すると当該異常に対応した異常検 出信号を出力するように構成され、
    前記投光制御手段は、前記異常検出手段から出力される異常検出信号に基づいて異常表示灯を点灯制御することを特徴とする請求項1または2記載の多光軸光電スイッチ。
  4. 前記投光選択回路は、シフトレジスタにより構成されており、
    前記投光制御手段は、前記異常判別手段から出力される異常判別信号に基づいて複数の異常表示灯のうち2つ以上の所定数表示させるための異常表示選択信号を前記シフトレジスタに異常状態に応じて出力し、
    前記シフトレジスタは、異常状態に対応して前記投光制御手段から出力された異常表示選択信号により選択した所定数の異常表示灯を点灯するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の多光軸光電スイッチ。
  5. 所定範囲の検出エリアに投光するように配置された複数の投光素子と、投光制御信号を出力する投光制御手段と、この投光制御手段から出力される投光制御信号に基づいて複数の投光素子を順次選択して投光駆動する投光駆動手段とを備えてなる投光器と、
    前記複数の投光素子に対向して配置される複数の受光素子と、受光制御信号を出力する受光制御手段と、この受光制御手段から出力される受光制御信号に基づいて前記複数の投光素子の投光タイミングに同期して前記投光素子に対応した前記受光素子の受光信号を選択する受光選択手段とを備え、前記受光選択手段により選択された前記受光素子からの受光信号に基づいて検出信号を出力する受光器と、により構成され、
    前記受光器には、少なくとも受光器の異常状態を検出し異常検出信号を出力する異常検出手段と、異常表示灯とを備え、
    前記受光制御手段は、前記異常検出手段から出力される異常検出信号に基づいて前記異常表示灯を点灯制御する多光軸光電スイッチにおいて、
    前記受光器は、
    前記異常表示灯が複数接続された異常表示駆動手段と、
    前記異常検出手段からの異常検出信号に基づいて前記受光器の異常状態の種類を判別し異常状態の種類に応じた異常判別信号を出力する異常判別手段とを備え、
    前記受光制御手段は、前記異常判別手段からの異常判別信号に基づいて異常状態に対応した異常表示選択信号を異常表示駆動手段に出力し、
    前記異常表示駆動手段は、前記投光制御手段から出力された異常表示選択信号に基づいて異常状態に対応した前記異常表示灯を選択的に点灯駆動するように構成され、
    前記異常表示駆動手段は前記受光選択手段と少なくとも一部が共用されるように構成されると共に、前記複数の異常表示灯は前記複数の受光素子の少なくとも一部とそれぞれ対応するように設けられ、
    切替手段を設け、
    前記切替手段は、前記異常検出手段から異常検出信号が出力されないときには、前記複数の受光素子による受光信号を受付けるようにすると共に複数の異常表示灯による表示動作を無効化するように切替え、前記受光制御手段は、前記異常判別手段から異常判別信号が出力されないときには、受光制御信号を出力することに基づいて前記受光選択手段により複数の受光素子を順次選択して受光させるようにし、
    前記切替手段は、前記異常検出手段から異常検出信号が出力されるときには、前記複数の受光素子による受光信号を受付けないようにすると共に複数の異常表示灯による表示動作を有効化するように切替え、前記受光制御手段は、前記異常判別手段から異常判別信号が出力されるときには、異常状態に対応した異常表示選択信号を前記異常表示駆動手段に出力することに基づいて前記異常表示駆動手段に複数の異常表示灯を点灯駆動させることを特徴とする多光軸光電スイッチ。
  6. 前記受光選択手段は、前記複数の受光素子の受光信号を選択するためのスイッチ回路と、前記複数の投光素子の投光タイミングに同期して受光制御手段の受光制御信号に基づいてスイッチ回路をオンオフ切替えする受光選択回路とから構成され、
    前記異常検出手段は、前記受光選択回路の異常を検出すると当該異常に対応した異常検 出信号を出力するように構成され、
    前記受光制御手段は、前記異常検出手段から出力される異常検出信号に基づいて異常表示灯を点灯制御することを特徴とする請求項5記載の多光軸光電スイッチ。
  7. 前記受光選択手段は、前記複数の受光素子の受光信号を選択するためのスイッチ回路と、前記複数の投光素子の投光タイミングに同期して受光制御手段の受光制御信号に基づいてスイッチ回路をオンオフする受光選択回路とから構成され、
    前記異常検出手段は、前記スイッチ回路の異常を検出すると当該異常に対応した異常検出信号を出力するように構成され、
    前記受光制御手段は、前記異常検出手段から出力される異常検出信号に基づいて異常表示灯を点灯制御することを特徴とする請求項5または6記載の多光軸光電スイッチ。
  8. 前記受光選択回路は、シフトレジスタを含んで構成されており、
    前記受光制御手段は、前記異常判別手段から出力される異常判別信号に基づいて複数の異常表示灯のうち2つ以上の所定数表示させるための異常表示選択信号を前記シフトレジスタに異常状態に応じて出力し、
    前記シフトレジスタは、異常状態に対応して前記投光制御手段から出力された異常表示選択信号により選択された所定数の異常表示灯を点灯するように構成されていることを特徴とする請求項5ないし7の何れかに記載の多光軸光電スイッチ。
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