(実施の形態1)
(構成)
図1から図4を参照して、本発明に基づく実施の形態1におけるFコネクタについて説明する。
本実施の形態におけるFコネクタはLNBコンバータに備えられており、その配置などは従来の技術によるLNBコンバータと同様である(図24参照)。すなわち、LNBコンバータは、筐体としてシャーシおよび蓋を備え、シャーシにFコネクタが固定されている。蓋の内部に、フレームが形成されており、このフレームによって回路が形成されている基板が押えられている。LNBコンバータの端面には、導波管が接続されている。導波管の先端には、フィードホーンが配置されており、アンテナ表面で反射した電波は、フィードホーン内部で焦点が合うように形成されている。筐体の内部には、入射した電波の周波数を変換する回路が基板に形成されており、この回路の出力側はFコネクタに接続されている。
図1に、本実施の形態における第1のFコネクタの断面図を示す。第1のFコネクタは、LNBコンバータのシャーシ31の外側に配置されており、図1においては、シャーシ31の向かって左側がLNBコンバータの外側である。シャーシ31には、略円柱形の取付穴5が形成され、取付穴5の真横に第1のFコネクタが接合されている。
シェル部2は、シャーシ31に接合される接合部24と筒形状部としての円筒部23とを含んでいる。シェル部2の内部は、円柱形状の貫通した空洞が形成されており、シェル部2の中心軸と取付穴5の中心軸とが一致するように配置されている。ここで、本明細書および特許請求の範囲においては、Fコネクタにおいて、同軸ケーブルなどが接続される側を第一の側とする。図1においては、向かって左側が第一の側である。
シェル部2の第一の側には、円筒部23の端面を含む部分であるシェル部端部25が形成されており、シェル部端部25の略中心には、シェル部端部25を貫通する円形の開口部7が形成されている。また、円筒部23の外周には、ねじ部6が形成されており、たとえば、同軸ケーブルをFコネクタに固定する固定用ナットを締付けることができるように形成されている。
シェル部2の内部に形成された円柱形状の空洞には、略円筒形状のモールド樹脂部13aが形成されている。モールド樹脂部13aの内部には、略円筒形状のモールド樹脂部13bが形成されている。モールド樹脂部13aおよびモールド樹脂部13bは樹脂で形成されている。モールド樹脂部13bはモールド樹脂部13aに固定されている。モールド樹脂部13aの第一の側には端面を含む部分であるモールド樹脂部端部26が形成されている。モールド樹脂部端部26の略中央には、モールド樹脂部端部26を貫通する円形の端子導入穴11が形成されている。
モールド樹脂部13bは、モールド樹脂部13aの内部において、第一の側と反対側(図中右側)に固定されている。モールド樹脂部13bの内部には、同軸ケーブルの芯線などと導通を行なうためのコンタクト4が保持されている。コンタクト4の先端は、弾力を有する2枚の金属板から形成されており、同軸ケーブルの芯線などが接続されていない場合、通常は2枚の板の先端が接続部8で接触している。コンタクト4は、接続部8に同軸ケーブルの芯線などが入り込み、金属板の弾力によって、芯線などを挟持するように形成されている。コンタクト4において芯線などを挟持する側と反対側は、モールド樹脂部13bの端部を貫通して、取付穴5を通りLNBコンバータ内部の回路に接続されている。取付穴5の内部は、シリコン樹脂が充填されている。
シェル部端部25とモールド樹脂部端部26との間には、ゴム製のパッキン1が配置され、シェル部端部25とモールド樹脂部端部26とで圧縮されて挟持されている。パッキン1は、シェル部端部25の内面の形状に合わせて形成されており、パッキン1の主表面の略中央には、開口部7の形状に合わせて突出した部分が形成されている。この突出した部分の略中央には、端子貫通部としての端子用凹部12が形成されている。端子用凹部12は、第一の側から形成された有底の穴であり、開口部7から露出するように形成されている。端子用凹部12の底の部分はパッキン1の厚さが薄くなるように形成されている。端子用凹部12および端子導入穴11は、円筒部23の中心軸と同軸上に形成されている。
パッキン1の材料としては、ゴムの中でも、EPDM(エチレンプロピレンジエン共重合体)ゴムおよびシリコーンゴムのうち、いずれか一方が使用されることが好ましい。
図2に、本実施の形態における第2のFコネクタを示す。第2のFコネクタにおいて、シャーシ31の主表面にシェル部2が接合され、シェル部2は円筒部23および接合部24を含んでおり、シェル部2の内部にモールド樹脂部13a,13bやコンタクト4が形成されていることなどは、第1のFコネクタと同様である。シェル部2の内部において、第一の側に端子貫通部を含むパッキン1が配置されていることも第1のFコネクタと同様である。
第2のFコネクタは、シェル部端部の構成が第1のFコネクタと異なる。第2のFコネクタは、第一の側から固定用リング3が、シェル部2の内側に圧入されてシェル部端部25が形成されている。パッキン1は、固定用リング3とモールド樹脂部端部26とで圧縮されて挟持されている。固定用リング3は円環状に形成されているが、複数の部材によって形成されていてもよい。その他の構成については、第1のFコネクタと同様であるので、ここでは説明を繰返さない。
図3に、本実施の形態における第3のFコネクタを示す。図3(a)は第3のFコネクタの断面図である。第3のFコネクタにおいて、シャーシ31の主表面にシェル部2が接合され、シェル部2が円筒部23および接合部24を含み、シェル部2の内部にモールド樹脂部13a,13bおよびコンタクト4が形成されていることなどは、第1のFコネクタと同様である。シェル部2の内部において、第一の側に端子貫通部を含むパッキン1が配置されていることも第1のFコネクタと同様である。
第3のFコネクタは、モールド樹脂部13aの第一の側の一部が、パッキン1の内側に嵌合している構成を含む。パッキン1は、第一の側と反対側の略中央に、凹んだ部分である嵌込み部27を含む。モールド樹脂部13aの第一の側の先端は、嵌込み部27の形状に合わせて、円筒部23の内部の径より小さくなるように形成されている。嵌込み部27は、このモールド樹脂部13aの先端を覆うように形成されている。さらに、嵌込み部27の内周面には、パッキン1の内部に凹んだ周方向凹部20が形成されている。
図3(b)に周方向凹部20の拡大断面図を示す。周方向凹部20は断面が台形になるように形成されており、互いに平行な2辺のうち長い辺が周方向凹部20の底面になるように形成されている。嵌込み部27に接触するモールド樹脂部13aの外周面には、周方向凹部20の形状に合うように、外周面から突起する部分が形成されている。パッキン1は、シェル部端部25とモールド樹脂部端部26とに圧縮されて挟持されている。その他の構成については、第1のFコネクタと同様であるので、ここでは説明を繰返さない。
図4に本実施の形態における第4のFコネクタを示す。図4(a)は第4のFコネクタの断面図である。第4のFコネクタのパッキン1は、嵌込み部27を有することは、第3のFコネクタと同様である。第4のFコネクタは、嵌込み部27の内周面に、パッキン1の外部に突出した周方向凸部21が形成されている。
図4(b)に周方向凸部の拡大断面図を示す。周方向凸部21の断面は台形になるように形成されており、台形の互いに平行な2辺のうち、短い辺が周方向凸部21の頂面になるように形成されている。嵌込み部27に接触するモールド樹脂部13aの外周面には、周方向凸部21の形状に合うように、外周面から凹む部分が形成されている。パッキン1は、シェル部端部25とモールド樹脂部端部26とに圧縮されて挟持されている。その他の構成については、第3のFコネクタと同様であるので、ここでは説明を繰返さない。
本実施の形態においては、嵌込み部に周方向凹部または周方向凸部を形成したが、この形態に限られず、嵌込み部において、パッキンとモールド樹脂部の接触面積が大きくなればよい。よって、嵌込み部の断面形状を波型などにしてもよいし、周方向凹部や周方向凸部のような付加的な部分を形成しなくてもよい。
(作用・効果)
図1における第1のFコネクタにおいて、同軸ケーブルなどは、第一の側から接続される。同軸ケーブルの芯線などの端子は、パッキン1の端子用凹部12の底部のパッキンが薄くなっている部分を突き破って、Fコネクタ内部に挿入される。端子は、モールド樹脂部13aの端子導入穴11を通して、コンタクト4の接続部8に挟持される状態で接続される。LNBコンバータで周波数変換が行われた信号は、コンタクトを通じて同軸ケーブルに伝達される。同軸ケーブルを固定するためのナットなどは、ねじ部6に締付けられて固定される。
シャーシ31の外側(図1においては、シャーシ31の向かって左側)は、外気に曝されている。よってシャーシ31とシェル部2の接合部24との境界に隙間があった場合、
この隙間を通って雨水などがLNBコンバータ内部に進入することが考えられる。しかし、シャーシ31の取付穴5の内部にシリコン樹脂が充填されていることによって、LNBコンバータの内部に水などが進入することが防止できる。
端子用凹部12を含むゴム製のパッキン1を採用することによって、同軸ケーブルの芯線などを、パッキン1に密着させることができ、水などがFコネクタ内部に進入することを防止できる。また、シェル部端部25とモールド樹脂部端部26とでパッキンが挟持されることによって、パッキン1をシェル部2とモールド樹脂部13aに密着させることができ、開口部7からFコネクタ内部に水などが進入することを防止できる。
パッキン1の材料として、EPDMゴムおよびシリコーンゴムのうち、いずれかを使用することによって、耐水性および耐久性に優れたパッキン1を形成することができる。また、パッキン1に端子用凹部12を形成することによって、端子貫通部を容易に形成することができる。
図2に示す第2のFコネクタにおいては、シェル部2の製造時に端部は形成されておらず、後に固定用リング3を第一の側からシェル部2の内側に嵌め込むことによって、シェル部端部が形成される。この構成を採用することによって、シャーシ31にシェル部2を予め取り付けておき、第一の側からモールド樹脂部13a,13bなどをシェル部2の内部に圧入することができる。その後に、パッキン1を配置して、固定用リングで固定する。このように、後からシェル部内部の部品を配置することができ、Fコネクタの製造を容易に行なうことができる。その他の作用および効果については、第1のFコネクタと同様であるので、ここでは説明を繰返さない。
図3に示す第3のFコネクタおよび図4に示す第4のFコネクタにおいては、パッキン1にモールド樹脂部13aの第一の側の一部が嵌合した嵌込み部27が形成されている。この構成を採用することにより、パッキン1とシェル部2およびパッキン1とモールド樹脂部13aとの境界を通って水などが進入する経路が長くなり、Fコネクタ内部に水が進入することをさらに確実に防止できる。
また、嵌込み部27の周方向の面に、周方向凹部20または周方向凸部21を形成することによって、さらに水などの進入経路を長くすることができる。また、また作業中に誤って、パッキン1を半径方向から叩いた場合においても、パッキン1がシェル部2から抜けることを確実に防止できる。その他の作用および効果については、第1のFコネクタと同様であるので、ここでは説明を繰返さない。
(実施の形態2)
(構成)
図5から図8を参照して、本発明に基づく実施の形態2におけるFコネクタについて説明する。本実施の形態におけるFコネクタがLNBコンバータの筐体の外側に備えられていることは、実施の形態1におけるFコネクタと同様である(図24参照)。
図5に本実施の形態における第1のFコネクタを示す。図5(a)は、第1のFコネクタの断面図である。シャーシ31には、略円柱形の取付穴5が形成され、取付穴5の真横にシェル部2が接合されている。シェル部2は、シャーシ31と接合される接合部24と筒形状部としての円筒部23とを含んでいる。シェル部2は、シェル部2の中心軸と取付穴5の中心軸とが一致するように配置されている。円筒部23の第一の側の端は、端面の形状を有する端部が形成されておらず、開口している。
シェル部2の内部には、第一の側から反対側まで同一の内径を有する円柱状の空洞が形
成されている。この空洞に略円筒形状のモールド樹脂部13aが形成されている。モールド樹脂部13aは、シェル部2に密着するように形成されている。モールド樹脂部13aの第一の側の端には、モールド樹脂部端部26が形成されている。モールド樹脂部端部26の略中央は開口している。モールド樹脂部13aの内部には、略円筒形状のモールド樹脂部13bが形成されている。モールド樹脂部13aおよび13bは樹脂で形成されており、モールド樹脂部13bはモールド樹脂部13aに接着固定されている。モールド樹脂部13bの内部にはコンタクト4が保持されている。また、取付穴5の内部には、シリコン樹脂が充填されている。
第1のFコネクタは、モールド樹脂部13aの内部であって、コンタクト4より第一の側寄りの位置に嵌め込まれた、ゴム製のパッキン1を含む。本実施の形態におけるパッキンは、モールド樹脂部端部26の開口した部分に嵌め込まれている。パッキン1は、周方向の外周面がモールド樹脂部13aに密着するように形成されている。また、パッキン1は外周面に係止部を有する。
第1のFコネクタの係止部の拡大断面図を図5(b)に示す。第1のFコネクタの係止部として、パッキン1の外周面から突出した、周方向に垂直な断面が長方形である長方形係止部16が形成されている。モールド樹脂部端部26の内周面には、長方形係止部16の形状に合わせた凹んだ部分が形成されており、長方形係止部16と嵌合している。
パッキン1の第一の側の主表面には、同軸ケーブルの芯線などを貫通させるための端子貫通部として、端子用凹部12が形成されている。端子用凹部12は、第一の側の主表面から凹むように形成された有底の穴であり、第一の側と反対側にパッキン1の厚さが薄くなる部分が形成されている。
パッキン1の材料としては、ゴムの中でも、EPDMゴムおよびシリコーンゴムのうち、いずれか一方が使用されることが好ましい。上記以外の構成については、実施の形態1における第1のFコネクタと同様であるので、ここでは説明を繰返さない。
図6に、本実施の形態における第2のFコネクタを示す。図6(a)は第2のFコネクタの断面図であり、図6(b)は係止部の拡大断面図である。第2のFコネクタの係止部は、パッキン1の外周面に形成された突出した部分であり、周方向に垂直な断面が台形である台形係止部17が形成されている。台形の互いに平行な2辺のうち、長い辺がモールド樹脂部13aの側になるように形成されている。第1モールド樹脂部端部26の内周面には、台形係止部17の台形の形状に合わせた凹んだ部分が形成されており、台形係止部17と嵌合している。その他の構成については、第1のFコネクタと同様であるのでここでは、説明を繰返さない。
図7に、本実施の形態における第3のFコネクタを示す。図7(a)は第3のFコネクタの断面図であり、図7(b)は係止部の拡大断面図である。第3のFコネクタの係止部は、長方形係止部16の第一の側の面に、突出した係止凸部18が形成されている。すなわち、長方形係止部16のコンタクトが配置された側と反対側の面に係止凸部18を有する。モールド樹脂部端部26の内周面には、長方形係止部16および係止凸部18の形状に合わせた部分が形成されており、それぞれが互いに嵌合している。その他の構成については、第1のFコネクタと同様であるので、ここでは説明を繰返さない。
図8に、本実施の形態における第4のFコネクタを示す。図8(a)は、第4のFコネクタの断面図であり、図8(b)は係止部の拡大断面図である。第4のFコネクタの係止部は、長方形係止部16の第一の側の面に、凹んだ係止凹部19が形成されている。第1モールド樹脂部13aの内周面には、長方形係止部16と係止凹部19の形状と位置に合
わせた部分が形成されており、それぞれが互いに嵌合している。その他の構成については、第1のFコネクタと同様であるので、ここでは説明を繰返さない。
実施の形態1および実施の形態2におけるFコネクタは、モールド樹脂部13aとモールド樹脂部13bとを別々に形成した後に接合しているが、モールド樹脂部13aとモールド樹脂部13bとを一体化させたモールド樹脂部を初めから形成してもよい。
本実施の形態において、上記以外の構成については、実施の形態1における第1のFコネクタと同様であるので、ここでは説明を繰返さない。
(作用・効果)
図5における本実施の形態における第1のFコネクタにおいて、同軸ケーブルなどは、第一の側から接続される。同軸ケーブルの芯線などの端子は、パッキン1の端子用凹部12の底部のパッキンが薄くなっている部分を突き破って、Fコネクタ内部に挿入される。この端子は、コンタクト4の接続部8に挟持される状態で接続される。LNBコンバータで周波数変換が行われた信号は、コンタクトを通じて同軸ケーブルに伝達される。同軸ケーブルを固定するためのナットなどは、ねじ部6に締付けられて固定される。
モールド樹脂部13aの内部において、コンタクト4より第一の側寄りにゴム製のパッキン1を形成することによって、パッキン1とモールド樹脂部13aとの間を密閉して、Fコネクタ内部に水などが進入することを防止できる。モールド樹脂部13aとシェル部2とが密着することによって、または、モールド樹脂部13aとモールド樹脂部13bとが隙間なく接着固定されることによって、Fコネクタ内部に水などが進入することを防止できる。また、この構成を採用することによって、シェル部端部を形成する必要がなくなり、製造コストを低減することができる。位置ずれを防止するための係止部を形成することによって、同軸ケーブルを接続する際などにも、パッキン1がモールド樹脂部13aの内部で動いて、モールド樹脂部13aとパッキン1との間に隙間ができ、後に水が進入することを防止できる。
パッキン1の外周面に、長方形係止部16を形成することにより、容易に位置ずれを防止するための係止部を形成することができる。また、パッキン1とモールド樹脂部13aとの接触面積が大きくなり、水などがFコネクタ内部に進入することを防止する効果が大きくなる。
図6に示す本実施の形態における第2のFコネクタにおいて、パッキン1の外周面に、互いに平行な辺のうち長い辺が、モールド樹脂部13aの側になるような台形係止部17が形成されている。この構成を採用することにより、係止部がモールド樹脂部13aから抜けにくくなり、パッキン1の位置ずれを防止する効果が大きくなる。また、パッキン1とモールド樹脂部13aとの接触面積が大きくなり、水などがFコネクタ内部に進入することを防止する効果が大きくなる。
図7に示す第2のFコネクタまたは図8に示す第3のFコネクタにおいては、パッキン1の長方形係止部16に係止凸部18または係止凹部19が形成されている。この構成を採用することにより、係止部がモールド樹脂部13aから、さらに抜けにくくなり、パッキン1の位置ずれを防止する効果が大きくなる。また、パッキン1とモールド樹脂部13aとの接触面積が大きくなり、水などがFコネクタ内部に進入することを防止する効果が大きくなる。
本実施の形態における第2のFコネクタまたは第3のFコネクタにおいては、係止凸部または係止凹部を第一の側に形成したが、第1と側と反対側に係止凸部または係止凹部を
形成してもよい。この他、本実施の形態においては、パッキン1の外周面から突出するように係止部を形成したが、特にこの形態に限られず、係止部はパッキン1の位置ずれを防止できるものであればよい。
上記以外の作用および効果については、実施の形態1における第1のFコネクタと同様であるので、ここでは説明を繰返さない。
(製造方法)
本実施の形態におけるFコネクタにおいては、円筒形状のモールド樹脂部の内部に、外周面から突出した係止部を含むパッキンを挿入することは困難である。図9から図17を参照して、本実施の形態におけるFコネクタの製造方法のうち、モールド樹脂部の内部にパッキンとコネクタを配置する工程について説明する。
図9から図12を参照して第1の製造方法を説明する。図9は、第1の製造方法によって製造される第5のFコネクタのモールド樹脂部およびモールド樹脂部内部を示す断面図である。第5のFコネクタは、本実施の形態における第1のFコネクタ(図5参照)のモールド樹脂部13aとモールド樹脂部13bとが一体的に形成されたものであり、パッキン1には長方形係止部16が形成されている。第5のFコネクタのモールド樹脂部は、長手方向に略平行な分割面によって2分割されたものを貼り合わせた構造を有する。
第1の製造方法においては、予め、モールド樹脂部を2分割した形状を有する上モールド樹脂部材14aおよび下モールド樹脂部材14bを準備する。
次に、図10および図11に示すように、下モールド樹脂部材14bに矢印50に示す向きにパッキン1を挿入する。端子用凹部12は外側に配置される向きに挿入する。
次に、図12に示すように、コンタクト4を下モールド樹脂部材14bの表面の凹凸に合わせて配置する。その後に、矢印51に示すように、上モールド樹脂部材14aを下モールド樹脂部材に接合するとともに、パッキン1およびコンタクト4を固定して、モールド樹脂部材の部分を形成する。
このように、モールド樹脂部を、長手方向に略平行な分割面によって2分割した構成にすることによって、筒形状のモールド樹脂部材の内部に、パッキンおよびコンタクトを容易に配置することができる。
図13から図17を参照して第2の製造方法を説明する。図13に第6のFコネクタのモールド樹脂部およびモールド樹脂部内部の断面図を示す。第6のFコネクタは、本実施の形態における第1のFコネクタ(図5参照)のモールド樹脂部13aとモールド樹脂部13bとを一体的に形成したものであり、パッキン1には長方形係止部16が形成されている。このFコネクタのモールド樹脂部は、モールド樹脂部13aとモールド樹脂部13bとを一体的に形成したものを展開した展開モールド樹脂部材14c(図13参照)から形成されている。
図14は、展開モールド樹脂部材14cの説明図であり、図14(a)は平面図であり、図14(b)は斜視図である。展開モールド樹脂部材14cは、モールド樹脂部の長手方向に2つに切断された形状を有し、これらの2つの部材が折曲げ部28で接続されている構成を有する。折曲げ部28は、平板状に形成され、切断された形状を有する2つの部材の接合面となるべき面同士を接続している。折曲げ部28は、非常に薄く容易に折り曲げられるように形成されている。このように、展開モールド樹脂部材14cは、折曲げ部28を介して、一体的に形成されている。
図15の矢印52に示すように展開モールド樹脂部材14cの所定の位置にパッキン1を挿入する。また、コンタクトも展開モールド樹脂部材14cのパッキン1が配置される側と同じ側に配置する(図示せず)。
次に、図16の矢印53に示すように、展開モールド樹脂部材14cを折曲げ部28で折り曲げて、図17に示すような円筒形状にして固定する。モールド樹脂部材の内部には、パッキン1およびコンタクトが配置されている。モールド樹脂部材の外周面には、折り曲げられた折曲げ部28が外側に突出しているが、モールド樹脂部を円筒形状に固定した後に、削り取っても良いし、許容できる程度に十分小さければ、折曲げ部28が付いたままシェル部に挿入してもよい。
このように、長手方向に略平行な分割面によって2つに分割したモールド樹脂部材を、折曲り部で接続された構成を有することによって、筒形状のモールド樹脂部材の内部に、パッキンおよびコンタクトを容易に配置することができる。また、モールド樹脂部を1つの部材で容易に形成することができる。
(実施の形態3)
(構成)
図18を参照して、本発明に基づく実施の形態3におけるFコネクタについて説明する。図18は、本実施の形態におけるFコネクタの断面図である。
本実施の形態におけるFコネクタはLNBコンバータに備えられており、取りつけられている位置は従来の技術によるLNBコンバータと同様である(図24参照)。
本実施の形態におけるFコネクタは、LNBコンバータのシャーシ31の外側に配置されている。シャーシ31には、略円柱形の取付穴5が形成され、取付穴5の真横に、シェル部2が接合されている。
シェル部2は、シャーシ31に接合される接合部24と筒形状部としての円筒部23とを含んでおり、シェル部2の中心軸と取付穴5の中心軸とが一致するように配置されている。円筒部23の第一の側には、シェル部端部25が形成されており、シェル部端部25の略中心には開口部7が形成されている。シェル部2の内部には、円柱状の空洞が形成されており、この空洞に略円筒形状のモールド樹脂部13aが形成されている。
モールド樹脂部13aの内部には、略円筒形状のモールド樹脂部13bが形成されている。モールド樹脂部13aはゴムで形成されており、モールド樹脂部13bは樹脂で形成されている。モールド樹脂部13aは、シェル部2に密着するように形成されている。モールド樹脂部13bはモールド樹脂部13aに接着固定されている。モールド樹脂部13bの内部にはコンタクト4が保持されている。モールド樹脂部13aの第一の側には、モールド樹脂部端部26が形成されている。モールド樹脂部端部26の略中央には、開口部7から突出する部分が形成されており、この突出する部分の略中央には、端子貫通部としての端子用凹部12が形成されている。本実施の形態における端子用凹部12は、端子用凹部12が開口部7から露出するように第一の側に形成されている。また、端子用凹部12は第一の側から形成された凹むように形成された有底の穴であり、開口部7の略中心において厚さが薄くなるように形成されている。また、取付穴5の内部には、シリコン樹脂が充填されている。
上記以外の構成については、実施の形態1における第1のFコネクタと同様であるので、ここでは説明を繰返さない。
(作用・効果)
本実施の形態におけるFコネクタは、ゴム製のモールド樹脂部13aと樹脂製のモールド樹脂部13bとでコンタクト4を覆うことによって、Fコネクタの内部の密閉性を確保することができる。モールド樹脂部13aおよびモールド樹脂部13bとが隙間なく接着固定されることによって、または、モールド樹脂部13aとシェル部2とが密着することによって、Fコネクタ内部の密閉性を確保することができる。よって、Fコネクタ内部に水などが進入することを防止できる。取付穴5の内部にシリコン樹脂が充填されていることによって、シャーシ31の内部に水などが進入することが防止できる。
同軸ケーブルの芯線などの端子をコンタクト4に接続させる際には、モールド樹脂部端部26に形成されている端子用凹部12の底部を突き破って、Fコネクタ内部に端子を挿入する。ゴムには弾性があるために、端子の外周面は端子用凹部12に密着されて内部に水が進入することを防止できる。
本実施の形態におけるFコネクタは、モールド樹脂部13aがゴムで形成され、モールド樹脂部端部26に開口部から露出するように端子貫通部が形成されている。この構成を採用することにより、パッキンが不要となり、Fコネクタの構成を簡単にすることができる。また、モールド樹脂部端部26に端子用凹部12を形成することによって、端子貫通部を容易に形成することができる。
その他の作用・効果については、実施の形態1における第1のFコネクタと同様であるので、ここでは説明を繰返さない。
(実施の形態4)
(構成)
図19を参照して、本発明に基づく実施の形態4におけるFコネクタについて説明する。図19は、本実施の形態におけるFコネクタの説明図であり、(a)はFコネクタを一の面で切断したときの断面図、(b)は(a)におけるXIXB−XIXB線に関する矢視断面図である。
本実施の形態におけるFコネクタは、LNBコンバータに備えられており、取付けられている位置は、従来の技術によるLNBコンバータと同様である(図24参照)。本実施の形態におけるFコネクタは、LNBコンバータのシャーシ31の外側に配置されている。シャーシ31には、ほぼ円柱形の取付穴5が形成され、取付穴5の真横にシェル部2が接合されている。
シェル部2は、シャーシ31に接合される接合部24と筒形状部としての円筒部23とを含んでおり、シェル部2の中心軸と取付穴5の中心軸とが一致するように配置されている。円筒部23の第一の側には、シェル部端部25が形成されており、シェル部端部25のほぼ中央には開口部7が形成されている。シェル部2の内部には、円柱状の空洞が形成されている。
シェル部2の内部には、コンタクト4を内部に配置するための第1のモールド樹脂部として、シェル部2の内面に密着するようにモールド樹脂部13cが形成されている。モールド樹脂部13cの内部には、コンタクト4が配置されている。本実施の形態においては、モールド樹脂部13cが直接的にコンタクト4を保持しているが、保持部材などを介してコンタクト4を保持していてもよい。モールド樹脂部13cの第一の側には、ゴム製のパッキン1を介して第2のモールド樹脂部としてのモールド樹脂部13dが形成されている。モールド樹脂部13dは、シェル部端部25の内面に接するように形成されている。
モールド樹脂部13dは、シェル部端部25に接する側に、パッキン1の端子用凹部12を外側に露出するための穴を有する。
パッキン1は、モールド樹脂部13dの穴およびシェル部端部25の開口部7から端子用凹部12が露出するように形成されている。パッキン1は、モールド樹脂部13cとモールド樹脂部13dとに挟まれて、圧縮されている張出し部22を含む。張出し部22は、シェル部2の内面の周方向全体において、シェル部2の内面に密着するように形成されている。また、モールド樹脂部13cの第一の側と反対側は、シャーシ31に接している。取付穴5の内部には、シリコン樹脂は充填されておらず空洞になっている。
図19(b)に示すように、モールド樹脂部13cは、パッキン1を貫通して、モールド樹脂部13dに嵌め込まれた突起部29を含む。突起部29は、モールド樹脂部13cから、半径方向の外側に向かって突出した部分である。本実施の形態においては、この突出した部分が円柱状になるように形成されている。パッキン1において、突起部29が配置される位置には、突起部29を貫通させるための穴が形成されている。モールド樹脂部13dにおいて、突起部29が配置される位置には、突起部29を嵌め込むための穴が形成されている。本実施の形態においては、突起部29は、シェル部2の径方向において対称な位置に2個形成され、パッキン1およびモールド樹脂部13dに密着するように形成されている。
上記以外の構成については、実施の形態1における第1のFコネクタと同様であるので、ここでは説明を繰返さない。
(作用・効果)
本実施の形態におけるFコネクタは、パッキン1の張出し部22が、シェル部2の内面に接触することによって、Fコネクタの内部の密閉性を確保することができる。また、張出し部22とシェル部2の内面とでシール部分を形成するため、このシール部分よりシャーシ31側の部分には、シールを行なう機能は不要になる。従って、シャーシ31の取付穴5にシリコン樹脂を充填する必要はなく、構成が簡単になる。または、モールド樹脂部13cと、パッキン1の張出し部22とは密着することによって、Fコネクタの内部に水などが進入することを防止できる。
また、本実施の形態におけるFコネクタは、モールド樹脂部13cにおいて、張出し部22と接触している側と反対側は、シャーシ31に接触している。張出し部22は、モールド樹脂部13cとモールド樹脂部13dとに挟まれて圧縮されている。この構成を採用することにより、張出し部22は、シェル部2の長手方向に圧縮され、張出し部22が、より強くシェル部2の内面に密着する。したがって、Fコネクタ内部の密閉性を高くすることができる。
このように、本実施の形態におけるFコネクタは、シェル部の内面とモールド樹脂部との隙間などから内部に水が進入することを防止できる。さらに、取付穴に充填していたシール材を廃止することができる。したがって、シール材が不要になる他、シール材を乾燥させる時間も不要になって生産性が向上する。
本実施の形態におけるFコネクタにおいて、モールド樹脂部13cは、ゴム製のパッキン1を貫通して、モールド樹脂部13dに嵌め込まれた突起部29を含む。この構成を採用することにより、モールド樹脂部13cとモールド樹脂部13dとが、より強固にパッキン1の張出し部22を挟み込むようになる。この結果、張出し部22とシェル部2との密着性が向上し、より確実にFコネクタの内部に水などが進入することを防止できる。突起部29がパッキン1およびモールド樹脂部13dに密着するように形成されていること
によって、突起部29とパッキン1との境界などからFコネクタ内部に水などが侵入することを防止できる。本実施の形態においては、突起部として円柱状のものが2本形成されているが、特にその形状や本数について制限はなく、固定する強さや生産性などを考慮して変更してもよい。
その他の作用および効果については、実施の形態1における第1のFコネクタと同様であるので、ここでは説明を繰返さない。
(実施の形態5)
図20から図22を参照して、本発明に基づく実施の形態5におけるFコネクタの製造方法について説明する。
本実施の形態における製造方法の対象となるFコネクタは、実施の形態1における第2のFコネクタである(図2参照)。図2に示すように、このFコネクタは、シェル部2の端部としてのシェル部端部25が固定用リング3を含む。シェル部2は、シャーシ31に接合されている接合部24と筒形状部としての円筒部23とを含んでいる。固定用リング3は、円筒部23の端部に圧入されて固定されている。
図22に、本実施の形態における第1のFコネクタの製造方法を説明する概略断面図を示す。シャーシ31に形成された取付穴5の位置に対応するように、シェル部2をシャーシ31に固定する。シェル部2の内部に、モールド樹脂部13a,13bおよびコンタクト4を配置した後に、ゴム製のパッキン1をシェル部端部の側(第一の側)から挿入する。
この後に、矢印56に示すように、固定用リング3をシェル部2の円筒部23に圧入して固定する。固定用リング3の外径が円筒部23の内径よりもわずかに小さくなるように形成して、固定用リング3と円筒部23とが擦り合わせられるように圧入する。ゴム製のパッキン1は、固定用リング3とモールド樹脂部13aとで挟持するように固定される。ゴム製のパッキン1は、固定用リング3とモールド樹脂部13aとによって圧縮されて、固定用リング3、モールド樹脂部13aおよび円筒部23に密着する。
第1の製造方法においては、固定用リング3として、平面形状が円環状で平板状のものを用いている。すなわち、固定用リング3は、その形状を維持したまま、シェル部2に圧入される。
固定用リング3を、精度よくシェル部2に圧入するためには、固定用リング3の外径と円筒部23の内径との差によって定まる間隙45の精度が重要になってくる。間隙45が大き過ぎれば、後に容易にリングが外れたり、固定用リング3を挿入する際に十分にパッキン1を圧縮することができなかったりする問題が生じる。一方で、間隙45が小さ過ぎれば、固定用リング3をシェル部2に圧入することができなかったり、圧入するために非常に時間がかかったりする問題が生じる。したがって、第1の製造方法においては、固定用リング3の外径およびシェル部2の円筒部23の内径の寸法管理を厳密に行なう必要があり、また、固定用リング3およびシェル部2の製造において、高い仕上がり精度が必要であった。
このため、第1の製造方法においては、製造時の歩留りを向上させることが困難という問題があった。特に、電気機器のうち、複数の衛星を受信するLNBコンバータや、複数の電波を受信してその中から指定された電波のみを出力するスイッチボックスなどにおいては、1つのシェル部に対して複数のFコネクタが形成される。これらのFコネクタは、一体的に形成されているため、たとえば、複数の円筒部について全ての内径が高精度になるように該円筒部を形成しなければならず、製造が難しいという問題があった。
図20に、本実施の形態における第2のFコネクタの製造方法の説明図を示す。シェル部2の内部に、モールド樹脂部13a,13bおよびコンタクト4を配置して、固定用リング9を挿入する前に、ゴム製のパッキン1を円筒部23の内部に配置しておくことは、第1の製造方法と同様である。シェル部端部の側(第一の側)から、シェル部2の内部に固定用リング9を嵌め込むことによって、ゴム製のパッキン1を固定用リング9とモールド樹脂部13aとで挟持するように固定することは、第1の製造方法と同様である。
第2のFコネクタの製造方法においては、固定用リングとして、断面形状が湾曲している固定用リング9を用いる。固定用リング9の外径とシェル部2の円筒部23の内径との差は、第1の製造方法における固定用リング3よりも大きくなるように形成されている。すなわち、第2の製造方法における間隙46は、第1の製造方法における間隙45(図22参照)よりも大きくなるように形成されている。間隙46は、湾曲した形状の固定用リング9を円筒部23に容易に挿入できるような大きさである。
図21に固定用リング9の斜視図を示す。本実施の形態における固定用リング9は、アルミニウムで形成され、平面形状が円環状になるように形成されている。端子貫通部を露出させるための開口部10は、平面形状が円になるように形成されている。固定用リング9は、開口部10の部分が外周部に比べて膨らみ上がるように形成されている。特に、本実施の形態においては、固定用リング9は、球状の一部分を切り取った形状を有する。
図20の矢印55に示すように、固定用リング9の固定においては、固定用リング9をシェル部2の円筒部23に挿入する。挿入する段階においては、固定用リング9の断面形状は円弧状である。固定用リング9の外周部がパッキン1に接触して押圧が継続されることによって、固定用リング9が平面形状である円の半径方向に広がって、固定用リング9の外周部の端面と円筒部23の内壁とが互いに接触して、固定用リング9がシェル部2に固定される。すなわち、固定用リング9は、圧縮されて変形することによって、シェル部2の円筒部23に固定される。ゴム製のパッキン1は、固定用リング9が挿入されると同時に圧縮されて、固定用リング9、円筒部23、およびモールド樹脂部13aに密着する。
このように、固定用リングとして、断面形状が湾曲しているものを用いることによって、固定用リング9とシェル部2の内壁との間隙46を大きくとることができる。間隙46を大きくすることができるため、固定用リング9およびシェル部2の円筒部23の仕上がり精度を低くすることができ、製造時における寸法管理を容易にすることができる。この結果、生産性が向上して、また歩留りが向上する。特に、上記の複数の衛星を受信するLNBコンバータやスイッチボックスなどの、複数のFコネクタを備える電気機器に対して、大きく生産性が向上して、また歩留りが向上する。
本実施の形態の第2の製造方法においては、固定用リングとして、材質がアルミニウムのものを用いたが、特にこの形態に限られず、シェル部に挿入されることによって、パッキンを十分に押圧して、さらに、変形して固定用リングをシェル部に固定できるものであればよい。また、固定用リングの厚さについても、パッキンを十分に押圧して、さらに変形して円筒部に固定されるものであればよい。
また、第2の製造方法において、モールド樹脂部としては、固定用リングが挿入されてもあまり縮まないような硬度の大きいものが好ましい。ゴム製のパッキンについては、固定用リングが挿入されることによって、ゴム製パッキンの端面が円筒部の内壁に十分に密着するとともに、あまり圧縮されて縮まないような適度な硬度を有するものが好ましい。
上記の全ての実施の形態においては、端子貫通部として、第一の側に有底の穴を形成したが、第一の側と反対側に有底の穴を形成してもよい。また、端子貫通部として、パッキンまたはモールド樹脂部に厚さの薄い部分を形成したが、予め芯線などより径の小さいパッキンを貫通する小穴を形成してもよい。この場合は、小穴に芯線を挿入して組立てる。または、端部に突出した形状を形成して、端子貫通部を形成したが、平面的な端部に端子貫通部を形成してもよい。
また、Fコネクタのシェル部やモールド樹脂部の筒形状を有する部分については、円筒形状の例を説明したが、特に円筒形状に限られず、内部が空洞の筒の形状であればよい。たとえば、モールド樹脂部が四角形状の筒であっても構わない。コンタクト部については、2枚の板状部分で芯線を挟みこむもののほか、2分割された円筒形状のピンで芯線などを挟持するものでもよい。シェル部に固定接続されるのは、同軸ケーブルの他に、中心軸上に端子が形成された略円筒形状の差込プラグなどでもよい。
上記の実施の形態においては、LNBコンバータに備えられたFコネクタについて説明を行なったが、LNBコンバータ以外の電気機器にも使用することができる。たとえば、屋外に配置する分配器、同軸ケーブル同士を接続する中間接続端子などにも適用することができる。さらに屋外に配置される電気機器に限られず、屋内に配置される電子機器であっても防水機能を必要とするFコネクタとして使用することができる。
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
1 パッキン、2 シェル部、3,9 固定用リング、4 コンタクト、5 取付穴、6 ねじ部、7,10 開口部、8 接続部、11 端子導入穴、12 端子用凹部、13a,13b,13c,13d モールド樹脂部、14a 上モールド樹脂部材、14b 下モールド樹脂部材、14c 展開モールド樹脂部材、16 長方形係止部、17 台形係止部、18 係止凸部、19 係止凹部、20 周方向凹部、21 周方向凸部、22 張出し部、23 円筒部、24 接合部、25 シェル部端部、26 モールド樹脂部端部、27 嵌込み部、28 折曲げ部、29 突起部、30 導波管、31 シャーシ、32 蓋、33 パラボナアンテナ、34 チューナ、35 テレビ、36 同軸ケーブル、37 フィードホーン、40 LNBコンバータ、41 Fコネクタ、45,46 間隙、50,51,52,53,54,55,56 矢印。