JP4155105B2 - リンクアグリゲーション冗長化方法、システム、プログラム、及びネットワーク中継装置 - Google Patents

リンクアグリゲーション冗長化方法、システム、プログラム、及びネットワーク中継装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レイヤ2スイッチで構成されるネットワークにおいて、所定の二以上のリンクを運用リンクとして用いてリンクアグリゲーショングループを作成するとともに、所定のリンクを擬似閉塞して予備リンクとし、運用リンクの状態を監視して、運用リンクが使用不可状態となると、この運用リンクをリンクアグリゲーショングループからデタッチし、予備リンクの擬似閉塞を解除して、この予備リンクを新たにリンクアグリゲーショングループに運用リンクとしてアタッチするリンクアグリゲーションにおける冗長化方法、システム、プログラム、及びネットワーク中継装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インターネットをはじめとする情報通信技術が発展し、通信回線を介した情報のやり取りが広く社会に浸透した結果、安定した通信回線の提供は、現代社会に必要不可欠のものとなっている。
一方、インターネットなどの通信回線においては、情報の発信元の情報処理装置から情報の受信先の情報処理装置までの間に、多くの回線やネットワーク中継装置、サーバ等を経由することが多く、その一部の回線や装置などの故障等によって、通信に障害が発生することがあった。
このような通信障害を防止し、安定した通信回線を社会に提供すべく、これまで多くの装置等が提案されている。
【0003】
例えば、LAN回線に障害を検出した場合に、障害の発生したLAN回線と同一のグループに属す全てのLAN回線を遮断し、情報中継装置と端末内に対して障害の発生していない別のLANを使用するように促すことによって、継続して通信を行うことを可能とする装置等が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、ネットワークに障害が発生していない場合にはリングネットワークシステムの帯域を有効利用するとともに、障害発生時にはプロテクション処理を行い、全てのデータを送信先へ届けることの可能なリングネットワークなども提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
さらに、実際にパケットがどこで不通になっているかを直接検出できるようにして、異常箇所を迅速に切り分けることが可能なネットワーク障害監視装置なども提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0004】
ここで、通信回線の安定化のためには、障害発生時に障害が発生した回線を回避してデータを送信先に届けるようにするのみならず、ネットワークに常に冗長性をもたせるようにすることによって、ネットワークの障害耐性を高めるようにすることがより好ましい。
このようなネットワークに対する冗長性の付与は、例えば、勧告IEEE802.3adにて定義されるLACP(Link Aggregation Control Protocol)を用いることにより、予備リンクによる冗長機能を提供することが可能である。LACPとは、低速なリンクを複数集めて、一つに見せることを可能とするプロトコルである。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−26909号公報
【特許文献2】
特開2002−359628号公報
【特許文献3】
特開2002−252625号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなLACPを用いた冗長性の提供を行うためには、接続されるレイヤ2スイッチ(L2SW)が、共に上記の勧告に準拠したLACP対応L2SWでなければならないという問題があった。
すなわち、L2SWにおけるLACPの実装については、各ベンダにより異なるものであるため、必ずしも実装されているとは限らない。このため、通信経路全体に対して、これを保証することは困難な場合も多く、汎用的に実現することのできるものではなかった。
【0007】
また、L2SWにLACPが実装されていた場合でも、このようなLACPを用いた通信を行うためには、L2SW間でLACPDUパケット(Link Aggregation Control Protocol Data Unit,フレーム)の交換が必須となってしまう。このため、L2SW間におけるLACPDU分の帯域が減少するとともに、CPUの処理が複雑化し、処理能力の低減を招くという問題があった。
【0008】
本発明は、上記の事情にかんがみなされたものであり、L2SWで構成されるネットワークにおいて、所定の二以上のリンクを運用リンクとして用いてリンクアグリゲーショングループを作成するとともに、所定のリンクを擬似閉塞して予備リンクとし、運用リンクの状態を監視して、運用リンクが使用不可状態となると、この運用リンクをリンクアグリゲーショングループからデタッチするとともに、予備リンクの擬似閉塞を解除して、この予備リンクを新たにリンクアグリゲーショングループに運用リンクとしてアタッチすることにより、リンクアグリゲーションに冗長機能を付与するリンクアグリゲーションにおける冗長化方法、システム、プログラム、及びネットワーク中継装置の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1記載のリンクアグリゲーション冗長化方法は、ネットワーク中継装置間の通信における予備リンクを用いたリンクアグリゲーション冗長化方法であって、所定の二以上のリンクを運用リンクとして用いてリンクアグリゲーショングループを作成するとともに、所定のリンクを擬似閉塞して予備リンクとし、リンクアグリゲーショングループにおける運用リンクの状態を監視し、運用リンクのうち一部の運用リンクが使用不可状態となると、当該一部の運用リンクをリンクアグリゲーショングループからデタッチし、予備リンクの擬似閉塞を解除して、当該予備リンクをリンクアグリゲーショングループに運用リンクとしてアタッチする方法としてある。
【0010】
リンクアグリゲーション冗長化方法をこのような方法にすれば、リンクアグリゲーション機能に対し、更に予備リンクを用意することによって、より信頼性の高い冗長機能を提供することが可能となる。
また、このような予備リンクを用いた冗長機能によれば、運用リンクの障害による切り替え後も切り替え前と同じ帯域でのサービスの提供が可能となる。
【0011】
さらに、L2SWのLACP対応/未対応等のプロトコル実装に依存することなく、リンクアグリゲーショングループにおける予備リンクを用いた冗長機能を提供することができる。
従来、接続されたL2SWの双方がLACPを搭載している場合には、予備リンクによる冗長機能を提供することが可能であるものの、そのLACPの実装によりCPU処理が複雑となり、処理能力に影響を与えるという問題があった。
すなわち、LACP実装の場合、L2SWは、対向装置から受信したLACPDUパケットに保有されている情報と、自装置にて保有している情報とを比較し、正常性が確認された時点でリンクアグリゲーショングループを構築し、その構築後は、常にLACPDUパケット受信により、この情報の変更/正常性の確認処理が行われていた。さらに、このLACPDUの送信処理が最小1秒周期で実行されるとともに、これらの処理が、リンクアグリゲーショングループの対象となっているポートの数分実施されていた。
しかしながら、本発明のリンクアグリゲーション冗長化方法によれば、このようなCPUの処理が行なわれないため、上記のような処理能力の低減を招くことなく、予備リンクによる冗長機能の提供を行うことが可能となる。
また、LACPを実装した予備リンクによる冗長機能では上述のようにLACPDUの交換が必要であり、少なからず帯域を使用してしまうこととなるが、本発明のリンクアグリゲーション冗長化方法によれば、この帯域の無駄な使用を行わずに、予備リンクによる冗長機能の提供を行うことが可能となる。
【0012】
本発明の請求項2記載のリンクアグリゲーション冗長化方法は、リンクアグリゲーショングループの冗長化において、一の運用リンクのデタッチに対し、一の予備リンクをアタッチし、又は、一の運用リンクのデタッチに対し、二以上の予備リンクをアタッチし、又は、二以上の運用リンクのデタッチに対し、一の予備リンクをアタッチし、又は、二以上の運用リンクのデタッチに対し、二以上の予備リンクをアタッチする方法としてある。
【0013】
リンクアグリゲーション冗長化方法をこのような方法にすれば、一の運用リンクの障害等に対して、一の予備リンクを割り当てることにより障害等の復旧を行うのみならず、一の運用リンクの障害に対して、複数の予備リンクを割り当てることなどもできるため、L2SWが複数の異なる通信速度の回線を接続しているような場合であっても、予備リンクを用いた当該冗長化方法を柔軟に適用することが可能となる。
【0014】
本発明の請求項3記載のリンクアグリゲーション冗長化システムは、ネットワーク中継装置間の通信に予備リンクを用いて冗長性を付与するリンクアグリゲーション冗長化システムであって、通信回線を介して直接接続された第一のネットワーク中継装置と第二のネットワーク中継装置を有し、第一のネットワーク中継装置が、所定の二以上のリンクを運用リンクとして設定し、リンクアグリゲーショングループを作成するとともに、所定のリンクを擬似閉塞して予備リンクとし、第二のネットワーク中継装置が、通信可能なリンクを用いてリンクアグリゲーショングループを作成し、第一のネットワーク中継装置が、リンクアグリゲーショングループにおいて使用不可状態となった運用リンクを検出すると、当該運用リンクをリンクアグリゲーショングループからデタッチするとともに、予備リンクの疑似閉塞を解除して、この予備リンクをリンクアグリゲーショングループに新たな運用リンクとしてアタッチし、第二のネットワーク中継装置は、新たな運用リンクが通信可能状態であることを検出して、当該新たな運用リンクをリンクアグリゲーショングループにアタッチする構成としてある。
【0015】
リンクアグリゲーション冗長化システムをこのような構成にすれば、リンクアグリゲーション機能に対し、更に予備リンクを用意することによって、より信頼性の高い冗長機能を提供することができ、運用リンクの障害による切り替え後も切り替え前と同じ帯域でのサービスの提供が可能となる。
また、L2SWのLACP対応/未対応等のプロトコル実装に依存することなく、リンクアグリゲーショングループにおける予備リンクを用いた冗長機能を提供することも可能となる。
【0016】
本発明の請求項4記載のリンクアグリゲーション冗長化システムは、所定のリンクを擬似閉塞して予備リンクとするにあたり、第一のネットワーク中継装置における予備リンクに対応する回線カード内の回線インタフェース部に対して、リンク断を行う構成としてある。
【0017】
リンクアグリゲーション冗長化システムをこのような構成にすれば、通信可能なリンクをリンク断することによって、予備リンクとすることができ、リンクアグリゲーショングループに随時アタッチ可能なものとして、システム内に保持させておくことが可能となる。
【0018】
本発明の請求項5記載のリンクアグリゲーション冗長化プログラムは、ネットワーク中継装置に、予備リンクを用いてリンクアグリゲーションに冗長性を付与させるリンクアグリゲーション冗長化プログラムであって、ネットワーク中継装置に、所定の二以上のリンクを運用リンクとして設定させ、リンクアグリゲーショングループを作成させるとともに、所定のリンクを擬似閉塞させて予備リンクとさせ、リンクアグリゲーショングループにおける運用リンクの状態を監視させ、運用リンクのうちの一部の運用リンクが使用不可状態となると、当該一部の運用リンクをリンクアグリゲーショングループからデタッチさせ、予備リンクの擬似閉塞を解除させて、当該予備リンクをリンクアグリゲーショングループに運用リンクとしてアタッチさせる構成としてある。
【0019】
リンクアグリゲーション冗長化プログラムをこのような構成にすれば、ネットワーク中継装置に、リンクアグリゲーショングループにおける運用リンクに障害等による使用不可状態が発生した場合、この運用リンクをリンクアグリゲーショングループからデタッチさせ、予備リンクをアタッチさせることができるため、運用リンクの障害による切り替え後も切り替え前と同じ帯域でのサービスの提供することが可能となる。
【0020】
本発明の請求項6記載のネットワーク中継装置は、予備リンクを用いてリンクアグリゲーションに冗長性を付与するネットワーク中継装置であって、所定の二以上のリンクを運用リンクとして設定し、リンクアグリゲーショングループを作成するグループ作成手段と、所定のリンクを擬似閉塞して予備リンクとする予備リンク作成手段と、リンクアグリゲーショングループにおける運用リンクの状態を監視する監視手段と、運用リンクが使用不可状態となると、当該運用リンクをリンクアグリゲーショングループからデタッチするデタッチ手段と、予備リンクの擬似閉塞を解除して、当該予備リンクをリンクアグリゲーショングループに運用リンクとしてアタッチするアタッチ手段と、を有する構成としてある。
【0021】
ネットワーク中継装置をこのような構成にすれば、接続された回線のうち、所定のリンクを運用リンクとしてリンクアグリゲーショングループを作成するとともに、所定のリンクを予備リンクに設定し、障害等の発生時に、障害等が発生した運用リンクをこの予備リンクに自動的に切り替えることができる。
このため、リンクアグリゲーショングループに対し、障害等による切り替え後も切り替え前と同じ帯域でサービスの提供を行うことのできる冗長性を付与することが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。
まず、本発明の実施形態の構成について、図1〜3を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態のリンクアグリゲーショングループが作成されたネットワーク接続の例を示す図である。図2は、本発明の実施形態のネットワーク中継装置の構成を示すブロック図である。図3は、本発明の実施形態のネットワーク中継装置におけるCPUの構成を示すブロック図である。
【0023】
図1に示すように、本実施形態のリンクアグリゲーション冗長化システムは、複数のレイヤ2スイッチ10(レイヤ2スイッチ#1(L2SW#1)10−1,レイヤ2スイッチ#2(L2SW#2)10−2)と、これらを接続する通信回線(リンク)21〜23を有している。
L2SW10は、図2に示すように、CPU11,SWカード(Switchcard,スイッチカード)12,回線カード(Linecard,ラインカード)13,回線インタフェース部14を有している。
【0024】
CPU11は、L2SW10の動作を制御する制御部であり、リンクアグリゲーション冗長化プログラムが実行可能な状態となっているものである。
このCPU11は、図3に示すように、グループ作成手段11a,予備リンク作成手段11b,監視手段11c,デタッチ手段11d,アタッチ手段11eを有している。
【0025】
グループ作成手段11aは、入力された運用リンクの指定情報にもとづいて、リンクアグリゲーショングループの設定を行う。
このリンクアグリゲーションの設定は、運用リンクとして使用される回線カード13に対して行われる。
予備リンク作成手段11bは、入力された運用リンクの指定情報にもとづいて、予備リンクとして使用される回線カード13における回線インタフェース部14に対し、リンク断等による疑似閉塞を行う。
監視手段11cは、各回線カード13からの障害発生の通知(割り込み)を監視し、この通知が送られてくると、これをデタッチ手段11dに通知する。
デタッチ手段11dは、監視手段11cから障害が発生した回線カード13についての通知を受信すると、この回線カード13をリンクアグリゲーショングループからデタッチし、これをアタッチ手段11eに通知する。
アタッチ手段11eは、上記回線カード13がリンクアグリゲーショングループからデタッチされたことを示す通知を受けると、予備リンクをリンクアグリゲーショングループにアタッチする。
【0026】
この回線カード13のデタッチ及びアタッチは、一の運用リンクのデタッチに対して、一の予備リンクをアタッチするのみならず、一の運用リンクのデタッチに対して、二以上の予備リンクをアタッチしたり、二以上の運用リンクのデタッチに対して、一の予備リンクをアタッチしたり、二以上の運用リンクのデタッチに対して、二以上の予備リンクをアタッチしたりすることも可能である。
これによって、L2SW10が通信速度の異なる複数の回線カード13を備えている場合にも、上記デタッチ及びアタッチを適用することが可能となる。
【0027】
その方法としては、例えば、予備リンクが複数ある場合には、アタッチ手段11eが、予備リンクのアタッチにあたり、デタッチされた運用リンクの通信速度以上になるまで、あるいは、運用リンクの通信速度から所定の範囲内の値になるまで、所定の順で各予備リンクの通信速度を合計し、運用リンクの通信速度以上になる、あるいは、運用リンクの通信速度から所定の範囲内の値になる一又は二以上の予備リンクをアタッチするようにすることができる。
また、複数の運用リンクに同時に障害が発生し、複数の運用リンクがデタッチされた場合は、これらの運用リンクの通信速度の合計値を算出した後に、上述と同様にして、この合計値以上の通信速度を確保し得る予備リンク、又は、この合計値とほぼ同等の通信速度を確保し得る予備リンクをアタッチするようにすることができる。
【0028】
なお、監視手段11c,デタッチ手段11d,アタッチ手段11eをCPU11の構成ではなく、回線カード13に持たせるようにすることも可能である。
すなわち、CPU11から回線カード13に、運用リンクおよび予備リンクを設定登録し、回線カード13の制御によって、運用リンクを用いてリンクアグリゲーショングループを作成するようにすることも可能である。この場合、回線カード13に運用リンクの障害を監視させ、これを検出させて、当該運用リンクのデタッチと、予備リンクのアタッチを実行させる構成となる。
【0029】
SWカード12は、その接続する複数の回線カード13に対して、受信したユーザパケットを適切にスイッチング(Switching,交換)する装置である。
回線カード13は、SWカード12から受け取ったパケットを、回線インタフェース部14を介して、通信回線に送出し、また、回線インタフェース部14を介して受信したパケットをSWカード12に受け渡す装置である。
【0030】
次に、図4および図5を参照して、本発明の実施形態のリンクアグリゲーション冗長化システムにおける処理手順について説明する。図4,図5は、それぞれ本発明の実施形態のリンクアグリゲーションにおける冗長化設定処理手順を示すフローチャート,グループ再構成処理手順を示すフローチャートである。
まず、CPU11は、L2SW10に対し、コマンド等を用いて手入力などによって与えられた運用リンク及び予備リンクの指定情報を入力する(ステップ10)。
【0031】
CPU11におけるグループ作成手段11aは、この運用リンクの指定情報にもとづいて、指定された回線カード13に対し、リンクアグリゲーショングループの設定を行うことにより、リンクアグリゲーショングループを作成する(ステップ11)。
また、CPU11における予備リンク作成手段11bは、予備リンクの指定情報にもとづいて、指定された回線カード13の回線インタフェース部14に対し、リンク断等を実施して疑似閉塞し、未使用状態として、これを予備リンクとする(ステップ12)。
このとき、対向するネットワーク中継装置であって、本発明のリンクアグリゲーション冗長化機能を実装していないL2SW#2 10−2においても、リンクアグリゲーショングループの作成が行われるが、このとき、L2SW#2 10−2側において、特定のリンク23が、リンク断となっているため、このリンクは用いられずにリンクアグリゲーショングループが作成される。
そして、CPU11における監視手段11cは、運用リンクからの障害発生等の通知を監視する。
【0032】
次に、サービス運用中に、CPU11における監視手段11cにより、運用リンク21が障害等の理由で使用不可状態となったことが検出されると(ステップ20)、CPU11におけるデタッチ手段11dが、この検出情報を監視手段11cから受け取って、当該運用リンクをリンクアグリゲーショングループからデタッチし(ステップ21)、これをCPU11におけるアタッチ手段11eに通知する。
アタッチ手段11eは、予備リンク23の回線インタフェース部14の擬似閉塞を解除して、この予備リンク23をリンクアグリゲーショングループに新しい運用リンクとしてアタッチする(ステップ22)。
このとき、L2SW#2 10−2側では、リンク断状態であった特定のリンク23におけるリンク断の復旧が検出され、このリンクがリンクアグリゲーショングループへアタッチされる。
これらの処理によって、リンクアグリゲーショングループにおける予備リンクを用いた冗長機能が動作することとなる。
【0033】
以上説明したように、本実施形態のリンクアグリゲーション冗長化システムによれば、リンクアグリゲーション機能に対し、更に予備リンクを用意することによって、より信頼性の高い冗長機能を提供することが可能となる。
また、この予備リンクを用いた冗長機能により、運用リンクの障害による切り替え後も切り替え前と同じ帯域でのサービスの提供が可能となる。
【0034】
さらに、L2SWのLACP対応/未対応等のプロトコル実装に依存することなく、リンクアグリゲーショングループにおける予備リンクを用いた冗長機能を提供することができる。
従来、接続されたL2SWの双方がLACPを搭載している場合には、予備リンクによる冗長機能を提供することが可能であるものの、そのLACPの実装によりCPU処理が複雑となり、処理能力に影響を与えるという問題があった。
しかしながら、本発明のリンクアグリゲーション冗長化方法によれば、このようなCPUの処理が行なわれないため、上記のような処理能力の低減を招くことなく、予備リンクによる冗長機能の提供を行うことが可能となる。
また、LACPを実装した予備リンクによる冗長機能ではLACPDUの交換が必要であり、少なからず帯域を使用してしまうこととなるが、本発明のリンクアグリゲーション冗長化方法によれば、この帯域の無駄な使用を行わずに、予備リンクによる冗長機能の提供を行うことが可能となる。
【0035】
さらに、一の運用リンクの障害に対して、一の予備リンクを割り当てることにより障害等の復旧を行うのみならず、一の運用リンクの障害等に対して、複数の予備リンクを割り当てることなどもできるため、L2SWが複数の異なる通信速度の回線を接続しているような場合であっても、予備リンクを用いた当該冗長化方法を柔軟に適用することが可能となる。
【0036】
上記の実施形態における運用リンクのデタッチや、予備リンクのアタッチ等は、リンクアグリゲーション冗長化プログラムにより実行される。
ネットワーク中継装置のCPUは、このリンクアグリゲーション冗長化プログラムにもとづいて、ネットワーク中継装置の各構成要素に指令を送り、所定の処理、例えば、運用リンクのデタッチ処理や、予備リンクのアタッチ処理等を行わせる。
これによって、これらの処理は、リンクアグリゲーション冗長化プログラムとCPUとが協働したネットワーク中継装置などにより実現される。
【0037】
なお、リンクアグリゲーション冗長化プログラムは、ネットワーク中継装置における図示しないメモリなどに記憶させる他、コンピュータのROMやハードディスクに記憶させたり、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、たとえば、外部記憶装置及び可搬記録媒体等に格納することなどもできる。
外部記憶装置とは、磁気ディスク等の記録媒体を内蔵し、コンピュータなどに外部接続される記憶増設装置をいう。一方、可搬記録媒体とは、記録媒体駆動装置(ドライブ装置)に装着でき、かつ、持ち運び可能な記録媒体であって、たとえば、CD−ROM、フレキシブルディスク、メモリカード、光磁気ディスク等をいう。
【0038】
そして、記録媒体に記録されたプログラムは、ネットワーク中継装置などのメモリにロードされて、CPUにより実行される。この実行により、上述した本実施形態のネットワーク中継装置の機能が実現される。
さらに、ネットワーク中継装置等でリンクアグリゲーション冗長化プログラムをロードする場合、他のコンピュータで保有されたリンクアグリゲーション冗長化プログラムを、通信回線を利用して自己の有するRAMや外部記憶装置等にダウンロードすることもできる。
このダウンロードされたリンクアグリゲーション冗長化プログラムも、CPUにより実行され、本実施形態の運用リンクのデタッチ処理や、予備リンクのアタッチ処理等を実現する。
【0039】
なお、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、本発明の構成を他の種類のスイッチや、ブリッジ、ルータ等に適用するなど適宜変更することが可能である。
【0040】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、リンクアグリゲーション機能に対し、更に予備リンクを用意することによって、より信頼性の高い冗長機能を提供することが可能となる。
また、この予備リンクを用いた冗長機能により、運用リンクの障害による切り替え後も切り替え前と同じ帯域でのサービスの提供が可能となる。
【0041】
さらに、L2SWのLACP対応/未対応等のプロトコル実装に依存することなく、リンクアグリゲーショングループにおける予備リンクを用いた冗長機能を提供することができる。
接続されたL2SWの双方がLACPを搭載している場合には、予備リンクによる冗長機能を提供することが可能であるものの、そのLACPの実装によりCPU処理が複雑となり、処理能力に影響を与えるという問題があった。
本発明のリンクアグリゲーション冗長化方法によれば、このようなCPUの処理が行なわれないため、上記のような処理能力の低減を招くことなく、予備リンクによる冗長機能の提供を行うことが可能となる。
また、LACPを実装した予備リンクによる冗長機能ではLACPDUの交換が必要であり、少なからず帯域を使用してしまうこととなるが、本発明のリンクアグリゲーション冗長化方法によれば、この帯域の無駄な使用を行わずに、予備リンクによる冗長機能の提供を行うことが可能となる。
【0042】
さらに、一の運用リンクの障害に対して、一の予備リンクを割り当てることにより障害等の復旧を行うのみならず、一の運用リンクの障害等に対して、複数の予備リンクを割り当てることなどもできるため、L2SWが複数の異なる通信速度の回線を接続しているような場合であっても、予備リンクを用いた当該冗長化方法を柔軟に適用することが可能となる。
【0043】
また、ネットワーク中継装置のCPUは、リンクアグリゲーション冗長化プログラムにもとづいて、ネットワーク中継装置の各構成要素へ所定の指令を送ることにより、この運用リンクのデタッチ機能や、予備リンクのアタッチ機能等を実現させることができる。
これによって、これらの機能等は、リンクアグリゲーション冗長化プログラムとCPU等とが協働したネットワーク中継装置により実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のリンクアグリゲーショングループが作成されたネットワーク接続の例を示す図である。
【図2】本発明の実施形態のネットワーク中継装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態のネットワーク中継装置におけるCPUの構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態のリンクアグリゲーションにおける冗長化設定処理手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態のリンクアグリゲーションにおけるグループ再構成処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 レイヤ2スイッチ(L2SW)
10−1 レイヤ2スイッチ#1(L2SW#1)
10−2 レイヤ2スイッチ#2(L2SW#2)
11 CPU
11a グループ作成手段
11b 予備リンク作成手段
11c 監視手段
11d デタッチ手段
11e アタッチ手段
12 スイッチカード(SWカード)
13 回線カード
14 回線インタフェース部
21,22,23 通信回線

Claims (6)

  1. ネットワーク中継装置間の通信における予備リンクを用いたリンクアグリゲーション冗長化方法であって、
    所定の二以上のリンクを運用リンクとして用いてリンクアグリゲーショングループを作成するとともに、
    所定のリンクを擬似閉塞して予備リンクとし、
    前記リンクアグリゲーショングループにおける運用リンクの状態を監視し、
    前記運用リンクのうち一部の運用リンクが使用不可状態となると、当該一部の運用リンクを前記リンクアグリゲーショングループからデタッチし、
    前記予備リンクの擬似閉塞を解除して、当該予備リンクを前記リンクアグリゲーショングループに運用リンクとしてアタッチする
    ことを特徴とするリンクアグリゲーション冗長化方法。
  2. 前記リンクアグリゲーショングループの冗長化において、
    一の運用リンクのデタッチに対し、一の予備リンクをアタッチし、又は、
    一の運用リンクのデタッチに対し、二以上の予備リンクをアタッチし、又は、
    二以上の運用リンクのデタッチに対し、一の予備リンクをアタッチし、又は、
    二以上の運用リンクのデタッチに対し、二以上の予備リンクをアタッチする
    ことを特徴とする請求項1記載のリンクアグリゲーション冗長化方法。
  3. ネットワーク中継装置間の通信に予備リンクを用いて冗長性を付与するリンクアグリゲーション冗長化システムであって、
    通信回線を介して直接接続された第一のネットワーク中継装置と第二のネットワーク中継装置を有し、
    前記第一のネットワーク中継装置が、所定の二以上のリンクを運用リンクとして設定し、リンクアグリゲーショングループを作成するとともに、所定のリンクを擬似閉塞して予備リンクとし、
    前記第二のネットワーク中継装置が、通信可能なリンクを用いてリンクアグリゲーショングループを作成し、
    前記第一のネットワーク中継装置が、前記リンクアグリゲーショングループにおいて使用不可状態となった運用リンクを検出すると、当該運用リンクを前記リンクアグリゲーショングループからデタッチするとともに、前記予備リンクの疑似閉塞を解除して、この予備リンクを前記リンクアグリゲーショングループに新たな運用リンクとしてアタッチし、
    前記第二のネットワーク中継装置は、前記新たな運用リンクが通信可能状態であることを検出して、当該新たな運用リンクを前記リンクアグリゲーショングループにアタッチする
    ことを特徴とするリンクアグリゲーション冗長化システム。
  4. 前記所定のリンクを擬似閉塞して予備リンクとするにあたり、
    前記第一のネットワーク中継装置における前記予備リンクに対応する回線カード内の回線インタフェース部に対して、リンク断を行う
    ことを特徴とする請求項3記載のリンクアグリゲーション冗長化システム。
  5. ネットワーク中継装置に、予備リンクを用いてリンクアグリゲーションに冗長性を付与させるリンクアグリゲーション冗長化プログラムであって、
    前記ネットワーク中継装置に、
    所定の二以上のリンクを運用リンクとして設定させ、リンクアグリゲーショングループを作成させるとともに、
    所定のリンクを擬似閉塞させて予備リンクとさせ、
    前記リンクアグリゲーショングループにおける前記運用リンクの状態を監視させ、
    前記運用リンクのうちの一部の運用リンクが使用不可状態となると、当該一部の運用リンクを前記リンクアグリゲーショングループからデタッチさせ、
    前記予備リンクの擬似閉塞を解除させて、当該予備リンクを前記リンクアグリゲーショングループに運用リンクとしてアタッチさせる
    ことを実行させるためのリンクアグリゲーション冗長化プログラム。
  6. 予備リンクを用いてリンクアグリゲーションに冗長性を付与するネットワーク中継装置であって、
    所定の二以上のリンクを運用リンクとして設定し、リンクアグリゲーショングループを作成するグループ作成手段と、
    所定のリンクを擬似閉塞して予備リンクとする予備リンク作成手段と、
    前記リンクアグリゲーショングループにおける運用リンクの状態を監視する監視手段と、
    運用リンクが使用不可状態となると、当該運用リンクを前記リンクアグリゲーショングループからデタッチするデタッチ手段と、
    前記予備リンクの擬似閉塞を解除して、当該予備リンクを前記リンクアグリゲーショングループに運用リンクとしてアタッチするアタッチ手段と、を有する
    ことを特徴とするネットワーク中継装置。
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