JP4157287B2 - 化合物半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化合物半導体装置及びその製造方法に関し、より詳細にはn型及びp型の半導体層を少なくとも一層以上備える化合物半導体装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
デバイス特性の向上の要請に伴って、化合物半導体装置の微細化が進められているが、化合物半導体素子を微細化するためには、半導体層とオーミック接触する電極も、より細く、小さくする必要がある。
しかし、電極の細小化に伴って、電極自体の配線抵抗が増加するため、通常、電極と配線との間に、中間金属膜を形成することによって、電極自体の配線抵抗の低減が図られている。
【0003】
ヘテロ接合バイポーラトランジスタに代表される素子は、各々性質の異なる複数のメサ型の半導体層を一枚の半導体基板上に積層し、それぞれの半導体層に対してオーミック接触電極を形成し、オーミック接触電極から素子外へ配線を引き出すために、そのメサによる段差を部分的になだらかにすることが必要となる。そのため、感光性ポリイミド等の熱硬化性樹脂が使用されている。
【0004】
一般的なメサ型のヘテロ接合バイポーラトランジスタ200は、図6及び図7に示すような構造を有する。半絶縁性のGaAs基板201上に、n+型GaAsサブコレクタ層202が積層され、その上に、第1のメサ段差を形成するn型GaAsコレクタ層203とp+型GaAsべ−ス層204が順に積層形成される。さらにその上に、第2のメサ段差を形成するn型AlGaAsエミッタ層205及びn+型GaAs第1エミッタコンタクト層206とn+型InGaAs第2エミッタコンタクト層207とが積層形成されている。
【0005】
+型GaAsサブコレクタ層202上、p+型GaAsべース層204上、n+型InGaAs第2エミッタコンタクト層207上には、それぞれコレクタオーミック接触電極211、ベースオーミック接触電極212、エミッタオーミック接触電極213が形成されている。
【0006】
コレクタオーミック接触電極211及びベースオーミック接触電極212は、それぞれAu/Ni/AuGe及びAu/AuZnを用い、半導体層であるGaAsとAuGe、AuZnとをそれぞれ合金化(アロイ)させて形成されている。エミッタオーミック接触電極213は、合金化した反応層がエミッタ・ベース接合にまで到達して、素子特性を悪化させることを懸念して、合金化させずともオーミック接触が得られるように、n+型InGsAs第2エミッタコンタクト層207を設けた上で、高融点金属(例えばWNx)からなる材料により形成されている。
【0007】
また、各オーミック接触電極211、212及び213上には、Ti及びPt等からなる中間金属膜214、215及び216が積層形成され、中間金属膜214、215、216に対し金属配線217、218及び219を接続して素子外への配線引き出しが行われている。なお、各金属配線217、218及び219間の短絡を防止し、さらに、メサ段差部での金属配線の段切れを防止するために、ポリイミド等からなる熱硬化性樹脂によって、積層構造の表面に熱硬化性樹脂層220が形成されており、その表面に沿って金属配線217、218及び219が引き出されている。
【0008】
このヘテロ接合バイポーラトランジスタ200では、n型AlGaAsエミッタ層205とp+型GaAsベース層204とがヘテロ接合しており、ベース層204に対してエミッタ層205の方がバンドギャップが広いため、少数キャリアの逆注入が抑制され、エミッタ注入効率が高くなる。そのため、高い電流利得が得られる。さらに、ベース層の不純物濃度を高めてベース抵抗を低減できるため、ベース層の厚みを薄層化して少数キャリアのベース走行時間を短くして、高周波特性を高めることができる。
このようなヘテロ接合バイポーラトランジスタ200は、以下のように製造することができる。
【0009】
まず、上述の各半導体層が積層形成された半絶縁性GaAs201に対し、2度のエッチングを実施して、p+型GaAsベース層204表面及びn+型GaAsサブコレクタ層202表面を露出させる。
その後、エミッタオーミック接触電極213、ベースオーミック接触電極212、コレクタオーミック接触電極211を形成し、400℃程度で熱処理することによりベースオーミック接触電極212材料とp+型GaAsべース層204との間の合金化反応と、コレクタオーミック接触電極211材料とn+型GaAsサブコレクタ層202との合金化反応を進め、オーミック接続を得る。エミッタオーミック接触電極213は、熱処理する前からオーミック接続が得られている。
【0010】
続いて、配線抵抗低減のための中間金属膜214、215及び216を各オーミック接触電極上に形成し、メサ段差を埋めるためのポリイミド樹脂を所望の箇所に形成し、350℃程度で熱硬化させ、最後に素子外への電気的接続のための配線金属217、218及び219を形成する。
しかし、このような製造方法では、中間金属膜214、215及び216の形成により配線抵抗を低減することができるが、中間金属膜21の存在に起因して、ポリイミド樹脂の熱硬化によって、コレクタオーミック接触電極211とn+型GaAsサブコレクタ層202との接触抵抗が増加するという課題がある。
【0011】
本発明は、こうした従来技術の課題を解決するものであり、微細化された化合物半導体装置のオーミック接触電極の配線抵抗を低減しつつ、オーミック接触抵抗の悪化をも防止することができる化合物半導体装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、少なくとも1層のn型半導体層及び少なくとも1層のp型半導体層を積層し、前記n型及びp型の半導体層上に前記n型及びp型の半導体層と合金化されてなるn型及びp型のオーミック接触電極をそれぞれ形成し、前記n型及びp型の半導体層及び/又はn型及びp型のオーミック接触電極に起因する段差の一部と前記n型のオーミック接触電極の一部とを熱硬化性樹脂層で被覆し、前記熱硬化性樹脂層を熱硬化した後、前記熱硬化性樹脂層で被覆しなかった前記n型のオーミック接触電極上に中間金属膜を形成し、前記熱硬化性樹脂層上に前記p型のオーミック接触電極と接する配線層を形成することを特徴とする化合物半導体装置の製造方法が提供される。
【0013】
また、本発明によれば、少なくとも1層のn型半導体層と、少なくとも1層のp型半導体層と、前記n型及びp型の半導体層上にそれぞれ形成され、前記n型及びp型の半導体層と合金化されてなるn型及びp型のオーミック接触電極と、前記n型及びp型のオーミック接触電極上に形成された中間金属膜と、前記n型のオーミック接触電極上に形成された前記中間金属層に被覆されない領域であって、前記n型及びp型の半導体層、n型及びp型のオーミック接触電極及び/又は中間金属膜に起因する段差の一部を被覆する熱硬化性樹脂層に被覆された領域と、前記熱硬化性樹脂層上に形成されp型のオーミック接触電極と接する配線層とを有する化合物半導体装置が提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の化合物半導体装置は、少なくとも1層のn型半導体層と、少なくとも1層のp型半導体基板と、n型及びp型の半導体層上にそれぞれ形成され、半導体層と合金化されてなるオーミック接触電極と、各電極上に積層された中間金属膜と、電極及び/又は半導体層に起因する段差の一部を被覆する熱硬化性樹脂層とを備えて構成される。
【0015】
上記のような化合物半導体装置は、通常、半導体基板上に形成されている。半導体基板としては、この分野の化合物半導体装置に用いられる半導体であれば特に限定されるものではなく、例えば、GaAs、AlGaAs、InGaP、InGaAlP、InGaAs、InP、InGaAsP、GaN、InGaN、Al23等の化合物半導体、元素半導体等からなる基板を使用することができる。なかでも、GaAs基板が好ましい。
【0016】
本発明の化合物半導体装置の製造方法は、まず、好ましくは半導体基板上に、少なくとも1層のn型半導体層及び少なくとも1層のp型半導体層を形成する。n型半導体層及びp型半導体層は、半導体基板として例示した半導体、具体的には、GaAs系材料、AlGaAs系材料、InGaAlP系材料、InGaAsP系材料、InGaN系材料等の中から選択して形成することができる。なかでも、GaAs系材料が好ましい。これらの半導体層は、上記材料の組成比又は不純物濃度等を調整した単一層、積層層で構成されてもよく、異なる材料からなる層の積層層で構成されていてもよい。これらの半導体層は、その積層順序は特に限定されず、半導体基板上に、n型半導体層/p型半導体層、p型半導体層/n型半導体層のいずれの順序で積層してもよい。また、n型半導体層及びp型半導体層は、2層以上で、つまり、n型半導体層/p型半導体層/n型半導体層、n型半導体層/n型半導体層/p型半導体層、n型半導体層/p型半導体層/n型半導体層/p型半導体層のように、それぞれ複数層形成してもよい。
【0017】
これらの半導体層は、公知の方法、例えば、気相成長法(CVD法)、有機金属気相成長法(MOCVD法)、分子線エピタキシャル法(MBE法)、液相成長法(LPE法)、スパッタリング法等種々の方法により形成することができる。n型半導体層は、Si、Ge、Se、Te等の不純物をドーピングしながら、p型半導体層は、C、Be、Zn、Mg等の不純物をドーピングしながら形成することが好ましい。これらの半導体層における不純物の濃度は、トランジスタの特性、各層の材料、膜厚等に応じて適宜選択することができる。半導体層の膜厚は、得ようとする化合物半導体の種類、特性等によって適宜調整することができ、例えば、50〜1000nm程度が挙げられる。なお、n型半導体層及びp型半導体層の積層構造は、メサ型構造で形成されていることが好ましい。メサ型構造とするためには、n型半導体層及びp型半導体層を形成した後、フォトリソグラフィ及びエッチング工程により、メサエッチングを行う。エッチングは、RIE等のドライエッチング、酸、アルカリ又は混合溶液を用いたウェットエッチングのいずれのエッチング法でもよい。
【0018】
次に、各半導体層上に電極を形成する。電極は、導電性材料であり、かつ半導体層に対してオーミック性接触が得られるものであれば、特にその材料は限定されるものではなく、例えば、金、白金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、ゲルマニウム、チタン、タンタル、タングステン、コバルト等の金属、合金の単層膜又は積層膜が挙げられる。具体的には、n型半導体層上に形成する電極は、AuとNiとAuGeとの積層膜、p型半導体層上に形成する電極はAuとPtとTiとの積層膜で形成することができる。これらの電極は、スパッタ法、真空蒸着法等の種々の方法により、膜厚100〜300nm程度の薄膜状に形成し、フォトリソグラフィ及びエッチング工程、リフトオフ法等により所望の形状で形成することができる。電極の大きさ及び位置等は特に限定されないが、電極として機能し、半導体層と適当な接触抵抗に設定することができるように形成することが必要である。電極は、大気中又は窒素雰囲気中、300〜400℃程度の温度で1〜60分間程度熱処理を行うことにより、半導体表面と合金化が進み、オーミックコンタクトを得ることができる。なお、p型半導体層上に電極を形成する場合には、p型半導体層の上に、この半導体層とは組成の異なる半導体層、例えば、p型半導体層が、GaAs層である場合には、この層の上に、InGaP又はAIGaAs等からなる薄い半導体層(例えば、10〜100nm程度の膜厚を有する)を設け、その薄い半導体層上にオーミック接触電極を形成し、薄い半導体層を貫通させて合金化を行ってもよい。
【0019】
上記のように半導体層及び電極を形成する場合には、通常、半導体層及び/又は電極に起因して、これらの積層構造の表面に段差が生じる。よって、このような段差の一部を熱硬化性樹脂層で被覆し、熱硬化性樹脂層を熱硬化する。熱硬化性樹脂層は、例えば、ポジ型の感光性を有している材料からなることが好ましい。具体的には、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられるが、なかでもポリイミド樹脂が好ましい。この熱硬化性樹脂層は、所望の位置にのみ塗布形成してもよいし、適当な溶媒に溶解又は希釈し、半導体層及び電極上の表面全面に塗布し、フォトリソグラフィ及びエッチング工程、リフトオフ法等により、段差の一部を被覆するようにパターニングしてもよい。ここで、段差の一部とは、各オーミック接触電極から外部への配線引き出しを行う場合における、化合物半導体装置表面であって、配線が引き出される領域を意味する。具体的には、外部への配線引き出しが半導体層及び/又は電極等に起因する段差によって段切れをしないような幅又はそれ以上の幅を有する領域であることが適当である。また、熱処理は、通常、大気中又は窒素雰囲気中、電極の合金化よりも低い温度、具体的には、250〜390℃程度の温度で30〜120分間程度行うことが適当である。これにより、熱硬化樹脂を乾燥、硬化させるとともに、緻密化することができる。
【0020】
熱硬化樹脂層を形成した後、n型のオーミック接触電極上に中間金属膜を形成する。中間金属膜は、オーミック接触電極の材料によって、適宜選択することができるが、電極自体の配線抵抗を低減させることができる材料によって形成することが好ましい。具体的には、オーミック接触電極で例示した材料の中から選択することができるが、なかでも、Au、Pt、Ti等が好ましく、これらの積層膜がより好ましい。これらの中間金属膜は、スパッタ法、真空蒸着法等の種々の方法により、膜厚50〜300nm程度の薄膜状に形成し、フォトリソグラフィ及びエッチング工程、リフトオフ法等により所望の形状、例えば、オーミック接触電極とほぼ同様の大きさ及び形状で形成することができる。
【0021】
なお、本発明の化合物半導体の製造方法においては、熱硬化性樹脂層を塗布、硬化する前に、p型のオーミック接触電極上に中間金属膜の形成することが好ましい。この中間金属膜は、オーミック接触電極の材料によって、適宜選択することができるが、電極自体の配線抵抗を低減させることができる材料によって形成することが好ましい。具体的には、オーミック接触電極で例示した材料の中から選択することができるが、なかでも、Au、Pt、Ti等が好ましく、これらの積層膜がより好ましい。これらの中間金属膜は、上記と同様に形成することができる。
【0022】
また、上記の工程の前、中、後の任意の時期に、通常化合物半導体装置を形成するために必要な工程、イオン注入、不純物のドーピング、熱処理、保護膜、絶縁膜、導電膜の形成、パターニング等の工程を行ってもよい。
上記のような製造方法により、p型のオーミック接触電極上の中間金属膜の一部を被覆するように、さらに、n型のオーミック接触電極上の中間金属膜を被覆することなく、熱硬化性樹脂層を形成することができる。
【0023】
本発明の化合物半導体装置及びその製造方法は、すべてのHBT、n型チャネルを有するMESFET、HEMTのほか、n型の半導体層、好ましくはn型の化合物半導体層に対して、オーミック接触電極を形成するすべての素子に対して適用することができる。
また、本発明の化合物半導体装置は、半導体基板、オーミック接触電極、n型及びp型半導体層のほかに、これらの間の任意の位置に、半導体保護膜、エッチストップ層、サブコンタクト層、中間層、バッファ層、キャップ層、平坦化層、保護層等の、半導体、絶縁体、導電体等から構成される層が、単独又は組み合わせて形成されていてもよい。
以下に、本発明の化合物半導体装置及びその製造方法の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
本発明の化合物半導体装置の一例であるヘテロ接合バイポーラトランジスタは、図4(a)、(b)及び図5に示すように、半絶縁性のGaAs基板101上に、高濃度のSiがドーピングされたn+型GaAsサブコレクタ層102が積層され、その上に、第1のメサ段差を形成するn型GaAsコレクタ層103と高濃度のCがドーピングされたp+型GaAsべ−ス層104が順に積層されている。さらにその上に、第2のメサ段差を形成するn型AlGaAsエミッタ層105及びn+型GaAs第1エミッタコンタクト層106とn+型InGaAs第2エミッタコンタクト層107とが積層形成されている。
サブコレクタ層102上、べース層104上には、それぞれ、Au/Ni/AuGeからなり、AuGeが半導体層であるGaAsと合金化したコレクタオーミック接触電極111、Au/Pt/Ti/Ptからなるベースオーミック接触電極112が形成されている。第2エミッタコンタクト層107上には、高融点金属(例えばWNx)からなるエミッタオーミック接触電極113が形成されている。各オーミック接触電極211、212及び213上には、Au/Pt/Tiからなる中間金属膜114、115及び116が積層形成され、中間金属膜114、115、116に対し金属配線117、118及び119を接続して素子外への配線引き出しが行われている。
【0025】
また、各金属配線217、218及び219間の短絡を防止し、さらに、メサ段差部での金属配線の段切れを防止するため、積層構造の一部の表面に、段差緩和用のポリイミドからなる熱硬化性樹脂層120が形成されており、その表面に沿って金属配線117、118及び119が引き出されている。
なお、この実施の形態では、コレクタオーミック接触電極111上で、かつその上に熱硬化性樹脂120が形成されている領域には、中間金属膜114及び配線金属117は積層されず、熱硬化性樹脂120が形成されていないコレクタオーミック接触電極111上にのみ、中間金属膜114と配線金属117が積層形成されている。
このようなヘテロ接合バイポーラトランジスタは以下のように製造することができる。
【0026】
まず、半絶縁性のGaAs基板101上に、n+型GaAsサブコレクタ層102(膜厚500nm、Siドーピング濃度:5×1018cm-3)、n型GaAsコレクタ層103(膜厚700nm、Siドーピング濃度:3×1016cm-3)、p+型GaAsベース層104(膜厚70nm、Cドーピング濃度:4×1019cm-3)、n型AlGaAsエミッタ層105(膜厚100nm、Siドーピング濃度:5×1017cm-3)、n+型GaAs第1エミッタコンタクト層106(膜厚50nm、Siドーピング濃度:5×1018cm-3)及びn+型InGaAs第2エミッタコンタクト層107(膜厚100nm、Siドーピング濃度1×1019cm-3)を、順次MOCVD法によりエピタキシャル成長させる。
【0027】
続いて、図1に示すように、公知のフォトリソグラフィ法とエッチングの組み合わせにより、p+型GaAsベース層104表面を露出させ、さらにn+型GaAsサブコレクタ層102表面を露出させる。
次に、図2に示すように、エミッタオーミック接触電極113として、WNx(膜厚100nm)をスパッタ法にて形成する。同様に、ベースオーミック接触電極112としてAu(50nm)/Pt(50nm)/Ti(50nm)/Pt(20nm)、コレクタオーミック接触電極111としてAu(100nm)/Ni(15nm)/AuGe(100nm)を、それぞれ蒸着法にて積層形成し、390℃、1分間の熱処理を行って、アロイ化によりベース及びコレクタのオーミック接続をとる。
【0028】
続いて、図3に示すように、エミッタオーミック接触電極113上とベースオーミック接触電極112上に、Au(400nm)/Pt(50nm)/Ti(50nm)からなる中間金属膜116及び115をそれぞれ形成する。この際、コレクタオーミック接触電極111上に中間金属膜は形成しない。その後、感光性のポリイミドからなる熱硬化性樹脂層120を、メサ段差を埋めるために形成する。熱硬化性樹脂層120は、スピンコート法により溶媒で希釈したポリイミド前駆体を基板上に塗布し、所望のパターンを露光し、現像することにより形成し、350℃、60分間熱処理し、ポリイミド化させた。なお、熱硬化性樹脂120のバターンは、できるだけコレクタオーミック接触電極111を形成した領域とは重ならないように設計する。
【0029】
次いで、図4(a)及び(b)及び図5に示すように、熱硬化樹脂層120で覆われていないコレクタオーミック接触電極111上に、Au(400nm)/Pt(50nm)/Ti(50nm)からなる中間金属膜114を形成し、各オーミック接続電極111、112及び113に対する配線金属117、118及び119を形成してヘテロ接合バイポーラトランジスタ100を完成させる。なお、図4(a)及び(b)は、それぞれ図5のA−A’線及びB−B’線断面図である。
このようにして製造したヘテロ接合バイポーラトランジスタ100と従来のヘテロ接合バイポーラトランジスタ200の素子特性の違いを、表1に示す。
【0030】
【表1】
Figure 0004157287
【0031】
表1から、図6及び図7に示した従来のヘテロ接合バイポーラトランジスタのように、中間金属膜を形成した後に熱硬化性樹脂を形成し、350℃、60分の熱処理を行った場合、コレクタ電極の接触抵抗は4×10-6cm-2程度にまで悪化する。この抵抗値の悪化は、少なくとも315℃以上の熱処理を加えることによって発生する。一方、ポリイミド前駆体の一般的なイミド化反応の温度は350℃であるため、このトランジスタでは接触抵抗の上昇は避けられない。
それに対し、本発明のヘテロ接合バイポーラトランジスタでは、従来例と比較してコレクタ接触抵抗を5分の1以下にまで低減することができる。しかも、配線抵抗は変化しない。
【0032】
ヘテロ接合バイポーラトランジスタにおいて、エミッタ接触抵抗+コレクタ接触抵抗で表されるオン抵抗を低減することができれば、トランジスタの効率(出力/入力)が向上する。したがって、本発明のヘテロ接合バイポーラトランジスタでは、コレクタ接触抵抗の低減に起因して、トランジスタの効率を向上させることができ、より消費電力の低減を実現することができる。
【0033】
なお、p+型GaAsベース層104上のベースオーミック接触電極112上の中間金属膜115を熱硬化性樹脂層120の形成後に成膜・形成しても、オーミック接触抵抗は悪化しないが、製造歩留まりが低下するという問題が発生する。つまり、熱硬化性樹脂層120を形成した後、ベースオーミック接触電極112上に、500nmと厚い中間金属膜115を成膜すると、その後工程においてベースの配線金属118と中間金属膜115との接続不良が発生しやすくなる。
それに対し、上述のように、ベースオーミック接触電極112上に中間金属膜115を形成した後に熱硬化性樹脂層120を形成した場合には、中間金属膜115と配線金属118とがスムーズに接続され、素子の製造歩留まりを向上させることができる。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、熱硬化性樹脂層が、n型半導体層上のオーミック接触電極上に形成された中間金属層を被覆しない領域に形成される、つまり、n型オーミック接触電極上の中間金属膜の形成を、熱硬化性樹脂層の熱硬化後に行うことにより、n型半導体層及びp型半導体層のそれぞれに対し、良好なオーミック接触抵抗、配線抵抗を有し、その効率を向上させる化合物半導体装置を形成することができる。
また、電極抵抗を低減させることができるので、素子サイズの微細化がより可能になり、より高速で動作させることができる化合物半導体装置を提供することが可能になる。
さらに、半導体層に対するオーミック接触電極と配線金属との接続がよりスムーズになり、製造歩留まりが向上し、製造コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の化合物半導体装置であるヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造工程を示す要部の概略断面工程図である。
【図2】 本発明の化合物半導体装置であるヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造工程を示す要部の概略断面工程図である。
【図3】 本発明の化合物半導体装置であるヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造工程を示す要部の概略断面工程図である。
【図4】 本発明の化合物半導体装置であるヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造工程を示す要部の概略断面工程図である。
【図5】 図4のヘテロ接合バイポーラトランジスタの概略平面図である。
【図6】 従来のヘテロ接合バイポーラトランジスタの概略断面図である。
【図7】 図6のヘテロ接合バイポーラトランジスタの概略平面図である。
【符号の説明】
100、200 ヘテロ接合バイポーラトランジスタ
101、201 半絶縁性GaAs基板
102、202 n+型GaAsサブコレクタ層
103、203 n型GaAsコレクタ層
104、204 p+型GaAsベース層
105、205 n型AlGaAsエミッタ層
106、206 n+型GaAs第1エミッタコンタクト層
107、207 n+型InGaAs第2エミッタコンタクト層
111、211 コレクタオーミック接触電極
112、212 ベースオーミック接触電極
113、213 エミッタオーミック接触電極
114、214 コレクタ中間金属膜
115、215 ベース中間金属膜
116、216 エミッタ中間金属膜
117、217 コレクタ配線金属
118、218 ベース配線金属
119、219 エミッタ配線金属
120、220 熱硬化性樹脂層

Claims (6)

  1. 少なくとも1層のn型半導体層及び少なくとも1層のp型半導体層を積層し、前記n型及びp型の半導体層上に前記n型及びp型の半導体層と合金化されてなるn型及びp型のオーミック接触電極をそれぞれ形成し、前記n型及びp型の半導体層及び/又はn型及びp型のオーミック接触電極に起因する段差の一部と前記n型のオーミック接触電極の一部とを熱硬化性樹脂層で被覆し、前記熱硬化性樹脂層を熱硬化した後、前記熱硬化性樹脂層で被覆しなかった前記n型のオーミック接触電極上に中間金属膜を形成し、前記熱硬化性樹脂層上に前記p型のオーミック接触電極と接する配線層を形成することを特徴とする化合物半導体装置の製造方法。
  2. さらに、熱硬化性樹脂層での被覆の前に、p型のオーミック接触電極上に中間金属膜の形成する請求項1に記載の方法。
  3. 半導体層がGaAsからなり、n型ドーパントとしてSi、p型ドーパントとしてCを用いる請求項1又は2に記載の方法。
  4. n型半導体層上に形成されたオーミック接触電極が、AuとNiとAuGeとの積層膜からなり、その上に形成された中間金属膜がAuとPtとTiとの積層膜からなる請求項1〜3のいずれか1つに記載の方法。
  5. p型半導体層上に形成されたオーミック接触電極が、AuとPtとTiとの積層膜からなり、その上に形成された中間金属膜がAuとPtとTiとの積層膜からなる請求項2〜4のいずれか1つに記載の方法。
  6. 少なくとも1層のn型半導体層と、少なくとも1層のp型半導体層と、前記n型及びp型の半導体層上にそれぞれ形成され、前記n型及びp型の半導体層と合金化されてなるn型及びp型のオーミック接触電極と、前記n型及びp型のオーミック接触電極上に形成された中間金属膜と、前記n型のオーミック接触電極上に形成された前記中間金属層に被覆されない領域であって、前記n型及びp型の半導体層、n型及びp型のオーミック接触電極及び/又は中間金属膜に起因する段差の一部を被覆する熱硬化性樹脂層に被覆された領域と、前記熱硬化性樹脂層上に形成されp型のオーミック接触電極と接する配線層とを有する化合物半導体装置。
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