JP4157056B2 - ゲルポリマー電解質およびリチウム二次電池 - Google Patents

ゲルポリマー電解質およびリチウム二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、ゲルポリマー電解質およびリチウム二次電池に関するものであり、特に、電池特性を向上させるとともに機械的強度の経時変化の少ないゲルポリマー電解質に関するものである。
リチウム二次電池の電解液には、リチウム塩としてLiPFなどのフッ素を含む塩が一般的に用いられているが、このLiPFは、下記式に示すように、水分と反応してフッ化水素のようなハロゲン酸を生じさせるという性質が有る。
2LiPF+12HO→12HF+2LiP(OH)…(1)
上記の反応は、例えば、リチウム二次電池の電解液に微量の水分が混入し、さらにこのリチウム二次電池が高温下で使用または放置された場合に進行しやすい。従来、発生したフッ化水素HFによって、集電体や正極活物質等の電池構成材料が劣化されてしまうという問題があった。電池構成材料の劣化は、電池の内部抵抗が上昇する等の電池性能に悪影響を及ぼす場合が多い。また、ポリエチレンオキサイド(PEO)系のポリマー電解質を用いたリチウム二次電池においては、発生したHFによりポリマーマトリックスが切断され、ポリマー電解質が液状化するという問題があった。
以上のフッ化水素による問題に対しては、従来から、下記特許文献1、2、3にそれぞれ記載されているように、フッ化水素の発生を抑制したり、発生したフッ化水素を捕捉(中和)することにより、フッ化水素による悪影響をできるだけ軽減する対処がなされてきた。
特開平11−354153号公報 特開2002−343364号公報 特開平09−245832号公報
特許文献1では、リチウム塩としてLiPFの代わりにリチウムイミド塩を用いるか、あるいはLiPF等のフッ素を含む塩とリチウムイミド塩との混合物を用いることによって、フッ化水素の発生の抑制を目指している。しかし、リチウムイミド塩は熱分解温度がLiPFに比べて高いためHF発生抑制の効果は得られるであろうが、電池特性ではLiPF塩を用いた電池に及ばないという問題がある。
また、特許文献2では、発生したHFをSiOと反応させることによりフッ化水素HFの反応性を押さえ込んでいる。さらに特許文献3では、1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカンを添加することによりHFを中和させ、フッ化水素HFの反応性を押さえ込んでいる。これら特許文献2および3についても、HF抑制効果は見られるように思われるが、添加物の反応性、反応生成物の安定性など電池性能に及ぼす不安がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、フッ化水素による電池性能劣化を確実に防止できるとともに、液状化による機械的強度の低下が小さいゲルポリマー電解質およびこのゲルポリマー電解質を備えたリチウム二次電池を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
本発明のゲルポリマー電解質は、リチウムイオンを伝導可能なゲルポリマー電解質であって、アクリレート基またはメタクリレート基のいずれか一方または両方を有する基質モノマーと下記[化1]に示す構造のジオキソラン環を有する反応性モノマーとが重合されてなるマトリックスポリマーと、非水電解液とが混合されてなり、前記基質モノマーと前記反応性モノマーとの合計に対する前記反応性モノマーの含有率が3質量%以上30質量%以下の範囲であることを特徴とする。
ただし、[化1]において、RはCHまたはRとつながるシクロヘキサン環であり、RはCH、C、CH(CH、またはRとつながるシクロヘキサン環のうちのいずれかであり、RはHもしくはCHである。
Figure 0004157056
また本発明のゲルポリマー電解質は、先に記載のゲルポリマー電解質であり、前記基質モノマーと前記非水電解液との合計に対する前記基質モノマーの含有率が0.1質量%以上20質量%以下の範囲であることを特徴とする。
次に本発明のリチウム二次電池は、先に記載のゲルポリマー電解質であり、正極と、負極と、請求項1または請求項2に記載されたゲルポリマー電解質とを具備してなることを特徴とする。
本発明のゲルポリマー電解質によれば、フッ化水素による電池性能劣化を確実に防止することができる。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本実施形態のリチウム二次電池は、本発明に係るゲルポリマー電解質と、リチウムを吸蔵・放出することが可能な正極及び負極とで概略構成されている。ゲルポリマー電解質は、マトリックスポリマーおよび非水電解液を少なくとも含有して構成されている。また、非水電解液は、ゲルポリマー電解質のみならず、正極および負極にも含浸されている。
本発明に係るゲルポリマー電解質は、正極と負極の間に配置されており、リチウムイオンを伝導する機能を有している。また、ゲルポリマー電解質は、セパレータとしての機能をも有している。すなわち、本発明に係るゲルポリマー電解質は、従来のポリオレフィン系のセパレータに代えて、正極および負極を隔離する機能を有している。なお、本発明に係るゲルポリマー電解質と従来のセパレータを併用してもよいのは勿論である。この場合のセパレータとしては、多孔質のポリプロピレンフィルム、多孔質のポリエチレンフィルム等を適宜使用できる。
本発明に係るゲルポリマー電解質は、アクリレート基またはメタクリレート基のいずれか一方または両方を有する基質モノマーおよび上記[化1]に示す構造のジオキソラン環を有する反応性モノマーとが重合されてなるマトリックスポリマーと、非水電解液とが混合されて形成されている。このゲルポリマー電解質においては、マトリックスポリマーに非水電解液を含浸させることでマトリックスポリマーがゲル化され、非水電解液がマトリックスポリマーに保持される。また、本発明に係るポリマー電解質は、マトリックスポリマーの原料モノマーと非水電解液との混合物をポリマー化させることで、ゲル化されたマトリックスポリマーが形成され、非水電解液がマトリックスポリマーに保持されている。
マトリックスポリマーを構成する基質モノマーは、アクリレート基またはメタクリレート基のいずれか一方または両方を有するものであればどのようなものでもよいが、好ましくは2−プロペメノイック酸α,ω−ポリ(オキシ−2,1−エタンジイル)エステルを用いることが好ましい。また、基質ポリマーとして、2-プロペメノイック酸α,ω−ポリ(オキシ−1/2-メチル-2,1−エタンジイル)エステルや、1,1,1-トリス〔プロペノイルオキシポリ(エチレンオキシ)メチル〕プロパンなどを用いてもよい。非水電解液の保持は主にこの基質ポリマーによってなされる。
次に、マトリックスポリマーを構成する反応性モノマーは、ジオキソラン環を有する上記[化1]に示す構造のモノマーが好ましい。ただし、上記[化1]において、RはCHまたはRとつながるシクロヘキサン環であり、RはCH、C、CH(CH、またはRとつながるシクロヘキサン環のうちのいずれかであり、RはHもしくはCHである。
[化1]に示す反応性モノマーは、R基に結合する二重結合を有しており、この二重結合によって基質モノマーとラジカル重合して、マトリックスポリマーを形成することができる。このようにして、反応性ポリマーをマトリックスポリマー中に均一に分散させて含ませることができる。
また、本発明に係る反応性モノマーは、分子内にジオキソラン環構造を有しており、このジオキソラン環はカチオン重合する性質を有しており、LIPF等の分解により生成したフッ化水素等の遊離酸によって容易に開環し、遊離酸を捕捉(中和)することができる。これにより、HF等による電池構成材料の劣化を防止して電池特性を向上させることができる。
更に、上記のジオキソラン環構造は、遊離酸の存在下でカチオン重合を起こして他のジオキソラン環と重合するので、HFを捕捉するとともにマトリックスポリマーの機械的強度をより高めることができる。これにより、ゲルポリマー電解質の液状化を防止できる。
なお、ジオキソラン環は、フッ化水素と反応することによりはじめて開裂するものであり、反応性モノマーと基質モノマーの重合の際には何ら重合反応に寄与するものではない。
また、ジオキソラン環と同様の効果が期待されるものとしてエポキシ環があるが、ジオキソラン環はエポキシ環に比べて開環に要するエネルギー準位が高いという性質がある。これにより、ゲルポリマー電解質の形成の際にジオキソラン環が開裂するおそれがなく、フッ化水素発生時にジオキソラン環の開裂反応を起こさせることができる。
基質モノマーと反応性モノマーとの合計に対する反応性モノマーの含有率は、3質量%以上30質量%以下の範囲が好ましい。反応性モノマーの含有率が3質量%未満では、HF等の遊離酸を完全に捕捉することができなくなるので好ましくなく、含有率が30質量%を超えると基質モノマーの含有率が相対的に減少し、非水電解液を十分に含有することができなくなるので好ましくない。
また、基質モノマーと非水電解液との合計に対する基質モノマーの含有率は、0.1質量%以上20質量%以下の範囲であることが好ましい。基質モノマーの含有率が0.1質量%未満であると、非水電解液を十分に含有することができなくなるとともに電池特性へのポリマー添加の影響が見られなくなるので好ましくなく、含有率が20質量%を超えると、非水電解液の含有率が相対的に低下してリチウムイオンのイオン伝導度が低下するので好ましくない。
次に、ゲルポリマー電解質を構成する非水電解液としては、例えば、非プロトン性溶媒にリチウム塩が溶解されてなる有機電解液を例示できる。
非プロトン性溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ベンゾニトリル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、γ−ブチロラクトン、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、N、N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、スルホラン、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、エチルブチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジエチレングリコール、ジメチルエーテル等の非プロトン性溶媒、あるいはこれらの溶媒のうちの二種以上を混合した混合溶媒、さらにリチウム二次電池用の溶媒として従来から知られているものを例示でき、特にプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネートのいずれか1つを含むとともにジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネートのいずれか1つを含むものが好ましい。
リチウム塩としては、LiPF、LiBF、LiSbF、LiAsF、LiClO、LiCFSO、Li(CFSON、LiCSO、LiSbF、LiAlO、LiAlCl、LiN(C2x+1SO)(C2y十1SO)(ただしx、yは自然数)、LiCl、LiI等のうちの1種または2種以上のリチウム塩を混合させてなるものや、リチウム二次電池用のリチウム塩として従来から知られているものを例示でき、特にLiPF、LiBFのいずれか1つを含むものが好ましい。
次に、正極としては、正極活物質と、結着材と、更に必要に応じて導電助材とを混合し、これらを金属箔若しくは金属網からなる集電体に塗布してシート状に成形したものを例示できる。また、正極活物質と、結着材と、更に必要に応じて導電助材とを混合し、これらをペレット状に成形したものも例示できる。
正極活物質としては、LiMn、LiCoO、LiNiO、LiFeO、V、TiS、MoS等、及び有機ジスルフィド化合物や有機ポリスルフィド化合物等のリチウムを吸蔵、放出が可能な材料を例示できる。
また負極としては、負極活物質と、結着材と、更に必要に応じて導電助材とを混合し、これらを金属箔若しくは金属網からなる集電体に塗布してシート状に成形したものを例示できる。また、負極活物質と、結着材と、更に必要に応じて導電助材とを混合し、これらをペレット状に成形したものも例示できる。
負極活物質としては、可逆的にリチウムイオンを吸蔵・放出できるものが好ましく、例えば、人造黒鉛、天然黒鉛、黒鉛化炭素繊維、非晶質炭素等を含むものを例示できる。また金属リチウムも負極として使用できる。
本実施形態のリチウム二次電池は第1に、あらかじめシート状に成形したゲルポリマー電解質と、正極および負極を積層し、更に場合によって非水電解液を添加することにより製造することができる。
この第1の製造方法において、ゲルポリマー電解質を得るには、基質モノマーと反応性モノマーと非水電解液とを所定量混合し、この混合物にラジカル重合開始剤として公知の過酸化物を添加し、光照射または加熱を行って基質モノマーと反応性モノマーとをラジカル重合させ、マトリックスポリマーを形成すると同時にこのマトリックスポリマーを非水電解液でゲル化させることにより形成することができる。
また、本実施形態のリチウム二次電池は第2に、セパレータと正極と負極を積層して積層体とし、この積層体に対して非水電解液および基質モノマーおよび反応性モノマーからなる混合物を含浸させ、基質モノマーと反応性モノマーを重合させてゲルポリマー電解質を形成することにより製造することができる。先に述べた第一の製造方法ではセパレータは用いても用いなくてもよいが、この第二の方法では正極と負極を隔離するためにセパレータが必須である。
上記第2の方法において具体的には、例えば、正極と負極とセパレータとからなる積層体を電池容器に収納し、ゲルポリマー電解質の構成材料を含む上記の混合物を電池容器に更に注液してから、電池容器内部でラジカル重合させてゲルポリマー電解質を形成すればよい。このように、非水電解液を含む電解質構成材料を電池容器にあらかじめ注液しておくことにより、負極や正極の内部にまで電解質構成材料が浸透し、この状態でラジカル重合させることで、正極および負極内部に非水電解液を常に保持させることができ、充放電反応を円滑に進めることができる。
以下、本発明をアルミパウチ封入型のポリマー電池に適用した具体的な実施例と比較例を挙げて更に詳細に説明する。なお、本発明は以下に示した実施例に限定されるものではないことは言うまでもない。
(正極および負極の作製)
LiCoOを91質量%、導電剤としてグラファイトを6質量%、結着剤としてPVdFを3質量%の割合で混合して正極合剤を作製し、これをN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に分散させてスラリーとした。そして、このスラリーを正極集電体であるアルミニウム箔の片面に塗布し、乾燥後ローラープレス機で圧縮形成して正極シート(正極)を製造した。
また、グラファイトを90質量%、結着剤としてPVdFを10質量%の割合で混合して負極合剤を作製し、これをNMPに分散させてスラリーとした。そして、このスラリーを負極集電体である銅箔の片面に塗布し、塗布後ローラープレス機で圧縮形成して負極シート(負極)を製造した。
(ゲルポリマー電解質の構成材料の調製)
溶媒としてエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)を体積比でEC:DEC=2:8の割合で混合し、更にリチウム塩としてLiPFを1モル/Lの比率で混合してなる非水電解液を調製した。これをEL−0とした。
次に、基質モノマーとして2−プロペノイック酸α,ω−ポリ(オキシ−2,1−エタンジイル)エステルを、上記のEL−0との質量比でEL−0:基質モノマー=95:5となるようにEL−0に配合し、十分撹拌して均一溶液とし、これをEL−1とした(比較例)。
また、基質モノマーとして2−プロペノイック酸α,ω−ポリ(オキシ−2,1−エタンジイル)エステルと、反応性モノマーとして(2−メチル−2エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルアクリレート(大阪有機株式会社製MEDOL10)とを混合し、これら混合モノマーを上記のEL−0との質量比でEL−0:混合モノマー=95:5となるようにEL−0に配合し、十分撹拌して均一溶液とし、これをEL−2とした(実施例)。なお、上記基質モノマーと上記反応性モノマーの混合割合は質量比で、基質モノマー:反応性モノマー=9:1とした。
また、基質モノマーとして2−プロペノイック酸α,ω−ポリ(オキシ−2,1−エタンジイル)エステルと、反応性モノマーとして(2−メチル−2エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルメタクリレート(大阪有機株式会杜製MEDOL30)とを混合し、これら混合モノマーを上記のEL−0との質量比でEL−0:混合モノマー=95:5となるようにEL−0に配合し、十分撹拌して均一溶液とし、これをEL−3とした(実施例)。なお、上記基質モノマーと上記反応性モノマーの混合割合は質量比で、基質モノマー:反応性モノマー=9:1とした。
(リチウム二次電池の製造)
正極と負極とポリプロピレン製セパレータを積層した状態でアルミラミネート材に収納し、更に、上記のEL−1(比較例)、EL−2(実施例)、EL−3(実施例)の溶液をそれぞれ注液し、更に重合開始剤として過酸化物であるビス-(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネートを添加し、70℃で4時間加熱することにより、ゲルポリマー電解質を形成させてポリマーリチウム二次電池PL−1(比較例)、PL−2(実施例)、PL−3(実施例)を作製した。なお、PL−1、PL−2、PL−3はそれぞれ、EL−1、EL−2、EL−3から製造したものである。
また、上記のEL−1、EL−2、EL−3の溶液を別のアルミラミネート材にそれぞれ注液し、重合開始剤として過酸化物としてビス-(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネートを添加し、70℃で4時間加熱することにより、機械強度測定用のゲルポリマー電解質を製造した。
上記のポリマーリチウム二次電池PL−1、PL−2、PL−3について、放電レート特性および低温放電特性を測定した。放電レート特性は、1サイクル目は充電電流0.5C、放電電流0.2Cにて0.2C放電容量を測定し、2サイクル目においては、充電電流0.5C、放電電流2Cにて2C放電容量を測定し、0.2C放電容量に対する2C放電容量の割合を放電レート値とした。
また、低温放電特性は、1サイクル目は20℃において充電電流0.5C、放電電流1Cにて20℃での1C放電容量を測定し、1サイクル目は20℃において充電電流0.5Cで充電を行い、−20℃にて放電電流1Cにて−20℃での1C放電容量を測定し、20℃での1C放電容量に対する−20℃での1C放電容量の割合を低温放電特性値とした。
結果を表1に示す。
更に、上記の機械強度測定用のゲルポリマー電解質の機械的強度を、高分子計器株式会社製F型デュロメータを用いて測定した。このゲル強度は、重合(ゲル化)直後の強度と、重合(ゲル化)から20日間経過した後の強度との割合(重合直後/20日後)で示す。結果を表1に併せて示す。
Figure 0004157056
表1に示すように、反応性モノマーを有するPL−2およびPL−3(いずれも実施例)の電池は、反応性モノマーが添加されていないPL−1の電池(比較例)に比べて、放電レートおよび低温放電特性のどちらも良好な値を示していることがわかる。さらに、ゲル強度についてもPL−2およびPL−3はPL−1と比べて、強度の耐久性に優れていることがわかる。
PL−2およびPL−3の電池のゲルポリマー電解質には、電池特性に悪影響を及ぼすフッ化水素を捕捉するためのジオキソラン環が均一に導入されている。このため、PL−2およびPL−3の電池では、LiPFの分解により生じたHFがこのジオキソラン環により捕捉され、これにより電池構成材料の劣化が防止されて電池特性の劣化が防止されたものと考えられる。さらにHFの捕捉時にジオキソラン環自体が開裂してマトリックスポリマーが更に重合したため、機械的強度が向上してゲルの耐久性が改善されたものと考えられる。
以上説明したように、本発明に係るゲルポリマー電解質によれば、電池性能を低下させることなく、フッ化水素のような遊離酸の影響を排除することができる。また反応性モノマーを、基質モノマーと反応性モノマーの合計に対して3質量%以上30質量%以下の範囲にすることにより、基質モノマー単独の場合と同等の初期ゲル強度が得られるとともに、十分なゲル強度低下抑制効果が得られることがわかる。

Claims (3)

  1. リチウムイオンを伝導可能なゲルポリマー電解質であって、アクリレート基またはメタクリレート基のいずれか一方または両方を有する基質モノマーと下記[化1]に示す構造のジオキソラン環を有する反応性モノマーとが重合されてなるマトリックスポリマーと、非水電解液とが混合されてなり、前記基質モノマーと前記反応性モノマーとの合計に対する前記反応性モノマーの含有率が3質量%以上30質量%以下の範囲であることを特徴とするゲルポリマー電解質。
    Figure 0004157056
    ただし、上記[化1]において、RはCHまたはRとつながるシクロヘキサン環であり、RはCH、C、CH(CH、またはRとつながるシクロヘキサン環のうちのいずれかであり、RはHもしくはCHである。
  2. 前記基質モノマーと前記非水電解液との合計に対する前記基質モノマーの含有率が0.1質量%以上20質量%以下の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のゲルポリマー電解質。
  3. 正極と、負極と、請求項1または請求項2に記載されたゲルポリマー電解質とを具備してなることを特徴とするリチウム二次電池。
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