JP4157956B2 - 回転検出器用カップリング構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転検出器用カップリング構造に関し、特に、ムク材料からの削り出しによって、筒体の両端にリング板状の板ばね部を有する構造とすることにより、再度伝達誤差を従来よりも大幅に低減させるための新規な改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、用いられていたこの種の回転検出器用カップリング構造としては、例えば、モータとエンコーダを結合したモータエンコーダ(特許文献1)があるがこのようなモータエンコーダ用として本出願人が社内で製作していたものを図5から図10として示すことができる。
すなわち、第1従来例の図5及び図6において符号1で示されるものはベローズ型のカップリングであり、このベローズ型のカップリング1は、中央のベローズ2と、このベローズ2の両端に接続され取付ねじ3を有する一対の管体4とから構成され、この各管体4とベローズ2とは一体に溶接されている。
【0003】
また、第2従来例の図7及び図8において符号1で示されるものはダイヤフラム型のカップリングであり、このダイヤフラム型のカップリング1は、複数枚のダイヤフラム5を積層させてなるダイヤフラム積層体6と、このダイヤフラム積層体6の両端に接続され取付ねじ3を有する一対の管体4とから構成され、このダイヤフラム積層体6と各管体4とは溶接によって接続されている。
【0004】
また、第3従来例の図9及び図10において符号1で示されるものはダイヤフラム型のカップリングであり、このダイヤフラム型のカップリング1は、複数のダイヤフラム5を積層させたダイヤフラム積層体6の両端に固定された一対の接続板7とから構成され、このダイヤフラム積層体6と各接続板7とは溶接によって接続されている。
【0005】
【特許文献1】
米国特許第5912541号明細書
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来のカップリング構造は、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
すなわち、前述の各従来例においては、何れも、複数の部品を組合わせて溶接等で一体化しているため、この組合わせ誤差が発生して高精度化が困難であった。
従って、前述の従来構成は、その角度誤差が0.5秒位であり、高精度角度センサにおける0.1秒の特性に適用することは困難であり、精度低下の原因となっていた。
【0007】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、特に、ムク材料からの削り出しによって筒体の両端にリング板状の板ばね部を有する構造とすることにより、角度伝達誤差を従来よりも大幅に低減させるようにした回転検出器用カップリング構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明による回転検出器用カップリング構造は、筒体と、前記筒体の両端に形成された第1輪状板ばね部及び第2輪状板ばね部とを備え、前記筒体、第1輪状板ばね部及び第2輪状板ばね部は、ムク材からの削り出しにより互いに一体に結合した状態で形成され、前記各輪状板ばね部に被結合軸が接続されるようにした構成されており、前記各輪状板ばね部は、ばね性を有する円板状の肉薄部と、前記肉薄部の外周に設けられた肉厚部とを有している。
また、前記各輪状板ばね部には、固定ボルト取付用の取付孔が形成されている構成である。
また、前記各輪状板ばね部の周縁には、軸方向に沿って突出する輪状突出部が形成され、前記輪状突出部の内側には、前記被結合軸がインローで位置している構成である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明による回転検出器用カップリング構造の好適な実施の形態について説明する。尚、従来例と同一又は同等部分には同一符号を付して説明する。
図1において符号1で示されるものはカップリングであり、このカップリング1は、円又は角の筒体10と、この筒体10の両端に形成された第1、第2輪状板ばね部11、12とから構成されている。
【0010】
前記筒体10及び各輪状板ばね部11、12は、図示しないムク材を削り出すことにより形成されているため、互いに一体形成に結合した状態で構成されている。
前記筒体10には貫通孔13が形成されていると共に、前記各輪状板ばね部11、12は中心側と外側とに分けた状態で、円板状の肉薄部14とこの肉薄部14よりも肉厚の肉厚部15とで形成されている。
【0011】
前記肉薄部14は、ばね性を有するように形成され、前記肉厚部15は第1、第2被結合軸20,21が接続できるようにその周縁に段部16が形成され、この段部16の外側に軸方向に沿って延びる輪状突出部17が形成されている。
【0012】
前記肉厚部15には、これを貫通する取付孔18が形成され、この取付孔18には固定ボルト19が貫通して設けられている。
【0013】
前述の構成において、例えば、モータの第1被結合軸20と回転検出器の第2被結合軸21とを、前記カップリング1を介して結合する場合、第1被結合軸20を第1輪状板ばね部11に接続させ、固定ボルト19を取付孔18から第1被結合軸20の被取付孔22に貫通させて固定することにより、第1被結合軸20と第1輪状板ばね部11とは完全に接続される。
【0014】
また、第2被結合軸21を第2輪状板ばね部12に接続させ、固定ボルト19を取付孔18から第2被結合軸21の被取付孔22に貫通させて固定することにより、第2被結合軸21と第2輪状板ばね部12とは完全に接続される。
【0015】
図2は、図1の他の形態で、第1、第2被結合軸20、21の形状を変えた場合を示している。
また、図3は前記カップリング1の正面図であり、図4は図3の平面図を示している。
【0016】
【発明の効果】
本発明による回転検出器用カップリング構造は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、筒体の両端と一対の輪状板ばね部が形成され、この各輪状板ばね部各々の被結合軸が接続されているため、各輪状板ばね部にてスラスト及びラジアル方向の変位を吸収し、角度方向のねじり変位は許容させない構造であり、一体であるため各接続部の中心ずれ等のミスアライメントも発生しにくく、従来よりも大幅な角度伝達誤差の低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による回転検出器用カップリング構造を示す断面構成図である。
【図2】 図1の他の形態を示す断面構成図である。
【図3】 図1の正面図である。
【図4】 図3の平面図である。
【図5】 従来の構成を示す正面図である。
【図6】 図5の斜視図である。
【図7】 他の従来構成を示す断面付き正面図である。
【図8】 図7の斜視図である。
【図9】 他の従来構成を示す正面図である。
【図10】 図9の斜視図である。
【符号の説明】
1 カップリング
10 筒体
11 第1輪状板ばね部
12 第2輪状板ばね部
14 肉薄部
15 肉厚部
17 輪状突出部
18 取付孔
19 固定ボルト
20 第1被結合軸
21 第2被結合軸
Claims (3)
- 筒体(10)と、
前記筒体(10)の両端に形成された第1輪状板ばね部(11)及び第2輪状板ばね部(12)と
を備え、
前記筒体(10)、第1輪状板ばね部(11)及び第2輪状板ばね部(12)は、ムク材からの削り出しにより互いに一体に結合した状態で形成され、前記各輪状板ばね部(11,12)に被結合軸(20,21)が接続されるように構成されており、
前記各輪状板ばね部 (11,12) は、ばね性を有する円板状の肉薄部 (14) と、前記肉薄部 (14) の外周に設けられた肉厚部 (15) とを有していることを特徴とする回転検出器用カップリング構造。 - 前記各輪状板ばね部(11,12)には、固定ボルト取付用の取付孔(18)が形成されていることを特徴とする請求項1記載の回転検出器用カップリング構造。
- 前記各輪状板ばね部(11,12)の周縁には、軸方向に沿って突出する輪状突出部(17)が形成され、前記輪状突出部(17)の内側には、前記被結合軸(20,21)がインローで位置していることを特徴とする請求項1又は2に記載の回転検出器用カップリング構造。
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