JP4156101B2 - 空気調和装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は冷却コイルの除霜と、冷却後の空気温度の調節に電気ヒータを用いる空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術とその問題点】
例えばブライン方式や液ポンプ方式の冷却手段を備える空気調和装置には、冷熱源(ブラインタンクや低圧受液器)から冷却コイルへ冷却媒体(ブラインや液冷媒)を送る送液管の途中に除霜用の電気ヒータを備え、冷却コイルの除霜を行う際に前記除霜用の電気ヒータで冷却媒体を所要温度に加温し、加温された冷却媒体を冷却コイルへ送ることにより冷却コイルの除霜を行うものがある。
【0003】
上述した空気調和装置では冷却コイルで冷却した後の空気を電気ヒータで加熱して所要の温度に調節するようにしたものがあり、このような従来の空気調和装置では除霜用の電気ヒータと温度調節用の電気ヒータにそれぞれ個別の電力供給ラインを接続してあって、各電力供給ラインに電気ヒータの容量に合わせたブレーカを設けてある。
【0004】
したがって、両電気ヒータ用の受電容量は各ブレーカ容量の和となり、例えば除霜用の電気ヒータの容量が100kw、温度調節用の電気ヒータの容量が250kwであれば受電容量を350kwとしなければならない。
【0005】
ところで、電力料金のうちの基本料金は電力会社との契約受電容量により決まるので、受電容量が大であれば電力料金が嵩み、したがって空気調和装置のランニングコストが大となる。
【0006】
【目的】
本発明の目的とするところは、電気ヒータ用電力の受電容量が少なくて済み、ランニングコストの低減を期せる空気調和装置を提供することにある。
【0007】
【本発明の構成】
上記目的を達成するために、本発明に係る空気調和装置は、冷熱源から冷却媒体が供給される冷却コイルと空気温度調節用の電気ヒータを空調器内に備えていて前記冷却コイルにより冷却された空気が前記空気温度調節用の電気ヒータで所要の温度に調節され、かつ、前記冷熱源から冷却コイルへ冷却媒体を供給する送液管の途中に除霜用の電気ヒータを備える空気調和装置において、電源からブレーカを介して前記温度調節用および除霜用の各電気ヒータへ電力を供給する電力供給ラインの前記ブレーカよりも下流側に、通常運転時には温度調節用の電気ヒータ側へメークされているが、除霜運転時には除霜用の電気ヒータ側へメークされる切換スイッチを設け、温度調節用の電気ヒータと除霜用の電気ヒータへ択一的に電力が供給されるように構成したものとしてある。
【0008】
【実施例】
以下、本発明に係る空気調和装置の実施例を添付図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。
図において符号1は冷熱源たるブラインタンク1を示し、同ブラインタンクには冷却装置2により所要の温度に冷却された冷却媒体たるブラインが蓄えられるようになっている。
【0009】
ブラインタンク1に一端が接続された送液管3の他端はブラインポンプ4および除霜用電気ヒータ(以下除霜ヒータと称する)5を介して空調器6内の冷却コイル7の入口に接続され、同冷却コイル7の出口に一端が接続された返液管8の他端はブラインタンク1に接続されている。
【0010】
前記空調器6内の冷却コイル7の下流側には空気温度調節用の電気ヒータ(以下温調用ヒータと称する)9が設けられていて、空調器6の空気出口に一端が接続された送気ダクト10の他端が環境試験室等の被空調室11の送気口に接続され、同被空調室11の吸気口に一端が接続された吸気ダクト12の他端が送風機13を介して前記空調器6の空気入口に接続されている。
【0011】
しかして本発明に係る空気調和装置においては前記除霜ヒータ5と温調ヒータ9への電力供給ラインを次ぎのように構成してある。
電源14からの主電力ライン15はブレーカ16とサイリスタ17をこの順に介して切換スイッチ18に接続され、同切換スイッチ18は主電力ライン15を温調ヒータ9側の第1枝電力ライン19または除霜ヒータ5側の第2電力ライン20へ択一的に接続する選択スイッチとしてあって、空気調和装置の通常運転時は第1枝電力ライン19側にメークされて温調ヒータ9へ電力を供給し、除霜運転時は第2枝電力ライン20側にメークされて除霜ヒータ5へ電力を供給するようになっている。
【0012】
なお、前記切換スイッチ18の切換操作は手動で行うようにしてもよいが、冷却コイルの温度を温度センサで検知し、同温度に基づいて除霜指令を発する除霜制御回路からの除霜指令により切換スイッチを自動的に切り換えるようにするのが望ましく、また除霜タイマ等から発せられる除霜指令に基づいて自動的に切り換えるようにすることもできる。
【0013】
次ぎに上述のように構成した本発明に係る空気調和装置の作用を説明する。
ブラインタンク1内のブラインはブラインポンプ4の駆動によって送液管3内を除霜ヒータ5を経て冷却コイル7に送られ、空調器6内の空気を冷却して返液管8によりブラインタンクに戻される。
【0014】
一方、被空調室11内の空気は送風機13の駆動により吸気ダクト12を経て空調器6内へ送られ、冷却コイル7、温調ヒータ9を経て送気ダクト10により被空調室11へ戻される。
【0015】
しかして通常運転時には切換スイッチ18は温調ヒータ9側にメークされていて、電源14からの電力は主電力ライン15によりブレーカ16、サイリスタ17、切換スイッチ18を経て第1枝電力ライン19により温調ヒータ9へ送られる。
【0016】
したがって空調器6内において、冷却コイル7により冷却された空気は温調ヒータ9により所要の温度に調節されて被空調室11へ送られる。
【0017】
除霜運転時には切換スイッチ18が除霜ヒータ5側にメークされ、電源14からの電力は主電力ライン15によりブレーカ16、サイリスタ17、切換スイッチ18を経て第2枝電力ライン20により除霜ヒータ5へ送られる。
【0018】
したがって、ブラインタンク1からのブラインは送液管3の途中で除霜ヒータ5によって加温されて冷却コイル7へ送られ、冷却コイル7に付着した霜を融かし、返液管8によりブラインタンク1に送られる。
【0019】
上述のように、電源14からの電力は通常運転、除霜運転に拘らず1つのブレーカ16を経ていずれかのヒータへ送られるので、ブレーカ16の容量は温調ヒータ9か除霜ヒータ5のうち消費電力の大なる側に合わせて設定すればよい。
【0020】
具体的には、例えば温調用ヒータ9の容量が250kw、除霜用ヒータ5の容量が100kwであればブレーカ16の容量を250kwとすればよい。
したがって、従来の装置に比して受電容量を格段に小なるものとすることができる。
【0021】
上述した実施例においてはブラインタンク1から空調器6の冷却コイルへブラインを供給するブライン方式の空気調和装置の構成について説明したが、低圧受液器から液ポンプにより液冷媒を冷却コイルへ送る液ポンプ方式の空気調和装置にも適用することができ、この場合には除霜用ヒータを低圧受液器と冷却コイル間の送液管に設けるようにする。
【0022】
【発明の効果】
本発明に係る空気調和装置によれば、温調用ヒータの電力供給ラインと除霜用ヒータの電力供給ラインへ択一的に電力を供給することができるようにしてあるので、両ヒータ用のブレーカは1個で事が足り、電気ヒータ用の受電容量を両ヒータのうち受電容量の大なる一方に合わせて設定することができる。
したがって、各ヒータにそれぞれ個別のブレーカを介して電力を供給していた従来のものに比して受電容量を格段に小なるものにすることができ、電力料金の削減が可能で、ランニングコストの低減を期すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る空気調和装置の実施例を示す構成図。
【符号の説明】
1 ブラインタンク 2 冷却装置
3 送液管 4 ブラインポンプ
5 除霜用の電気ヒータ 6 空調器
7 冷却コイル 8 返液管
9 空気温度調節用の電気ヒータ
10 送気ダクト 11 被空調室
12 吸気ダクト 13 送風機
14 電源 15 主電力ライン
16 ブレーカ 17 サイリスタ
18 切換スイッチ 19 第1枝電力ライン
20 第2枝電力ライン

Claims (1)

  1. 冷熱源から冷却媒体が供給される冷却コイルと空気温度調節用の電気ヒータを空調器内に備えていて前記冷却コイルにより冷却された空気が前記空気温度調節用の電気ヒータで所要の温度に調節され、かつ、前記冷熱源から冷却コイルへ冷却媒体を供給する送液管の途中に除霜用の電気ヒータを備える空気調和装置において、電源からブレーカを介して前記温度調節用および除霜用の各電気ヒータへ電力を供給する電力供給ラインの前記ブレーカよりも下流側に、通常運転時には温度調節用の電気ヒータ側へメークされているが、除霜運転時には除霜用の電気ヒータ側へメークされる切換スイッチを設け、温度調節用の電気ヒータと除霜用の電気ヒータへ択一的に電力が供給されるように構成してなる空気調和装置。
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