JP4155459B2 - ダイ塗布方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチックフィルム、紙、金属箔等の可撓性支持体又は被塗布体に、種々の塗料を塗布するダイ塗布方法及びダイ塗布装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラスチックフィルム、紙、金属箔等の可撓性支持体又は被塗布体(以下、ウェブと称する)に、塗布液を塗布するために種々の装置が用いられている。その中で、塗布液をスロットより押出すタイプの塗布装置としては、例えば、ダイ型塗布装置、スライドコート型塗布装置が知られており、特にダイ塗布装置は種々製品の製造に用いられている。
【0003】
近年、ダイ型塗布装置に対する被塗布物の高精度化が要求されるようになり、特に高精度で均一な幅方向膜厚精度が求められている。それに伴い塗布装置についても非常に高い加工精度、組み付け精度が要求されている。このような傾向に対し、実際には製造コストの観点から、1台のダイ塗布装置で様々な塗布幅の製品に対応しなければならない。ところが、塗布幅を変更するには、塗布装置を分解し精度よく組み付けなければならないので、多大な時間を要し、作業的にも多くの労力が必要となり、生産性が著しく阻害される。従って、塗布幅を変更する際等において、ダイを分解せずにダイ両端部より所望の塗布幅が得られるようディッケルを挿入し対応している。
【0004】
従来より、塗工幅変更方法として、特開平6−198240号公報(特許文献1)に提案された方法が行なわれている。この方法はダイ端部よりディッケルをダイ内部に挿入し、塗布幅を規制または変更する方法である。
しかし、この方法によれば、塗工幅を容易に変更することはできるが、次のような問題が新たに生じた。即ち、ディッケルを挿入するためには、ディッケルとダイとの間に隙間を設けなければならないので、この隙間に塗布液が入り、塗布部と同様にディッケルを挿入した部分でも塗布液が吐出し、その結果、ウェブ両端の未塗布部分を汚したり、バックアップロールを汚したりするので、長時間塗布を行った場合、塗布欠陥が発生した。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−198240号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みて、ダイ塗布方法及びダイ塗布装置によれば、1台のダイ塗布装置で様々な塗布幅の製品に塗布液を塗布することができ、更にディッケルとダイノズルとの隙間から漏れ出る塗布液によるウェブ端部の未塗工部の汚れ、バックアップロールの汚れに起因する塗布欠陥を発生することを抑制することができ、長時間にわたり安定塗布できるダイ塗布方法、装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、以下に示すダイ塗布方法及びダイ塗布装置が提供される。
〔1〕幅方向に塗布液を均一に分配せしめるマニホールドと、該塗布液をマニホールドからダイ先端に向かい塗布液を押出す為のスロットと、塗工幅を規制するために該ダイノズルの両端部よりマニホールド及びスロット内部に挿入されるディッケルとを有するダイノズルを用いて、バックアップロールに支持されて連続的に走行するウェブに塗布液を塗布するダイ塗布方法において、該ディッケルが挿入された部分のスロットの液吐出口にラップシートをかぶせて覆うように配置して塗布し、該ラップシートの上流側リップ面に対する設置角度が、下流側リップ面に対する設置角度よりも大きいことを特徴とするダイ塗布方法。
〔2〕該ラップシートを円筒形状とし、円筒形状のラップシートをダイノズル端部側からかぶせて覆うように設置することを特徴とする前記〔1〕に記載のダイ塗布方法。
〔3〕該ラップシートの厚みが10μm以上であることを特徴とする前記〔1〕又は〔2〕に記載のダイ塗布方法。
〔4〕該ラップシートのダイ幅方向中央側の端部を、スロットの液吐出口端部より0.5mmダイノズル端部側に位置させることを特徴とする前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のダイ塗布方法。
〔5〕該ラップシートがダイノズル液吐出口に密着するように、張力付与装置でラップシートに張力を与えることを特徴とする前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のダイ塗布方法。
〔6〕該ラップシートに与える張力が0.1〜0.5Mpaであることを特徴とする前記〔5〕に記載のダイ塗布方法。
〔7〕該ラップシートが、ダイノズル両端部のディッケル挿入部分を覆うように設置されていることを特徴とする前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載のダイ塗布方法。
〔8〕該ディッケルを膨張させて、ディッケルとダイノズルの内側壁面との間に形成されている隙間を埋めることを特徴とする前記〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載のダイ塗布方法。
〔9〕該ディッケルが、ディッケル内部からの空気圧又は液体圧により膨張させることを特徴とする前記〔8〕に記載のダイ塗布方法。
〔10〕バックアップロールに支持されて連続的に走行するウェブに、ダイノズルから吐出された液を塗布するダイ塗布装置において、該ダイノズルが幅方向に塗布液を均一に分配せしめるマニホールドと、該塗布液をマニホールドからダイ先端に向かい塗布液を押出す為のスロットと、塗工幅を規制するために該ダイノズルの両端部よりマニホールド及びスロット内部に挿入されるディッケルとを有し、該ディッケルが挿入された部分のスロットの液吐出口が、ラップシートで覆われていると共に、該ラップシートに張力を与えることができる張力付与装置が設けられ、該ラップシートの上流側リップ面に対する設置角度が、下流側リップ面に対する設置角度よりも大きいことを特徴とするダイ塗布装置。
〔11〕バックアップロールに支持されて連続的に走行するウェブに、ダイノズルから吐出された液を塗布するダイ塗布装置において、該ダイノズルが幅方向に塗布液を均一に分配せしめるマニホールドと、該塗布液をマニホールドからダイ先端に向かい塗布液を押出す為のスロットと、塗工幅を規制するために該ダイノズルの両端部よりマニホールド及びスロット内部に挿入されるディッケルとを有し、該ディッケルが膨張することができ、ディッケルとダイノズルの内側壁面との間に形成されている隙間を埋め、該ラップシートの上流側リップ面に対する設置角度が、下流側リップ面に対する設置角度よりも大きいことを特徴とするダイ塗布装置。
〔12〕該ディッケルが、ディッケル内部からの空気圧又は液体圧により膨張することを特徴とする前記〔11〕に記載のダイ塗布装置。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のダイ塗布装置について、図面に基づいて具体的に説明する。
図1は本発明のダイ塗布装置を側面から見た場合の説明図、図2はダイ塗布装置を構成するダイノズルを正面から見た場合の説明図である。図1、図2において、1はバックアップロールを、2はラップシートを、3はディッケルを、4は張力付与装置を、5はラップシートホルダーを、6は下流側リップを、7は上流側リップを、8はスロットを、(9はマニホールドを、10はウェブを)それぞれ示す。(尚、図1中の矢印はバックアップロールの回転方向を表す。)
【0009】
本発明のダイ塗布装置は、バックアップロール1に支持されて連続的に走行するウェブ10に、ダイノズルから吐出された塗布液を塗布する用途に好適に使用される。
該ダイ塗布装置を用いて塗布液を塗布することができるウェブの幅方向寸法に制限はないが、通常は200〜2000mmである。
バックアップロール1にも制限はなく、公知のものを使用することができるが、通常は直径100〜500mm、幅250〜2000mmのものが使用される。
【0010】
上記ダイノズルは、図1、図2に示すように、幅方向に塗布液を均一に分配せしめるマニホールド9と、該塗布液をマニホールド9からダイ先端に向かい塗布液を押出す為のスロット8と、塗工幅を規制するために該ダイノズルの両端部よりマニホールド及びスロット8内部に挿入されるディッケル3とを有する。
該ダイノズルにおいては、通常は上下の金型11、12により、マニホールド9を形成し、上の金型11の先端部の下流側リップ7と下の金型12の先端部の上流側リップ6によりスロット8を形成し、ディッケル3をダイノズルの両端部よりマニホールド9及びスロット8内部に挿入することにより、塗工幅を規制することができる。かかるダイノズルは従来より公知であり、ダイノズルは従来公知の全てを応用して構成することができる。尚、本発明においては、スロットの上下の間隔は、0.1〜2mm、その幅は200〜2000mmが好ましい。
【0011】
ディッケル3とダイノズルの内側壁面の間には隙間を設けることが必要である。隙間が形成されていると、ダイノズルを分解せずに、ダイノズル両端部にディッケル3を挿入あるいは抜き出すことができる。本発明者らの検討によれば、スムーズにディッケル3を挿入・抜き出しするには少なくとも、ディッケル3を挿入した状態でのダイノズルの内部壁面(ダイノズル内のマニホールド、スロットの壁面)とディッケル3の隙間が15μm以上必要である。また、ディッケル自体の加工精度を考慮すると50μm程度の隙間が必要となる。しかし、50μmの隙間が設けられていると、液粘度等の液物性にもよるが、塗布幅を規制する為にディッケル3を挿入して、塗布液が吐出する部分を塞いだにも関わらず、ダイノズル液吐出口より液が洩れでて塗布欠陥が発生する。本発明においては、次に説明するように、ダイノズル端部より挿入されたディッケル部分をダイ液吐出口側からラップシートで覆うことで、この洩れ出た液がウェブ、バックアップロールに付着することを防止することができる。
【0012】
本発明のダイ塗布装置においては、図1、図2に示すように、ディッケル3が挿入された部分のスロット3の液吐出口を、ラップシート2で覆うように構成されている。このように構成されていると、ディッケル3とダイノズルの内側壁面の間に形成されている隙間より塗布液が洩れ出ても、ウェブ端部の未塗工部やバックアップロールの汚れを防止することができる。
【0013】
ラップシート2の材質はPET等のフィルムでも良いし、金属フィルムでも良く、塗布液に対して溶解、腐食するもので無ければ、特に材質は問わない。
【0014】
本発明においては、ラップシート2に張力を与えることができる張力付与装置4が設けられている。張力付与装置4でラップシートに張力を与えて、ラップシートをダイノズル液吐出口に密着させると、漏れ液によるウェブ、バックアップロールの汚れを防ぐことが容易となる。
張力付与装置は、ラップシートをダイ先端に密着できれば良く、特に制限されないが、ダイノズル液吐出方向と180°方向にエア若しくは油圧シリンダー等を用いラップシートに張力を付与することが好ましい。
【0015】
ラップシートホルダー5は、ラップシートを保持するもので、ラップシートを保持する為の構造は、ネジ等の止め具でとめても良いし、金属若しくはプラスチックプレート等で挟み込むようにしても良く、材質、構造等特に問わない。
【0016】
本発明においては、上記ディッケル3は膨張することができ、ディッケルとダイノズルの内側壁面との間に形成されている隙間を埋めることができる。このように構成されていると、ダイノズルの壁面とディッケル3の隙間から、塗布液が漏れ出ることを防ぐことができる。
【0017】
膨張するディッケルの構造は、風船のようにディッケル内部が空洞になっている構造が望ましく、材質は塗布液に対し、溶解、腐食しなければ良く、プラスチック材、金属等特に限定するものではない。
【0018】
上記ディッケルを、ディッケル内部からの空気圧により、又は液体圧により膨張させることが好ましい。ディッケル内部から空気圧をかける方法は、特に限定されないが、例えば、コンプレッサーエアー、シリンジ、手押しポンプ等を用いることが挙げられる。
【0019】
ディッケル内部から液体圧をかけるには、ディッケル内部に液体を注入し加圧すればよく、注入する液体の種類は特に限定するものではないが、取扱上の安全性を考慮するならば、一般的には水が好ましく、ディッケルの破れ等による注入液の漏洩による品質への影響を考慮するならば、塗布液自体を注入することが好ましい。
また、注入液の注入方法に関しては特に限定されるものではないが、例えばポンプ、シリンジを用いることが挙げられる。
【0020】
次に、本発明のダイ塗布方法について説明する。
本発明方法においては、バックアップロール1に支持されて連続的に走行するウェブ10に塗布液を、例えば前述したダイ塗布装置を用いて塗布する。
ウェブの幅方向寸法、走行速度に制限はないが、ウェブを3〜300m/minの速度で走行させることが好ましく、10〜200m/minの速度で走行させることがより好ましい。
【0021】
本発明方法においては、図1、図2に示すように、ディッケル3が挿入された部分のスロット8の液吐出口にラップシート2をかぶせて覆うように配置して塗布液を塗布する。このようにすると、ディッケル3とダイノズルの内側壁面の間に形成されている隙間より洩れ出る液により、ウェブ端部の未塗工部やバックアップロールの汚れを防止することができる。
【0022】
本発明方法においては、上記ラップシート2を円筒形状とし、円筒形状のラップシート2をダイノズル端部側からかぶせて設置することが好ましい。このようにすると、ラップシート設置時の操作性が向上する。ラップシート2が平版形状の場合は、ラップシートをダイノズル先端液吐出口を覆うように設置する際、作業者の熟練度合い、ラップシートの厚みにもよるが、ダイ先端でシワが入り易く、シワが入った状態で塗布するとシワ凸部がウェブやバックアップロールで擦れるため、塗布中にラップシート2が破れ液洩れが発生する虞がある。ラップシートを円筒形状とし、ダイノズル端部をその中に挿入するようにすることで、ダイ先端部でのシワの発生を極力抑制することが可能となり、操作性が向上する。
【0023】
上記ラップシート2を設置する操作性をより向上させるためには、ラップシートの厚みは10μm以上であることが好ましい。ラップシートの厚みが10μm未満の場合、シートが薄くなりすぎ、ダイノズルにかぶせて設置する際にシートに折れ目が入ったり、破れたりする不具合が発生する虞がある。
ラップシート2の厚みの上限には、特に制限はない。但し、ダイ塗布時にはウェブ表面とダイノズル先端には、コーティングギャップを設けるが、このコーティングギャップ内に納まり、且つウェブと干渉しない厚みである必要がある。かかる観点から、通常ラップシート2の厚みの上限は200μmである。
【0024】
本発明方法においては、上記ラップシートのダイ幅方向中央側の端部を、スロット8の液吐出口端部より0.5mmダイノズル端部側(外側)に位置するように、ラップシートを、ディッケル3が挿入された部分のスロット8の液吐出口にかぶせて覆うように配置して塗布することが好ましい。このようにすると、塗布膜端部の厚膜化を抑制することが可能となる。即ち、ラップシートとダイノズル先端との間に洩れ出た液は、ラップシート幅方向に基本的に排出される。このとき、塗布膜端部とラップシート端部が重なっていたり、位置が合っているとラップシートより洩れ出た液が塗布膜に乗ってしまい、その部分が厚膜化してしまう。ラップシートを塗布膜端部に対し、0.5mm外側に設置させることでラップシートから洩れ出た液と塗布膜との重なりを抑制することが可能となる。かかる観点からは、該設置位置は、液粘度等液物性、塗布条件により異なるが、1mm程度外側に設置することがより好ましい。
【0025】
本発明方法においては、図1に示すように、上記ラップシートがダイノズル液吐出口に密着するように、張力付与装置4でラップシートに張力を与えることが好ましい。このようにラップシートをダイノズル液吐出口に密着させると、漏れ液によるウェブ、バックアップロールの汚れを防ぐことが可能となる。
【0026】
上記ラップシートに与える張力は、0.1〜0.5Mpaであることが好ましい。かかる張力を与えると、漏れ液によるウェブ、バックアップロールの汚れを防ぐことが可能となる。
張力を0.1Mpa未満にすると、液粘度等の液物性、給液量等の塗布条件にもよるが、ダイ先端からの液吐出圧に対しラップシートの押さえ力が不足し、ラップシートが盛り上がることでウェブ、バックアップロールでの擦れが発生し、ラップシートの破れ等の原因になる。張力を0.5Mpa超にすると、ラップシートの厚みにもよるが、張力を与えることでラップシートにシワが入り易くなる。
【0027】
本発明方法においては、図3に示すように、ラップシートの上流側リップ面16に対する設置角度αが、下流側リップ面17に対する設置角度βよりも大きいことが好ましい。このようにラップシートを設置すると、漏れ出た液を塗布面に影響を与えること無く排出することが可能となる。ダイノズルの液吐出方向が水平方向と真上の間を向くように、ダイノズルを設置するのが通常であるが、この場合、下流側の設置角度βを上流側の設置角度αよりも大きく設置すると、漏れ出た液は、ラップシートがリップ面16、17に対し大きな角度に設置された方向に排出され易いため、下流側リップ6すなわち上ノズル方向に排出された液が下流側リップ6上に溜まり、行き場を失った液が塗布膜方向に流れ不具合が発生する。
【0028】
本発明方法においては、ラップシート2がダイノズル両端部のディッケル挿入部分を覆うように設置されていることが好ましい。ラップシート2がこのように設けられていると、ウェブ両端未塗工部、バックアップロール1の汚れを防ぎ、長時間にわたり安定した塗布が可能となる。即ち、ディッケル3は塗工幅を規制するためにダイ両端部よりノズル内部に挿入されているが、前述したように、ダイノズルの壁面とディッケル3の間に隙間が設けられている。従って、この隙間より塗布液が流れ出て、ウェブ10の両端未塗工部やバックアップロールを汚すので、ラップシート2がディッケル挿入部分を覆うように設置されていると、ディッケル3とノズルの壁面との隙間から流れ出た液が、ウェブ10の両端未塗工部やバックアップロール1を汚すことを防ぐことができる。
【0029】
本発明においては、ディッケル3を膨張させて、ディッケルとダイノズルの内側壁面との間に形成されている隙間を埋めることが好ましい。このようにすると、ダイノズルの壁面とディッケル3の隙間から、塗布液が漏れ出ることがないので、ウェブ両端未塗工部やバックアップロールの汚れを防ぎ、長時間にわたり安定した塗布が可能となる。
【0030】
上記ディッケルを、ディッケル内部からの空気圧により、又は液体圧により膨張させることが好ましい。ディッケル内部から空気圧をかける方法は、特に限定されないが、例えば、コンプレッサーエアー、シリンジ、手押しポンプ等を用いることが挙げられる。
【0031】
ディッケル内部から液体圧をかけるには、ディッケル内部に液体を注入し加圧すればよく、注入する液体の種類は特に限定するものではないが、取扱上の安全性を考慮するならば、一般的には水が好ましく、ディッケルの破れ等による注入液の漏洩による品質への影響を考慮するならば、塗布液自体を注入することが好ましい。
また、注入液の注入方法に関しては特に限定されるものではないが、例えばポンプ、シリンジを用いることが挙げられる。
【0032】
【実施例】
本発明の効果を一層明瞭ならしめるため、実施例を挙げる。
【0033】
[実施例1]
本実施例では図1、図2に示す装置を用いた。
次に示す塗布条件及びラップシート設置条件で1時間塗布を行い、ダイ先端より漏れ出る塗布液によるウェブ及びバックアップロールの汚損状態を評価した。
【0034】
<塗布条件>
・塗布液 ポリビニルブチラール系樹脂液
・粘度:30mPa・s
・Wet膜厚:50μm
・塗布速度:25m/min
・塗布幅:300mm
・ディッケルの設定:スロット厚300μmに対し、スロット部のディッケル厚みを250μmとした。
・ウェブ:PETフィルム 厚さ50μm
【0035】
<ラップシート設置条件>
・厚み:25μm
・材質:PETフィルム
・ラップシート端部と塗布膜端部との位置関係:塗膜端部より1mmに設置
・ラップシート付与張力:0.3Mpa
【0036】
[実施例2]
次に示すディッケルを用いた以外は実施例1と同様にして塗布を行った。
ディッケルをビニールシートで袋状にし、実施例1で用いたディッケルとほぼ同形状となるように作成し、その中に水を注入した。
【0037】
[比較例1]
塗布条件は実施例1と同様とし、ラップシートを設置せずに塗布を行った。
【0038】
次に実施例1、2及び比較例の結果を表1にまとめて示す。
【0039】
【表1】
Figure 0004155459
【0040】
【発明の効果】
本発明のダイ塗布方法及びダイ塗布装置によれば、1台のダイ塗布装置で様々な塗布幅の製品に塗布液を塗布することができ、更にディッケルとダイノズルとの隙間から漏れ出る塗布液によるウェブ端部の未塗工部の汚れ、バックアップロールの汚れに起因する塗布欠陥を発生することを抑制し、長時間にわたり安定した塗布が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のダイ塗布装置を側面から見た場合の説明図である。
【図2】本発明のダイ塗布装置を構成するダイノズルを正面から見た場合の説明図である。
【図3】ラップシートの上流側リップ面に対する設置角度α、及びラップシートの下流側リップ面に対する設置角度βの説明図である。
【符号の説明】
1 バックアップロール
2 ラップシート
3 ディッケル
4 張力付与装置
5 ラップシートホルダー
6 下流側リップ
7 上流側リップ
8 スロット
9 マニホールド
10 ウェブ
16 上流側リップ面
17 下流側リップ面
α ラップシートの上流側リップ面に対する設置角度
β ラップシートの下流側リップ面に対する設置角度

Claims (12)

  1. 幅方向に塗布液を均一に分配せしめるマニホールドと、該塗布液をマニホールドからダイ先端に向かい塗布液を押出す為のスロットと、塗工幅を規制するために該ダイノズルの両端部よりマニホールド及びスロット内部に挿入されるディッケルとを有するダイノズルを用いて、バックアップロールに支持されて連続的に走行するウェブに塗布液を塗布するダイ塗布方法において、該ディッケルが挿入された部分のスロットの液吐出口にラップシートをかぶせて覆うように配置して塗布し、該ラップシートの上流側リップ面に対する設置角度が、下流側リップ面に対する設置角度よりも大きいことを特徴とするダイ塗布方法。
  2. 該ラップシートを円筒形状とし、円筒形状のラップシートをダイノズル端部側からかぶせて覆うように設置することを特徴とする請求項1に記載のダイ塗布方法。
  3. 該ラップシートの厚みが10μm以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のダイ塗布方法。
  4. 該ラップシートのダイ幅方向中央側の端部を、スロットの液吐出口端部より0.5mmダイノズル端部側に位置させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のダイ塗布方法。
  5. 該ラップシートがダイノズル液吐出口に密着するように、張力付与装置でラップシートに張力を与えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のダイ塗布方法。
  6. 該ラップシートに与える張力が0.1〜0.5Mpaであることを特徴とする請求項5に記載のダイ塗布方法。
  7. 該ラップシートが、ダイノズル両端部のディッケル挿入部分を覆うように設置されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のダイ塗布方法。
  8. 該ディッケルを膨張させて、ディッケルとダイノズルの内側壁面との間に形成されている隙間を埋めることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のダイ塗布方法。
  9. 該ディッケルが、ディッケル内部からの空気圧又は液体圧により膨張させることを特徴とする請求項8に記載のダイ塗布方法。
  10. バックアップロールに支持されて連続的に走行するウェブに、ダイノズルから吐出された液を塗布するダイ塗布装置において、該ダイノズルが幅方向に塗布液を均一に分配せしめるマニホールドと、該塗布液をマニホールドからダイ先端に向かい塗布液を押出す為のスロットと、塗工幅を規制するために該ダイノズルの両端部よりマニホールド及びスロット内部に挿入されるディッケルとを有し、該ディッケルが挿入された部分のスロットの液吐出口が、ラップシートで覆われていると共に、該ラップシートに張力を与えることができる張力付与装置が設けられ、該ラップシートの上流側リップ面に対する設置角度が、下流側リップ面に対する設置角度よりも大きいことを特徴とするダイ塗布装置。
  11. バックアップロールに支持されて連続的に走行するウェブに、ダイノズルから吐出された液を塗布するダイ塗布装置において、該ダイノズルが幅方向に塗布液を均一に分配せしめるマニホールドと、該塗布液をマニホールドからダイ先端に向かい塗布液を押出す為のスロットと、塗工幅を規制するために該ダイノズルの両端部よりマニホールド及びスロット内部に挿入されるディッケルとを有し、該ディッケルが膨張することができ、ディッケルとダイノズルの内側壁面との間に形成されている隙間を埋め、該ラップシートの上流側リ ップ面に対する設置角度が、下流側リップ面に対する設置角度よりも大きいことを特徴とするダイ塗布装置。
  12. 該ディッケルが、ディッケル内部からの空気圧又は液体圧により膨張することを特徴とする請求項11に記載のダイ塗布装置。
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