JP4155619B2 - ロールバック管構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、好ましくは内視鏡装置、例えば人体における溝型の腔を検査し、手術器械や薬物等を投入するカテーテルあるいはその他軸状の環状器械用の、折り返し構造を備えたロールバック管の構造に関し、特に、請求項1のプレアンブルに一致するロールバック管の構造に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
内視鏡は主に、食道、胃、腸(口からあるいは肛門から)、尿道および膀胱を目視検査する際に使用される。この目的のため、内視鏡は、その末端部に発光装置およびレンズ、好ましくは、内視鏡軸中にある導線を介して、内視鏡の軸端にあるカメラ制御手段に接続されたカメラ・チップとを備えている。カメラ制御手段は、ビデオ・プロセッサを介して、手術にあたっている医師が検査を行う領域を識別できるようになっている外部モニターに接続されている。腔に導入される軸の末端部は、如何なる方向にも屈曲可能で、ハンドルを用いて手動で、好ましくは内視鏡の裏側の端部にあるブレーキを備えた2個の操縦輪を介して、指のように屈曲できるよう設計されている。また、内視鏡軸は一般に、内視鏡を貫通し、末端部で開口する流路を少なくとも2本有している。必要に応じて、これらの流路は、例えば、検査を行う部分を洗浄するために洗浄液を、あるいは腔を広げるための空気を流し込む際に使用される。また、組織標本をとる鉗子やはさみ、同じく、内視鏡軸の裏側の端部で、内部流路内にある操作ワイヤーあるいはボーデン・ケーブルを介して、手動操作が可能な、生検針や加熱切断ワイヤーなどの様々な手術用器具を使用中の流路に挿通することができる。
【0003】
内視鏡は通常、直径約9ミリから15ミリの細長い管型をしており、検査を行う部分、例えば腸管などの腔の湾曲に沿って屈曲可能な素材でできている。
【0004】
こうした一般型の内視鏡は、たとえばドイツ特許出願公開第4 242 291号公報と同様の先行技術により知られている。
【0005】
本内視鏡は、基本的に、自在に屈曲可能で管型をした内視鏡軸に隣接する内視鏡先端部もしくは末端部と、内視鏡軸の裏側の端部に備わっている操作機構から成っている。さらに、内視鏡の裏側の端部には、動輪を介して内視鏡の軸上に動力を発生させる第一駆動機構もしくは推進機構が備えられている。内視鏡軸の周囲の、少なくとも表側の部分には、第二駆動機構もしくは推進機構を介して駆動するロールバック管が備えられている。本発明のロールバック管は、内視鏡軸の表面上を摺動する内管部から成り、該内管部は内視鏡の末端部区域で折り返されることによって表外管部を形成している。表外管部は、第二駆動機構までいっぱいに戻され、ハウジングに固定される。内視鏡の裏領域においては、内管部が折り返されることによって裏外管部が形成され、該裏外管部は第二駆動機構まで戻されてハウジングに固定され、つまり、表外管部の反対側にあるハウジングの軸端部側に固定される。
【0006】
本発明の第二駆動機構は、内ロールバック管部を内視鏡軸の軸方向に動かす働きをする。この目的のため、第二駆動機構は、カフ型もしくはカラー型のものがあり、放射状に収縮が可能で、したがって、内管部へ摩擦を加え、ピストンのように内視鏡の軸方向に移動可能である。この第二駆動機構はさらに変形可能であり、内管部上を移動することによって、内管部上に必要不可欠で継続的な前進運動を引き起こす複数の摩擦車が設けられている。第二駆動機構のカフもしくは摩擦車による放射状の押圧力は、きわめて大きく設定されているため、内管部の素材変形が起こることによって、少なくともいくばくかの加えられた押圧力が内視鏡軸のジャケット面に伝達され、相互に摺動性が存在するにもかかわらず、内視鏡軸が内管部とともに前方へ駆動されることになる。
【0007】
ゆえに、第二駆動機構に影響されたこの種の駆動のみでは、すなわち、第一駆動機構なくしては、表側のロールバック区域におけるロールバック管の前進速度は、そのロールバック動作のため、内視鏡軸の前進速度の半分に減少してしまう。すなわち、内視鏡軸は、貫通度が深くなると、ロールバック管から腔内へ入れ子式に出現し、序文で紹介した第一駆動機構が内視鏡軸上に制動力を引き起こし、その制動力が第二駆動機構の推進力に対抗する。
【0008】
このとき、第二駆動機構は、第一駆動機構に同期し、二つの駆動機構が相互作用を引き起こすことによって、軸方向に向かう内管部の移動速度は、内視鏡軸の移動速度のほぼ二倍に増加する。この変化は、内側の内視鏡軸に左右される。(すなわち、内視鏡の末端が、ロールバック管の表側の折り返し区域と同じ速度で動く)。
【0009】
内視鏡軸とロールバック管の間の相対移動を促進するために、ドイツ特許出願公開第4 242 291号公報による先行技術では、内管部と内視鏡軸の間の隙間および、内管部と外管部間の空隙中へ潤滑剤を強制的に投入することが可能な潤滑装置も提案している。この目的のため、潤滑装置は、とりわけ、内視鏡軸の上にスライドする円錐型スリーブを有し、該円錐型スリーブは、円錐型スリーブの上にスライドするロールバック管の裏側のロールバック部と密接に相互作用を引き起こす。潤滑剤は、ポンプによって円錐形スリーブと内視鏡軸の間の隙間に強制的に投入され、内管部と内視鏡軸の間から、ロールバック管全体に広がり、ロールバック管の表側の折り返し部内に余分に流れ込んだ潤滑剤は、検査を行う部分である腔内に出現する。
【0010】
当業内先行技術によれば、発明者は、上記一般型の二重ロールバック管・システムを使用した内視鏡検査器械も開発中とのことであり、下記にその要約を記述する。
【0011】
本内視鏡検査器械は、管の中を摺動しながら案内される内視鏡軸を有し、これは両端でロールバックされ、ロールバック管の内管部に作用する駆動機構によって再度移動可能である。駆動機構は、少なくとも一つの継続的な推進手段、特に摩擦車を有し、該摩擦車は内管部を基本的、継続的に内視鏡軸の軸方向に移動させるよう内管部を放射状に押圧することが可能である。本器械の大きな利点は、ロールバック管・システムの継続的推進が正確にコントロールされることであり、ゆえに、例えば、内視鏡の末端が正確な位置に案内される。
【0012】
内管部にかかる、推進手段による押圧力は、少なくとも推進手段の領域内では、軸が摩擦で内管部と直接接触するように選択されるものとする。推進手段は、予め決定済みもしくは調節可能な押圧力を有する内管部に対抗する圧縮応力を加えられた、一つ以上の摩擦車より成り、そのため、患者の体内の検査部位である腔内へ内視鏡軸が継続的かつ、できるだけ空転の少ない動作で進んでいくのを確実にすることができる。
【0013】
加えて、駆動機構は、軸の動作とロールバック管の動作を同期させる装置を備えている。これは、軸上に軸方向に固定された裏側と表側の端片もしくは締付片であればよく、その上をロールバック管の裏側もしくは表側のロールバック部が、前進方向に応じて確実に摺動する。その結果、ロールバック管は、裏側もしくは表側の端片を介して、内視鏡軸カウンターに制動力を加え、推進手段によってすでに効力を発揮している推進力にさらに力を加えることができる。
【0014】
発明者が行った試験についてはこれまでに示したが、しかしながら、ロールバック管システムを有する、上述のように形成された内視鏡検査器械においては、摩擦車を介して発生させられる推進力には限界がある。なぜならば、潤滑剤の被膜は内管部と軸のジャケット面の間に形成され、内視鏡軸と内管部間の相対的な摺動を可能にするものであるため、摩擦車による推進力は、内管部を介して内視鏡軸に部分的に伝達されるのみだからである。つまり、摩擦車による推進力の残りの部分は、内管部を介して表側の端片に作用し、表側の端片は、代わりに、内視鏡軸を締め付ける。一方、内視鏡軸カウンターの裏側の端片もしくは締付片において発生し、摩擦車による推進力に力を加える全制動力は、ロールバック管の裏側の内管部と外管部に作用する。
【0015】
上述のロールバック管は、基本的に、シリコンもしくは類似の材質からできており、内視鏡軸の動作中に、表側と裏側の折り返し部においてロスのない折り返しを可能にするために厚い材質を用いている。しかしながら、この構造も、特に内管部上で摩擦車もしくは裏側と表側の締付片の作用によって内視鏡軸が前進している場合には、負荷をわずかに軽減させることができるのみである。このように負荷の最大許容量が制限されているならば、特に内管部では、材質とその厚さによっては、負荷を超えて折れてしまうこともありうる。この状態においては、相対的な摺動性が損なわれるのみならず、内視鏡軸に作用できる最大推進力も減少し、前進動作が低下もしくは停止することもある。
【0016】
これらの試験から引き出した結果として、上記の説明に一致するロールバック管構造の場合には、検査を行う腔への内視鏡の貫通度には限界があるということが言える。なぜなら、貫通度が深くなるにつれ、内視鏡軸に作用する推進力も増加せざるをえず、しかしながら、その力には、特にロールバック管の内管部においては、最大負荷という限界があるからである。
【0017】
本発明の課題は、叙上の問題点を解消し、増加する推進力を内視鏡軸やカテーテルもしくは類似の軸様の環状器具に伝達できるような手段を用いて、ロールバック管構造を有効なものにすることである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、請求項1による特徴を備えたロールバック管構造を用いることによって、この目標は達成される。
【0019】
つまり、このロールバック管構造は内管部から成るロールバック管を有し、少なくとも表側の折り返し部で折り返されて外管部を形成し、ロールバック管が補強される。この補強により、ロールバック管の早期段階での折れは避けられ、その結果、少なくとも3倍の推進力がロールバック管を介して伝達可能になるということである。
【0020】
ここで取り上げた補強が、フィラメントもしくは延伸フィラメント、好ましくはナイロンで作られた巻線から成るものであれば有効である。このとき、補強により、チューブが弾力的にがわずかに膨張することが重要で、特に他の目的も考え合わせると、弾力性を生来備えているナイロンを用いれば、膨張させることができる。もちろん、ナイロンの他にも、例えば金属性のワイヤーなど生来の弾力性の低い物質を利用することも可能である。しかしながら、この場合は、ワイヤーをある程度引き延ばせて、その結果チューブを拡張させるために、ワイヤーを直線状に設けるのではなく、輪状もしくはジグザグ状に設ける必要がある。
【0021】
請求項4によれば、この巻線は0.2ミリから2ミリのピッチを有している。この補強案を用いると、少なくとも表側の折り返し部におけるロールバック動作は、チューブの材質をミリングした結果、ごくわずかのみ増加する。したがって、ロールバック管の特性、つまり操作性、表側の折り返し部での湾曲性、融通性は、ロールバック管に補強を加えない場合と比較して、ほぼ変化なく保たれる。もちろん、チューブの全長にわたってピッチを入れる必要はないが、ロールバック管全体の機能として変更することは可能である。ゆえに、力を最大に伝達できる裏側部分でのピッチは小さくし、継続的に増加させていくか、もしくはロールバック管の表側部分の方向に徐々に増加させていくことが可能である。加えて、本発明に係わるロールバック管構造の適用範囲は、内視鏡軸やカテーテル、手術器具といった軸様の環状器具に限定されるものではない。また、例えば本発明に係わるロールバック管構造を使用するには、タブレットやアンプル状の薬物を腔内の特定の場所に投与する必要性も生じてくると考えられる。ロールバック管構造は、医学の分野のみに使用が限定されているわけではなく、例えば工業、研究、製造などあらゆる分野での使用が可能で、検査や処理に軸および導管が必要とされ、従来の装置や器具では対応できない溝型腔を調べる際に使用される。
【0022】
【発明の実施の形態】
ここでは、本発明の実施例は、サブクレームの主題となる。
【0023】
以下に、好ましい実施例に基づいて、下記の添付図面を参照しながら本発明をさらに詳細に説明する。
【0024】
図1は本発明の好ましい実施例による、特に内視鏡検査器具もしくはカテーテル用のロールバック管構造の縦断面図、図2は好ましい実施例によるロールバック管構造の外端部の斜視図、図3は本発明によるロールバック管構造の横断面図である。
【0025】
図1に示すように、本発明によるロールバック管構造は、駆動および案内スリーブもしくは管案内部3内を摺動する内管部2から成るロールバック管1を含み、二者の間には輪状の隙間が形成され、表領域4(折り返し領域)で折り返されることによって表外管部5を形成する。このとき、表外管部5は、駆動および案内スリーブ(管誘導部)3に折り返される。表外管部5は、剛性材、好ましくは合成材もしくは金属でできており、駆動スリーブ3が内管部2と表外管部5との間に来るように、駆動筒3上の軸端部で該表外管部5が固定されることが好ましい。つまり言い換えれば、軸方向端領域において表外管部5の端が、駆動スリーブ3の外ジャケット面に固着もしくは加硫するのが好ましい。また、例えば管締付けなどの他の固定方法も可能である。
【0026】
ロールバック管1の裏領域(折り返し領域)6では、内管部2を折り返すことにより、前述と同じ方法で駆動スリーブ3まで戻され、また駆動スリーブ3の軸端に固定されるように裏外管部7が形成されている。駆動スリーブ3の軸端は、内部および外部裏管部2および7の間に来るようになっている。駆動スリーブ3は内管部2用の案内素子として使用され、歪みと、折り目やしわができるのを防止し、また一方で、表外管部および裏外管部7用の接続片として使用され、この場合、駆動スリーブ3の中央領域が外部ジャケット面に露出、つまり、ロールバック管1に被われないようになっている。この中央部において、駆動スリーブ3は、少なくとも1個の開口部8、好ましくは、軸方向に延びた所定の幅を有する長溝穴を有している。本実施例においては、4個以上の長溝穴8が設けられ、互いに角距離をおいて配置されている。図1に、2個の対向する長溝穴を示す。また、駆動スリーブ3は、好ましくはその内側に、連続して長溝(詳述しない)を複数有し、該長溝は、内管部2と外管部5および7との間に形成された空洞に通じる駆動スリーブ3の端面で開口している。これらの長溝は軸方向に平行あるいは螺旋状に形成されている。
【0027】
図1から特に明らかなように、ロールバック管1の素材、すなわち、素材の種類および強度については、ビード状の広がりが、折り返し時に素材が集積された結果、表および裏側のロールバック領域4および6で形成されようなものが選択される。
【0028】
本発明の好ましい実施例における素材の種類および強度については、図2と図3の(a)および(b)を参照しながら下記に詳細説明する。
【0029】
好ましい実施例によるロールバック管1は、肉厚0.5〜1.5mm、好ましくは0.8mmのシリコーン材から成り、チューブ9を形成する。該シリコーン・チューブは、好ましくはナイロンからなる強化配列10(以下、ナイロン巻線あるいは線巻きと呼ぶ)により被われ、該巻線はシリコーンの被い11により被われている。被い11の肉厚は、ここでは、0.1〜0.5mmで、好ましくは0.2mmである。ナイロンからなる強化配列10は、図2から特に明らかなように、シリコーン・チューブ1の軸方向にそのジャケット面に0.2〜2mm、好ましくは0.5mmのピッチでそして所定の張力で巻着されるナイロン・フィラメントあるいはナイロン延伸フィラメントである。シリコーンの被い11は、補強材あるいはナイロン巻線10の各々のナイロン・フィラメント間の間隙(空間)を埋め、それにより、補強部材10を外側で完全に被う。ロールバック管およびナイロン線巻の寸法に関する上記説明は、内視鏡軸あるいはカテーテルなどの特に医療用を目的としたロールバック管の構造についてふれている。しかし、ロールバック管が、侵入不可能、あるいは侵入が困難な導管または軸を検査したりその中で作業を行うような構造を有している場合は、これらの寸法は異なる。また、素材としてのナイロンは、あくまでも好ましい実施例において挙げられているのであって、同様の特徴を有する他の素材と容易に交換可能である。ナイロンの特徴も、下記に簡単に説明するように、構造処置によりシミュレート可能である。
【0030】
初めに指摘したように、補強部材10はチューブのわずかな膨張を可能にする必要があり、それによってチューブが適合できる。使用されるナイロン延伸フィラメントは、固有弾性によって、チューブを広げる。例えば、線巻を使用する場合、線の長さ方向にやや弾力的に延ばせるように、例えばジグザグ形状に設ける必要がある。
【0031】
好ましい実施例による上述のロールバック管の構造を作るには、下記の手順に従って行う。
【0032】
ロールバック管1を制作するにはまず、押し出し成形により作成されるシリコーン・チューブ9を、金属ロッドあるいはその他、環状物質(詳述しない)に弾力的に引き込みむ。その金属ロッドあるいは環状物質の直径は本質的にシリコーン・チューブ9の内径に相当するか、あるいはやや大きい。巻取り機(図示しない)を使用して、ナイロン・フィラメントあるいはナイロン延伸フィラメント10を巻取り、同時に、該巻取り機は軸方向への移動連続速度でシリコーン・チューブ9の周囲に案内され、シリコーン・チューブ9は回転している。これにより、シリコーン・チューブ9に、前述したような0.2〜2mmのピッチでナイロン・フィラメントが巻かれて補強される。
【0033】
巻取り手順が完了した後、シリコーン・チューブ9のジャケット面および補強部材10に対して液状シリコーンを半径方向に均一に塗布し、その結果、肉厚0.1〜0.5mmの被い11が形成される。この被いについては、どの箇所においても同一の肉厚を有する必要はなく、チューブの長さ方向において変化させてもよい。シリコーンが硬化した後、チューブ9に加硫処理を施し、シリコーン/ナイロン・フィラメントとの積層の密着を充分にする。
【0034】
上記の方法で形成されたロールバック管1は、約2〜3mの長さに縮めて、外部で製造された駆動スリーブ3の中に案内する。
【0035】
続いてロールバック管1は、軸端(ロールバック領域4および6)で外側に折り返され、駆動スリーブ3に案内されて、外、表および裏管部5および7を形成している。最後に、図1に示すように、ロールバック管端が駆動スリーブ3の外面における各軸端部にしっかりと密着しているか、固定している。
【0036】
該駆動スリーブ3は、駆動機構(詳述しない)を固定する役目を果たし、この駆動機構のハウジングは、駆動スリーブ3に固定されたロールバック管1の対向する端部が駆動スリーブ3と駆動機構とそのハウジングとの間でしっかり固着するように、駆動スリーブ3に圧締めされている。この駆動機構は、摩擦車(図示しない)を有し、駆動機構が駆動スリーブ3に固定されている際、この摩擦車は図1に示す溝穴8を通って突き出る。例えばカテーテルのような内視鏡軸(図示しない)あるいは軸状の環状物は、ロールバック管1に導入され、この直径はロールバック管1の内管部2の内径よりもやや小さく、摩擦車は内管部2を介して内視鏡軸(図示しない)に対して押圧される。
【0037】
内視鏡装置に対して本発明者により行われたテストにより、シリコーンあるいはその他の素材(例えばネオプレン)のみからなる非補強ロールバック管と比較して、案内スリーブ3に加えて上述のナイロン巻線10、あるいは上述の構造設計を有するロールバック管1は、しわがつく前に、内視鏡軸における軸方向に剪断力を3回だけ伝達することができる。ロールバック運動は、わずかだけ上述のナイロン巻線10の影響を受け、そのため、内視鏡の導入中に、折り返し処理に必要な駆動力が減少するのを最小限に抑えるといった効果が失われる。
【0038】
ロールバック管1の構造設計、特に本発明による補強部材10の設計は、両端で折り返されたタイプのロールバック管に制限されるものではない。ロールバック管の構造は、一端が折り返されたロール・バックチューブにも有効に適応でき、この場合、上述のとおり、内視鏡軸およびロールバック管の前進速度を同期させる制動車の前進力に対抗する制動力を吸収する裏側の折り返し領域を、独立した実駆動装置の内視鏡軸に応じて動作する駆動/制動機構と交換し、その結果、ロールバック管の表領域における折り返しのみが内視鏡軸およびロールバック管の前進運動に必要とされる。
【0039】
さらに、本発明において、チューブの素材としてシリコーンのみを使用することに限定されるものではなく、加工、流動性、および弾性、人体との適合性、滑材との反応などについて、同一あるいは同様の特徴を有する他の素材も基材として使用できる。
【0040】
要約すると、本発明は好ましくは軟質内視鏡軸用の移送手段としてのロール・バック・チューブの構造に関し、シリコーン製ロールバック管は、少なくともひとつの折り返し領域が折り返されて外部チューブを形成し、補強材が設けられた内管部を含んでいる。補強材は、0.2〜2mmのピッチでシリコーン・チューブを被うナイロン・フィラメント巻線あるいは線巻よりなり、該補強材はシリコーンにより被われている。ロールバック管の構造は、表および裏外管部がそれらの間に設けられたチューブ案内スリーブにより一端で接続されて内管部がその中を通って延長された状態の両端で折り返し可能なタイプのチューブに従って設計される。チューブ案内スリーブはロールバック管・ドライブを取り付ける際に使用する。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、増加する推進力を内視鏡軸やカテーテルもしくは類似の軸様の環状器具に伝達できるような手段を用いて、折り返し構造を有効なものにしうるロールバック管を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかわる、特に内視鏡検査器具もしくはカテーテル用のロールバック管構造の一例の縦断面図である。
【図2】本発明の他の実施の形態にかかわるロールバック管構造の外端部の一例を示す斜視図である。
【図3】図2のロールバック管構造の横断面図である。
【符号の説明】
1 ロールバック管
2 内管部
3 ガイドスリーブ
5 外管部
9 内管

Claims (13)

  1. 外管部(5)を形成するために、少なくとも1つの折り返し領域(4)において折り返された内管部(2)からなるロールバック管(1)によって、好ましくは内視鏡の軸、撓みうる軸として構成されたカテーテルまたは動作管および類似の軸装置ための輸送手段としてのロールバック管構造であって、前記ロールバック管に補強部材(10)が設けられてなることを特徴とするロールバック管構造。
  2. 前記補強部材が巻き糸からなることを特徴とする請求項1記載のロールバック管構造。
  3. 前記巻き糸が、好ましくはナイロンからなるフィラメントまたはスパンフィラメントによって形成されてなることを特徴とする請求項2記載のロールバック管構造。
  4. 前記巻き糸が0.2〜2mmのピッチを有してなることを特徴とする請求項2または3記載のロールバック管構造。
  5. 前記巻き糸が0.5mmのピッチを有してなることを特徴とする請求項2または3記載のロールバック管構造。
  6. 前記ロールバック管(1)が、好ましくはシリコーンの内管(9)からなり、当該内管上に補強部材が引かれ、当該内管が好ましくはシリコーンの被覆(11)によって取り囲まれてなることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載のロールバック管構造。
  7. 前記内管(9)の壁の厚さが0.5〜2.5mmであり、好ましくは0.8mmであることを特徴とする請求項6記載のロールバック管構造。
  8. 前記壁の厚さが0.1〜0.5mmであり、好ましくは0.2mmであることを特徴とする請求項6記載のロールバック管構造。
  9. 前記内管部(2)が貫いて延びるスリーブ(3)を備えており、その軸端部において前部外管部(5)の端部と後部外管部(7)の端部とが固定されており、当該後部外管部が後部折り返し領域(6)で内管部(2)を折り返すことによって形成されてなることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載のロールバック管構造。
  10. 前記巻き糸が、好ましくは金属のワイヤからなることを特徴とする請求項2記載のロールバック管構造。
  11. 前記ワイヤがジグザグまたはループ状に延びるように形成されてなることを特徴とする請求項10記載のロールバック管構造。
  12. 前記補強部材(10)がロールバック管(1)の僅かな拡張を許してなることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11記載のロールバック管構造。
  13. 前記巻き糸のピッチが、ロールバック管の長さの機能として管の長手方向で異なってなることを特徴とする請求項2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12記載のロールバック管構造。
JP12752198A 1997-11-03 1998-05-11 ロールバック管構造 Expired - Lifetime JP4155619B2 (ja)

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DE19748500.6 1997-11-03
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