JP2002540357A - 自在継手の軸受を収容するための特殊強化システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明はカルダン軸に関する。その基本的特徴は、適切な品質を有する金属板から成型工程によって得られる単一の部分からなるボディを備えていることにある。それらの翼には、夫々が等しく、一直線上に並ぶ円形開口が、軸又はスタンプが組付けられる対応する軸受、又はブッシュを受容するように意図して設けられている。開示した概念は、ある意味で特許Ｐ８６０３０９０号を補足するものであり、含み得る全ての付加的な利点を有し、組立体の組付けを阻害せず、また様々な種類のフォークの全てに対するそのような概念の拡張を許容しながら、軸受又はブッシュのより高度の締付け及び固定のために側部の翼を強化することに特に重点をおいている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】

本発明はまた、その名称に記載されているとおり、より高い剛性及び強度を有
するように改良されたフォーク継手に関する。

【０００２】

【従来の技術】

この継手は、カルダン軸又は類似の軸のような自在継手に適合させるという観
点から、また、要するに、自動車のステアリングコラムの一部としてのこの種の
継手に組込むという観点から計画されたものであるが、その他の適用も同等の方
法で可能である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】

そのようなフォークは、ステアリングコラムを分割してなる２つの節又は管の
間にて回転による応力が伝達されるような継手において不可欠な要素である。こ
の場合、フォークは、ピボットがクロスピースに対して直角な軸に従ってその上
で調節される軸受又はブッシュのための十分な支持を提供すべきである。

【０００４】

【課題を解決するための手段及び発明の効果】

フォークは、改良されたツール、又は移動式の改良されたダイにより、適切な
厚さ及び品質を有する金属板から一回の成型作業で得られる単一の部分を備えて
おり、それが使用される種々の適用形態において、重要な技術的利点と、重量の
削減、低いコスト及び製造の容易さという長所とを有している。

【０００５】 本発明に示す着想によって提供される主な利点は、カルダン軸の内部応力に耐
えるまでの組立体の剛性及び強度の増加が期待されることにあり、更に、適切な
方法での組立体全体の組立てが可能となることにある。

【０００６】 本発明の重要な特徴は、対応する軸受又はブッシュを受容するように配置され
た一直線上に並ぶ円形の開口によって提供される。これらの開口は、夫々の縁又
は内側スカートによって囲繞されている。それらはまた、組立体を構成する金属
板の厚さに無関係に正確な並びを決定し、特定の種類の意図された適用例に従っ
て軸受に広い支持面を提供するのと同様に、組立体に剛性を提供する上でも協力
する。

【０００７】 本発明の更なる特徴によると、これらのスカート又は縁は、成型工程の１段階
で材料が強制的に流される材料変位工程（material displacement process ）に
よって得られるが、本発明は、吸出し又は押出し工程、又は任意のその他の種類
の工程による形成を想定している。

【０００８】 必要な場合、前述した円形開口の内側スカートは、クロスピース及び夫々の軸
受の適合を促進するために、完全に閉じることができないことが強調されるべき
である。これを実行するには、成型工程の特定の段階で、ある与えられた領域を
通る材料の流れが止められる。そのようにして、その後の切削又は機械加工作業
における必要性を回避する。

【０００９】 単一部品からなるボディは、一般的に、軸受を受容するように意図された孔又
はハウジングに対し、クロスピースの遊動を保証するための仕上げ用の研削作業
を受けるだけである。十分に正確な成型作業を達成することができれば、そのよ
うな最後の作業さえも回避することができる。これにより、フォークの製造コス
トは最小限に低下する。

【００１０】 本特許出願の更なる詳細及び特徴は、好適な詳細を概略的に表す添付の図面を
参照する以下の説明から明らかになるであろう。これらの詳細は、実用的な具現
化の可能な事例として参照される一例として挙げられるものであり、本特許出願
は、ここに開示する詳細に限定されない。従って、この説明は、例証的な観点か
らいかなる種類の制限もなしに考慮されねばならない。

【００１１】 以下に掲げる詳細な説明によって、その可能な適用例の幅広さ及び多様さが明
らかになるであろう。

【００１２】

【発明の実施の形態】

本発明の目的でもある好適な実施形態の１つにおいて、図１及び図２に見られ
るように、図示しない管又は棒の端部に適合し、剛性を有する一体のハウジング
として働くように特に準備され、フォーク（１６）の基部である中心体又はコア
（１０）からなる実施の形態が提供される。前記管又は棒は、空洞（２１）内に
嵌め込まれ、また、コア（１０）の延長部又は折り曲げ部（１０ａ）に押し付け
られる。それらは、その作動の間に発生する回転による応力を受容し、また伝達
する継手を形成する。

【００１３】 同図には、前述したフォーク（１６）における分枝（１１）、又は非対称な翼
（１３）が示されている。これらは、一般的に平坦であり、相互に平行をなす。
これらは、夫々の自由端（１６）の隣に、同図には示されていない夫々の軸受又
はブッシュ（１７）を受容すべく、相互に等径であり、一直線上に並ぶ円形の開
口（１５）を備えている。

【００１４】 これらの円形の開口（１５）は、本発明の主要な本質を形成する縁又は内側ス
カート（１４）によって夫々囲繞されている。この縁又は内側スカート（１４）
は、組立体に必要な程度の剛性を提供する上で協力する。またこれとは別に、組
立体の材料となる金属板の厚さに無関係に正確な同軸性を決定し、また考慮され
ている特定の種類の適用例に依存するように、軸受に広い支持面を提供するため
に協力する。

【００１５】 これらのスカート又は縁（１４）は、フォーク（１６）の製造のための単一の
成型工程から得られることが指摘されるべきである。このことは、成型の進行中
の特定の段階において、強制的に流される材料の変位を作り出す改良されたツー
ル、又は移動式の改良されたダイを用い、吸い出し、押し出し、又は他の適宜の
工程によって実行される。

【００１６】 しかし、前述した円形開口（１５）の内縁（１４）は、必要な場合に、クロス
ピース（及び夫々の軸受（１９）の適切な組付けを促進することを目的として、
例に示すように完全に閉じきることができないことが強調されるべきである。こ
の場合、成型工程の特定の段階において、その後の切削又は機械加工作業におけ
る必要性を回避するという施工上の要求を果たすために、材料の流動領域を制限
することが必要である。

【００１７】 前述した縁（１４）を成型工程の間に設けることは、これらの縁（１４）が同
一の穴あけ作業により得られるように、穴あけにより翼（１３）に開口を形成す
るのと比較して、著しい節約を含んでいる。しかしながら、いかなる場合におい
ても、適切な開口（１５）は、成型作業において十分な精度を達成することが技
術的に可能でない限り、最終的な研削作業を受けなければならない。

【００１８】 最後に、図３に示された断面図において、継手、例えば自在継手の組付けが完
了した後、組立体全体を形成する様々な部品が夫々に対応する位置にあるのを見
ることができる。

【００１９】 フォーク（１６）に対応する断面は、対応する軸受又はブッシュ（１７）を締
め付けるように配置された夫々の縁（１４）又は内側スカートにより、場合に応
じて部分的又は全体的に囲繞されてなる当該フォーク（１６）の分岐（１１）の
円形開口を示している。軸受又はブッシュ（１７）には、図３に示すように、シ
ーリング継手が配置され、また、軸又はスタンプが夫々のクロスピース（１９）
に整列して組付けられている。

【００２０】 この図３に見ることができるように、また詳細に記載されているように、フォ
ーク（１６）は、組立体のいかなる離脱にも耐えるべく、また、シーリング継手
（１８）による運動性能の有効性と雑音及び振動の低下との双方に関連するいか
なる問題もなく回転の伝達が行われるように、軸受又はブッシュ（１７）を正し
く保持する。このようにして、様々な部品間の金属接触を回避する。

【００２１】 システム内の様々な部品は、適用分野に応じていかなる材料から形成してもよ
いが、要素（１６）、（１８）、及び（１９）は、実行すべき機能をそれらが最
適な方法で達成すると同時に、組立体全体を可能な限り軽量とし、また安価とす
べく協力するように、考慮すべき特定の適用を常に念頭におきながら主として設
計されるであろう。

【００２２】 また、前述の内縁（１４）がフォーク（１６）の形態維持能力に貢献するよう
に強化機能を果たすことを、この図３において確認することができる。これらの
内縁（１４）はまた、開口（１５）の軸方向寸法が、フォーク（１６）の材料と
なる金属板の厚さより実質的に大となることが判る。それにより、比較的薄肉の
金属板を使用する場合であっても、対応する軸受又はブッシュ（１７）に対して
十分に広い支持面が提供される。

【００２３】 また、継手の通常の作動中には、過剰応力が、軸受（１７）のいくつかの部分
的な又は全体的な損失の原因となることが指摘されるべきである。本発明は、フ
ォーク（１６）と夫々のクロスピース（１９）との連結の外れを防止するための
分岐（１１）のスカート又は内縁の能力によって、継手全体の機能性を最適な状
態に維持する。

【００２４】 本発明は、開示し説明した好適な実施形態の例によって全く限定されず、その
本質の中で、いくつかを既に指摘したような多数の変形が可能であり、それらは
全て本発明の保護の範囲内であるとみなされることが理解される。

【００２５】 本発明は添付の図面に従って充分に説明されたので、請求の範囲にまとめられ
た発明の本質を変えない限り、いかなる変形をも適宜導入され得ることが理解さ
れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 様々な空間配置での例示の方法によってフォーク（１６）を表し、その主要部
品に参照符号を付し、本明細書で開示する概念を示している。

【図２】 よい理解のための適切な断面での主要図を示し、同一例のフォーク（１６）に
対応し、その最も代表的部分も、組立体に対するそれらの相対的な実際の位置を
明瞭に示すために含まれている。

【図３】 組立を完了したカルダン軸又は類似の継手（２０）の完全な組立体の断面図で
あり、本発明の概念を理解することができ、その利点を容易に認識できるような
方法で示されている。

【符号の説明】

１０ コア １０ａ 延長部 １１ 延長部 １２ 開口 １３ ラグ １４ 縁 １５ 開口 １６ フォーク １７ 軸受 １８ 継手 １９ クロスピース ２０ 自在継手

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 この種の継ぎ手を必要とする軸間のすべての連結に対し他の
   機械的解決法の間にて使用される自在継手の軸受を収容するための特殊強化シス
   テムにおいて、 基本的に金属板の成型工程により得られ、対応する軸の端部のためのいかなる
   接続手段にも合致する単一の部分からなるボディ又はコアと、これらから前記ボ
   ディに対して互いに逆向きの直径方向に延び、対称であり、略平坦であって、平
   行をなす２つの翼又は分枝（１１）とを備えるフォーク（１６）の内部に組込ま
   れており、前記翼又は分岐（１１）は、これらの自由端又はラグ（１３）に、夫
   々が円形であり一直線上に並ぶ開口（１５）を備え、該開口（１５）は、形状維
   持能力と、組立体のいかなる離脱にも耐え、また回転の伝達を最適に実現するた
   めの軸受又はブッシュ（１７）の固定をフォーク（１６）に提供するための強化
   要素として働く開口縁（１４）を有していることを特徴とする自在継手の軸受を
   収容するための特殊強化システム。
2. 【請求項２】 適切な厚さ及び品質を有する金属板から、改良されたツール
   、又は移動式の改良されたダイによる成型作業のみで得られる単一の部分からな
   るボディを備えるフォーク（１６）の内部に組込まれていることを特徴とする請
   求項１記載の自在継手の軸受を収容するための特殊強化システム。
3. 【請求項３】 前記開口（１５）の夫々を囲繞する縁（１４）は、組立体の
   剛性及び強度をカルダン継手の内部応力に耐えるまで高めるべくスカート又は内
   縁（１４）が前記開口の回りに形成されるように、また、開口（１５）の軸方向
   長さが、組立体の材料となる金属板の厚さよりも実質的に大となるように成型工
   程の段階において強制的に流される材料の変位によって得られ、このようなスカ
   ート又は縁（１４）が、吸出し若しくは押し出し工程、又は適宜の他の種類の工
   程によって製造されていることを特徴とし、フォーク（１６）の内部に組込まれ
   ている請求項１又は請求項２記載の自在継手の軸受を収容するための特殊強化シ
   ステム。
4. 【請求項４】 必要な場合、フォーク（１６）の円形開口（１５）の前記ス
   カート又は内縁（１４）が、クロスピース（１９）又は夫々の軸受（１７）の適
   切な組付けを促進するために完全に閉じられておらず、それによって、その後の
   切削又は機械加工作業における必要性を回避するという施工上の要求を果たすた
   めに、成型工程の特定の段階で材料の流動領域を制限することを必要としている
   ことを特徴とし、フォーク（１６）の内部に組込まれている請求項１又は請求項
   ２記載の自在継手の軸受を収容するための特殊強化システム。