JP4153667B2 - 層状掃気2サイクルエンジン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クランク室圧縮式層状掃気2サイクルエンジン、特に掃気空気を用いて先行掃気を行なうようにした空気先導式層状掃気2サイクルエンジンにおける空気及び混合気供給系の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の2サイクルエンジンにおいては、ピストンが上死点へ移動するときにクランクケース内に形成されたクランク室が負圧になることを利用して、該クランク室に混合気を吸い込み、ピストンが下死点方向に移動するときに該クランク室で圧縮された混合気が掃気ポート開口時にクランク室から燃焼室内に導入され、燃焼ガスを押し出しながら燃焼室内に充填される。この掃気行程では、掃気ポートと排気ポートとの開いている区間が広範囲でオーバーラップしているため、燃焼ガスとともに約30%もの混合気が吹き抜けることとなり、このことが過大なTHC(全炭化水素)排出の主原因となり、燃料の浪費を招いている。
【0003】
かかる混合気の吹き抜けを減少させるために、空気先導式層状掃気方式が提供されている。かかる掃気方式においては、ピストンが上死点に向かう吸気行程時にクランク室に混合気が充填され、同時に空気が掃気ポートに連なる掃気通路を通してクランク室に吸い込まれて掃気通路に充填され、次いで、ピストンが上死点から下降する燃焼、排気行程中の掃気ポート開口時に、掃気通路内の空気が燃焼室内に混合気に先立って導入されて、燃焼排ガスを掃気し、その後に続いて混合気が燃焼室内に導入される。かかる掃気方式では、混合気の吹き抜けが、従来のエンジンの3分の1程度まで大幅に低減される。
【0004】
かかる空気先導式層状掃気2サイクルエンジンとして、特開平7−139358号、特開平10−252565号、特開平9−125966号等の発明が提供されている。
【0005】
特開平7−139358号の発明においては、掃気口とクランクケース内とを連通する掃気通路内に、前記掃気口に近接する位置に開口する空気通路を設け、該空気通路に、前記掃気通路の方向のみ連通する逆止弁を設け、掃気口からシリンダ内に供給される混合気の排気側への吹き抜けを防止している。
【0006】
特開平10−252565号の発明においては、掃気口とクランク室とを連通する掃気通路の掃気口に近接する部分に空気通路の終端を接続し、該空気通路に掃気通路への空気の流れを許容する逆止弁を設け、気化器に平行に設けた混合気通路と空気通路にこれらを横切る軸部を中心として、回転可能に、混合気通路の燃料量を加減する燃料制御弁と、空気通路の空気量を加減する空気制御弁を設けている。
【0007】
特開平9−125966号の発明においては、気化器とクランク室とを接続する混合気通路を開閉する混合気制御弁と、エアクリーナとを接続する空気通路を開閉する空気制御弁とを備え、該混合気制御弁と空気制御弁とを連結して、混合気流量と空気流量とがほぼ一定の比率になるように制御可能となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
かかる空気先導式層状掃気2サイクルエンジンにおいては、アイドリング運転時には、空気通路側の負圧が混合気通路側よりも高い状態にあり、かかる状態からスロットル開度を増して急加速すると、燃料供給の追従遅れによる過渡的な燃料濃度の希薄化が先導空気量の急激な増加によって助長され、空気過剰で燃料濃度過薄状態となる。
【0009】
このため、加速操作がなされると、空気量の増加に燃料量が追従できなくなり、燃料濃度が過薄となって正常な燃焼がなされず、加速不良やエンジン停止を引き起こす。
【0010】
然るに、前記特開平7−139358号、特開平10−252565号、特開平9−125966号等の発明にあっては、定常運転時に空気流量と混合気流量との比率制御はなされているものの、前記のような、エンジンの急加速時における空気量過剰状態に対する防止策はなされていない。
【0011】
また、かかる2サイクルエンジンを刈払機に使用する場合等においては、エンジンが傾斜された状態で運転されることが多い。かかる傾斜運転時においては、混合気通路の下側になった部分に燃料が貯まり、エンジンの姿勢が変わると、この燃料が急激に吸引され、燃料過剰による燃焼不良を引き起こす。
しかしながら、前記従来技術にあっては、かかる傾斜運転時の不具合に対する防止策についてもなされてはいない。
【0012】
また、かかる層状掃気2サイクルエンジンにおいては、冷態状態からの始動直後の急加速時では、前記のように空気量の増加に燃料量が追従できなくなる傾向が強く現れてエンジン停止を引き起こすことが多く、かかる不具合の発生を防止して冷態時の急加速性を向上することが望まれている。
【0013】
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、層状掃気2サイクルエンジンにおいて、エンジンの急加速時における、空気量過剰による燃料濃度の希薄化を回避して、正常な燃焼をなさしめることにより、殊に冷態時の急加速性を向上して加速不良やエンジン停止の発生を防止することを第1の目的とする。
【0014】
また、エンジンの傾斜運転時において、混合気通路の下側に燃料が貯まるのを回避することにより、燃料過剰による燃焼不良の発生を防止することを第2の目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するため、請求項1記載の発明として、シリンダ側部に排気ポートと掃気ポートとが設けられ、ピストンの上昇時に開口してクランク室内に混合気を供給する混合気供給口に連通される吸気ポートと、前記掃気ポートに接続される掃気通路と、該掃気通路にエアクリーナからの掃気用空気を供給する空気通路と、前記掃気通路内の負圧により前記空気通路を開閉する逆止弁と、前記空気通路と前記混合気通路とが内部に並設されたインシュレータとを備えた空気先導式層状掃気2サイクルエンジンにおいて、前記空気通路と前記混合気通路とを連通し、該空気通路内の負圧により前記混合気通路内の混合気を前記空気通路に送給する小通路面積の連絡通路を備えたことを特徴とする層状掃気2サイクルエンジンを提案する。
【0016】
かかる発明によれば、アイドリング運転時に混合気通路よりも負圧が高くなっている空気通路に小通路面積の連絡通路を通して混合気通路の混合気を前記空気通路内に供給しておき、急加速時に前記空気通路における空気量が過剰になったとき、前記連絡通路からの混合気を空気中に混入する。
これにより、前記空気通路内を流れる空気中に混合気が混入され、掃気ポートからシリンダ内に供給される新気が空気過剰の状態になるのが回避されて、エンジンの急加速時における燃料濃度過薄化の発生が防止され加速性が改善される。
また、高速運転時にはスロットル開度が大きくなって、混合気通路内と空気通路内との圧力差が殆ど無くなるため、混合気通路内から前記小通路面積の連絡通路を通って空気通路内に流入する混合気も殆ど無く、従って先導空気中に混合気が含まれるのが回避され、所要の排ガス性能を保持できる。
【0017】
さらに、エンジンの傾斜運転時においては、混合気通路内の混合気は、前記小通路面積の連絡通路を通って空気通路内に流入可能となっているため、混合気通路の下側になった部分に燃料が貯まり、これがエンジン姿勢の変化により急激にシリンダ内に吸引されて燃料過剰となることが無くなり、これによる燃焼不良の発生が防止される。
【0018】
従って、かかる発明によれば、空気通路と混合気通路との間に、該空気通路内の負圧により前記混合気通路内の混合気を前記空気通路に送給し得る小通路面積の連絡通路を設けるという、複雑な構造の制御装置を装備することなく、きわめて簡単な装置で以って前記のような効果をなす層状掃気2サイクルエンジンを得ることができる。
【0019】
請求項2〜12記載の発明は、小通路面積の連絡通路の具体的構成に係り、請求項2記載の発明は、請求項1において、前記連絡通路は、前記逆止弁よりも下流側の前記空気通路と前記混合気通路との間に設けられてなることを特徴とする。
【0020】
請求項3記載の発明は、請求項2において、前記連絡通路を、前記インシュレータとシリンダとの取付面に介装されたインシュレータガスケットに形成したことを特徴とする。
【0021】
請求項4記載の発明は、請求項2において、前記連絡通路を、前記インシュレータの、前記シリンダとの取付面に刻設したことを特徴とする。
【0022】
請求項5記載の発明は、請求項2において、前記連絡通路を、前記シリンダの、前記インシュレータとの取付面に刻設したことを特徴とする。
【0023】
請求項2〜5記載の発明によれば、前記連絡通路を、空気通路の逆止弁よりも下流側の部位に開口しているので、前記のようなエンジンの傾斜運転時における作用、効果、即ち、エンジンの傾斜運転時において、エンジンを180°回転した状態付近で運転した際に混合気通路の下側に貯まった燃料を前記連絡通路を通して空気通路に流入せしめることができ燃料過剰による燃料不良の発生が防止される、という作用、効果が顕著となる。
【0024】
特に、請求項3のように、前記連絡通路を、前記インシュレータとシリンダとの取付面に介装されたインシュレータガスケット、あるいは、後述する請求項7のように、気化器とインシュレータとの取付面に介装された気化器ガスケットに形成すれば、該インシュレータガスケットあるいは気化器ガスケットに、前記連絡通路の幅に相当するスリットを加工するのみ、という簡単かつ少ない加工工数で以って連絡通路を設けることができる。
【0025】
また、請求項6記載の発明は、請求項1において、前記連絡通路は、前記逆止弁よりも上流側の前記空気通路と前記混合気通路との間に設けられてなることを特徴とする。
【0026】
請求項7記載の発明は、請求項6において、前記連絡通路を、気化器と前記インシュレータとの取付面に介装された気化器ガスケットに形成したことを特徴とする。
【0027】
請求項8記載の発明は、請求項6において、前記連絡通路を、前記インシュレータの、気化器との取付面に刻設したことを特徴とする。
【0028】
請求項9記載の発明は、請求項6において、前記連絡通路を、前記気化器の、前記インシュレータとの取付面に刻設したことを特徴とする。
【0029】
請求項2〜5記載の発明のように、前記連絡通路を、前記逆止弁よりも下流側の空気通路と混合気通路との間に設けた場合には、該連絡通路が前記逆止弁よりも下流側にある掃気通路に連通されているため、これの通路面積を大きくすると、エンジン出力の低下を伴うが、請求項6〜9記載の発明のように、前記連絡通路を、前記逆止弁よりも上流側の空気通路と混合気通路との間に設けることにより、エンジン出力の低下を伴うことなく前記連絡通路の通路面積を大きく採ることが可能となり、急加速時の加速性能を、より向上することができる。
【0030】
請求項10〜11記載の発明は、請求項1記載の発明における連絡通路の変形態様に係り、請求項10記載の発明は、請求項1において、前記連絡通路は、前記インシュレータまたは気化器またはシリンダの何れか一つの、空気通路と混合気通路との間を連通する小孔よりなることを特徴とする。
【0031】
請求項11記載の発明は、請求項10において、前記小孔に、前記混合気通路側から空気通路側に向かう流れのみを許容する逆止弁を設けたことを特徴とする。
【0032】
請求項12記載の発明は、請求項2記載の発明と請求項6記載の発明とを組み合わせたものであり、請求項1において、前記連絡通路は、前記逆止弁よりも下流側の前記空気通路と前記混合気通路との間、並びに前記逆止弁よりも上流側の前記空気通路と前記混合気通路との間の2個所に設けられてなることを特徴とする。
【0033】
かかる発明によれば、前記連絡通路の一方を、前記逆止弁よりも下流側の空気通路と混合気通路との間に設けることにより、エンジンの傾斜運転時において、混合気通路内の混合気が前記小通路面積の連絡通路を通って空気通路内に流入可能となり、混合気通路の下側になった部分に燃料が貯まって、これがエンジン姿勢の変化により急激にシリンダ内に吸引されることが無くなり、燃料過剰による燃焼不良の発生が防止されるとともに、前記連絡通路の他方を、前記逆止弁よりも上流側の空気通路と混合気通路との間に設けることにより、エンジン出力の低下を伴うことなく前記連絡通路の通路面積を大きく採ることが可能となり、急加速時の加速性能を向上することができる、という相乗効果が得られる。
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載される構成部品の寸法、材質、形状、その他相対配置などは特に特定的な記載が無い限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
【0041】
図1は本発明の第1実施例に係る空気先導式層状掃気2サイクルエンジンのシリンダ中心軸を含むクランク軸心に直角な断面図、図2は気化器ガスケットの正面図、図3はインシュレータの気化器ガスケット側端面図(図1のA−A矢視図)、図4はインシュレータとシリンダとの接続部近傍の拡大断面図(図1のZ部拡大図)、図5はインシュレータガスケットの正面図、図6はインシュレータのインシュレータガスケット側端面図(図4のB−B矢視図)、図7は前記連絡通路の他の実施例を示す図4対応図である。図8は本発明の参考例に係る前記2サイクルエンジンにおける空気通路のインシュレータ周りの要部断面図、図9は図8のCーC矢視図、図10は逆止弁部の平面形状を示す図8における平面図、図11はインシュレータ及び逆止弁部の分解斜視図である。図12は本発明の第2参考例を示す図8対応図である。図13はバイメタルの温度特性線図である。
【0042】
第1実施例を示す図1において、2はシリンダ、4はピストン、6はクランク軸、6aは該クランク軸6を構成するクランクウェブ、5はクランクケース、3はピストン4とクランク軸6とを連結するコネクティングロッド、7はシリンダヘッド、8は点火プラグ、11はエアクリーナ、12は気化器である。また、25は燃焼室、5aはクランクケース5の内部に形成されたクランク室、15は前記気化器12とクランク室5aとを接続する混合気通路である。13aはシリンダ2の側部に開口した排気ポートで、排気管13に接続される。
【0043】
9aはシリンダ2の排気ポート13aの左右に排気ポート13aとほぼ直角方向の部位に2個対向するように設けられた掃気ポートである。対をなす該掃気ポート9aの夫々は、シリンダ2に斜め方向に設けられた対をなす掃気通路109e、各掃気通路の合流場所である対をなす掃気通路(図示省略)、クランクケース5の両側面の壁内に弧状に形成された対をなす掃気通路109d及び対をなす掃気通路開口部109b、109bを介して前記クランク室5aと連通されている。
【0044】
前記掃気通路開口部109b、109bは、クランク軸6のクランクウェブ6aによって開閉可能になるように、クランク軸心60方向においては、該開口部109b、109bの端面とクランクウェブ6aの端面とが微小隙間を存して近接している。
【0045】
10はシリンダ2の側部の内部に設けられた空気供給室で、上流側が後述するインシュレータ30内の空気通路10bに接続され、下流側が対をなす空気分岐通路10aに接続されている。該空気分岐通路10aは、前記対をなす掃気通路及び対をなす掃気通路109e、109eに連通している。
また、該空気供給室10には、左右の空気分岐通路10a、10aへの開口部に、該空気分岐通路10a、10a側に向かう流れのみを許容するリード弁式の逆止弁16が設けられている。
【0046】
30はエンジン本体側と吸気系とを熱的に遮断するためのインシュレータであり、該インシュレータ30はシリンダ2の側面にボルト締めされている。該インシュレータ30内部の上側には前記空気通路10b、下側には混合気通路15が並行して形成されている。
該混合気通路15の上流側は、気化器12内の混合気流量制御用の混合気制御弁14、気体通路10e、を介してエアクリーナ11に連通され、下流側は吸気ポート15aを介してシリンダ内(燃焼室25)と連通されている。
【0047】
110はエアクリーナ11とインシュレータ30を接続する気化器12と一体の空気通路管で、該空気通路管110には空気通路面積を変化させる空気制御弁20が設けられており、該空気制御弁20は気化器12の混合気制御弁14と連動するようになっている。
【0048】
以上の構成は、本件出願人の出願に係る特願平11−122599号と同様である。本発明においては、先導空気供給系及び混合気供給系を改良している。
【0049】
即ち41は前記インシュレータ30とシリンダ2との取付面に介装されたインシュレータガスケット、42は前記インシュレータ30と気化器12との取付面に介装された気化器ガスケットである。
前記気化器ガスケット42は、図2に示すように、上側に空気通路10b、下側に混合気通路15が、前記インシュレータ30に合わせ、並行に形成されている。そして、該空気通路10bと混合気通路15との間には、両者を連通する連絡通路43がスリット状に形成されている。46はボルト孔である。
【0050】
また、前記インシュレータガスケット41は、図5に示すように、上側に空気通路10b、下側に混合気通路15が、前記インシュレータ30のピッチに合わせ、並行に形成され、該空気通路10bと混合気通路15との間には、両者を連通する連絡通路44がスリット状に形成されている。61は前記逆止弁16の設置スペース用の孔、49はボルト孔である。
前記インシュレータガスケット41の連絡通路44は、図4に示すように、混合気通路15と前記逆止弁16のシート面45よりも下流側の空気供給室10とを連通するとともに、その幅つまり通路面積を、気化器ガスケット42の連絡通路43の幅よりも小さく形成されて、該連絡通路44を設けることによる出力低下を最小限としている。
【0051】
前記インシュレータガスケット41及び気化器ガスケット42に連絡通路44及び43を設けるのに代えて、図3に示すように、インシュレータ30の気化器ガスケット42との接合面に溝状の連絡通路47を刻設し、また、図6に示すように、該インシュレータ30のインシュレータガスケット41との接合面に溝状の連絡通路51を刻設することもできる。
さらに、前記連絡通路を、シリンダ2の、前記インシュレータ30との取付面側に刻設することもでき、また、気化器12の前記インシュレータ30との取付面側に刻設することもできる。
【0052】
かかる構成からなる空気先導式層状掃気2サイクルエンジンの運転時において、燃焼室25内の燃焼圧力によりピストン4が下降し、排気ポート13aが開くと、該燃焼室25内の燃焼ガス(排気ガス)は排気ポート13aを通って排気管13へ排出され、マフラ(図示省略)を通って外気中へ放出される。
ピストン4がさらに下降すると、左右の掃気ポート9a、9aが開口し、掃気通路109e等に溜められていた空気が、燃焼室25内に流入して燃焼ガスを排気ポート13a側へ押し出す。
【0053】
次いで、クランク室5a内に溜められていた混合気がそれぞれ対をなす掃気通路開口部109b、掃気通路109d、掃気通路109eを経て、掃気ポート9aから燃焼室25内に流入する。
ピストン4が下降して、下死点にある状態では、排気ポート13a、掃気ポート9aは開口していて、燃焼室25内への空気及び混合気の供給は終了、あるいは終了しようとしている。そして、ピストン4が下死点から上昇すると、該ピストン4によって掃気ポート9aが閉じてクランク室5a内が密閉空間となり、膨張即ち圧力の低下が始まる。
【0054】
ピストン4がさらに上昇すると、排気ポート13aが閉じられ、燃焼室25内の混合ガスの圧縮が始まる一方、ピストン4の上昇によるクランク室5aの容積増大により該クランク室5a内の圧力はさらに低下する。ピストン4がさらに上昇するとシリンダ2側面に形成された吸気ポート15aが開口し、気化器12で生成され、混合気制御弁14で流量制御された混合気が混合気通路15を経てクランク室5a内に供給される。
【0055】
前記クランク室5a内の圧力の低下は、掃気通路開口部109b、掃気通路109d及び掃気通路109eを経て左右の空気分岐通路10aにも伝わるので、リード弁式の逆止弁16が開弁し、該逆止弁16を経て空気供給室10内に供給された空気がクランク室5a内に流入する。
【0056】
ここで、前記掃気ポート9aからクランク室5aに至る夫々対をなす掃気分岐通路109e、掃気通路109d等は、長さの長い掃気通路を構成しているため、該掃気通路に供給された空気は、先ずこのような長い掃気通路に充満した後で、クランク室5aに流入することになる。
【0057】
ピストン4が圧縮上死点近傍に達すると、点火プラグ8によって燃焼室25内に火花放電され、圧縮された混合気に着火、燃焼が行なわれる。この燃焼により、発生する圧力でピストン4が押し下げられ、クランク軸6に回転トルクが生じる。
【0058】
ピストン4が下降して排気ポート13aが開口すると、燃焼室25内の燃焼ガスは排気ポート13aから排気管13に流れ、次いでマフラ(図示省略)を経て外部に排出される。
一方、ピストン4の下降により、クランク室5a内の気体はピストン4の裏側で圧縮される。そして、ピストン4がさらに下降して側部の掃気ポート9aが開口すると、前記のようにしてクランク室5a内に供給されていた混合気がそれぞれ対をなす掃気通路開口部109b、掃気通路109d、及び掃気通路109eを経て、掃気ポート9aから燃焼室25内に吹き込まれ、該燃焼室25内の燃焼ガス(排気ガス)を排気ポート13aから押し出す掃気作用がなされる。
【0059】
しかして、エンジンのアイドリング運転時には、空気通路10b、空気供給室10、空気分岐通路10a等の負圧が混合気通路15側よりも大きくなっている。
【0060】
然るに、本発明の実施例によれば、前記空気通路10bと混合気通路15との間を、インシュレータガスケット41及び気化器ガスケット42に夫々設けた小通路面積の連絡通路43及び44、あるいはインシュレータ30に刻設した溝状の連絡通路47及び51にて連通しているため、アイドリング運転時に混合気通路15内の混合気が小通路面積の連絡通路43及び44、あるいは47及び51を通って空気通路10b及び空気供給室10内に供給される。
【0061】
これにより、急加速時において空気通路10b側の空気量が過剰になると、該空気通路10b側を流れる空気中に混合気が混入され、掃気ポート9aから燃焼室25内に供給される新気が空気過剰の状態になるのが回避されて、エンジンの急加速時における燃料濃度過薄化の発生が防止され、加速性が改善される。
【0062】
また、高速運転時にはスロットル開度が大きくなって、混合気通路15内と空気通路10b及び空気供給室10内との圧力差が殆ど無くなるため、混合気通路15内から前記小通路面積の連絡通路43及び44あるいは47及び51を通って空気通路10bあるいは空気供給室10内に流入する混合気も殆ど無く、従って先導空気中に混合気が含まれるのが回避され、所要の排ガス性能を保持できる。
【0063】
さらに、エンジンの傾斜運転時においては、混合気通路15内の混合気は、前記逆止弁16よりも下流側即ち燃焼室25側の連絡通路、つまりインシュレータガスケット41の連絡通路44あるいは、インシュレータ30のインシュレータガスケット41側の連絡通路51を通って空気供給室10内に流入可能となっているため、混合気通路15の下側になった部分に燃料が貯まり、これがエンジン姿勢の変化により急激にシリンダ内に吸引されることが無くなり、燃料過剰による燃焼不良の発生が防止される。
【0064】
また、前記傾斜運転時の不具合を解消するため、連絡通路44あるいは51を、前記逆止弁16よりも下流側にある空気供給室10と混合気通路15との間に設けた場合には、該連絡通路44あるいは51が前記逆止弁16よりも下流側にある掃気通路109e等に連通されているため、これの通路面積を大きくすると、エンジン出力の低下を伴うが、前記連絡通路43あるいは47を、前記逆止弁16よりも上流側にある気化器ガスケット42あるいはインシュレータ30の気化器ガスケット42に設けることにより、エンジン出力の低下を伴うことなく前記連絡通路の通路面積を大きく採ることが可能となり、急加速時の加速性能を、より向上することができる。
【0065】
従って、かかる実施例によれば、混合気通路15と空気通路10b及び空気供給室10との間に、該空気通路10b及び空気供給室10内の負圧により前記混合気通路15内の混合気を該空気通路側に送給し得る小通路面積の連絡通路43、44等を設けるという、複雑な構造の制御装置を装備することなく、きわめて簡単な装置で以って前記のような効果が得られる。
【0066】
また、前記連絡通路43あるいは44を、インシュレータガスケット41、あるいは気化器ガスケット42に形成すれば、該インシュレータガスケット41あるいは気化器ガスケット42に、前記連絡通路43あるいは44の幅に相当するスリットを加工するのみ、という簡単かつ少ない加工工数で以って連絡通路を設けることができる。
【0067】
前記連絡通路の他の実施例を示す図7において、63は小孔よりなる連絡通路であり、前記インシュレータ30の、空気通路10bと混合気通路15との間を連通している。64は前記連絡通路63に設けられた逆止弁で、前記混合気通路15側から空気通路10b側に向かう流れのみを許容するように構成されている。
尚、前記逆止弁64を省略して、小孔よりなる連絡通路63のみを設けてもよい。また、前記インシュレータ30に代えて、気化器12またはシリンダ2に前記のような連絡通路63及び逆止弁64を設けてもよい。
【0068】
参考例を示す図8〜11において、70は逆止弁であり、前記インシュレータ30に設けられた弁座30aに、弁座30aに接触する弁体板(リード弁板)71、該弁体板71に接触するバイメタル板72、及び該バイメタル板72に接触するストッパー73を重ねて小ねじ74により取り付けて構成されている。
前記弁体板71は、例えば0.2mm程度の薄い平滑なステンレスバネ鋼鈑からなり、平面形状が図11に示すように、上部にくびれを有するびん状をなし、上部に前記小ねじ74及び後述する円形突起30cが挿通される2個の取付孔71aを有し、下部が前記インシュレータ30の空気通路10bの出口側に形成された前記弁座30aに密接して該空気通路30bの通路口を閉じるようになっている。
【0069】
前記バイメタル板72は、前記弁体板71と接触する側が高熱膨張率の金属板からなり前記弁体板71よりも厚さの厚いバイメタル材で構成されている。図11に示すように、該バイメタル板72の平面形状は前記弁体板71と略同形状をなし、上部に2個の取付孔72aを備えている。そして、該バイメタル板72には、一方側の横から直角に曲がって立ち上がり、さらに鈍角に曲がって折り返す接触部材72bが付設されており、エンジンのシリンダ2からの熱の伝導を促進するようになっている。
【0070】
さらに、前記バイメタル板72の下部は、常温時においては図11に2点鎖線で示すように先端が前記弁座30a側に湾曲しており、該弁座30aに取り付けられた状態では図8に実線で示すように前記弁体板71を挟んでこれを弁座30a側に押圧しながら平滑になり、温度が上昇すると図8に2点鎖線で示すように弁座30aの反対側に湾曲して前記弁体板71から離れるようになっている。
前記ストッパー73は、前記バイメタル板72よりもさらに厚く形成されて、図11に示すように、平面形状がT字形の剛な金属板からなり、上部に2個の取付孔73aを有し、下部側が前記弁座30aの反対側に湾曲され、前記バイメタル板72の湾曲の上限を規制するようになっている。
【0071】
また、前記インシュレータ30の、前記弁座30a上部の前記弁体板71の取付孔71aに対応する位置には、雌ねじ30f及び円形突起(ダウエル)30cが夫々設けられていて、前記弁体板71、バイメタル板72、及びストッパー73は夫々の取付孔71a、72a、及び73aの一方の孔を前記円形突起30cに嵌めて位置決めされ、小ねじ74を他方の孔を通して雌ねじ30fに螺合することによってインシュレータ30に取り付けられるようになっている。そして、前記インシュレータ30がシリンダ2と結合されたとき、前記バイメタル板72の接触部材72bの先端は、十分な弾性力でもってシリンダ2の空気供給室10の内壁に接触するようになっている。
【0072】
即ちかかる参考例においては、前記逆止弁70は、前記インシュレータ30の空気通路10b出口に形成された弁座30aに着脱して該空気通路10b出口を開閉する弁体板71と、前記シリンダ2を含むエンジン部材と接触して自由端部(下部)が常温時には前記弁座30a側に湾曲し温度上昇に従い弁座30aとは反対側に湾曲するバイメタル板72と、自由端部が前記弁座30aとは反対側に湾曲したストッパー73とを前記弁座30a側からこの順に片持ち状に重ね、その根元部を前記インシュレータ30に小ねじ74により固定した構造となっている。
【0073】
かかる構成からなる逆止弁70を備えた層状掃気2サイクルエンジンにおいて、エンジンが冷態状態にあるときには、前記バイメタル板72は初期押圧力によって前記弁体板71を押さえて空気通路10bを閉じている。かかる状態にてエンジンを始動した後、直ちに急加速操作をして混合気制御弁14を急激に開くと、これに連動される空気制御弁20も急激に大きく開き、該空気制御弁20は多量の掃気用空気を通流し得る状態となる。
【0074】
然るにかかる参考例によれば、シリンダ2の温度が低い冷態状態では、前記のように前記逆止弁70の弁体板71は前記バイメタル板72に押さえられて空気通路10bを閉じているため、前記冷態状態での始動後の急加速時には掃気用空気は該空気通路10bからシリンダ2内には供給されず、層状掃気を行わないエンジンと同様に作動する。これにより該空気通路10bを通流する掃気用空気によって混合気が過薄になってエンジン停止を引き起こすという不具合の発生が防止される。
また、シリンダ2の温度が上昇すると、前記バイメタル板72の変形によって、前記逆止弁70の弁体板71は通常の負荷運転時と同様に前記空気通路10bの開閉動作を行うことができる。
【0075】
図13は、前記バイメタル板72における温度−空気通路の開度特性の1例を示す説明図である。この例では温度が70℃になるとバイメタル板72は平面状となって前記弁体板71への初期押圧力を失い、さらに温度が上昇すると弁座30aの反対側に湾曲して(図8の2点鎖線参照)前記弁体板71の開きを許容し、その後、温度上昇に比例して弁体板71の許容開度を大きくし、バイメタル板72が前記ストッパー73に当接したところで最大開度となって係止される。
図13における上下の破線はバイメタル板72の自由状態での反りを開度として示しており、かかる自由状態の変形分の下側が前記インシュレータ30の弁座30aにより、また上側は前記ストッパー73によって開度0%及び100%の状態に拘束されることとなる。
【0076】
従って、かかる参考例によれば、エンジン冷態状態からの始動時には、前記逆止弁70によって空気通路10bが閉じることにより、前記掃気用空気のシリンダ2内への供給が遮断され、層状掃気を行わないエンジンと同様に作動せしめることができ、これによりエンジンの加速時に過渡的に生ずる掃気用空気による空気過剰現象を防止して、高い加速性を確保することができる。
【0077】
2参考例を示す図12においては、インシュレータ30の弁座30aと接触する弁体板71と該弁体板71に接触するバイメタル板72´との2つの部材を重ね合わせ、前記参考例におけるストッパー73を除去して逆止弁75を構成している。
かかる実施例においては、前記弁体板71は前記参考例と同一の部材であり、バイメタル板72´は前記参考例におけるバイメタル板72よりも厚さを増して剛性を大きくしてストッパーの機能を持たせたものであり、エンジンの使用中における最高温度の近傍で、参考例におけるストッパー73と同様の湾曲が生ずるようになっている。
【0078】
即ちかかる2参考例においては、前記逆止弁75は、前記インシュレータ30の空気通路10b出口に形成された弁座30aに着脱して該空気通路10b出口を開閉する弁体板71と、前記シリンダ2を含むエンジン部材と接触して自由端部(下部)が常温時には前記弁座30a側に湾曲し温度上昇に従い弁座30aとは反対側に湾曲するとともに前記弁体板の開方向へのストッパーを兼ねたバイメタル板72´とを前記弁座30a側からこの順に片持ち状に重ね、その根元部を前記インシュレータ30に小ねじ74により固定した構造となっている。
【0079】
従って、かかる2参考例によれば、前記実施例及び前記参考例におけるストッパー73が省略されて、構造が簡単化されるとともに部品点数が低減される。
その他の構成は前記参考例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
【0080】
また、図示を省略したが、前記参考例及び2参考例において、逆止弁70及び75におけるバイメタル板72及び72´の接触部材72bを除去して該バイメタル板72及び72´の平面形状を前記弁体板71と同一に構成することもできる。
この場合は、逆止弁70及び75にシリンダ2からの直接の伝導熱を受けないため、バイメタル板72及び72´の温度上昇が遅れ、温度によって所定の変形をするまでの時間が長くなる特性を有する。
その他の構成は前記参考例及び2参考例と同様である。
【0081】
【発明の効果】
以上記載のごとく請求項1ないし12記載の発明によれば、空気通路と混合気通路との間を小通路面積の連絡通路にて連通しているため、混合気通路内の混合気が小通路面積の連絡通路を通って空気通路内に供給される。これにより、前記空気通路内を流れる空気中に混合気が混入され、掃気ポートからシリンダ内に供給される新気が空気過剰の状態になるのが回避されて、エンジンの急加速時における燃料濃度過薄化の発生が防止され加速性が改善される。
【0082】
また、高速運転時には、混合気通路内と空気通路内との圧力差が殆ど無くなるため、混合気通路内から前記小通路面積の連絡通路を通って空気通路内に流入する混合気も殆ど無く、従って先導空気中に混合気が含まれるのが回避されて、所要の排ガス性能を保持できる。
【0083】
さらに、エンジンの傾斜運転時においては、混合気通路内の混合気は、前記連絡通路を通って空気通路内に流入可能となっているため、混合気通路の下側になった部分に燃料が貯まり、これがエンジン姿勢の変化により急激にシリンダ内に吸引されることが無くなり、燃料過剰による燃焼不良の発生が防止される。
【0084】
また、本発明によれば、空気通路と混合気通路との間に、小通路面積の連絡通路を設けるという、複雑な構造の制御装置を装備することなく、きわめて簡単な装置で以って前記のような効果をなす層状掃気2サイクルエンジンを得ることができる。
【0085】
特に、請求項12のように構成すれば、前記連絡通路の一方を、前記逆止弁よりも下流側の空気通路と混合気通路との間に設けることにより、エンジンの傾斜運転時における、前記のような効果つまり、燃料過剰による燃焼不良の発生を防止できるとともに、前記連絡通路の他方を、前記逆止弁よりも上流側の空気通路と混合気通路との間に設けることにより、エンジン出力の低下を伴うことなく前記連絡通路の通路面積を大きく採ることが可能となり、急加速時の加速性能を向上することができる、という相乗効果が得られる。
【0086】
【0087】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施形態に係る空気先導式層状掃気2サイクルエンジンのシリンダ中心軸を含むクランク軸心に直角な断面図である。
【図2】 気化器ガスケットの正面図である。
【図3】 インシュレータの気化器ガスケット側端面図(図1のA−A矢視図)である。
【図4】 インシュレータとシリンダとの接続部近傍の拡大断面図(図1のZ部拡大図)である。
【図5】 インシュレータガスケットの正面図である。
【図6】 インシュレータのインシュレータガスケット側端面図(図4のB−B矢視図)である。
【図7】 前記連絡通路の参考例を示す図4対応図である。
【図8】 本発明の参考例に係る前記2サイクルエンジンにおける空気通路のインシュレータ周りの要部断面図である。
【図9】 図8のCーC矢視図である。
【図10】 逆止弁部の平面形状を示す図8における平面図である。
【図11】 インシュレータ及び逆止弁部の分解斜視図である。
【図12】 本発明の第2参考例を示す図8対応図である。
【図13】 バイメタルの温度特性線図である。
【符号の説明】
2 シリンダ
4 ピストン
5 クランクケース
5a クランク室
6 クランク軸
7 シリンダヘッド
8 点火プラグ
9a 掃気ポート
10 空気供給室
10a 空気分岐通路
10b 空気通路
11 エアクリーナ
12 気化器
13a 排気ポート
14 混合気制御弁
15 混合気通路
15a 吸気ポート
16 逆止弁
20 空気制御弁
25 燃焼室
30 インシュレータ
30a 弁座
41 インシュレータガスケット
42 気化器ガスケット
43、44、47、51、63 連絡通路
64 逆止弁
70、75 逆止弁
71 弁体板
72、72´ バイメタル板
73 ストッパー
74 小ねじ
109b 掃気通路開口部
109d、109e 掃気通路

Claims (12)

  1. シリンダ側部に排気ポートと掃気ポートとが設けられ、ピストンの上昇時に開口してクランク室内に混合気を供給する吸気ポートに連通される混合気通路と、前記掃気ポートに接続される掃気通路と、該掃気通路にエアクリーナからの掃気用空気を供給する空気通路と、前記掃気通路内の負圧により前記空気通路を開閉する逆止弁と、前記空気通路と前記混合気通路とが内部に並設されたインシュレータとを備えた空気先導式層状掃気2サイクルエンジンにおいて、前記空気通路と前記混合気通路とを連通し、該空気通路内の負圧により前記混合気通路内の混合気を前記空気通路に送給する小通路面積の連絡通路を備えたことを特徴とする層状掃気2サイクルエンジン。
  2. 前記連絡通路は、前記逆止弁よりも下流側の前記空気通路と前記混合気通路との間に設けられてなることを特徴とする請求項1記載の層状掃気2サイクルエンジン。
  3. 前記連絡通路を、前記インシュレータとシリンダとの取付面に介装されたインシュレータガスケットに形成したことを特徴とする請求項2記載の層状掃気2サイクルエンジン。
  4. 前記連絡通路を、前記インシュレータの、前記シリンダとの取付面に刻設したことを特徴とする請求項2記載の層状掃気2サイクルエンジン。
  5. 前記連絡通路を、前記シリンダの、前記インシュレータとの取付面に刻設したことを特徴とする請求項2記載の層状掃気2サイクルエンジン。
  6. 前記連絡通路は、前記逆止弁よりも上流側の前記空気通路と前記混合気通路との間に設けられてなることを特徴とする請求項1記載の層状掃気2サイクルエンジン。
  7. 前記連絡通路を、気化器と前記インシュレータとの取付面に介装された気化器ガスケットに形成したことを特徴とする請求項6記載の層状掃気2サイクルエンジン。
  8. 前記連絡通路を、前記インシュレータの、気化器との取付面に刻設したことを特徴とする請求項6記載の層状掃気2サイクルエンジン。
  9. 前記連絡通路を、前記気化器の、前記インシュレータとの取付面に刻設したことを特徴とする請求項6記載の層状掃気2サイクルエンジン。
  10. 前記連絡通路は、前記インシュレータまたは気化器またはシリンダの何れか一つの、空気通路と混合気通路との間を連通する小孔よりなることを特徴とする請求項1記載の層状掃気2サイクルエンジン。
  11. 前記小孔に、前記混合気通路側から空気通路側に向かう流れのみを許容する逆止弁を設けたことを特徴とする請求項10記載の層状掃気2サイクルエンジン。
  12. 前記連絡通路は、前記逆止弁よりも下流側の前記空気通路と前記混合気通路との間、並びに前記逆止弁よりも上流側の前記空気通路と前記混合気通路との間の2個所に設けられてなることを特徴とする請求項1記載の層状掃気2サイクルエンジン。
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