JP4156487B2 - 結露水吸収体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、建物のガラス、窓枠、壁面等のように結露が生じる面、即ち、結露発生面に吸着、剥離を繰り返して行うことができ、発生した結露水を吸収、除去することができる結露水吸収体に関する。
冬場には、室内外の温度差が原因となって室内側のガラス面に結露水が生じ、このような場合には、布でガラス面を拭いて結露水を布に吸収させて除去していた。このようにガラス面に結露水が発生する度にガラス面を布で拭くのは面倒であることから、特許文献1に示したように、繊維径が0.1デニール以下である織布又は不織布の片面に粘着剤層を設けた結露防止用シートが提案されている。
そして、上記結露防止用シートは、その粘着剤層によってガラス面の下端部に貼着させて用いられ、ガラス面に発生し、自重により落下してきた結露水を吸収、除去する。
しかしながら、上記結露防止用シートは、その粘着剤層によってガラス面に貼着した後は剥がすことなく長期間に亘ってガラス面に貼着させて用いられるものであって、この結露防止用シートの不織布内に吸収された水分は、ガラス面に貼着させた状態で自然乾燥させることによって蒸発、除去させて、結露防止用シートにおける不織布の結露水の吸収能力を再生させていた。
従って、ガラス面に発生した結露水の量が多くて、結露水の量が結露防止用シートにおける不織布の結露水の吸収許容量を短時間のうちに越えてしまった場合には、結露防止用シートの不織布が結露水をもはや吸収できない状態となって、ガラス面上の結露水を吸収することができずにガラス面に結露水が溜まってしまうといった問題点があった。
そこで、結露防止用シートをガラス面から一旦、剥離し、結露防止用シートを絞る等して、結露防止用シートの不織布内に吸収された結露水を積極的に除去することも考えられるが、結露防止用シートを絞ると、粘着剤層同士がひっついてしまって再使用することができず、仮に、結露防止用シートの粘着剤層同士がひっつかないように不織布内の結露水を除去できたとしても、一度、ガラス面から剥離させた粘着剤層の粘着力は大きく低下し、再度、結露防止用シートをガラス面に貼着させて使用させようとしても、すぐにガラス面から剥離してしまうといった問題点があった。
特開平6−57831号公報(特許請求の範囲)
本発明は、建物のガラス面、窓枠、壁面等の結露発生面に繰り返して貼着、剥離して用いることができると共に吸収した結露水を簡単に除去して再生させることができる結露水吸収体及びその製造方法を提供する。
請求項1に記載の結露水吸収体は、結露発生面に吸着、剥離を繰り返して行うことができる吸着発泡シートの一面に、結露発生面で発生した結露水を吸収し且つレーヨン及び熱接着性繊維を含有する不織布を形態安定シートを介して積層一体化してなる結露水吸収体であって、上記レーヨン及び上記熱接着性繊維を上記形態安定シートを貫通させて上記形態安定シートから突出させてあり、この突出したレーヨン及び熱接着性繊維を上記吸着発泡シート内に埋没させていることを特徴とする。
又、請求項2に記載の結露水吸収体は、請求項1に記載の結露水吸収体において、不織布のレーヨン及び熱接着性繊維がニードルパンチによって形態安定シートに貫通させられていることを特徴とする
そして、請求項3に記載の結露水吸収体は、請求項に記載の結露水吸収体において、吸着発泡シートは、その表面に開口した無数の気泡を有しており、結露発生面に押しつけて気泡内の空気を排除して気泡内を減圧状態とすることによって上記結露発生面に剥離可能に吸着することを特徴とする
更に、請求項4に記載の結露水吸収体は、請求項に記載の結露水吸収体において、形態安定シートは、ポリエチレンテレフタレート繊維又はポリオレフィン系樹脂繊維からなるスパンボンド不織布であることを特徴とする。
又、請求項5に記載の結露水吸収体の製造方法は、レーヨン及び熱接着性繊維を含むカードウェブを形態安定シート上に積層して積層体を形成し、この積層体にニードルパンチを施して上記レーヨン及び上記熱接着性繊維を上記形態安定シートに貫通させて上記形態安定シートから突出させて積層不織布を製造し、この積層不織布の形態安定シート上に発泡合成樹脂エマルジョンを塗布、乾燥させることによって、上記形態安定シート上に吸着発泡シートを積層一体化させると共に、上記吸着発泡シート内に上記形態安定シートから突出させたレーヨン及び熱接着性繊維を埋没させた状態とすることを特徴とする。
最後に、請求項6に記載の結露水吸収体の製造方法は、請求項5に記載の結露水吸収体の製造方法において、形態安定シートがポリエチレンテレフタレート繊維又はポリオレフィン系樹脂繊維からなるスパンボンド不織布であることを特徴とする。
本発明の結露水吸収体は、粘着剤を用いることなく、その吸着発泡シートを結露発生面に直接、貼着、剥離させて繰り返して用いることができることから、使用しているうちに、不織布が吸収した結露水量が、不織布の吸収可能な結露水量を越えた場合には、結露水吸収体を結露発生面から一旦、剥離し、結露水吸収体を絞る等することによって、不織布内に吸収した結露水を除去して不織布の結露水吸収能力を回復させた上で、再度、結露水吸収体をその吸着発泡シートによって結露発生面に貼着させて、結露発生面に発生した結露水を継続的に且つ効果的に吸収、除去することができる。
このように、本発明の結露水吸収体は、その吸着発泡シートによって結露発生面に貼着、剥離を繰り返すことができるので、一つの結露水吸収体を長期間に亘って繰り返して使用することができ地球環境にも優れている。
しかも、結露水吸収体の不織布及び吸着発泡シートは、結露水を吸収するにつれて膨潤して寸法変化を生じる傾向が大きいが、上記結露水吸収体では、その不織布と吸着発泡シートとの間に形態安定シートを介在させていることから、結露水を吸収しても寸法変化が生じるのを概ね抑制することができる。
従って、結露水吸収体は、寸法変化を原因とした結露発生面からの離脱といった不測の事態が殆ど生じることはなく、結露発生面に安定的に吸着して結露水を安定的に吸収することができる。
そして、不織布がレーヨン60〜95重量%及び熱接着性繊維5〜40重量%からなる場合には、熱接着性繊維による繊維同士の熱接着によって不織布の寸法安定性を確保しつつ、レーヨンによって結露水を効果的に吸収することができ、よって、結露水吸収体は、結露発生面に安定的に吸着しつつ結露水をより効果的に吸収することができる。
更に、熱接着性繊維が、芯部がポリプロピレン系樹脂で且つ鞘部がポリエチレン系樹脂である芯鞘型熱接着性繊維、芯部がポリプロピレン系樹脂で且つ鞘部がエチレン−酢酸ビニル共重合体である芯鞘型熱接着性繊維、又は、芯部がポリエチレンテレフタレートで且つ鞘部がポリオレフィン系樹脂である芯鞘型熱接着性繊維である場合には、結露水発生面に沿った状態により安定的に吸着させることができる。
又、形態安定シートがポリエチレンテレフタレート繊維又はポリオレフィン系樹脂繊維からなるスパンボンド不織布である場合には、結露水吸収体の寸法変化をより確実に抑制することができると共に、吸着発泡シートの表面が波打つのを効果的に阻止することができ、よって、結露水吸収体の結露発生面への吸着をより確実なものとすることができる。
更に、結露水吸収体の製造方法は、レーヨン及び熱接着性繊維を含有するカードウェブを形態安定シート上に積層して積層体を形成し、この積層体にニードルパンチを施して積層不織布を製造し、この積層不織布の形態安定シート上に発泡吸着シートを積層一体化させることを特徴とするので、カードウェブを構成しているレーヨン及び熱接着性繊維をニードルパンチによって交絡させて不織布に加工すると同時に形態安定シートに貫通させ、不織布と形態安定シートとを強固に積層一体化させており、得られる結露水吸収体の使用中に、不織布と形態安定シートとが分離するといったことはなく、結露水吸収体を長期間に亘って安定的に用いることができる。
又、上記結露水吸収体の製造方法において、形態安定シートがポリエチレンテレフタレート繊維又はポリオレフィン系樹脂繊維からなるスパンボンド不織布であり、このスパンボンド不織布上に発泡合成樹脂エマルジョンを塗布、乾燥させることによって、スパンボンド不織布上に発泡吸着シートを積層一体化させることを特徴とする場合には、発泡合成樹脂エマルジョンの一部をスパンボンド不織布内に含浸させると共に、発泡合成樹脂エマルジョンを乾燥させて得られる吸着発泡シート内にスパンボンド不織布からニードルパンチによって突出したレーヨン及び熱接着性繊維を埋没させることによって、スパンボンド不織布上に吸着発泡シートをより強固に積層一体化させることができる。
従って、レーヨン及び熱接着性繊維からなる不織布、形態安定シート及び吸着発泡シートを互いに強固に積層させてなる結露水吸収体を得ることができ、この結露水吸収体によれば、使用するにしたがって結露水を吸収し、継続使用するために結露水吸収体を絞って水を除去する場合にも、各層同士が剥離するといった不都合は発生せず、結露水吸収体を安定的に継続使用することができる。
本発明の結露水吸収体の一例を図面を参照しつつ説明する。本発明の結露水吸収体Aは、図1及び図2に示したように、結露発生面に吸着、剥離を繰り返して行うことができる吸着発泡シート1の一面に、結露発生面で発生した結露水を吸収し且つレーヨン及び熱接着性繊維からなる不織布2を形態安定シート3を介して積層一体化してなる。
上記吸着発泡シート1としては、建物のガラス面、窓枠、壁面等のような結露が発生する面、即ち、結露発生面Bに吸着、剥離を繰り返して行えるものであればよい。このような吸着発泡シート1としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル−(メタ)アクリロニトリル共重合体エマルジョン、ウレタン系樹脂エマルジョン、アクリル系樹脂エマルジョン、アクリル−ウレタン系樹脂エマルジョンなどの合成樹脂エマルジョンに起泡剤、必要に応じて、起泡安定剤を添加したものをミキサーなどを用いて攪拌して発泡させた後に所定厚みに所定箇所に塗布した上で乾燥させてなる吸着発泡シートが好ましく用いられる。なお、合成樹脂エマルジョンとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル−(メタ)アクリロニトリル共重合体エマルジョンが好ましく、アクリル酸アルキルエステル−アクリロニトリル共重合体エマルジョンがより好ましい。
この吸着発泡シート1は、その表面に開口した無数の気泡を有しており、結露発生面Bに押しつけて気泡内の空気を排除して気泡内を減圧状態とすることにより、吸着発泡シートを結露発生面Bに粘着剤などを用いることなく着脱自在に吸着させることができる。
上記吸着発泡シート1の発泡倍率は、小さいと、発泡シート1の柔軟性が低下して結露発生面Bに沿って密着させた状態に貼着させることができず、結露水吸収体Aが結露発生面Bから容易に剥離してしまうといった問題点が発生することがある一方、大きいと、不織布2に吸収された結露水を除去するために結露水吸収体Aを絞るなどした際に吸着発泡シート1が破損することがあるので、1.5〜4倍が好ましい。なお、上記吸着発泡シート1の発泡倍率とは、吸着発泡シート1を構成する合成樹脂の比重を吸着発泡シート1の比重で除したものをいう。
更に、上記吸着発泡シート1の厚みは、薄いと、吸着発泡シート1の機械的強度が低下し、不織布2に吸収された結露水を除去するために結露水吸収体Aを絞るなどした際に吸着発泡シート1が破損することがある一方、厚いと、結露発生面Bに発生した結露水が発泡シート1の上端面に溜まってしまい、結露水が不織布2内に円滑に吸収されないことがあるので、0.1〜2.0mmが好ましく、0.2〜1.5mmがより好ましい。
そして、上記吸着発泡シート1の一面には、結露発生面Bで発生した結露水を吸収し且つレーヨン及び熱接着性繊維からなる不織布2が形態安定シート3を介して積層一体化されている。
上記結露発生面で発生した結露水を吸収する不織布2は、レーヨン及び熱接着性繊維からなる。上記レーヨンの繊度は、細いと、吸収した結露水を除去するために結露吸収体を絞った際に、不織布2のレーヨンが抜け落ちたり或いは不織布を構成している繊維に緩みが生じたりすることがある一方、太いと、不織布2中への毛細管現象による結露水の吸収速度が遅くなって結露水を円滑に吸収することができなくなったり或いは結露水吸収体Aで結露発生面B上の結露水を拭き取る際に結露水を完全に吸収、除去することができずに結露水の拭き残りが生じることがあるので、1〜6dtexが好ましく、2〜4dtexがより好ましい。
又、不織布2中におけるレーヨンの含有量は、少ないと、結露水吸収体Aの結露水の吸収性が低下することがある一方、多いと、不織布2の寸法安定性や機械的強度が低下することがあるので、60〜95重量%が好ましく、70〜90重量%がより好ましい。
そして、上記熱接着性繊維としては、不織布2を構成する繊維同士を結着させることができれば、特に限定されず、例えば、ポリエチレン系樹脂繊維、ポリプロピレン系樹脂繊維などのポリオレフィン系樹脂繊維、ポリエチレンテレフタレート樹脂繊維などの単独繊維の他に、ポリプロピレン/ポリエチレン、ポリプロピレン/エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート/ポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン/ポリプロピレンなどの芯鞘型熱接着性繊維が挙げられ、ポリプロピレン/ポリエチレン、ポリプロピレン/エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート/ポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンテレフタレートが好ましく、ポリプロピレン/ポリエチレン、ポリプロピレン/エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート/ポリオレフィン系樹脂がより好ましく、ポリプロピレン/ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリオレフィン系樹脂が特に好ましく、ポリプロピレン/ポリエチレンが最も好ましい。更に、上記熱接着性繊維には親水加工が施されていることが好ましい。
なお、芯部がポリエチレンテレフタレートで且つ鞘部がポリオレフィン系樹脂である芯鞘型熱接着性繊維における鞘部を構成するポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などが挙げられ、ポリエチレン系樹脂が好ましい。
ここで、上記芯鞘型熱接着性繊維は、その表記中、「/」の前に記載の合成樹脂が芯部を構成する一方、「/」の後に記載の合成樹脂が鞘部を構成しており、芯部を構成する合成樹脂と鞘部を構成する合成樹脂とが同一種類の合成樹脂の場合には、鞘部を構成する合成樹脂の軟化点が、芯部を構成する合成樹脂の軟化点よりも低い温度となるように調整しておく必要がある。
又、上記熱接着性繊維は、上述の通り、不織布を構成する繊維同士を互いに結着させること、特に、レーヨンの交絡を強固にすることにあり、この観点から、熱接着性繊維の繊度は、レーヨンの繊度に近いことが好ましく、具体的には、1〜6dtexが好ましい。
更に、上記不織布2中における熱接着性繊維の含有量は、少ないと、不織布2の寸法安定性や機械的強度が低下することがある一方、多いと、結露水吸収体Aの結露水の吸収性が低下することがあるので、5〜40重量%が好ましく、10〜30重量%がより好ましい。
加えて、上記不織布2の目付は、小さいと、結露水吸収体Aの結露吸収性が低下することがある一方、大きいと、結露水吸収体を窓ガラス面に吸着させて用いた際に窓の開閉に支障が生じることがあるので、150〜350g/m2 が好ましく、200〜300g/m2 がより好ましい。
なお、上記不織布2には、物性を損なわない範囲内において、レーヨン及び熱接着性繊維の他に、従来から不織布を構成するのに汎用されている繊維を含有させてもよい。
そして、上記結露水吸収体Aでは、その吸着発泡シート1と不織布2との間に形態安定シート3を介在させているが、これは下記理由による。不織布2は、結露水を吸収するにつれて膨潤し或いは波打つ傾向があり、この不織布2の膨潤又は波打ちが吸着発泡シート1に伝達されると、吸着発泡シートが変形したり或いは吸着発泡シートの表面が波打つなどして結露発生面Bへの吸着性が低下する。
そこで、上記結露水吸着体Aでは、その吸着発泡シート1と不織布2との間に形態安定シート3を介在させることによって、不織布2が結露水を吸収することによる膨潤又は波打ちが吸着発泡シート1に伝達されるのを概ね防止し、吸着発泡シート1の結露発生面Bに対する吸着性の低下を防止している。
このような形態安定シート3としては、不織布2の膨潤又は波打ちが吸着発泡シート1に伝達し、吸着発泡シート1の結露発生面Bに対する吸着性が低下するのを防止することができるものであれば、特に限定されず、例えば、スパンボンド不織布などの不織布、寒冷紗などの織物、割布などの編物などが挙げられ、スパンボンド不織布が好ましく、ポリエチレンテフタレート繊維又はポリオレフィン系樹脂繊維からなるスパンボンド不織布がより好ましい。なお、上記ポリオレフィン系樹脂繊維としては、ポリエチレン系樹脂繊維、ポリプロピレン系樹脂繊維などが挙げられる。
上記スパンボンド不織布3の目付は、小さいと、不織布2の膨潤又は波打ちが吸着発泡シート1に伝達されてしまい、結露水吸着体Aの結露水発生面Bに対する吸着性が低下することがある一方、大きいと、結露水吸着体Aを絞った際にスパンボンド不織布3の表面に皺が発生し、この皺が原因となって吸着発泡シート1の結露発生面に対する吸着性が低下したり、或いは、スパンボンド不織布3の厚みが厚くなって、結露発生面Bで発生した結露水がスパンボンド不織布3の上面に溜まってしまい、不織布2に吸収されないといった事態が発生することがあるので、10〜40g/m2 が好ましく、13〜30g/m2 がより好ましい。
次に、上記結露水吸収体Aの製造方法について説明する。先ず、レーヨン及び熱接着性繊維を混合してカード機に供給してカーディングし、カード機から所望目付のカードウェブを連続的に排出し、このカードウェブを別途作製した長尺状の形態安定シート、好ましくは、長尺状のスパンボンド不織布上に供給し積層して長尺状の積層体を製造する。
続いて、この積層体にニードルパンチを施し、レーヨン及び熱接着性繊維同士を交絡させて不織布とすると共に、レーヨン及び熱接着性繊維を形態安定シートに貫通させて形態安定シートの下面からレーヨン及び熱接着性繊維の一部が突出した状態とした後、加熱炉に供給するなどして熱接着性繊維の熱接着成分の軟化点よりも高い温度に加熱し、熱接着性繊維によって繊維同士を結着させた後、一対のカレンダーロール間に供給して表面を平滑にして、形態安定シート3上に不織布2が積層一体化されてなる長尺状の積層不織布を製造する。
一方、合成樹脂エマルジョンに起泡剤、必要に応じて、起泡安定剤を添加したものをミキサーなどを用いて攪拌して発泡させて発泡合成樹脂エマルジョンを作製する。
次に、上記積層不織布の形態安定シート3上に発泡合成樹脂エマルジョンをスクレイパーを用いて厚みを調整しつつ塗布した後、積層不織布を乾燥炉に供給して乾燥させ、積層不織布の形態安定シート3上に吸着発泡シート1を積層一体化させて結露水吸収体Aを製造する。
このようにして得られた吸着発泡シート1の表面には、無数の気泡が表面に開口した状態に形成されており、この吸着発泡シート1は、該吸着発泡シート1を結露発生面Bに押しつけることによって気泡内の空気を排除し減圧状態とすることによって結露発生面Bに吸着させることができる一方、吸着発泡シート1を結露発生面Bから剥離させるには、吸着発泡シート1を手などで把持して結露発生面から引き剥がせばよい。
そして、形態安定シート3の表面に突出したレーヨン及び熱接着性繊維は、形態安定シート3上に積層一体化された吸着発泡シート1内に埋没された状態となっていると共に、ニードルパンチによって形態安定シートに形成された孔或いは形態安定シートに元々形成されていた孔を通じて発泡合成樹脂エマルジョンの一部が形態安定シート内に含浸した状態となっていることから、吸着発泡シート1、不織布2及び形態安定シート3はアンカー効果によって互いに強固に積層一体化されている。
更に、得られる結露水吸収体Aは、形態安定シート3を有していることから、不織布2が結露水を吸収することによる膨潤或いは波打ちが吸着発泡シート1に伝達されるのを概ね防止して、吸着発泡シート1の結露発生面Bに対する吸着性が低下するのを防止し、結露発生面Bに対する優れた吸着性を継続して発揮する。
又、結露水吸収体Aは、形態安定シート3の存在によって機械的強度にも優れており、結露水吸収体Aが吸収した結露水を結露水吸収体A内から除去するに際し、結露水吸収体Aを絞るなどした場合にあっても結露水吸収体Aが不測に破損することはない。
一方、形態安定シート3がポリエチレンテレフタレート繊維又はポリオレフィン系樹脂繊維からなるスパンボンド不織布である場合、スパンボンド不織布は、製造工程中にスパンボンド不織布上に塗布された発泡合成樹脂エマルジョンがレーヨン及び熱接着性繊維からなる不織布2に吸収されてしまうのを阻止しつつ、発泡合成樹脂エマルジョンの一部を吸収する。
つまり、製造工程中にスパンボンド不織布3上に塗布した発泡合成樹脂エマルジョンは不織布2内に殆ど吸収されないことから、スパンボンド不織布3上に優れた厚み精度でもって発泡合成樹脂エマルジョンを塗布することができ、その結果、スパンボンド不織布3上に積層一体化される吸着発泡シート1は、その厚み精度に優れていると共に適当量がスパンボンド不織布3内に進入した状態となっており、吸着発泡シート1とスパンボンド不織布3とは強固に積層一体化しており、使用中に吸着発泡シート1とスパンボンド不織布3とが不測に分離するといったことはない。
しかも、ポリエチレンテレフタレート繊維又はポリオレフィン系樹脂繊維からなるスパンボンド不織布は、その表面平滑性に優れていることから、スパンボンド不織布上に発泡合成樹脂エマルジョンをその厚み精度を向上させつつ塗布することができ、得られる吸着発泡シートは、その厚みが全体的に略均一で且つ表面平滑性に優れており結露発生面に対する吸着性に優れている。
続いて、上記結露水吸収体Aの使用要領について説明すると、この結露水吸収体Aは、建物のガラス面、窓枠、壁面等のような結露が発生する箇所、即ち、結露発生面Bに発泡シート1の他面を粘着剤等を介在させることなく直接、吸着させて用いられる。
具体的には、上記結露水吸収体Aは、図3に示したように、結露発生面B(図ではガラス面)の下端部に貼着させて用いられる。そして、結露発生面Bに発生した結露水の一部は自重により結露発生面B上を下方に向かって流れ落ち、この流れ落ちてきた結露水は、結露水吸収体Aの不織布2に円滑に吸収される。
そして、結露水吸収体Aの不織布2が結露水を吸収し、不織布2が吸収した量が、不織布2が結露水を吸収することができる許容量を越えた場合には、結露水吸収体Aを結露発生面Bから剥離して、結露水吸収体Aを図4に示したように絞るなどし、不織布2内に吸収した結露水を絞り出して不織布2の結露水の吸収能力を回復させた上で、再度、結露水吸収体Aを、その吸着発泡シート1の他面を接着剤等を介在させることなく直接、結露発生面B上に吸着させることによって、結露発生面に繰り返して吸着、剥離可能に吸着させて継続的に結露発生面Bに発生した結露水を吸収、除去することができる。
つまり、結露水吸収体Aは絞るなどの外力を加えても外形が変形したり或いは破断したりするといったことはないことから、結露水吸収体Aの不織布2が結露水を吸収して結露水の吸収能力が低下した場合には、簡単な作業でもって不織布2中の結露水を直ちに除去して、不織布2の当初有する結露水の吸収能力を簡単に略回復させることができる。
そして、結露水吸収体Aは、その吸着発泡シート1によって結露水発生面Bに繰り返して貼着、剥離させることができることから、上記のようにして結露水の吸収能力を回復させた不織布2を有する結露水吸収体Aを結露発生面Bに再度、確実に貼着させて長期間に亘って継続的に用いることができる。
なお、結露水吸収体Aは、上述の如く、結露水発生面Bに繰り返して貼着、剥離することができることから、結露水発生面Bに結露水が発生していない時には結露水吸収体Aを結露水発生面Bから剥離して別の場所に保管しておき、必要な時に、結露水吸収体Aを結露水発生面Bに貼着して用いることもできる。
又、結露水発生面Bに発生した結露水の一部は結露水発生面Bに微細に散在した状態となるが、このような場合には、図5に示したように、結露水吸収体Aを手で持ち、この結露水吸収体Aで結露水発生面Bを直接拭くことによって結露水発生面B上の結露水を効果的に且つ簡単に拭き取り吸収し除去することができる。
本発明の結露水吸収体を示した斜視図である。 図1の結露水吸収体の横断面図である。 図1の結露水吸収体の使用要領を示した斜視図である。 結露水吸収体から吸収した結露水を除去する要領を示した斜視図である。 結露水吸収体で結露発生面の結露水を拭く要領を示した斜視図である。
符号の説明
1 吸着発泡シート
2 不織布
3 形態安定シート
A 結露水吸収体
B 結露発生面

Claims (6)

  1. 結露発生面に吸着、剥離を繰り返して行うことができる吸着発泡シートの一面に、結露発生面で発生した結露水を吸収し且つレーヨン及び熱接着性繊維を含有する不織布を形態安定シートを介して積層一体化してなる結露水吸収体であって、上記レーヨン及び上記熱接着性繊維を上記形態安定シートを貫通させて上記形態安定シートから突出させてあり、この突出したレーヨン及び熱接着性繊維を上記吸着発泡シート内に埋没させていることを特徴とする結露水吸収体。
  2. 不織布のレーヨン及び熱接着性繊維がニードルパンチによって形態安定シートに貫通させられていることを特徴とする請求項1に記載の結露水吸収体
  3. 吸着発泡シートは、その表面に開口した無数の気泡を有しており、結露発生面に押しつけて気泡内の空気を排除して気泡内を減圧状態とすることによって上記結露発生面に剥離可能に吸着することを特徴とする請求項1に記載の結露水吸収体。
  4. 形態安定シートは、ポリエチレンテレフタレート繊維又はポリオレフィン系樹脂繊維からなるスパンボンド不織布であることを特徴とする請求項に記載の結露水吸収体。
  5. レーヨン及び熱接着性繊維を含むカードウェブを形態安定シート上に積層して積層体を形成し、この積層体にニードルパンチを施して上記レーヨン及び上記熱接着性繊維を上記形態安定シートに貫通させて上記形態安定シートから突出させて積層不織布を製造し、この積層不織布の形態安定シート上に発泡合成樹脂エマルジョンを塗布、乾燥させることによって、上記形態安定シート上に吸着発泡シートを積層一体化させると共に、上記吸着発泡シート内に上記形態安定シートから突出させたレーヨン及び熱接着性繊維を埋没させた状態とすることを特徴とする結露水吸収体の製造方法
  6. 形態安定シートがポリエチレンテレフタレート繊維又はポリオレフィン系樹脂繊維からなるスパンボンド不織布であることを特徴とする請求項5に記載の結露水吸収体の製造方法。
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