JP4156374B2 - スチレン系樹脂粒状体の製造方法 - Google Patents

スチレン系樹脂粒状体の製造方法 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、スチレン系樹脂粉粒状体からスチレン系樹脂粒状体を製造する方法および該粒状体を成形してなる成形品に関し、詳しくは大型装置で、取り扱い性、押出性が良好で、色相に優れた残留有機溶媒量の少ないスチレン系樹脂粒状体を製造する方法および該粒状体を完全溶融して成形して得られる成形品に関する。
背景技術
近年開発された、高度のシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体(以下、SPSと呼ぶことがある)は、耐熱性や耐薬品性等に優れたエンジニアリングプラスチックとして既に広く用いられている。
このSPSの製造方法としては、不活性炭化水素溶媒中又は溶媒の不存在下に、チタン化合物及び水とトリアルキルアルミニウムの縮合生成物を触媒として、スチレン系単量体を重合する方法(特開昭62−187708公報)などが知られている。
従来のSPS製造プロセスは、小型装置であり、重合器にて重合後、押出機にて脱揮・失活し、ペレタイズ化する非常に簡素なプロセスでスチレン系樹脂粒状体が得られている。
上記のSPS製造プロセスを大型装置に採用する場合には造粒系において次のような課題が挙げられる。
(1)特殊機器である押出機の機器費や建設費が高価となる。
(2)大型モーターの使用やジャケット加熱用の高温熱媒系装置の設置が必要であり、変動費も大きくなる。
(3)造粒後に結晶化設備が必要なので操作が煩雑である。
(4)造粒時に樹脂を溶融させることから熱履歴回数が増加し、品質の悪化を招き易い。
本発明の目的は、SPS製造プロセスを大型化する際の造粒系における上記の如き課題を解決し、高品質のスチレン系樹脂粒状体を工業的に有利に製造する方法を提供することである。
発明の開示
本発明者は、SPS製造プロセスにおける造粒系の大型化について鋭意研究を重ねた結果、重合器からのスチレン系重合体(SPS)を脱揮した後、特定の方法で乾式圧縮成形することにより、従来のペレットと同様の品質とハンドリング性を備えたSPSを大型化装置で工業的に有利に製造できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
〔1〕高度のシンジオタクチック構造を持つスチレン系樹脂粉粒状体を用い、圧縮力を1〜20t/cmで、成形温度をスチレン系樹脂粉粒状体のガラス転移温度以上から融点以下の範囲内で乾式圧縮成形し、得られた成形物を破砕して粒状体を得ることを特徴とするスチレン系樹脂粒状体の製造方法。
〔2〕得られたスチレン系樹脂粒状体の有機溶媒の含有量が1wt%以下である上記1に記載のスチレン系樹脂粒状体の製造方法。
〔3〕スチレン系樹脂粉粒状体が存在する容器中に、有機溶媒を含むスチレン系樹脂粉粒状体を連続的に供給し、該溶媒を蒸発させることにより得られたスチレン系樹脂粉粒状体を乾式圧縮成形に供する上記1又は2に記載のスチレン系樹脂粒状体の製造方法。
〔4〕成形物を解砕機により破砕した粒子を二段の振動篩により分級し、上段篩に残留した粒子を別の解砕機にて解砕した後、下段篩を通過した粒子と共に乾式圧縮成形機の上流工程に戻して原料のスチレン系樹脂粉粒状体と混合させる上記1〜3の何れかに記載のスチレン系樹脂粒状体の製造方法。
〔5〕上記1〜4の何れかに記載の方法により得られたスチレン系樹脂粒状体を完全溶融し、成形することにより得られたスチレン系樹脂成形品。
発明を実施するための最良の形態
以下に本発明を更に詳細に説明する。
1.本発明が対象とするスチレン系重合体
本発明が対象とするスチレン系重合体は、高度のシンジオタクチック構造を有するものであり、重合槽から抜き出されたSPS粉末には未反応モノマー等の残留揮発成分が含まれている。
シンジオタクチック構造とは、立体構造がシンジオタクチック構造、すなわち炭素−炭素結合から形成される主鎖に対して側鎖であるフェニル基や置換フェニル基が交互に反対方向に位置する立体構造を有するものであり、タクティシティーは同位体炭素による核磁気共鳴法(13C−NMR法)により定量される。
13C−NMR法により測定されるタクティシティーは、連続する複数個の構成単位の存在割合、例えば2個の場合はダイアッド、3個の場合はトリアッド、5個の場合はペンタッドによって示すことができるが、本発明に言うシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体とは、通常はラセミダイアッドで75%以上、好ましくは85%以上、若しくはラセミペンタットで30%以上、好ましくは50%以上のシンジオタクティシティーを有するポリスチレン、ポリ(アルキルスチレン)、ポリ(ハロゲン化スチレン)、ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)、ポリ(アルコキシスチレン)、ポリ(ビニル安息香酸エステル)、これらの水素化重合体及びこれらの混合物、あるいはこれらを主成分とする共重合体を指称する。
なお、ここでポリ(アルキルスチレン)としては、ポリ(メチルスチレン)、ポリ(エチルスチレン)、ポリ(イソプロピルスチレン)、ポリ(ターシャリーブチルスチレン)、ポリ(フェニルスチレン)、ポリ(ビニルナフタレン)、ポリ(ビニルスチレン)などがあり、ポリ(ハロゲン化スチレン)としては、ポリ(クロロスチレン)、ポリ(ブロモスチレン)、ポリ(フルオロスチレン)などがある。また、ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)としては、ポリ(クロロメチルスチレン)など、また、ポリ(アルコキシスチレン)としては、ポリ(メトキシスチレン)、ポリ(エトキシスチレン)などがある。
これらのうち特に好ましいスチレン系重合体としては、ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(m−メチルスチレン)、ポリ(p−ターシャリーブチルスチレン)、ポリ(p−クロロスチレン)、ポリ(m−クロロスチレン)、ポリ(p−フルオロスチレン)、水素化ポリスチレン及びこれらの構造単位を含む共重合体が挙げられる。
この共重合体としては、具体的には、p−メチルスチレン繰り返し単位を3モル%以上含有するスチレン−p−メチルスチレン共重合体が好ましく挙げられる。このスチレン系重合体は、分子量について特に制限はないが、重量平均分子量が好ましくは10000以上、より好ましくは50000以上である。さらに、分子量分布についてもその広狭は制約がなく、様々なものを充当することが可能である。ここで、重量平均分子量が10000未満のものでは、得られる組成物あるいは成形品の熱的性質,力学的物性が低下する場合があり好ましくない。
このようなSPSの製造方法としては特に制限されず、例えば前述のように、不活性炭化水素溶媒中又は溶媒の不存在下に、チタン化合物及び水とトリアルキルアルミニウムの縮合生成物を触媒として、スチレン系単量体(上記スチレン系重合体に対応する単量体)を重合することにより製造することができる(特開昭62−187708公報)。また、ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)については特開平1−46912号公報、上記水素化重合体は特開平1−178505号公報記載の方法などにより得ることができる。このように任意の方法で製造された後、その重合槽から取り出されたSPS粉末には、通常2〜80重量%の未反応モノマー等の残留揮発成分が含まれている。
2.残留揮発成分の除去方法
本発明においては乾式圧縮成形に先立って重合槽から取り出されたSPS粉末(スチレン系樹脂粉粒状体)が存在する容器中に有機溶媒を含むスチレン系樹脂粉粒状体を連続的に供給し、該溶媒を蒸発させることにより得られたものを供することが好ましい。
さらには、上記容器中に、SPS粉末(スチレン系樹脂粉粒状体)とスチームとの混合物を存在させておき、これに有機溶媒を含むスチレン系樹脂粉粒状体を連続的に供給することが好ましく、また該SPS粉末とスチームの混合物を攪拌状態にしておくことが好ましい。
この残留揮発成分の除去は、上記SPS粉末を乾燥機に通すことにより行われる。その際、下記のような乾燥条件にて行われる。
乾燥圧力
乾燥機内の圧力は特に制限はないが、1.02〜1.05barの微加圧とすることが好ましい。圧力を上げすぎると乾燥率が低下し、圧力を下げすぎるとブロアの負荷が過大となる場合があるからである。一方、減圧にて乾燥することも可能であるが、この場合には、空気の漏れ込みにより、空気中の酸素によるスチレン系重合体の酸化劣化が生じ、黄変等のトラブルが生じる恐れがある。このため、乾燥に供するスチレン系重合体には予め、適当な酸化防止剤を添加しておくなどの措置をとることによって、減圧下での乾燥も可能である。
乾燥温度及び含液率
乾式圧縮成形に先立って含液率(粉末中に含まれる揮発分の重量×100/揮発分を含む粉末の全重量)が10重量%以下、好ましくは5重量%以下になるまで乾燥させる。乾燥温度はポリスチレン(ホモパウダー)の場合、250℃以下、好ましくは180〜240℃、さらに好ましくは200〜230℃とする。
なお、スチレン系重合体として、p−メチルスチレン繰り返し単位を3モル%以上含有するスチレン−p−メチルスチレン共重合体を対象とする場合には、該乾燥温度は210℃以下、好ましくは100〜200℃、さらに好ましくは120〜190℃とする。
本発明は高度のシンジオタクチック構造を持つスチレン系樹脂粉粒状体からスチレン系樹脂粒状体を製造する方法に関するもので、出発物質であるスチレン系樹脂粉粒状体としては、他に特に限定されないが、以下、一例としてポリスチレン(ホモパウダー)の場合について詳細に説明する。
含液率が10重量%以下になるまで乾燥させる温度については、この最初の段階の乾燥温度が250℃を超える場合、スチレンモノマーが未だ多量に存在している状態であるから、乾燥に供されるスチレン系重合体の一部がより溶融しやすく、乾燥機の壁に溶融ポリマーの付着を生じ、乾燥機が運転不能に陥ったり、乾燥効率が著しく低下する等のトラブルを生じる恐れがある。特にスチレン系重合体が、スチレン−p−メチルスチレン共重合体である場合、融点が比較的低いのでこの現象が発生する可能性が高い。
ところで、スチレン系重合体の溶融による乾燥機壁へのパウダー付着の防止という点では、乾燥温度は低温である程望ましいが、この場合、乾燥機壁へのパウダー付着は防止できるものの、乾燥時間が長時間になったり、乾燥機容量を大きくしなければならないという問題もある。
そこで、かかる問題を解決する方法として、乾燥工程を複数段階に分けて行ってもよい。即ち、第一段階として、含液率が10重量%以下になるまで、乾燥温度を250℃以下、好ましくは180〜240℃、さらに好ましくは200〜230℃とし、以降の任意の段階において、乾燥温度を該スチレン系重合体粉末の融点以下とする段階を含む複数段階に分けて乾燥させる方法である。該スチレン系重合体粉末の融点以下であればよいが、乾燥効率の向上のためにはできる限り高い温度が望ましい。かかる温度による乾燥工程を経させることにより、より効率的に乾燥を終了させることが可能となる。
さらには、上記のように複数段階に分けるのではなく、温度を連続的に変化させて、最初に、含液率が10重量%以下になるまで、乾燥温度を250℃以下、好ましくは180〜240℃、さらに好ましくは200〜230℃とし、以降の任意の時点で該スチレン系重合体粉末の融点以下の乾燥温度による乾燥を行う方法をとってもよい。
含液率が10重量%より高い場合、スチレンモノマーが多量に存在していることになり、乾燥に供されるスチレン系重合体の一部が溶融しやすく、乾燥機の壁に付着を生じる恐れが大きい。乾燥機は上記のような乾燥温度による処理を施すことが可能なものであれば、用いる乾燥機の台数及び型式に制限はない。即ち、複数台の乾燥機を用いてもよく、乾燥温度を調節できるものであれば、乾燥機の種類は特に問わず、ジャケット付溝型乾燥機やジャケット付パドル型乾燥機、流動層型等を用いることが可能である。
さらには、乾燥機として、乾燥機1機のみを用い、該乾燥機において、そのジャケットを複数部分に分割し、乾燥機入り口の内部温度が250℃以下、乾燥機出口の内部温度が該スチレン系重合体粉末の融点以下となるようにして、内容物を乾燥させることが好ましく行われる。
3.乾式圧縮成形方法
本発明において、以上の方法により残留揮発成分が除去されたSPS粉粒状体は乾式圧縮成形に供される。この乾式圧縮成形機に供されるSPS粉粒状体の平均粒径は通常0.1〜7mmであり、好ましくは0.15〜5mm、特には0.2〜3mmである。平均粒径が0.1mmより小さい場合は、付着性の増大や流動性の低下等によりハンドリングが困難となり、また、7mmより大きい場合は、乾式圧縮成形機で効果的に圧縮を行うことができず、成形後得られた粒状成形体の粒状強度が低くなる場合がある。
乾式圧縮成形に供するSPS粉粒状体の温度は120〜220℃とすることが望ましい。供するSPS粉粒状体の温度が低すぎる場合には、得られる粒状成形体の粒状強度が低くなり、以降の工程において取り扱う場合に粉化し易い。また、二次加工時において発塵により連続運転が不可能となることがある。供するSPS粉粒状体の温度が高すぎる場合には、乾式圧縮成形機における圧縮時に溶融して、ロールへの付着により連続運転が困難となることが多い。
また、乾式圧縮成形に供するSPS粉粒状体の残留モノマー量は1重量%以下が望ましい。これより多いとハンドリングが困難であり、得られる粒状成形体の残留モノマーが多くなり、更に乾燥工程が必要になる。
本発明において使用される乾式圧縮成形機には、ブリケッティングマシン、コンパクティングマシン、ギャー式押出造粒機、リングダイス式造粒機、タブレティングマシン、ロールプレス機等が使用され、好ましくはブリケッティングマシン、コンパクティングマシンが使用される。また、ロールとロールのクリアランスが0.01〜5mm、ロール幅が35mm以上である乾式圧縮成形機が好ましい。
乾式圧縮成形機におけるSPS粉粒状体の圧縮力を1〜20t/cmとすることが必要であるが、この圧縮力は次のように定義される。
圧縮力(t/cm)=(ロール全体にかかる圧力)/(ロールの幅)
圧縮力が1t/cmより低い場合には、乾式圧縮成形機で得られる粒状成形体の強度が低くなる。圧縮力が20t/cmより高い場合には、経済的でなく、ロール等に付着して連続運転が困難となる。
乾式圧縮成形機における成形温度は、スチレン系樹脂粉粒状体のガラス転移温度以上から融点以下の範囲内であり、好ましくは120〜220℃である。なお、この成形温度は乾式圧縮成形機前のスチレン系樹脂粉粒状体の温度である。
成形温度が該範囲より低い場合は、成形後の粒状成形体の粒状強度が低く、以降の工程において、粉末化が発生し易い。また、発塵により連続運転が不可能になることがある。成形温度が該範囲より高い場合は、スチレン系樹脂成形物が高強度のものとなり、粉砕が困難となる。
上記の乾式圧縮成形機により得られた成形物は解砕機等により破砕し、一般にペレット化して成形に用いられる。コンパクティングマシンを使用した場合は、回転カッター等の刃の付いた解砕機が用いられる。
ペレット化するための破砕粒子の粒径は、用途により異なるが0.5〜5mm程度である。破砕粒子は振動篩により分級される。破砕粒子を二段の振動篩により分級し、分級時の上段篩に残留した所望の粒径より大きい粒子は、解砕後、成形機の上流工程に戻し、下段篩を通過した小さい粒子を乾燥工程等の乾式圧縮成形機の上流工程に戻すことにより破砕粒子の損失を無くすことができ、目的とするスチレン系樹脂粒状体(ペレット)を経済的に有利に製造できる。
4.スチレン系樹脂粒状体(ペレット)および成形品
以上の方法により得られたスチレン系樹脂粒状体(ペレット)を完全溶融し、各種成形処理が施され、最終成形品が得られる。なお、成形に際して酸化防止剤、難燃剤、難燃助剤、核剤、安定剤等の添加剤は乾式圧縮成形機前に供給する。また、各種成形処理を行うための原料バッチ製造時に本発明のスチレン系樹脂粒状体に添加剤を混合しても良い。
本発明により得られるスチレン系樹脂粒状体(ペレット)の有機溶媒の含有量は2000ppm以下が好ましく、より好ましくは1000ppm以下である。2000ppmを超えると成形品の品質が低下し色相等の問題を起こし易い。
スチレン系樹脂粒状体(ペレット)の性状は、後工程の押出機、射出成形機等にもよが、市販の粉粒状体を押出溶融してペレット化したものと同程度のサイズであれば良い。結晶化度は5%以上が好ましく、15%以上がより好ましく、特に20%以上が好ましい。嵩密度は0.2〜0.7程度とすることが望ましい。
本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。但し本発明は、以下の実施例により制限されるものではない。
製造例1〔シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体の製造〕
清掃したヘリカル翼を有する完全混合槽型重合器(内径550mm、高さ800mm、内容積200リットル)に粉砕したSPSパウダー60kgを投入し、50rpmにて連続攪拌した。次いで、窒素気流下で90℃で2時間乾燥し、さらに重合器内温度を75℃に調整した。その後、スチレンモノマー及び触媒の供給を開始した。
スチレンモノマー及び触媒の供給速度は次の通りであった。
▲1▼スチレンモノマー 8リットル/h
▲2▼触媒の供給速度
(A)ペンタメチルシクロペンタジエニルトリメトキシチタン 1mmol/h
(B)メチルアルミノキサン 75mmol/h(Al濃度換算)
(C))トリイソブチルアルミニウム 25mmol/h
なお、触媒を構成する上記(A)〜(C)成分については、予め混合することなく各々別々に、重合器直前にて上記供給速度で触媒供給ラインに合流させ、重合器横壁のノズルより粉体床に連続的に供給した。
また、スチレンモノマーは、重合器天板部のノズルより、粉体床上部の空間へ連続的に滴下した。
重合器レベルを一定に保ちつつパウダーを底部より連続的に抜き出して得られた重合体の重量平均分子量を、1,2,4−トリクロロベンゼンを溶媒とし、130℃でゲルパーミエーションクロマトグラフィーにて測定したところ、220,000であった。また、重量平均分子量/数平均分子量は2.0であった。さらに、融点及び13C−NMR測定により、この重合体はSPSであることを確認した。また、該スチレン重合体の含液率(粉末中に含まれる揮発分の重量×100/揮発分を含む粉末の全重量)は20重量%であった。
製造例2〔SPS粉粒状体の製造〕
ホソカワミクロン社製トーラスデイスク TDS26−5(容量:0.28m)を用いて、上記製造例1で得られたスチレン重合体10kg/hを、スチーム10kg/h、圧力1.03bar、温度165℃にて乾燥を行った。
乾燥終了後、乾燥機の内壁にはポリマーの付着は認められず、得られたSPS粉粒状体の含液率は0.1重量%であった。また、ガラス転移温度は100℃、融点は270℃であった。
実施例1
製造例2で得られたSPS粉粒状体を乾式圧縮成形機に供給した。このSPS粉粒状体の平均粒径は0.6mmであり、供給温度は180℃とした。乾式圧縮成形機にはホソカワミクロン(株)社製CS−25(ロール径258mm、ロール幅38mm)を用い、圧縮力4.3t/cmにて圧縮成形した。
得られたシート状の成形物を、解砕機(ホソカワミクロン(株)社製ロートフレックスR20/10、カッター径200mm・スクリーン8mm)で破砕した後、振動篩(徳寿(株)社製、スクリーン上段5mm、下段2mm)により分級した。120kgの粒状体が得られ、粒状体の結晶化度は60%であった。
該粒状体をコンパウンド加工処理したところ、運転中は各機器とも安定であり、生産性、ハンドリング性とも良好であった。その結果、250kgのコンパウンド品が得られ、得られたコンパウンド品の品質は、従来の押出機によるペレットを用いた時のコンパウンド品の品質と同等であった。
実施例2
乾式圧縮成形機に供給されるSPS粉粒状体の温度を155℃とした以外は、実施例1と同様の方法で造粒を行い、得られた粒状体を実施例1と同様にコンパウンド加工処理した。コンパウンド加工処理中の運転は良好であり、得られたコンパウンド品の品質もペレットを用いた場合と同等であった。
比較例1
乾式圧縮成形時の圧縮力を0.6t/cmとした以外は、実施例1と同様の方法で造粒を実施した。乾式圧縮成形機の運転は安定しており、105kgの粒状体を得ることができた。
該粒状体をコンパウンド加工処理したところ、粒状体と添加剤を混合するミキサーにて粉化が発生し、下流のベルト式ウェイングフィーダーから混練機への原料供給が不安定となった。その結果、混練機のトルクがハンチングし、連続運転が不可能となった。
比較例2
乾式圧縮成形機に供給されるSPS粉粒状体の温度を80℃(ガラス転移温度以下)とした以外は、実施例1と同様の方法で造粒を実施した。
得られた粒状体をコンパウンド加工処理したところ、粒状体と添加剤を混合するミキサーにて粉化が発生し、下流のベルト式ウェイングフィーダーから混練機への原料供給が不安定となった。その結果、混練機のトルクがハンチングし、連続運転が不可能となった。
産業上の利用可能性
以上の実施例からも明らかなように、本発明の方法により、従来の押出機によるペレットを用いた時のコンパウンド品と同等の品質の製品を安定して得ることができる。
本発明の方法では、次のような利点が挙げられる。
(1)乾式圧縮成形機で押出機の代替を行うことにより機器費が低減し、プラントの建設費が抑えられる。
(2)電力消費量が減少することと、熱媒系が簡素になることから、変動費が低減する。
(3)造粒時に樹脂を溶融させないので、結晶化設備が不要であり、また熱履歴回数が減少するので高品質の製品が維持される。
(4)本発明の方法により得られた粒状体を二次加工にて取り扱う場合も従来のペレットと同様の生産性とハンドリング性を備えており、品質についても従来と同等の製品を得ることができる。

Claims (2)

  1. 高度のシンジオタクチック構造を持つスチレン系樹脂粉粒状体が存在する容器中に、有機溶媒を含むスチレン系樹脂粉粒状体を連続的に供給し、該溶媒を蒸発・乾燥させることにより得られた、有機溶媒の含有量が1wt%以下であり、かつ平均粒径が0.15〜5mmのスチレン系樹脂粉粒状体を、引続き、圧縮力1〜20t/cmで、120〜220℃の温度範囲で乾式圧縮成形し、得られた成形物を破砕して粒状体を得ることを特徴とする結晶化度20%以上のスチレン系樹脂粒状体の製造方法。
  2. 成形物を解砕機により破砕した粒子を二段の振動篩により分級し、上段篩に残留した粒子を別の解砕機にて解砕した後、下段篩を通過した粒子と共に乾式圧縮成形機の上流工程に戻して原料のスチレン系樹脂粉粒状体と混合させる請求項1に記載のスチレン系樹脂粒状体の製造方法。
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