JP4154955B2 - 感光性樹脂組成物並びにそれを用いたレリーフパターン、耐熱性塗膜、耐熱性絶縁パターンの製造方法およびそれらを有する電子部品 - Google Patents

感光性樹脂組成物並びにそれを用いたレリーフパターン、耐熱性塗膜、耐熱性絶縁パターンの製造方法およびそれらを有する電子部品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、活性光線の照射によって塩基を発生するアミンイミド化合物とポリアミド酸エステルを含有してなる感光性樹脂組成物、レリーフパターン、耐熱性塗膜および耐熱性絶縁パターンの製造方法、さらに耐熱性塗膜または耐熱性絶縁パターンを表面保護膜層および/または層間絶縁膜層として有する電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
光硬化技術は、従来の熱硬化技術と比較して、低温で硬化する点、短時間で硬化する点、微細な加工が可能な点、プロセスの短縮化が可能な点等の利点を有し、塗料から半導体材料に至る広範囲な分野で応用が図られている。特に、半導体材料の分野では、回路の保護を目的に、感光性樹脂組成物として250℃以上の耐熱性を持つ感光性ポリイミドが表面保護膜層として一般に用いられている。
【0003】
感光性ポリイミドには、いくつかの感光性付与方法が知られている。代表的なものには、特公昭55−41422号公報で提案されているようなポリアミド酸のカルボン酸をヒドロキシエチルアクリレートを用いてエステル化したものや、特開昭54−145794号公報で提案されているようなポリアミド酸にアミノアクリレートを配合し、感光性基を塩結合で導入したものが知られている。これらの材料と、感光性材料(光ラジカル開始剤、多官能アクリレートモノマ等)とをN−メチルピロリドン(NMP)やN,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)等の極性溶媒中に溶解し、シリコンウェハ等の基材上に塗布した後、活性光線を用いてパターン状に露光、現像を行って、パターンを形成する。その後、300℃以上で加熱して、ポリアミド酸のイミド化を行なうと同時に添加した感光性材料等を分解、揮発させて、所望のポリイミドを得ている。しかしながら、加熱しても完全に感光性材料が揮発せず、ポリイミド中に残存するため、フィルム状に形成されたポリイミド(以下、「ポリイミドフィルム」という)の物性(接着強度、弾性率、耐熱性等)が低下するという問題があった。
【0004】
前記問題を解決する方法として、ポリアミド酸と光塩基発生剤を用いる方法が報告されている。これは、光塩基発生剤によって発生した塩基触媒存在下では、ポリアミド酸のイミド化反応が300℃以下の低温で促進することを応用したものである。例えば、Polym.Bull.30巻、369頁、1993年の報告に代表されるように、o−ニトロベンジルカルバメート誘導体が光照射により塩基を発生することを利用して、フォトマスクを介して露光し、露光部のみに塩基を発生させた後、加熱して露光部のみをイミド化させ、未露光部のポリアミド酸を溶解する溶剤やアルカリ水溶液で現像を行って、ネガ型パターンを作製するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これまでの光塩基発生剤の場合、光照射によって発生する塩基のほとんどが1級または2級アミンであるため、塩基性が低く、イミド化の促進能力が低いという欠点があった。さらに、これらの光塩基発生剤の光照射における塩基発生効率が非常に低いために、長時間露光が必要となり、プロセスの短縮化に寄与できないという問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記に鑑み鋭意検討した結果、アミンイミド化合物が活性光線の照射によって、1級または2級アミンより塩基性の高い塩基(以下、「強塩基」という)である3級アミンを効率よく発生し、ポリアミド酸エステルのイミド化反応を低温で促進できることを見出した。アミンイミド化合物が加熱によって3級アミンを発生することは、特開平10−139748号公報により報告されているが、活性光線の照射により3級アミンを発生することは記載されていない。また、さらにまったく予期せぬ効果として本発明の組成物は破断伸び率などの機械特性や耐熱性に優れること見出した。
【0007】
本発明は、低露光量、すなわち短時間の露光でも塩基を発生する塩基発生剤としてのアミンイミド化合物とポリアミド酸エステルとを含有してなる感光性樹脂組成物を提供する。また、本組成物を用いたレリーフパターン、耐熱性塗膜、および、耐熱性絶縁パターンの製造方法を提供するものである。さらに、耐熱性塗膜または耐熱性絶縁パターンを表面保護膜層および/または層間絶縁膜層として有する電子部品を提供するものである。
【0008】
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1](a)活性光線の照射により塩基を発生するアミンイミド化合物、および、(b)ポリアミド酸エステルを含有してなる感光性樹脂組成物。
[2](c)一重項増感剤および/または三重項増感剤を含有してなる前記[1]記載の感光性樹脂組成物。
[3]一重項増感剤または三重項増感剤が、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、カルバゾール誘導体、チオキサントン誘導体、ベンゾフェノン誘導体の少なくとも一つであることを特徴とする前記[2]記載の感光性樹脂組成物。
[4]前記[1]ないし[3]のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物からなる塗膜に、活性光線をパターン状に照射し、50〜180℃で加熱した後、前記活性光線の未照射部の前記塗膜を現像除去することを特徴とするレリーフパターンの製造方法。
[5]前記[1]ないし[3]のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物からなる塗膜に、活性光線を全面に照射し、80〜350℃で加熱することを特徴とする耐熱性塗膜の製造方法。
[6]前記[4]記載の方法により製造されたレリーフパターンを80〜350℃で加熱することを特徴とする耐熱性絶縁パターンの製造方法。
[7]前記[5]記載の方法により製造された耐熱性塗膜または前記[6]記載の方法により製造された耐熱性絶縁パターンを表面保護膜層および/または層間絶縁膜層として有する電子部品。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明において用いる活性光線の照射により塩基を発生するアミンイミド化合物は、活性光線の照射によって、塩基の中でも特に強塩基を効率よく発生するアミンイミド化合物であれば特に制限は受けない。ここで、活性光線とは、アミンイミド化合物への照射により塩基を発生させるものであれば特に制限はなく、例えば紫外線、遠紫外線、可視光、電子線、X線等が挙げられ、特に波長365nmまたは435nmの紫外線が好ましい。活性光線によりアミンイミド化合物から発生する塩基は、例えばアミンが挙げられ、アミンの中でも強塩基である3級アミンが1、2級アミンに比べて効率よく発生する。アミンイミド化合物は、光塩基発生剤に比べて活性光線照射による塩基発生効率が高い傾向にあるため、短時間の露光によっても効率よく強塩基である3級アミンを発生させることができる。すなわち、長時間露光しなくても強塩基である3級アミンを発生させ、ポリアミド酸エステルのイミド化を促進するため、プロセスの短縮化に寄与することができる。
【0010】
活性光線により3級アミンを効率よく発生する代表的なアミンイミド化合物としては、例えば下記一般式(1)または(2)で表され、式中R1、R2、R3は独立に水素、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルキリデン基、炭素数4〜8のシクロアルキル基、炭素数4〜8のシクロアルケニル基、炭素数7〜12のフェノキシアルキル基、フェニル基、電子供与性基および/または電子吸引性基が置換したフェニル基、ベンジル基、電子供与性基および/または電子吸引性基が置換したベンジル基等である。炭素数1〜8のアルキル基としては、直鎖上のアルキル基の他に、置換基を有するアルキル基、例えばイソプロピル基、イソブチル基、t-ブチル基等も含む。これらの置換基の中で、合成の簡便性、アミンイミドの溶解性等の点から、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜8のシクロアルキル基、炭素数7〜12のフェノキシアルキル基等が好ましい。また、式中R4は独立に炭素数1〜5のアルキル基、水酸基、炭素数4〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フェニル基等である。
【0011】
【化1】
Figure 0004154955
【0012】
前記一般式(1)中のAr1は下記一般式(I)〜(XIII)で表される芳香族基であり、式中R5〜R28は独立に、水素、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルキルチオ基、炭素数1〜8のアルキリデン基、炭素数4〜8のシクロアルキル基、炭素数4〜8のシクロアルケニル基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基、炭素数1〜3のジアルキルアミノ基、モルフォリノ基、メルカプト基、水酸基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン、炭素数1〜6のエステル基、炭素数1〜6のカルボニル基、アルデヒド基、シアノ基、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基、ベンゾイル基、フェニル基、電子供与性基および/または電子吸引性基が置換したフェニル基、電子供与性基および/または電子吸引性基が置換したベンジル基等である。また式中U〜Zは、独立に炭素、窒素、酸素、硫黄原子のいずれかである。
【0013】
【化2】
Figure 0004154955
【0014】
また、前記一般式(2)中のAr2は、次式(XIV)〜(XXII)で示される芳香族基であり、式中R29〜R36は独立に、水素、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルキルチオ基、炭素数1〜8のアルキリデン基、炭素数4〜8のシクロアルキル基、炭素数4〜8のシクロアルケニル基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基、炭素数1〜3のジアルキルアミノ基、モルフォリノ基、メルカプト基、水酸基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン、炭素数1〜6のエステル基、炭素数1〜6のカルボニル基、アルデヒド基、シアノ基、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基、フェニル基、電子供与性基および/または電子吸引性基が置換したフェニル基、電子供与性基および/または電子吸引性基が置換したベンジル基等である。また、式中Wは、炭素、窒素、炭素数1〜6のアルキル基が置換した窒素、酸素、硫黄等であり、式中X〜Zは独立に、炭素、窒素、酸素、硫黄原子のいずれかである。
【0015】
【化3】
Figure 0004154955
【0016】
Ar1と同様に熱安定性、吸収波長の点から、式中R29〜R36の置換基としては、電子吸引性基である炭素数1〜6のカルボニル基、シアノ基、ニトロ基等が好ましい。
【0017】
前記アミンイミド化合物は、市販されているものを用いることができ、また、合成によって製造したものを用いることもできる。
【0018】
アミンイミド化合物の合成は、公知の方法を用いることができる。例えば、Encyclopedia of Polymer Science and Engineering、John Wiley & Sons Ltd.、(1985年)、第1巻、p740に記載されているように、カルボン酸エステルとハロゲン化ヒドラジンおよびナトリウムアルコキサイドとの反応や、カルボン酸エステルとヒドラジンおよびエポキシ化合物との反応からアミンイミド化合物を得ることができる。合成の簡便性、安全性を考慮すると、カルボン酸エステルとヒドラジンおよびエポキシ化合物からの合成法が特に好ましい。合成温度、合成時間に関しては、使用する出発物質の分解等が無ければ特に制限を受けないが、一般的には0〜100℃の温度で30分〜7日間攪拌することによって目的のアミンイミド化合物を得ることができる。
【0019】
本発明において用いられるポリアミド酸エステルとしては、市販のもの、または、公知の製造法により製造されたものを使用しうる。例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物を重合させた後、イソイミドに分子内転位させヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを付加したものや、テトラカルボン酸二無水物にヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを付加したエステルとジアミン化合物を塩化チオニルやジシクロカルボジイミド等の縮合剤の存在下で重合させて得られるもの等が挙げられる。以下、ポリアミド酸エステルの製造に使用される試薬の具体例を挙げるが、特に断らない限り市販のものを使用することができる。
【0020】
テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンカルボン酸二無水物、1,2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−スルホニルジフタル酸二無水物、m−ターフェニル−3,3’’,4,4’’−テトラカルボン酸二無水物、p−ターフェニル−3,3’’,4,4’’−テトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2’−ビス[4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2’−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、9,9−ジメチル−2,3,6,7−キサンテンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらのテトラカルボン酸二無水物は単独で又は2種以上を組合せて使用することができる。
【0021】
ジアミン化合物としては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、1,5−ジアミノナフタレン、ベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、4,4’(又は3,4’−、3,3’−、2,4’−)ジアミノジフェニルメタン、4,4’(又は3,4’−、3,3’−、2,4’−)ジアミノジフェニルエーテル、4,4’(又は3,4’−、3,3’−、2,4’−)ジアミノジフェニルスルホン、4,4’(又は3,4’−、3,3’−、2,4’−)ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ベンゾフェノンジアミン、3,3’−ベンゾフェノンジアミン、4,4’−ジ(4−アミノフェノキシ)フェニルスルホン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)フェニルスルホン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、3,3−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジ(3−アミノフェノキシ)フェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、4,4’−(9−フルオレニリデン)ジアニリン等の芳香族ジアミン、2,7−ジアミノフルオレン、2,6−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、2,4−ジアミノ−s−トリアジン、2,7−ジアミノベンゾフラン、2,7−ジアミノカルバゾール、3,7−ジアミノフェノチアジン、2,5−ジアミノ−1,3,4−チアジアゾール、2,4−ジアミノ−6−フェニル−s−トリアジン等の複素環式ジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、ジアミノポリシロキサン等の脂肪族ジアミン等が挙げられる。これらのジアミン化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0022】
本発明の(a)アミンイミド化合物の添加量としては、(b)ポリアミド酸エステルの固形分100重量部に対して、0.1〜50重量部が好ましく、1〜30重量部がさらに好ましい。アミンイミド化合物が、0.1重量部未満では活性光線に対して感度不足となり、イミド化を促進しにくい。また、50重量部を超えた場合には、加熱後のポリイミド中にアミンイミドの光分解生成物が多量に残存するため、ポリイミドフィルムの物性が低下する傾向にある。
【0023】
本発明において用いられる増感剤は、感光性樹脂組成物に悪影響を及ぼさない限り、通常市販されている一重項増感剤、三重項増感剤を用いることができる。一重項および/または三重項増感剤を用いることにより、低露光量であってもイミド化を促進することができる。増感剤として、例えば、ナフタレン、アントラセン、ピレン等の芳香族化合物誘導体、カルバゾール誘導体、芳香族カルボニル化合物、ベンゾフェノン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体等が好適に用いられる。特にこの中でも、一重項増感剤としては、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、カルバゾール誘導体等が好ましく、三重項増感剤としては、チオキサントン誘導体、ベンゾフェノン誘導体等が好ましい。さらに具体的に述べると、一重項増感剤としては、例えば、1−メチルナフタレン、2−メチルナフタレン、1−フルオロナフタレン、1−クロロナフタレン、2−クロロナフタレン、1−ブロモナフタレン、2−ブロモナフタレン、1−ヨードナフタレン、2−ヨードナフタレン、1−ナフトール、2−ナフトール、1−メトキシナフタレン、2−メトキシナフタレン、1,4−ジシアノナフタレン、アントラセン、1,2−ベンズアントラセン、9,10−ジクロロアントラセン、9,10−ジブロモアントラセン、9,10−ジフェニルアントラセン、9−シアノアントラセン、9,10−ジシアノアントラセン、2,6,9,10−テトラシアノアントラセン、カルバゾール、9−メチルカルバゾール、9−フェニルカルバゾール、9−プロペ−2−イニル−9H−カルバゾール、9−プロピル−9H−カルバゾール、9−ビニルカルバゾール、9H−カルバゾール−9−エタノール、9−メチル−3−ニトロ−9H−カルバゾール、9−メチル−3,6−ジニトロ−9H−カルバゾール、9−オクタノイルカルバゾール、9−カルバゾールメタノール、9−カルバゾールプロピオン酸、9−カルバゾールプロピオニトリル、9−デシル−3,6−ジニトロ−9H−カルバゾール、9−エチル−3,6−ジニトロ−9H−カルバゾール、9−エチル−3−ニトロカルバゾール、9−エチルカルバゾール、9−イソプロピルカルバゾール、9−(エトキシカルボニルメチル)カルバゾール、9−(モルホリノメチル)カルバゾール、9−アセチルカルバゾール、9−アリルカルバゾール、9−ベンジル−9H−カルバゾール、9−カルバゾール酢酸、9−(2−ニトロフェニル)カルバゾール、9−(4−メトキシフェニル)カルバゾール、9−(1−エトキシ−2−メチル−プロピル)−9H−カルバゾール、3−ニトロカルバゾール、4−ヒドロキシカルバゾール、3,6−ジニトロ−9H−カルバゾール、3,6−ジフェニル−9H−カルバゾール、2−ヒドロキシカルバゾール、3,6−ジアセチル−9−エチルカルバゾール等が挙げられ、三重項増感剤としては、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメトキシ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ベンゾイル安息香酸メチルエステル、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、[4−(4−メチルフェニルチオ)フェニル]−フェニルメタノン、キサントン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、4−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0024】
増感剤の使用量は、増感剤の吸収波長およびモル吸光係数に応じて適宜決めることができるが、一般的にアミンイミド化合物1重量部に対して0.01〜10重量部であり、0.1〜5重量部が特に好ましい。増感剤が0.01重量部未満だと活性光線吸収の効率が低くなり、10重量部を超えると感光性樹脂組成物全体に活性光線が届かないおそれがある。
【0025】
本発明の感光性樹脂組成物は、必要に応じてカップリング剤等の密着向上剤、レベリング剤、可塑剤、重合性モノマー、重合開始剤、色素、有機または無機充填材等の添加剤を適宜添加してもよい。
【0026】
本発明の感光性樹脂組成物は、必要に応じて有機溶剤を含んでいてもよい。使用できる溶剤としては、アミンイミド化合物およびポリアミド酸エステルに十分な溶解性を示すものであれば、特に制限は受けず、通常市販されているものを用いることができる。使用しうる有機溶剤として、例えば、アセトン、アセトニトリル、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノン、トルエン、クロロホルム、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、t-ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、キシレン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド、エチレンカーボネート、スルホラン等が挙げられる。これらの有機溶剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。有機溶剤の使用量は、適宜調節することができるが、塗工性の点から、組成物の固形分が5〜95質量%となるような量が好ましく、10〜50質量%となるような量がより好ましい。
【0027】
本発明の感光性樹脂組成物は、浸漬法、スプレー法、スクリーン印刷法、回転塗布法等によってシリコンウェハ、金属基板、ガラス基板、セラミック基板等の基材上に塗布され、有機溶剤を含む場合は、それらの有機溶剤の大部分を加熱乾燥することにより、粘着性のない塗膜とすることができる。この塗膜上に、パターン状にあるいは全面に活性光線を照射する。照射する活性光線としては、紫外線、遠紫外線、可視光、電子線、X線等が挙げられ、特に波長365nmまたは435nmの紫外線が好ましい。
【0028】
パターン状に活性光線を照射した場合、活性光線照射後、80〜300℃、好ましくは80〜180℃、より好ましくは100〜180℃で5秒〜1時間加熱して、イミド化を促進させ、ポリイミドを得ることができる。次いで、活性光線の未照射部を適当な現像液で溶解除去することにより、所望のポリイミドのレリーフパターンを得ることができる。加熱温度が80℃より低温では現像により照射部も未照射部と共に除去されやすく、300℃より高温では未照射部が現像によって除去されにくい。
【0029】
このレリーフパターンをさらに80〜350℃、好ましくは150〜350℃、より好ましくは180〜320℃で5分〜2時間加熱することにより耐熱性が付与されたポリイミドのレリーフパターン、すなわち、耐熱性絶縁パターンを得ることができる。加熱温度が80℃より低温ではイミド化が不十分になりやすいため、あるいは残留物のために、破断伸び率や破断強度が小さくなりやすい。一方、350℃より高温だとポリイミドの熱分解や熱架橋により破断伸び率が小さくなりやすい。
【0030】
他方、全面に活性光線を照射した場合、活性光線照射後、80〜350℃、好ましくは150〜350℃、より好ましくは180〜320℃で加熱することにより耐熱性が付与され、耐熱性を有するポリイミド膜、すなわち耐熱性塗膜を製造することができる。加熱温度が80℃より低温ではイミド化が不十分になりやすいため、あるいは残留物のために、破断伸び率や破断強度が小さくなりやすい。一方、350℃より高温だとポリイミドの熱分解や熱架橋により破断伸び率が小さくなりやすい。
【0031】
活性光線の未照射部を溶解除去する現像液としては、本発明の効果を阻害しないものであるならば特に制限はなく、例えば、炭酸ナトリウムやテトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド(TMH)を含有した水溶液等のアルカリ水溶液、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル―2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン等の良溶媒と低級アルコールまたはそのエステル、水、芳香族炭化水素等の貧溶媒との混合液等が用いられる。
【0032】
このようにして得られたレリーフパターンにおいて、SiO2、SiN等の無機物により形成されたパッシベーション膜をドライエッチング等により加工することも可能である。
【0033】
本発明の感光性組成物は破断伸び及び破断強度などの機械特性に優れる。本発明の観光性組成物のi線透過率は5−60%以上が好ましく、6−50%がさらに好ましく、8−30%がなおさらに好ましい。また、本発明の感光性組成物の破断伸び率は30%以上が好ましく、40%以上がさらに好ましく、50%以上がなおさらに好ましい。
【0034】
破断伸びとは、硬化フィルムの試験片を使用し、引っ張り試験機にセットし、延伸した場合の破断点までの変位のことをいい、破断強度とは、該破断時の応力のことをいう。また、耐熱性は硬化フィルムの一定温度における、一定時間後の重量変化により評価できる。いずれの測定もJIS K7120に準拠した方法で実施することができる。
【0035】
本発明の感光性樹脂組成物からなるレリーフパターン、耐熱性塗膜、および、耐熱性絶縁パターンは、電子部品の表面保護膜層および/または層間絶縁膜層として用いることができる。耐熱性塗膜または耐熱性絶縁パターンが、表面保護膜層および/または層間絶縁膜層として用いられる電子部品としては、例えば、半導体装置、多層配線板等が挙げられる。本発明の電子部品は、感光性樹脂組成物を用いて形成される表面保護膜層や層間絶縁膜層を有すること以外は特に制限されず、様々な構造や形態をとることができる。
【0036】
本発明の電子部品の一例である半導体装置の製造工程の一例を以下に説明する。図1は多層配線構造の半導体装置の製造工程図である。図1において、回路素子を有するSi基板等の半導体基板1は、回路素子の所定部分を除いてシリコン酸化膜等の保護膜2で被覆され、露出した回路素子上に第一導体層3が形成されている。この上にスピンコート法等で層間絶縁膜層4が形成される(工程(a))。
【0037】
次に、塩化ゴム系、フェノールノボラック系等の感光樹脂層5が前記層間絶縁膜層4上にスピンコート法で形成され、公知の写真食刻技術によって所定部分の層間絶縁膜層4が露出する様に窓6Aが設けられている(工程(b))。
【0038】
前記窓6Aから露出した層間絶縁膜層4は、酸素、四フッ化炭素等のガスを用いるドライエッチング手段によって選択的にエッチングされ、窓6Bがあけられる。ついで窓6Bから露出した第一導体層3を腐食することなく、感光樹脂層5のみを腐食するようなエッチング溶液を用いて感光樹脂層5が完全に除去される(工程(c))。
【0039】
さらに、公知の写真食刻技術を用いて、第二導体層7を形成させ、第一導体層3との電気的接続が完全に行われる(工程(d))。3層以上の多層配線構造を形成する場合には、前記の工程を繰り返して行い各層を形成することができる。
【0040】
次に、表面保護膜層8を形成する。図1の例では、本発明の感光性樹脂組成物をスピンコート法にて塗布後、乾燥し、所定部分に窓6Cを形成するパターンを描いたフォトマスクで覆う。そのフォトマスク上から活性光線を照射後、加熱し、アルカリ水溶液にて未照射部を現像除去してレリーフパターンとする。さらにこのレリーフパターンを加熱して耐熱性絶縁パターンとし、これが表面保護膜層8となる(工程(e))。
【0041】
本発明の感光性樹脂組成物からなるレリーフパターンまたは耐熱性絶縁パターンは、破断伸び率や耐熱性に優れており、外部からの応力、温度等から導体層を保護することができる。また、α線等の電離放射線からも導体層を保護することができる。よって、現在、微細化、薄化傾向にある半導体装置において、本発明により得られる半導体装置等の電子部品は頑強性等の信頼性に優れたものとなる。また、層間絶縁膜層4を本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成することも可能である。
【0042】
【実施例】
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0043】
以下、実験に使用した試薬等は、特に断らない限りは一般に市販されているものを用いた。
試薬
p−ニトロ安息香酸メチルエステル、N,N−ジメチルヒドラジン、フェニルグリシジルエーテル、t−ブタノール、p−シアノ安息香酸メチルエステル、N,N−ジメチルヒドラジン、フェニルグリシジルエーテル、t−ブタノール、オキシジフタル酸二無水物、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、塩化チオニル、γ−ブチロラクトン、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノエチルアセテート、ベンゾフェノン、テトラエチレングリコールジメタクリレート、PDO(1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O‐エトキシカルボニル)オキシム)、エチルミヒラーズケトン。
【0044】
アミンイミド(アミンアミド化合物1、2)、および、ポリアミド酸エステル(N−メチル−2−ピロリドン)は以下の方法により作製した。
【0045】
アミンイミドの合成1(アミンイミド化合物1)
p−ニトロ安息香酸メチルエステル(2.00g、11mmol)、N,N−ジメチルヒドラジン(0.66g、11mmol)、フェニルグリシジルエーテル(1.66g、11mmol)をt−ブタノール(15.0g)に添加し、50℃で10時間攪拌した後、さらに室温(25℃)で48時間攪拌したところ、白色沈殿が生成した。これを濾別した後、沈殿物を酢酸エチルで2度洗浄し、真空乾燥機で乾燥させてアミンイミド化合物を得た。収量3.67g、収率85%、融点146〜147℃であった。
【0046】
アミンイミドの合成2(アミンイミド化合物2)
p−シアノ安息香酸メチルエステル(2.00g、12mmol)、N,N−ジメチルヒドラジン(0.75g、12mmol)、フェニルグリシジルエーテル(1.86g、12mmol)をt−ブタノール(10g)に添加し、50℃で72時間攪拌した後、さらに室温で48時間攪拌した。得られた反応溶液をロータリーエバポレータでt−ブタノールを除去した後、酢酸エチル10gを加えて再結晶を行って白色のアミンイミド化合物を得た。収量2.74g、収率65%、融点148〜149℃であった。
【0047】
ポリアミド酸エステル(N−メチル−2−ピロリドン)の合成
オキシジフタル酸二無水物に2−ヒドロキシエチルメタクリレートを加えて得たエステルと4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとを等モルで塩化チオニルを縮合剤として反応させてポリアミド酸エステル(N−メチル−2−ピロリドン)を得た。
【0048】
破断伸び率(%)は、次のようにして求めた。まず、350℃、1時間窒素雰囲気下で熱処理したポリイミドフィルム(硬化フィルム)から長さ60mm、幅10mmの試験片を準備した。次いでチャック幅20mmとして引っ張り試験機にセットし、室温で延伸し、破断点までの変位を求めることにより導き出した(試験片の形状、チャック幅以外はJIS K7127に準拠)。耐熱性は、ポリイミドフィルム(硬化フィルム)を熱重量測定装置(TG−DTA)で350℃、1時間保持した時の質量減少率(%)より判断した(JIS K7120に準拠)。質量減少率(%)の値が小さいほど耐熱性が優れることとなる。
【0049】
(実施例1)
オキシジフタル酸二無水物に2−ヒドロキシエチルメタクリレートを加えて得たエステルと4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとを等モルで塩化チオニルを縮合剤として反応させて得られたポリアミド酸エステル(N−メチル−2−ピロリドン)溶液10g(固形分20質量%)に、前記合成によって得られたアミンイミド化合物1を0.04g配合して、感光性樹脂溶液とした。この感光性樹脂溶液をシリコンウェハ上に回転塗布し、ホットプレート上100℃で200秒加熱し、感光性塗膜とした。乾燥後の膜厚は10μmであった。塗膜上にフォトマスクを介し超高圧水銀灯を光源とするミラープロジェクション露光機で366nmの活性光線の照射量が3J/cm2となるように露光を行った後、ホットプレート上150℃で60秒加熱した。このあと、γ−ブチロラクトン/酢酸ブチル混合溶液(質量比7/3)でスプレー現像を行い、次いでプロピレングリコールモノエチルアセテートでリンスしたところ、露光部のパターンが良好に残存したネガ型のレリーフパターンが得られた。
【0050】
(実施例2)
アミンイミド化合物1の代わりにアミンイミド化合物2を0.04g使用し、かつ増感剤としてベンゾフェノンを0.02g使用した以外は、実施例1と同様の方法にてパターン形成を試みた。その結果、活性光線の照射量が1J/cm2で露光部のパターンが良好に残存したネガ型のレリーフパターンが得られた。
【0051】
(実施例3)
実施例1の組成にさらにテトラエチレングリコールジメタクリレート0.8g、PDO(1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム)0.1g、エチルミヒラーズケトン0.04gを使用した以外は、実施例1と同様の方法にてパターン形成を試みたところ、活性光線の照射量が200mJ/cm2で露光部のパターンが良好に残存したネガ型のレリーフパターンが得られた。これを350℃、1時間窒素雰囲気下で熱処理したレリーフパターン、すなわち耐熱性絶縁パターンの破断伸び率は70%であった。また、このポリイミドフィルム(硬化フィルム)を熱重量測定装置(TG−DTA)で350℃、1時間保持した時の質量減少は1%であり、耐熱性に優れていた。
【0052】
(比較例1)
アミンイミド化合物1を添加しない他は、実施例1と同様の方法にてパターン形成を試みたところ、露光部、未露光部に関係なく、全て現像時に溶解除去され、レリーフパターンは得られなかった。
【0053】
(比較例2)
アミンイミド化合物1を添加しない他は、実施例3と同様の方法にてパターン形成を試みたところ、活性光線の照射量が200mJ/cm2で露光部のパターンが残存したネガ型のレリーフパターンが得られた。しかしながら、これを350℃、1時間窒素雰囲気下で熱処理したレリーフパターン、すなわち耐熱性絶縁パターンの破断伸び率は30%であり、実施例3の結果と比べて劣っていた。また、このポリイミドフィルム(硬化フィルム)を熱重量測定装置(TG−DTA)で350℃、1時間保持した時の質量減少率は5%であり、実施例3の結果と比べて耐熱性も劣っていた。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、本発明の感光性樹脂組成物は、活性光線の照射により塩基を効率よく発生するアミンイミド化合物を含有している。従って活性光線照射によって効率よく発生した強塩基によってポリアミド酸エステルのイミド化が促進され、プロセスの短縮化に寄与することができる。また、本組成物から製造されるレリーフパターン、耐熱性塗膜、および、耐熱性絶縁パターンは、破断伸び率等の機械特性や耐熱性に優れる。従ってこれらを有する電子部品は信頼性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】多層配線構造の半導体装置の製造工程図である。
【符号の説明】
1 半導体基板
2 保護膜
3 第一導体層
4 層間絶縁膜層
5 感光樹脂層
6A、6B、6C 窓
7 第二導体層
8 表面保護膜層

Claims (7)

  1. (a)活性光線の照射により塩基を発生するアミンイミド化合物、および、(b)ポリアミド酸エステルを含有してなる感光性樹脂組成物。
  2. (c)一重項増感剤および/または三重項増感剤を含有してなる請求項1記載の感光性樹脂組成物。
  3. 一重項増感剤または三重項増感剤が、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、カルバゾール誘導体、チオキサントン誘導体、ベンゾフェノン誘導体の少なくとも一つであることを特徴とする請求項2記載の感光性樹脂組成物。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物からなる塗膜に、活性光線をパターン状に照射し、50〜180℃で加熱した後、前記活性光線の未照射部の前記塗膜を現像除去することを特徴とするレリーフパターンの製造方法。
  5. 請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物からなる塗膜に、活性光線を全面に照射し、80〜350℃で加熱することを特徴とする耐熱性塗膜の製造方法。
  6. 請求項4記載の方法により製造されたレリーフパターンをさらに80〜350℃で加熱することを特徴とする耐熱性絶縁パターンの製造方法。
  7. 請求項5記載の方法により製造された耐熱性塗膜または請求項6記載の方法により製造された耐熱性絶縁パターンを表面保護膜層および/または層間絶縁膜層として有する電子部品。
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