JP4154993B2 - 多気筒内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

多気筒内燃機関の燃料噴射制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多気筒内燃機関の各気筒に燃料を噴射する各インジェクタに駆動電流が正常に供給されているか否かを自己診断する機能を有する多気筒内燃機関の燃料噴射制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の多気筒内燃機関の燃料噴射制御装置としては、例えば下記特許文献1に見られるようなものがある。この特許文献1に記載の燃料噴射制御装置は、各インジェクタの開弁時間に略等しい時間幅を有する噴射指令信号を生成する電子制御装置と、この噴射指令信号に基づいて各々対応するインジェクタに駆動電流を供給する駆動装置とを備えている。
【0003】
また、この特許文献1に記載の燃料噴射制御装置は、インジェクタに正常に駆動電流が供給されているか否かを診断する機能を有する。詳しくは、駆動装置において、各インジェクタに供給される電流をその下流側の共通接続部を介して一括して抽出するとともに、この抽出される電流に基づいて複数の気筒のインジェクタに各々所定値以上の駆動電流が供給されているか否かの論理和に対応した診断信号を生成する。そして、この診断信号は電子制御装置へフィードバックされ、この電子制御装置において、上記診断信号の反転エッジが所定の条件にて検出されるか否かに基づいて、上記駆動電流が正常に供給されているか否かの診断がなされる。
【0004】
特許文献1に記載の装置では、このように、上記態様で生成される診断信号を用いることで、各インジェクタに駆動電流が正常に供給されているか否かの診断を行う機能を有しつつも、駆動装置及び電子制御装置の回路規模の抑制やこれら両装置間の通信線数の低減を実現している。
【0005】
なお、こうした燃料噴射制御装置としては、上記特許文献1の他にも、例えば下記特許文献2がある。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−122416号公報
【特許文献2】
特開平11−294238号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記燃料噴射制御装置にあっては、例えば機関始動時等において燃料噴射量が多く要求されるときには、各インジェクタに対する噴射指令信号の出力期間が一部重複することがある。換言すれば、各インジェクタに駆動電流が流れる期間が一時期重複することがある。このような場合、上記抽出される電流に基づいて生成される診断信号も、その論理レベルが反転する機会が失われることから、電子制御装置において同信号の反転エッジを検出することができなくなる。すなわち、各インジェクタに正常に駆動電流が供給されていたとしても診断信号の反転エッジが確認できなくなることをもって異常である旨誤診断してしまうおそれがある。
【0008】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の気筒のインジェクタに各々所定値以上の駆動電流が供給されているか否かの論理和に対応した診断信号を用いて各インジェクタに正常に駆動電流が供給されているか否かの診断を精度よく行うことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、通電状態に応じて開弁期間が制御されるインジェクタが複数の気筒に対応して設けられた多気筒内燃機関の燃料噴射制御を行うに際し、前記複数の気筒のインジェクタに各々所定値以上の駆動電流が供給されているか否かの論理和に対応した診断信号を生成し、この生成した診断信号に基づき前記インジェクタに正常に駆動電流が供給されているか否かの診断を行う多気筒内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記複数のインジェクタに前記所定値以上の駆動電流が同時に供給される期間が存在すると判断されるとき、前記各インジェクタに正常に駆動電流が供給されているか否かの診断を禁止する禁止手段と、機関始動時において燃料噴射が行われているときの機関回転速度に基づき機関始動性が悪化しているか否かを判定し、機関始動性が悪化していると判定されるときに前記インジェクタの開弁期間を強制的に縮小するとともに前記診断を許可する手段とを備えことをその要旨とする。
【0010】
上記構成では、複数のインジェクタに前記所定値以上の駆動電流が同時に供給される期間が存在すると判断されるとき各インジェクタに正常に駆動電流が供給されているか否かの診断を禁止する。このため、インジェクタに正常に駆動電流が供給されているにもかかわらず異常である旨誤診断することを回避することができる。このため、上記構成によれば、複数の気筒のインジェクタに各々所定値以上の駆動電流が供給されているか否かの論理和に対応した診断信号を用いて各インジェクタに正常に駆動電流が供給されているか否かの診断を精度よく行うことができるようになる。
また、所定の条件の成立に基づいてインジェクタの開弁期間を強制的に縮小することにより、複数のインジェクタに所定値以上の駆動電流が同時に供給される期間が存在する事態が生じ得る状況下においても、こうした事態を強制的に回避することができる。そして、こうした事態を強制的に回避しつつ、インジェクタに正常に駆動電流が供給されているか否かの診断が許可されるために、この診断を精度よく行うことができるようになる。
なお、上記所定の条件は、上記禁止手段によって、複数のインジェクタに所定値以上の駆動電流が同時に供給される期間が存在すると判断されるとの条件を含むようにしてもよい。
また、機関始動性が悪化しているときには、これがインジェクタに供給される駆動電流が正常でないことに起因する可能性がある。しかし、機関始動時には、複数のインジェクタに所定値以上の駆動電流が同時に供給される期間が存在するようになりやすいため、正常に駆動電流が供給されているか否かの診断を正確に行うことが困難となりやすい。
この点、上記構成では、機関始動性が悪化している旨の判定がなされると、上記開弁期間の強制的な縮小制御がなされるために、機関始動性の悪化の原因がインジェクタに供給される駆動電流が正常でないことに起因するものかどうかを迅速に判断することができるようになる。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記禁止手段は、前記各気筒に供給される燃料の噴射期間の算出に用いるパラメータに基づいて前記複数のインジェクタに所定値以上の駆動電流が同時に供給される期間が存在するか否かを判断することをその要旨とする。
【0012】
複数のインジェクタに所定値以上の駆動電流が同時に供給される期間が存在するのは、各気筒に供給される燃料の噴射期間が長くなるときに生じやすい。
この点、上記構成では、各気筒に噴射される燃料の噴射期間の算出に用いるパラメータを用いることで、上記判断を精度よく行うことができるようになる。
【0013】
なお、この請求項2記載の発明は、請求項3記載の発明によるように、前記パラメータとして、前記各気筒に供給される燃料の圧力及び当該機関の回転速度の少なくとも一方が含まれてなるようにしてもよい。
【0014】
特に、各気筒に供給される燃料についての要求値が大きいにもかかわらず燃料の圧力が低い場合には燃料噴射期間が長期化するために、上記パラメータとして燃料の圧力を用いることは有効である。
【0015】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記禁止手段は、逐次算出される燃料噴射期間の監視に基づいて前記複数のインジェクタに所定値以上の駆動電流が同時に供給される期間が存在するか否かを判断することをその要旨とする。
【0016】
複数のインジェクタに所定値以上の駆動電流が同時に供給される期間が存在するのは、各気筒に供給される燃料の噴射期間が長くなるときに生じやすい。
この点、上記構成では、逐次算出される燃料噴射期間を監視することで、上記判断を精度よく行うことができるようになる。
【0025】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる多気筒内燃機関の燃料噴射制御装置を筒内噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置に適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0026】
図1に、本実施形態にかかる燃料噴射制御装置の全体構成を示す。図1に示す内燃機関1は、6気筒からなるとともに、それら各燃焼室(図示略)に燃料を直接噴射供給する火花点火式内燃機関である(図中、これら各気筒を、#1、#2、…と表記)。そして、燃料を直接噴射供給する機構として、燃料タンク10と、燃料タンク10の燃料を昇圧する高圧燃料ポンプ20と、高圧燃料ポンプ20によって昇圧された燃料を備蓄するデリバリパイプ30と、デリバリパイプ30に備蓄された燃料を燃焼室に噴射供給するインジェクタIJとを備えている。
【0027】
一方、駆動装置40は、インジェクタIJへ駆動電流を供給することでその開弁期間を制御するものである。
また、電子制御装置50は、上記高圧燃料ポンプ20等、内燃機関1の各種制御や駆動装置40の制御等を行う装置である。この電子制御装置50には、内燃機関1の運転状態を検出する各種センサの検出信号が入力されるようになっている。こうした各種センサとしては、例えば、内燃機関1の冷却水温を検出する水温センサ61や、クランクシャフトの回転速度を検出するクランク角センサ62、デリバリパイプ30の燃料圧力を検出する燃圧センサ63などがある。
【0028】
そして、電子制御装置50は、こうした各種センサの検出信号に基づき、上記内燃機関1の各種制御を行う。特に電子制御装置50は、上記駆動装置40を通じてインジェクタIJの制御も行う。
【0029】
ここで、電子制御装置50による上記駆動装置40を通じたインジェクタIJの制御について説明する。
ここでは、まず図2に基づいて駆動装置40の構成について詳述する。
【0030】
図2に示されるように、駆動装置40は、制御回路41と、高電圧発生回路42と、高電圧側スイッチング素子HSW1〜HSW6と、低電圧側スイッチング素子LSW1〜LSW6と、整流素子D1〜D6とを備えている。
【0031】
ここで、高電圧発生回路42は、図示しないバッテリの電圧を昇圧して出力する回路である。この高電圧発生回路42は、高電圧側スイッチング素子HSW1〜HSW6や、整流素子D1〜D3を介して各インジェクタIJ1〜IJ6と接続されている。また、これら各インジェクタIJ1〜IJ6は、低電圧側スイッチング素子LSW1〜LSW6を介して接地されている。なお、高電圧側スイッチング素子HSW1〜HSW6と各インジェクタIJ1〜IJ6とは、整流素子D4〜D6を介して接地されている。
【0032】
一方、制御回路41では、上記電子制御装置50の出力する指令信号に応じて上記高電圧側スイッチング素子HSW1〜HSW6や、低電圧側スイッチング素子LSW1〜LSW6を制御することで、各インジェクタIJ1〜IJ6へ駆動電流を供給する制御を行う。
【0033】
詳しくは、制御回路41には、電子制御装置50から対象となるインジェクタIJの開弁期間に略等しい時間幅を有する指令信号IJTが供給される。これに対し、制御回路41では、この指令信号IJTに基づき上記高電圧側スイッチング素子HSW1〜HSW6や、低電圧側スイッチング素子LSW1〜LSW6を制御することで、指令信号IJTに略等しい期間、インジェクタIJを開弁させる。このため、本実施形態では、インジェクタIJの開弁期間である燃料噴射期間が指令信号IJTのパルス幅として設定されるとともに、インジェクタIJの開弁開始時期が同指令信号IJTの出力タイミングによって規定されることとなる。
【0034】
また、制御回路41は、各インジェクタIJ1〜IJ6に所定値以上の駆動電流が流れているか否かの論理和に対応した診断信号IJFを生成する。すなわち、駆動装置40において、少なくとも1つのインジェクタIJに駆動電流が流れると、換言すれば少なくとも1つのインジェクタIJ及び接地間に駆動電流が流れると、この駆動電流は、各インジェクタIJ1〜IJ6の下流側の共通接続部を介して一括して抽出される。そして、制御回路41では、この駆動電流に対応する電圧値IJVを取り込む。そして、この電圧値IJVに基づき上記診断信号IJFを生成するとともに、シリアルラインを介して同診断信号IJFを上記電子制御装置50に出力する。
【0035】
ここで、図3を用いて、この診断信号IJFの生成処理について更に説明する。図3(a)は、指令信号IJTを例示している。また、図3(b)は、インジェクタIJに流れる駆動電流に対応する電圧値IJVを例示している。更に、図3(c)は、上記指令信号IJTと駆動電流に対応する電圧値IJVとに基づいて生成される診断信号IJFを例示している。
【0036】
同図3に示されるように、指令信号IJTが立ち上がると、この立ち上がりエッジに同期して対応するインジェクタIJに駆動電流が流れ、電圧値IJVが上昇する。そして、駆動電流が所定の閾値を上回ると、換言すれば、電圧値IJVが閾値Vth1を上回ると、制御回路41では、診断信号IJFを論理「H」レベルの信号から論理「L」レベルの信号に反転させる。
【0037】
また、同図3に示されるように、指令信号IJTが立ち下がると、この立ち下がりエッジに同期して対応するインジェクタIJの駆動電流が減少し、電圧値IJVが下降する。そして、駆動電流が所定の閾値を下回ると、換言すれば、電圧値IJVが所定の閾値Vth2を下回ると、制御回路41では、診断信号を論理「L」レベルの信号から論理「H」レベルの信号に反転させる。
【0038】
なお、上記閾値Vth1は、各インジェクタIJ1〜IJ6を開弁させるために十分な駆動電流に対応する電圧値に設定されており、また、上記閾値Vth2は、各インジェクタIJ1〜IJ6が略閉弁するときの駆動電流に対応する電圧値に設定される。
【0039】
このように本実施形態では、閾値Vth1、Vth2を互いに異なる値とする。このため、診断信号IJFは、各インジェクタIJ1〜IJ6に所定値以上の駆動電流が供給されているか否かの論理和に対応した信号であるとはいえ、実際には、駆動電流の立ち上がり側と立ち下がり側とでヒステリシスをもたせている。
【0040】
次に、上記診断信号IJFに基づいて電子制御装置50にて行われる処理であるインジェクタIJに正常に駆動電流が供給されているか否かの診断にかかる処理について説明する。
【0041】
本実施形態では、機関始動時には、診断信号IJFの立ち下がりエッジと指令信号IJTとの同期に基づき、また機関始動後には、診断信号IJFの立ち上がりエッジと指令信号IJTとの同期に基づきそれぞれ上記診断を行うようにしている。ちなみに、機関始動時とは、図示しないイグニッションスイッチを通じてスタータが起動されることによる内燃機関1のクランキングが開始されてから、同内燃機関1の自立運転が可能となるまでの期間とする。なお、内燃機関1の自立運転が可能となる時期とは、例えば上記クランク角センサ62によって検出されるクランクシャフトの回転速度が所定の回転速度に達する時期とする。
【0042】
図4に、機関始動時において各インジェクタIJ1〜IJ6に正常に駆動電流が供給されているか否かに応じて論理レベルを変更するフェールフラグの生成態様を示す。
【0043】
同図4では、インジェクタIJ1及びインジェクタIJ5に順次噴射制御を行う場合であって、インジェクタIJ5に駆動電流が正常に供給されない場合を例示している。
【0044】
図4(a)に例示するようにインジェクタIJ1を開弁させる際には、指令信号IJT1を立ち上げる。これに対しインジェクタIJ1に正常に駆動電流が供給される場合には、図4(g)に示すように、指令信号IJT1に同期して診断信号IJFが立ち下がる。この場合、診断信号IJFの立ち下がりエッジと指令信号IJT1とが同期することが検出されることから、図4(h)に示すフェールフラグは立ち上がらない。
【0045】
次に、インジェクタIJ5を開弁させる際には、図4(e)に例示するように指令信号IJT5を立ち上げる。これに対し、インジェクタIJ5に正常に駆動電流が供給されない場合には、図4(g)に示すように、診断信号IJFが立ち下がらない。このため、診断信号IJFの立ち下がりエッジと指令信号IJT5との同期を検出することができず、図4(h)に示すフェールフラグが立ち上がる。これにより、インジェクタIJ5に供給される駆動電流が異常である旨診断されることとなる。
【0046】
ただし、この診断信号IJFを用いてインジェクタIJに正常に駆動電流が供給されるか否かの診断を行うと、複数のインジェクタIJに同時に所定値以上の電流が流れる期間が存在する場合には、図5に例示すような誤診断がなされることがある。
【0047】
図5は、インジェクタIJ1、インジェクタIJ5、インジェクタIJ3…の順に所定値以上の駆動電流が供給される場合を想定している。
ここで、図5(a)に示す指令信号IJT1の立ち上がり期間と図5(e)に示す指令信号IJT5の立ち上がり期間とが重複する場合、図5(g)に示す診断信号IJFが指令信号IJT1に同期して立ち下がった状態で指令信号IJT5が立ち上がることとなる。このため、診断信号IJFは、指令信号IJT5に同期して立ち下がることはない。したがって、診断信号IJFの立ち下がりエッジと指令信号IJT5との同期を検出することができず、インジェクタIJに正常に駆動電流が供給されているにもかかわらず、図5(h)に示すフェールフラグが立ち上がることとなる。
【0048】
こうした誤診断を回避すべく、本実施形態では、複数のインジェクタIJに所定値以上の駆動電流が同時に供給される期間が存在すると判断されるとインジェクタIJに正常に駆動電流が供給されているか否かの診断を禁止するようにする。以下これについて詳述する。
【0049】
図6は、上記正常に駆動電流が供給されているか否かの診断の禁止にかかる処理手順を示すフローチャートである。この処理は、上記電子制御装置50において、例えば所定の周期毎に繰り返し実行される。
【0050】
この一連の処理においては、まずステップ100において機関始動時であるか否かを判断する。そして、機関始動時であると判断されると、ステップ110に移行する。
【0051】
そして、ステップ110においては、上記燃圧センサ63によって検出されるデリバリパイプ30内の燃料圧力が所定の閾値αよりも低いか否かを判断する。すなわち、燃料の圧力が低いほど始動時に必要な燃料噴射量を噴射するために必要な燃料噴射期間が長期化することから、燃料圧力が所定の閾値αより低いことをもって、複数のインジェクタIJに所定値以上の駆動電流が同時に供給される期間が存在する可能性があるとするのである。
【0052】
そして、ステップ110において燃料圧力が所定の閾値αより低いと判断されると、ステップ120に移行する。このステップ120では、上記クランク角センサ62によって検出されるクランクシャフトの回転速度(エンジン回転速度)が所定の閾値βより大きいか否かが判断される。これは、エンジン回転速度が大きいほど所定のクランク角範囲に対応する時間が短くなることに起因して、始動時に必要な量の燃料を噴射するために必要なクランク角範囲がエンジン回転速度が大きいほど広くなることを考慮するためのものである。すなわち、エンジン回転速度が大きいことに起因して燃料噴射に必要なクランク角範囲が広くなると、複数の気筒間で燃料噴射の行われるクランク角範囲が互いに重複するようになる。このため、このステップ120では、エンジン回転速度が所定の閾値βよりも大きいことをもって、複数のインジェクタIJに所定値以上の駆動電流が同時に供給される期間が存在する可能性があるとするのである。
【0053】
そして、ステップ120において、エンジン回転速度が所定の閾値βよりも大きいと判断されると、ステップ130に移行する。このステップ130では、当該始動制御として要求されている燃料噴射量が所定の閾値γよりも多いか否かを判断する。すなわち、始動制御において要求される燃料噴射量が大きいほど燃料噴射期間が長期化することから、要求される燃料噴射量が所定の燃料閾値γよりも多いことをもって、複数のインジェクタIJに所定値以上の駆動電流が同時に供給される期間が存在する可能性があるとするのである。ちなみに、始動時の燃料噴射量は、例えば水温センサ61によって検出される冷却水の温度等、内燃機関1の暖機態様(冷間始動の度合い)に応じて設定されるものである。
【0054】
そして、ステップ130において、燃料噴射量が所定の閾値γよりも多いと判断されると、ステップ140に移行する。このステップ140では、インジェクタに正常に駆動電流が供給されているか否かの診断を禁止する。
【0055】
このように、本実施形態では、(ア)機関始動時であること、及び(イ)燃料噴射量が閾値αより低いこと、及び(ウ)エンジン回転速度が閾値βよりも大きいこと、及び(エ)燃料噴射量が閾値γよりも多いことの4つの条件を満たすか否かを判断する。そして、この4つの条件が満たされることをもって、複数のインジェクタIJに所定値以上の駆動電流が同時に供給される期間が存在することがあると判断するようにしている。
【0056】
したがって、閾値αは、上記(ア)、(ウ)、(エ)の各条件が満たされる条件において、複数のインジェクタIJに所定値以上の駆動電流が同時に供給される期間が存在するようになる最大の燃料圧力値以上に設定されることとなる。また、閾値βは、上記(ア)、(イ)、(エ)の各条件が満たされる条件において、複数のインジェクタIJに所定値以上の駆動電流が同時に供給される期間が存在するようになる最小の回転速度以下に設定されることとなる。更に、閾値γは、上記(ア)、(イ)、(ウ)の各条件が満たされる条件において、複数のインジェクタIJに所定値以上の駆動電流が同時に供給される期間が存在するようになる最小の燃料噴射量以下に設定されることとなる。
【0057】
もっとも、これら各閾値α、β、γは、上記各条件を満たす内燃機関1の運転領域が複数のインジェクタIJに所定値以上の駆動電流が同時に供給される期間が存在しない領域を極力含まないように設定することが望ましい。そして、このように各閾値α、β、γを設定することで、複数のインジェクタIJに所定値以上の駆動電流が同時に供給される期間が存在するか否かを精度良く判断することができる。
【0058】
なお、上記ステップ100〜ステップ130において、上記(ア)〜(エ)の少なくとも1つの条件が満たされていないと判断されると、ステップ150に移行し、駆動電流が正常に供給されているか否かの診断を実施する。また、ステップ140やステップ150に移行した後には、この一連の処理を一旦終了する。
【0059】
以上説明した本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)複数のインジェクタIJに所定値以上の駆動電流が同時に供給される期間が存在すると判断されると、駆動電流が正常に供給されているか否かの診断を禁止した。これにより、インジェクタIJに正常に駆動電流が供給されているにもかかわらず異常である旨の誤診断をすることを回避することができるようになる。
【0060】
(2)機関始動時であること、及び燃料噴射量が閾値αより低いこと、及びエンジン回転速度が閾値βよりも大きいこと、及び燃料噴射量が閾値γよりも多いことの4つの条件を満たすときに、複数のインジェクタIJに所定値以上の駆動電流が同時に供給される期間が存在すると判断した。換言すれば、燃料噴射期間の算出に用いるパラメータを用いて、複数のインジェクタIJに所定値以上の駆動電流が同時に供給される期間が存在するか否かを判断した。これにより、こうした判断を精度良く行うことができるようになり、駆動電流が正常に供給されているか否かの診断を禁止する期間を極力短縮することができる。
【0061】
(第2の実施形態)
以下、本発明にかかる多気筒内燃機関の燃料噴射制御装置を筒内噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置に適用した第2の実施形態について、上記第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0062】
上記第1の実施形態では、燃料噴射期間の算出に用いるパラメータを用いて複数のインジェクタIJに所定値以上の駆動電流が同時に供給される期間が存在するか否かを診断した。
【0063】
これに対し、本実施形態では、機関始動時において、スタータが起動されてからの所定期間、複数のインジェクタIJに同時に所定値以上の駆動電流が流れる期間が存在するとして、駆動電流が正常に供給されているか否かの診断を禁止する。そして、この所定期間においてインジェクタIJに正常に駆動電流が供給されているか否かの診断を所望する所定の条件が成立すると、インジェクタIJの開弁期間を強制的に縮小するとともに、この所望される診断を許可するようにする。
【0064】
以下、こうした機関始動時において駆動電流が正常に供給されているか否かの診断の禁止にかかる処理、及びインジェクタIJの開弁期間の縮小処理について図7を用いて更に説明する。
【0065】
図7は、上記各処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、上記電子制御装置50において、例えば所定の周期で繰り返し実行される。
この一連の処理においては、まずステップ200において、図示しないイグニッションスイッチの操作を通じてスタータが起動されてからの所定期間ε内であるか否かを判断する。この所定期間εは、複数のインジェクタに所定値以上の駆動電流が同時に供給される期間が存在すると簡易的に判断される期間である。ここでは、例えばスタータが起動されてからのエンジン回転数が所定回数(例えば1000回)に達するまでの期間として設定する。また、これに代えて、スタータが起動されてから所定時間が経過するまでの期間としてもよい。
【0066】
そして、ステップ200において所定期間ε内であると判断されると、ステップ210に移行し、上記インジェクタIJに正常に駆動電流が供給されているか否かの診断を禁止する。
【0067】
続く、ステップ220及びステップ230においては、内燃機関1の始動性が悪化しているか否かを判定する処理を行う。すなわち、本実施形態では、インジェクタIJに正常に駆動電流が供給されているか否かの診断を所望する上記所定の条件を、機関始動性が悪化している旨の判定がなされる条件とする。これは、機関始動性が悪化している場合、その原因がインジェクタIJに供給される駆動電流が正常でないことに起因する場合があることによる。
【0068】
まず、ステップ220では、スタータが起動されてから内燃機関1の始動のための所定の噴射制御が実行されたか否かを判断する。これは、例えばスタータが起動されてからの燃料噴射回数が所定の回数に達したか否かによって判断するようにすればよい。また、これに代えてスタータが起動されてから所定時間が経過したか否かによって判断してもよい。そして、ステップ220において所定の噴射制御が実行されたと判断されると、ステップ230において、上記クランク角センサ62によって検出されるエンジン回転速度が所定の閾値σより小さいか否かを判断する。
【0069】
ここで、閾値σは、所定の噴射制御を実行したときにエンジン回転速度が上昇していると想定される回転速度以下に設定されるものである。したがって、ステップ220において所定の噴射制御が行われたと判断されているにもかかわらず、ステップ230においてエンジン回転速度が閾値σよりも小さいと判断されるなら始動性が悪化していると判定することができる。
【0070】
なお、上記ステップ220の判断に用いる所定の回数や所定時間は、上記水温センサ61による冷却水温等、内燃機関1の暖機態様(冷間始動の度合い)に応じて可変設定するようにすることが望ましい。すなわち、冷却水温が低いほど始動完了が遅くなるため、換言すれば冷間始動の度合いが大きいほど始動完了が遅くなるため、冷間始動の度合いが大きいほど上記所定の回数を多くしたり、上記所定時間を長期化したりすることが望ましい。
【0071】
そして、ステップ230においてエンジン回転速度が閾値σよりも小さいと判断されると、始動性が悪化している旨の判定がなされ、ステップ240に移行する。
【0072】
このステップ240では、インジェクタIJの開弁期間を強制的に縮小すべく燃料噴射量の減量制御を行う。
ここで、燃料噴射量の減量制御は、複数のインジェクタIJが開弁されている期間が重複することのないような燃料噴射時期(開弁時期から閉弁時期までの期間)となるように設定される。なお、この燃料噴射時期は、本来、始動時に要求される燃料噴射量及びデリバリパイプ30の燃料圧力等によって決定されるものである。したがって、上記燃料噴射量の減量制御に際しては、複数のインジェクタIJが開弁されている期間が重複することのない範囲で減量量を極力抑制したかたちで行うことが望ましい。
【0073】
そして、ステップ240の処理が行われると、ステップ250においてインジェクタIJに正常に駆動電流が供給されているか否かの診断を実施し、この一連の処理を一旦終了する。
【0074】
なお、上記ステップ200において所定期間ε内でないと判断されたときにも、ステップ250に移行する。また、ステップ220において所定の噴射制御が実行されていないと判断されたときや、ステップ230においてエンジン回転速度が閾値σ以上であると判断されたときには、この一連の処理を一旦終了する。
【0075】
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(3)機関始動性が悪化している旨の判定がなされると燃料噴射量を減量することでインジェクタIJの開弁期間を強制的に縮小した。これにより、機関始動性の悪化がインジェクタIJに供給される駆動電流の異常に起因するものかどうかを判断することができる。
【0076】
(4)スタータ起動から所定期間ε、複数のインジェクタIJに所定値以上の駆動電流が同時に供給される期間が存在するとして駆動電流が正常に供給されているか否かの診断を禁止した。これにより、複数のインジェクタIJに所定値以上の駆動電流が同時に供給される期間が存在するか否かの判断を簡易に行うことができる。
【0077】
なお、本実施形態は以下のように変更して実施してもよい。
・複数のインジェクタに所定値以上の駆動電流が同時に供給される期間が存在するか否かの判断に用いるパラメータである燃料噴射期間の算出に用いるパラメータとしては、上記第1の実施形態で例示したものに限らない。例えば上記燃料噴射量の代わりに、冷却水の温度等、内燃機関1の暖機状態(冷間始動の度合い)をパラメータとして用いてもよい。また、始動時にあって燃圧が所定以下であるときに上記期間が存在すると判断してもよい。
【0078】
また、このパラメータとして、機関始動時であるとの条件を含まなくてもよい。この場合、燃料噴射期間の算出に用いるパラメータとしては、例えば、内燃機関1の負荷、エンジン回転速度、デリバリパイプの燃料圧力、内燃機関1の暖機状態等がある。
【0079】
・複数のインジェクタに所定値以上の駆動電流が同時に供給される期間が存在するか否かを判断する判断手段としては、燃料噴射期間の算出に用いるパラメータを用いるものにも限らない。例えば逐次算出される燃料噴射期間を監視し、この監視する燃料噴射期間から上記期間が存在するか否かを判断するようにしてもよい。
【0080】
・インジェクタに正常に駆動電流が供給されているか否かの診断を所望する所定の条件としては、上記第2の実施形態にて例示されたものに限らない。例えば機関始動時であること自体を条件としてもよい。
【0081】
・上記第2の実施形態及びその変形例では、スタータの起動から所定期間、インジェクタに正常に駆動電流が供給されているか否かの診断を禁止した。これに対し、例えば上記判断手段によって複数のインジェクタに所定値以上の駆動電流が同時に供給されている期間が存在すると判断されたときに駆動電流が正常に供給されているか否かの診断を禁止するようにしてもよい。この場合、上記インジェクタに正常に駆動電流が供給されるか否かの診断を所望する所定の条件に、上記判断手段による判断に基づき駆動電流が正常に供給されているか否かの判断が禁止されているときであるとの条件を含めてもよい。
【0082】
・上記第2の実施形態では、インジェクタIJの開弁期間の強制的な縮小制御の後、インジェクタに正常に駆動電流が供給されているか否かの診断を実施するようにしたが、これに代えて、同診断を許可するようにしてもよい。
【0083】
・更に、上記第1の実施形態やその変形例で例示した判断手段によって複数のインジェクタに所定値以上の駆動電流が供給される期間が存在すると判断されるときに、インジェクタの開弁期間を強制的に縮小するようにしてもよい。
【0084】
・インジェクタに正常に駆動電流が供給されているか否かを診断する処理としては、上記実施形態で例示したものに限らない。例えば始動時及び始動後において共通の処理を行ってもよい。
【0085】
・指令信号IJTとしては、上記実施形態で例示したものに限らない。要は、インジェクタの開弁期間(燃料噴射期間)を制御することのできる指令信号であればよい。
【0086】
・診断信号IJFとしては、先の図3〜図5に例示したものに限らない。例えばインジェクタが開弁されている間、立ち上がるものであってもよい。
・インジェクタを駆動する指令信号に基づき対応する気筒のインジェクタに駆動電流を供給する手段と、複数の気筒のインジェクタに各々所定値以上の駆動電流が供給されているか否かの論理和に対応する診断信号を生成する手段とは、先の図2に例示した駆動装置40の構成を有するものに限らない。例えば、各インジェクタIJ1〜IJ6に供給される駆動電流を各別に抽出して2値化した後、これらの論理和を取ることで診断信号IJFを生成してもよい。また、制御回路41としては、先の図3に示したように2つの閾値Vth1及びVth2を用いて診断信号IJFを生成するものに限らず、単一の閾値を用いて診断信号IJFを生成するものであってもよい。
【0087】
・更に、複数のインジェクタに所定値以上の駆動電流が同時に供給される期間が存在すると判断されるとインジェクタに正常に駆動電流が供給されているか否かの診断を禁止する禁止手段は、上記電子制御装置50内に備えられるものに限らない。例えば駆動装置40内に備えられて診断信号の生成そのものを禁止する手段であってもよい。
【0088】
・内燃機関1としては、火花点火式内燃機関に限らず、例えばディーゼルエンジンでもよい。
・筒内噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置に限らず、一般に複数の気筒のインジェクタに各々所定値以上の駆動電流が供給されているか否かの論理和に対応した診断信号に基づきインジェクタに正常に駆動電流が供給されているか否かを診断するものであれば本発明の適用は有効である。
【0089】
なお、上記各実施形態及びその変形例から把握できる技術思想としては以下のものがある。
(イ)請求項1〜のいずれかに記載の多気筒内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記インジェクタを駆動する指令信号を生成する手段と、該指令信号に基づき対応する気筒のインジェクタに駆動電流を供給する手段とを備えることを特徴とする多気筒内燃機関の燃料噴射制御装置。
【0090】
(ロ)上記(イ)記載の多気筒内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記指令信号は、前記開弁時間に略等しい時間幅を有する信号であることを特徴とする多気筒内燃機関の燃料噴射制御装置。
【0091】
(ハ)請求項1〜のいずれか又は上記(イ)又は(ロ)に記載の多気筒内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記診断信号に基づき前記インジェクタに正常に駆動電流が供給されているか否かの診断は、前記診断信号の反転エッジに基づいて行われることを特徴とする多気筒内燃機関の燃料噴射制御装置。
【0092】
(ニ)上記(イ)又は(ロ)記載の多気筒内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記診断信号に基づく前記インジェクタに正常に駆動電流が供給されているか否かの診断は、前記診断信号のパルスと前記各気筒に対応した指令信号との同期に基づいて行われるものであることを特徴とする多気筒内燃機関の燃料噴射制御装置。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる多気筒内燃機関の燃料噴射制御装置の第1の実施形態の全体構成を示す図。
【図2】同実施形態におけるインジェクタの駆動装置の構成を示す図。
【図3】同実施形態における診断信号の生成処理を示すタイムチャート。
【図4】同実施形態においてインジェクタ正常に駆動電流が供給されているか否かを診断する処理を示すタイムチャート。
【図5】同実施形態においてインジェクタに正常に駆動電流が供給されているか否かを診断する処理を示すタイムチャート。
【図6】同実施形態においてインジェクタに正常に駆動電流が供給されているか否かの診断の禁止にかかる処理手順を示すフローチャート。
【図7】第2の実施形態における燃料噴射量の減量制御にかかる処理手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…内燃機関、10…燃料タンク、20…高圧燃料ポンプ、30…デリバリパイプ、40…駆動装置、41…制御回路、42…高電圧発生回路、50…電子制御装置、61…水温センサ、62…クランク角センサ、63…燃圧センサ、IJ…インジェクタ、IJF…診断信号、IJT…指令信号、HSW…高電圧側スイッチング素子、LSW…低電圧側スイッチング素子。

Claims (4)

  1. 通電状態に応じて開弁期間が制御されるインジェクタが複数の気筒に対応して設けられた多気筒内燃機関の燃料噴射制御を行うに際し、前記複数の気筒のインジェクタに各々所定値以上の駆動電流が供給されているか否かの論理和に対応した診断信号を生成し、この生成した診断信号に基づき前記インジェクタに正常に駆動電流が供給されているか否かの診断を行う多気筒内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    前記複数のインジェクタに前記所定値以上の駆動電流が同時に供給される期間が存在すると判断されるとき、前記各インジェクタに正常に駆動電流が供給されているか否かの診断を禁止する禁止手段と、
    機関始動時において燃料噴射が行われているときの機関回転速度に基づき機関始動性が悪化しているか否かを判定し、機関始動性が悪化していると判定されるときに前記インジェクタの開弁期間を強制的に縮小するとともに前記診断を許可する手段とを備えことを特徴とする多気筒内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 前記禁止手段は、前記各気筒に供給される燃料の噴射期間の算出に用いるパラメータに基づいて前記複数のインジェクタに所定値以上の駆動電流が同時に供給される期間が存在するか否かを判断する
    請求項1記載の多気筒内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. 前記パラメータとして、前記各気筒に供給される燃料の圧力及び当該機関の回転速度の少なくとも一方が含まれてなる
    請求項2記載の多気筒内燃機関の燃料噴射制御装置。
  4. 前記禁止手段は、逐次算出される燃料噴射期間の監視に基づいて前記複数のインジェクタに所定値以上の駆動電流が同時に供給される期間が存在するか否かを判断する
    請求項1記載の多気筒内燃機関の燃料噴射制御装置。
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