JP4156494B2 - スクロール型圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、主に冷媒圧縮に用いられるスクロール型圧縮機に関するものであり、特に、スクロール型圧縮機の背圧式スラスト荷重(スラスト力)支持機構に関するものである。
スクロール型圧縮機はその機構上、高効率で低騒音という特徴を有する。そのため、各種作動流体を圧縮するための圧縮機構として広く用いられている。しかしながら、近年ヒートポンプサイクルの冷媒として使用が始まった二酸化炭素(CO)ガス用の圧縮機として用いようとすると、以下の課題がある。
すなわちCOサイクルは、R134aなどの従来から一般的に使用されている冷媒のサイクルと比べて作動圧が10倍ほど高圧であるため、スクロール型圧縮機の場合には特に旋回スクロールに加わるスラスト力が大きくなる。また一方、同一冷凍能力を出すためにはその体積流量は従来冷媒の約1/5で良いため、圧縮機の排除容積は小さなもので事足りる。結局、比較的小さな旋回スクロールに加わる大きなスラスト力を、限られた寸法のスラスト荷重支持機構で受けなければならないという課題を有する。
旋回スクロールのスラスト荷重支持機構の従来技術としては、本出願人が先に出願した特許文献1に示される如く、公転運動する旋回スクロールの鏡板背面と、それに相対するハウジングの鏡板面との間に背圧室を設け、その背圧室に、例えば吐出ガスを適当な調圧弁で調圧したガス圧を印加し、このガス圧による力で旋回スクロールからハウジングに向かって作用するスラスト力を相殺する構造のものが公知である。また、特許文献2に示される如く、背圧室の圧力を圧力制御弁を用いてきめ細かく制御するものも有るが、複雑な調圧弁を用いずに、高圧部のガスまたは潤滑油を適当な絞りを介して背圧室に圧力として導く構造のものも公知である。
実開平9−310687号公報 特開平10−184568号公報
ここで好ましい背圧の圧力は以下の如くである。すなわち、圧縮機効率と耐久性の両面から旋回スクロールは固定スクロール側に強く押圧されることなく、且つハウジング側にも強く押圧されない状態で旋回運転するような背圧圧力が印加されることである。これは背圧圧力によって旋回スクロールに加えられる背圧力が、圧縮作動により発生するスラスト力とちょうど等しい場合に相当する。
背圧圧力が上記状態よりも過剰である場合には、旋回スクロールは固定スクロール側に強く押圧された状態で旋回するため、摺動損失の増大による効率低下、焼き付きなどの不具合を生ずる可能性がある。逆に背圧圧力が不足の場合には旋回スクロールはハウジング側に押圧されるため、同様の問題が発生する。換言すれば望ましい背圧圧力の値は、旋回スクロールの位置情報によって調節されるべきであると言うことができる。
すなわち背圧圧力は、旋回スクロールのスクロール歯先面が、固定スクロール歯底面に丁度近接するものの、強くは摺接しないに足る圧力になる様、調節される、もしくは旋回スクロールの鏡板背面が、ハウジング面に近接するものの、やはり強くは摺接しない圧力になるよう調節されるのが理想である。これに対して従来公知の圧力調整法は前述の如く、旋回スクロールの位置とは無関係に調整されるため、運転条件の変化、特に吸入圧力や吐出圧力などの変化により、背圧圧力が過剰になったり、不足したりする事態が生ずる。
本発明は、上記従来技術の問題に鑑みて成されたものであり、その目的は、運転条件の変化などに関わらず常に適正な背圧圧力を作り出すことのできるスクロール型圧縮機を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、下記の技術的手段を採用する
求項に記載の発明では、背圧室(19)を有するスクロール型圧縮機において、背圧室(19)には、高圧側より流量絞り手段(600)を介して高圧流体が供給される圧力供給経路(24)を連通させると共に、旋回スクロール(6)が固定スクロール(8)側へ移動する伴いその空隙が増大する部位に、背圧室(19)内の高圧流体を低圧部に流出させるための背圧逃し孔(26)を開口させたことを特徴としている。
これは、背圧室(19)と吸入側などの低圧部とを連通する連通路を設け、その途中に、旋回スクロール(6)鏡板背面とミドルハウジング(4)のスラスト荷重支持面との間隙の増大に伴い、その流路面積が拡大する絞り手段として、背圧室(19)から低圧部に連通する背圧逃し孔(26)を背圧室(19)内に開口している。
この請求項に記載の発明によれば、背圧室(19)の圧力が増大し、もしくはスラスト力が減少し、旋回スクロール(6)が固定スクロール(8)側に変位した場合、背圧逃し孔(26)からの流体(具体的にはガス、もしくは潤滑油)の流出が増大し、背圧室(19)の圧力は低下するため、旋回スクロール(6)と固定スクロール(8)とで強い摺接が発生することがない。逆に、背圧室(19)の圧力が減少し、もしくはスラスト力が増大し、旋回スクロール(6)とハウジング(1)が近接してきた場合には、背圧逃し孔(26)からの流出が低下し、背圧圧力が上昇するため、旋回スクロール(6)とハウジング(1)との強い摺接は防止される。
つまり、圧力調整弁など複雑な機構を用いることなく、旋回スクロール(6)の位置によって背圧圧力が調整される機構とすることで、運転条件の変化などに関わらず、作動上最も好ましい背圧を背圧室(19)に印加することができる。これにより、高い圧縮効率と信頼性に優れるスクロール型圧縮機とすることができる。
また、請求項に記載の発明では、背圧室(19)を有するスクロール型圧縮機において、背圧室(19)の圧力調整手段として、旋回スクロール(6)と固定スクロール(8)との間に有って背圧室(19)の圧力上昇に伴いその空隙が減少する部位に、背圧室(19)と連通する圧力導入孔(16)を開口させると共に、旋回スクロール(6)が固定スクロール(8)側へ移動する伴いその空隙が増大する部位に、背圧室(19)内の高圧流体を低圧部に流出させるための背圧逃し孔(26)を開口させたことを特徴としている。
これは、作動室(11)などの高圧部と背圧室(19)とを連通する連通路を設け、その途中に、旋回スクロール(6)と固定スクロール(8)との近接に伴い流路面積が縮小する絞り手段として、圧力導入孔(16)を開口させると共に、背圧室(19)と吸入側などの低圧部とを連通する連通路を設け、その途中に、旋回スクロール(6)鏡板背面とミドルハウジング(4)のスラスト荷重支持面との間隙の増大に伴い、その流路面積が拡大する絞り手段として、背圧室(19)から低圧部に連通する背圧逃し孔(26)を背圧室(19)内に開口している。
上記請求項1の効果説明より明らかな如く、この請求項に記載の発明によれば、両機構を併せ持つことで、旋回スクロール(6)の僅かなスラスト方向変位にも敏感に背圧圧力を変化させることができ、広範な運転条件の変化(スラスト力の変化)に対しても適正な背圧を得ることができる。
すなわち、旋回スクロール(6)と固定スクロール(8)とが近接する側に状態が変化した場合には、背圧室(19)への高圧流体の供給が抑制されると共に、背圧室(19)からの流体流出量が増大して背圧圧力を速やかに低下できる。逆に、旋回スクロール(6)が固定スクロール(8)から離れてミドルハウジング(4)と近接する側に状態が変化した場合には、背圧室(19)への高圧流体の供給が増大すると共に、背圧室(19)からの流体流出量が抑制されて背圧圧力を速やかに上昇できる。
つまり、圧力調整弁など複雑な機構を用いることなく、旋回スクロール(6)の位置によって背圧圧力が調整される機構とすることで、運転条件の変化などに関わらず、作動上最も好ましい背圧を背圧室(19)に印加することができる。これにより、高い圧縮効率と信頼性に優れるスクロール型圧縮機とすることができる。
また、請求項に記載の発明では、圧力導入孔(16)は、両羽根部(6b、8b)のいずれか側の先端部に設けたことを特徴としている。この請求項に記載の発明によれば、圧力導入孔(16)は、旋回スクロール(6)の歯先部に設けても、固定スクロール(8)の歯先部に設けても全く同じ作動を得ることができる。また、請求項に示すように、旋回スクロール(6)と固定スクロール(8)との間に有って背圧室(19)の圧力上昇に伴いその空隙が減少する部位であれば歯先に限らず、常に歯先が摺接している歯底が有るような諸元のスクロールにおいては、その歯底に設けても良い。
また、請求項に記載の発明では、圧力導入孔(16)と背圧室(19)との間に、背圧室(19)側への流体流れのみを許容する一方向弁手段(17)を設けたことを特徴としている。圧力導入孔(16)付近の圧縮流体圧力は、旋回スクロール(6)一回転中を一周期としての圧力変動を有する。このため、一旦背圧室(19)に流入した圧縮流体が作動室(11)側に逆流する現象が生じ、これは圧縮機(100)としての圧縮効率の低下をもたらす。
この請求項に記載の発明によれば、連通路(18)に設けた一方向弁手段(17)はこの逆流を防止し、効率低下を防ぐ役を担う。尚、この一方向弁手段(17)は必要に応じて配設して、圧縮機(100)の諸元、特にスクロールの巻き数などが多い場合には圧力変動も小さいため、一方向弁手段(17)なしで構成することも可能である。
また、請求項に記載の発明では、圧力導入孔(16)を複数設けて連通させたことを特徴としている。スクロール型圧縮機(100)はその構成上、旋回スクロール(6)にはそれを傾けようとする力、すなわち傾転力が作用する。そのため圧力導入孔(16)が一つの場合、その孔が閉鎖されたとしても旋回スクロール(6)が傾斜していて、他の部分の歯先には空隙が生じている場合がある。
本発明はこれを回避するための考案で、複数の圧力導入孔(16)を設けている。この請求項に記載の発明によれば、各圧力導入孔(16)の孔近傍に設けた一方向弁手段(17)を介し、互いに連通路(18)で連通し背圧室(19)に導かれる。本構成とすることにより、全ての圧力導入孔(16)が閉鎖されるまで背圧室圧力が上昇するため、結果として旋回スクロール(6)は固定スクロール(8)に空隙なく摺接する。
また、請求項に記載の発明では、圧力導入孔(16)は、両羽根部(6b、8b)の先端部に設けられているシール部材溝(6d)内に開口させたことを特徴としている。これは、圧力導入孔(16)をシール部材(チップシール)溝(6d)内に設置して、チップシール(7)底面で圧力導入孔(16)を閉鎖するように構成したものである。上記請求項においてはシール部材が金属であるため、実質シールをするためには比較的強い摺接が必要で有るのに対し、この請求項に記載の発明によれば、樹脂製のチップシール(7)をシール部材とするため、弱い摺接でシールできる利点がある。
また、請求項に記載の発明では、圧力導入孔(16)の先端側に盤状シール部材(21)を設け、圧力導入孔(16)が盤状シール部材(21)でシールされる構造としたことを特徴としている。これは、専用のシール部材を用いる例で、樹脂製の円盤状シール部材(21)を用いている。効果は上記した請求項と同様であるが、この請求項に記載の発明によれば、専用シール部材とすることで保持する窪み(6f)の孔位置・径やシール性等の設計の自由度を高めることができる。
また、請求項に記載の発明では、圧力導入孔(16)と盤状シール部材(21)との間に、盤状シール部材(21)を圧力導入孔(16)開口面より離れる側に付勢する付勢部材(22)を設けたことを特徴としている。これは、盤状シール部材(21)の背面に、スプリングなどの付勢部材(22)を設置したものである。請求項の構成においては、歯先に空隙が生じた場合にも、背圧室圧力よりも高い圧縮室圧力により盤状シール部材(21)が圧力導入孔(16)側に付勢され、圧力導入孔(16)が開口しない場合も考えられるが、この請求項に記載の発明によれば、付勢部材(22)により空隙がある場合には確実に開口するようにしたものである。
また、請求項に記載の発明では、盤状シール部材(21)の圧力導入孔(16)と相対する位置に、盤状シール部材(21)を貫通する連通路(21a)を設けたことを特徴としている。これは、上記請求項で説明した「圧力導入孔(16)が開口しない場合も考えられる」ことに対する別の考案で、盤状シール部材(21)の圧力導入孔(16)に相対する個所に、連通路(21a)を設けたものである。この請求項に記載の発明によれば、連通路(21a)により圧縮室圧力で盤状シール部材(21)が圧力導入孔(16)に押し付けられ閉鎖されてしまうのを防止することができる。
また、請求項1に記載の発明では、盤状シール部材(21)の厚み(H1)は、それが嵌合する窪み(6f)の深さ(H2)よりも厚いことを特徴としている。図6は盤状シール部材(21)の厚みと、これが嵌合する窪み(6f)の深さとの寸法関係を示すもので、盤状シール部材(21)の厚み(H1)は窪み(6f)の深さ(H2)よりも図中ΔHで示す如く、僅かに厚いことが好ましい。この請求項1に記載の発明によれば、スクロール歯先端が歯底に接触し、金属同士の摺接となる事を回避することができる。ΔHの好ましい寸法例としては、例えば5μm〜100μm程度であり、圧縮機100の排除容積や作動流体などにより異なる。
また、請求項1に記載の発明では、背圧室(19)の一部を構成するミドルハウジング(4)のスラスト受け面に、圧力供給経路(24)からの高圧流体が背圧室(19)全面に均一に行き渡らせるための背圧導入溝(25)を設けると共に、圧力供給経路(24)は背圧導入溝(25)内に開口していることを特徴としている。背圧は背圧室面に均一に行き渡るのが好ましい。この請求項1に記載の発明によれば、ドーナツ状の背圧室面に応じてリング状の背圧導入溝(25)を設け、その一箇所に圧力供給経路(24)を開口させることにより、背圧を背圧室面に均一に行き渡ることができる。
また、請求項1に記載の発明では、背圧逃し孔(26)は背圧室(19)に開口し、低圧部に連通する連通路であることを特徴としている。この請求項1に記載の発明によれば、背圧逃し孔(26)は、例えば背圧室(19)面からミドルハウジング(4)の内側空間に貫通する孔を開けるだけで良く、容易に形成することができる。
また、請求項1に記載の発明では、背圧逃し孔(26)を複数設けたことを特徴としている。背圧逃し孔(26)は背圧室面に適当に分布させて複数設けるのが好ましい。この請求項1に記載の発明によれば、旋回スクロール(6)の鏡板背面とミドルハウジング(4)のスラスト受け面の空隙が増大した所、すなわち背圧が過剰になった所の背圧逃し孔(26)の開口面積が増大するため、その背圧逃し孔(26)近傍の背圧圧力が低下する。よって、複数の背圧逃し孔(26)を分布配置することで、結局好ましい背圧圧力分布が自動的に生成されることとなる。
また、請求項14に記載の発明では、背圧逃し孔(26)の近傍に、背圧導入溝(25)、背圧逃し孔(26)のいずれにも連通しない非連通凹部(28)を設けたことを特徴としている。これは、背圧逃し孔(26)の作用を更に確実にするための考案であり、この請求項14に記載の発明によれば、背圧逃し孔(26)の開口面積が増大すると、この非連通凹部(28)の圧力が低下するため、凹部近傍の背圧を確実に低下させることができる。ちなみに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
(第1実施形態)
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明の第1実施形態におけるスクロール型圧縮機100の縦断面図である。冷凍サイクルでの冷媒圧縮に適用した例であり、冷凍サイクルの他の構成機器は図1に模式図で示す。200は圧縮機100から吐出する高温高圧の冷媒から放熱するための放熱器、300は放熱器200から流出した冷媒を減圧する減圧器、400は減圧器300にて減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器、500は余剰の冷媒を貯留するアキュムレータである。
次に、圧縮機100の構造を説明する。圧縮機100は、鉄管で作った円筒ハウジング1aの両端に、同じく鉄などの金属製の上部ハウジング1bと下部ハウジング1cとを溶接で接合してハウジング(耐圧密閉容器)1を形成している。2はシャフトであって、その下端には軸心に対して所定量だけ偏心したクランク部2aが形成されている。2bはバランサであって、シャフト2に固定されているか、或いはクランク部2aの偏心量を増減させることができるように、シャフト2に対して半径方向に僅かに移動可能に嵌合されている。
3はモータ部であって、電力の供給を受けた時にシャフト2を回転駆動する。本実施形態の場合は、一体化されたハウジング1の内部にモータ3と圧縮機部分とが一体に構成されている。5aはモータ3の上部に取り付けられたフロントラジアル軸受であって、同じく下部に取り付けられたリアラジアル軸受5bと共に、シャフト2を回転可能に支持している。
6は旋回スクロールであって、概ね円板状の端板部6aと、それから軸線方向に突出するように形成されたスクロール歯(渦巻き形の羽根部)6bと、端板部6aの背面に形成された円筒状のボス部6cなどから成っている。旋回スクロール6の全体は、ボス部6cに圧入して取り付けられている旋回スクロール軸受5cを介して、シャフト2のクランク部2aによって回転可能に支持されており、シャフト2の中心軸線の回りに公転運動をする。図示しない部分に旋回スクロール6の公転運動のみを許す複数個の自転防止ピンがあって、旋回スクロール6の自転運動を阻止している。
8は固定スクロールであって、旋回スクロール6と同様な端板部8aと、スクロール歯(渦巻き形の羽根部)8bを備えていて、旋回スクロール6と噛み合うように組み付けられている。また、固定スクロール8は、モータ3と同様にハウジング1の中に挿入固定されている。旋回スクロール6のスクロール歯6bと固定スクロール8のスクロール歯8bとが噛み合うことによって、両スクロール歯6b・8bの問に軸線方向に見た時に三日月形に見える作動室11が複数個形成される。
そして、冷凍サイクルから戻って来て吸入ポート9からモータ3内を通過して吸入室10内へ導入される気体冷媒のような流体を、外周において作動室11が吸入室10に向かって開いた時に作動室11の内部へ吸入し、旋回スクロール6が公転をする間に旋回スクロール6および固定スクロール8の中心部に向かって作動室11が半径方向に移動しながら縮小することによって流体を圧縮する。
最後に作動室11が中心部の作動室に向かって開いた時に、吐出圧に達した冷媒が固定スクロール8の端板部8aに設けられた吐出孔8cを通過して、端板部8aとプレート14とで形成された吐出室13内へ吐出される。12は吐出弁であって、吐出室13内の冷媒が吐出孔8cを介して逆流しないように端板部8a上に装着されている。吐出室13内へ吐出された高圧の冷媒は、吐出室13から外部へ連通させた吐出ポート15から圧縮機外部の冷凍サイクル(放熱器200)へ向けて吐出される。
次に、本発明の要部について説明する。19は、ミドルハウジング4と旋回スクロール6と間で内外をシールリング20で仕切られてなるリング状の背圧室であって、圧縮機100の吸入ガス圧力よりも高く、吐出ガス圧力よりも低いか、もしくは同等の圧力が印加され、旋回スクロール6をその歯先方向に向かって付勢する役を担う。16は、スクロール歯6bの先端面に開口する圧力導入孔で、連通路18により背圧室19に連通している。17は、圧力導入孔16と背圧室19との間に設けられた一方向弁(一方向弁手段)で、圧力導入孔16から背圧室19側に向けてのガスの流れだけを可能にし、逆方向の流れを阻止する役を担う。
図2は、図1の構成における旋回スクロール6を下面側から見た平面図であり、本発明の要部を成す圧力導入孔16の開口位置の一例を示す。圧力導入孔16は、圧縮室のほぼ中央付近のスクロール歯6bの歯先部に開口するよう設けられている。背圧室圧力は、場合によっては吐出圧力に近い程度の高圧圧力を必要とする。一方、圧縮圧力は外周部から中央部に向かって高くなり、中央部で吐出圧力に達する。そのため圧力導入孔は圧縮室中央付近に設けている。尚、図2中の6dは、スクロール歯6bの歯先部に形成されたシール部材であるチップシールを保持するための溝である。
図3の(a)は図1要部の部分拡大縦断面図であり、旋回スクロール6と固定スクロール8とが空隙hで離れている状態を示し、(b)は旋回スクロール6と固定スクロール8とが空隙無く接している状態を示す部分拡大縦断面図である。旋回スクロール6には圧縮室圧力により、図中FCで示すスラスト力が白抜き矢印方向に向かって作用し、そのスラスト力により旋回スクロール6の鏡板背面はミドルハウジング4に押し付けられる。背圧室19は、この部分の圧力を適度に調整することで、図中FBの黒塗り矢印で示す背圧力を先のスラスト力と逆方向に発生し、旋回スクロール鏡板背面とミドルハウジング4との強い摺接を緩和する役を担う。
背圧圧力の好ましい圧力は、旋回スクロール6が固定スクロール8にも、ミドルハウジング4のスラスト受け面にも強くは摺接しない状態にあることである。本発明では背圧室19への圧力導入孔16をスクロール歯6bの歯先に設置しているため、図3(a)の状態では背圧室19に高圧圧力が導入され、背圧力FBは上昇し、旋回スクロール6を固定スクロー8側へ向かう方向に付勢するため、空隙hは縮小する方向に作動する。
そして、図3(b)に示すように、スクロール歯6b・8bの歯先が、互いに相手側の歯底に摺接するまでになると、圧力導入孔16は閉鎖されるため、それ以上の背圧の上昇はなくなる。すなわち、旋回スクロール6と固定スクロール8とが互いの歯先と歯底とで強く摺接することはない。背圧室19の圧力は、シールリング20からの僅かな漏れにより徐々に低下するが、これにより歯先に空隙が生ずると、再び背圧が導入され歯先の空隙は縮小する。
これは、吐出圧力や吸入圧力などの運転条件が変化しても同様に作動する。以上の如く、本発明では旋回スクロール6の位置情報により背圧圧力が自動的に調整されるため、複雑な圧力調整弁などを用いることなく、背圧圧力を理想的な圧力に自動調整する結果となる。
次に、本実施形態での特徴を説明する。まず、背圧室19を有するスクロール型圧縮機100において、背圧室19の圧力調整手段として、旋回スクロール6と固定スクロール8との間に有って背圧室19の圧力上昇に伴いその空隙が減少する部位に、背圧室19と連通する圧力導入孔16を開口させている。
これは、作動室11などの高圧部と背圧室19とを連通する連通路18を設け、その連通路18端に、旋回スクロール6と固定スクロール8との近接に伴い流路面積が縮小する絞り手段として、圧力導入孔16を開口させている。この請求項1に記載の発明によれば、両スクロール6・8が接近するに従い圧力導入孔16が閉じられて背圧室19への高圧流体の供給が制限され、背圧圧力の上昇が抑制されて強く押圧されることが無くなる。逆に、両スクロール6・8の間隔が開く側に変化した場合には圧力導入孔16への流路面積が拡大して背圧室19への高圧流体の供給が増大し、旋回スクロール6とハウジング1が強く摺接するのを防ぐことができる。
そして、スクロール歯先の空隙も最小限になるよう自動的に調整される。つまり、圧力調整弁など複雑な機構を用いることなく、旋回スクロール6の位置によって背圧圧力が調整される機構とすることで、運転条件の変化などに関わらず、作動上最も好ましい背圧を背圧室19に印加することができる。これにより、高い圧縮効率と信頼性に優れるスクロール型圧縮機とすることができる。
また、圧力導入孔16は、両スクロール歯6b・8bのいずれか側の先端部に設けている。これによれば、圧力導入孔16は、旋回スクロール6の歯先部に設けても、固定スクロール8の歯先部に設けても全く同じ作動を得ることができる。また、上記したように、旋回スクロール6と固定スクロール8との間に有って背圧室19の圧力上昇に伴いその空隙が減少する部位であれば歯先に限らず、常に歯先が摺接している歯底が有るような諸元のスクロールにおいては、その歯底に設けても良い。
また、圧力導入孔16と背圧室19との間に、背圧室19側への流体流れのみを許容する一方向弁(一方向弁手段)17を設けている。一方向弁17は、例えば図3に示すように、弁となるボール17aと、そのボール17aを流路が閉じる方向に付勢するスプリング17bとで構成する。
これは、圧力導入孔16付近の圧縮流体圧力は、旋回スクロール6一回転中を一周期としての圧力変動を有する。このため、一旦背圧室19に流入した圧縮流体が作動室11側に逆流する現象が生じ、これは圧縮機100としての圧縮効率の低下をもたらす。よってこれによれば、連通路18に設けた一方向弁17はこの逆流を防止し、効率低下を防ぐ役を担う。尚、この一方向弁17は必要に応じて配設して、圧縮機100の諸元、特にスクロールの巻き数などが多い場合には圧力変動も小さいため、一方向弁17なしで構成することも可能である。
(第2実施形態)
以下の第2〜第5実施形態で、歯先部に設ける圧力導入孔16部分の構造について、各種具体的実施例を示す。まず図4は、本発明の第2実施形態を示し、(a)は旋回スクロール6中心部の部分拡大平面図、(b)(c)は旋回スクロール6中心部の部分拡大縦断面図であり、歯先に空隙のある状態と、空隙がなく圧力導入孔16が閉鎖された時の状態とを示す。
本実施形態での特徴を説明すると、まず、圧力導入孔16を複数設けて連通させている。スクロール型圧縮機100はその構成上、旋回スクロール6にはそれを傾けようとする力、すなわち傾転力が作用する。そのため圧力導入孔16が一つの場合、その孔が閉鎖されたとしても旋回スクロール6が傾斜していて、他の部分の歯先には空隙が生じている場合がある。
本発明はこれを回避するための考案で、複数の圧力導入孔16を設けている。これによれば、各圧力導入孔16の孔近傍に設けた一方向弁17を介し、互いに連通路18で連通し背圧室19に導かれる。本構成とすることにより、全ての圧力導入孔16が閉鎖されるまで背圧室圧力が上昇するため、結果として旋回スクロール6は固定スクロール8に空隙なく摺接する。
また、圧力導入孔16は、両スクロール歯6b・8bの先端部に設けられているシール部材溝6d内に開口させている。これは、圧力導入孔16をシール部材溝6d内に設置して、シール部材であるチップシール7の底面で圧力導入孔16を閉鎖するように構成したものである。上述した実施形態においてはシール部材が金属であるため、実質シールをするためには比較的強い摺接が必要で有るのに対し、これによれば、樹脂製のチップシール7をシール部材とするため、弱い摺接でシールできる利点がある。
(第3実施形態)
図5は、本発明の第3実施形態を示し、(a)は旋回スクロール6中心部の部分拡大平面図、(b)(c)は旋回スクロール6中心部の部分拡大縦断面図であり、歯先に空隙のある状態と、空隙がなく圧力導入孔16が閉鎖された時の状態とを示す。本実施形態での特徴を説明すると、圧力導入孔16の先端側に盤状シール部材21を設け、圧力導入孔16が盤状シール部材21でシールされる構造としている。これは、専用のシール部材を用いる例で、樹脂製の円盤状シール部材21を用いている。効果は上記した第2実施形態と同様であるが、これによれば、専用シール部材とすることで保持する窪み6fの孔位置・径やシール性等の設計の自由度を高めることができる。
(第4実施形態)
図6は、本発明の第4実施形態を示し、(a)は旋回スクロール6中心部の部分拡大平面図、(b)(c)は旋回スクロール6中心部の部分拡大縦断面図であり、歯先に空隙のある状態と、空隙がなく圧力導入孔16が閉鎖された時の状態とを示す。
本実施形態での特徴を説明すると、圧力導入孔16と盤状シール部材21との間に、盤状シール部材21を圧力導入孔16開口面より離れる側に付勢する付勢部材22を設けている。これは、盤状シール部材21の背面に、スプリング(付勢部材)22などを設置したものである。上述した第3実施形態の構成においては、スクロールの歯先部に空隙が生じた場合にも、背圧室圧力よりも高い圧縮室圧力により盤状シール部材21が圧力導入孔16側に付勢され、圧力導入孔16が開口しない場合も考えられるが、これによれば、スプリング22により空隙がある場合には確実に開口するようにしたものである。
(第5実施形態)
図7は、本発明の第5実施形態を示し、(a)は旋回スクロール6中心部の部分拡大平面図、(b)(c)は旋回スクロール6中心部の部分拡大縦断面図であり、歯先に空隙のある状態と、空隙がなく圧力導入孔16が閉鎖された時の状態とを示す。また図8は、図7(c)中の旋回スクロール6中心部を更に拡大して示す部分縦断面図である。
本実施形態での特徴を説明すると、まず、盤状シール部材21の圧力導入孔16と相対する位置に、盤状シール部材21を貫通する小孔(連通路)21aを設けている。これは、上記第4実施形態で説明した「圧力導入孔16が開口しない場合も考えられる」ことに対する別の考案で、盤状シール部材21の圧力導入孔16に相対する個所に、小孔21aを設けたものである。これによれば、小孔21aにより圧縮室圧力で盤状シール部材21が圧力導入孔16に押し付けられ閉鎖されてしまうのを防止することができる。
また、盤状シール部材21の厚みH1は、それが嵌合する窪み6fの深さH2よりも厚くしている。図8は盤状シール部材21の厚みと、これが嵌合する窪み6fの深さとの寸法関係を示すもので、盤状シール部材21の厚みH1は窪み6fの深さH2よりも図中ΔHで示す如く、僅かに厚いことが好ましい。これによれば、スクロール歯先端が歯底に接触し、金属同士の摺接となる事を回避することができる。ΔHの好ましい寸法例としては、例えば5μm〜100μm程度であり、圧縮機100の排除容積や作動流体などにより異なる。尚、第2実施形態のチップシール7の厚みについても同様である。
(第6実施形態)
図9は、本発明の第6実施形態におけるスクロール型圧縮機100の縦断面図であり、図10の(a)は、図9の構成におけるミドルハウジング4の縦断面図であり、(b)は、(a)のミドルハウジング4を下面側から見た平面図である。背圧室19には高圧の吐出ガス、もしくは高圧の吐出ガスからオイルセパレータなどにより分離された高圧の潤滑油が、オリフィスやキャピラリチューブなどの流量絞り手段600を介し、背圧ポート23から圧力供給経路24経て供給される。26は、シール部材20で囲まれた背圧室19中に開口して吸入圧力雰囲気などの低圧側に連通する背圧逃し孔である。
旋回スクロール6に加わるスラスト力が減少した場合、旋回スクロール6の鏡板背面はミドルハウジング4のスラスト受け面から離反し、固定スクロール8側に移動して行く。つまり、旋回スクロール6とミドルハウジング4との間隙が増大するが、これと共に背圧逃し孔26の開口面積が増大し、逃し穴を通っての高圧ガス、もしくは高圧潤滑油の低圧側への流出量が増大する。
一方高圧側と背圧室19の間には流量絞り手段600が介在するため、背圧室19への高圧流体の供給は制限され、流量絞り手段600での圧力降下により背圧室圧力は低下する。この結果、旋回スクロール6が固定スクロール8に強く摺接することが防止される。逆に、スラスト力の増大などにより旋回スクロール6の鏡板背面がミドルハウジング4のスラスト受け面に近接すると、背圧逃し孔26の開口面積は急激に縮小するため、低圧側への流出量が減少、すなわち背圧逃し孔26を通過する流体の流量が減少し、背圧逃し孔26での圧力損失が減少する。
結果として背圧室圧力は上昇し旋回スクロール6とミドルハウジング4が強く摺接することが防止される。まとめて言うならば、背圧供給側に流量絞り手段600を挿入すると共に、背圧逃し穴26を設けるという簡単な手段で、スラスト力に応じて背圧圧力が適正に制御できるという作用を生みだすことができる。
次に、本実施形態での特徴を説明する。まず、背圧室19を有するスクロール型圧縮機100において、背圧室19には、高圧側より流量絞り手段600を介して高圧流体が供給される圧力供給経路24を連通させると共に、旋回スクロール6が固定スクロール8側へ移動する伴いその空隙が増大する部位に、背圧室19内の高圧流体を低圧部に流出させるための背圧逃し孔26を開口させている。
これは、背圧室19と吸入側などの低圧部とを連通する連通路27を設け、その途中に、旋回スクロール6の鏡板背面とミドルハウジング4のスラスト荷重支持面との間隙の増大に伴い、その流路面積が拡大する絞り手段として、背圧室19から低圧部に連通する背圧逃し孔26を背圧室19内に開口している。
これによれば、背圧室19の圧力が増大し、もしくはスラスト力が減少し、旋回スクロール6が固定スクロール8側に変位した場合、背圧逃し孔26からの流体(具体的にはガス、もしくは潤滑油)の流出が増大し、背圧室19の圧力は低下するため、旋回スクロール6と固定スクロール8とで強い摺接が発生することがない。逆に、背圧室19の圧力が減少し、もしくはスラスト力が増大し、旋回スクロール6とミドルハウジング1が近接してきた場合には、背圧逃し孔26からの流出が低下し、背圧圧力が上昇するため、旋回スクロール6とミドルハウジング1との強い摺接は防止される。
つまり、圧力調整弁など複雑な機構を用いることなく、旋回スクロール6の位置によって背圧圧力が調整される機構とすることで、運転条件の変化などに関わらず、作動上最も好ましい背圧を背圧室(19)に印加することができる。これにより、高い圧縮効率と信頼性に優れるスクロール型圧縮機とすることができる。
また、背圧室19の一部を構成するミドルハウジング4のスラスト受け面に、圧力供給経路24からの高圧流体が背圧室19全面に均一に行き渡らせるための背圧導入溝25を設けると共に、圧力供給経路24は背圧導入溝25内に開口している。背圧は背圧室面に均一に行き渡るのが好ましい。これによれば、ドーナツ状の背圧室面に応じてリング状の背圧導入溝25を設け、その一箇所に圧力供給経路24を開口させることにより、背圧を背圧室面に均一に行き渡ることができる。
また、背圧逃し孔26は背圧室19に開口し、低圧部に連通する連通路である。これによれば、背圧逃し孔26は、例えば背圧室19面からミドルハウジング4の内側空間に貫通する孔を開けるだけで良く、容易に形成することができる。
また、背圧逃し孔26を複数設けている。背圧逃し孔26は背圧室面に適当に分布させて複数設けるのが好ましい。これによれば、旋回スクロール6の鏡板背面とミドルハウジング4のスラスト受け面の空隙が増大した所、すなわち背圧が過剰になった所の背圧逃し孔26の開口面積が増大するため、その背圧逃し孔26近傍の背圧圧力が低下する。よって、複数の背圧逃し孔26を分布配置することで、結局好ましい背圧圧力分布が自動的に生成されることとなる。
(第7実施形態)
図11(a)は、本発明の第7実施形態におけるミドルハウジング4を下面側から見た平面図であり、(b)は、(a)と違う例を示すミドルハウジング4を下面側から見た部分拡大平面図である。本実施形態での特徴を説明すると、背圧逃し孔26の近傍に、圧力導入孔16・背圧導入溝25・背圧逃し孔26のいずれにも連通しない非連通凹部28を設けている。これは、背圧逃し孔26の作用を更に確実にするための考案であり、これによれば、背圧逃し孔26の開口面積が増大すると、この非連通凹部28の圧力が低下するため、凹部近傍の背圧を確実に低下させることができる。
尚、図11(b)は、非連通凹部28の別形状の実施例で、背圧逃し孔26をとり囲むリング状とした形状例を示す。この形状とすることにより、リング状の部分の背圧を確実に低下させることが可能となる。
(第8実施形態)
図12は、本発明の第8実施形態におけるスクロール型圧縮機100の縦断面図である。本実施形態においては、旋回スクロール6の歯先部より高圧ガスを背圧室19に導入する経路を有すると共に、背圧室19には背圧逃し穴26を設けている。本構成とすることにより、背圧圧力が上昇し旋回スクロール6が固定スクロール8側に移動すると、歯先部の圧力導入孔16は絞られるため導入ガス流量は減少する。これと同時に旋回スクロール6の鏡板背面とミドルハウジング4のスラスト受け面の間隔が増大するため、背圧逃し孔26の開口面積が増大し逃し流量が増加する。
すなわち、旋回スクロール6が固定スクロール8側に変位すると背圧圧力は低下する側に変化する。またまったく逆の作動で、旋回スクロール6がミドルハウジング4側に変位すると背圧圧力は上昇する側に変化する。以上述べた如く、旋回スクロール6が固定スクロール8側に変位した時、背圧室19への高圧ガスの流入を制限する絞り手段としての圧力導入孔16と、背圧室19からの背圧逃し流量を増大させる絞り手段としての背圧逃し孔26との両方を備えることにより、背圧圧力を速やかに適正圧力に自動的に調整することができる。
次に、本実施形態での特徴を説明する。まず、背圧室19を有するスクロール型圧縮機100において、背圧室19の圧力調整手段として、旋回スクロール6と固定スクロール8との間に有って背圧室19の圧力上昇に伴いその空隙が減少する部位に、背圧室19と連通する圧力導入孔16を開口させると共に、旋回スクロール6が固定スクロール8側へ移動する伴いその空隙が増大する部位に、背圧室19内の高圧流体を低圧部に流出させるための背圧逃し孔26を開口させている。
これは、作動室11などの高圧部と背圧室19とを連通する連通路18を設け、その途中に、旋回スクロール6と固定スクロール8との近接に伴い流路面積が縮小する絞り手段として、圧力導入孔16を開口させると共に、背圧室19と吸入側などの低圧部とを連通する連通路27を設け、その途中に、旋回スクロール6の鏡板背面とミドルハウジング4のスラスト荷重支持面との間隙の増大に伴い、その流路面積が拡大する絞り手段として、背圧室19から低圧部に連通する背圧逃し孔26を背圧室19内に開口している。
上述した第1実施形態と第6実施形態の効果説明より明らかな如く、これによれば、両機構を併せ持つことで、旋回スクロール6の僅かなスラスト方向変位にも敏感に背圧圧力を変化させることができ、広範な運転条件の変化(スラスト力の変化)に対しても適正な背圧を得ることができる。
すなわち、旋回スクロール6と固定スクロール8とが近接する側に状態が変化した場合には、背圧室19への高圧流体の供給が抑制されると共に、背圧室19からの流体流出量が増大して背圧圧力を速やかに低下できる。逆に、旋回スクロール6が固定スクロール8から離れてミドルハウジング4と近接する側に状態が変化した場合には、背圧室19への高圧流体の供給が増大すると共に、背圧室19からの流体流出量が抑制されて背圧圧力を速やかに上昇できる。
つまり、圧力調整弁など複雑な機構を用いることなく、旋回スクロール6の位置によって背圧圧力が調整される機構とすることで、運転条件の変化などに関わらず、作動上最も好ましい背圧を背圧室19に印加することができる。これにより、高い圧縮効率と信頼性に優れるスクロール型圧縮機とすることができる。
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、ハウジング1に直接に取り付けられたモータ3によってシャフト2が回転駆動される、いわゆるモータ直結型として構成されているが、本発明はこれに限られるものではなく、車両に搭載された内燃機関のような外部の原動機によってシャフト2が回転駆動される、いわゆる外部駆動型として構成しても良い。
また、上述の実施形態では、圧縮する流体は冷凍サイクル内を流れる冷媒で、いわゆる冷媒圧縮機となっており、しかも、圧縮された後の冷媒の圧力が冷媒の臨界圧力以上の圧力となるように設定されているものに適用するのが本発明のスクロール型圧縮機の好適な用途の一つであるが、本発明はこれに限られるものではなく、冷媒以外の流体の圧縮や臨界圧力未満の圧縮に本発明のスクロール型圧縮機を適用しても良い。
本発明の第1実施形態におけるスクロール型圧縮機100の縦断面図である。 図1の構成における旋回スクロール6を下面側から見た平面図である。 (a)は図1要部の部分拡大縦断面図であり、旋回スクロール6と固定スクロール8とが空隙hで離れている状態を示し、(b)は旋回スクロール6と固定スクロール8とが空隙無く接している状態を示す部分拡大縦断面図である。 本発明の第2実施形態を示し、(a)は旋回スクロール6中心部の部分拡大平面図、(b)(c)は旋回スクロール6中心部の部分拡大縦断面図である。 本発明の第3実施形態を示し、(a)は旋回スクロール6中心部の部分拡大平面図、(b)(c)は旋回スクロール6中心部の部分拡大縦断面図である。 本発明の第4実施形態を示し、(a)は旋回スクロール6中心部の部分拡大平面図、(b)(c)は旋回スクロール6中心部の部分拡大縦断面図である。 本発明の第5実施形態を示し、(a)は旋回スクロール6中心部の部分拡大平面図、(b)(c)は旋回スクロール6中心部の部分拡大縦断面図である。 図7(c)中の旋回スクロール6中心部を更に拡大して示す部分縦断面図である。 本発明の第6実施形態におけるスクロール型圧縮機100の縦断面図である。 (a)は図9の構成におけるミドルハウジング4の縦断面図であり、(b)は(a)のミドルハウジング4を下面側から見た平面図である。 (a)は本発明の第7実施形態におけるミドルハウジング4を下面側から見た平面図であり、(b)は(a)と違う例を示すミドルハウジング4を下面側から見た部分拡大平面図である。 本発明の第8実施形態におけるスクロール型圧縮機100の縦断面図である。
符号の説明
1 ハウジング
2 シャフト
2a クランク部
4 ミドルハウジング
6 旋回スクロール
6a 端板部
6b スクロール歯(渦巻き形の羽根部)
6d チップシール溝(シール部材溝)
6f 窪み
8 固定スクロール
8a 端板部
8b スクロール歯(渦巻き形の羽根部)
11 作動室
16 圧力導入孔
17 一方向弁(一方向弁手段)
19 背圧室
21 盤状シール部材
21a 連通路
22 スプリング(付勢部材)
24 圧力供給経路
25 背圧導入溝
26 背圧逃し孔
28 非連通凹部
600 オリフィス、キャピラリチューブ(流量絞り手段)
H1 盤状シール部材の厚み
H2 窪みの深さ

Claims (14)

  1. ハウジング(1)と、
    前記ハウジング(1)によって軸支されると共に一部に偏心したクランク部(2a)を有するシャフト(2)と、
    端板部(6a)及び渦巻き形の羽根部(6b)を有し前記クランク部(2a)によって駆動されることにより公転運動をする旋回スクロール(6)と、
    端板部(8a)および前記旋回スクロール(6)と噛み合う渦巻き形の羽根部(8b)を有すると共に前記ハウジング(1)に固定された固定スクロール(8)とを備え、
    前記旋回スクロール(6)が前記公転運動をする時に、前記両羽根部(6b、8b)間に形成される複数個の作動室(11)が外周部から中心部に向かって移動するに、前記作動室(11)の容積が連続的に縮小することにより前記作動室(11)内において流体を圧縮するスクロール型圧縮機であり、
    前記作動室(11)内の流体の圧縮圧力が上昇するのに伴って前記旋回スクロール(6)に作用する前記シャフト(2)の軸線方向のスラスト力を支持するために、前記旋回スクロール(6)の背後に前記ハウジング(1)の一部として設けられたミドルハウジング(4)と、
    前記旋回スクロール(6)の端板部(6a)の背面と、それに対向してそれを支持している前記ミドルハウジング(4)の表面とのいずれか一方に形成された背圧室(19)を有するスクロール型圧縮機において、
    前記背圧室(19)には、高圧側より流量絞り手段(600)を介して高圧流体が供給される圧力供給経路(24)を連通させると共に、前記旋回スクロール(6)が前記固定スクロール(8)側へ移動するに伴いその空隙が増大する部位に、前記背圧室(19)内の高圧流体を低圧部に流出させるための背圧逃し孔(26)を開口させたことを特徴とするスクロール型圧縮機。
  2. ハウジング(1)と、
    前記ハウジング(1)によって軸支されると共に一部に偏心したクランク部(2a)を有するシャフト(2)と、
    端板部(6a)及び渦巻き形の羽根部(6b)を有し前記クランク部(2a)によって駆動されることにより公転運動をする旋回スクロール(6)と、
    端板部(8a)および前記旋回スクロール(6)と噛み合う渦巻き形の羽根部(8b)を有すると共に前記ハウジング(1)に固定された固定スクロール(8)とを備え、
    前記旋回スクロール(6)が前記公転運動をする時に、前記両羽根部(6b、8b)間に形成される複数個の作動室(11)が外周部から中心部に向かって移動するに、前記作動室(11)の容積が連続的に縮小することにより前記作動室(11)内において流体を圧縮するスクロール型圧縮機であり、
    前記作動室(11)内の流体の圧縮圧力が上昇するのに伴って前記旋回スクロール(6)に作用する前記シャフト(2)の軸線方向のスラスト力を支持するために、前記旋回スクロール(6)の背後に前記ハウジング(1)の一部として設けられたミドルハウジング(4)と、
    前記旋回スクロール(6)の端板部(6a)の背面と、それに対向してそれを支持している前記ミドルハウジング(4)の表面とのいずれか一方に形成された背圧室(19)を有するスクロール型圧縮機において、
    前記背圧室(19)の圧力調整手段として、前記旋回スクロール(6)と前記固定スクロール(8)との間に有って前記背圧室(19)の圧力上昇に伴いその空隙が減少する部位に、前記背圧室(19)と連通する圧力導入孔(16)を開口させると共に、前記旋回スクロール(6)が前記固定スクロール(8)側へ移動するに伴いその空隙が増大する部位に、前記背圧室(19)内の高圧流体を低圧部に流出させるための背圧逃し孔(26)を開口させたことを特徴とするスクロール型圧縮機。
  3. 前記圧力導入孔(16)は、前記両羽根部(6b、8b)のいずれか側の先端部に設けたことを特徴とする請求項2に記載のスクロール型圧縮機。
  4. 前記圧力導入孔(16)と前記背圧室(19)との間に、前記背圧室(19)側への流体流れのみを許容する一方向弁手段(17)を設けたことを特徴とする請求項2に記載のスクロール型圧縮機。
  5. 前記圧力導入孔(16)を複数設けて連通させたことを特徴とする請求項2に記載のスクロール型圧縮機。
  6. 前記圧力導入孔(16)は、前記両羽根部(6b、8b)の先端部に設けられているシール部材溝(6d)内に開口させたことを特徴とする請求項2に記載のスクロール型圧縮機。
  7. 前記圧力導入孔(16)の先端側に盤状シール部材(21)を設け、前記圧力導入孔(16)が前記盤状シール部材(21)でシールされる構造としたことを特徴とする請求項2に記載のスクロール型圧縮機。
  8. 前記圧力導入孔(16)と前記盤状シール部材(21)との間に、前記盤状シール部材(21)を前記圧力導入孔(16)開口面より離れる側に付勢する付勢部材(22)を設けたことを特徴とする請求項7に記載のスクロール型圧縮機。
  9. 前記盤状シール部材(21)の前記圧力導入孔(16)と相対する位置に、前記盤状シール部材(21)を貫通する連通路(21a)を設けたことを特徴とする請求項7または8に記載のスクロール型圧縮機。
  10. 前記盤状シール部材(21)の厚み(H1)は、それが嵌合する窪み(6f)の深さ(H2)よりも厚いことを特徴とする請求項7ないし9のいずれかに記載のスクロール型圧縮機。
  11. 前記背圧室(19)の一部を構成する前記ミドルハウジング(4)のスラスト受け面に、前記圧力供給経路(24)からの前記高圧流体が前記背圧室(19)全面に均一に行き渡らせるための背圧導入溝(25)を設けると共に、前記圧力供給経路(24)は前記背圧導入溝(25)内に開口していることを特徴とする請求項1に記載のスクロール型圧縮機。
  12. 前記背圧逃し孔(26)は前記背圧室(19)に開口し、低圧部に連通する連通路であることを特徴とする請求項1または2に記載のスクロール型圧縮機。
  13. 前記背圧逃し孔(26)を複数設けたことを特徴とする請求項1または2に記載のスクロール型圧縮機。
  14. 前記背圧逃し孔(26)の近傍に、前記背圧導入溝(25)、前記背圧逃し孔(26)のいずれにも連通しない非連通凹部(28)を設けたことを特徴とする請求項11に記載のスクロール型圧縮機。
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