JP4158843B2 - 除草引抜き装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、雑草などを根こそぎ抜き取ることが可能な除草引抜き装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、庭園やゴルフ場に生える雑草を取り除くには、周囲の芝生等を傷めないように人手に頼っているのが一般的であった。しかし、雑草取り作業は相当の重労働であるだけでなく、手の皮が剥けたり切れたりする恐れがあり、また、鎌等の刃物を使用すれば怪我の危険があり、さらに、素手で根こそぎ取り除くことは非常に困難であり、短期間のうち再び生えてしまうのが実状であった。そのため、従来、素手に依らないで雑草を根こそぎ抜き取ることの出来る除草引抜き装置として、草の根元を摘んで引き抜く装置があった。
【0003】
しかしながら、上記従来の装置は、根の中心に狙いを定め難かったり雑草の大きさによって、根元を確実に掴むことが非常に困難で、除草精度や能率が悪い等の問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、確実かつ能率的に雑草を抜き取ることのできる除草引抜き装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の除草引抜き装置は、適宜回転駆動手段に取り付け可能な回転軸の下端部に差込心棒と切取刃を設け、該差込心棒の回転軸線を上記回転軸の回転軸線と一致せしめると共に、上記切取刃を取付部と刃体部によりフ字状に形成して、該刃体部を上記差込心棒の周囲に逆円錐状に回転するように設けたことを特徴とする。また、上記差込心棒の長さを変更可能に構成したことを特徴とする。さらに、上記差込心棒に草の絡み付き手段を設けたことを特徴とする。又さらに、上記切取刃の取付部に1つの刃体部形成した除草引抜き装置において、上記差込心棒からの刃体部の距離を変更可能に構成したことを特徴とする。また、上記刃体部の傾斜角度を変更可能に構成したことを特徴とする。また更に、上記刃体部に草の絡み付き手段を設けたことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例について図面を参照しながら説明する。図1において、1は回転軸であって、その上部は回転駆動手段(図示せず)に取り付けるための取付部1aとなっている。回転駆動手段は、ハンドドリルのような手動ハンドル等による手動回転手段、電動ドリルのような電動モータによる電動回転手段、その他の動力回転(ガソリンエンジン等の原動機、油圧モータ、エアーモータなど)手段等のいずれでもよい。また、上記取付部1aによる取付例としては、ドリル用チャックのような回転軸1が着脱可能な取付手段が好ましいが、従来公知の固定手段であればいずれでもよい。
【0007】
2は差込心棒であって、上記回転軸1の下端部に突設した取付ネジ部1bに一体的に螺着している。該差込心棒2と回転軸1の間には座金3が挟設されている。上記差込心棒2と回転軸1の回転軸線1eは一致している。また、上記差込心棒2の下方先端部は尖っていて、土中、特に草の根元に差し込み易く形成されている。
【0008】
4はフ字状に形成された切取刃であって、刃体取付部4aと刃体部4bから構成されている。該刃体取付部4aには長穴4a′が形成されていて、図1(C)に示すように、上記回転軸1の下端部が挿設されている。該回転軸1の下端部には締付ネジ部1cが形成されると共に、両側に平行面1dが形成されている。該平行面1dに沿って上記刃体取付部4aの長穴4a′が嵌合し、取付刃4が矢印方向にスライド調整できるようになっており、上記差込心棒2からの刃体部4bの距離を変更して、雑草の大きさに適応できるようにしている。
【0009】
一方、上記刃体部4bは斜め内側に向けて傾斜しており、回転軸1の回転に伴って、該刃体部4bが逆円錐面状の軌跡を描くように回転するようになっている。5は締付ナット(蝶ナット等でもよい)であって、上記回転軸1の締付ネジ部1cに螺合し、上記座金3との間で切取刃4の刃体取付部4aを挟んだ状態で締め付け固定するようになっている。
【0010】
次に、上記実施例の除草引抜き装置による除草引き抜き作用について説明する。まず、図2(A)に示すように、差込心棒2の下方先端部を雑草Gの中心(根元部分)に位置合わせし、回転軸1を回転させる。該回転軸1の回転数は60〜150rpmが好適であるが、これに限定するものではない。この状態で、図2(B)に示すように、差込心棒2を土中に貫入すると、回転している切取刃4の刃体部4bが土を攪拌しながら根を切断する。雑草Gの根は回転している差込心棒2に絡み付く。
【0011】
上記差込心棒2と刃体部4bが回転しながら土中に貫入すると、雑草Gの葉と根は刃体部4bと差込心棒2の間に巻き込まれたり絡み付く。続いて、図2(C)に示すように回転を停止すると共に、図2(D)に示すように、除草引抜き装置を引き上げると、雑草は、その葉や根が装置に巻き付いたり絡み付いた状態で引き抜かれる。引き抜かれた雑草は、適宜除去する。なお、上記差込心棒2が回転軸1の方向に引っ込むように構成することにより、巻き付いたり絡み付いた雑草が簡単に除去される。
【0012】
上記実施例の差込心棒2は回転軸1に着脱自在に構成されているが、両者を一体的に構成してもよい。また、切取刃4をスライド調整自在に構成したが回転軸1または差込心棒2に一体的に設けてもよい。なお、差込心棒2は、その長さを自由に調整させるように構成してもよい。上記刃体部4bは、図1(A)に仮想線で示すように、取付部4aの他端部にも設ける等、複数個の刃体部4bを差込心棒2の周囲に配置するようにしてもよい。上記実施例の切取刃4は刃体取付部4aと刃体部4bをフ字状に一体的に構成しているが、本発明の切取刃はこれに限定するものではなく、上記刃体取付部4aは回転軸1に刃体部4bを固定する機能を有する形状および構造であればいずれでもよい。
【0013】
図3(A)は、上記除草引抜き装置を電動ドリル6のチャック6aに取り付けた実施例を示すもので、その取っ手を片手または両手で掴んで、刃体部4bを回転させながら差込心棒2を土中に差し込むようになっている。なお、該電動ドリル6に代えて、手動式のいわゆるハンドドリル(図示せず)のチャックに取り付けてもよい。また、図3(B)は自走式ロボット7のハンド8に取り付けた別の実施例を示すもので、図示のように多関節型のハンド8を使用して、適宜センサー(図示せず)により検知した雑草の位置に除草引抜き装置を移動させ、刃体部4bを回転させながら差込心棒2を土中に差し込むようになっている。このように、本発明の除草引抜き装置は、回転軸1の回転手段と差込心棒2の押込手段を備えている駆動手段であれば、いずれにも採用可能である。
【0014】
本発明の差込心棒2には、図4(A)(B)に示すように、爪2aを付設したり、ネジなどの溝2bを形成して、草が絡み着き易いようにしてもよい。また、図5(A)(B)(C)(D)に示すように、差込心棒2の上半部をオフセット構造2cとして、草を巻き込み易く又絡み付き易く構成してもよい。差込心棒2は、その長さを自由に調整させるように構成してもよい。
【0015】
図6(A)は、上記刃体部4bの内側の先端部や中間部分に爪4b′を付設して、草の絡み付きを容易にした実施例であって、図4および図5に示す差込心棒2の実施例と組み合わせると効果的である。また、図6(B)に示すように、上記刃体部4bの内側の先端部の爪4b″を仮想線状態で土中に進入させ、引き上げ時に実線状態に開いて草を取り込み易くしてもよい。さらに、上記刃体部4bの回転の前側縁に鋸歯(図示せず)を形成して切削性を向上せしめてもよい。上記刃体部4bの形状は、上記実施例の形状に限定するものではなく、これを回転させることにより、雑草の葉や根を差込心棒2に巻き付けたり、差込心棒2との間に巻き込むことが可能な形状であればいずれの形状でもよい。
【0016】
図7(A)は、上記刃体部4bを刃体取付部4aに対して回動自在に構成して、該刃体部4bが土中に進入する際には、実線のように上記差込心棒2と平行に位置し、引き抜き時には、仮想線のように先端部が内側に移動して草を掴みながら引き抜くように構成した実施例を示す。この刃体部4bの回動作用は、例えば、差込心棒2に電磁石を設けて、このON、OFFにより操作することができる。なお、図7(B)に示すように、上記差込心棒2側に可動杆2dを設けて、引き抜き時に、上記刃体部4bとの間で雑草を確実に掴むように構成してもよい。
【0017】
上記実施例の切取刃4は刃体取付部4aと刃体部4bをフ字状に一体的に構成しているが、本発明の切取刃は、これに限定するものではなく、上記刃体取付部4aは回転軸1に刃体部4bを固定する機能を有する形状および構造であればいずれでもよい。また、上記刃体部4bも回転しながら土中に進入して雑草Gを効果的に取り込むことが可能な形状および構造であればいずれでもよい。まお、該刃体部4bはその長さを可変に構成してもよい。
【0018】
以上の実施例では、差込心棒2の周囲に刃体部4bを回転させるように構成したが、図8に示すように、上記差込心棒2を省略して、回転軸線1eの周囲に2個以上の刃体部4bが回転するように構成してもよい。
【0019】
【発明の効果】
1)刃体部が回転軸線の周囲を逆円錐状に回転しながら土中に貫入するので、雑草の葉や根を差込心棒と刃体部との間あるいは複数の刃体部間に巻き込んだり絡み付きながら雑草を取り込むことができ、また、装置の引き上げに伴って雑草を確実に根こそぎ引き抜くことができるので、除草精度がよい。
2)回転させながら押し込むだけで能率よく除草引き抜きができる。
3)回転する差込心棒を雑草の根元に差し込むようにも構成されているので、差込操作が容易であるだけでなく、安定して差し込むことができる。
4)ハンド型の駆動装置に装着した場合には、家庭用などの狭い場所に適し、一方、自走式ロボットなどに装着した場合には、公園やゴルフ場などの広い場所に適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の除草引抜き装置の一実施例の正面図(A)、側面図(B)および(A)のイーイ線に沿った断面図である。
【図2】図1の実施例の除草引抜き装置による除草引抜き作業の説明図である。
【図3】図1の除草引抜き装置を電動ドリルに装着した実施例を示す説明図(A)、自走式ロボットに装着した別の実施例を示す説明図(B)である。
【図4】差込心棒の別の実施例を示す図である。
【図5】差込心棒の更に別の実施例を示す図である。
【図6】刃体部の別の実施例を示す図である。
【図7】差込心棒や刃体部の別の実施例を示す図である。
【図8】差込心棒を省略した実施例を示す図である。
【符号の説明】
1 回転軸
1a 取付部
1b 取付ネジ部
1c 締付ネジ部
1d 平行面
1e 回転軸線
2 差込心棒
2a 爪
2b 溝
2c オフセット構造
2d 可動杆
3 座金
4 切取刃
4a 刃体取付部
4a′長穴
4b 刃体部
4b′先端部
4b″爪
5 締付ナット
6 電動ドリル
6a チャック
7 自走式ロボット
8 ハンド
G 雑草
Claims (6)
- 適宜回転駆動手段に取り付け可能な回転軸の下端部に差込心棒と切取刃を設け、該差込心棒の回転軸線を上記回転軸の回転軸線と一致せしめると共に、上記切取刃を取付部と刃体部によりフ字状に形成して、該刃体部を上記差込心棒の周囲に逆円錐状に回転するように設けたことを特徴とする除草引抜き装置。
- 上記差込心棒の長さを変更可能に構成したことを特徴とする請求項1に記載の除草引抜き装置。
- 上記差込心棒に草の絡み付き手段を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の除草引抜き装置。
- 上記切取刃の取付部に1つの刃体部を形成した除草引抜き装置において、上記差込心棒からの刃体部の距離を変更可能に構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の除草引抜き装置。
- 上記刃体部の傾斜角度を変更可能に構成したことを特徴とする請求項1、2、3または4に記載の除草引抜き装置。
- 上記刃体部に草の絡み付き手段を設けたことを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載の除草引抜き装置。
Priority Applications (1)
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JP22376398A JP4158843B2 (ja) | 1998-07-24 | 1998-07-24 | 除草引抜き装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP22376398A JP4158843B2 (ja) | 1998-07-24 | 1998-07-24 | 除草引抜き装置 |
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JP22376398A Expired - Lifetime JP4158843B2 (ja) | 1998-07-24 | 1998-07-24 | 除草引抜き装置 |
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- 1998-07-24 JP JP22376398A patent/JP4158843B2/ja not_active Expired - Lifetime
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