JP4156695B2 - 転写型保護膜形成用シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種表示物、印刷物、写真等の表面を保護するための保護被膜層を形成するための保護膜形成用シートに係わり、より詳細には保護対象物の表面の質感を損なわず、また保護対象物を屈曲させて使用、保管等した場合も保護膜にしわを生じることがない転写型の保護膜形成用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷製版工程で使用される原版、広告、標識用等の各種印刷法等により形成された表示物、写真等の表面の汚れや傷を防止する目的で表面保護フィルムが用いられている。
【0003】
このような保護フィルムとしては、従来から透明なプラスチックフィルムに粘着層を設けて保護対象物に貼付できるようにしたものが使用されている。ところがこのような保護フィルムには比較的厚いフィルムが用いられるため、保護対象物の表面に貼付するとその表面の質感は保護フィルムのものとなってしまい、保護対象物の質感が失われてしまう。
【0004】
これに対し、保護層をごく薄いものとして上記のような欠点を解消するため、セパレーター層、粘着層、保護層及びアプリケーター層がこの順に積層されてなり、セパレーター層と粘着層との間及び保護層とアプリケーター層との間が剥離可能なように積層されている転写型保護膜形成用シートが開発されている。
【0005】
このような転写型保護膜形成用シートによれば、セパレーター層を剥離して粘着層を保護対象物上に貼付し、その後アプリケーター層を剥離することにより、粘着層により保護対象物上に貼付された保護層が得られる。保護層はアプリケーターと一体の状態で取り扱われるので、かなり薄い保護層を使用することができ、上記の目的を一応達成している。
【0006】
ところが保護層をかなり薄いものとしても、保護層の貼付後に保護対象物を屈曲させて使用、保存等すると保護層にしわが発生することがあり、このような保護層は、柔軟な材料からなる表面保護対象物には不適当なものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の目的は、保護層を貼付後に保護対象表面を屈曲させてもしわ等が形成されにくく、柔軟な材料からなる保護対象物に適した、上記のような転写型の保護膜形成用シートを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らの検討の結果、上記のような転写型の保護膜形成用シートにおいて、保護層を特定の厚さのものとし、一定の伸びを示すような材料から構成することにより、上記のように貼付後に保護対象表面を屈曲させても容易にはしわ等が形成されない保護膜が得られることが判明した。
【0009】
従って本発明は、セパレーター層、粘着層、保護層及びアプリケーター層がこの順に積層されてなり、セパレーター層と粘着層との間及び保護層とアプリケーター層との間が剥離可能なように積層されている転写型保護膜形成用シートであって、保護層が2〜20μmの厚さを有し、150〜400%の伸び率を示す樹脂層であることを特徴とする転写型保護膜形成用シートを提供するものである。
【0010】
本発明の転写型保護膜形成用シートにおいては、保護層は好ましくはポリウレタン樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂及びこれらの混合物から選択される一種以上の樹脂、またはポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニルコポリマー、セルロースエステル誘導体、セルロースエーテル誘導体及びこれらの混合物から選択される一種以上の樹脂と、可塑剤及び/またはゴム材料とからなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の保護膜形成用シートについて具体的に説明する。
【0012】
本発明の保護膜形成用シートは、図1に概略的に断面を示す通り、セパレーター層1、粘着層2、保護層3及びアプリケーター層4をこの順に積層したものである。
【0013】
アプリケーター層4としては、一般的な透明または不透明のフィルム、例えばポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、トリアセチルセルロース、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体等の合成樹脂フィルム、紙あるいは紙と前記樹脂フィルムとの複合フィルム等が使用できる。
【0014】
さらに必要に応じて保護層との離型性を向上させるために、保護層貼付面に離型処理を行ってもよい。例えば、ポリエチレンワックスやシリコーン離型剤が塗布された上記のようなフィルム等とすることができる。
【0015】
またアプリケーター層が薄い場合には、アプリケーター層の保護層を設けた側とは反対の面にカール防止のためのバッキング処理等のコーティングを施してもよい。
【0016】
アプリケーター層4の厚さは特に限定されず、材質及びその可撓性を考慮して貼付時等の良好な作業性が得られるように適宜選択することができ、例えば4〜250μm程度の厚さのものが好ましく使用される。
【0017】
粘着層2にはアクリル系、ゴム系等の公知の透明粘着剤が使用できる。本発明のシートは画像等の保護のための保護被膜の形成を目的としていることから、粘着剤も透明でそれ自体高い耐候性を有していることが望ましい。そのような粘着剤としては、ウレタン架橋性またはエポキシ架橋性の高分子量のアクリル系の粘着剤が適している。
【0018】
アクリル系粘着剤に用いられるアクリルモノマーとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、2−メチルブチルアクリレート、2−エチルブチルアクリレート、3−メチルブチルアクリレート、1、3−ジメチルブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、3−ペンチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ヘプチルアクリレート、2−ヘプチルアクリレート、オクチルアクリレート、2−オクチルアクリレート、ノニルアクリレート等のアルキルエステルモノマー;2−エトキシエチルエチルアクリレート、3−エトキシプロピルアクリレート、2−エトキシブチルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、3−メトキシプロピルアクリレート等のアルコキシアルキルエステルモノマー;ポリビニルメチルエーテル等が挙げられ、ホモポリマーとしたときのガラス転移温度が−3℃から−75℃の範囲となるアクリレートモノマーを主体とすることが好ましい。
【0019】
粘着層2の厚みは一般には2〜30μm、好ましくは2〜10μm程度の範囲である。
【0020】
粘着層2には必要に応じて消泡剤、レベリング剤、UV吸収剤、光安定剤、顔料等を添加してもよい。
【0021】
粘着層の接着力は、粘着層を凝集破壊して剥離させるのに必要な力として定義される凝集力で表して、好ましくは300〜2000g/インチ、より好ましくは500〜1500g/インチ程度のものとする。この値が2000g/inchよりも大きくなると、ラミネートの際に空気泡を抱きこみ易く、得られる画像の品位は低下し、300g/inchよりも小さいと保護被覆材料の保存時に粘着剤がマイグレーションして保護被覆材料から溶出してくるおそれがある。
【0022】
尚、本発明でいう粘着層の凝集力とは、粘着剤が塗布された2枚のフィルムを線圧2kg/30cm程度のゴムローラーを使用し、必要により加熱を行って張り合せ、それにより得られた積層フィルムを引っ張り試験機にて常温で3cm/secの剥離速度で180°の角度で剥離することにより、粘着層を凝集破壊させて剥離させるのに必要な力を意味する。凝集力を測定する際に用いるフィルムとしては非剥離性のフィルムを使用する。
【0023】
保護層3は保護被膜となる層であり、伸び率の値が150〜400%、好ましくは200〜350%である樹脂材料からなる。伸び率の値が150%未満であると本発明の目的を達成するのに不十分であり、400%を越えると保護被膜形成用シートの製造が困難になる。
【0024】
尚、本発明にいう保護層の伸び率は、当該保護層を別途フィルムとして作成し、JIS C 2318 6.3.3の試験方法により測定された伸び率をいう。即ち、定速緊張型引張試験機を用い、幅15mm、長さ約200mmのフィルム試験片を試験機のつかみの間隔を約100mmとしてつかみに取り付け、1分間に約200mmの速さで引張り、切断したときの伸びを測定して算出されるものである。
【0025】
このような樹脂としては、本来良好な伸びを示す樹脂、可塑剤及び/またはゴム材料を添加混合することにより伸びを大きいものとした樹脂等を使用することができる。
【0026】
本来良好な伸びを示す樹脂としては、ポリウレタン樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、これらの混合物等が挙げられる。これらの樹脂については、樹脂により分子量を適当に選択することにより上記のような伸びのフィルムを得ることができる。
【0027】
また可塑剤及び/またはゴム材料を混合することにより伸びを大きいものとした樹脂のベースとなる樹脂としては、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニルコポリマー、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アセチルセルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、ニトロセルロース等のセルロース誘導体、これらの混合物等を好ましく使用することができる。
【0028】
上記のような樹脂に添加される可塑剤としては通常の可塑剤を使用することができ、ジオクチルフタレート、ジイソデシルフタレート、リン酸トリオクチル等を挙げることができる。これらは単独であるいは混合物として使用できる。可塑剤の添加量は、樹脂及び可塑剤の種類によっても変化するが、一般的には樹脂100重量部に対して2重量部以上、好ましくは3重量部以上、より好ましくは5重量部以上であり、上限としては60重量部程度である。2重量部未満では十分な伸びが得られず、60重量部程度を越える添加量では伸びを大きくする効果が頭打ちとなり、コスト面から好ましくない。樹脂100重量部に対して、樹脂がポリ塩化ビニル樹脂の場合は20重量部以上、セルロース誘導体の場合は5重量部以上、アクリル樹脂の場合は3重量部以上の可塑剤を添加することが好ましい。
【0029】
上記のような樹脂に添加されるゴム材料としては通常の天然ゴム及び合成ゴムを使用できるが、ニトリルゴム、天然ゴム、環化ゴム等を好ましく使用できる。ゴム材料の添加量は樹脂の種類、分子量、ゴムの種類等によっても変化するが、一般には樹脂成分及びゴム材料全体に対して10〜50重量%、好ましくは20〜40重量%程度である。10重量%未満では十分な伸びの増加が得られず、50重量%を越えて添加しても伸びを増加させる効果の向上は殆ど見られないのでコスト面から好ましくない。
【0030】
尚、保護層とアプリケーター層の剥離において、剥離を一旦中止して再度剥離を始めるとその中止して再開した場所に線状の形跡(ストップパターン)が発生しやすく、好ましくない。このようなストップパターンは上記のような保護層の組成にセルロースエーテル誘導体を添加することにより軽減することができる。ストップパターンを防止するためのセルロースエーテル誘導体の添加量は樹脂全体に対して一般的には1〜5重量%、好ましくは2〜4重量%である。1%未満ではストップパターンを防止する効果が得られず、5%を越えて添加してもその効果の向上は殆ど見られず、コストが高くなり好ましくない。
【0031】
上記のような保護層樹脂あるいは樹脂組成物には必要に応じて消泡剤、レベリング剤、UV吸収剤、光安定剤、顔料等の添加物を添加してもよい。例えば、滑性向上のために天然ワックス、ポリオレフィン等の合成ワックス、シリコーン等の易滑剤を全量に対して0.1〜3.0重量部添加したり、表面保護膜形成時のアプリケーター層の剥離性を考慮してフッ素系界面活性剤、シリコーン等の離型剤を全量に対して0.01〜5.0重量部の範囲で添加することができる。画像保護の観点からは、UV吸収剤、光安定剤等を含むことが特に好ましく、ヒンダードアミン系光安定剤(例えば日本チバガイギー社製、TINUVIN等)を特に好ましく使用できる。
【0032】
保護層3の厚みはできるだけ薄い方が好ましいが、製造上の観点から約2μm以上であり、上述の本発明の目的を達成するためには20μm以下とする。より好ましくは、2〜10μmの範囲のものを使用する。
【0033】
セパレーター層1としては、アプリケーター層4と同様の透明または不透明のフィルム、例えばポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、トリアセチルセルロース、ポリ塩化ビニル、アクリル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、等の合成樹脂フィルム、紙あるいは紙と前記樹脂フィルムとの複合フィルム等が使用できる。
【0034】
セパレーター層1の厚みも特に限定されず、材質及びそれにより得られる可撓性を考慮して貼付時等の良好な作業性が得られるように適宜選択することができ、例えば4〜250μmのものが好ましく使用される。
【0035】
上記の各層からなる本発明の転写型保護膜形成用シートにおいては、セパレーター層と粘着層との間及び保護層とアプリケーター層との間が剥離可能なように積層されているが、そのセパレーター層を剥離して粘着層を保護対象物上に貼付し、その後アプリケーター層を剥離することにより、保護膜を形成する。従って、このような作業を行えるようにするためには、保護層とアプリケーター層との間の接着力がセパレーター層と粘着層との間の接着力よりも大きいものとする。
【0036】
本発明の転写型保護膜形成用シートにおいては、セパレーター層と粘着層との間の接着力が、180°剥離試験において10〜120g/inch、特に20〜80g/inchとすることが本発明の転写型保護膜形成用シートを使用して保護被膜を形成する際の作業上好ましい。
【0037】
また保護層とアプリケーター層との間の接着力は同様に180°剥離試験において20〜300g/inch、特に30〜200g/inchとすることが好ましい。剥離力が300g/inchよりも大きくなると保護層表面に凝集破壊を生じやすくなるため、固体樹脂層が表面光沢を失ったり、画像面から固体樹脂層が剥離したりする可能性がある。
【0038】
そして保護層とアプリケーター層との間の接着力がセパレーター層と粘着層との間の接着力よりも10g/inch以上、特に30g/inch程度以上大きいものとすることが望ましい。この接着力の差が10g/inchよりも小さいと、セパレーター層を粘着層から剥離する際にアプリケーター層が剥離するおそれがある。
【0039】
尚、上記の接着力は、各層を貼り合わせて引っ張り試験機にて180°の角度で常温において3cm/secの剥離速度で層を剥離するのに必要な力として求める。
【0040】
各層間の接着力は各層を構成する樹脂の種類、組成等を変更することにより容易に調整できる。例えば、粘着層の凝集力を調節する上で最も有効な方法として、メタクリレートモノマー、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミドを共重合成分として用いることができる。
【0041】
また粘着層の凝集力を調節する別の方法としては、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリレート、ジアセトンアクリルアミド、ブトキシメチルアクリルアミドを用いて架橋させることができる。さらに、水酸基含有モノマーを共重合させ、多価イソシアナート化合物によって架橋を行うこともできる。そのような水酸基含有モノマーとしては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、多価アルコ−ルのアクリル酸エステル、多価アルコールのメタクリル酸エステル、アクリル酸エチルカルビトール、アクリル酸メチルトリグリコール、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、プロポキシエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレートなどが用いられる。多価イソシアナート化合物としては、トリレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、リジンジイソシアナート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアナートおよびトリレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナートのアダクト体、ウレタン変性体、アロファネート変性体、ビュレット変性体、イソシアヌレート変性体、ウレタンプレポリマー(両末端がイソシアナート基であるオリゴマー化合物)などが用いられる。
【0042】
また、アクリル樹脂にカルボキシル基を導入し、エポキシ樹脂にて架橋することにより粘着層の凝集力を調節することもできる。
【0043】
アプリケーター層の保護層への接着力の調整は、例えば、アプリケーター層の貼付面をマット処理、コロナ処理、火炎処理すること等により行うことができる。
【0044】
上記の本発明の保護被膜形成用シートにおいては、保護層の滑性を向上させるためまたはアプリケーター層との剥離性を向上させるために保護層中にシリコーン等の離型剤を添加した場合に、離型剤が粘着剤層へ移行するのを防止するために、粘着層2と保護層3の間に中間層を設けてもよい。
【0045】
中間層は、主としてポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂等を単独または混合した樹脂からなるものとすることができ、必要に応じて塗布液の表面張力を低下させるための界面活性剤や帯電防止性を付与するために導電剤を添加することができる。
【0046】
上記のような構成を有する本発明の保護膜形成用シートは、まずアプリケーター層の保護層用樹脂を必要に応じ各種添加剤と共に溶剤に分散または溶解させた塗工液をバーコーティング法、スプレーコーティング法、ロールコーティング法等の公知の塗布方法により塗布して乾燥し、次に粘着剤層を塗布して乾燥し、最後にセパレータを貼り合わせることにより製造することが好ましいが、本発明の保護膜形成用シートの製造方法はこれに限定されるものではない。
【0047】
【実施例】
以下の実施例により、本発明をさらに詳細に説明する。
【0048】
[実施例1]
厚さ約26μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(X45、東レ社製)上に下記組成の保護層用塗布液をバーコーティングにより塗布し、乾燥後の厚さが約10μmの保護層を形成した。
【0049】
保護層用塗布液の組成
・塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂 10重量部
(VYHD、ユニオンカーバイド社製)
・エチルセルロース樹脂 0.5重量部
(エトセルSTD4、日新化成社製)
・ニトリルゴム 5重量部
(1432J、日本ゼオン社製)
・UV吸収剤 1重量部
(TINUVIVN、日本チバガイギー社製)
・シリコーン 0.1重量部
(ペインタッド54、ダウ・コーニング・アジア社製)
・メチルエチルケトン 40重量部
・トルエン 40重量部
【0050】
さらに前記保護層上に乾燥後の厚さが8μmとなるようにイソプロピルアルコール/n−ブタノールに溶解して作製したアクリル系粘着剤層用塗布液(SKダイン1604S、綜研化学社製)をバーコーティングにより塗布し、乾燥して粘着層を形成し、厚さ25μmのセパレーターシート(MRB:ダイアホイルヘキスト社製)をラミネートして本発明の転写型保護膜形成用シートを得た。
【0051】
本発明の保護膜形成用シートのセパレーターシートを剥離し、露出した粘着剤層をインクジェット印刷によりインクジェット印刷用紙上に形成された画像上に貼付した後、アプリケーター用フィルム(X45)を剥離することにより、上記画像上に粘着層と保護層とからなり、厚さが約18μmの表面保護膜を形成した。
【0052】
上記の表面保護膜は元の表示物の質感を殆ど損なわないものであり、また上記の保護層を貼付した印刷物を直径2.5cm程度に丸めて屈曲させても保護層はしわを全く生じなかった。
【0053】
[実施例2]
厚さ約50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(T60、東レ社製)上に下記組成の保護層用塗布液をバーコーティングにより塗布し、乾燥後の厚さが約8μmの保護層を形成した。
【0054】
保護層用塗布液の組成
・塩化ビニリデン共重合体 50重量部
(DO−819、呉羽化学工業社製、
固形分:50重量%)
・シリコーン 0.2重量部
(BYK348、ビック・ケミー社製)
・水 25重量部
・メタ変性アルコール 25重量部
【0055】
さらに前記保護層上に実施例1と同様に粘着層を設け、セパレーターシートをラミネートして本発明の転写型保護膜形成用シートを得た。
【0056】
本発明の保護膜形成用シートのセパレーターシートを剥離し、露出した粘着剤層をインクジェット印刷によりインクジェット印刷用紙上に形成された画像上に貼付した後、アプリケーター用フィルム(T60)を剥離することにより、上記画像上に粘着層と保護層とからなり、厚さが約16μmの表面保護膜を形成した。
【0057】
上記の表面保護膜は元の表示物の質感を殆ど損なわず、また上記の保護層を貼付した印刷物を直径2.5cm程度に丸めて屈曲させても保護層はしわを全く生じなかった。
【0058】
[実施例3]
厚さ約40μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(タマポリGF105、タマポリエチレン社製)上に下記組成の保護層用塗布液をバーコーティングにより塗布し、乾燥後の厚さが約10μmの保護層を形成した。
【0059】
保護層用塗布液の組成
・アクリル樹脂 30重量部
(アクリディックA−195、大日本インキ社製
固形分:40重量%)
・ジオクチルフタレート 0.7重量部
・UV吸収剤 0.5重量部
(TINUVIVN、日本チバガイギー社製)
・シリコーン 0.02重量部
(ペインタッドM、ダウ・コーニング社製)
・メチルエチルケトン 30重量部
・トルエン 30重量部
・アノン 10重量部
【0060】
さらに前記保護層上に実施例1と同様に粘着層を設け、セパレーターシートをラミネートして本発明の転写型保護膜形成用シートを得た。
【0061】
本発明の保護膜形成用シートのセパレーターシートを剥離し、露出した粘着剤層をインクジェット印刷によりインクジェット印刷用紙上に形成された画像上に貼付した後、アプリケーター用フィルム(タマポリGF105)を剥離することにより、上記画像上に粘着層と保護層とからなり、厚さが約18μmの表面保護膜を形成した。
【0062】
上記の表面保護膜は元の表示物の質感を殆ど損なわず、また上記の保護層を貼付した印刷物を直径2.5cm程度に丸めて屈曲させても保護層はしわを全く生じなかった。
【0063】
【発明の効果】
本発明の転写型保護膜形成用シートによれば、各種表示物上に表示物の質感を損なわず、表示物を屈曲させてもしわを容易には生じない表面保護層を形成でき、本発明の転写型保護膜形成用シートは、屈曲させて使用、保存等される表示物等の表面保護に特に適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の転写型表面保護膜形成用シートの一実施例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1…セパレーター層
2…粘着層
3…保護層
4…アプリケーター層
Claims (3)
- セパレーター層、粘着層、保護層及びアプリケーター層がこの順に積層されてなり、セパレーター層と粘着層との間及び保護層とアプリケーター層との間が剥離可能なように積層されている転写型保護膜形成用シートであって、保護層が2〜20μmの厚さを有し、150〜400%の伸び率を示す樹脂層であることを特徴とする転写型保護膜形成用シート。
- 保護層が、ポリウレタン樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂及びこれらの混合物から選択される一種以上の樹脂からなる請求項1に記載の転写型保護膜形成用シート。
- 保護層が、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニルコポリマー、セルロースエステル誘導体、セルロースエーテル誘導体及びこれらの混合物から選択される一種以上の樹脂と、可塑剤及び/またはゴム材料とからなることを特徴とする請求項1に記載の転写型保護膜形成用シート。
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