JP2012007259A - 不織布及びそれを用いた発泡成形品 - Google Patents

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浩之 坂本
Hideo Isoda
英夫 磯田
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Abstract

【課題】本発明は従来技術を背景になされたもので、低コストでも、低温発泡に適したバネ受け補強材として、軽量化で、取り扱い性、低温での金型追従性ともに優れ、成形品は、滲み出しがなく、仕上がり形状が良好で、擦過、屈曲、屈折音などの制音機能や保形耐久性にも優れた低温発泡ウレタン成形体とできる単層擬似2層構造の不織布を提供することを課題とする。
【解決手段】ポリエステル長繊維で構成された単層からなる見掛密度が0.06〜0.15g/cmの不織布において、片面が緻密化され、かつ部分的に圧着繊維集合部を形成された擬似2層構造を形成しており、該緻密表面層に突出繊維構造を形成している不織布。
【選択図】なし

Description

本発明は、不織布及びそれを用いた製品に関する。更には、機能性に優れた軽量化が可能な発泡成形品用補強材に最適な不織布及びそれを用いた発泡成形品に関する。
近年、座席等のクッション材として、発泡ウレタン成形体が広く用いられており、一般的に、発泡ウレタン成形体の成形時に補強材が一体化されたものが用いられている。かかる補強材は、発泡ウレタン成形体と金属スプリングの間に位置して、金属スプリングのクッション作用を均等に分散すると共に、金属スプリングから受ける摩擦から発泡ウレタン成形体を保護するという役割を担うものである。そして、消費者が求める品質が高度になるにつれ、座席等の使用時に、補強材に滲み出したウレタンと金属スプリングの摩擦により発する擦過音を解消する要望が高まり、これに応える補強材として、嵩高層と緻密層とを有し、緻密層でウレタンの滲み出しを防止する補強材が提案されている(例えば特許文献1〜5参照)。
しかしながら、かかる補強材は、発泡ウレタン成形時の成形性が乏しいため、近年強く求められるに至っている意匠性が高く深絞り形状の発泡ウレタンを成形体に用いた場合、皺の発生や破れ等の欠陥が生じ、ここからウレタンの滲み出しにより、金属スプリングとの摩擦で擦過音の増大や破損が生じるという問題点を有している。
そこで、ウレタンの滲み出しを防止する緻密層の65℃及び100℃での5%伸長応力を低く抑えて凹凸が大きい発泡ウレタン成形にも使用し得る補強材として特許文献6が提案されている。
しかしながら、かかる補強材は低目付の緻密層と基材層を積層交絡処理する方法では、発泡剤の滲み出しは防止できるが、伸度が低く、大きな伸びに対応し難いため、成型時の型添い性が悪くなる問題点を有している。更に、それぞれの層を作成後積層交絡処理するため、工程が煩雑化してコストアップになる問題がある。また、特許文献6には、単層のPBTスパンボンド不織布をカレンダー加工後ニードルパンチする方法も提案されているが、カレンダー加工により付与された剛直性がニードルパンチ処理では柔軟化し難く、深絞り形状での型添い性がより劣る問題がある。
打抜き性改良方法として、カーボンブラック含有繊維からなる不織布と非含有不織布を積層交絡接合する方法が、特許文献7で提案されている。
しかしながら、かかる方法は、打抜き性とハンドリング性は大幅に改善されたが、複雑で凹凸が大きい深絞り形状の発泡ウレタン成形において、成形型への追従性が不充分となり、欠肉や皺の発生を充分防止することができない問題が残っている。また、2層のそれぞれの層を作成後積層交絡処理するため、工程が煩雑化してコストアップになる問題がある。
高目付単層不織布の片面を熱圧着する方法が特許文献8で提案されている。
しかしながら、かかる方法では、加工工程の煩雑さは改善されるものの、片面が熱圧着されて剛直化しているので、複雑で凹凸が大きい深絞り形状の発泡ウレタン成形において、成形型への追従性が不充分となり、欠肉や皺の発生を充分防止することができない問題が残っている。
中配向度繊維からなる単層スパンボンド不織布を仮エンボス加工後ニードルパンチして、収縮処理により緻密化する方法で、低通気度の成型加工用不織布を得る方法が特許文献9で提案されている。
しかしながら、かかる方法では、収縮熱処理により緻密化されて、0〜35cc/cm/秒の低通気度なものしか得られないため、複雑な深絞り形状の成型では、型添い性が劣り、仕上がり形状が悪くなる問題がある。又、工程が煩雑でコスト面で好ましくない。
中配向度繊維からなる単層スパンボンド不織布を仮エンボス加工後ニードルパンチして、次いで更に片面熱エンボス加工して、次いで、収縮処理により緻密化し、収縮により形成したループをバフィング処理により起毛加工する方法で、熱成型加工用不織布を得る方法が特許文献10で提案されている。
しかしながら、かかる方法は、圧着部が不織布の厚み方向全体に及び、厚み断面方向に2層構造化されていないので、起毛ループ部分からウレタンの滲み出しが発生し易くなり、発泡成形用には適さない問題がある。
面ファスナー雌材として、片面にループ形成後、熱圧着し、接着剤でループを固定する方法が特許文献11に提案されている。
しかしながら、ファスナー材としては有用であるが、発泡成型品用補強材としては、型添い性が劣り仕上がり形状が悪くなり、発泡成形用には適さない問題がある。
低モジュラス素材として捲縮ポリプロピレン繊維不織布にエンボス加工のみ付与した発泡成形用補強材が特許文献12に提案されている。
しかしながら、この方法は、捲縮発現したバルキーな嵩高層にエンボス加工で部分的に圧着部を形成する方法で、かかる方法は、圧着部が不織布の厚み方向全体に及び、厚み断面方向に2層構造化されていないので、非エンボス部分から、特許文献10よりも滲み出しは改良されているものの、低目付ではウレタンの滲み出しが発生し易くなり、発泡成形用には問題がある。
実公昭62−26193号公報 特開平2−258332号公報 特許2990207号公報 特許2990208号公報 特許3048435号公報 特許3883008号公報 特開2007−331259号公報 特許2611422号公報 特許2514193号公報 特公平07−30501号公報 特開2000−265354号公報 特開2009−167570号公報
本発明は、従来技術を背景になされたもので、低コストでも、低温発泡に適したバネ受け補強材として、軽量化で、取り扱い性、低温での金型追従性ともに優れた単層擬似2層構造の不織布を提供することを課題とする。そして、この不織布を使用した成形品は、滲み出しがなく、仕上がり形状が良好で、擦過、屈曲、屈折音などの制音機能や保形耐久性にも優れた低温発泡ウレタン成形体を得ることが可能となる。
本発明者らは上記課題を解決するため、鋭意研究した結果、低目付の嵩高単層不織布の片面にドット状圧着部を持つ緻密表面層を形成し、該緻密表面層に多数の突出繊維構造を形成することで、コールド発泡時の複雑で凹凸が大きい深絞り形状にも追従性が優れ、発泡剤の滲み出しもなく、仕上がり形状も良好な発泡成形体が得られることを知見した。そして、得られた仕上がり形状が良好な発泡成形体は、発泡層と強固に接合した補強層を形成して、補強耐久性に優れた発泡成形体が得られることも知見し、本発明の完成に到達した。
即ち、本発明は、以下の通りである。
1.ポリエステル長繊維で構成された単層からなる見掛密度が0.06〜0.15g/cmの不織布であって、片面が緻密化され、かつ部分的に圧着繊維集合部を形成された擬似2層構造を形成しており、該緻密表面層に突出繊維構造を形成している不織布。
2.ポリエステル長繊維の繊度が0.5〜5dtexである上記1記載の不織布。
3.ポリエステル長繊維が、ポリエチレンテレフタレート及びその共重合体からなる長繊維であり、繊維の複屈折率(Δn)が0.04〜0.150である上記1または2記載の不織布。
4.不織布の65℃雰囲気での破断伸度が50〜120%であり、65℃雰囲気での目付当りの5%伸張応力が0.05〜0.35{(N/5cm)/(g/m)}である上記1〜3のいずれかに記載の不織布。
5.不織布の目付が40〜140g/m、通気度が50〜350cc/cm/秒、剛軟度が30〜150mmである上記1〜4のいずれかに記載の不織布。
6.部分的に圧着繊維集合部を形成した擬似2層構造において、圧着繊維集合部が独立しており、圧着繊維集合部の圧着面積率が8〜30%、圧着面積が0.5〜5mm、厚みが50〜500μm、厚み比率が5〜50%である上記1〜5のいずれかに記載の不織布。
7.上記1〜6いずれかに記載の不織布を発泡成形品用補強布として用いた発泡成形品。
本発明の不織布は、単層でも低目付で、片面が緻密化され、緻密面に突出繊維構造を形成した擬似2層構造不織布であり、発泡成形品用補強材として最適である。即ち、単層の低目付不織布からなり、多層積層構造に比べて安価に製造でき、低目付でも、設置取扱性、加工性、及び成型品の品質にも優れる。そして、補強材が硬過ぎず柔らかすぎず成型枠への取付けは良好で、コールド発泡に代表される低温発泡における深絞り成形においても追随性が良好で適度の通気性を有するので、成形時にシワの発生、欠肉や樹脂抜けの発生を防止でき、補強材が発泡体と強固に接合した成型品となり、擦過、屈曲、屈折音を抑制し、保形耐久性、耐摩耗性にも優れた軽量なコールド発泡成型品を製造できる、低温コールド発泡に適した発泡成形品用補強材を提供できる。
本発明不織布の断面写真上での圧着繊維集合部の厚みを示す概念図である。
本発明不織布は、ポリエステル長繊維である。
本発明の繊維素材は、安価で力学特性に優れた汎用熱可塑性樹脂としてポリエステル素材を使用する。ポリエチレンやポリプロピレンに代表されるポリオレフィン類は、熱圧着により、低目付不織布では単層の加圧面の裏面まで圧着されてしまい、単層不織布の片表面にのみ部分的に圧着繊維集合部を形成した擬似2層構造を形成し難いので好ましくない。
本発明のポリエステルとしては、融点が220℃以上で、ガラス転移点温度が80℃以下のポリエステルが好ましく、ガラス転移点温度が70℃以下のポリエステルがより好ましい。ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)などのホモポリエステル及びそれらの共重合物や混合物などが例示できる。本発明での最も好ましいポリエステルとしては、不織布構造体の片表面が緻密化され、部分的に圧着繊維集合部を形成した擬似2層構造を形成し易いポリエチレンテレフタレート(PET)及びそれらの共重合ポリエステルが挙げられる。本発明では、特性を低下させない範囲で、必要に応じて、抗酸化剤、耐光剤、着色剤、抗菌剤、難燃剤などの改質剤を添加できる。
本発明の不織布は、低目付でも力学特性を保持するため長繊維不織布で構成する。長繊維不織布は、力学特性が良好で、成型時の金型追随変形で均一に変形させられるので破れを生じず、綺麗な仕上がりの成型品を得るためにも必要である。短繊維不織布では、繊維の連続性が無いため、低目付では力学特性が劣り、成型時の金型追随変形で追随斑による変形破れを生じやすい。
本発明の不織布は、単層からなる。単層を用いることで、単層のみの加工ですみ、2層を別々に構造形成後、積層加工工程を通す工程を省略でき、コストダウン効果があり、積層構造品より安価に発泡成形品用補強材に適した不織布を提供できる。また、長繊維からなる単層のため、擬似2層構造化した場合は、全体としては嵩高な低目付不織布であっても、緻密表面層の部分的に形成された圧着繊維集合部が繊維の結束点として機能して力学特性保持に寄与し、優れた力学性能を発現できる。多層積層構造不織布は、コストアップになるので好ましくない。
本発明の不織布は、片表面が緻密化され、かつ部分的に圧着繊維集合部を形成した擬似2層構造を形成している。なお、本発明では、緻密表面層(突出繊維構造を含む)以外の不織布層で、繊維が圧着されていない、又は圧着が不充分な、バルキー構造を形成している部分を以下「嵩高層」と言う。
緻密化された片表面層は、発泡ウレタン樹脂の滲み出しの遮断層として機能する。表面が緻密化されていない場合は、発泡ウレタン樹脂を遮断できないため、滲み出しを生じて好ましくない。また、部分的に圧着繊維集合部を形成することで、部分的な圧着繊維集合部が構成長繊維を強固に固定できる接合点として働き、圧着繊維集合部以外の表面部分は、表面のみフラット化されていて遮断層効果は有するものの、構造固定効果が少なく、発泡成形による変形に、容易に追随できる機能が付与されている。圧着繊維集合部が表面全面に形成されている場合、成型時の変形追随性が劣り好ましくない。また、圧着繊維集合部が連続してつながっている場合は、圧着繊維集合部の厚みと幅により、成型時の変形追随性を損なう場合がある。本発明の好ましい部分的な圧着繊維集合部は、変形が容易な独立したドット構造である。本発明では、部分的な圧着繊維集合部は、エンボス加工で特殊な限定条件下で付与することが推奨される。
本発明における好ましい圧着繊維集合部のドット構造における圧着面積率は、8〜30%である。8%未満では、力学特性保持が満足できない場合があり、30%を越えると変形しにくくなり金型追随性が劣る場合がある。より好ましい圧着面積率は、10〜20%、さらに好ましくは、12〜18%である。
本発明における好ましいドット構造の圧着繊維集合部圧着面積は、0.5〜5mmである。0.5mm未満では、長繊維の固定効果が低下して構造保持性が低下する場合がある。他方、5mmを越えると硬くなり金型追随性が低下する場合がある。より好ましいドット構造の圧着繊維集合部圧着面積は、0.8〜2.5mmであり、さらに好ましくは、1.0〜2.0mmである。
本発明における好ましいドット構造の圧着繊維集合部厚みは、50〜500μmである。50μm未満では、変形による構造崩れを生じる場合があり、500μmを越えると柔軟性が低下して、金型追随性が悪くなる場合がある。より好ましい厚みは、100〜300μm、さらに好ましくは、150〜250μmである。
本発明における不織布全厚みに占める好ましい圧着部厚み比率は、5〜50%である。5%未満では、深絞りによる大変形を生じた場合、低目付のため、繊維結束点の機能が低下して構造が部分破壊される場合がある。50%を越える場合、金型追随性が低下する場合がある。50%を越えると、嵩高層の厚みが不足して制音機能が低下する場合もある。より好ましい圧着部厚み比率は8〜30%、さらに好ましい圧着部厚み比率は10〜20%である。
上述の部分的な圧着繊維集合部の形状については、特には限定されないが、好ましくは織目柄、ダイヤ柄、四角柄、亀甲柄、楕円柄、格子柄、水玉柄、丸柄などが例示できる。
本発明の不織布は、不織布片面が緻密化され、かつ部分的に圧着繊維集合部を形成した擬似2層構造の緻密化表面に、突出繊維構造を形成した見掛密度が0.06〜0.15g/cmの不織布である。
本発明の不織布における嵩高層は、バネ受け面に設置され、クッション層として、バネ材との擦過、屈曲、屈折音などの制音機能と成型品の耐磨耗性を付与するために必要である。嵩高層が形成されていない場合、バネ材との擦過、屈曲、屈折音などの制音機能が低下し、又、剛直性の増加により、金型追随性が阻害されて成型仕上がり性が不良になり好ましくない。また、片面の緻密化層で部分的に圧着繊維集合部が形成されて繊維が結束されていない場合は、嵩高層の形態保持性も低下してバネ材との摩擦擦過での耐久性が低下すると共に、制音機能も低下場合するので好ましくない。
本発明の不織布の見掛密度が、0.06g/cm未満では、嵩高層が嵩高過ぎて、バネ材との摩擦擦過での耐久性が低下する場合があり好ましくない。0.15g/cmを越えると、嵩高層の嵩高性が低下して、嵩高層機能であるバネ材との擦過、屈曲、屈折音などの制音機能が低下する場合があり好ましくない。また、不織布の金型追随性も低下して、成型仕上がり性も低下するので好ましくない。より好ましい見掛密度は0.07〜0.12g/cmであり、さらに好ましくは0.08〜0.11g/cmである。
本発明の不織布における嵩高層表面の形態は特には限定されないが、好ましくは、搬送セット時の引掛りがなくなるので、毛羽立ちを少なくする形態である。
本発明の不織布は、ポリエステル長繊維で構成された単層からなる不織布において、不織布の片面が緻密化され、かつ部分的に圧着繊維集合部を形成した擬似2層構造の緻密化表面に、突出繊維構造を形成している。本発明における突出繊維構造とは、交絡処理により突き出された繊維がループや切断繊維として不織布面から複数本の繊維として突き出された形態を総称して突出繊維構造という。
本発明では、発泡剤との境界面を突出繊維構造を形成した緻密化表面側に用いて成型し、突出繊維構造が発泡ウレタン層に埋設固化され、アンカー効果を発揮して、補強材と発泡ウレタン層間の強固な接合を可能にする。緻密化表面側に突出繊維構造を形成していない場合、発泡ウレタン層へのアンカー効果が不充分となり、磨耗や変形に対する接合強度の低下による補強材層が発泡層と剥離を生じて、擦過、屈曲、屈折音などの制音機能や補強効果が低下して、耐久性が劣る発泡成形品となるので、好ましくない。
本発明の不織布では、発泡剤と接する緻密化表面側に突出繊維構造を形成していれば特には限定されないが、好ましくは、嵩高層側から緻密表面層側への交絡処理する実施形態が、緻密表面層側に突出繊維構造を形成させ、同時に緻密表面層側を多孔化させて通気度を調整することにより、発泡時のガス抜け量をコントロールして発泡剤の充填性を向上させると共に、嵩高層側を柔軟化して、成型加工時の金型追随性も向上できるので、より好ましい実施形態である。
突出繊維構造形成と多孔構造化して不織布層を柔軟化する絡合方法としては公知の水流交絡法、ニードルパンチ交絡法などが適用できる。本発明における、好ましい交絡多孔柔軟化及び突出繊維構造形成方法としては、ニードルパンチによる交絡柔軟化及び突出繊維構造形成が推奨される。
本発明の不織布における好ましい突出繊維構造の突出個数密度は、30〜100個/cmである。30個/cm未満では、交絡処理効果による柔軟化効果とアンカー効果が不充分になる場合があり、100個/cmを越える場合、緻密表面層が柔軟化して、発泡剤遮蔽層効果が低下する場合がある。なお、本発明における突出繊維構造の突出個数とは、1回の交絡処理により生じた1孔から複数本の繊維が突出した形態を1個として数える。より好ましい突出繊維構造の突出個数は40〜80個/cmであり、さらに好ましくは45〜70個/cmである。
本発明の不織布における突出繊維構造で形成された好ましいループ高さは、1〜10mmである。1mm未満ではアンカー効果が不足する場合があり、10mmを越える場合は、引っ掛かりによる型枠へのセット時作業性に問題が出る場合がある。より好ましいループ高さは1.5〜7mmであり、さらに好ましいループ高さは2〜5mmである。
本発明の不織布における突出繊維構造で形成された好ましい切断繊維高さは、1〜50mmである。1mm未満では、アンカー効果が不足する場合があり、50mmを越える場合は、引っ掛かりによる型枠へのセット時作業性に問題が出る場合がある。より好ましい切断繊維高さは2〜30mmであり、さらに好ましい切断繊維高さは2〜10mmである。
本発明の不織布におけるニードルパンチによる交絡処理において、上述の好ましい突出繊維構造を形成するには、ニードルパンチの針密度が40〜80本/cmが好ましい。また、ニードルパンチの突出繊維構造形成効果は、針深度に依存しており、必要な突出繊維長を形成できる条件で、できるだけ浅くするのが好ましい。針深度が深いと開口径が大きくなり発泡剤の滲み出しを生じる場合があり好ましくない。例えば、突出繊維ループ長を3〜10mmとするには、針深度は9〜11mmに設定するのが好ましい。
本発明の不織布を構成する長繊維の繊度は、0.5〜5dtexが好ましい。0.5dtex未満では、耐摩耗性が劣るので耐久性が不充分になる場合がある。5dtexを越えると、繊維構成本数が少なくなり、不織布構造の緻密度が低下して通気性が高くなり過ぎ、成型性に問題が出る場合があり、また、バネ材のクッション層機能が不充分になる場合があり好ましくない。より好ましい繊度は1〜4dtexであり、さらに好ましくは1.5〜3.5dtexである。
本発明の不織布を構成するポリエステル長繊維が、ポリエチレンテレフタレート及びその共重合体からなる長繊維の場合、不織布の力学特性を満足するため、繊維の配向度として複屈折率(Δn)が少なくとも0.04〜0.15に設定するのが好ましい。0.04未満では、配向結晶化が不充分で、強伸度特性が劣り、収縮率も高くなるので、不織布特性の安定性も不良となり成型性が劣るので好ましくない。収縮抑制手法として、熱セット処理も可能であるが、コストアップになり、かつ通気度が低下するので、本発明では採用しない。0.15を越える超高速紡糸域で製糸された繊維は、ボイドが発生して、強伸度特性が低下して脆くなるので、不織布の力学特性が劣り好ましくない。より好ましい複屈折率(Δn)は、0.045〜1.10であり、さらに好ましくは、0.05〜0.10である。繊維の複屈折率(Δn)が0.05〜0.10となるのは、最も生産性が良好で力学特性も満足できる紡糸速度が4000m/分〜6500m/分の領域のものである。
本発明の不織布の補強材用途での好ましい力学特性は、65℃雰囲気での破断伸度(DE65℃)は50〜120%であり、65℃雰囲気での目付当りの5%伸張応力(σ65)は0.05〜0.35{(N/5cm)/(g/m)}である。
65℃雰囲気での破断伸度(DE65℃)が50%未満では、深絞り金型などの部分的に屈曲伸張が必要な金型成型での変形追随性が不充分になり、仕上がり形状が不良になったり、破れを生じる場合があり好ましくない。120%を越える場合、深絞り成型では、部分的な伸び過ぎによる皺や弛みを生じる場合があり好ましくない。より好ましい65℃雰囲気での破断伸度(DE65℃)は、70〜100%である。
なお、本発明では、縦方向及び横方向共に上記力学特性を満足するのが好ましい。が、好ましい範囲を縦横の一方が外れる場合、縦/横比が0.7〜1.5の範囲であれば、好ましくはないが、成型時の形状追随性は許容される成型体を得ることは可能で許容される。
65℃雰囲気での目付当りの5%伸張応力(σ65)が0.05{(N/5cm)/(g/m)}未満では、発泡時の変形追随性が不均一になり、皺発生や形状不良を生じやすくなる場合があり好ましくない。0.35{(N/5cm)/(g/m)}を越えると金型成型時の追随性が悪くなり、成型形状が不良になる場合があり好ましくない。より好ましい65℃雰囲気での目付当りの5%伸張応力(σ65)は、0.08〜0.25{(N/5cm)/(g/m)}である。
本発明の不織布の好ましい目付は、40〜140g/mである。40g/m未満では、補強材としての嵩高層の厚みが薄くなり、発泡成形時の発泡剤の滲み出しを防止する機能と、成型品としたときの擦過、屈曲、屈折音を抑制し、補強機能の保形耐久性と耐摩耗性を付与する機能を同時に満足することが困難になる場合があり好ましくない。140g/mを越えると、軽量化が阻害されるので好ましくない。より好ましい目付は、50〜110mであり、さらに好ましくは60〜80g/mである。
本発明の不織布の好ましい通気度は、50〜350cc/cm/秒である。50cc/cm/秒未満では、発泡成形時の膨張空気抜けが不均一となり、欠肉、樹脂抜けの発生を生じる場合があり、350cc/cm/秒を越える場合は、発泡剤の漏れによる滲み出しを生じる場合があり好ましくない。より好ましい通気度は、100〜280cc/cm/秒であり、さらに好ましくは、120〜260cc/cm/秒である。
本発明の不織布の好ましい柔軟性は、45°カンチレバ法で測定した剛軟度として、30mm〜150mmである。30mm未満では、柔らか過ぎ、ハンドリング性に問題を生じ、150mmを越えると硬すぎて成形型へのセット性に問題を生じる場合がある。より好ましい剛軟度は40〜100mmであり、さらに好ましくは50〜80mmである。なお、本発明では、縦及び横方向ともに満足するのが望ましいが、片方向が外れる場合は、縦横の平均値が満足すれば許容範囲とする。
本発明の不織布の室温(22℃)雰囲気の力学特性は特には限定されないが、5%伸張応力は20N/5cm以上、破断強度は50N/5cm以上、破断伸度は50%以上120%未満とすることで、良好な取扱性を維持できるので、生産工程での作業性を向上させることになり好ましい。
本発明の不織布の熱収縮挙動は特には限定されないが、低温発泡する場合を想定した、65℃雰囲気における乾熱収縮率(SHD65)は、0.5〜−0.5%に維持することで、低温発泡成形時の型ズレを生じないので、良好な仕上がり形状が得られ好ましい。高温発泡または、各種高温熱処理工程を通過する場合も想定した乾熱180℃雰囲気での収縮率(SHD180)は、−1〜5%が好ましく、0〜3%がより好ましい。
以下に、本発明不織布の製造方法の一例を示す。なお、この開示で、本発明が限定されるものではない。
本発明における好ましいポリエステルとしては、最も好ましい、ポリエチレンテレフタレートを用いる製造法について以下に述べる。
固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレートを乾燥し、次いで、常法により溶融紡糸機にて紡糸を行う。吐出量は所望の繊度及び必要な配向度(Δn)を得るために、設定牽引速度に応じて設定する。例えば、Δnが0.07で2dtexの繊維を得たい場合、紡糸速度を5000m/分、単孔吐出量を1g/分に設定する。
紡糸された吐出糸条はノズル直下〜10cm下で冷却風により冷却されつつ、下方に設置された牽引ジェットにて牽引細化されて固化する。牽引紡糸された長繊維は、下方に設置された吸引ネットコンベア上に振落されて所望の目付40〜140g/mとなるようウエッブ化される。次いで、連続して、又は、別工程にてエンボス加工される。
本発明では、片面が緻密化され、かつ部分的に圧着繊維集合部を形成する必要があるので、通常のエンボス加工条件とは異なる条件でエンボス加工する。即ち、凸形状文様のエンボスローラーを用いて、エンボスローラー面は低温(PETの場合は好ましくは120℃未満)にされ、対のフラットローラー側を高温加熱(PETの場合は好ましくは210℃以上240℃未満)、又はその逆に加熱する必要がある。片面を高温に加熱し、対の面を低温とすることで、加熱面側のみが表面を緻密化でき、逆面の低温側は緻密化されない擬似2層構造を形成できる効果があり、部分的な圧着繊維集合部は、エンボスローラーのドット部により形成される。エンボスローラー側を低温にして処理すると、高温のフラットローラー接触面が緻密化され、その上、圧着繊維集合部としてのエンボス文様までフラットローラー接触面側に生じ、エンボスローラーに接触する面には圧着繊維集合部としてのエンボス文様は付与されない。逆にエンボスローラーを高温にすると、高温のエンボスローラーに接触する面のみが緻密化し、圧着繊維集合部としてのエンボス文様も付与され、低温のフラットローラー接触面は、緻密化されず、緻密化したエンボス文様も付与されない。両方の例共に、付与されたドット状エンボス文様は表面側からは凹状の圧着繊維集合部を形成している。理由は明確ではないが、圧着による見掛けの体積減少により表面に対して凹んだのではないかと類推される。
本発明では、部分的な圧着繊維集合部の圧着面積率は10〜30%が好ましいので、凸部圧着面の面積が10〜30%に設定したドット状のエンボス文様を用いるのが好ましい。本発明では、凹状ドットの形状文様は特には限定されないが、好ましい文様としては、楕円柄、ダイヤ柄や織目柄などが例示できる。
フラットローラー表面温度および線圧は、速度との兼ね合いも配慮する必要があり、例えばライン速度が10m/分では、フラットローラー表面温度は180〜250℃が好ましく、より好ましくは220〜240℃である。線圧は10〜40kN/mが好ましい。このような条件でエンボス加工された不織布は、高温ローラー側表面のみ緻密化されて、かつ、部分的な圧着繊維集合部が緻密表面に対して凹状ドットに形成できる。
本発明では、片面を緻密化された不織布は、次いで、不織布を多孔化と、緻密表面に突出繊維構造を形成しつつ、同時に反緻密面を柔軟化して嵩高層を形成するために交絡処理される。交絡処理は、緻密表面側に突出繊維構造を形成する必要から、反緻密表面側から交絡処理する必要がある。緻密表面側から交絡処理すると、緻密表面側に突出繊維構造を形成できないので好ましくない。
本発明での好ましい交絡処理法として、ニードルパンチ処理が例示できる。ニードルパンチ条件としては、例えば、本発明での好ましい範囲である針密度49本/cm、針深度11mmにてニードルパンチ処理を行い、多孔化と嵩高層を柔軟化しつつ、緻密化された表面側に同時に平均突出繊維長約6〜10mmの突出繊維構造を形成できる。
かくして得られた本発明の不織布は、繊度2.0dtexのPETからなる長繊維で構成された単層の片面が緻密化され、部分的に圧着繊維集合体を形成し、該緻密化表面に突出繊維構造を形成した、目付80g/mで、目付当りの65℃雰囲気での縦及び横の5%伸張応力が縦0.18N/5cm/g/m及び横0.08N/5cm/g/m、65℃雰囲気の伸度が縦58%及び横82%、通気度200cc/cm/秒であった。
得られた不織布を、所定の形状に切断して発泡成形品用補強材としてクッション用金型にセットして発泡剤を注入発泡し、車両用クッションを成型した。成型したクッションは良好な形状に仕上り、発泡剤の滲み出しもなく、バネ受け材との擦過、屈曲、屈折音を抑制し、保形耐久性、耐摩耗性にも優れた発泡成型品であった。
以下、実施例及び比較例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。なお、本発明の実施例および比較例で用いた評価方法は下記の方法でおこなった。
(1)繊度[dtex]
試料の任意の場所5点を選び、光学顕微鏡を用いて、単繊維径をn=20で測定して、全平均値(D)を求めた。同場所5点の繊維を取り出し、密度勾配管を用いて、繊維の比重をn=5で測定し、全平均値(ρ)を求めた。ついで、平均単繊維断面積と平均比重から1万mの重量に換算して繊度をdtexで示す。
(2)複屈折率(Δn)
任意の場所20点を選択して、単繊維を取り出し試料として、ニコン偏光顕微鏡OPTIPHOT−POL型を用いて、繊維径とレターゼーションを読み取り(各試料n=5)20点の平均値としての複屈折率を求めた。
(3)目付[g/m
JIS L 1906「単位面積当たりの質量」に準拠して測定した。
(4)厚さ[mm]
JIS L 1906「厚さ」に準拠し、荷重19.6cN/cm(20gf/cm)で測定した。
(5)見掛密度[g/cm
上記(2)と(3)で測定した目付と厚さから下記式を用いて算出した。
見掛密度=目付÷(厚さ×1000)
(6)不織布の力学特性
JIS L 1906 5.3 「引張強さ及び伸び率」に準拠して、標準雰囲気(22℃)及び65℃雰囲気にて、任意の場所5点の試料を切り出し、破断までの伸張荷重曲線を各点をn=5で測定し、各値の総平均で算出した。
(6−1)5%伸張応力[N/5cm]
22℃での5%伸張応力(σ22)、および65℃での5%伸張応力(σ65)を求めた。
(6−2)目付当りの5%伸張応力[N/5cm/g/m
22℃での5%伸張応力(σ22)、および65℃での5%伸張応力(σ65)を目付で除した値とした。
(6−3)伸度[%]
22℃雰囲気の破断伸度(ε22)および65℃雰囲気の破断伸度(ε65)を求めた。
(7)通気度[cc/cm/sec]
JIS L 1096 8.27.1に準じたフラジール通気度測定機によって行った。
(8)柔軟性(剛軟度)
JIS L 1096 8.19.1A法に準拠して測定した、嵩高層面及び緻密表面層を上側にして測定した値の平均値で示した。
(9)圧着繊維集合部の形態観察
(9−1)不織布の圧着繊維集合部面を目視観察して、凹状又は凸状を判断する。
(9−2)不織布の圧着繊維集合部面積率[%]
任意の20箇所で30mm角に裁断し、SEMにて50倍の写真を撮る。撮影写真をA3サイズに印刷して圧着単位面積を切り抜き、面積(S0)を求める。次いで圧着単位面積内において圧着部のみを切り抜き圧着繊維集合部面積(Sp)を求め、圧着面積率(P)を算出する。その圧着面積率(P)20点の平均値を求めた。
P=Sp/S0 (n=20)
(9−3)圧着繊維集合部厚み[mm]
任意の20箇所で圧着繊維集合部を横切る断面に切断した断面をSEMにて、厚み方向の断面が全て視野に入る倍率(例えば30〜50倍)の断面写真を撮影して、緻密な層を表面緻密層と判断して厚みを測定した(図1参照)。
(10)突出繊維構造、突出繊維長[mm]
不織布のニードルパンチ打ち込み面の反対面に突出した繊維の有無を目視判定で行い、必要に応じ、代表される部分の突出繊維の1cm当りの突出繊維長をスケールでn=20にて測定し(mm以下は4捨五入)、平均値で示した。
(11)発泡評価
クッションパッド金型に所定の形状に切断した不織布を発泡成形品用補強材として、形状に馴染ませるようにセットして、セット状態をセット性として官能評価し、次いで、2液ウレタン樹脂にて65℃のコールド発泡を行い、成型品の評価を目視判定で行った。
(11−1)セット性
金型に馴染み易くセット容易:○、馴染み易いがセットし難い:△、馴染み難くセットし難い:×で官能評価した。
(11−2)滲み出し
成型品の補強材面にウレタンの滲み出しがなし:○、滲み出し微小:△、滲み出し明確にあり:×で目視判定した。
(11−3)皺
成型品の補強材面に皺発生なし:○、微小な皺発生:△、皺が発生:×で目視判定した。
(11−4)浮き
成型品の補強材面に浮きが発生なし:○、微小な浮きあり:△、浮きあり:×で目視と触感で判定した。
(11−5)破れ
成型品の補強材面に破れなし:○、破れ直前:△、破れあり:×で目視判定した。
(11−6)剥離
成型品の補強材面と発泡体との境界剥離のし易さを、成型品の補強材端部を1cm剥離して、手で補強材を発泡体から引裂くときに、境界が剥離しない:○、境界剥離に近い剥離を生じる:△、境界で剥離する:×で官能目視判定した。
(11−7)型添い性
成型品の補強材面が金型形状どうりに成型されている:○、わずかに形状が一致しない:△、形状に一致しない部分がある:×で目視評価した。
(12)成形品の性能評価
(12−1)制音性
実車にパッドをセットして、時速60kmでの平地走行試験1時間での振動音、擦れ音を聞き、搭載座席に比べ静か:○、搭載座席と同等の静けさ:△、搭載座席と同等以下で煩い:×で官能評価した。
(12−2)耐磨耗性
成型品の補強材面側を発泡体を含めて厚み5mmにスライスした試料を用いて、JIS L 0849に定義される方法により、摩擦試験機II型(学振型)を用いて、補強材面を摩擦面としてセットし、10分間磨耗させて、損傷の程度を目視判定で級別して評価した。損傷なし:5級、微小な損傷:4級、損傷少しあり:3級、損傷中程度:2級、損傷大:1級とした。5級及び4級を○、3級及び2級を△、1級を×とした。
(12−3)保形性
パッドを55cm角10ミリ鉄板上に置き、テンシロン(ボールドウィン社製UCT25T)で、同じ鉄板をロードセルに接合して接触する高さをHcmとすると、半分の高さまで圧縮回復(50%繰返し圧縮)を100回繰返し、補強材面の損傷状態を目視判定して以下の評価をした。○:損傷、剥離なし、△:剥離小、損傷なし、×:剥離あり、損傷あり。
[実施例1]
固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレート(以下PETと略す)を用い、紡糸温度285℃、単孔吐出量1.0g/分にて溶融紡糸し、紡糸速度5000m/分にて引取り、ネットコンベア上に振落して、単糸繊度2.0dtex、複屈折率Δn0.089の長繊維からなる目付80g/mのウエッブを得た。次いで、圧着面積率18%の凸ダイヤ文様エンボスローラーを用いて、エンボスローラー温度80℃、対のフラットローラー温度230℃、線圧20kN/mにて、フラットローラー面側表面の緻密化処理と部分的圧着繊維集合部の形成をし、目付80g/mの、片面が緻密化され、部分的に圧着繊維集合部を有した不織布を得た。
次いで、反緻密化面側より、オルガン社製FPD1−40Sのニードルを用いて針密度49本/cm、針深度11mmでニードルパンチ加工して、片表面が緻密化され、緻密化面に圧着繊維集合部厚み150μm、圧着繊維集合部の圧着面積率12%の凹状ドット構造をもつ圧着繊維集合部を形成しており、該緻密化された表面に突出繊維長11mmの突出繊維構造を形成した目付83g/m、見掛密度0.08g/cm、目付当りの65℃雰囲気での5%伸張荷重が、縦方向0.181{(N/5cm)/(g/m)}、横方向0.084{(N/5cm)/(g/m)}、65℃雰囲気での伸度が、縦方向58%、横方向82%、通気度が201cc/cm/sec、剛軟度が、縦方向70mm、横方向65mmの不織布を得た。
得られた不織布を発泡成形品用補強材として、所定形状に切断して発泡成形試験評価を行った結果、発泡評価結果は、セット性が○、滲み出しが○、皺が○、浮きが○、破れが○、剥離が○、型添い性が○の発泡成形品を得た。成形品の性能評価結果も、制音性が○、耐磨耗性が○、保形性が○の良好な結果を得た。
[実施例2]
積層ウエッブ目付を100g/mとした以外、実施例1と同様にして得た片表面が緻密化され、緻密化面に圧着繊維集合部厚み145μm、圧着繊維集合部の圧着面積率12%の凹状ドット構造をもつ圧着繊維集合部を形成しており、該緻密化された表面に突出繊維長10mmの突出繊維構造を形成した目付105g/m、見掛密度0.09g/cm、目付当りの65℃雰囲気での5%伸張荷重が、縦方向0.258{(N/5cm)/(g/m)}、横方向0.143{(N/5cm)/(g/m)}、65℃雰囲気での伸度が、縦方向60%、横方向84%、通気度が151cc/cm/sec、剛軟度が、縦方向72mm、横方向66mmの不織布を得た。
得られた不織布を発泡成形品用補強材として、所定形状に切断して発泡成形試験評価を行った結果、発泡評価結果は、セット性が○、滲み出しが○、皺が○、浮きが○、破れが○、剥離が○、型添い性が○の発泡成形品を得た。成形品の性能評価結果も、制音性が○、耐磨耗性が○、保形性が○の良好な結果を得た。
[実施例3]
積層ウエッブ目付を55g/mとした以外、実施例1と同様にして得た片表面が緻密化され、緻密化面に圧着繊維集合部厚み160μm、圧着繊維集合部の圧着面積率12%の凹状ドット構造をもつ圧着繊維集合部を形成しており、該緻密化された表面に突出繊維長11mmの突出繊維構造を形成した目付57g/m、見掛密度0.08g/cm、目付当りの65℃雰囲気での5%伸張荷重が、縦方向0.140{(N/5cm)/(g/m)}、横方向0.053{(N/5cm)/(g/m)}、65℃雰囲気での伸度が、縦方向57%、横方向75%、通気度が263cc/cm/sec、剛軟度が、縦方向63mm、横方向59mmの不織布を得た。
得られた不織布を発泡成形品用補強材として、所定形状に切断して発泡成形試験評価を行った結果、発泡評価結果は、セット性が○、滲み出しが○、皺が○、浮きが○、破れが○、剥離が○、型添い性が○の発泡成形品を得た。成型品の性能評価結果も、制音性が○、耐磨耗性が○、保形性が○の良好な結果を得た。
[実施例4]
固有粘度0.92のポリブチレンテレフタレート(以下PBTと記述する)を常法にて、紡糸温度265℃、単孔吐出量0.9g/分にて溶融紡糸し、紡糸速度4500m/分にて引取り、ネットコンベア上に振落して目付80g/m、単糸繊度2.0dtex、複屈折率0.105の長繊維からなるウエッブを得た。次いで、圧着面積率18%の凸ダイヤ文様エンボスローラーを用いて、エンボスローラー温度65℃、対のフラットローラー温度190℃、線圧15kN/mにて、フラットローラー面側表面が緻密化され、部分的にあっ着繊維集合部を有した不織布を得た。
次いで、反緻密化面側より、オルガン社製FPD1−40Sのニードルを用いて針密度49本/cm、針深度11mmでニードルパンチング加工して、片表面が緻密化され、緻密化面に圧着繊維集合部厚み180μm、圧着繊維集合部の圧着面積率12%の凹状ドット構造をもつ圧着繊維集合部を形成しており、該緻密化された表面に突出繊維長11mmの突出繊維構造を形成した目付83g/m、見掛密度0.10g/cm、目付当りの65℃雰囲気での5%伸張荷重が、縦方向0.02{(N/5cm)/(g/m)}、横方向0.01{(N/5cm)/(g/m)}、65℃雰囲気での伸度が、縦方向86%、横方向105%、通気度が224cc/cm/sec、剛軟度が、縦方向55mm、横方向39mmの不織布を得た。
得られた不織布を発泡成形品用補強材として、所定形状に切断して発泡成形試験評価を行った結果、発泡評価結果は、セット性が○、滲み出しが○、皺が○、浮きが○、破れが○、剥離が○、型添い性が○の発泡成形品を得た。成型品の性能評価結果も、制音性が○、耐磨耗性が○、保形性が○の良好な結果を得た。
[比較例1]
エンボス加工しなかった以外、実施例1と同様にして、片面が緻密化せず、部分的に圧着繊維集合体を形成していない、目付80g/m、見掛密度0.034g/mの単糸繊度2dtex、複屈折率0.089の連続繊維からなる不織布を得た。
得られた不織布を発泡成形品用補強材として、所定形状に切断して発泡成形試験評価を行った結果、発泡評価結果は、セット性が△、滲み出しが×、皺が△、浮きが○、破れが○、剥離が○、型添い性が×の発泡成形品を得た。成型品の性能評価結果は、擦れ音が顕著で制音性が×、耐磨耗性が×、保形性が△である発泡成型品として好ましくないものであった。
[比較例2]
実施例1で得たウエッブを用いて、実施例1と同様のエンボスローラーを用いて、エンボスローラー温度230℃、対のフラットローラー温度220℃、線圧50kN/mにてエンボス文様を付加加工して、ニードルパンチ加工しないで不織布全体を緻密化し擬似2層構造を形成していない(片表面のみの緻密化はせず)、突出繊維構造も形成してない、見掛密度0.26g/cm、目付81g/mの単糸繊度2.0dtex、複屈折率0.09の不織布を得た。
得られた不織布を発泡成形品用補強材として、所定形状に切断して発泡成形試験評価を行った結果、発泡評価結果は、型へのなじみが不良でセット性が×、滲み出しが○、皺が△、浮きが×、破れが○、発泡剤が横漏れしており、補強材は発泡体との接合も不良で剥離しやすく剥離が×、成型時に変形しないので、型添い性が×の発泡成形品を得た。成型品の性能評価結果は、形状不良のため、制音性評価は実施せず、耐磨耗性が○、保形性が×である発泡成型品としては好ましくないものであった。
[比較例3]
エンボス加工のみ、エンボスローラー温度230℃、対のフラットローラー温度220℃、線圧40N/mにて変更して、エンボス加工して擬似2層構造を形成しなかった以外、実施例1と同様にして不織布を作成しようとしたが、ニードルパンチ加工では、針折れが顕著で、かつ、エンボス加工で不織布全体の圧着緻密性を高くしたため、ニードルの開口はするが、突出繊維構造を形成できない見掛密度0.20g/cm、目付81g/mの単糸繊度2.0dtex、複屈折率0.09の不織布を得た。
得られた不織布を発泡成形品用補強材として、所定形状に切断して発泡成形試験評価を行った結果、発泡評価結果は、型へのなじみが不良でセット性が×で、滲み出しが○、皺が○、破れが○、浮きが×、補強材は発泡体との接合が不良で剥離しやすく剥離が×、成型時に変形し難く型添い形が×の発泡成形品を得た。成型品は、形状が不良なため性能評価は実施しなかった。
[比較例4]
ニードルパンチ加工を緻密面側から針の打ち込みを行った以外、実施例1と同様にして得た、緻密化表面側に突出繊維構造を形成していない不織布を得た。
得られた不織布を発泡成形品用補強材として、所定の形状に切断して発泡成形試験評価を行った結果、発泡評価結果は、嵩高層側に毛羽立ちがあり、引掛りがあるのでセット時の作業性がやや不良のためセット性が△、滲み出しが○、皺が○、破れが○、浮きが○、補強材は発泡体との接合が不良で剥離しやすく剥離が△、型添い性が○の発泡成形品を得た。成型品の性能評価結果は、嵩高層が磨耗すると制音性が低下するため制音性が△、嵩高層に立毛があり、毛羽の脱落があるため耐磨耗性が△、保形性が△である発泡成型品としてはやや劣るものであった。
[比較例5]
エンボスローラー温度80℃、対のフラットローラー温度230℃、線圧50kN/mにてフラットローラー面側に接触した表面を緻密化及びエンボス文様の部分的な圧着繊維集合体部の形成をした目付80g/mの不織布を得、次いで、反緻密化面側より、針密度36本/cm、針深度6mmでニードルパンチングした以外、実施例1と同様にして、片表面が緻密化され、部分的な圧着繊維集合体部厚み260μm、圧着繊維集合部の圧着面積率13%の凹状ドットを形成しており、該緻密化した表面に突出繊維長4mmの突出繊維構造を形成した目付81g/m、見掛密度0.18g/cmの不織布を得た。
得られた不織布を発泡成形品用補強材として、所定の形状に切断して発泡成形試験評価を行った結果、発泡評価結果は、セット性が△、滲み出しが○、皺が○、破れが○、浮きが△、剥離が○、型添い性が×の発泡成形品を得た。成型品の性能評価結果は、嵩高性に欠けるので制音性が△、嵩高層が見掛密度が高いので耐磨耗性が○、保形性が○である発泡成型品としてはやや劣るものであった。
[比較例6]
エンボスローラー温度80℃、対のフラットローラー温度200℃、線圧10kN/mにてフラットローラー面側に接触した表面を緻密化及びエンボス文様の部分的な圧着繊維集合体部の形成をした目付80g/mの不織布を得、次いで、反緻密化面側より、針密度36本/cm、針深度6mmでニードルパンチングした以外、実施例1と同様にして、片表面が緻密化され、ニードルパンチでやや不充分にはなるが、部分的な圧着繊維集合体部厚み45μm、圧着繊維集合部の圧着面積率10%の凹状ドットを形成しており、該緻密化した表面側に突出繊維長5mmの突出繊維構造を形成した目付82g/m、見掛密度0.04g/cmの不織布を得た。
得られた不織布を発泡成形品用補強材として、所定の形状に切断して発泡成形試験評価を行った結果、発泡評価結果は、柔らかだがセット性が○、滲み出しが△、皺が○、破れが○、浮きが○、剥離が○、型添い性が○の発泡成形品を得た。成型品の性能評価結果では、磨耗すると制音性が△、見掛密度が低いので、嵩高なため耐磨耗性が△、保形性が○である発泡成型品としては若干問題の残るものであった。
[比較例7]
固有粘度0.58のPETを用い、紡糸温度283℃、単孔吐出量0.32g/分にて溶融紡糸し、紡糸速度4000m/分にて引取り、ネットコンベア上に振落して、単糸繊度0.08dtex、複屈折率Δn0.061の長繊維からなる目付80g/mのウエッブを得た以外、実施例1と同様にして得た片表面が緻密化した圧着繊維集合体部厚み205μm、圧着繊維集合部の圧着面積率13%の凹状ドットの部分的に圧着繊維集合体部を形成し、該緻密化した表面に突出繊維長8mmの突出繊維構造を形成した目付81g/m、見掛密度0.11g/cm、通気度が155cc/cm/sec、剛軟度が、縦方向76mm、横方向65mmの不織布を得た。
得られた不織布を発泡成形品用補強材として、所定の形状に切断して発泡成形試験評価を行った結果、発泡評価結果は、セット性が○、滲み出しが○、皺が○、破れが○、浮きが△、剥離が○、型添い性が○の発泡成形品を得た。成型品の性能評価結果では、制音性は許容範囲であり△〜○、見掛密度はやや高めだが、繊度が細いので磨耗し易く耐磨耗性が△、剥離し難いが磨耗し易いので保形性が△である発泡成型品としては耐久性が若干劣るものであった。
[比較例8]
単孔吐出量3.0g/分にて溶融紡糸し、紡糸速度4500m/分にて引取り、ネットコンベア上に振落して、単糸繊度6.7dtex、複屈折率Δn0.055の長繊維からなる目付80g/mのウエッブを得た以外、実施例1と同様にして得た片表面が緻密化され、圧着繊維集合体部厚み52μm、圧着繊維集合部の圧着面積率9%の凹状ドットを形成した部分的に形成された圧着繊維集合部を形成しており、該緻密化した表面に突出繊維長12mmの突出繊維構造を形成した目付81g/m、見掛密度0.06g/cm、通気度が276cc/cm/sec、剛軟度が、縦方向116mm、横方向85mmの不織布を得た。
得られた不織布を発泡成形品用補強材として、所定の形状に切断して発泡成形試験評価を行った結果、発泡評価結果は、セット性が○、滲み出しが×、皺が○、破れが○、浮きが○、剥離が○、型添い性が×の発泡成形品を得た。成型品の性能評価結果では、滲み出しにより制音性が×、見掛密度は低く、繊度が太いので補強材自体の耐磨耗は良いが、滲み出しがあり磨耗し易く耐磨耗性が△、保形性が○である発泡成型品としてはやや劣るものであった。
[比較例9]
固有粘度0.72のPETを常法により、紡糸温度290℃、単孔吐出量0.85g/分にて溶融紡糸し、引取り速度3000m/分にてネットコンベア上に振落して、単糸繊度2.9dtex、複屈折率Δn0.035の長繊維からなる目付60g/mのウエッブを得た。次いで、ウエッブを圧着面積率18%の矩形柄ドットエンボスローラーにて、エンボスローラー温度180℃、フラットローラー温度80℃にてエンボス加工したが、収縮が顕著で捲きつき、正常なエンボス加工できなかった。やむなく、エンボスローラー及びフラットローラーの温度を70℃に変更して、線圧20kN/mにてエンボス加工を行い、ついで、針密度49本/cm、針深度11mmにてニードルパンチ処理して得られた不織布を、90℃の熱水中で1分間、40%の収縮処理を行って目付100g/m、見掛密度0.10g/cm、通気度22cc/cm/secの不織布を得た。
得られた不織布を発泡成形品用補強材として、所定の形状に切断して発泡成形試験評価を行った結果、セット性が○、滲み出しが○、皺が△、破れが○、浮きが△、剥離が△、型添い性が△の発泡成形品を得た。成型品の性能評価結果では、クッション層が無いため制音性が×、繊維が磨耗し易く耐磨耗性が△、塑性変形しやすく保形性が△である発泡成型品としては劣るものであった。
[比較例10]
エンボス加工の変わりにカレンダー加工を温度及び線圧を実施例1と同じにした以外、実施例1と同様にして得た不織布は、片表面が緻密化されはいるが、圧着繊維集合部を形成しておらず、該緻密化された表面に突出繊維長10mmの突出繊維構造を形成した目付81g/m、見掛密度0.14g/cm、通気度118cc/cm/secの不織布であった。
得られた不織布を発泡成形品用補強材として、所定の形状に切断して発泡成形試験評価を行った結果、セット性が○、滲み出しが○、皺が△、浮きが△、破れが○、剥離が○、型添い性が×の発泡成形品を得た。成型品の性能評価結果でも、制音性が○、耐磨耗性が○、浮き部分に剥離を生じるため保形性が△である発泡成型品としては劣るものであった。
[比較例11]
2dtexのポリエステル繊維からなる機械捲縮付与した38mmの短繊維ステープルを常法により開繊積層して目付30g/mのウエッブとし、針密度100本/cm、針伸度11mmにてニードルパンチして見掛密度0.04g/mの短繊維不織布を得た。
得られた不織布を発泡成形品用補強材として、所定の形状に切断して発泡成形試験評価を行った結果、セット性が△、滲み出しは顕著で×、皺が△、浮きが○、破れが△、剥離が○、型添い性が×の形状品位の劣る発泡成形品を得た。成型品の性能評価結果でも、制音性が×、耐磨耗性が×、保形性が×な品位の著しく劣る発泡成型品であった。
[比較例12]
メルトインデックス45のポリプロピレンを用いて、常法により紡糸温度220℃、単孔吐出量0.9g/分にて溶融紡糸し、紡糸速度3000m/分にて牽引しつつネットコンベアに振落して目付60g/mのウエッブを作成し、続いて、凸ダイヤ柄で圧着面積率18%のエンボスローラーにて、エンボスローラー温度120℃、フラットローラー温度80℃、線圧20kN/mにてエンボス加工して得られた不織布は、部分的な圧着繊維集合部が全厚みで形成しており、片面のみ緻密化された表面層を形成できなかった。次いで、実施例1と同条件でニードルパンチ加工を行ったが、ニードルパンチによる開孔は生じるが、突出繊維構造の形成も不充分で、擬似2層構造化(嵩高層形成)ができないので評価を中断した。
本発明の不織布は、単層低密度で、擬似2層構造を形成しているため、発泡成形用補強材用途、特に低温発泡成形時の金型への追従性に優れ、発泡剤の滲み出しがなく、発泡成形体とバネ材間の摩擦によって発生する擦過音発生を防止性に優れ、優れた補強効果も得られるので、製造コストを低く抑えた高機能な発泡成型品用補強材を、安価に提供できるので、軽量な発泡成型材を安価に製造でき、その発泡成型材を用いた車両も安価に軽量化でき、車両運用上での省エネルギー化にも寄与できる。

Claims (7)

  1. ポリエステル長繊維で構成された単層からなる見掛密度が0.06〜0.15g/cmの不織布であって、片面が緻密化され、かつ部分的に圧着繊維集合部を形成された擬似2層構造を形成しており、該緻密表面層に突出繊維構造を形成している不織布。
  2. ポリエステル長繊維の繊度が0.5〜5dtexである請求項1記載の不織布。
  3. ポリエステル長繊維が、ポリエチレンテレフタレート及びその共重合体からなる長繊維であり、繊維の複屈折率(Δn)が0.04〜0.150である請求項1または2記載の不織布。
  4. 不織布の65℃雰囲気での破断伸度が50〜120%であり、65℃雰囲気での目付当りの5%伸張応力が0.05〜0.35{(N/5cm)/(g/m)}である請求項1〜3のいずれかに記載の不織布。
  5. 不織布の目付が40〜140g/m、通気度が50〜350cc/cm/秒、剛軟度が30〜150mmである請求項1〜4のいずれかに記載の不織布。
  6. 部分的に圧着繊維集合部を形成した擬似2層構造において、圧着繊維集合部が独立しており、圧着繊維集合部の圧着面積率が8〜30%、圧着面積が0.5〜5mm、厚みが50〜500μm、厚み比率が5〜50%である請求項1〜5のいずれかに記載の不織布。
  7. 請求項1〜6いずれかに記載の不織布を発泡成形品用補強布として用いた発泡成形品。
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