JP4156290B2 - 附属容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、酒類、コーヒー等の飲料、食用油等が充填された切妻屋根型(ゲーベルトップ型)紙容器の傾斜屋根上に設置して用いられる「おつまみ」や「付属小物」などを収納する附属容器に関し、さらに詳しくは、傾斜屋根面に口栓を有するタイプの切妻屋根型紙容器に好適な附属容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から切妻屋根型紙容器の傾斜屋根上に「おつまみ」や「附属小物」などを収納する附属容器を取り付けて、消費者の購買意欲を刺激するように構成した商品が販売されている。
【0003】
このような附属容器としては、たとえば、実公昭59−43215号公報等に示されるようなものがある。この公報に示される附属容器は、切妻屋根型紙容器の一方の傾斜屋根上に取り付けられるものであり、附属容器本体の両端部に設けられた舌片を切妻屋根型紙容器の傾斜屋根を構成する入母屋型の窪み内に差込むことにより、切妻屋根型紙容器に取り付けるように構成されたものであるが、この附属容器の取り付けは結構手間のかかる作業であり、ワンタッチで取り付け可能な附属容器が要望されていた。
【0004】
また特開平6−72427号公報に示される屋根形状液体容器への付属品包装容器取付方法では、屋根形状液体容器の一方の傾斜屋根上に接着剤塗布や両面テープによる接着で取り付ける方法や、注ぎ口に係合する取付孔による方法があるが、接着で取り付ける方法では、工程の増加や機械設備の必要性が有るほか、接着位置のずれによる不良品発生や、後工程の熱収縮フィルムによる包装工程での不都合すなわち位置ずれから発生する付属品包装容器の突出等によるフィルムの破損等が考えられ、また注ぎ口に係合させる取付孔による方法では、液体容器の注ぎ口自体のずれが生じた場合、接着による場合と同様、取付位置のずれによる不良品発生や後工程での不都合発生があった。さらに注ぎ口を隠してしまうことで、容器の保有する機能の一部が、消費者に認知されないという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上記問題を解決するためになしたものであって、その目的とするところは、口栓部を露出させることで容器の注出機能を消費者が認知できる構造で、取り付け工程上の不良品発生や後工程での不都合発生を無くし、しかも特段の工程増加や機械設備を必要としない、口栓付切妻屋根型紙容器の傾斜屋根上にワンタッチで取り付け可能な附属容器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、口栓付切妻屋根型紙容器に取り付ける、左側面板、正面板、右側面板、背面板、天面板ならびに傾斜底面板を有する断面横向き直角台形状の附属容器において、前記正面板と前記傾斜底面板との間に前記口栓付切妻屋根型紙容器のトップシール部が嵌入する空隙を設けるとともに、前記正面板の下端から折線を介して、中央部に口栓の幅よりやや大なる幅を有し前記口栓の円筒状側面に略当接する円弧状の下端部が形成された口栓当接板と、該口栓当接板の両側に切線によりそれぞれ独立した表示板とを、それぞれ延設してなる構成により、特段の工程増加や機械設備を必要としないで、口栓付切妻屋根型紙容器の傾斜屋根上にワンタッチで取り付け可能な附属容器を提供し、且つ、口栓当接板と両側のそれぞれの表示板が独立した構成により、口栓付切妻屋根型紙容器の口栓のずれにより発生する附属容器の取り付け不良や、これに伴う後の熱収縮フィルム包装工程での不具合などを解消することができる。
【0007】
また、請求項2の発明は、前記独立した表示板が、それぞれ前記口栓付切妻屋根型紙容器の傾斜屋根の傾斜面奥行き幅に略等しい長さを有し、下端内向き角部を切り欠いた略矩形状からなることを特徴としており、口栓部は露出された状態で消費者の容器機能の認知を可能とし、附属容器の取り付けを、より容易とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
上記の本発明について、図面等を用いて以下に詳述する。
図1は本発明にかかる附属容器の実施形態の展開平面図である。図2は同じく実施形態を底面から見た状態を示す斜視図である。図3は実施形態を口栓付切妻屋根型容器に取り付けた使用状態を示す斜視図である。
【0009】
図1は本発明にかかる附属容器の実施形態の展開平面図であって、縦折線L1、L2、L3、L4を介して順に左側面板1、正面板2、右側面板3、背面板4、貼着板5が連設され、正面板2の上部延長上には横折線L5、L6を介して天面板6、差込板7が連設され、左側面板1および右側面板3のそれぞれ上部延長上には横折線L10、L10´を介して耳片12、12´がそれぞれ延設されている。前記正面板2の下部延長上には、横折線L9を介して中央部分に口栓当接板11が延設されるとともにその両側に同じく横折線L9を介して表示板10、10´がそれぞれ延設されている。左側面板1および右側面板3のそれぞれ下部延長上には傾斜折線L11、L11´を介して傾斜耳片13、13´がそれぞれ延設されている。さらに背面板4の下部延長上には横折線L7、L8を介して傾斜底面板8、保持板9が連設されている。
【0010】
前記正面板2は、本発明の附属容器が取り付けられる口栓付切妻屋根型紙容器のトップシール部高さに略等しい高さと、該トップシール部幅よりやや大なる幅からなる矩形であり、前記背面板4は、前記トップシール部高さに前記傾斜屋根の垂直高さ寸法を加えた寸法に略等しい高さと、前記正面板2の幅に等しい幅からなる矩形である。
【0011】
前記左側面板1および右側面板3は、前記横折線L1およびL2を上辺とし、同じく前記傾斜折線L11およびL11´を斜辺とする横向き直角台形で、正面板2を挟んで略左右対称に連設されおり、前記傾斜折線L11およびL11´の傾斜角度は、前記口栓付切妻屋根型紙容器の傾斜屋根角度に略同一である。また前記横向き直角台形の高さすなわち左右側面板1および3の幅寸法は、前記傾斜屋根の水平奥行き寸法にトップシール部厚みを加えた寸法に略等しい。
【0012】
前記傾斜底面板8は、前記傾斜屋根と略等しい面を持つ矩形である。また連設される前記保持板9は、前記傾斜底面板8の幅と前記トップシール部高さに略等しい高さからなる矩形で、両下端角部を差込用に切り欠いている。
【0013】
前記口栓当接板11は、前記口栓付切妻屋根型紙容器の口栓幅よりやや大なる幅を持ち、その下端は前記口栓に略当接するよう上向き円弧状に形成されている。さらに前記表示板10、10´は前記傾斜屋根の傾斜面奥行き幅に略等しい長さを持つ矩形であるが、その下端内向き角部を一部切り欠いて、前記口栓当接板11を挟んで左右対称に設けられている。尚、前記表示板10、10´の下端内向き角部の一部切り欠きは、後述する附属容器の取り付けをより容易とするためのものであるので、表示意匠等に影響する場合切り欠きを設ける必要は無い。
【0014】
本発明の附属容器の組立てにあたっては、あらかじめサック貼り製函機等で縦折線L1およびL3を折り曲げて、左側面板1と貼着板5が貼着され、扁平に折り畳まれた前記附属容器Fを、縦折線L1、L2、L3、L4を用いて起立させ矩形の筒状体となし、次に傾斜折線L11およびL11´を用いて耳片13および13´を内折りした後、横折線L7およびL8を用いて傾斜底面板8および保持板9を内折りして、保持板9を前記筒状体に差込んで該筒状体底面を形成した後、附属する製品を投入し、次に横折線L10およびL10´を用いて耳片12および12´を内折りした後、横折線L5およびL6を用いて天面板6および差込板7を内折りして、差込板7を前記筒状体に差し込んで該筒状体天面を閉塞して、附属容器の組立てを完了する。尚、本実施例では、天面の閉塞を差込み蓋状としたが、これに限定するものではなく、他の筒状体端部閉塞構造を選択できるものである。
【0015】
図2は本実施形態を底面から見た状態を示す斜視図で、本発明の附属容器が組み立てられた状態を示しているが、前述のように、附属容器Fの左側面板1および右側面板3の幅寸法は、前記傾斜屋根の水平奥行き寸法にトップシール部の厚みを加えた寸法であり、前記傾斜底面板8の奥行き寸法は、傾斜屋根の奥行き寸法に略等しいので、保持板9が差し込まれ組み立てられた状態では、正面板2と保持板9の間に空隙Gが形成され、この空隙Gに本発明にかかる口栓付切妻屋根型紙容器のトップシール部が嵌め込まれることとなる。
【0016】
図3は本発明の附属容器を口栓付切妻屋根型容器に取り付けた使用状態を示す斜視図で、Aは口栓付切妻屋根型紙容器、Fは附属容器である。前述したように、附属する製品が投入されて組み立てられた附属容器Fは、天面板6を上にした状態で、前記空隙Gに口栓付切妻屋根型紙容器Aのトップシール部Dを差込みつつ、表示板10、10´が口栓付の傾斜屋根B面に沿いながら外折りされ、次に口栓当接板11が同じく口栓付の傾斜屋根B面に沿いながら外折りされ口栓Cに当接されるとともに、附属容器の傾斜底面板8が口栓Cの無い側の傾斜屋根B面に当接されることで、取り付けが完了する。
【0017】
前記口栓Cは口栓付切妻屋根型紙容器Aの幅方向中央位置に取り付けられているが、取り付け位置のずれや、口栓付切妻屋根型紙容器A自体の起函状態のばらつきにより、幅方向中央位置からずれることがある。このとき本発明の附属容器Fの口栓当接板11および表示板10、10´はそれぞれ独立しているので、前記口栓Cのずれに対応して取り付けることができる。例えば口栓Cが右寄りにずれて位置している場合、表示板10´はやや右方向に押出された状態で口栓Cに当接することとなり、表示板10は口栓Cに当接しない状態で取り付けられることとなる。尚、こうして附属容器Fが取り付けられた口栓付切妻屋根型紙容器Aは、通常、熱収縮性フィルムにより全体を被覆された状態で販売されるが、前述した口栓Cのずれにより発生する、表示板10あるいは10´の状態変化すなわち一部が傾斜屋根端縁Eの外側に押出されるような状態変化も、口栓当接板11および表示板10、10´がそれぞれ独立しているので、熱収縮性フィルムの収縮により生じる表示板10あるいは10´を口栓C方向へ押入れる力が、正面板2の撓みにより逃がされることとなり、傾斜屋根端縁Eの外側に押出されていた表示板10あるいは10´が傾斜屋根端縁Eの内側に戻され、よって全体の熱収縮フィルムによる被覆された状態に支障を来たす事が無い。
【0018】
【発明の効果】
以上のように本発明の附属容器は、口栓付切妻屋根型紙容器の傾斜屋根上に取り付け固定することができる「おつまみ」や「付属小物」などを収納する付属容器であって、ワンタッチで口栓付切妻屋根型紙容器の傾斜屋根上に取り付け固定することができるという優れた効果とともに、口栓部は露出された状態で消費者の容器機能の認知を可能としつつ、口栓部の位置ずれによる取り付け工程での不良品発生や後工程の熱収縮性フィルム包装工程での不良品発生を無くし、しかも特段の工程増加や機械設備を必要としないという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる附属容器の実施形態の展開平面図である。
【図2】 実施形態を底面から見た状態を示す斜視図である。
【図3】 実施形態を口栓付切妻屋根型容器に取り付けた使用状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 左側面板
2 正面板
3 右側面板
4 背面板
5 貼着板
6 天面板
7 差込板
8 傾斜底面板
9 保持板
10、10´ 表示板
11 口栓当接板
12、12´ 耳片
13、13´ 傾斜耳片
L1〜L4 縦折線
L5〜L10´ 横折線
L11、L11´ 傾斜折線
A 口栓付切妻屋根型紙容器
B 傾斜屋根
C 口栓
D トップシール部
E 傾斜屋根端縁
F 附属容器
G 空隙
Claims (2)
- 口栓付切妻屋根型紙容器に取り付ける、左側面板、正面板、右側面板、背面板、天面板ならびに傾斜底面板を有する断面横向き直角台形状の附属容器において、前記正面板と前記傾斜底面板との間に前記口栓付切妻屋根型紙容器のトップシール部が嵌入する空隙を設けるとともに、前記正面板の下端から折線を介して、中央部に口栓の幅よりやや大なる幅を有し前記口栓の円筒状側面に略当接する円弧状の下端部が形成された口栓当接板と、該口栓当接板の両側に切線によりそれぞれ独立した表示板とを、それぞれ延設してなることを特徴とする附属容器。
- 前記独立した表示板は、それぞれ前記口栓付切妻屋根型紙容器の傾斜屋根の傾斜面奥行き幅に略等しい長さを有し、下端内向き角部を切り欠いた略矩形状からなることを特徴とする請求項1記載の附属容器。
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