JP4155060B2 - ジエン系重合体ゴムの製造方法 - Google Patents

ジエン系重合体ゴムの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジエン系重合体ゴムの製造方法に関するものである。更に詳しくは、本発明はタイヤ用ゴムに好適な高ビニル含量且つ狭分子量分布、好ましくは高分子量のジエン系共重合体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
有機リチウム化合物を用いる1,3−ブタジエン系共重合体ゴムの製造において、テトラヒドロフラン等のエーテル化合物を重合域に存在させることによりブタジエン部のビニル含量をコントロールすることが知られている。しかし、高ビニル含量の1,3−ブタジエン系共重合体ゴムをテトラヒドロフラン単独の添加で得るためには、大量に添加する必要があり、経済的に極めて不利である。又、特許文献1において、2種類のエーテルの併用系によるビニル含量コントロール方法が示めされているが、必ずしも高ビニル含有率の1,3−ブタジエン系共重合体ゴムを効率良く得るに至っていない。特に高ビニル含量かつ高分子量の共重合体ゴムを得ようとする場合、狭い分子量分布の共重合体が得られず、タイヤ用途として好ましくない結果となる場合があった。
【0003】
【特許文献1】
特公平5−46365号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
かかる現状に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、共役ジエンモノマー又は共役ジエンモノマーと芳香族ビニルモノマーとを、共重合してタイヤ用途に好適な高ビニル含量かつ狭分子量分布、更に好ましくは高分子量の重合体を製造する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は共役ジエンモノマー又は共役ジエンモノマーと芳香族ビニルモノマーとを、式R'(Li)X(式中、R'は脂肪族または芳香族炭化水素基、Xは1〜4の整数である。)で表される有機リチウム化合物、重合溶媒、重合溶媒に対して、0.0053〜0.1060重量%のテトラヒドロフラン及び、0.02〜0.30重量%のエチレングリコールジエチルエーテルの存在下に重合することを特徴とし、かつ下記(1)〜(2)の条件を満たすジエン系重合体ゴムの製造方法に係るものである。
(1)ジエン系重合体ゴムの共役ジエンモノマー部のビニル含量が65%以上
(2)重合反応終了時点のジエン系重合体ゴムのHLC測定におけるQ値(Mw/Mn)が、1.25以下
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の共役ジエンモノマー又は共役ジエンモノマーと芳香族ビニルモノマーを、式R’(Li)X(式中、R’は脂肪族または芳香族炭化水素基、Xは1〜4の整数である。)で表される有機リチウム化合物、重合溶媒、重合溶媒に対して0.0053〜0.1060重量%のテトラヒドロフラン及び、0.02〜0.30重量%のエチレングリコールジエチルエーテルの存在下に重合することにより ブタジエン部のビニル含量が65%以上且つ、重合反応終了時点の分子量分布におけるMw/Mnが1.35以下の狭いポリマーが得られる。又、省資源の観点からも更に好ましい方法として、エーテル添加量を減らして製造する方法が例示できる。この場合、テトラヒドロフランの添加量を0.0053〜0.0318重量%且つエチレングリコールジエチルエーテルを0.04〜0.16重量%の添加量にすることによりブタジエン部のビニル含量を下げることなく目的の高ビニル含量のジエン系重合体を得ることが出来き、且つ重合反応終了時点の分子量分布におけるMw/Mnを更に狭くすることが可能となる。この方法により本発明のタイヤ用に好適な高ビニル含量且つ狭分子量分布、更に好ましくは高分子量のジエン系重合体が得られる。本方法で使用される共役ジエンモノマーとしては、特に限定されるものではないが、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン(ピペリン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエン等をあげることができ、これらのうちでは、得られる共重合体の物性、工業的に実施する上での入手性の観点から、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。
【0007】
本発明では、共役ジエンモノマー、例えば1,3−ブタジエン部のビニル含量は、65%以上、更に好ましくは68%以上である。ビニル含量が低すぎると重合体のTgが低くなりすぎ、タイヤ用のゴムとして使用する場合に好ましくない場合がある。また、ビニル含量が高い方が高Tgとなり、グリップ性能を重視するタイヤ用途に好適な重合体となり好ましい。
【0008】
芳香族ビニルモノマーは芳香族の炭素原子にビニル基が少なくとも1個結合している化合物であり、スチレン,1−ビニルナフタレン,3−ビニルトルエン,ジビニルベンゼン等が挙げられる。中でも好適なのは、ベンゼン核にビニル基が1個結合しているスチレンである。他の例としては、3,5−ジエチルスチレン、4−n−プロピルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、4−フェニルスチレン、4−p−トリルスチレン、3,5−ジフェニルスチレン、3−エチル−1−ビニルナフタレン、8−フェニル−1−ビニルナフタレン等が挙げられる。
【0009】
本発明では、芳香族ビニルモノマー含量は任意に設定できるが、例えばスチレン含量は比較的低St含量、例えば20〜50%が好ましく、更に好ましくは25〜40%の重合体を得ることが好ましい。St含量が低すぎると重合体のTgが低くなりすぎ、タイヤ用のゴムとして使用する場合に好ましくない場合がある。また、St含量が高すぎると、重合溶媒への溶解度が低下したり、エチレングリコールジエチルエーテルの添加量が多量となる場合があり、かつ狭い分子量分布を有する共重合体が得られない場合がある。
【0010】
本発明では、触媒として、式R’(Li)xで表される有機リチウム化合物を用いる。式中、Xは1〜4までの整数、R’は脂肪族又は芳香族炭化水素である。R’の炭素数についてはとくに制限はなく、高分子量物まで含まれる。R’(Li)xのうちxが1で、R’が炭素数1〜20個の炭化水素基が好ましい。適当なR’基はアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アリカリール又はアラルキル等であり、具体例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ter−ブチル、n−アミル、イソアミル、n−ヘキシル、2−エチルヘキシル、n−オクチル、n−デシル、ステアリル等;アリル、n−プロペニル、イソブテニル等;1−シクロヘキセニル、シクロヘキシル、シクロフキシルエタル等;フェニル、ナフチル等、トリル、ブチルフェニル、エチルナフチル等;ベンジル、フェニルブチル等である。又、式R’の炭素数が2〜40個であり、Xが2〜4であるような化合物も本発明の有機リチウム化合物に含まれる。例えば、テトラメチレンジリチウム、ペンタメチレンジリチウム、ヘキサメチレンジリチウム、ジフェニルエチレンジリチウム、1,5−ジリチウムナフタレン、1,20−ジリチオエイコサン、1,4−ジリチオシクロヘキサン等があげられる。又重合に悪影響を及ぼさないヘテロ原子を含む官能基を含んだ有機リチウム化合物も使用可能である。更に、又、40個以上の炭素原子を含む炭化水素残基を有する有機モノリチウム化合物又は、ジリチウム化合物も本発明の有機リチウム化合物に含まれるが、好ましいのは低分子量または高分子量の線状重合体の片末端または両末端がリチウムであるような有機リチウム化合物であり、これらの中でもとくに好適なのはポリスチリルモノリチウム、ポリブタジエニルモノリチウム、ポリイソプレニルモノリチウム、ポリスチレンジリチウム、ポリブタジエニルジリチウム、ポリイソプレニルジリチウム、スチレンとブタジエンの線状共重合体で片末端または両末端がリチウムであるようなもの等である。上記リチウム化合物は2種以上使用しても構わない。上記リチウム化合物中、アルキル基が2〜8個の炭素原子を有するアルキルリチウムが好適であり、特に好ましいのはn−ブチルリチウムである。
【0011】
重合反応における有機リチウム化合物の量の増量により重合速度を上昇せしめ、分子量を低下せしめることはよく知られているが、テトラヒドロフラン及びエチレングリコールジエチルエーテルを用いる本発明の方法においてもこの特性は失われることはない。したがって、有機リチウム化合物の量は重合目的または重合方法により広範囲に変えることができ、通常モノマー1モルに対して0.05〜100ミリモルの範囲にあるが、高分子量重合体を高活性で得ることを目的とした場合は、0.1〜10ミリモルの範囲が用いられる、該添加量が多すぎると低分子量の重合体しか得られず、逆に少なすぎると、超高分子量の共重合体となり、混練加工性等が悪化することがある。
【0012】
本発明において、重合溶媒としては、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、イソオクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、デカン、ヘキサデカン、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン類、ナフタレン、テトラヒドロナフタレン等の如き脂肪族又は芳香族炭化水素が用いられる。これら重合溶媒を2種併用してもよい。重合に用いられる重合溶媒の量は重合体の所望の分子量、重合溶媒の種類等により決定されるが、通常モノマー100重量部に対し、100〜2000重量部の範囲であり、300〜1000重量部が好ましい。又必要ならば、重合反応の間に重合溶媒を追加することによって適当な粘度に反応系を保つことも出来る。該重合溶媒が少なすぎると溶液粘度が上昇し、均質かつ狭分子量分布の重合体が得られない場合があり、また、多すぎると後工程でのポリマーと重合溶媒の分離、重合溶媒の精製に多大なエネルギーを要し、工業的にも、省エネルギーの観点からも好ましくない。本発明では、テトラヒドロフランとエチレングリコールジエチルエーテルをビニル含有量のコントロール剤系として用いる。これらの化合物の使用量は、重合溶媒に対して、テトラヒドロフランは0.0053〜0.1060重量%,好ましくは0.0053〜0.0742重量%である。更に好ましくは0.0053〜0.0640重量%である。該添加量が少なすぎると重合速度が低下するとともに重合体のランダム性が低下し、タイヤ用ゴムとして好ましくない場合がある。該添加量が多すぎると高ビニル含量の重合体を得るために多量のエチレングリコールジエチルエーテルを必要とし、実質的に高ビニル含量の共重合体が得られない場合がある。また、エチレングリコールジエチルエーテルは0.02〜0.30重量%、好ましくは0.04〜0.30重量%、更に好ましくは0.04〜0.20である。該添加量が少ないと高ビニル含量の重合体が得られない場合があり、逆に多すぎると分子量分布の狭い共重合体が得られない場合がある。又、高ビニル含量の重合体を少ないエーテル添加量で且つ、分子量分布を狭く、好ましくは高分子量のジエン系重合体を製造するには、テトラヒドロフランを0.0053〜0.0318重量%且つエチレングリコールジエチルエーテルを0.04〜0.16重量%を添加する方法が好適である。なお、一般的にビニル含量の調整にはエチレングリコールジブチルエーテルやTMEDA(N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン)等を用いる方法が知られているが、これらを用いた場合、高ビニル含量が達成出来ない、または高ビニル含量が達成できても、狭分子量分布とならない、リビング性が悪化する等の不利な点があり、本発明の目的である高ビニルかつ狭分子量分布、好ましくは高分子量の重合体の製造は実質的に困難である。
【0013】
本発明の重合法は、これまで詳述したモノマー、触媒、重合溶媒およびビニル含量コントロール剤を用いるものであるが、その重合形式としては溶液重合法が好ましく用いられる。本発明の重合法は、原料物質の適当な添加方法を用いることによってバッチ式でも連続式でも実施することが出来る。反応器に触媒、ビニル含量コントロール剤、重合溶媒、及びモノマーを同時に添加してもよいし、ビニル含量コントロール剤を重合溶媒及びモノマーの添加後に加えることもできる等種々の添加方法が可能である。
【0014】
また、適当な滞留時間の間、上述の種々の添加方法等により、反応器中の反応剤濃度を所定値に保持することによって連続的に重合を実施することが出来る。バッチ法における重合時間は、特に制限されないが、触媒量が少なくとも、24時間以内でほとんど完結する。連続法においては、その滞留時間は、条件により広く変わるが、一般には数十分から2時間程度である。重合温度は、特に制限はないが、通常−80〜150℃であり、0〜80℃が好ましい。バッチ式では、温度を連続又は多段に分けて昇温してもよく、又連続方式においては、重合終期に昇温してもよい。重合反応は任意の圧力下で行うことが出来るが、通常実質的に液状にモノマーを保持するに充分な圧力で実施することが望ましい。一般に圧力は、モノマー、重合溶媒及び、重合温度に依存する。又、重合が完結したのち、四塩化珪素、四塩化錫等のカップリング剤を用いてカップリング反応を行うことが出来る。
【0015】
一般にタイヤ用途に用いる場合は、重合反応完了後の(カップリング反応前の)重合体のQ値(Mw/Mn)は小さくかつ、分子量は大きい方が好ましく、更にカップリング反応後のQ値も小さくし、分子量を上げる方が物性上好ましい。具体的にはカップリング前のQ値が1.25以下である。カップリング後のQ値は2.2以下であり、好ましくは2.1とQ値が小さい方がタイヤ性能として優れる。更にロール加工性の面からもカップリングを実施した方が好ましい。カップリング反応前の分子量としてはMwとして20万以上が好ましく、50万以上、更には70万以上が好ましい。カップリング反応後の分子量としては、Mwとして60万以上が好ましく、より好ましくは110万以上、更には120万以上が好ましい。分子量が高いほど、高モジュラスとなり、かつ耐磨耗性にも優れる重合体となる。一方、分子量が上がりすぎるとバンバリーミキサー等での混練加工性が悪化する場合があり、その場合には30phr以上のオイルを添加することが好ましく、更に好ましくは40phr以上、更には50phr以上のオイルを添加することが望ましい。このオイル添加により混練加工性の懸念がなくなり、物性に好ましいカップリング後の分子量が130万以上更には170万以上の分子量の重合体も有効に使用し得る。なお、オイルは、ゴム用途に一般的に用いられるオイルであれば特に制限は無いが、コストの観点から、アロマ油を用いる場合が多い。
【0016】
一般に、触媒成分、ビニル含量コントロール剤、重合溶媒、モノマー等重合工程に関与するすべての物質から水、酸素、二酸化炭素及び他の触媒を失活させる物質を除去するのが好適であり、重合反応も乾燥窒素または、アルゴンの如き不活性ガス雰囲気中で行うがよい。
【0017】
重合が完結または、所望の分子量に到達した後もしくは続いてのカップリング反応の後、通常の後処理方法により重合体を回収できる。例えば、酸化防止化、触媒不活性化、重合体分離、回収、乾燥等の操作を行って重合体を回収できる。即ち、重合溶液に酸化防止剤を加えて、次にメチルアルコール、イソプロピルアルコール、水等の触媒失活剤を添加し触媒を失活せしめ、重合体を回収することも出来るし、或いは酸化防止剤を加えた重合溶液を熱水の如き過熱された非炭化水素稀釈剤中に注入し、又はある場合には重合溶媒と未反応モノマー混合物を留去することにより重合体を分離することも出来る。又触媒は、極めて少量でよく、一般に高沸点の化合物であり、重合をほぼ完結させることも容易に出来るので触媒除去の必要がなく、しばしば好ましい溶媒として用いられる低沸点の脂肪族炭化水素例えばn−ヘキサンの除去のみをを重点的に考えればよい場合が多いので、この重合溶液に例えばフェニル−β-ナフチルアミンの如き酸化防止剤を加えてある場合は少量の触媒不活性剤を更に加えて、この溶液を直接加熱すること、必要があれば減圧操作を用いることによって重合溶媒を除去すると同時に乾燥状態の重合体を得ることができる。触媒は少量でよいので重合体中に残っても物性上何ら支障はないことが多いが触媒残渣を低水準まで低減することが要求される場合は、元来触媒自体均一系であるので、多量の適当な媒体を選択して洗浄する方法で容易に目的を達成することが出来る。もちろん重合体の精製には再沈殿も用い得る。以上のようにして得られるゴム状又は樹脂状重合体中のビニル含量は、ビニル含量コントロール剤の重合溶媒に対する重量濃度及び重合温度により制御することが出来る。共重合体のブタジエン部のビニル含量は75%或いはそれ以上でも望むなら得られる。その際ビニル含量を大にするために温度を下げるか又は且つビニル含量コントロール剤の重合溶媒に対する重量濃度を大にすればよい。本プロセスにおける共重合体では両モノマーの組成を適当にとれは高分子、かつゲル分の無いゴム状固体の共重合体を得られるし、共重合体の分子量はモノマーと有機リチウム化合物の比率により決めることが可能である。
【0018】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
【0019】
実施例1
内容積5リットルのステンレス製重合反応容器を洗浄、乾燥し、乾燥窒素で置換した後に1,3−ブタジエン207g、スチレン93g、テトラヒドロフラン1.35g、ヘキサン2.55kg、エチレングリコールジエチルエーテル5.1gをステンレス製重合反応容器に仕込み、内温を30℃に安定させた後、重合開始剤としてのn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液2.5mmolを添加し、攪拌下に1,3−ブタジエン138g/120分、スチレン62g/90分の割合で連続添加し、60℃で3時間重合を行った。重合完了後、カップリング剤である四塩化珪素0.375mmolを添加し、30分攪拌後に10mlのメタノールを加えて、更に5分間攪拌した。その後、重合反応容器の内容物を取り出し、2.5gの2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(住友化学製のスミライザーBHT)を加え、ヘキサンの大部分を蒸発させた後、55℃で12時間減圧乾燥し、重合体ゴムを得た。
【0020】
実施例2
実施例1と同様にエチレングリコールジエチルエーテル2.55g添加する以外は同じ方法にて処理した。
【0021】
実施例3
内容積20リットルのステンレス製重合反応容器を洗浄、乾燥し、乾燥窒素で置換した後に1,3−ブタジエン621g、スチレン279g、テトラヒドロフラン5.4g、ヘキサン10.2kg、エチレングリコールジエチルエーテル20.4gをステンレス製重合反応容器に仕込み、内温を30℃に安定させたの後、重合開始剤としてのn−ブチルリチウムn−ヘキサン溶液3.0mmolを添加し、攪拌下に1,3−ブタジエン414g/135分、スチレン186g/105分の割合で連続添加し、60℃で3時間重合を行った。重合完了後、カップリング剤である四塩化珪素0.25mmolを添加、30分攪拌後、10mlのメタノールを加えて、更に5分間攪拌した。その後、重合反応容器の内容物を取り出し、7.5gの2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(住友化学製のスミライザーBHT)を加え、ヘキサンの大部分を蒸発させた後、55℃で12時間減圧乾燥し、重合体ゴムを得た。
【0022】
実施例4
内容積20リットルのステンレス製重合反応容器を洗浄、乾燥し、乾燥窒素で置換した後に1,3−ブタジエン621g、スチレン279g、テトラヒドロフラン5.4g、ヘキサン10.2kg、エチレングリコールジエチルエーテル19.38gをステンレス製重合反応容器に仕込み、内温を30℃に安定させ後、重合開始剤としてのn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液2.9mmolを添加し、攪拌下に1,3−ブタジエン414g/135分、スチレン186g/105分の割合で連続添加し、60℃で3時間重合を行った。重合完了後、カップリング剤である四塩化珪素0.25mmolを添加、30分攪拌後、10mlのメタノールを加えて、更に5分間攪拌した。その後、重合反応容器の内容物を取り出し、2.5gの2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(住友化学製のスミライザーBHT)を加え、ヘキサンの大部分を蒸発させた後、55℃で12時間減圧乾燥し、重合体ゴムを得た。
【0023】
実施例5
内容積20リットルのステンレス製重合反応容器を洗浄、乾燥し、乾燥窒素で置換した後に1,3−ブタジエン585g、スチレン315g、テトラヒドロフラン5.4g、ヘキサン10.2kg、エチレングリコールジエチルエーテル18.36gをステンレス製重合反応容器に仕込み、内温を30℃に安定させた後、重合開始剤としてのn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液2.6mmolを添加し、攪拌下に1,3−ブタジエン390g/135分、スチレン210g/105分の割合で連続添加し、60℃で3時間重合を行った。重合完了後、カップリング剤である四塩化珪素0.26mmolを添加、30分攪拌後、10mlのメタノールを加えて、更に5分間攪拌した。その後の処理は、実施例4と同様の処理を行った。
【0024】
実施例6
内容積20リットルのステンレス製重合反応容器を洗浄、乾燥し、乾燥窒素で置換した後に1,3−ブタジエン621g、スチレン279g、テトラヒドロフラン3.24g、ヘキサン10.2kg、エチレングリコールジエチルエーテル16.32gをステンレス製重合反応容器に仕込み、内温を30℃に安定させた後、重合開始剤としてのn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液3.0mmolを添加し、攪拌下に1,3−ブタジエン414g/135分、スチレン186g/105分の割合で連続添加し、60℃で3時間重合を行った。重合完了後、カップリング剤である四塩化珪素0.345mmolを添加、30分攪拌後、10mlのメタノールを加えて、更に5分間攪拌した。その後の処理は、実施例4と同様の処理を行った。
【0025】
実施例7
内容積20リットルのステンレス製重合反応容器を洗浄、乾燥し、乾燥窒素で置換した後に1,3−ブタジエン621g、スチレン279g、テトラヒドロフラン1.08g、ヘキサン10.2kg、エチレングリコールジエチルエーテル13.26gをステンレス製重合反応容器に仕込み、内温を30℃に安定させた後、重合開始剤としてのn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液3.0mmolを添加し、攪拌下に1,3−ブタジエン414g/135分、スチレン186g/105分の割合で連続添加し、60℃で3時間重合を行った。重合完了後、カップリング剤である四塩化珪素0.345mmolを添加、30分攪拌後、10mlのメタノールを加えて、更に5分間攪拌した。その後の処理は、実施例4と同様の処理を行った。
【0026】
比較例1
内容積5リットルのステンレス製重合反応容器を洗浄、乾燥し、乾燥窒素で置換した後に1,3−ブタジエン207g、スチレン93g、テトラヒドロフラン1.35g、ヘキサン2.55kg、ジエチレングリコールジエチルエーテル2.55gをステンレス製重合反応容器に仕込み、内温を30℃に安定させた後、重合開始剤としてのn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液2.5mmolを添加し、攪拌下に1,3−ブタジエン138g/120分、スチレン62g/90分の割合で連続添加し、60℃で3時間重合を行った。重合完了後、カップリング剤である四塩化珪素0.375mmolを添加し、30分攪拌後は、実施例1と同様の処理を行った。
【0027】
比較例2
内容積5リットルのステンレス製重合反応容器を洗浄、乾燥し、乾燥窒素で置換した後に1,3−ブタジエン207g、スチレン93g、テトラヒドロフラン1.35g、ヘキサン2.55kg、TMEDA(N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン)5.1gをステンレス製重合反応容器に仕込み、内温を30℃に安定させた後、重合開始剤としてのn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液2.5mmolを添加し、攪拌下に1,3−ブタジエン138g/120分、スチレン62g/90分の割合で連続添加し、60℃で3時間重合を行った。重合完了後、カップリング剤である四塩化珪素0.375mmolを添加し、30分攪拌後は、実施例1と同様の処理を行った。
【0028】
実施例1〜実施例7、比較例1及び比較例2で得た各重合体ゴムについて、下記のとおり測定、評価を行った。
重合体ゴムのビニル含量
赤外分光分析法により測定した。
重合体ゴムのスチレン含量
屈折率法により測定した。
重合体ゴムの分子量,分子量分布
HLC−8120GPC(東ソー製)により ポリマー0.1gをテトラヒドロフラン20mlに溶解した溶液を40℃にてカラム(東ソー製カラム:TSKgel SuperHM-H直列2本)、紫外分光計(東ソー製UV−8020)を通過させて分子量(標準ポリスチレン換算)、分子量分布を測定した。
【0029】
測定結果を表1、表2に示す。
【0030】
【表1】
Figure 0004155060
ビニル含量コントロール剤
A:エチレングリコールジエチルエーテル
B:ジエチレングリコールジエチルエーテル
C:N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン
【0031】
【表2】
Figure 0004155060
ビニル含量コントロール剤
A:エチレングリコールジエチルエーテル
【0032】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明により共役ジエンモノマー又は共役ジエンモノマーと芳香族ビニルモノマーとを、共重合してタイヤ用途に好適な高ビニル含量かつ狭分子量分布、更に好ましくは高分子量の重合体を製造する方法を提供することができた。

Claims (3)

  1. 共役ジエンモノマー又は共役ジエンモノマーと芳香族ビニルモノマーとを、式R'(Li)X(式中、R'は脂肪族または芳香族炭化水素基、Xは1〜4の整数である。)で表される有機リチウム化合物、重合溶媒、重合溶媒に対して、0.0053〜0.1060重量%のテトラヒドロフラン及び、0.02〜0.30重量%のエチレングリコールジエチルエーテルの存在下に重合することを特徴とし、かつ下記(1)〜(2)の条件を満たすジエン系重合体ゴムの製造方法。
    (1)ジエン系重合体ゴムの共役ジエンモノマー部のビニル含量が65%以上
    (2)重合反応終了時点のジエン系重合体ゴムのHLC測定におけるQ値(Mw/Mn)が、1.25以下
  2. 共役ジエンモノマーと芳香族ビニルモノマーとを、式R ' (Li)X(式中、R ' は脂肪族または芳香族炭化水素基、Xは1〜4の整数である。)で表される有機リチウム化合物、重合溶媒、重合溶媒に対して、0.0053〜0.1060重量%のテトラヒドロフラン及び、0.02〜0.30重量%のエチレングリコールジエチルエーテルの存在下に重合することを特徴とし、かつ下記(1)〜(2)の条件を満たすジエン系重合体ゴムの製造方法。
    (1)ジエン系重合体ゴムの共役ジエンモノマー部のビニル含量が65%以上かつSt含量が20%〜50%
    (2)重合反応終了時点のジエン系重合体ゴムのHLC測定におけるQ値(Mw/Mn)が、1.25以下
  3. 共役ジエンモノマーと芳香族ビニルモノマーとを、式R ' (Li)X(式中、R ' は脂肪族または芳香族炭化水素基、Xは1〜4の整数である。)で表される有機リチウム化合物、重合溶媒、重合溶媒に対して、0.0053〜0.1060重量%のテトラヒドロフラン及び、0.02〜0.30重量%のエチレングリコールジエチルエーテルの存在下に重合し、重合完結したのち、カップリング剤を用いてカップリング反応を行うことを特徴とし、かつ下記(1)〜(3)の条件を満たすジエン系重合体ゴムの製造方法。
    (1)ジエン系重合体ゴムの共役ジエンモノマー部のビニル含量が65%以上かつSt含量が20%〜50%
    (2)重合反応終了時点のジエン系重合体ゴムのHLC測定におけるQ値(Mw/Mn)が、1.25以下
    (3)カップリング反応終了後のジエン系重合体ゴムのHLC測定におけるQ値(Mw/Mn)が、2.2以下であり、かつMwが60万以上
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