JP4154746B2 - 複層ガラスの製造方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複層ガラスの製造方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、2枚のガラスの相互間に、スペーサにより囲まれた中空層を形成し、この中空層に乾燥ガスを封入することにより、高い断熱性と遮音性を備え、かつ曇りの発生を防止できる複層ガラスを製造することが考えられている。
【0003】
複層ガラスの製造方法としては、2枚のガラス板を、両者間に所定の間隔が保持されるように支持しながら樹脂材料を吐出するダイと相対移動させ、前記2枚のガラス板間の周縁部に樹脂材料を吐出して樹脂製スペーサを成形する方法が提案されている。
【0004】
従来の複層ガラスを製造する方法としては、特開平7−17748号がある。特開平7−17748号に記載の発明は、矩形の2枚のガラス板の平行な2辺の相互間に位置決めコロを配置することにより2枚のガラス板の相互間隔を保持させ、この状態において、2枚のガラス板とダイとを相対移動させて位置決めコロが配置されていない平行な他の2辺の相互間にダイを用いて樹脂材料を押出すことによりスペーサ成形し、つぎに前記位置決めコロを取外して該位置決めコロが配置してあった2辺の相互間にダイを用いて樹脂材料を押出すことによりスペーサを成形するようにしている。なお、このとき、2枚のガラス板は略水平状態で取扱うことを基本としている。
【0005】
しかし、前記特開平7−17748号に記載の発明では、2枚のガラス板の周縁部の平行な2辺にスペーサを成形した後に、他の平行な2辺にスペーサを成形するようにしているために、スペーサに4箇所の接続部が存在することになる。このようにスペーサに多数の接続部が存在すると、中空層の気密性が損われる頻度か高まることになり、気密性が確保されなかった場合には、中空層内部に湿気が侵入することにより曇りを生じる問題が生じ、また断熱性、遮音性にも悪影響を及ぼすことになる。
【0006】
また、前記したように2枚のガラス板を水平状態で取扱うために、位置決めコロなどにより間隔を保持する必要があるが、水平に支持されたガラス板には常に撓みの問題が伴う。したがって、前記したようにガラス板を水平な状態で取扱うようにしている特開平7−17748号に記載の発明では、2枚のガラス板間に所定の間隔を保持した状態でガラス板間の周縁部に樹脂材料を吐出してスペーサを成形するものには不向きと言える。
【0007】
このために、2枚のガラス板を鉛直に立てた状態でガラス板間の周縁部に樹脂材料を吐出してスペーサを成形する方法が考えられている。
【0008】
図16は、2枚のガラス板を鉛直に立てた状態で取扱うようにした複層ガラスの製造方法の一例を示す側面図、図17は、図16を左方から見た正面斜視図である。2枚のガラス板1,2は、その対向する面とは反対側の面を吸着支持枠3に備えられた複数の吸着パッド4によって吸着され、ガラス板間に所定の間隔が保たれるようにしてローラ5上に概略鉛直に保持されるようになっており、前記吸着支持枠3は支持脚3aが図示しない案内装置に沿って走行することにより、前記ガラス板1,2を相互間に所定の間隔を保持しながらガラス板面と平行かつ水平方向に移動するようになっている。
【0009】
ガラス板1,2の縁部には、樹脂材料を吐出するダイ6が臨むようになっている。図15は、ダイ6の拡大側面図であって、ダイ6にはガラス板挿入部8が形成されてガラス板1,2の縁部が入るようになっており、ガラス板1,2の対向する面とは反対側の面に、ダイ6に設けてあるガラス板押さえ具9が当接するようになっている。
【0010】
ダイ6のガラス板挿入部8における中央部には、ガラス板押さえ具9に当接したガラス板1,2相互間の縁部に向けて開口した樹脂吐出口10が設けてあって、この樹脂吐出口10には樹脂流路11が連通している。このダイ6は、図16に示すようにスイベルジョイント12を備えた樹脂供給管13を介して図示しない押出機に接続されていて、樹脂流路11には押出機から樹脂材料が供給されるようになっている。そしてダイ6は、鉛直に設けてある図示しないリニヤレールに沿って、駆動モータなどにより鉛直に上下移動できるようになっている。さらにダイ6は、図示しない回転モータなどによりダイ6の軸線を中心として90度ずつ回転できるようになっている(図15)。
【0011】
図17において吸着支持枠3を左方へ移動させ、ガラス板1,2の右側の鉛直縁部がダイ6の下側を通過するようにした後、ダイ6を下降させ、ダイ6のガラス板挿入部8(図15)のガラス板押さえ具9にガラス板1,2の右側の鉛直縁部を支持させた状態で、樹脂吐出口10から樹脂材料を吐出しながらダイ6を上昇させると、ガラス板1,2の右側の鉛直縁部の間に樹脂材料が注入される。
【0012】
ダイ6がガラス板1,2の右側の鉛直縁部の上端まで上昇すると、ダイ6の上昇を止めると共に反時計方向に90度回転し、吸着支持枠3とともにガラス板1,2を右方へ移動させながら樹脂吐出口10から樹脂材料を吐出すると、ガラス板1,2の上縁部の間に樹脂材料が注入される。
【0013】
このようにダイ6がガラス板1,2の縁部に沿うようにガラス板1,2とダイ6とを相対移動させ、ダイ6がガラス板1,2の角隅部に到達するとダイ6を90度回転させることにより、2枚のガラス板1,2間の周縁部に樹脂材料を注入して、樹脂製のスペーサが成形された複層ガラスを製造することができる。
【0014】
このようにすると、ガラス板1,2間の周縁部に一筆書きによる連続した樹脂材料の注入を行うことができるので、周方向にただ一つの接続部を有するスペーサを成形することができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところが上述した複層ガラスの製造方法では、ガラス板1,2が大きい場合には大型の吸着支持枠3を必要とし、また図17に二点鎖線で示すようにガラス板1,2が小さい場合には、ガラス板1,2を吸着支持する吸着パッド4の数が少なくなってガラス板1,2の確実な保持ができなくなる問題がある。
【0016】
さらに、ダイ6と支持脚3aの動きが干渉するという問題がある。また、上記したように吸着支持枠3によるガラス板1,2の間隔保持と移動の両方を1つの装置で行わせる方式ではガラス板1,2の間隔保持の精度、およびガラス板1,2の移動位置の精度を出すことが困難であった。
【0017】
本発明は、このような問題を解消し、2枚のガラス板を所定の間隔を保持して移動させるとき、ダイとの干渉を生じることなしに、ガラス板の移動位置を精度良く調節できる複層ガラスの製造方法および装置を提供することを目的とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、2枚のガラス板を両者間に所定の間隔が保持されるように支持しながら所定の断面形状で樹脂材料を吐出するダイと前記2枚のガラス板とをダイが2枚のガラス板間の周縁部に沿うように相対移動させ、前記ダイから樹脂材料を吐出して前記2枚のガラス板間の周縁部に樹脂製スペーサを成形する複層ガラスの製造方法であって、ガラス板面と平行かつ水平方向に案内する案内手段の上に前記2枚のガラス板の下縁を載置し、前記2枚のガラス板の対向しない側のそれぞれの面を保持手段に備えた吸引ボックスで吸引して支持ローラに当接させることにより前記間隔を保持して2枚のガラス板を概略鉛直状態に支持し、鉛直方向に移動するダイにより樹脂材料を吐出して樹脂製スペーサを成形する成形前および/または成形中に前記所定の間隔を保持しながら、前記案内手段上に載置したガラス板を吸着式押し引き手段により吸着してガラス板面に平行かつ水平方向にダイ前側の第1ステージとダイ後側の第2ステージとの間で移動し位置決めすることを特徴とする複層ガラスの製造方法、に係るものである。
請求項2記載の発明は、2枚のガラス板を両者間に所定の間隔が保持されるように支持しながら所定の断面形状で樹脂材料を吐出するダイと前記2枚のガラス板とをダイが2枚のガラス板間の周縁部に沿うように相対移動させ、前記ダイから樹脂材料を吐出して前記2枚のガラス板間の周縁部に樹脂製スペーサを成形する複層ガラスの製造方法であって、ガラス板面と平行かつ水平方向に案内する案内手段の上に前記2枚のガラス板の下縁を載置し、前記2枚のガラス板の対向しない側の面の一方を保持手段に備えた吸引ボックスで吸引して支持ローラに当接させると共に、前記2枚のガラス板の対向しない側の面の他方を保持手段に備えた受けローラに立て掛けることにより前記間隔を保持して2枚のガラス板を概略鉛直状態に支持し、鉛直方向に移動するダイにより樹脂材料を吐出して樹脂製スペーサを成形する成形前および/または成形中に前記所定の間隔を保持しながら、前記案内手段上に載置したガラス板を吸着式押し引き手段により吸着してガラス板面に平行かつ水平方向にダイ前側の第1ステージとダイ後側の第2ステージとの間で移動し位置決めすることを特徴とする複層ガラスの製造方法、に係るものである。
【0019】
請求項3に記載の発明は、2枚のガラス板を両者間に所定の間隔が保持されるように支持しながら所定の断面形状で樹脂材料を吐出するダイと前記2枚のガラス板とをダイが2枚のガラス板間の周縁部に沿うように相対移動させ、前記ダイから樹脂材料を吐出して前記2枚のガラス板間の周縁部に樹脂製スペーサを成形する複層ガラスの製造装置であって、2枚のガラス板の対向しない側の面をそれぞれ吸引ボックスにより吸引して支持ローラに当接させることにより前記間隔を保持して2枚のガラス板を概略鉛直状態に支持する保持手段と、前記2枚のガラス板の下縁を支持して該ガラス板をガラス板面に平行かつ水平方向に移動させる案内手段と、鉛直方向に移動可能で前記2枚のガラス板間の周縁部に所定の断面形状で樹脂材料を吐出するダイと、前記2枚のガラス板をダイの前側と後側との間で押し引き移動させる吸着式押し引き手段とを備え、吸着式押し引き手段は、案内手段の下部にガラス板の移動方向と平行に設けたリニアガイドと、該リニアガイドに沿って移動する吸引枠体と、2枚のガラス板の対向する面とは反対側の面を吸着するように対向して取り付けられた吸着チャックとからなることを特徴とする複層ガラスの製造装置、に係るものである。
請求項4記載の発明は、2枚のガラス板を両者間に所定の間隔が保持されるように支持しながら所定の断面形状で樹脂材料を吐出するダイと前記2枚のガラス板とをダイが2枚のガラス板間の周縁部に沿うように相対移動させ、前記ダイから樹脂材料を吐出して前記2枚のガラス板間の周縁部に樹脂製スペーサを成形する複層ガラスの製造装置であって、2枚のガラス板の対向しない側の面の一方を保持手段に備えた吸引ボックスで吸引して支持ローラに当接させる保持手段と、前記2枚のガラス板の対向しない側の面の他方を受けローラに立て掛けることにより前記保持手段と共に前記間隔を保持して2枚のガラス板を概略鉛直状態に支持する保持手段と、前記2枚のガラス板の下縁を支持して該ガラス板をガラス板面に平行かつ水平方向に移動させる案内手段と、鉛直方向に移動可能で前記2枚のガラス板間の周縁部に所定の断面形状で樹脂材料を吐出するダイと、前記2枚のガラス板をダイの前側と後側との間で押し引き移動させる吸着式押し引き手段とを備え、吸着式押し引き手段は、案内手段の下部にガラス板の移動方向と平行に設けたリニアガイドと、該リニアガイドに沿って移動する吸引枠体と、2枚のガラス板の対向する面とは反対側の面を吸着するように対向して取り付けられた吸着チャックとからなることを特徴とする複層ガラスの製造装置、に係るものである。
【0020】
請求項5記載の発明は、吸着チャックはガラス板の下縁近傍を吸着するようになっていることを特徴とする請求項3又は4記載の複層ガラスの製造装置、に係るものである。
【0021】
請求項1〜4記載の発明によれば、保持手段によって相互間に所要の間隔を保持するように保持した2枚のガラス板を案内手段の上に載置してガラス板面と平行かつ水平方向に移動させるようにし、ダイの上下方向移動とガラス板の水平方向移動の相対移動を行いつつダイから樹脂材料を吐出して2枚のガラス板間の周縁部に樹脂製スペーサを成形するときに、ガラス板をダイ前側の第1ステージとダイ後側の第2ステージとの間で移動させる制御が、吸着式押し引き手段によって行われるので、ガラス板の移動速度と停止位置の制御を精度良く行うことができて、ガラス板間の周縁部に良好な形状のスペーサを安定して成形できる。
【0022】
また、ガラス板を鉛直に立てた状態で取扱うことができるので、ガラス板が撓む問題を防止でき、さらに、2枚のガラス板の周縁部に樹脂材料を連続した一筆書きに注入することができるので、製造された複層ガラスには1箇所のみの接続部を有するスペーサを精度良く成形できるので、中空層の気密性の確保が容易になる。
【0023】
また、ガラス板の移動は案内手段で行い、ガラス板の間隔保持は保持手段で行い、ガラス板の移動速度と停止位置の制御は吸着式押し引き手段で行うように作業を分担させているので、従来のようにガラス板の間隔保持と移動とを1つの装置で同時に行う方法に比して装置構成を簡素化することができるとともに、各手段によってガラス板の位置制御などを精度良く確実に行うことができる。
【0024】
請求項3記載の発明によれば、吸着式押し引き装置の吸着チャックはガラス板の下縁近傍を吸着するようにしているので、吸着式押し引き装置の吸着チャックは保持手段等と干渉することなく第1ステージと第2ステージとの間を移動できる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の方法を実施する装置を図面を参照しつつ説明する。
【0026】
図1は、本発明の方法を実施する装置の一例を示す全体斜視図であって、第1ステージS1において、水平方向に長い吸引ボックス17,17が上方と下方とに設けてあって、これらの吸引ボックス17,17の向こう側にも、間隔をおいて水平方向に長い吸引ボックス18,18が対称的に上方と下方とに設けられている。吸引ボックス17,18の図1における右端側には、鉛直方向に長い吸引ボックス19,19が、間隔をおいて対称的に設けられている。そして上記吸引ボックス17,18,19は保持手段7の一部を構成している。吸引ボックス18,19の下方には、図示しない駆動装置によって正逆転可能な複数の移動用ローラ20aが、吸引ボックス17,18の長手方向に水平に並ぶように設けられていて案内手段20を構成している。そして間隔をおいて対称的に設けてある吸引ボックス17,18,19の間では、後述するように2枚のガラス板1,2が移動されるようになっている。
【0027】
図3は、保持手段7の一部を構成する吸引ボックス18と、案内手段20の構成例を示す斜視図であって、吸引ボックス18は、長手方向に並ぶ多数の室に区画されていて、区画された各室の表面側には、ガラス板1,2(図2参照)の表面に向いて開口している吸引口21が設けられており、区画された各室の背面側には細い吸引ダクト22が取り付けられていて、各吸引ダクト22は、吸引ファン23によって吸引されている吸引チャンバ24に接続されている。
【0028】
吸引ダクト22が細いのは、吸引ボックス18の区画された各室ごとに吸引抵抗を与えて圧損を大きくするためで、太い吸引ダクト22を使用して、その中に絞りを設けてもよい。
【0029】
吸引ボックス18に区画された各室の上面と下面には、支持ローラ25が吸引ボックス18の表面から若干突出するようにして、水平に回転自在に取り付けられており、上記吸引ボックス18と前記支持ローラ25とによって保持手段7が構成されている。
【0030】
他の吸引ボックス17にも同様に、図2に示すようにガラス板1,2の表面に向いた吸引口21と、吸引ダクト22、吸引ボックス17の表面から若干突出する支持ローラ25とが取り付けられて保持手段7を構成している。また図示は省略するが、図1の鉛直方向に長い吸引ボックス19も長手方向に並ぶ多数の室に区画されていて、区画された各室の表面側には、ガラス板1,2の表面に向いて開口している吸引口が設けられており、区画された各室は吸引抵抗が与えられて吸引ファンにより吸引されるようになっている。また吸引ボックス19にも支持ローラ25が取り付けられている。
【0031】
上述した吸引ボックス17,18,19は、一定の位置に固定的に設けたものである。
【0032】
図1に示した鉛直方向に長い吸引ボックス19の右側には、図15で説明したダイ6が位置している。このダイ6は図示しないリニヤレールに沿って上下に移動でき、また90度ずつ回転できるようになっており、押出機から樹脂材料が供給されて樹脂材料を所定形状で吐出するようになっている。
【0033】
図1のダイ6の右側の第2ステージS2には、ダイ6を間において吸引ボックス19,19と対峙するように、鉛直方向に長い吸引ボックス26,26が設けられている。吸引ボックス26も吸引ボックス19と同様に一定の位置に固定的に設けたもので、長手方向に並ぶ多数の室に区画されている。区画された各室の表面側には、ガラス板1,2の表面に向いて開口している吸引口が設けられており、区画された各室は吸引抵抗が与えられて吸引ファンにより吸引されるようになっている。また吸引ボックス26にも支持ローラ25が取り付けられている。
【0034】
吸引ボックス26,26の下方から右方に亘る位置には、ベルトコンベヤ27aによる案内手段27が水平に設けられている。この案内手段27は補助的な駆動装置を備えていて、後述するように上に載ったガラス板1,2を吸着チャック33により移動させる吸着式押し引き手段28(図1)の搬送力を補助するようになっている。
【0035】
ベルトコンベヤ27aのさらに下方には、吸着式押し引き手段28が設けられている。
【0036】
吸着式押し引き手段28は、左右に長い支持枠体28aを備えており、支持枠体28aの上面には、左右に長いリニアガイド29が取り付けられている。そしてこのリニアガイド29に沿って移動するように、コ字状の吸引枠体30が載置されている。吸引枠体30には左右に長いボールネジ杆31が螺合していて、サーボモータ32でボールネジ杆31を回転すると、吸引枠体30はリニアガイド29に沿って左右に移動するようになっている。
【0037】
吸引枠体30の内部は、図示しない吸引ファンで吸引されるようになっており、吸引枠体30の左上方には、吸引枠体30の内部と連通している1対の吸着チャック33が、ベルトコンベヤ27aの上に載ったガラス板1,2の下部位置を挟むように取り付けられており、この吸着チャック33は吸引ボックス19,26の下部を移動できるように設けられている。そして吸着チャック33には、ガラス板1,2の表面に向いた吸引口が設けられている。
【0038】
上記構成によれば、保持手段7により2枚のガラス板1,2を概略鉛直にかつ相互間に所定の間隔を保って支持しつつ、案内手段20,27上に載置されたガラス板1,2を、着式押し引き手段28によりガラス板面に平行かつ水平方向に第1ステージS1と第2ステージS2との間で移動させることができ、鉛直方向に移動するダイ6と2枚のガラス板1,2とを相対移動させながらダイ6から樹脂材料を吐出すると、前記2枚のガラス板1,2間の周縁部にスペーサを成形することができる。
【0039】
このとき、ガラス板1,2の移動は、案内手段20,27の駆動によって行うことができるが、第1ステージS1と第2ステージS2との間でのガラス板1,2の移動時は、案内手段20,27を駆動しつつ吸着式押し引き手段28を駆動して、吸着式押し引き手段28によりガラス板1,2の移動速度と停止位置とを制御するようにしている。
【0040】
ガラス板1,2を所定の間隔を保持して平行に保った状態で移動させる別の方法としては、図4に示すように上面と下面に支持ローラ25を備えた吸引ボックス17は一方のガラス板1側のみに設け、他方のガラス板2側には、支持板などからなる支持材34に多数の回転自在な受けローラ35を一平面に並ぶように取り付け、移動用ローラ20a上に載置された他方のガラス板2が受けローラ35に立て掛けられるようにしている。この場合、受けローラ35で支持されているガラス板2がガラス板1の方に倒れないようにするため、支持材34の上側が図4の右側に傾くようにたとえば5度程度傾け、ガラス板1を支持する吸引ボックス17も、同じ角度でガラス板1が傾いて2枚のガラス板1,2が平行になるように、位置を調整しておく。
【0041】
次に、上述した図1〜図4に示す装置を使用して複層ガラスを製造する方法を説明する。
【0042】
間隔をおいて設けられている水平方向に長い吸引ボックス17,18の間に、図1、図5に示すように2枚のガラス板1,2を移動用ローラ20a上に載せながら挿入する。吸引ボックス17,18の間に挿入された2枚のガラス板1,2のうち、一方のガラス板1は図1左側の吸引ボックス17に吸引され、左側の支持ローラ25に当接して鉛直に支持される。吸引ボックス17,18の間に挿入された2枚のガラス板1,2のうち、他方のガラス板2は図1の右側の吸引ボックス18に吸引され、右側の支持ローラ25に当接して鉛直に支持される。そしてこれら2枚のガラス板1,2は、支持ローラ25により正確に所定の間隔を保持した状態で平行に保たれ、移動用ローラ20aの回転駆動により支持ローラ25に案内されながら図5の右方へ移動する。
【0043】
この時のガラス板1,2の位置により、図3に示すように多数の室に区画されている吸引ボックス17,18は、ガラス板1,2の表面に対面しているものと対面していないものとが存在するようになるが、区画された各室は細い吸引ダクト22または絞りにより圧損が大きくなるように吸引抵抗が与えられているので、ガラス板1,2の表面に対面していない吸引ボックス17,18の吸引口21のみから空気を吸引することはなく、全ての吸引ボックス17,18の吸引口21からほぼ満遍なく空気が吸引されるようになるため、ガラス板1,2は確実に吸引ボックス17,18に吸引されて両側の支持ローラ25に当接する。
【0044】
移動用ローラ20aの上で平行に保たれた状態で図5の右方へ移動するガラス板1,2の進路には、図5に示す出没可能なストッパ36を突出させておいて、2枚のガラス板1,2の右側の鉛直縁が揃うようにする。そして2枚のガラス板1,2の右側の鉛直縁が揃った後、ストッパ36を退没させると、右側の鉛直縁が揃った2枚のガラス板1,2はさらに移動用ローラ20aの回転駆動により図5の右方へ所要の位置まで移動する。
【0045】
この時、図5に示吸着式押し引き手段28のサーボモータ32を作動させて吸引枠体30を支持枠体28aの左方へ移動し、移動されてきたガラス板1,2の下側右端の隅部を吸着チャック33で吸着する(図6)。さらに、図5の実線位置のダイ6を破線位置まで下降させ、ダイ6を図15の樹脂吐出口10がガラス板1,2の右側の鉛直縁の方を向くように回転させ、サーボモータ32を作動して、ガラス板1,2の右側の鉛直縁とダイ6との位置を調整した後、樹脂吐出口10(図15参照)から樹脂材料16を吐出させてダイ6を図6に示すように上方に移動すると、ガラス板1,2の右側の鉛直縁の間に樹脂材料16が注入される。前記ストッパ36による停止位置が精度良く設定できる場合には、前記吸着式押し引き手段28によるガラス板1,2の位置の調整は省略することができる。
【0046】
ガラス板1,2の右側の鉛直縁の上端までダイ6が上昇すると、ダイ6の上昇を停止すると共に反時計方向に90度回転させて、ダイ6を図15の樹脂吐出口10がガラス板1,2の上縁を向くようにする。
【0047】
つづいて移動用ローラ20aを駆動するとともに、サーボモータ32を作動させて吸引枠体30を支持枠体28aの右方へ所定速度で移動すると、図7に示すようにダイ6はガラス板1,2の上縁の間に樹脂材料16を注入する。このとき、ガラス板1,2は移動用ローラ20a上から補助的に駆動されるベルトコンベヤ27a上に移し替えられる。上記におけるガラス板1,2の移動は移動用ローラ20aおよびベルトコンベヤ27aの駆動力の助けを借りるが、ガラス板1,2の移動速度は、吸着式押し引き手段28のサーボモータ32にて駆動される吸着チャック33によってもっぱら制御される。
【0048】
ダイ6が図7のガラス板1,2の上縁の左端に移動すると、移動用ローラ20aおよびベルトコンベヤ27aの駆動を停止し、かつサーボモータ32の駆動を停止することによってガラス板1,2の移動を精度良く停止させる。つづいてダイ6を図15の樹脂吐出口10がガラス板1,2の左側の鉛直縁の方を向くように反時計方向に90度回転させる。ダイ6の樹脂吐出口10から樹脂材料を吐出しつつダイ6を下降すると、図8に示すようにガラス板1,2の左側の鉛直縁の間に樹脂材料16が注入される。この際、鉛直方向に長い吸引ボックス26が2枚のガラス板1,2の右側の鉛直縁の間を所定間隔に保持するようになる。
【0049】
ダイ6がガラス板1,2の下縁まで下降すると、ダイ6の下降を停止すると共にダイ6を反時計方向に90度回転し、移動用ローラ20aを逆回転させるとともにサーボモータ32を作動させて吸引枠体30を支持枠体28aの左方へ所定の速度で移動させる。これにより図9に示すようにガラス板1,2はベルトコンベヤ27aの上から移動用ローラ20aの上に移し替えられ、ダイ6はガラス板1,2の下縁の間に樹脂材料16を注入する。
【0050】
さらにガラス板1,2が移動用ローラ20a上に移り替り、ダイ6がガラス板1,2の右側の鉛直縁に達した時点で、移動用ローラ20aおよびサーボモータ32の駆動を停止し、吸着チャック33の吸着を解除した後、サーボモータ32の駆動により吸引枠体30を支持枠体28aの右側に移動して、図10に示すように吸着チャック33を退避させる。これにより、吸着チャック33とダイ6とを干渉させることなく、所定の間隔を保持した2枚のガラス板1,2の全周縁部に樹脂材料16を連続して一筆書きに注入して、複層ガラスの製造が終了する。このようにして製造された複層ガラスは、1箇所のみに接続部を有するスペーサが成形されることになる。
【0051】
複層ガラスの製造が終了すると、ダイ6が上昇されて図5の状態に復帰し、さらに製造された複層ガラスは図11に示すように移動用ローラ20aおよびベルトコンベヤ27aの駆動により図11の右方向に搬出される。
【0052】
ガラス板1,2の移動と位置決めを、例えば前記したような移動用ローラ20aやベルトコンベヤ27aなどのコンベヤ装置のみにて行うようにした場合には、ガラス板1,2とコンベヤ装置との間のスリップによってガラス板1,2の位置決め精度を保持することが困難となる場合がある。このように位置決め精度が保持できない場合には、ダイ6との位置関係が狂ってしまうために安定したスペーサの成形ができないことになる。
【0053】
これに対して、前記したようにガラス板1,2の移動は移動用ローラ20aおよびベルトコンベヤ27aの駆動力によって行うが、ガラス板1,2の移動速度と停止位置の制御は、もっぱら吸着式押し引き手段28によって行うようにしており、しかも吸着式押し引き手段28は、サーボモータ32により駆動されるボールネジ杆31によって吸引枠体30とともに吸着チャック33を移動させるようにしているので、吸着チャック33が吸着されたガラス板1,2は設定された速度で移動され、所定位置に精度良く停止させられるようになる。したがってガラス板1,2間の周縁部に安定してスペーサを成形することができる。
【0054】
図12は、前記ガラス板支持状態の他の例を有する装置の全体斜視図、図13は、図12のガラス板支持状態を示す縦断側面図である。図12、図13に示した装置が前記図1、図2に示した装置と異なる点は、ガラス板1,2の対向する面とは反対側の面に当接するようにした水平方向に長いベルトコンベヤ37,38を対峙させて配置している点である。ベルトコンベヤ37,38は、上下方向に3段設けてあり、該ベルトコンベヤ37,38のそれぞれの上下間には、図1と同様の吸引ボックス17,18が設けてあり、該吸引ボックス17,18は、ガラス板1,2の対向する面とは反対側の面に対して僅かな隙間を保持して配置されている。
【0055】
図12、図13の装置では、前記ベルトコンベヤ37,38と吸引ボックス17,18とにより保持手段7を構成しており、したがって、図1、図2に示した装置の吸引ボックス17,18に備えられた支持ローラ25は有していない。
【0056】
上述したベルトコンベヤ37,38は、ワイヤ入りアイアンラバーなどの伸びない基材の表面に単泡の発泡樹脂を貼り付けたものを使用し、表面の発泡孔が吸着性能を発揮するようになっている。
【0057】
また、図14はガラス板1,2を所定の間隔を保持して平行に保った状態で移動させる別の方法を示したものであり、図13に示す方法では、ベルトコンベヤ37と吸引ボックス17とを一方のガラス板1側のみに設け、他方のガラス板2側には、支持板などからなる支持材34に多数の回転自在な受けローラ35を一平面に並ぶように取り付け、移動用ローラ20a上に載置した他方のガラス板2が受けローラ35に立て掛けられるようにしている。この場合、受けローラ35で支持されているガラス板2がガラス板1の方に倒れないようにするため、支持材34の上側が図13の右側に傾くようにたとえば5度程度傾け、ガラス板1を支持する吸引ボックス17も、同じ角度でガラス板1が傾いて2枚のガラス板1,2が平行になるように、位置を調整しておく。
【0058】
上記図12〜図14図に示す装置を使用して複層ガラスを製造するには、前記図5〜図11に示した方法と同じ方法によって製造することができる。
【0059】
上記各例においては第1ステージS1に、図1では支持ローラ25を備えた吸引ボックス17,18による保持手段7、図4では受けローラ35によって一方のガラス板2を傾斜状態に受けるようにした保持手段7、図12ではベルトコンベヤ37,38と吸引ボックス17,18による保持手段7、図14では受けローラ35を備えて一方のガラス板2を傾斜状態に受けるようにした保持手段7を設けた場合について説明したが、上記保持手段7は第2ステージS2にも設けることができる。
【0060】
ガラス板1,2の案内手段20,27は、移動用ローラ20aあるいはベルトコンベヤ27aなどのコンベヤ装置を用いたり、それらを組合わせて用いるようにしてもよい。また、ガラス板1,2間の周縁部にダイ6にて樹脂材料を吐出する順序は、図5〜図11に示した順序に限定されることなく種々の順序で実施することができること、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更し得ること、等は勿論である。
【0061】
【発明の効果】
請求項1〜4記載の発明によれば、保持手段によって相互間に所要の間隔を保持するように保持した2枚のガラス板を案内手段の上に載置してガラス板面と平行かつ水平方向に移動させるようにし、ダイの上下方向移動とガラス板の水平方向移動の相対移動を行いつつダイから樹脂材料を吐出して2枚のガラス板間の周縁部に樹脂製スペーサを成形するときに、ガラス板をダイ前側の第1ステージとダイ後側の第2ステージとの間で移動させる制御が、吸着式押し引き手段によって行われるので、ガラス板の移動速度と停止位置の制御を精度良く行うことができて、ガラス板間の周縁部に良好な形状のスペーサを安定して成形できる効果がある。
【0062】
また、ガラス板を鉛直に立てた状態で取扱うことができるので、ガラス板が撓む問題を防止でき、さらに、2枚のガラス板の周縁部に樹脂材料を連続した一筆書きに注入することができるので、製造された複層ガラスには1箇所のみの接続部を有するスペーサを精度良く成形できるので、中空層の気密性の確保が容易になるという効果がある。
【0063】
また、ガラス板の移動は案内手段で行い、ガラス板の間隔保持は保持手段で行い、ガラス板の移動速度と停止位置の制御は吸着式押し引き手段で行うように作業を分担させているので、従来のようにガラス板の間隔保持と移動とを1つの装置で同時に行う方法に比して装置構成を簡素化することができるとともに、各手段によってガラス板の位置制御などを精度良く確実に行うことができる効果がある。
【0064】
請求項5記載の発明によれば、吸着式押し引き装置の吸着チャックはガラス板の下縁近傍を吸着するようにしているので、吸着式押し引き装置の吸着チャックは保持手段等と干渉することなく第1ステージと第2ステージとの間を移動できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における装置の一例の全体斜視図である。
【図2】本発明におけるガラス板支持状態の一例を示す縦断側面図である。
【図3】本発明に使用する吸引ボックスと案内手段の一例の斜視図である。
【図4】本発明におけるガラス板支持状態の他の例を示す縦断側面図である。
【図5】本発明における工程の一例を示す正面図である。
【図6】本発明における工程の一例を示す正面図である。
【図7】本発明における工程の一例を示す正面図である。
【図8】本発明における工程の一例を示す正面図である。
【図9】本発明における工程の一例を示す正面図である。
【図10】本発明における工程の一例を示す正面図である。
【図11】本発明における工程の一例を示す正面図である。
【図12】本発明における装置の他の例の全体斜視図である。
【図13】本発明におけるガラス板支持状態の他の例を示す縦断側面図である。
【図14】本発明におけるガラス板支持状態のさらに他の例を示す縦断側面図である。
【図15】樹脂材料を吐出するダイの拡大側面図である。
【図16】従来提案されている複層ガラスの製造方法の一例を示す側面図である。
【図17】図16を左方から見た正面斜視図である。
【符号の説明】
1,2 ガラス板
6 ダイ
7 保持手段
17,18,19 吸引ボックス
20,27 案内手段
25 支持ローラ
28 吸着式押し引き手段
29 リニアガイド
30 吸引枠体
31 ボールネジ杆
33 吸着チャック
35 受けローラ
S1 第1ステージ
S2 第2ステージ
Claims (5)
- 2枚のガラス板を両者間に所定の間隔が保持されるように支持しながら所定の断面形状で樹脂材料を吐出するダイと前記2枚のガラス板とをダイが2枚のガラス板間の周縁部に沿うように相対移動させ、前記ダイから樹脂材料を吐出して前記2枚のガラス板間の周縁部に樹脂製スペーサを成形する複層ガラスの製造方法であって、ガラス板面と平行かつ水平方向に案内する案内手段の上に前記2枚のガラス板の下縁を載置し、前記2枚のガラス板の対向しない側のそれぞれの面を保持手段に備えた吸引ボックスで吸引して支持ローラに当接させることにより前記間隔を保持して2枚のガラス板を概略鉛直状態に支持し、鉛直方向に移動するダイにより樹脂材料を吐出して樹脂製スペーサを成形する成形前および/または成形中に前記所定の間隔を保持しながら、前記案内手段上に載置したガラス板を吸着式押し引き手段により吸着してガラス板面に平行かつ水平方向にダイ前側の第1ステージとダイ後側の第2ステージとの間で移動し位置決めすることを特徴とする複層ガラスの製造方法。
- 2枚のガラス板を両者間に所定の間隔が保持されるように支持しながら所定の断面形状で樹脂材料を吐出するダイと前記2枚のガラス板とをダイが2枚のガラス板間の周縁部に沿うように相対移動させ、前記ダイから樹脂材料を吐出して前記2枚のガラス板間の周縁部に樹脂製スペーサを成形する複層ガラスの製造方法であって、ガラス板面と平行かつ水平方向に案内する案内手段の上に前記2枚のガラス板の下縁を載置し、前記2枚のガラス板の対向しない側の面の一方を保持手段に備えた吸引ボックスで吸引して支持ローラに当接させると共に、前記2枚のガラス板の対向しない側の面の他方を保持手段に備えた受けローラに立て掛けることにより前記間隔を保持して2枚のガラス板を概略鉛直状態に支持し、鉛直方向に移動するダイにより樹脂材料を吐出して樹脂製スペーサを成形する成形前および/または成形中に前記所定の間隔を保持しながら、前記案内手段上に載置したガラス板を吸着式押し引き手段により吸着してガラス板面に平行かつ水平方向にダイ前側の第1ステージとダイ後側の第2ステージとの間で移動し位置決めすることを特徴とする複層ガラスの製造方法。
- 2枚のガラス板を両者間に所定の間隔が保持されるように支持しながら所定の断面形状で樹脂材料を吐出するダイと前記2枚のガラス板とをダイが2枚のガラス板間の周縁部に沿うように相対移動させ、前記ダイから樹脂材料を吐出して前記2枚のガラス板間の周縁部に樹脂製スペーサを成形する複層ガラスの製造装置であって、2枚のガラス板の対向しない側の面をそれぞれ吸引ボックスにより吸引して支持ローラに当接させることにより前記間隔を保持して2枚のガラス板を概略鉛直状態に支持する保持手段と、前記2枚のガラス板の下縁を支持して該ガラス板をガラス板面に平行かつ水平方向に移動させる案内手段と、鉛直方向に移動可能で前記2枚のガラス板間の周縁部に所定の断面形状で樹脂材料を吐出するダイと、前記2枚のガラス板をダイの前側と後側との間で押し引き移動させる吸着式押し引き手段とを備え、吸着式押し引き手段は、案内手段の下部にガラス板の移動方向と平行に設けたリニアガイドと、該リニアガイドに沿って移動する吸引枠体と、2枚のガラス板の対向する面とは反対側の面を吸着するように対向して取り付けられた吸着チャックとからなることを特徴とする複層ガラスの製造装置。
- 2枚のガラス板を両者間に所定の間隔が保持されるように支持しながら所定の断面形状で樹脂材料を吐出するダイと前記2枚のガラス板とをダイが2枚のガラス板間の周縁部に沿うように相対移動させ、前記ダイから樹脂材料を吐出して前記2枚のガラス板間の周縁部に樹脂製スペーサを成形する複層ガラスの製造装置であって、2枚のガラス板の対向しない側の面の一方を保持手段に備えた吸引ボックスで吸引して支持ローラに当接させる保持手段と、前記2枚のガラス板の対向しない側の面の他方を受けローラに立て掛けることにより前記保持手段と共に前記間隔を保持して2枚のガラス板を概略鉛直状態に支持する保持手段と、前記2枚のガラス板の下縁を支持して該ガラス板をガラス板面に平行かつ水平方向に移動させる案内手段と、鉛直方向に移動可能で前記2枚のガラス板間の周縁部に所定の断面形状で樹脂材料を吐出するダイと、前記2枚のガラス板をダイの前側と後側との間で押し引き移動させる吸着式押し引き手段とを備え、吸着式押し引 き手段は、案内手段の下部にガラス板の移動方向と平行に設けたリニアガイドと、該リニアガイドに沿って移動する吸引枠体と、2枚のガラス板の対向する面とは反対側の面を吸着するように対向して取り付けられた吸着チャックとからなることを特徴とする複層ガラスの製造装置。
- 吸着チャックはガラス板の下縁近傍を吸着するようになっていることを特徴とする請求項3又は4記載の複層ガラスの製造装置。
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