JP4158405B2 - 燃料用ホースの製法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料用ホースの製法に関するものであり、詳しくは、ガソリン、アルコール混合ガソリン(ガソホール)、アルコール、水素、LPG、CNG、軽油、ジメチルエーテルのような自動車等の燃料輸送用配管等に用いられる燃料用ホースの製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車を取り巻く燃料ガスの蒸散規制は厳しくなってきており、これに対応する低透過な燃料用ホースが各種検討されている。このような燃料系ホースとしては、例えば、ポリブチレンナフタレート(PBN)やポリブチレンテレフタレート(PBT)等の低透過樹脂を用いたホースが提案されている。しかし、上記PBNやPBT等の低透過樹脂は、剛性が高いため、これら高剛性の低透過樹脂のみを用いて単層構造のホースを形成した場合、ホースの柔軟性が劣る。したがって、低透過樹脂層の厚みを薄くして、ポリアミド樹脂等からなる熱可塑性樹脂層との積層構造にするのが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記PBNやPBT等の低透過樹脂層は、熱可塑性樹脂層との接着性が悪いため、ホース端部にコネクターを挿入した場合、両層の界面にずれが生じる等の不都合が生じ、コネクター挿入性が劣るという難点がある。また、上記PBNやPBT等の低透過樹脂層をホースの最内層として用いた場合、燃料との接触により、クレーズが発生するという難点もある。さらに、ポリアミド樹脂等からなる熱可塑性樹脂層をホースの最外層として用いた場合、エンジンルーム等の外部からの熱により熱可塑性樹脂層が溶けたり、熱可塑性樹脂層にチッピングが生じる等の難点がある。そこで、耐火炎性や耐チッピング性を考慮して、熱可塑性樹脂層の外周面に、プロテクタ層と呼ばれるゴム層を形成する場合が多いが、熱可塑性樹脂層とゴム層(プロテクタ層)とは、樹脂とゴムゆえ接着性が悪いという難点がある。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、層間接着力が高く、コネクター挿入性、耐クレーズ性、耐火炎性に優れた、燃料用ホースの製法の提供をその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の燃料用ホースの製法は、内層と、この内層の外周面に直接形成された中間層と、この中間層の外周面に直接形成されたゴム製外層とを備えた燃料用ホースの製法であって、ポリエステル系熱可塑性エラストマーを含有する内層 用材料と、ポリブチレンナフタレートおよびポリブチレンテレフタレートの少なくとも一方を含有する中間層用材料を共押し出しして内層の外周面に中間層を直接形成する工程と、上記中間層の外周表面に放電処理を施して外周表面を凹凸面に形成する工程と、上記放電処理により形成した中間層の外周表面の凹凸面にエピクロルヒドリンゴム(ECO)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムとポリ塩化ビニルからなるブレンドポリマー(NBR−PVC)またはエチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)を含有するゴム材料を被覆して加硫することにより中間層の外周表面の凹凸面ゴム製外層直接形成する工程とを備えているという構成をとる。
【0006】
すなわち、本発明者らは、層間接着力が高く、コネクター挿入性、耐クレーズ性、耐火炎性に優れた、燃料用ホースを得るべく鋭意研究を重ねた。そして、ポリエステル系熱可塑性エラストマーを含有する内層用材料と、ポリブチレンナフタレート(PBN)およびポリブチレンテレフタレート(PBT)の少なくとも一方を含有する中間層用材料を共押し出しして内層の外周面に中間層(低透過樹脂層)を直接形成すると、柔軟性が向上するため、クレーズが発生しないことを突き止めるとともに、上記低透過樹脂層(中間層)の外周面に、特定のゴム層(プロテクタ層)を直接形成すると、耐火炎性に優れることも突き止めた。さらに上記低透過樹脂層の外周表面を、プラズマ処理等の放電処理により活性化すると、上記低透過樹脂層と特定のゴム製外層の層間接着力が高くなり、低透過樹脂層と特定のゴム製外層との界面でのずれが生じなくなり、コネクター挿入性に優れることを見いだし、本発明に到達した。これは、上記PBNやPBTを用いてなる低透過樹脂層の外周表面を、プラズマ処理等の放電処理により活性化すると、PBNやPBTの分子骨格から水素原子が離脱して炭素ラジカルが生成するようになるとともに、上記低透過樹脂層表面の少なくとも一部において、炭素ラジカル間の架橋反応により、強固な表面層が形成されるようになる。また、上記低透過樹脂層表面の他の部分においては、炭素ラジカルが空気中の酸素と結合し、水酸基、カルボキシル基、アルデヒド基、ケトン基等の官能基が形成される。その結果、上記低透過樹脂層表面に形成された官能基と、特定のゴム製外層との親和性が著しく向上するようになり、上記低透過樹脂層と特定のゴム製外層との接着性が発現するものと考えられる。また、上記低透過樹脂層の外周表面にプラズマ処理等の放電処理を行うと、低透過樹脂層の外周表面が粗面化されて凹凸が生じ、その凹凸面に外層のゴムが入り込むというアンカー効果(投錨効果)により、低透過樹脂層と特定のゴム製外層との層間接着力がより強固になるものと推測される。
【0007】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0008】
本発明の製法により得られる燃料用ホースは、例えば、図1に示すように、内層1の外周面に中間層2が直接形成され、さらにその外周面にゴム製外層3が直接形成されて構成されている。そして、本発明においては、上記中間層2の外周表面が、プラズマ処理等の放電処理により凹凸面に形成されており、この中間層2の凹凸面と上記ゴム製外層3とが直接接着している。
【0009】
上記内層1用材料としては、ポリエステル系熱可塑性エラストマーが用いられる。上記ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPEE)としては、例えば、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のハードセグメントに、ポリエーテル、ポリエステル等のソフトセグメントを導入したもの等があげられる。
【0010】
上記ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPEE)の曲げ弾性率は、コネクター挿入性の観点から、PBN系TPEEでは、1000MPa以下が好ましく、特に好ましくは100〜800MPaの範囲内であり、PBT系TPEEでは、2000MPa以下が好ましい。
【0011】
また、上記内層1は、燃料ポンプで発生した静電気をホース外部へ放電して逃がし、静電気による燃料(ガソリン等)への引火等の事故を防止する目的で、柔軟性、クレーズ性を損なわない範囲内で、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、金属粉等の導電剤を配合して、導電化しても差し支えない。
【0012】
上記内層1の外周面に形成される中間層2用材料としては、ポリブチレンナフタレート(PBN)およびポリブチレンテレフタレート(PBT)の少なくとも一方が用いられる。
【0013】
上記PBNは、例えば、2,6−ジメチルナフタレート(DMN)と、1,4−ブタンジオール(BG)とを原料とするエステル交換法や、2,6−ナフタレンジカルボン酸と、1,4−ブタンジオール(BG)とを原料とする直接重合法等により得ることができる。
【0014】
上記PBTは、例えば、ジメチルテレフタレート(DMT)と、1,4−ブタンジオール(BG)とを原料とするDMT法や、テレフタル酸(TPA)と、1,4−ブタンジオール(BG)とを原料とする直接重合法等により得ることができる。
【0015】
また、上記中間層2は、上記内層1と同様、柔軟性、クレーズ性を損なわない範囲内で、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、金属粉等の導電剤を配合して、導電化しても差し支えない。
【0016】
上記中間層2の外周面に形成されるゴム製外層3に用いられるゴムとしては、上記中間層2の凹凸面に形成される官能基との親和性に優れたゴムが好ましく、上記中間層2との接着力が優れる点で、エピクロルヒドリンゴム(ECO)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBRとポリ塩化ビニル(PVC)からなるブレンドポリマー(NBR−PVC)が用いられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、特にECOが好ましい。
【0017】
なお、上記ゴム製外層3用材料(ゴム材料)には、上記ゴムに加えて、加工助剤、老化防止剤、補強剤、可塑剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、加硫遅延剤、充填剤等を必要に応じて適宜配合しても差し支えない。
【0018】
上記加工助剤としては、例えば、ステアリン酸、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、炭化水素樹脂等があげられる。
【0019】
上記老化防止剤としては、例えば、カルバメート系老化防止剤、フェニレンジアミン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤、ジフェニルアミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤、ワックス類等があげられる。
【0020】
上記補強剤としては、例えば、カーボンブラック、ホワイトカーボン等があげられる。
【0021】
上記可塑剤としては、例えば、フタル酸ジオクチル(DOP),フタル酸ジ−n−ブチル(DBP)等のフタル酸系可塑剤、ジブチルカルビトールアジペート,ジオクチルアジペート(DOA)等のアジピン酸系可塑剤、セバシン酸ジオクチル(DOS),セバシン酸ジブチル(DBS)等のセバシン酸系可塑剤等があげられる。
【0022】
上記加硫剤としては、例えば、硫黄、モルホリン、ジスルフィド等の硫黄化合物、有機過酸化物、エチレンチオウレア等があげられる。
【0023】
上記加硫促進剤としては、例えば、チアゾール系促進剤、チウラム系促進剤、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(CBS)、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)、2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、テトラメチルチウラムモノスルフィド(TMTM)等のスルフェンアミド系促進剤等があげられる。
【0024】
上記加硫促進助剤としては、例えば、酸化亜鉛、活性亜鉛華、酸化マグネシウム、鉛丹(光明丹)等があげられる。
【0025】
上記加硫遅延剤としては、例えば、N−(シクロヘキシルチオ)フタルイミド等があげられる。
【0026】
上記充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、クレー、タルク等があげられる。
【0027】
本発明の燃料用ホースは、つぎのようにして製造することができる。すなわち、まず、TPEE等の内層1用材料、およびポリブチレンナフタレート(PBN)やポリブチレンテレフタレート(PBT)等の中間層2用材料をそれぞれ準備し、これらを共押し出し成形して、内層1の外周面に中間層2を熱融着させて両層を接着する。つぎに、上記中間層2の外周表面に、減圧プラズマ処理装置を用いてプラズマ処理等の放電処理を行う。ついで、この中間層2をマンドレル代わりとして、上記中間層2の外周表面のプラズマ処理面に、特定のゴム製外層3用材料(ゴム材料)を押し出し成形した後、所定の条件で加硫を行うことにより、中間層2の外周面にゴム製外層3を接着形成する。このようにして、目的とする燃料用ホース(図1参照)を作製することができる。
【0028】
上記内層1用材料と中間層2用材料を共押し出し成形する際、両者の溶融粘度はできる限り近い方が、均一な層を形成する上で好ましく、例えば、MFR値(メルトフローレート、ASTM D1238)の比で20以下程度に設定することが好ましい。
【0029】
上記プラズマ処理の条件は、特に限定はないが、周波数は、通常、0.1〜1000MHzの範囲であり、好ましくは1〜100MHzである。また、高周波電源の出力は、通常、2〜300Wの範囲であり、好ましくは5〜200Wである。処理時間は、通常、2〜180秒の範囲であり、好ましくは5〜60秒である。
【0030】
なお、上記中間層2の外周表面への放電処理は、上記のようなプラズマ処理に限定されるものではなく、コロナ処理等であっても差し支えない。
【0031】
このようにして得られる本発明の燃料用ホース各層の厚みは、内層1の厚みは、通常、0.05〜0.5mmであり、好ましくは0.1〜0.3mmである。上記中間層2の厚みは、通常、0.05〜0.4mmであり、好ましくは0.05〜0.3mmである。また、上記ゴム製外層3の厚みは、通常、0.5〜4mmであり、好ましくは1〜3mmである。そして、本発明の燃料用ホースの内径は、通常、3〜60mmであり、好ましくは4〜50mmである。
【0032】
なお、本発明の製法により得られる燃料用ホースは、前記図1に示した3層構造に限定されるものではなく、ゴム製外層3の外周面にさらに別の構成層を形成しても差し支えない。例えば、ゴム製外層3の外周面に、補強糸やワイヤー等を用いて補強層等を形成すると、柔軟性を維持しつつ、耐熱性、耐圧性が向上するため、耐熱ホース、高圧ホースとして使用することも可能である。また、内層を内側層と外側層の2層構造とし、内側層を導電剤配合の導電層、外側層を導電剤を含まない非導電層とすることも可能であり、中間層も内側層と外側層の2層構造とすることも可能である。このような構成とすることにより、ホースの柔軟性やコストを最適化することができる。
【0033】
また、本発明の製法により得られる燃料用ホースは、自動車用ホースに好適に用いられるが、トラクター、耕運機等にも用いることができる。
【0034】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0035】
まず、実施例および比較例に先立ち、下記の表1に示す各成分を同表に示す割合で配合して、ゴム組成物A〜Cを調製した。
【0036】
【表1】
Figure 0004158405
【0037】
【実施例1】
まず、内層用材料として、ハードセグメントにPBN、ソフトセグメントに脂肪族ポリエーテルを使用したTPEE(東洋紡社製、ペルプレンEN5030)を準備した。また、中間層用材料として、PBN(帝人化成社製、TQB−OT)を準備した。そして、上記内層用材料と中間層用材料を共押し出し成形して、内層(厚み0.2mm)の外周面に、中間層(厚み0.1mm)を熱融着させて両層を接着した。つぎに、この内層の外周面に中間層が形成されてなる積層体を、減圧プラズマ処理装置内の放電室まで導入した。この放電室は、真空ポンプにより10-3Torrに減圧された後、ガス供給装置から放電用ガスが供給されて所定の減圧状態(放電用ガス:Ar、減圧状態:0.1Torr)とした。そして、上記放電室の電極間に中間層を導入し、高周波電源およびマッチングボックスによりインピーダンス整合させた周波数13.56MHz、出力10Wの高周波電力を電極に印加してグロー放電を発生させてプラズマを生成し、上記中間層の外周表面に対してプラズマ処理を行った。ついで、この中間層の外周表面の凹凸面に、上記ゴム組成物A(ゴム製外層用材料)を押し出し成形した後、加硫釜に入れて160℃×45分間の条件でスチーム加硫を行い、中間層の外周面にゴム製外層(厚み2mm)を接着形成した。このようにして、内径6mmの燃料用ホース(図1参照)を作製した。
【0038】
【実施例2】
内層用材料として、ハードセグメントにPBT、ソフトセグメントに脂肪族ポリエーテルを使用したTPEE(東洋紡社製、ペルプレンP−150B)を準備した。また、中間層用材料として、PBT(ポリプラスチックス社製、セラネックス2001)を準備した。そして、これら内層用材料および中間層用材料を用いる以外は、実施例1と同様にして、燃料用ホース(図1参照)を作製した。
【0039】
【実施例3】
内層用材料として、TPEE(東洋紡社製、ペルプレンEN5030)100重量部(以下「部」と略す)に、カーボンブラック(アグゾ社製、ケッチェンブラックEC)10部を配合し、KCK押出機(KCKエンジニアリング社製)を用いて260℃で混合してなる、導電性材料を調製した。そして、この導電性材料を用いる以外は、実施例1と同様にして、燃料用ホース(図1参照)を作製した。
【0040】
【実施例4】
内層用材料として、TPEE(東洋紡社製、ペルプレンP−150B)100部に、カーボンブラック(アグゾ社製、ケッチェンブラックEC)10部を配合し、KCK押出機(KCKエンジニアリング社製)を用いて260℃で混合してなる、導電性材料を調製した。そして、この導電性材料を用いる以外は、実施例2と同様にして、燃料用ホース(図1参照)を作製した。
【0041】
【実施例5】
ゴム製外層用材料として、上記ゴム組成物Aに代えて、上記ゴム組成物Bを用いた。それ以外は、実施例1と同様にして、燃料用ホース(図1参照)を作製した。
【0042】
【実施例6】
ゴム製外層用材料として、上記ゴム組成物Aに代えて、上記ゴム組成物Cを用いた。それ以外は、実施例1と同様にして、燃料用ホース(図1参照)を作製した。
【0043】
【実施例7】
内層用材料として、PBT系のTPEE(EMS社製、グリペットB24HNZ)を準備した。そして、この内層用材料を用いる以外は、実施例1と同様にして、燃料用ホース(図1参照)を作製した。
【0044】
【実施例8】
内層用材料として、PBT系のTPEE〔ジメチルテレフタレート/ダイマー酸(ユニケマ社製のPRIPLAST3008)ジメチル=94/6(モル比)と、1,4−ブタンジオールとの反応物〕を準備した。そして、この内層用材料を用いる以外は、実施例1と同様にして、燃料用ホース(図1参照)を作製した。
【0045】
【比較例1】
まず、PBN(帝人化成社製、TQB−OT)を押し出し成形して、内層(厚み0.1mm)を形成した。つぎに、この内層の外周表面に、上記ゴム組成物A(外層用材料)を押し出し成形した後、加硫(160℃×45分)を行い、表層の外周面にゴム製外層(厚み2mm)を形成した。このようにして、内層とゴム製外層の2層構造からなる燃料用ホース(内径6mm)を作製した。
【0046】
【比較例2】
まず、PBN(帝人化成社製、TQB−OT)を押し出し成形して、内層(厚み0.1mm)を形成した。つぎに、この内層の外周表面に、実施例1と同様の条件で、プラズマ処理を行った。ついで、この内層のプラズマ処理面に、上記ゴム組成物A(ゴム製外層用材料)を押し出し成形した後、加硫(160℃×45分)を行い、表層の外周面にゴム製外層(厚み2mm)を接着形成した。このようにして、内層とゴム製外層の2層構造からなる燃料用ホース(内径6mm)を作製した。
【0047】
【比較例3】
まず、PBN(帝人化成社製、TQB−OT)を押し出し成形して、内層(厚み0.1mm)を形成した。つぎに、この内層の外周表面に、実施例1と同様の条件で、プラズマ処理を行った。ついで、この内層のプラズマ処理面に、アミン変性PA12(アミン含有量:5×10-5g当量/g)からなる樹脂製外層(厚み2mm)を接着形成した。このようにして、内層と樹脂製外層の2層構造からなる燃料用ホース(内径6mm)を作製した。
【0048】
このようにして得られた実施例品および比較例品の燃料用ホースを用いて、下記の基準に従い、各特性の評価を行った。これらの結果を、後記の表2および表3に併せて示した。
【0049】
〔耐クレーズ性〕
ホース内にレギュラーガソリンを封入し、これを円筒(R50)に巻き付け、室温で168時間放置した後、ホース内からレギュラーガソリンを排出した。その後、ホースを長手方向に半割して、ホース内面の異常の有無を確認した。評価は、ホース内面にクラック、クレーズ等の異常があるものを×、ホース内面にクラック、クレーズ等の異常がないものを○とした。
【0050】
〔層間接着力〕
ホースを長手方向に半割して、長さ100mmに切り出した。そして、このホースのPBN層もしくはPBT層(中間層もしくは内層)側を固定し、外層(ゴム層もしくは樹脂層)を毎分50mmの速度で引っ張り、引張試験機(JIS B 7721)を用いて、両層の層間接着力を測定した。
【0051】
〔コネクター挿入性1〕
円錐状の治具を用いてホース端部を拡径した後、そのホース端部に金属製コネクターを挿入した。その後、ホースを長手方向に切断して、PBN層もしくはPBT層(中間層もしくは内層)と外層(ゴム層もしくは樹脂層)の界面のずれを目視した。評価は、両層間にずれがないものを○、両層間にずれがあるものを×とした。
【0052】
〔コネクター挿入性2〕
円錐状の治具を用いてホース端部を拡径した後、そのホース端部に金属製コネクターを挿入し、コネクター挿入状態の異常の有無を確認した。評価は、コネクターがホース内にきちんと差し込まれているものを○、ホース内へのコネクターの差し込みが不充分なものを×とした。
【0053】
〔耐火炎性〕
ホースの外側に炎を30秒間近づけた後、炎をホースから遠ざけ、ホースに穴があいていないかを目視評価した。評価は、ホースに穴があいていないものを○、ホースに穴があいているものを×とした。
【0054】
〔耐低温衝撃性〕
−40℃で4時間ホースを冷却した後、すぐに円錐状の治具を30cmの高さからホース上に落下させた。その後、ホースを長手方向に半割して、ホース内外面の異常の有無を確認した。評価は、ホース内外面に割れ、ひび等の異常がないものを○、ホース内外面に割れ、ひび等の異常があるものを×とした。
【0055】
【表2】
Figure 0004158405
【0056】
【表3】
Figure 0004158405
【0057】
上記結果から、全実施例品は、中間層(PBN層もしくはPBT層)の内周面に、TPEE層を形成しているため、耐クレーズ性に優れていることがわかる。また、中間層(PBN層もしくはPBT層)の外周表面にプラズマ処理をしているため、中間層(PBN層もしくはPBT層)とゴム製外層との接着力が高く、挿入性に優れていることがわかる。
【0058】
これに対して、全比較例品は、PBN層の内周面にTPEE層を形成していないため、耐クレーズ性に劣るとともに、PBN層の内周面にTPEE層を形成していないため、ホースの剛性が高く、コネクターをホース内にきちんと挿入できないことがわかる。また、比較例1品は、PBN層(内層)の外周表面にプラズマ処理をしていないため、PBN層(内層)とゴム製外層との接着力が著しく低く、コネクター挿入性に劣ることがわかる。比較例3品は、ホースの外層が樹脂(アミン変性PA12)で形成されているため、耐火炎性や耐低温衝撃性に劣ることがわかる。
【0059】
【発明の効果】
以上のように、本発明の燃料用ホースの製法は、ポリエステル系熱可塑性エラストマーを含有する内層用材料と、ポリブチレンナフタレートおよびポリブチレンテレフタレートの少なくとも一方を含有する中間層用材料を共押し出しして内層の外周面に中間層(低透過樹脂層)を直接形成しているため、柔軟性が向上する結果、クレーズの発生を防止することができる。また、本発明の燃料用ホースの製法は、PBNやPBTを用いてなる低透過樹脂層(中間層)の外周表面を、プラズマ処理等の放電処理により活性化して凹凸面に形成しているため、上記中間層とゴム製外層の層間接着力が高くなり、中間層とゴム製外層との界面でのずれが生じなくなり、コネクター挿入性に優れている。さらに、本発明の燃料用ホースの製法は、特定のゴム材料を用いてゴム製外層を形成しているため、このゴム製外層がプロテクタ層としての役割を果たし、柔軟性、耐火炎性、耐チッピング性、耐低温衝撃性、耐カシメ性等に優れるという効果も奏する。
【0060】
そして、本発明の燃料用ホースの製法は、放電処理した中間層の外周面にゴム材料を被覆して加硫することによりホースを作製しているため、放電処理により生じた中間層表面の活性点と、ゴムとの架橋反応により、中間層とゴム製外層がより強固に直接接着するようになる。また、本発明の燃料用ホースの製法は、マンドレルを使用する必要がないため、製造効率が向上する。
【0061】
また、本発明の燃料用ホースの製法は、中間層の外周表面をプラズマ処理等の放電処理により活性化することにより、上記中間層とゴム製外層とを直接接着しているため、接着剤が不要(接着剤レス)である。そのため、成形の簡素化を図ることができ、しかも低コストであるとともに、接着剤の管理等が不要となるため、接着不良の要因等が低減し、接着信頼性が向上する。また、従来のように接着剤層を押し出し加工する必要がないため、溶融時の高温によりポリエステル系樹脂が分子劣化することがなく、低透過性能等のホース性能を安定化させることができる。さらに、上記中間層とゴム製外層との層間接着力が強いため、加硫時の熱によって中間層が収縮することもなく、寸法安定性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の製法により得られる燃料用ホースの一例を示す構成図である。
【符号の説明】
1 内層
2 中間層
3 ゴム製外層

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  1. 内層と、この内層の外周面に直接形成された中間層と、この中間層の外周面に直接形成されたゴム製外層とを備えた燃料用ホースの製法であって、ポリエステル系熱可塑性エラストマーを含有する内層用材料と、ポリブチレンナフタレートおよびポリブチレンテレフタレートの少なくとも一方を含有する中間層用材料を共押し出しして内層の外周面に中間層を直接形成する工程と、上記中間層の外周表面に放電処理を施して外周表面を凹凸面に形成する工程と、上記放電処理により形成した中間層の外周表面の凹凸面にエピクロルヒドリンゴム(ECO)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムとポリ塩化ビニルからなるブレンドポリマー(NBR−PVC)またはエチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)を含有するゴム材料を被覆して加硫することにより中間層の外周表面の凹凸面にゴム製外層を直接形成する工程とを備えたことを特徴とする燃料用ホースの製法。
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