JP4157068B2 - 光学フィルム及びその製造方法及び高分子液晶微粒子 - Google Patents

光学フィルム及びその製造方法及び高分子液晶微粒子 Download PDF

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Description

本発明は、散乱異方性を有する、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、CRT、EL等の画像表示体等に好適に用いられる光学フィルム、およびその製造方法に関し、また、その光学フィルムに用いるための、液晶性メソゲンを有する高分子材料からなる高分子液晶微粒子に関する。
上記LCD、PDP、CRT、EL等に代表される画像表示装置(以下、これを「ディスプレイ」と称する)は、テレビやコンピュータをはじめとして様々な分野で使用されており、目覚しい発展を遂げている。特にLCDは、薄く、軽量で、かつ汎用性に富むディスプレイとして、パーソナルコンピュータや携帯電話、テレビ、デジタルカメラ、PDA、その他各種デバイス用としての普及が著しい。
これらのディスプレイを屋外や蛍光灯下などの比較的明るい場所で使用する場合、太陽光や蛍光灯等の外部光によるディスプレイへの写り込みが問題となり、これを防止するためにディスプレイ表面に凹凸を形成する防眩処理を施して、映り込む外部光を乱反射させることが一般的になっている。
この防眩処理は、サンドブラスト等によりディスプレイ表面に対して粗面形成を行ったり、ディスプレイ表面に透明樹脂をコーティングした後、凹凸を有する賦型フィルムで賦形処理を行ったり、樹脂バインダー中に無機または有機の透明微粒子を分散させた塗料をコーティングすることによってディスプレイ表面に防眩層を設けたりする等の処理により行われる。
これらの技術のうち、最後にあげた樹脂バインダーと有機透明微粒子を用いる防眩処理が、微粒子によって形成される凹凸や樹脂バインダーと微粒子との屈折率差によって外部光を散乱させることができ、さらに、一般にその機構上から視野角が制限されている液晶ディスプレイに使用した場合には、ディスプレイからの画像情報を出射散乱させることにより、視野角の拡大効果も期待できるため、現在最も一般的な方法となっており、例えば、特許文献1〜3等に開示されている。
しかしながら、上記のように防眩処理を施したディスプレイでは、表面の映り込みを抑える反面、ディスプレイ内部よりの画像情報も不用意に散乱させるため、画像がボケたりコントラストが低下したりするという問題が発生している。
本発明者等は、上記の問題を解決するために鋭意検討した結果、画像のボケやコントラストの低下が、ディスプレイから防眩層へ垂直に入射する光線と、斜めに入射する光線が防眩層上で散乱出射することにより、それぞれの光線の色が混色するためであることを見出し、光学等方性ポリマー相中に光学異方性相を分散させ、両相の屈折率差をコントロールすることにより、画像のコントラスト低下を防止した防眩フィルムを発明し、特願2003−094279号として出願した。
しかしながら、この方法では表面の凹凸の形成が困難であり、外部光の映り込み防止性能が不足していた。また、分散している光学異方性相の形状やサイズのバラツキが大きいため、画像にボケを生じることもあった。
特許第3314965号明細書 特開平5−162261号公報 特開平7−181306号公報
本発明は、上記の問題点を解決することを目的としてなされたものであって、その目的は、画像のボケやコントラストの低下を抑えつつ、外部光の映り込み防止にも十分効果を奏する防眩処理を行うために好適な光学フィルムおよびその製造方法を提供することにある。本発明の他の目的は、そのような光学フィルムを作製するために使用する高分子液晶微粒子を提供することにある。
本発明者等は、以上の問題を解決するために鋭意検討した結果、画像のボケやコントラストの低下が、ディスプレイから防眩層へ垂直に入射する光線と、斜めに入射する光線が防眩層上で散乱出射することにより、それぞれの光線の色が混色するためであることを見出した。光の散乱は屈折率の異なる2つの相の界面で発生し、散乱の強さはその屈折率差に依存する。そのため、樹脂バインダーと有機透明微粒子よりなる防眩層においては、それぞれ屈折率の異なる樹脂バインダーと有機透明微粒子との界面の存在が散乱の原因となっている。そこで、本発明者等は、防眩層に垂直に入射する光線に対する界面における2つの相の屈折率差を維持したまま、斜めに入射する光線に対する界面における屈折率差を無くすか、または少なくすることによって、ディスプレイの画像のボケやコントラストの低下を抑えることに成功し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の光学フィルムは、透明基体と、その少なくとも一方の面上に設けられた、光学等方性樹脂中に、熱、光またはその両者を付与することにより配向する高分子液晶化合物からなる平均粒径0.5μm〜10μmの微粒子を分散したコーティング層とを有し、前記高分子液晶化合物がメソゲンとシンナモイル基を有し、光学フィルムの正面から光線が入射した場合の光学等方性樹脂相と高分子液晶化合物からなる微粒子との屈折率差よりも、光学フィルムの斜めから光線が入射した場合の上記屈折率差が小さくなるように高分子液晶化合物からなる微粒子が配向されていることを特徴とする。本発明の光学フィルムにおいて、上記コーティング層は、平均粗さRa:0.1〜1.0μmの凹凸表面を有することが好ましい。

本発明の上記光学フィルムは、光学等方性樹脂と高分子液晶微粒子とを溶剤に溶解・分散して塗料を調製する工程と、該塗料を透明基体上に塗布し、溶剤を揮発させて、光学等方性樹脂相中に平均粒径0.5μm〜10μmの高分子液晶微粒子を分散させたコーティング層を形成する工程と、光、熱、またはその両者を付与して高分子液晶化合物を分子配向させる工程とによって製造することができる。
本発明の上記光学フィルムに用いる高分子液晶微粒子は、液晶性メソゲンとシンナモイル基を有し、熱、光またはその両者を付与することにより配向する高分子液晶化合物からなる微粒子であって、平均粒径が0.5μm〜10μmであることを特徴とする。
一般に、ポリマー相中に微粒子を分散した層を有するフィルムに対する光線の散乱は、斜めからの入射の方が正面からの入射より強く散乱することによる。これは、光線がフィルムに対して斜めから入射することによりフィルム内の光路長が長くなり、その結果光線がポリマー相と微粒子によって形成される界面を多く通過することになって、より多くの光が散乱するためである。これに対して本発明の光学フィルムでは、微粒子に高分子液晶化合物からなる高分子液晶微粒子を用い、その配向を制御することにより、光学等方性樹脂相と高分子液晶微粒子との界面における屈折率差を、光線が入射する方向によって変え、それによって一般のフィルムとは逆の特性を実現させたものである。
より詳細に説明すると、本発明の光学フィルムにおいては、正面から光線が入射した場合の光学等方性樹脂相と高分子液晶微粒子との屈折率差を大きく、斜めから光線が入射した場合の屈折率差を小さくなるように調整して高分子液晶微粒子を配向させることにより、斜めから入射する光線の散乱を減少させて混色を抑えることとなる。それによって、画像のボケやコントラストの低下を抑えることができるという効果を生じる。したがって、本発明の光学フィルムは、防眩性付与の目的で、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、CRT、EL等の画像表示体等に好適に用いることができる。
次に、本発明のより好適な実施の形態について詳細に説明する。
本発明の光学フィルムに用いる高分子液晶微粒子は、液晶性メソゲンを有し、熱、光、またはその両者を付与することにより配向する高分子液晶化合物からなる微粒子であり、平均粒径が0.5μm〜10μmであることを特徴としている。
本発明の高分子液晶微粒子に使用される高分子液晶化合物としては、熱、光またはその両者を付与することにより配向するものであるならば特に制限はないが、側鎖にメソゲンとアルコキシ基を有するか、またはメソゲンと光反応性基を有する構造の高分子液晶化合物が好ましく用いられる。そして側鎖にメソゲンとシンナモイル基を有する高分子液晶化合物が特に好ましい。そのような構造の高分子液晶化合物では、最初に光を照射することにより、その光の電場ベクトルの方向とほぼ一致する方向のメソゲンがシンナモイル基の光二量化反応により固定され、さらに加熱することにより、固定されていない残りのメソゲンが動きやすくなり、固定されているメソゲンに従って配向されるからである。
また、例示した高分子液晶化合物以外にも、2種以上の液晶性低分子化合物を共重合したもの、MMAやスチレン等のメソゲンを有していない等方性モノマー化合物と共重合したもの等を使用してもよい。
本発明において好ましく用いられる高分子液晶化合物を以下に例示する。なお、構造式中のnは重合度を意味しており、望ましい高分子液晶化合物の重量平均分子量は、5000〜1000000の範囲である。
Figure 0004157068
本発明における高分子液晶微粒子を製造するための一つの方法としては、少なくともその一種がメソゲンを有する一種または複数種の重合性単量体および重合開始剤からなる油相を水相に添加・攪拌して、液滴を形成させる工程と、これを攪拌しながら重合性単量体の重合固化を行う工程よりなるものがあげられる。
また、本発明の高分子液晶微粒子を製造するための別の方法としては、少なくともその一種がメソゲンを有する一種または複数種の重合性単量体を重合せしめて高分子液晶化合物を製造する工程と、得られた高分子液晶化合物を溶剤中に溶解せしめて溶液とする工程と、得られた溶液を冷却して高分子液晶化合物からなる高分子液晶微粒子を析出せしめる工程よりなるものがあげられる。
さらに、本発明の高分子液晶微粒子を製造するための他の方法としては、少なくともその一種がメソゲンを有する一種または複数種の重合性単量体を重合せしめて高分子液晶化合物を製造する工程と、得られた高分子液晶化合物を溶剤中に溶解せしめて溶液とする工程と、得られた溶液を噴霧により微粒化し、熱風により乾燥して高分子液晶化合物からなる高分子液晶微粒子を回収する工程よりなるものがあげられる。
なお、本発明の高分子液晶微粒子の製造方法は、上記方法以外であっても、最終的にその平均粒径が0.5μm〜10μmの高分子液晶微粒子が得られれば、どのような方法であってもよい。
さらに、本発明の高分子液晶微粒子には、所望の特性を得るために、高分子液晶化合物の配向特性を失わない範囲で他の成分を添加してもよい。例えば、配向制御や熱特性改善のためにポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリスチレン等の化合物を添加してもよい。
本発明の光学フィルムは、透明基体と、その少なくとも一方の面上に設けられた、光学等方性樹脂中に、上記した液晶性メソゲンを有する高分子材料からなる高分子液晶微粒子を分散したコーティング層とを有するものであって、次の方法により作製することができる。すなわち、光学等方性樹脂と上記の高分子液晶微粒子とを溶剤に溶解・分散して塗料を調製し、その塗料を透明基体上に塗布し、溶剤を揮発させて、光学等方性樹脂相中に平均粒径0.5μm〜10μmの高分子液晶微粒子を分散させたコーティング層を形成する。次いで、形成されたコーティング層に、光、熱、またはその両者を付与して光学異方性ポリマーである高分子液晶化合物を分子配向させることによって得ることができる。
本発明の光学フィルムに用いられる透明基体としては、公知の透明なフィルム、ガラス等を使用することができる。その具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、含ノルボルネン樹脂、ポリエーテルスルホン、セロファン、芳香族ポリアミド、等の各種樹脂フィルムおよび石英ガラス、ソーダガラス等のガラス基材等を好適に使用することができる。本発明の透明基体をプラズマディスプレイや液晶ディスプレイに用いる場合には、PET、TAC、COC、含ノルボルネン樹脂等よりなるものが好ましい。
本発明の光学フィルムに使用する光学等方性樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、放射線硬化型樹脂等を適宜用いることができるが、取扱いの容易さの点で放射線硬化型樹脂を用いることが好ましい。
放射線硬化型樹脂としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、エポキシ基、ビニルエーテル基、オキセタン基等、重合性不飽和結合やそれに類する官能基を有するモノマー、オリゴマー、プレポリマーを適宜混合した組成物が用いられる。モノマーの例としては、アクリル酸メチル、メチルメタクリレート、メトキシポリエチレンメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等をあげることができる。オリゴマーおよびプレポリマーとしては、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレート、アルキットアクリレート、メラミンアクリレート、シリコーンアクリレート等のアクリレート化合物、不飽和ポリエステル、テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテルや各種脂環式エポキシ等のエポキシ系化合物、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル等のオキセタン化合物をあげることができる。これらは単独または複数のものを混合して使用することができる。
また、本発明の光学フィルムを外光の映り込みを防止する防眩フィルムとして使用する場合、表面に凹凸を有しており、かつその凹凸の平均粗さRaが、0.1μm〜1.0μmの範囲にあることが好ましい。より好ましくは、Raが0.1μm〜0.5μmの範囲のものである。Raが0.1μmより小さいと、外光の映り込み防止効果が不十分になり、また1.0μmより大きいと映り込み防止効果は十分であるものの、画像がボケてしまうため、好ましくない。
光学フィルムの表面に上記の平均粗さを有する凹凸を形成するためには、光学等方性樹脂と高分子液晶微粒子との配合比率やコーティング層の厚さを、高分子液晶微粒子の粒径との関係を考慮して調整すればよい。特にコーティング層の厚さが、高分子液晶微粒子の粒径の100〜120%の範囲であることが好ましい。
以下、本発明を実施例を用いてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、「部」は重量部を意味する。
(高分子液晶微粒子の製造)
重合性単量体として、下記式(1)で表される化合物3.0g、下記式(2)で表される化合物2.0g、重合開始剤として2.2′−アゾビス(イソブチロニトリル)0.02部をポリビニルアルコールの0.10%水溶液200ml中に5℃で混合し、重合性単量体の反応液を得た。
上記重合性単量体の反応液をホモミキサーにより5000rpmで攪拌し、重合性単量体のエマルジョンを調製した。さらにこのエマルジョンを窒素雰囲気下においてホモミキサーにより5000rpmで攪拌しながら80℃で5時間加熱・重合を行った後、ろ過し、高分子液晶微粒子4.3部を得た。得られた高分子液晶微粒子の形状を走査型電子顕微鏡で観察したところ球形をしていた。コールター法にて粒子径を測定したところ5.1μmであり、GPCにて体積平均分子量を測定したところ約100000であった。
Figure 0004157068
重合性単量体として、上記式1で表される化合物3.0g、上記式2で表される化合物2.0g、重合開始剤として2.2′−アゾビス(イソブチロニトリル)0.02gをTHF200ml中に5℃で混合し、重合性単量体の反応液を得た。この重合性単量体の反応液を窒素雰囲気下においてマグネチックスターラーで攪拌しながら54℃で24時間加熱・重合を行った後、冷却・ろ過し、白色の高分子液晶化合物4.1gを得た。この高分子液晶化合物の体積平均分子量をGPCにて測定したところ約80000であった。
次に、上記高分子液晶化合物2.0gをアニソール20gに混合し、80℃で加熱・溶解し、溶液を得た。さらに得られた溶液を5℃に冷却した後、ろ過し、高分子液晶微粒子1.9gを得た。得られた高分子液晶微粒子の形状を走査型電子顕微鏡で観察したところ、不定形をしており、コールター法にて粒子径を測定したところ2.3μmであった。
実施例2で得た高分子液晶化合物2.0gをクロロホルム40gに溶解し、溶液を得た。次に、この溶液をスプレードライヤーにより、粒径10μmの液滴として噴霧し、100℃の熱風で乾燥を行い、高分子液晶微粒子0.6gを得た。得られた高分子液晶微粒子の形状を走査型電子顕微鏡で観察したところ、球形をしており、コールター法にて粒子径を測定したところ4.0μmであった。
(光学フィルムの製造)
光学等方性樹脂としてペンタエリスリトールトリアクリレート、高分子液晶微粒子として実施例1の高分子液晶微粒子、光開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、溶剤としてMIBKを用い、以下の配合比で配合してサンドミルにて15分間分散することで塗料を調製した。
[配合比]
光学等方性樹脂 :100部
高分子液晶微粒子 :8部
光開始剤 :3部
クロロホルム :140部
得られた塗料を、膜厚75μm、透過率92%のPETからなる透明基体上に、リバースコーティング方式にて塗布し、100℃で2分間乾燥後、120W/cm集光型高圧水銀灯1灯で紫外線照射を行い(照射距離10cm、照射時間30秒)、塗布膜を硬化させた。このようにして、PET基体上に層厚5.2μmのコーティング層を形成した。
次にコーティング層を形成したフィルムの直上よりUVスポット光源にて無偏光の紫外線を照射(照射条件:150mW/cm、10sec)し、さらに、ホットプレートにてフィルムを加熱(加熱条件:130℃、5min)して高分子液晶化合物の配向処理を行い、光学フィルムを作製した。
高分子液晶微粒子として実施例2の高分子液晶微粒子を使用し、層厚3.1μmのコーティング層を形成した以外は、実施例4と同様の方法により、光学フィルムを作製した。
高分子液晶微粒子として実施例3の高分子液晶微粒子を使用し、層厚4.3μmのコーティング層を形成した以外は、実施例4と同様の方法により、光学フィルムを作製した。
[比較例1]
光学等方性樹脂としてペンタエリスリトールトリアクリレート、高分子液晶微粒子の代わりに平均粒径3.0μmのアクリル樹脂製の球状透明微粒子、光開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、溶剤としてメチルイソブチルケトンを用い、以下の配合比で配合してサンドミルにて15分間分散することで塗料を調製した。
[配合比]
光学等方性樹脂 :100部
球状透明微粒子 :8部
光開始剤 :3部
クロロホルム :140部
得られた塗料を、膜厚75μm、透過率92%のPETからなる透明基体上に、リバースコーティング方式にて塗布し、100℃で2分間乾燥後、120W/cm集光型高圧水銀灯1灯で紫外線照射を行い(照射距離10cm、照射時間30秒)、塗布膜を硬化させ、PET基体上に層厚3.4μmのコーティング層を形成し、比較例1の光学フィルムを得た。
[比較例2]
高分子液晶微粒子の代わりに平均粒径3.5μmのスチレン樹脂製の球状透明微粒子を使用した以外は比較例1と同様の方法により、比較例2の光学フィルムを得た。
次に、各実施例および比較例の評価を、以下の方法により行った。
(正面コントラストの測定)
実施例および比較例の光学フィルムを、液晶モニターの表面に貼り付け、カラー輝度計(BM−7:トプコン製)にてコントラストを測定した。なお、数値が大きいほどコントラストは良好である。
(画像のボケ評価)
実施例および比較例の光学フィルムを、液晶モニターの表面に貼り付け、液晶モニターに静止画像を表示した状態で正面より画像のボケを観察した。評価基準は次の通りである。○:ボケが認められない。×:ボケが認められる。
それらの評価結果を下記表1に示す。
Figure 0004157068
表1より明らかなように、高分子液晶微粒子を使用した実施例4〜6の光学フィルムは、正面コントラストが高く、かつ画像のボケも少ないのに対し、比較例1、2の光学フィルムでは、正面コントラストと画像のボケの一方しか良好な結果が得られなかった。

Claims (5)

  1. 透明基体と、その少なくとも一方の面上に設けられた、光学等方性樹脂中に、熱、光またはその両者を付与することにより配向する高分子液晶化合物からなる平均粒径0.5μm〜10μmの微粒子を分散したコーティング層とを有し、前記高分子液晶化合物がメソゲンとシンナモイル基を有し、光学フィルムの正面から光線が入射した場合の光学等方性樹脂相と高分子液晶化合物からなる微粒子との屈折率差よりも、光学フィルムの斜めから光線が入射した場合の上記屈折率差が小さくなるように高分子液晶化合物からなる微粒子が配向されていることを特徴とする光学フィルム。
  2. 前記コーティング層が、平均粗さRa:0.1〜1.0μmの凹凸表面を有することを特徴とする請求項1に記載の光学フィルム。
  3. 光学等方性樹脂と、メソゲンとシンナモイル基を有する高分子液晶微粒子とを溶剤に溶解・分散して塗料を調製する工程と、該塗料を透明基体上に塗布し、溶剤を揮発させて、光学等方性樹脂相中に平均粒径0.5μm〜10μmの高分子液晶微粒子を分散させたコーティング層を形成する工程と、光、熱、またはその両者を付与して高分子液晶化合物を分子配向させる工程とからなる光学フィルムの製造方法であって、該光学フィルムの正面から光線が入射した場合の光学等方性樹脂相と高分子液晶化合物からなる微粒子との屈折率差よりも、光学フィルムの斜めから光線が入射した場合の上記屈折率差が小さくなるように高分子液晶化合物からなる微粒子が配向されていることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
  4. 液晶性メソゲンとシンナモイル基を有し、熱、光またはその両者を付与することにより配向する高分子液晶化合物からなる微粒子であって、平均粒径が0.5μm〜10μmであることを特徴とする請求項1の光学フィルムに使用するための高分子液晶微粒子。
  5. 前記微粒子の形状が球状であることを特徴とする請求項4に記載の高分子液晶微粒子。
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