JP4160192B2 - 対象物の形状認識方法及びその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、対象物の形状認識方法及びその装置、更に詳細には、塗布される接着剤などの対象物を撮像しその画像を処理することにより対象物の形状を認識する方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子部品実装装置で、電子部品をプリント基板に実装する場合、実装される電子部品をプリント基板に仮止めするためにプリント基板の所定箇所に接着剤を塗布することが行なわれている。このとき、塗布された接着剤の形状が糸引きによりひげが出たような形状になる場合には、ひげの部分が基板の他の部分にはみ出して悪影響を及ぼす恐れがあるので、本作業に入る前に接着剤の捨て打ち作業を行ない、接着剤の塗布形状を撮像してその形状を認識し、接着塗布不良が発生しないかの作業を行なっている。
【0003】
このように、塗布された接着剤などの対象物を撮像して、その画像情報から対象物の形状情報を抽出する際、画像情報を2値画像に変換して、対象物の0と1の境界を追跡し、対象物の輪郭線を求める手法が一般的に知られている。この場合、対象物の面積は、対象物に相当する画素値をもつ画素の数をカウントすることで近似される。また、対象物を囲む矩形は比較的安易に求まるので、対象物の形状を矩形の水平・垂直長さで表現することも多く行なわれている。また、対象物を2値化するのではなく、多値画像に変換する場合には、通常、濃度変化の高い所をエッジとみなしている。
【0004】
更に、類似の技術として、画像情報から塗布接着剤の短軸長さ及び長軸長さを求め、それら各長さを目標とする円の直径と比較することにより、塗布接着剤の形状を判定することが提案されている(特開平7−336092号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、対象物の画像を2値画像に変換して形状認識を行なう場合には、画像が2値化されるため、画素単位の精度でしか結果を求めることができなく、高解像度の撮像を行なう必要がある、という欠点がある。また、短軸及び長軸のような2方向の径だけで、対象物の形状を認識する場合には、正確に対象物の形状を表現できず、従来の手法ではディスペンサーで必要とされる要求精度を満足することができない、という問題があった。
【0006】
また、対象物が塗布された接着剤である場合には、接着剤塗布面は、塗布ニードルの種類の違いで、
(1)対象物(接着剤)の位置ずれ、変形度合い、濃度変化度合いが異なる、
(2)時間経過で、対象物サイズがダイナミックに変化する、
(3)背景領域にノイズ成分が点在する、
(4)対象内部の濃度が一様でない、
(5)センターストッパーニードルの使用時、塗布を繰り返すとストッパーに付着した接着剤による汚れが塗布面につき、ノイズ成分となる、
等の特有の問題があり、これらの要素は、対象物の認識の安定性、精度に対して悪影響を及ぼす要因になってしまう。
【0007】
従って、本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、塗布される接着剤などのほぼ円形ないし楕円形の対象物を高精度で安定して認識できる対象物の形状認識方法及び装置を提供することをその課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明では、上記課題を解決するために、対象物を撮像しその画像を処理することにより対象物の形状を認識する方法において、対象物に対して所定の矩形領域を設定し、矩形領域の各4辺の幅に対応した走査線で対象物の画像を各4方向に対して走査して対象物に外接する4つの境界線を求め、該境界線で定まる領域からそれぞれ内枠と外枠を算出して検出ウインドウを設定し、前記内枠内の所定点を中心に放射状に所定分割角度で順次増分して検出ウインドウ内の対象物の画像を走査し、前記各走査において濃度変化に基づいて対象物の輪郭エッジ点を検出し、前記検出されたエッジ点を結合することにより対象物の形状を抽出する構成を採用している。
【0009】
また、本発明では、対象物を撮像しその画像を処理することにより対象物の形状を認識する装置において、対象物に対して所定の矩形領域を設定し、矩形領域の各4辺の幅に対応した走査線で対象物の画像を各4方向に対して走査して対象物に外接する4つの境界線を求め、該境界線で定まる領域からそれぞれ内枠と外枠を算出して検出ウインドウを設定する手段と、前記内枠内の所定点を中心に放射状に所定分割角度で順次増分して検出ウインドウ内の対象物の画像を走査する手段と、前記各走査において濃度変化に基づいて対象物の輪郭エッジ点を検出する手段と、前記検出されたエッジ点を結合することにより対象物の形状を抽出する手段と、を有する構成も採用している。
【0010】
このような構成では、対象物の画像を取り囲む外枠と、対象物の画像の内側にあって対象物に取り囲まれる内枠とからなる検出ウインドウを設定し、内枠内の所定点を中心に放射状に対象物の画像を順次走査するので、走査線が対象物の輪郭線に対してほぼ垂直な方向になっていることから、濃度変化を用いたエッジ検出が確実になり、精度の高い輪郭線を抽出することができる。
【0011】
検出ウインドウは、対象物に対して所定の矩形領域を設定し、矩形領域の各4辺の幅に対応した走査線で対象物の画像を各4方向に対して走査して対象物に外接する4つの境界線を求め、該境界線で定まる領域からそれぞれ内枠と外枠を算出することにより設定される。
【0012】
また、対象物が捨て打ちされた接着剤などである場合には、塗布された接着剤の基準位置、基準径、ニードル情報等の特有のデータに基づき、矩形領域あるいは境界線の位置を補正することにより検出ウインドウが調整される。従って、実際の対象物に合わせて検出ウインドウを調整する機能を有するので、対象物の位置ずれ、サイズ変動、変形があっても安定した認識を行なうことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。以下の説明は、認識すべき対象物はプリント基板に塗布される接着剤を例にして行なわれるが、対象物はこれに限定されるものではなく、一般の対象物でもよく、特にほぼ円形あるいは楕円形に類似する閉じた輪郭線を有する対象物などがその例である。
【0014】
図1は、本発明による接着剤の塗布面の形状の特徴を抽出し識別するためのシステムの構成図であり、このシステムは、接着剤を捨て打ちするためのステージ1と、塗布動作を制御するマシン制御装置2と、ステージ1上に捨て打ちされた接着剤の塗布面を撮像するTVカメラ3と、その画像を表示するための表示装置4と、その画像を処理して形状特徴を抽出する画像処理装置11とによって構成される。
【0015】
マシン制御装置2は、塗布ノズルを備えたヘッド(不図示)をプリント基板の電子部品を搭載すべき位置に移動させ、電子部品を仮止めするための接着剤を順次そこに塗布する。その場合、前回の塗布作業からある程度の時間が経過していると、塗布ノズルが詰まったり、あるいはその先端に余分の接着剤が残存している場合があるので、マシン制御装置2は通常の塗布動作に先立ち、接着剤が正常に塗布されるかを調べるために、ヘッドを接着剤捨て打ちステージ1に移動させ、接着剤を捨て打ちする。
【0016】
TVカメラ3は、マシン制御装置2によって制御され、捨て打ちされた接着剤を撮像できる位置に移動しこれを撮像する。撮像された画像は、一旦画像処理装置11の画像メモリ6に格納される。マシン制御装置2は、インタフェース7を介して、接着剤の対象物の認識実行を画像処理装置11に指示する。画像処理装置11は、画像処理用の制御回路(マイクロプロセッサ)8を有し、制御回路8は認識条件データ格納メモリ10に格納された条件で画像メモリ6の画像を処理し、演算回路9を介して輪郭線を抽出し、これを輪郭線画像メモリ5に格納する。画像処理装置11によって抽出された接着剤の塗布面の形状特徴はインタフェース7を介し、マシン制御装置2に通知される。
【0017】
次に、図2を参照して、画像認識処理の流れを説明する。
【0018】
まず、ステップS1において認識が実行さてないことが判断されているとき、すなわち、認識処理を行なう前に、ステップS2において画像処理装置は予め認識に必要な認識条件データを受信する。このデータは、図3に示したように、接着剤が捨て打ちされる基準点Z、基準点Zから捨て打ちされた接着剤21〜24の中心への相対オフセットL、並びに塗布ノズルのニードルの情報などである。例えば、塗布ノズルが4個設けられている場合には、基準点Zを中心にそれぞれX,Y軸に対して45度の方向に基準点からオフセットLずれた位置に接着剤21〜24が捨て打ちされるので、各捨て打ちされた接着剤21〜24の座標及びその径のデータを知ることができる。ニードル情報は、各ニードル間に接着剤が他の領域に進入しないようにするために設けられたセンターストッパーがあるかないかなどの情報である。これらの情報は、マシン制御装置2よりインタフェース7を介して画像処理装置11に送られ、所定の認識IDで認識条件データ格納メモリ10に格納される。
【0019】
ステップS1で認識が実行されると判断されたときは、この認識IDがパラメータとして指定され、画像処理装置11の制御回路8は、指定された認識IDのデータを認識条件データ格納メモリ10から引き出し、認識処理の拠り所とする。
【0020】
続いて、ステップS3で、画像の撮像が行われる。このステップでは、マシン制御装置2は、ヘッドを接着剤捨て打ちステージ1上に移動させ、接着剤を捨て打ちする。次に、先に塗布したニードル中心とTVカメラ3の中心を合わせるようにヘッドに移動させ、認識実行を画像処理装置11に指示する。画像処理装置11は、接着剤捨て打ちステージ1上に塗布された接着剤の面をTVカメラ3にて画像メモリ6に多値画像として取り込む。この画像は表示装置4に表示される。画像の取り込みが正常に終了した時点で、その旨をマシン制御装置2に通知する。以降、画像処理装置11は認識処理に移り、マシン制御装置2はヘッド位置を自由に制御できるようになる。
【0021】
次に、ステップS4で検出ウインドウが設定される。本発明では、認識対象物が塗布された接着剤であって、その形状はほぼ円形状を基本とした閉図形であるので、輪郭エッジを抽出するために、図4のようなドーナツ形状の検出ウインドウを設定し、輪郭線に対して垂直な走査線上でエッジを探すことができるようにする。図4において、E0は対象物Oの画像の理想中心で、対象物が理想的な場合には、対象物のエッジE1は、点線で図示したようにこの理想中心を中心に半径R1で拡がるが、実際には対象物Oは太い実線で示したような形状と位置になっている。この場合、検出ウインドウは、理想エッジの直径(R1*2)の20%減の直径を有する内枠円W1と、理想エッジの直径の30%増しの直径を有する外枠円W2とからなるドーナツ形状の検出ウインドウWが設定され、その外枠と内枠で囲まれる部分(梨地部分)が検出ウインドウの実面積となる。
【0022】
続いて、ステップS5で対象物の変動に対するウインドウ補正が行われる。実際の対象物は、あらかじめ設定されている基準位置、基準径に対して位置ずれ、サイズ変形があるので、図4のように固定的に検出ウインドウを決めたのでは安定した認識は実現できない。そこで、本発明では、使用ニードル毎(塗布ノズル毎に)に処理方式を切り替えて、実際の対象物に合わせて検出ウインドウの調整が行なわれる。
【0023】
例えば、ヘッドに2個以上の塗布ノズル(ニードル)を有する場合、センターストッパーを塗布ノズル間に設け、一方の塗布により他方の塗布面が影響を受けないようにされている。このようにセンターストッパーニードルを用いた塗布の場合、図5に示したように、特有のパターンのノイズ成分が含まれる。図5において、塗布ノズルが2個ある場合、すなわち、ニードルが2つある場合には、塗布された接着剤の画像30、31のほかにセンターストッパー32を迂回した接着剤によるノイズ画像33、34が両側に現れる。本発明では、これらのノイズ成分をカットするために、検出ウインドウの補正が行われる。
【0024】
まず、(a)基準位置、基準径から対象物とある程度の背景が入るサンプリング領域を決め、背景と対象物内部を切り分けるしきい値を判別分析法で求める。
【0025】
(b)センターストッパーニードルを使用しているというニードル情報を受けている場合、すなわちノイズ成分があるかも知れないと考えられる場合、ストッパー付近の濃度変化レンジが他の3方向と異なるため、独立に局部的なサンプリング領域を設け、しきい値を4方向に対して算出する。サンプリング領域が狭くなるので、対象物の位置ずれの度合いによっては不適切な領域指定となり、適切なしきい値が取得できないことも考えられる。そこで歯止めとして、結果を(a)で求めたしきい値を基準値として評価し、不適切な場合は、基準値と差し替える処理を行なう。
【0026】
このようにして背景と対象物内部を切り分けるしきい値が決まった場合、図6(A)に示したように、予め受信する塗布ニードルの基準位置Oと基準径(直径)D1からサーチ用の矩形領域(ウインドウ)36を設定する。センターストッパーニードルを使用している場合には、ノイズ成分の影響を回避するため、図6(B)に示したように、ストツパー径D2の値をもとにサーチ用矩形領域36を調整する。
【0027】
続いて、基準位置Oから外側に向かって、塗布接着剤35の画像を4方向に矩形領域36の幅で走査し、(a)、(b)で求めたしきい値を使って塗布接着剤35に外接し、背景との区切りになる境界線を検出する。例えば、図6のように下方に走査したときは、37の走査線のときに下方の境界線が検出される。なお、センターストッパーニードルを使用している場合には、ノイズ成分38、38’を考慮し、境界の判定条件を甘くし、境界線の位置を調整する。
【0028】
図7には、塗布された接着剤40の画像に対してその輪郭線に対して外接する4つの検出された境界線が図示されている。図7では、基準位置Oを中心に図6で示した方法で矩形領域41が設定され、上方に向かう走査で塗布接着剤40の上部輪郭線に外接する境界線42aが、また右方向に向かう走査で右部輪郭線に外接する境界線42bが検出される状態が図示されている。図示されていないが、同様にして、下部輪郭線に外接する境界線42c並びに左部輪郭線に外接する境界線42dが図示されている。
【0029】
なお、ノイズや接着剤の糸引きで調整限界領域43内で対象物の端を見つけられなかった場合は、その側については、求まった側の位置情報と基準径からの予測位置で処理を進めるようにする。
【0030】
このようにして求めた境界線42a〜42dで囲まれる領域42を利用して、楕円にも対応できるように、図8に示したドーナツ形の検出ウインドウWを設定する。図8において、図7で検出した領域42の横軸を直径とする円50であって、その円の直径の30%増しの直径を有する円を外枠W2とし、また領域42の縦軸を直径とする円51であって、その円の直径の20%減の直径を有する円を内枠W1とするドーナツ形検出ウインドウWを設定する。
【0031】
このようにして、検出ウインドウが設定され、またそれが対象物に応じて補正されたので、図2のステップS6に移って輪郭抽出が行われる。これは、図2で右側に図示したサブルーチンに従って行われる。
【0032】
まず、図8に示した方法により、塗布接着剤40の画像に対して内枠W1と外枠W2からなるドーナツ形検出ウインドウWが設定されたので、図9に示したように、内枠W1の中心Cから外側へ放射状に0°から順次所定の分解角度θずつ増分して走査線を放ち、各走査線に沿った濃度変化をもとに、塗布接着剤の輪郭エッジ点P1、P2、P3、.....を抽出する(ステップS20、S21)。なお、分解角度θは基準径から求めた仮の周長から割り出す。これら輪郭エッジ点を折れ線で結び合わせ、輪郭線とする。輪郭線の情報は、画像処理装置11の輪郭線画像メモリ5に二値の画像データとして一時保管され、表示装置4にオーバレイ表示される。
【0033】
通常、エッジの求め方として濃度変化の最も高い場所を探す方式(微分オペレータ等)が用いられるが、ノイズ成分が存在すると本来のエッジをうまく検出できない。そこで、更に正確なエッジ検出として、次のような手法を用い、ノイズ成分の影響を軽減させて、エッジを求めることができる。
【0034】
(a)分解角度から、内外の円周上の点を求め、エッジ検出区間の始点と終点とする。
【0035】
(b)この区間について、デジタル線分補間を行ない始点から終点に向かう画素列を求める。
【0036】
(c)この画素列を2つのクラスに分割する点を始点から終点に向かって移動させる。
【0037】
(d)2つのクラスのクラス間分散とクラス内分散の比が最も大きくなる位置をエッジとする。
【0038】
この手法は、局部的にエッジを判断するのではなく、大局的に判断するので、ノイズの影響を受け難く、局部的にはなだらかな濃度変化であってもエッジ(分割点)を求めることができる。
【0039】
次に、ステップS22で、エッジの妥当性をチェックする。(a)〜(d)の手法で、なだらかな濃度変化のエッジをも検出できるということは、走査区間にエッジがなくても、2つのクラスに分割してしまうことを意味する。従って、誤認識を防止するために分割点をエッジとみなして良いかどうか判断する機能が必要となる。しかしながら、エッジとみなす濃度変化量は、接着剤の種類、ニードルの種類、照明条件等の変動要素があり、あらかじめ基準値を定義することが難しい。そこで、本発明では、次のようにして上記変動要素の影響を受けないようにし、誤認識を防止している。
【0040】
(a)背景/対象物判定の基準値として、ステップS5のウインドウ補正に関連して(a)で求めたしきい値を用いる。
【0041】
(b)輪郭抽出時に求まった分割点より外側の画素クラス(背景に相当する)の平均値、内側の画素クラス(対象物内部に相当する)の平均値を求める。
【0042】
(c)平均値同士の濃度変化量を求める。エッジとみなす最低濃度変化量(背景領域濃度のばらつき量)をクリアしているかチェックする。
【0043】
(d)比較値を基準値と比べる。基準値より大きければ、背景とみなし正常とする。基準値より小さければ、塗布面内部とみなし求まったエッジは誤りで、走査線上にエッジはなしとする。
【0044】
すなわち、m0を塗布面側平均値、m1を背景側平均値、基準値をthr、σをばらつき量として、(m1−m0)≧σ かつ m1≧thr かつ m0<thr が満たされたときエッジとみなす。
【0045】
このようにして、エッジの妥当性をチェックして、ステップS23でエラーエッジの数をカウントし、ステップS24で規定以上のエラーエッジがあった場合には、ステップS25で認識エラーとして処理を終了し、また、規定以上のエラーエッジがない場合には、ステップS20に戻って次の分解角度に沿って走査を行い、S21からS24の処理を繰り返す。すべての分解角度で走査が終了した場合には、ステップS26で正常終了として、ステップS7の処理に移る。
【0046】
ステップS7では、ステップS6で求めた輪郭線の重心を求め、それを塗布接着剤の中心とし、ステップS8に進んで8方向エッジ点を検出する。これは、ステップS7で求めた中心から外側に向かって、上下左右、斜め45°の8方向に放射線を引き、輪郭線との交点を求める。ここで求まるのは整数値の座標である。次に、画像メモリにある周辺の多値のデータを用いてサブピクセル演算を行ない、実数値の座標を求めることができる。これらのエッジ点より、4方向の径の長さを求めることができる。
【0047】
続いて、ステップS9で、塗布接着剤の面積が計算される。ステップS6で求めた輪郭線が図10に60で示したような形状であった場合、その輪郭線60を包み込む矩形61を求める。62で示したように、X方向に左右の端からラスタ走査し、塗布接着剤の左右のエッジを検出する。輪郭線を抽出したときと同様に、画像メモリにある周辺の多値のデータを用いてサブピクセル演算を行ない、実数値の座標を求める。
【0048】
このようにして、走査ラインごとに塗布接着剤内部63の画素数を実数値でカウントし、その面積を求めることができる。しかし、塗布接着剤が走査ライン62に対して凸な図形の場合はこれだけで良いが、ひげなどがある凹な部分64がある図形の場合には、影になる部分の画素が発生する。そこで、その改良案としては、X方向だけでなく、XY2方向の走査を行ない、矩形の対象物外部の画素をカウントするようにする。すなわち、まずX方向で走査し、カウントした画素には、カウント済みのマークをつけ、次にY方向で走査する際は、マーク部はスキップし、カウントする。このカウント値を矩形面積から差し引くことで対象物面積を求めることができる。
【0049】
このように面積が計算されると、ステップS10で、中心位置、水平・垂直・45°の4方向の径の長さ、面積といった塗布接着剤の形状特徴をインターフェース8を介して画像処理装置11からマシン制御装置2に送信される。マシン制御装置はこれらの情報をもとに、塗布量が異常であることの検知を行うことができ、また塗布位置の補正を行うことができる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、対象物の画像を取り囲む外枠と、対象物の画像の内側にあって対象物に取り囲まれる内枠とからなる検出ウインドウを設定し、内枠内の所定点を中心に放射状に対象物の画像を順次走査するので、走査線が対象物の輪郭線に対してほぼ垂直な方向になっていることから、濃度変化を用いたエッジ検出が確実になり、精度の高い輪郭線を抽出することができる。
【0051】
また、本発明では、あらかじめ得られている対象物の基準位置、基準径、ニードル情報等の対象物に特有のデータに基づき実際の対象物に合わせて検出ウインドウを調整する機能を有するので、対象物の位置ずれ、サイズ変動、変形があっても安定した認識を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による対象物の形状認識装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】対象物の形状を認識する流れを示したフローチャート図である。
【図3】認識条件データを説明する説明図である。
【図4】検出ウインドウの設定を説明する説明図である。
【図5】センターストッパーのあるニードルで塗布した場合にノイズの現れ方を示した説明図である。
【図6】対象物に対してサーチ用矩形領域を設定する状態を示した説明図である。
【図7】サーチ用矩形領域により対象物を囲む境界線を求める状態を示した説明図である。
【図8】検出ウインドウの設定を説明する説明図である。
【図9】設定した検出ウインドウから対象物の輪郭線を求める状態を示した説明図である。
【図10】認識した対象物から面積を求める方法を説明した説明図である。
【符号の説明】
1 接着剤捨て打ちステージ
2 マシン制御装置
3 TVカメラ
4 表示装置
5 輪郭線画像メモリ
6 画像メモリ
8 制御回路
9 演算回路
10 認識条件データ格納メモリ
11 画像処理装置
Claims (4)
- 対象物を撮像しその画像を処理することにより対象物の形状を認識する方法において、
対象物に対して所定の矩形領域を設定し、矩形領域の各4辺の幅に対応した走査線で対象物の画像を各4方向に対して走査して対象物に外接する4つの境界線を求め、該境界線で定まる領域からそれぞれ内枠と外枠を算出して検出ウインドウを設定し、
前記内枠内の所定点を中心に放射状に所定分割角度で順次増分して検出ウインドウ内の対象物の画像を走査し、
前記各走査において濃度変化に基づいて対象物の輪郭エッジ点を検出し、
前記検出されたエッジ点を結合することにより対象物の形状を抽出することを特徴とする対象物の形状認識方法。 - 対象物に特有のデータから前記矩形領域あるいは境界線の位置を補正することにより検出ウインドウを対象物に合わせて調整することを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 対象物を撮像しその画像を処理することにより対象物の形状を認識する装置において、
対象物に対して所定の矩形領域を設定し、矩形領域の各4辺の幅に対応した走査線で対象物の画像を各4方向に対して走査して対象物に外接する4つの境界線を求め、該境界線で定まる領域からそれぞれ内枠と外枠を算出して検出ウインドウを設定する手段と、
前記内枠内の所定点を中心に放射状に所定分割角度で順次増分して検出ウインドウ内の対象物の画像を走査する手段と、
前記各走査において濃度変化に基づいて対象物の輪郭エッジ点を検出する手段と、
前記検出されたエッジ点を結合することにより対象物の形状を抽出する手段と、
を有することを特徴とする対象物の形状認識装置。 - 対象物に特有のデータから前記矩形領域あるいは境界線の位置を補正することにより検出ウインドウを対象物に合わせて調整することを特徴とする請求項3に記載の装置。
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