JP4158441B2 - 電気光学装置および電子機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気光学装置および電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気光学装置、例えば、電気光学材料として液晶を用いた液晶表示装置は、陰極線管(CRT)に代わるディスプレイデバイスとして、各種情報処理機器の表示部や液晶テレビなどに広く用いられている。ここで、従来の電気光学装置は、電気光学装置それ自体として情報を記憶する機能が無いため、表示を行うためには本体装置(例えばパーソナルコンピュータ)が画像信号を常時供給する必要があった。かかる技術は電気光学装置に静止画像を表示させる場合には、本体装置が全く同一の画像信号を出力し続けることになる。また、動画像を表示させる場合においても、フレーム間隔で観察すると、階調データが変化する画素はごく一部であることが多い。したがって、本体装置が全画面の画像信号を出力し続けることは電力の無駄であった。
【0003】
このため、本出願人は、電気光学装置の画素毎に数ビットのメモリを設け、各画素における階調データを各画素毎に保持し、外部から画像信号が入力されなかった場合にも画像表示を続行する電気光学装置を提案している(特願2000−270424号(特開2002−082653号))。なお、この先願は本件出願時には未公開である。先願の電気光学装置においては、3ビットのメモリによって8階調の階調データが各画素毎に記憶される。また、駆動方式としては所謂サブフィールド駆動方式が採用される。すなわち、液晶層には、オン電位VHまたはオフ電位VLのうち何れか一方が印加され、階調データに応じてオン電位VHのデューティ比が設定される。
【0004】
階調データに応じてオン電位VHのデューティ比を設定するために、上記先願においては、所定のクロックパルスをある範囲(例えば「0」〜「7」)で循環的にカウントした結果である階調信号が各画素に供給される。また、各画素においては、階調データと階調信号とを比較する比較器が設けられる。そして、階調信号のカウント値がメモリに記憶された階調データ以下であれば、液晶層に印加する電位としてオン電位VHが選択され、階調信号のカウント値がメモリに記憶された階調データを超えればオフ電位VLが選択される。かかる構成によれば、階調データに応じて印加電圧の実効値を設定することができ、階調表示を行うことができる。なお、クロックパルスの周期は一定ではなく、液晶の非直線性を補償するように、適宜増減される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記先願においては、カウント結果と階調データとを比較する比較器が必要であるが、比較器を構成するために数個程度のゲート回路が必要である。例えば、上記先願においては、3ビットの比較器を構成するために2入力のオア回路が2個、3入力のオア回路が1個、2入力,3入力,4入力のアンド回路が各1個用いられている。各ゲートの1入力あたり1個のトランジスタが必要であるとすると、比較器を構成するために少なくとも15個のトランジスタが必要になる。さらに、階調データのビット数が「4」以上になると、必要なトランジスタの数は飛躍的に増大する。この結果、トランジスタの負荷容量に伴う充放電電流により消費電力が増大するという問題が生じる。また、物理的にトランジスタを配置することが困難となり、さらなる高精細化、多階調化の要求を満たすことが出来なくなるという問題も生じる。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、トランジスタの使用数を抑制し電気光学装置等の低消費電力化、高精細化、多階調化を実現する比較回路、パルス幅変調回路、電気光学装置および電子機器を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために、第1の発明は、供給される駆動信号のレベルに応じた階調表示を行う複数の画素を備えたものであって、前記複数の画素の各々において表示すべき階調を示すnビット(但し、nは2以上の自然数)の階調データを供給する複数の第1配線と、nビットの階調信号を供給する複数の第2配線とを備え、前記複数の画素の各々は、画素電極と、前記nビットの階調データを記憶し、且つ、第1の電源電圧で動作するメモリと、前記駆動信号を出力し、且つ、前記第1の電源電圧で動作するパルス幅変調回路と、前記パルス幅変調回路から出力される駆動信号のレベルを前記第1の電源電圧から前記第1の電源電圧よりも高い第2の電源電圧にレベルシフトするレベルシフト回路と、前記レベルシフト回路から出力される前記駆動信号のレベルに応じて、前記画素の表示状態をオン状態にする電圧または前記画素の表示状態をオフ状態にする電圧のいずれかを前記画素電極に印加し、且つ、前記第2の電源電圧で動作するスイッチング回路とを備え、前記パルス幅変調回路は、前記メモリに記憶された前記階調データと外部から供給されるnビットの階調信号とを比較する比較回路と、比較回路の比較結果を保持して前記駆動信号として前記レベルシフト回路に出力するラッチ回路とを備え、前記nビットの階調信号は、 1 フィールドを分割して得た複数のサブフィールドごとに外部から供給され、前記複数のサブフィールドの各々において、表示すべき階調に応じて前記駆動信号のレベルをハイレベルとするかローレベルとするかを指定することを特徴とする。
【0009】
第1の発明において、比較回路は、nビットの階調データに応じて各々がスイッチングされる第1および第2端子間に直列に接続されたn個の第1スイッチング素子と、逐次更新されるnビットの階調信号に応じて各々がスイッチングされるとともに、n個の第1スイッチング素子の各々に並列に接続されたn個の第2スイッチング素子とを有し、階調データおよび階調信号に応じて、第1および第2端子間の導通・非導通状態を制御し、階調データおよび階調信号の比較結果をラッチ回路に出力してもよい。
【0010】
また、第1の発明において、前記ラッチ回路は、第1信号が入力されると第1状態に設定され、第2信号が入力されると第2状態に設定されるとともに、前記比較回路が導通状態になった時に該第1信号が入力され前記パルス幅変調回路は、所定のリセット周期毎に第2信号をラッチ回路に入力し、かつ、該リセット周期内で複数回カウントアップまたはカウントダウンされるカウント結果を階調信号として比較回路に供給し、階調データおよび階調信号の比較結果に応じて、比較回路の第1および第2端子間の導通・非導通状態を制御することにより、リセット周期内でラッチ回路が第1状態を維持する時間と第2状態を維持する時間との比を設定してもよい。
【0011】
第1の発明において、パルス幅変調回路は、導通状態である時に第2信号をラッチ回路に供給する第3スイッチング素子と、導通状態である時に第1信号を比較回路に供給する第4スイッチング素子とをさらに有し、第3スイッチング素子は、所定のリセット信号がリセット指令状態である時に導通状態に設定され、第4スイッチング素子は、リセット信号が非リセット指令状態である時に導通状態に設定されることが好ましい。
【0012】
第1の発明において、電気光学装置は、供給される駆動信号のレベルに応じた階調表示を行う複数の画素と、前記各画素毎に設けられる画素電極と、前記各画素のnビット(但し、nは2以上の自然数)の階調データを記憶するメモリと、前記メモリに記憶された前記階調データとnビットの階調信号とを比較する比較回路とラッチ回路とからなり、前記ラッチ回路から駆動信号を出力するパルス幅変調回路と、前記駆動信号のレベルに応じて、前記画素の表示状態をオン状態にする電圧または前記画素の表示状態をオフ状態にする電圧のいずれかを前記画素電極に印加するスイッチング回路とを備え、前記パルス幅変調回路は、前記比較回路と、前記リセット信号が非リセット指令状態である時に導通状態に設定され、導通状態である時に第1信号を前記比較回路に供給する第1信号用のスイッチング素子と、前記リセット信号がリセット指令状態である時に導通状態に設定され、導通状態である時に第2信号を前記ラッチ回路に供給する第2信号用のスイッチング素子と、前記第1信号が入力されると第1状態に設定され、前記第2信号が入力されると第2状態に設定されるとともに、前記比較回路が導通状態になった時に該第1信号が入力されるラッチ回路とを有し、所定のリセット周期毎に前記第2信号を前記ラッチ回路に入力し、かつ、該リセット周期内で複数回カウントアップまたはカウントダウンされるカウント結果を前記階調信号として前記比較回路に供給し、前記階調データおよび前記階調信号の比較結果に応じて、前記比較回路の前記第1および第2端子間の導通・非導通状態を制御することにより、前記リセット周期内で前記ラッチ回路が前記第1状態を維持する時間と前記第2状態を維持する時間との比を設定してもよい。
さらに、この発明において、前記パルス幅変調回路と前記スイッチング回路との間に設けられ、電源電圧のレベルを変換するレベルシフタ回路を有することが好ましい。くわえて、前記レベルシフタ回路の前段に位置する前記メモリとパルス幅変調回路とは、第1の電源電圧で駆動し、前記レベルシフタ回路の後段に位置する前記スイッチング回路は、前記第1の電源電圧よりも高い第2の電源電圧で駆動することが好ましい。
第1の発明において、各リセット周期の最初においてリセット信号をリセット指令状態に設定し、次にリセット信号を非リセット指令状態に設定するとともに複数回カウントアップまたはカウントダウンされるカウント結果を階調信号として出力する信号生成回路をさらに設けてもよい。
【0013】
第1の発明において、画素は、透明基板上に半導体薄膜を堆積して成る素子基板上に形成されることが好ましい。また、画素は、単結晶シリコン基板上に形成されていてもよい。この場合、単結晶シリコン基板は、絶縁基板上に単結晶シリコン層を形成して成るSOI基板であることが好ましい。
【0014】
第1の発明において、画素電極に対して観察面とは反対側にメモリと、パルス幅変調回路と、スイッチング回路とを設けてもよい。
【0015】
第1の発明において、画素を形成して成る素子基板と、所定の基準電圧が印加される対向電極を備えた対向基板と、素子基板と対向基板とに挟持された液晶とを有することが好ましい。
【0016】
第2の発明は、複数の画素を有する電気光学装置において、前記複数の画素の各々において表示すべき階調を示すデータを供給する複数の第1配線と、前記画素のそれぞれに設けられた画素電極と、前記画素のそれぞれに設けられ、データを書換え可能なメモリと、前記メモリに記憶されたデータに応じて、少なくとも前記画素の表示状態をオン状態にする電圧または前記画素の表示状態をオフ状態にする電圧を前記画素電極に印加するスイッチング回路と、前記メモリと前記スイッチング回路との間に設けられ、信号のレベルを変換するレベルシフタ回路とを備え、前記レベルシフタ回路の前段に位置する回路系は、第1の電源電圧で駆動し、前記レベルシフタ回路の後段に位置する回路系は、前記第1の電源電圧よりも高い第2の電源電圧で駆動することを特徴とする。
【0018】
第3の発明は、第1の発明または第2の発明に係る電気光学装置を備えた電子機器を提供する。
【0019】
【発明の実施の形態】
1.実施形態の動作原理
まず、本実施形態に係る装置の理解を容易にするため、本実施形態における電気光学装置の駆動方法について説明する。一般に、電気光学装置として液晶を用いた液晶装置において、液晶に印加される実効電圧値と相対透過率(反射型液晶装置の場合には反射率)との関係は、電圧無印加状態において黒表示を行うノーマリーブラックモードを例にとれば、図4に示すような関係にある。なお、相対透過(反射)率とは、透過(または反射)光量の最低値および最高値を、それぞれ0%および100%として正規化したものである。図4に示すように、液晶の透過率は、液晶層に対する印加電圧が閾値VTH1より小さい場合には0%であるが、印加電圧が閾値VTH1以上であり、かつ、飽和電圧VTH2以下である場合には、印加電圧に対して非線形に増加する。そして、印加電圧が飽和電圧VTH2以上である場合、液晶の透過率は印加電圧によらず、一定値を維持する。
【0020】
さて、液晶の透過率を0%と100%との間の中間的な透過率にするためには、図4に示す電圧/透過率特性において電圧VTH1と電圧VTH2との間にある透過率に対応した実効電圧を液晶層に印加する必要がある。アナログ駆動方式においては、このような中間階調を得るための電圧がD/A変換回路やオペアンプなどのアナログ回路によって生成され、画素電極に印加されていた。しかし、このような駆動方法によって画素電極に印加される電圧は、アナログ回路の特性や各種の配線抵抗などのばらつきによる影響を受けやすく、さらに、画素同士でみて不均一となりやすいので、高品質かつ高精細な階調表示が困難であった。
【0021】
そこで、本実施形態に係る電気光学装置では、次のような方法により画素の駆動を行う。まず、1フィールド(1F)が複数のサブフィールドに分割され、各サブフィールド単位で液晶層に対する電圧印加が行われる。そして、各サブフィールドにおいては、液晶層に対して電圧VHまたはVL(=0V)のいずれかのみが印加される。ここで、電圧VHは、1フィールドにわたって液晶層に対して電圧VHが印加されることにより、1フィールドにおいて液晶層に与えられる実効電圧値が図4に示す電圧V7以上となるように選定されている。
【0022】
さらに、1フィールド内において電圧VHが印加される時間と電圧VL(=0V)が印加される時間との比率が階調データに応じた比率となるように、電圧VHの印加を行うサブフィールドおよび電圧VLの印加を行うサブフィールドが階調データに応じて決定される。このようにすることで、階調データに応じた実効電圧が液晶層に印加され、透過率0%と透過率100%の間の中間的な階調での表示が可能となるのである。なお、各サブフィールドの具体的な時間長については後述する。また、以下に示す各実施形態においては、3ビットの階調データD0,D1,D2に従って8階調での表示を行う場合を例に説明を進めるが、本発明を適用できるのはかかる場合に限られるものではないことは言うまでもない。
【0023】
2.実施形態の構成
2.1.全体構成
図1は、本実施形態に係る電気光学装置の電気的な構成を示すブロック図である。この電気光学装置は、電気光学材料として液晶を用いた液晶装置であり、素子基板と対向基板とが、互いに一定の間隙を保って貼付され、この間隙に電気光学材料たる液晶が狭持される構成となっている。また、この電気光学装置では、素子基板として、ガラスや石英などの非晶質基板上に半導体薄膜を堆積してTFTを形成した、透過型の半導体基板が用いられており、この素子基板に形成されたMOS型トランジスタによって、各画素における表示を制御する画素回路および画素回路を制御する周辺駆動回路などが形成されている。図1には、この素子基板に形成された回路の構成が示されている。
【0024】
図1に示すように、素子基板上における表示領域101aには、複数本の行選択線11がX(行)方向に沿って延在して形成され、複数本の列選択線12がY(列)方向に沿って延在して形成されている。そして、画素13は、行選択線11と列選択線12との各交差に対応して設けられて、マトリクス状に配列されている。ここで、行選択線11の総本数をm本とし、列選択線12の総本数をn本とする(m、nはそれぞれ2以上の整数)。なお、図1においては、図面が煩雑になるのを防止するため、1列分のm個の画素13が1本の列選択線12に接続されるように図示したが、実際には図1の列選択線12は複数本の列選択線からなる(詳細は後述する)。
【0025】
また、この電気光学装置は、動作制御回路20、Yアドレスバッファ210、Yアドレスデコーダ211、Xアドレスバッファ220、Xアドレスデコーダ221、サンプル・ホールド回路222、階調信号生成回路23、入力回路240および出力回路241を具備している。動作制御回路20は、図示しない上位装置から供給されるチップイネーブル信号/CE、ライトイネーブル信号/WEおよびアウトプットイネーブル信号/OEに基づいて、動作モードに対応した内部制御信号を生成する。
【0026】
動作制御回路20の具体的な構成は図1に示す通りである。かかる構成の下、チップイネーブル信号/CEおよびライトイネーブル信号/WEがLレベルとなると、Yアドレスバッファ210およびXアドレスバッファ220、ならびに入力回路240に対してHレベルのイネーブル信号が供給される。そしてこの結果、電気光学装置の動作モードは、データ入出力端子I/O0〜I/O2を介して上位装置から供給される階調データD0〜D2を各画素13に対して書き込む、書込モードに移行する。
【0027】
一方、チップイネーブル信号/CEおよびアウトプットイネーブル信号/OEがLレベルとなり、ライトイネーブル信号/WEがHレベルとなると、Yアドレスバッファ210およびXアドレスバッファ220、ならびに出力回路241に対してHレベルのイネーブル信号が供給される。そしてこの結果、各画素13に書き込まれたデータを読み出し、読み出したデータをデータ入出力端子I/O0〜I/O2を介して外部に出力する読出モードに動作モードが移行する。
【0028】
入力回路240および出力回路241は、データ入出力端子I/O0〜I/O2に接続されている。入力回路240は、動作制御回路20からHレベルのイネーブル信号が与えられることにより動作状態となり、データ入出力端子I/O0〜I/O2を介して入力される階調データD0〜D2をサンプル・ホールド回路222に出力する。これらの各階調データD0〜D2は、HレベルまたはLレベルのデジタルデータである。また、出力回路241は、動作制御回路20からHレベルのイネーブル信号が与えられることにより動作状態となり、サンプル・ホールド回路222によって画素13から読み出された階調データD0〜D2をデータ入出力端子I/O0〜I/O2に出力する。
【0029】
Yアドレスバッファ210には、図示しない上位装置からYアドレス信号Ay0〜Ayiが供給される。このYアドレスバッファ210は、動作制御回路20からHレベルのイネーブル信号が供給されることにより動作状態となり、その時点において供給されているYアドレス信号Ay0〜AyiをYアドレスデコーダ211に出力する。
【0030】
Yアドレスデコーダ211は、入力端子がYアドレスバッファ210の各出力端子に接続されており、出力端子が各行選択線11の一端(図1においては左側の一端)に接続されている。このYアドレスバッファ210から出力されるYアドレス信号Ay0〜Ayiをデコードし、接続された複数の行選択線11のうちの1本の行選択線11に対して択一的にHレベルのY選択信号を出力する。これにより、Yアドレス信号Ay0〜Ayiに応じた行選択線11が択一的に選択されることになる。
【0031】
一方、Xアドレスバッファ220には、図示しない上位装置からXアドレス信号Ax0〜Axjが供給される。このXアドレスバッファ220は、動作制御回路20からHレベルのイネーブル信号が供給されることにより動作状態となり、その時点において供給されているXアドレス信号Ax0〜AxjをXアドレスデコーダ221に出力する。Xアドレスデコーダ221は、入力端子がXアドレスバッファ220の各出力端子に接続されており、出力端子がサンプル・ホールド回路222の各入力端子に接続されている。このXアドレスデコーダ221は、Xアドレスバッファ220から出力されるXアドレス信号Ax0〜AxjをデコードしてX選択信号を生成する。このX選択信号は、複数の列選択線12のうち、Xアドレス信号Ax0〜Axjに応じた列選択線12を択一的に選択するための信号である。
【0032】
サンプル・ホールド回路222は、Xアドレスデコーダ221によって出力されたX選択信号によって特定される列選択線12に対して、入力回路240から供給される階調データD0,D1およびD2を出力する。このような構成により、書込モードにおいては、Yアドレスデコーダ211によって生成されたY選択信号が出力される行選択線11と、Xアドレスデコーダ221によって生成されたX選択信号によって特定される列選択線12との交差に対応した画素13に対して、入力回路240から出力された階調データD0,D1およびD2が与えられることとなる。
【0033】
本実施形態においては、この階調データD0〜D2と階調信号P0〜P2とに応じた時間密度で、画素13の表示状態をオン状態とする電圧または画素13の表示状態をオフ状態とする電圧を、画素13に印加するようになっている(詳細は後述する)。階調信号生成回路23は、この階調信号P0,P1,P2およびリセット信号/RESを生成して出力するための回路である。各階調信号P0,P1およびP2は、1フィールド毎に所定の時間長だけHレベルとなる。詳述すると、以下の通りである。
【0034】
本実施形態においては、1フィールドが7つのサブフィールドに分割され、各サブフィールド単位で画素の表示状態をオン状態またはオフ状態とすることにより、3ビットの階調データに応じた8階調による表示を実現するようになっている。画素への具体的な電圧印加の態様およびサブフィールドSF1〜SF7の時間長は、以下の通りである。例えば、ある画素に対して階調データ(LLH)が与えられた場合、すなわち、図4において画素の透過率を14.3%とする階調表示を行う場合、1フィールド(1F)のうち、サブフィールドSF1においては画素の液晶層に対して電圧VHが印加される一方、他のサブフィールドSF2〜SF7においては液晶層に対して電圧VL(=0V)が印加される。ここで、実効電圧値は、電圧瞬時値の2乗を1周期(1フィールド)にわたって平均化した平方根で求められるから、サブフィールドSF1を、1フィールド(1F)に対して(V1/VH)2となる期間に設定すれば、上記の電圧印加によって1フィールド(1F)に液晶層に印加される実効電圧値はV1となる。
【0035】
また、例えば、ある画素に対して階調データ(LHL)が与えられた場合、すなわち、画素の透過率を28.6%とする階調表示を行う場合、1フィールド(1F)のうち、サブフィールドSF1〜SF2においては画素の液晶層に対して電圧VHが印加される一方、他のサブフィールドSF3〜SF7においては液晶層に対して電圧VLが印加される。ここで、サブフィールドSF1〜SF2を、1フィールド(1F)に対して(V2/VH)2となる期間に設定すれば、上記電圧印加によって1フィールド(1F)に液晶層に印加される実効電圧値はV2となる。上述したように、サブフィールドSF1は(V1/VH)2となる期間に設定されているから、サブフィールドSF2については、(V2/VH)2−(V1/VH)2となる期間に設定すればよい。
【0036】
同様に、例えば、ある画素に対して階調データ(LHH)が与えられた場合、すなわち、画素の透過率を42.9%とする階調表示を行う場合、1フィールド(1F)のうち、サブフィールドSF1〜SF3においては画素の液晶層に対して電圧VHが印加される一方、他のサブフィールドSF4〜SF7においては液晶層に対して電圧VLが印加される。ここで、サブフィールドSF1〜SF3を、1フィールド(1F)に対して(V3/VH)2となる期間に設定すれば、上記電圧印加によって1フィールド(1F)に液晶層に印加される実効電圧値はV3となる。上述したように、サブフィールドSF1〜SF2は(V2/VH)2となる期間に設定されているから、サブフィールドSF3については、(V3/VH)2−(V2/VH)2となる期間に設定すればよいことが解かる。
【0037】
以下、同様にして、他のサブフィールドSF4〜SF6の期間がそれぞれ決定される。また、サブフィールドSF7については、最終的に、1フィールドからサブフィールドSF1〜SF6を除いた期間に設定される。ただし、上述したように、各サブフィールドSF1〜SF7の合計の時間長として、1フィールド(1F)に対して(V7/VH)2の時間長が確保される必要がある。もっとも、サブフィールドSF1〜SF7の合計の時間長が、1フィールドに対して(V7/VH)2となる時間長よりも長くなったとしても、すなわち、液晶層に印加される実効電圧値が図4におけるV7を越えたとしても、飽和性であるがゆえに透過率は100%となる。
【0038】
図6(a)は、本実施形態における階調信号P0〜P2およびリセット信号/RES(詳細は後述する)の波形を示すタイミングチャートである。同図に示すように、各階調信号は、1フィールド内の各サブフィールド単位で、HレベルまたはLレベルのいずれかとなるように設定されている。本実施形態においては、図6(a)に示すように、階調信号P0〜P2として、「0」〜「6」までをカウントする3ビットカウンタの出力信号が用いられる。すなわち、階調信号P0,P1およびP2は、サブフィールドSF1においては、それぞれ“L,H,H”レベルとなってカウンタ値「6」を示し、サブフィールドSF2においては、それぞれ“H,L,H”レベルとなってカウンタ値「5」を示し、サブフィールドSF3においては、それぞれ“L,L,H”となってカウンタ値「4」を示す。「3」〜「0」の値についても同様である。
【0039】
次に、図2は、本実施形態に係る電気光学装置の画素13の具体的な構成を示す回路図である。同図に示すように、画素13の画素回路は、メモリセル130a,130b,130c、階調制御回路138、スイッチング回路139、画素電極135、対向電極136ならびに液晶137により構成されている。なお、以下では、メモリセル130a,130b,130cのうちのいずれかを特定する必要がない場合には、単にメモリセル130と記す。また、他の各部の符号についても同様とする。
【0040】
ここで、図1においては、図面が煩雑になるのを防止するため、1列分のm個の画素13が1本の列選択線12に接続されているように図示したが、より詳細には、図2に示すように、各列選択線12は、列選択線120〜125からなる。そして、これらの各列選択線120〜125に対して各階調データD0,D1およびD2およびこれらの反転信号/D0,/D1,/D2がそれぞれ供給されるようになっている。
【0041】
図2に示すように、メモリセル130は、階調データのビット数に応じた数(本実施形態においては3個)だけ設けられている。そして、メモリセル130aには列選択線120,121が接続されて階調データ/D0,D0が供給され、メモリセル130bには列選択線122,123が接続されて階調データ/D1,D1が供給され、メモリセル130cには列選択線124,125が接続されて階調データ/D2,D2が供給されるようになっている。一方、各メモリセル130a、130bおよび130cは、Y選択信号が供給される行選択線11にも接続されている。
【0042】
図3は、各メモリセル130の具体的な構成を例示する図である。同図に示すように、このメモリセル130は、インバータ1301および1302、ならびにトランジスタ1303および1304からなるスタティックメモリ(SRAM)構成である。
【0043】
また、図3に示すように、インバータ1301および1302は、一方の出力端が他方の入力端に接続されることによってフリップフロップ、すなわち1ビットのメモリを構成している。一方、トランジスタ1303および1304はこの1ビットのメモリに対して書き込みまたは読み出しを行うときに導通状態とされるNチャネルトランジスタである。各トランジスタ1303および1304のドレインは、インバータ1302および1301の各入力端子に接続され、各々のゲートは、Y選択信号が供給される行選択線11に接続されている。
【0044】
ところで、図2においては、1個のメモリセル130に対して2本の列選択線が接続されるように図示したが、これらは図3に示す2本の列選択線12aおよび12bに対応する。そして、列選択線12aにはトランジスタ1303のソースが接続され、列選択線12bにはトランジスタ1304のソースが接続されている。ここで、列選択線12aには階調データD0,D1およびD2のいずれか(図3においては「D」と表記されている)が供給され、列選択線12bには、列選択線12aに供給される階調データをレベル反転したデータ(図3においては「/D」と表記されている)が供給される。
【0045】
各メモリセル130はこのような構成であり、行選択線11にHレベルのY選択信号が出力されることによりトランジスタ1303および1304が導通状態となる。この状態で、各階調データおよびそのレベルを反転したデータが列選択線12aおよび12bに供給されると、階調データはインバータ1301および1302により構成されるメモリに記憶されることとなる。記憶されたデータは、Y選択信号がLレベルとなり、トランジスタ1303および1304が非導通状態となっても保持される。なお、以下の説明では、インバータ1301の出力をQ出力と呼び、インバータ1302の出力を/Q出力と呼ぶ。
【0046】
再び図2において、各画素13における各メモリセル130のQ出力(階調データQ0〜Q2)と、階調信号生成回路23から出力された階調信号P0,P1,P2とは階調制御回路138に入力される。階調制御回路138は、これらの入力信号に対して演算処理を行うことにより、1フィールド(1F)内で、各メモリセルから読み出された階調データQ0〜Q2に応じた時間密度を有するパルス信号PWを生成して出力する。
【0047】
一方、トランスミッションゲート134aおよび134bの出力端は、画素電極135に接続されている。そして、この画素電極135と対向電極136との間に液晶137が狭まれて液晶層が形成されている。ここで、対向電極136は、素子基板に形成された画素電極135と対向するように、対向基板に一面に形成される透明電極である。この対向電極136には、図示しない電圧生成回路から交流化駆動信号FRが供給される。交流化駆動信号FRは、VHからVLへ、あるいはVLからVHへ、のように、1フィールド(1F)毎、或いは周期的にレベル反転(極性反転)を繰り返す信号である。本実施形態において、それぞれの画素13の画素電極には、データ線114に供給されたデータに応じた電圧が直接印加されるのではなく、上記駆動信号FRに応じた電圧またはその反転信号/FRに応じた電圧が択一的に印加される。データ線114に供給されるデータは、画素電極に供給される信号FR,/FRを選択するために用いられる。一方、この画素電極と対向する対向電極には、駆動信号FRが供給される。液晶を交流駆動するために、駆動信号FRを1フレーム或いは周期的に極性反転する電圧(例えば0[V],3[V])に設定し、その反転信号/FRをこれとは逆相の電圧(例えば3[V],0[V])に設定する。なお、本実施形態では、画素電極と対向電極とに対して、交流化駆動信号系FR,/FRを直接供給しているが、交流化駆動信号FRに応じて極性が反転する駆動電圧系を別途生成し、これを印加してもよい。以下、説明の便宜上、この交流化駆動信号FR等のレベルに関しては、VHを単にHレベルと呼び、VLを単にLレベルと呼ぶ場合がある。
【0048】
さて、上記階調制御回路138から出力されたパルス信号PWは、トランスミッションゲート134aのPチャネルトランジスタとトランスミッションゲート134bのNチャネルトランジスタのゲートとに供給される。さらに、パルス信号PWは、インバータ133によってレベル反転された後、トランスミッションゲート134aのNチャネルトランジスタとトランスミッションゲート134bのPチャネルトランジスタのゲートに供給される。各トランスミッションゲート134aおよび134bは、PチャネルトランジスタにLレベルのゲート信号が与えられ、NチャネルトランジスタにHレベルのゲート信号が与えられることにより導通状態となるゲートである。したがって、トランスミッションゲート134aと134bは、パルス信号PWのレベルに応じて、一方が導通状態、他方が非導通状態となる。また、トランスミッションゲート134aの入力端は、上述した交流化駆動信号FRが供給される配線に接続される一方、トランスミッションゲート134bの入力端は、信号/FRが供給される配線に接続されている。ここで、信号/FRは、上記交流化駆動信号FRをレベル反転した信号である。つまり、交流化駆動信号FRがHレベル(=VH)のときには信号/FRはLレベル(=VL)となり、交流化駆動信号FRがLレベル(=VL)のときには信号/FRはHレベル(=VH)となる。
【0049】
このような構成において、階調制御回路138からHレベルのパルス信号PWが供給された場合には、トランスミッションゲート134aは非導通状態となり、トランスミッションゲート134bは導通状態となる。したがって、画素電極135には、トランスミッションゲート134bを介して信号/FRが印加される。この結果、画素電極135に印加される電位と対向電極136に印加される電位の差電圧であるVHが、画素13の液晶層に印加されるため、この画素13の表示状態はオン状態となる。これに対し、階調制御回路138からLレベルのパルス信号PWが供給された場合、トランスミッションゲート134aは導通状態となり、トランスミッションゲート134bは非導通状態となる。したがって、画素電極135には交流化駆動信号FRが印加され、この結果、画素13の液晶層に印加される電圧はVL(=0V)となる。そしてこの結果、画素13の表示状態はオフ状態となるのである。
【0050】
2.2.階調制御回路138の構成
次に、図2における階調制御回路138の詳細構成を説明する。図において31〜33はトランジスタであり、直列に接続されるとともに、これらの各ゲート端には階調データQ0〜Q2が供給される。すなわち、トランジスタ31〜33は、対応する階調データがHレベルである時は導通状態になり、対応する階調データがLレベルである時は非導通状態になる。また、41〜43は直列に接続されるトランジスタであり、各々トランジスタ31〜33に対して並列に接続されるとともに、これらの各ゲート端には階調信号P0〜P2が供給される。すなわち、トランジスタ41〜43は、対応する階調信号がHレベルである時は導通状態になり、対応する階調信号がLレベルである時は非導通状態になる。
【0051】
上記トランジスタ31〜33および41〜43によって比較回路30が構成されている。52はトランジスタであり、比較回路30の端子30aと接地電位(0V)との間に接続され、そのゲート端にはリセット信号/RESが供給される。これにより、リセット信号/RESがHレベルになると、トランジスタ52を介して、比較回路30の端子30aに接地電位(0V)すなわちLレベルの電位が印加されることになる。
【0052】
また、50はトランジスタであり、比較回路30の他の端子30bと電源電位(VDD)との間に接続され、そのゲート端にはリセット信号/RESが供給される。これにより、リセット信号/RESがLレベルになると、トランジスタ50を介して、比較回路30の端子30bに電源電位(VDD)すなわちHレベルの電位が印加されることになる。
【0053】
また、62,64はインバータであり、一方の出力端が他方の入力端に接続され、両者によってラッチ回路60が構成されている。ラッチ回路60は、保持されている値すなわちインバータ62の出力レベルを上述したパルス信号PWとして出力する。ここで、トランジスタ50を介して端子30bにHレベルの電位が印加されると、パルス信号PWはLレベルになる。一方、トランジスタ52および比較回路30を介して端子30bにLレベルの電位が印加されると、パルス信号PWはHレベルになる。そして、トランジスタ50、トランジスタ52および比較回路30を介して端子30bに電圧が印加されていない場合には、端子30bの電位はインバータ64の出力信号(すなわちパルス信号PWの反転信号)に相当する電位になり、パルス信号PWのレベルが保持されることになる。
【0054】
2.3.液晶装置の構成
上述した電気光学装置の構造について、図5(a),(b)を参照して説明する。ここで、同図(a)は、電気光学装置100の構成を示す平面図であり、同図(b)は、同図(a)におけるA−A´線の断面図である。これらの図に示されるように、電気光学装置100は、画素13などが形成された素子基板101と、対向電極136などが形成された対向基板102とが、互いにシール材104によって一定の間隙を保って貼り合わせられるとともに、この間隙に電気光学材料としての液晶137が挟持された構造となっている。なお、実際には、シール材104には切欠部分があって、ここを介して液晶137が封入された後、封止材により封止されるが、これらの図においては省略されている。ここで、素子基板101および対向基板102はガラスや石英などの非晶質基板である。そして、画素13等は、素子基板101に半導体薄膜を堆積して成るTFTによって形成されている。すなわち、電気光学装置100は、透過型として用いられることになる。
【0055】
さて、素子基板101において、シール材104の内側かつ表示領域101aの外側領域には、遮光膜106が設けられている。この遮光膜106が形成される領域内のうち、例えば、領域130aにはYアドレスバッファ210およびYアドレスデコーダ211等が形成され、また、領域140aにはXアドレスバッファ220、Xアドレスデコーダ221およびサンプル・ホールド回路222等が形成される。すなわち、遮光膜106は、この領域に形成される駆動回路に光が入射するのを防止している。この遮光膜106には、対向電極136とともに、交流化駆動信号FRが印加される構成となっている。このため、遮光膜106が形成された領域では、液晶層への印加電圧がほぼゼロとなるので、画素電極135の電圧無印加状態と同じ表示状態となる。また、素子基板101において、領域140aの外側であって、シール材104を隔てた領域107には、複数の接続端子が形成されて、外側からの制御信号や電源などを入力する構成となっている。一方、対向基板102の対向電極136は、基板貼合部分における4隅のうち、少なくとも1箇所において設けられた導通材(図示省略)によって、素子基板101における遮光膜106および接続端子と電気的な導通が図られている。すなわち、交流化駆動信号FRは、素子基板101に設けられた接続端子を介して、遮光膜106に、さらに、導通材を介して対向電極136に、それぞれ印加される構成となっている。
【0056】
ほかに、対向基板102には、電気光学装置100の用途に応じて、例えば、直視型であれば、第1に、ストライプ状や、モザイク状、トライアングル状等に配列したカラーフィルタが設けられ、第2に、例えば、金属材料や樹脂などからなる遮光膜(ブラックマトリクス)が設けられる。なお、色光変調の用途の場合には、例えば、後述するプロジェクタのライトバルブとして用いる場合には、カラーフィルタは形成されない。また、直視型の場合、電気光学装置100に光を対向基板102側から照射するフロントライト、もしくは素子基板101側から光を照射するバックライトが必要に応じて設けられる。くわえて、素子基板101および対向基板102の電極形成面には、それぞれ所定の方向にラビング処理された配向膜(図示省略)など設けられて、電圧無印加状態における液晶分子の配向方向を規定する一方、素子基板101と対向基板102には、配向方向に応じた偏光板(図示省略)が設けられる。ただし、液晶137として、高分子中に微小粒として分散させた高分子分散型液晶を用いれば、前述の配向膜や偏光子などが不要となる結果、光利用効率が高まるので、高輝度化や低消費電力化などの点において有効である。
【0057】
3.実施形態の動作
3.1.階調制御回路138における動作
次に、本実施形態に係る電気光学装置の動作を図6を参照して説明する。まず、階調データQ2,Q1,Q0が“L,L,L”レベルであったと仮定する。図6(a)に示す1フィールド(1F)において、最初に所定のリセット期間TRが開始されると、リセット信号/RESがHレベルからLレベルに立下がる。このリセット期間TRにおいては、トランジスタ50が導通状態になり、トランジスタ52は非導通状態になるから、トランジスタ50を介して端子30bにHレベルの電位が印加される。これにより、パルス信号PWはLレベルに設定される。
【0058】
次に、サブフィールドSF7においては、トランジスタ50が非導通状態になり、トランジスタ52が導通状態になるから、比較回路30が導通状態になれば、端子30bにLレベルの電位が印加されることになる。ここで、階調データQ2,Q1,Q0が“L,L,L”レベルであるとの前提の下では、トランジスタ31〜33は常に非導通状態になる。したがって、仮にトランジスタ41〜43が全て導通状態になれば、その場合にのみ比較回路30は全体として導通状態になる。
【0059】
しかし、図6(a)から明らかなように、階調信号P0〜P2は「0」〜「6」までのカウント結果であるから、階調信号P0〜P2の値が全てHレベルになるタイミングは存在しない。結局、この1フィールドにおいては、最初にリセット期間TRにおいて設定されたパルス信号PWのレベル(Lレベル)がそのまま保持されることになる。
【0060】
次に、階調データQ2,Q1,Q0が“H,H,L”レベルであったと仮定する。図6(a)に示す1フィールドにおいて、最初にリセット期間TRが設けられ、パルス信号PWがLレベルに設定される点は上述した通りである。このリセット期間TR以降において、階調データQ2,Q1,Q0が“H,H,L”レベルであるとの前提の下では、トランジスタ32,33は常に導通状態であり、トランジスタ31は常に非導通状態である。したがって、トランジスタ41が導通状態になれば、トランジスタ42,43の状態にかかわらず、比較回路30は全体として導通状態になる。
【0061】
換言すれば、階調信号P2,P1,P0が“X,X,H”レベル(“X”は不定の意味)であるとの条件が満たされると、比較回路30が全体として導通状態になる。階調信号P2,P1,P0は、「0」を初期値として「1」づつインクリメントされるカウント結果であるから、この条件が最初に満たされる時は、上記“X”が全て“L”である時、すなわち階調信号P2,P1,P0が“L,L,H”レベルになるサブフィールドSF6の開始タイミングである。
【0062】
サブフィールドSF6の開始時に比較回路30が導通状態になると、端子30bにおける電位は強制的にLレベルに設定され、インバータ62を介してパルス信号PWはHレベルに設定される。そして、インバータ64を介して、端子30bの電位はその後もLレベルに保持され、パルス信号PWはHレベルのまま保持される。以後のサブフィールドSF5〜SF1においては、階調信号P2,P1,P0が“X,X,H”であるとの条件が満たされる場合もあれば満たされない場合もある。しかし、端子30bの電位が一旦Lレベルに設定されると、比較回路30の導通・非導通状態はラッチ回路60の保持データになんら影響を及ぼさず、次のフィールドの開始時に再びトランジスタ50を介してHレベルに設定されるまで、端子30bの電位は保持される。
【0063】
以上の動作は、階調データQ2,Q1,Q0が他の値である時も同様である。すなわち、任意の階調データQ2,Q1,Q0に対して、1フィールド内で比較回路30が最初に導通状態に設定されるタイミングは、階調信号P2,P1,P0が階調データQ2,Q1,Q0の反転信号になるタイミングである。図6(b)から明らかなように、このタイミングは階調データQ2,Q1,Q0の値が低いほど遅くなる。そして、比較回路30が一旦導通状態になりパルス信号PWがHレベルに設定されると、その後の比較回路30の状態にかかわらず、次のフィールドが開始されるまでパルス信号PWのレベルは不変である。これにより、階調データQ2,Q1,Q0に応じてパルス信号PWがHレベルになるデューティ比が変化することが解かる。
【0064】
3.2.全体動作
次に、本実施形態の全体動作を説明する。まず、書込モードにおいては画素13内のメモリに階調データが書き込まれる。なお、ここでは、説明の便宜上、1つの画素に対して階調データD0〜D2が与えられる場合の動作について説明する。まず、図示しない上位装置から、Lレベルのチップイネーブル信号/CEおよびライトイネーブル信号/WEが与えられると書込モードとなり、電気光学装置内の各部においては、画素13に対して階調データを書き込むための動作が実行される。
【0065】
Yアドレスデコーダ211においては、Yアドレスバッファ210を介して供給されたYアドレス信号Ay0〜Ayiがデコードされ、Yアドレス信号Ay0〜Ayiによって特定される行選択線11に対してHレベルのY選択信号が出力される。一方、Xアドレスデコーダ221においては、Xアドレスバッファ220を介して供給されたXアドレス信号Ax0〜Axjがデコードされ、X選択信号が生成され出力される。
【0066】
入力回路240においては、動作制御回路20からHレベルのイネーブル信号が与えられることにより動作状態になる。これにより、データ入出力端子I/O0〜I/O2を介して上位装置から供給される階調データD0〜D2が、サンプル・ホールド回路222に出力される。サンプル・ホールド回路222においては、Xアドレスデコーダ221からのX選択信号によって指定される列選択線12に対して、入力回路240から供給される階調データD0〜D2が出力される。
【0067】
ここで、データ書き込みの対象となる画素13内に設けられたメモリセル130内のトランジスタ1303および1304(図3参照)は、HレベルのY選択信号によって導通状態となり、サンプル・ホールド回路222から出力された階調データD0〜D2の各々は、画素13内の各メモリセル130a、130bおよび130cに書き込まれる。
【0068】
こうして各メモリセル130に階調データD0〜D2が書き込まれ、保持されると、書き込まれたデータが階調データQ0〜Q2として出力される。階調制御回路138は、上述したように階調データQ0〜Q2および階調信号P0〜P2に応じてHレベルまたはLレベルとなるパルス信号PWを生成して出力する。そして、このパルス信号PWがHレベルとなる期間においては画素の表示状態をオン状態とする電圧が画素の液晶層に印加される一方、パルス信号PWがLレベルとなる期間においては、画素の表示状態をオフ状態にする電圧が画素の液晶層に対して印加される。
【0069】
4.低消費電力化のための改良
図2に示したように、それぞれの画素13は、メモリセル130、階調制御回路138、スイッチング回路139および画素電極135で構成されている。そのため、画素13の回路全体を、液晶のオン電位(例えば約3.0V)以上の駆動電圧で駆動する必要がある。装置全体の消費電力の低減を図るためには、画素13を低電圧駆動することが好ましい。そこで、以下、この低電圧駆動を実現する画素13の改良構造について説明する。
【0070】
図9は、低電圧駆動を実現する画素13の回路図である。なお、同図において、図2に示した構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付して、ここでの説明を省略する。この画素13の回路構成上の特徴は、階調制御回路138とスイッチング回路139との間に、レベルシフタ回路300が設けられている点である。このレベルシフタ回路300は、その前後の回路系が互いに異なる電源系で駆動できるように電源系を分離し、電源電圧のレベルを変換する回路である。具体的には、レベルシフタ回路300の前段の回路系(すなわち、メモリセル130および階調制御回路138)は、第1の電源電圧VDDL(例えば、1.8V)で駆動する。また、レベルシフタ回路300の後段の回路系(すなわち、スイッチング回路139および画素電極135)は、第1の電源電圧VDDLよりも高い第2の電源電圧VDDH(例えば、3.0V)で駆動する。この第2の電源電圧VDDHは、画素13の表示状態をオン状態に設定する電圧以上になっている。
【0071】
このようにレベルシフタ回路300を追加した関係上、インバータ301をレベルシフタ回路300の前段に追加し、図2で用いたインバータ133を削除する。レベルシフタ回路300の直前に設けられたインバータ301は、ラッチ回路60の一部を構成するインバータ62の出力信号(インバータ64の入力信号と等価)をレベル反転する。そして、レベルシフタ回路300のI端子には、インバータ62の出力信号が供給され、/I端子には、インバータ301によってレベル反転された信号が供給される。また、レベルシフタ回路300は2つの出力端子(O端子、/O端子)を有し、互いのレベルが反転した2つの信号を出力するため、図2で示したインバータ133が不要となる。
【0072】
図10は、一例として、4つのトランジスタで構成したレベルシフタ回路300の回路図である。このレベルシフタ回路300は、第2の電源電圧VDDHと接地電圧GNDとの間には、2つのトランジスタ列が並列に設けられている。一方のトランジスタ列は、Pチャネルトランジスタ300aとNチャネルトランジスタ300bとで構成されている。このPチャネルトランジスタ300aのドレインとNチャネルトランジスタ300bのドレインとは共通接続されており、共通接続されたノードがO端子となっている。Pチャネルトランジスタ300aのソースには第2の電源電圧VDDHが供給され、Nチャネルトランジスタ300bのソースには接地電圧GNDが供給されている。また、このNチャネルトランジスタ300bのゲートは、I端子になっている。一方、他方のトランジスタ列は、Pチャネルトランジスタ300cとNチャネルトランジスタ300dとで構成されている。このPチャネルトランジスタ300cのドレインとNチャネルトランジスタ300dのドレインとは共通接続されており、この共通接続されたノードが/O端子になっている。Pチャネルトランジスタ300cのソースには第2の電源電圧VDDHが供給され、Nチャネルトランジスタ300dのソースには接地電圧GNDが供給されている。このNチャネルトランジスタ300dのゲートは、I端子になっている。なお、Pチャネルトランジスタ300aのゲートは、/O端子に接続されており、Pチャネルトランジスタ300cのゲートは、O端子に接続されている。このような構成を有するレベルシフタ回路300の動作は下表のようになる。
【0073】
(動作表)
I端子電圧 Hレベル(VDDL) Lレベル(GND)
Pチャネルトランジスタ300a オン状態 オフ状態
Nチャネルトランジスタ300b オフ状態 オン状態
Pチャネルトランジスタ300c オフ状態 オン状態
Nチャネルトランジスタ300d オン状態 オフ状態
O端子電圧 Hレベル(VDDH) Lレベル(GND)
このように、それぞれの画素13内にレベルシフタ回路300を設け、この回路300の前段側の駆動電圧として、第2の電源電圧VDDHよりも低い第1の電源電圧VDDLを用いる。これにより、アドレスデコーダ211,221、階調信号生成回路23等の周辺回路からレベルシフタ回路300の手前までの駆動電圧を低電圧化できるため、図2に示した画素13の回路構成と比較して、消費電力の大幅な低減を図ることができる。
【0074】
なお、低電圧駆動を実現する画素13は、図9に示した回路構成に限定されるものではなく、例えば、図11のような回路構成であってもよい。同図に示す回路構成が図4のそれと相違する点は2つある。第1は、1ビットデータを記憶するメモリセル130の個数が1つである点であり、第2は、階調信号制御回路138が存在せず、メモリセル130の出力がそのままレベルシフタ回路300の入力になっている点である。すなわち、メモリセル130のQ端子からの出力信号は、レベルシフタ回路300のI端子に入力される一方、メモリセル130の/Q端子からの出力信号は、レベルシフタ回路300の/I端子に入力される。
【0075】
図11に示した画素13において、メモリセル130に書込まれたデータがビット”0”の場合、画素13の表示状態がオン状態に設定される。メモリセル130書込まれるデータは、上位装置において階調データQ2,Q1,Q0に基づいて生成されたデータであり、あるサブフィールドにおける画素13の表示状態をオン状態またはオフ状態のどちらに設定するかを示す。具体的には、メモリセル13に書込まれたデータがビット”0”の場合、そのサブフィールドにおいて画素13の表示状態がオフ状態に設定され、ビット“1”の場合、そのサブフィールドにおいて画素13の表示状態がオン状態に設定される。データの再書込みは、画素13の表示状態を変更する必要が生じた場合に行えばよい。したがって、画素13の表示状態を変更する必要がない場合には、メモリセル130に記憶されたデータに基づいて画素13の表示状態が継続される。換言すれば、データの再書込みが行われない限り、その表示状態が連続した複数のサブフィールドに亘って継続されることになる。
【0076】
5.電子機器の具体例
5.1.プロジェクタ
次に、上述した電気光学装置を具体的な電子機器に用いた例のいくつかについて説明する。まず、上記実施形態に係る電気光学装置をライトバルブとして用いた投射型表示装置であるプロジェクタ5400について説明する。図7(a)は、投射型表示装置の要部を示す概略構成図である。図中、5431は光源、5442,5444はダイクロイックミラー、5443,5448,5449は反射ミラー、5445は入射レンズ、5446はリレーレンズ、5447は出射レンズ、100R,100G,100Bは上記電気光学装置による液晶光変調装置、5451はクロスダイクロイックプリズム、5437は投射レンズを示す。光源5431はメタルハライド等のランプ5440とランプの光を反射するリフレクタ5441とからなる。青色光・緑色光反射のダイクロイックミラー5442は、光源5431からの光束のうちの赤色光を透過させるとともに、青色光と緑色光とを反射する。透過した赤色光は反射ミラー5443で反射されて、赤色光用液晶光変調装置100Rに入射される。一方、ダイクロイックミラー5442で反射された色光のうち緑色光は緑色光反射のダイクロイックミラー5444によって反射され、緑色光用液晶光変調装置100Gに入射される。
【0077】
一方、青色光は第2のダイクロイックミラー5444も透過する。青色光に対しては、長い光路による光損失を防ぐため、入射レンズ5445、リレーレンズ5446、出射レンズ5447を含むリレーレンズ系からなる導光手段が設けられ、これを介して青色光が青色光用液晶光変調装置100Bに入射される。各光変調装置により変調された3つの色光はクロスダイクロイックプリズム5451に入射する。このプリズムは4つの直角プリズムが貼り合わされ、その内面に赤光を反射する誘電体多層膜と青光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が形成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ5437によってスクリーン5452上に投射され、画像が拡大されて表示される。
【0078】
5.2.モバイル型コンピュータ
次に、上記電気光学装置を、モバイル型のパーソナルコンピュータに適用した例について説明する。図7(b)は、このパーソナルコンピュータの構成を示す正面図である。図において、モバイル型コンピュータ5200は、キーボード5202を備えた本体部5204と、表示ユニット5206とから構成されている。この表示ユニット5206は、先に述べた電気光学装置100の後方にバックライトを付加することにより構成されている。
【0079】
5.3.携帯電話器
さらに、上記電気光学装置を、携帯電話器に適用した例について説明する。図7(c)は、この携帯電話器の構成を示す正面図である。図において、携帯電話器5300は、複数の操作ボタン5302のほか、受話口5304、送話口5306とともに、電気光学装置100を備えるものである。この電気光学装置100にも、必要に応じてその後方にバックライトが設けられる。
【0080】
5.4.その他
電子機器としては、以上説明した他にも、液晶テレビや、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器に対して、上述した電気光学装置が適用可能なのは言うまでもない。
【0081】
5.変形例
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように種々の変形が可能である。
【0082】
(1)上述した実施形態にあっては、階調データD0〜D2(Q0〜Q2)および階調信号P0〜P2のビット数を「3」に設定することにより、23=8階調の表示を行ったが、階調データおよび階調信号のビット数は必要な階調数に応じて増減してもよい。すなわち、階調信号が「0」を初期値として「1」づつインクリメントされるカウント結果であれば、比較回路30が最初に導通状態になるタイミングは階調信号が階調データの反転信号になるタイミングである。したがって、階調信号および階調データのビット数に拘らず、階調データに応じたタイミングでパルス信号PWを立上げることができる。また、上記実施形態においては所定のパルス信号をカウントアップすることにより階調信号P0〜P2を生成したが、カウントダウンすることによって階調信号P0〜P2を生成してもよい。
【0083】
(2)上記実施形態に採用された液晶の電圧/透過率特性は図4に示したが、全ての液晶がこのような特性を有するわけではない。液晶によっては、例えば図8に示すような電圧/透過率特性を有するものもある。すなわち、この液晶は、閾値電圧VTH2以上の電圧が印加されると、印加電圧に応じて透過率が減少してしまうのである。かかる場合には、液晶の特性に応じてリセット期間TRを増減し、図6における階調データの最大値“H,H,H”に対して、閾値電圧VTH2に等しい電圧実効値を与えるようにパルス信号PWのデューティ比を設定するとよい。
【0084】
(3)また、上記実施形態においては、電気光学装置を構成する素子基板101をガラスや石英などの非晶質基板とし、ここに半導体薄膜を堆積してTFTを形成した透過型としたが、本発明は、これに限られない。例えば、素子基板101あるいは対向基板102に反射層を設けて反射型としたり、素子基板101を単結晶シリコンによって構成し、画素電極135をアルミニウムなどの反射性金属から形成し、対向基板102をガラスなどから構成すると、電気光学装置100を反射型として用いることができる。また、本発明は、3端子スイッチング素子であるTFT(Thin Film Transistor)以外に、例えばTFD(Thin Film Diode)といった2端子スイッチング素子を用いたアクティブマトリクス型パネルに対しても適用可能である。それとともに、本発明は、スイッチング素子を用いないパッシブマトリクス型パネルに対しても適用可能である。
【0085】
かかる場合、画素13を構成する各回路、すなわちメモリセル130、階調制御回路138、スイッチング回路139を、上記画素電極135に対して観察面とは反対側に設けることが望ましい。このように構成することにより、各画素電極間にこれらの回路を形成するための領域を設けることが不要になるため、各画素の開口率を向上させることができるという効果が得られる。また、素子基板101としてSOI(Silicon on Insulator)基板を用いることもできる。SOI基板は、絶縁基板上に単結晶シリコン層を設け、さらにその上に各種素子を形成して成る基板であり、各種回路の一層の高速化、低消費電力化を実現することができる。
【0086】
(4)また、上記実施形態は本発明を液晶を用いた電気光学装置に適用した例を説明したが、他の電気光学装置、特に、オンまたはオフの2値的な表示を行う画素を用いて、階調表示を行う電気光学装置のすべてに適用可能である。このような電気光学装置としてはエレクトロルミネッセンス装置やプラズマディスプレイなどが考えられる。特に有機エレクトロルミネッセンス装置の場合は、液晶のような交流駆動をする必要が無く、極性反転をしなくて良い。
【0087】
(5)また、上述したサブフィールド駆動では、画素電極135に対して、2値電圧(オン電圧、オフ電圧)を択一的に印加することにより、画素13を2つの表示状態(オン状態またはオフ状態)のいずれかに設定する例について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、画素電極135に対して3つ以上の電圧(オン電圧、オフ電圧、中間電圧)を印加することにより、画素13の表示状態を3つ以上に設定してもよい。つまり、電圧階調変調とサブフィールド駆動とを併用した駆動方法に対しても本発明は適用可能である。
【0088】
(6)さらに、上述した実施形態では、交流化駆動信号系FR,/FRを用いて、液晶を交流駆動させている。しかしながら、液晶の交流駆動方式はこれに限定されるものではなく、他の方式を用いてもよいのは当然である。例えば、画素13の対向電極には一定電圧Vc(例えば0[V])を印加するとともに、画素電極には、画素内メモリに記憶されたデータに応じて、VcまたはV1(V2)を択一的に印加する。ここで、電圧V1は、電圧Vcと比較して電圧VHだけ高い電圧であり、電圧V2は、電圧Vcと比較して電圧VHだけ低い電圧である。
【0089】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、第1ないし第nビット(但し、nは2以上の自然数)の階調データに応じて各々がスイッチングされるとともに、第1および第2端子間に直列に接続された、第1−1ないし第1−nのスイッチング素子と、逐次更新される第1ないし第nビットの階調信号に応じて各々がスイッチングされるとともに、前記第1−1ないし第1−nのスイッチング素子に各々が並列に接続された、第2−1ないし第2−nのスイッチング素子とによって比較回路を実現したから、比較回路を構成するスイッチング素子の数を抑制することができ、電気光学装置等の低消費電力化、高精細化、多階調化を果たすことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】電気光学装置の電気的構成を示すブロック図
【図2】一例としての画素の回路図
【図3】メモリセルの回路図
【図4】液晶の電圧/透過率特性図
【図5】電気光学装置の構造図
【図6】階調制御回路のタイミングチャート
【図7】電気光学装置を適用した種電子機器の例を示す図
【図8】変形例における液晶の電圧/透過率特性図
【図9】低電圧駆動を実現する画素の回路図
【図10】レベルシフタ回路の一例を示す回路図
【図11】別の変形例としての画素の回路図
【符号の説明】
11 行選択線
12 列選択線
13 画素
20 動作制御回路
23 階調信号生成回路
30 比較回路
30a,30b 端子(第1および第2端子)
31〜33 トランジスタ(第1−1ないし第1−nのスイッチング素子)
41〜43 トランジスタ(第2−1ないし第2−nのスイッチング素子)
50 トランジスタ
52 トランジスタ
60 ラッチ回路
62,64 インバータ
101 素子基板
101a 表示領域
102 対向基板
104 シール材
106 遮光膜
120〜125 列選択線
130,130a,130b,130c メモリセル
133 インバータ
134a,134b トランスミッションゲート
135 画素電極
136 対向電極
137 液晶
138 階調制御回路(パルス幅変調回路)
139 スイッチング回路
210 Yアドレスバッファ
211 Yアドレスデコーダ
220 Xアドレスバッファ
221 Xアドレスデコーダ
222 サンプル・ホールド回路
240 入力回路
241 出力回路
300 レベルシフタ回路
301 インバータ
1301,1302 インバータ
1303,1304 トランジスタ

Claims (11)

  1. 供給される駆動信号のレベルに応じた階調表示を行う複数の画素を備えた電気光学装置であって、
    前記複数の画素の各々において表示すべき階調を示すnビット(但し、nは2以上の自然数)の階調データを供給する複数の第1配線と、
    nビットの階調信号を供給する複数の第2配線とを備え、
    前記複数の画素の各々は、
    画素電極と、
    前記nビットの階調データを記憶し、且つ、第1の電源電圧で動作するメモリと、
    前記駆動信号を出力し、且つ、前記第1の電源電圧で動作するパルス幅変調回路と、
    前記パルス幅変調回路から出力される駆動信号のレベルを前記第1の電源電圧から前記第1の電源電圧よりも高い第2の電源電圧にレベルシフトするレベルシフト回路と、
    前記レベルシフト回路から出力される前記駆動信号のレベルに応じて、前記画素の表示状態をオン状態にする電圧または前記画素の表示状態をオフ状態にする電圧のいずれかを前記画素電極に印加し、且つ、前記第2の電源電圧で動作するスイッチング回路とを備え、
    前記パルス幅変調回路は、
    前記メモリに記憶された前記階調データと外部から供給されるnビットの階調信号とを比較する比較回路と、
    比較回路の比較結果を保持して前記駆動信号として前記レベルシフト回路に出力するラッチ回路とを備え、
    前記nビットの階調信号は、 1 フィールドを分割して得た複数のサブフィールドごとに外部から供給され、前記複数のサブフィールドの各々において、表示すべき階調に応じて前記駆動信号のレベルをハイレベルとするかローレベルとするかを指定する、
    ことを特徴とする電気光学装置。
  2. 前記比較回路は、
    前記nビットの階調データに応じて各々がスイッチングされる第1および第2端子間に直列に接続されたn個の第1スイッチング素子と、
    逐次更新される前記nビットの階調信号に応じて各々がスイッチングされるとともに、前記n個の第1スイッチング素子の各々に並列に接続されたn個の第2スイッチング素子とを有し、
    前記階調データおよび前記階調信号に応じて、前記第1および第2端子間の導通・非導通状態を制御し、前記階調データおよび前記階調信号の比較結果を前記ラッチ回路に出力することを特徴とする請求項1に記載された電気光学装置。
  3. 前記ラッチ回路は、第1信号が入力されると第1状態に設定され、第2信号が入力されると第2状態に設定されるとともに、前記比較回路が導通状態になった時に該第1信号が入力され、
    前記パルス幅変調回路は、
    所定のリセット周期毎に前記第2信号を前記ラッチ回路に入力し、かつ、該リセット周期内で複数回カウントアップまたはカウントダウンされるカウント結果を前記階調信号として前記比較回路に供給し、
    前記階調データおよび前記階調信号の比較結果に応じて、前記比較回路の前記第1および第2端子間の導通・非導通状態を制御することにより、
    前記リセット周期内で前記ラッチ回路が前記第1状態を維持する時間と前記第2状態を維持する時間との比を設定することを特徴とする請求項2に記載された電気光学装置。
  4. 前記パルス幅変調回路は、
    導通状態である時に前記第2信号を前記ラッチ回路に供給する第3スイッチング素子と、
    導通状態である時に前記第1信号を前記比較回路に供給する第4スイッチング素子とをさらに有し、
    前記第3スイッチング素子は、所定のリセット信号がリセット指令状態である時に導通状態に設定され、前記第4スイッチング素子は、前記リセット信号が非リセット指令状態である時に導通状態に設定されることを特徴とする請求項3に記載された電気光学装置。
  5. 前記画素は、透明基板上に半導体薄膜を堆積して成る素子基板上に形成されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載された電気光学装置。
  6. 前記画素は、単結晶シリコン基板上に形成されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載された電気光学装置。
  7. 前記単結晶シリコン基板は、絶縁基板上に単結晶シリコン層を形成して成るSOI基板であることを特徴とする請求項に記載された電気光学装置。
  8. 前記画素電極に対して観察面とは反対側に前記メモリと、前記パルス幅変調回路と、前記スイッチング回路とを設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載された電気光学装置。
  9. 前記画素を形成して成る素子基板と、
    所定の基準電圧が印加される対向電極を備えた対向基板と、
    前記素子基板と前記対向基板とに挟持された液晶とを有することを特徴とする
    請求項1から4のいずれかに記載された電気光学装置。
  10. 複数の画素を有する電気光学装置において、
    前記複数の画素の各々において表示すべき階調を示すデータを供給する複数の第1配線と、
    前記画素のそれぞれに設けられた画素電極と、
    前記画素のそれぞれに設けられ、データを書換え可能なメモリと、
    前記メモリに記憶されたデータに応じて、少なくとも前記画素の表示状態をオン状態にする電圧または前記画素の表示状態をオフ状態にする電圧を前記画素電極に印加するスイッチング回路と、
    前記メモリと前記スイッチング回路との間に設けられ、信号のレベルを変換するレベルシフタ回路とを備え、
    前記レベルシフタ回路の前段に位置する回路系は、第1の電源電圧で駆動し、前記レベルシフタ回路の後段に位置する回路系は、前記第1の電源電圧よりも高い第2の電源電圧で駆動する、
    ことを特徴とする電気光学装置。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載された電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。
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