JP4301631B2 - 層状掃気2サイクルエンジン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クランクケース圧縮式層状掃気2サイクルエンジン、特に空気先導式層状掃気式エンジンにおける掃気通路構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
クランク室圧縮式2サイクルエンジンは、ピストンが上死点へ移動するときにクランクケース内に形成されるクランク室が負圧になることを利用して、該クランク室内に混合気を吸い込み、該ピストンが下死点方向に移動するときにピストンの裏側で圧縮されたクランク室内の混合気が掃気ポートの開口時にクランク室からシリンダ内に導入され、該混合気が燃焼ガスを排気ポートへ押し出しながらシリンダ内に充填されるようになっている。
この掃気工程では、掃気ポートと排気ポートの開いている区間が広範囲でオーバーラップしているため、燃焼ガスとともに約30%もの混合気が吹き抜けてしまい、このことが過大なTHC(全炭化水素)排出の主原因となり、燃料の浪費とともに排ガス公害を招いている。
【0003】
かかる混合気の吹き抜けを減少させるために、上記クランク室圧縮式2サイクルエンジンにおいては空気先導式層状掃気方式が提供されている。かかる掃気方式においては、ピストンが上死点に向かう吸気工程時にクランク室内に混合気が充填され、これと同時に空気が掃気ポートに連なる通路を通してクランク室内に吸い込まれて、該掃気ポートに連なる通路内に充填される。次いで、ピストンが上死点から下降する燃焼、排気工程中の掃気ポート開口時に、前記掃気ポートに連なる通路中の空気が掃気ポートからシリンダ内に混合気に先立って導入されて、燃焼排ガスを掃気し、その後に、混合気が掃気ポートからシリンダ内に導入される。かかる空気先導式掃気方式では、混合気の吹き抜けが、従来のエンジンの3分の1程度まで大幅に低減される。
【0004】
上記のような空気先導式層状掃気2サイクルエンジンについて、燃料制御弁(気化器)と空気制御弁とが一体になった構造のものが、特開平10−252565号において開示されている。かかる発明において、先導掃気を行なうための空気が通流する空気通路は、空気制御弁から導入された先導空気をシリンダ及びクランク室に供給する通路を空気制御弁の下流で掃気口と同数(2〜3個)に分岐して、ゴム等のチューブでシリンダの掃気口通路に連結し、それぞれの掃気口通路に備えられたリードバルブを通って、シリンダ及びクランクケースに設けられた通路に通じるように構成されている。
【0005】
かかる従来技術において、前記空気制御弁から導入された空気は、ピストンのシリンダ圧縮工程で一旦クランク室内に吸い込まれ、ピストンの下降工程の掃気時において、シリンダの掃気ポートからシリンダ内に掃気用の空気を先導する。
かかる従来技術においては、混合気の排気ポートへの吹き抜けを少なくするように、掃気過程の初期に掃気ポートから空気を早めにシリンダ内に供給して掃気し、この掃気用空気よりも若干遅らせてクランク室内の混合気を掃気ポートからシリンダ内に送入するようにした空気の供給手段が講じられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
クランク室圧縮式エンジンにおいて、掃気構造として前記空気先導式掃気方式を採用すれば、燃焼ガスとともに吹き抜ける混合気の量を減らし、過大なTHC(全炭化水素)の排出をなくし、燃料の浪費を抑制することが可能となる。
【0007】
しかしながら、特開平10−252565号にて提案された空気先導式層状掃気方式2サイクルエンジンにおいては、先導空気通路の構造は、掃気口と同数のゴム等のチューブとリードバルブが設けられている。このため、部品点数が多く、かつ組立工数が増大してコスト高となり、また、かかる空気通路配管がシリンダの外部に設けられるため、エンジンの軸方向寸法が大きくなる。
【0008】
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、空気先導式層状掃気方式の2サイクルエンジンにおいて、掃気通路の構造を簡単化して、部品点数を低減するとともに、組立工数を低減することにより、製造コストを低減し、さらに、エンジンを軽量小型化することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するため、請求項1記載の発明として、シリンダに排気ポート及び掃気通路を介してクランクケース内のクランク室に連通される掃気ポートを設け、 該クランク室には気化器からの混合気を供給するための混合気通路が開口されるとともに、該開口部には気化器側からのクランク室へ向かう流体のみ通過可能な第1の逆止弁を設け、エアクリーナからの空気が通流する空気通路を前記掃気通路の途中に接続して該掃気通路に空気を供給可能にした空気先導式層状掃気2サイクルエンジンにおいて、前記掃気ポートは、前記排気ポートに対してシリンダの周方向において、ほぼ直角位置に対向するように左右に設けられ、前記掃気通路は、該対をなす掃気ポートの夫々とクランク室とを接続するようにシリンダ及びクランクケースに形成され、前記クランクケースを前記シリンダの中心を含むクランク軸心に直角な面で2つ割りにして双方を突き合わせて構成し、該2つ割りの合せ面に含まれるように空気導入路を形成し、該空気導入路からシリンダの円周方向に沿って両方向に延び前記シリンダとクランクケース上面との合せ面に沿い、かつ合せ面により覆蓋されるように形成された溝形状の第1の空気通路を設け、該第1の空気通路を通って前記掃気通路の途中に空気が供給されるように構成して、該掃気通路との接続部に空気供給側からの気体のみを通過可能な第2の逆止弁を備えたことを特徴とする層状掃気2サイクルエンジンを提案する。
【0010】
請求項2〜記載の発明は、前記空気通路及び掃気通路の具体的構成に係るものである。
請求項2記載の発明は、前記第2の空気通路の具体的構成に係り、請求項1において、前記第1の空気通路の終端部に第2の空気通路が設けられ、該第2の空気通路は、前記第1の空気通路側の部位が前記シリンダとクランクケースとの合せ面に覆蓋された溝状に形成されるとともに、該覆蓋部からシリンダ内を経て、シリンダの側面と該側面に取付けられた空気通路ケースの内側とにより区画形成された空間に開口され、該空間に前記掃気通路との接続部が設けられてなる。
【0011】
請求項記載の発明は、前記掃気通路の具体的構成に係り、請求項2において、前記掃気通路は、前記左右の掃気ポートに接続されるとともに、前記第2の逆止弁を介して前記第2の空気通路に接続される対をなす第1の掃気通路と、該第1の掃気通路の夫々から前記第2の空気通路とシリンダ中心に関してほぼ対称の位置に円周方向に沿って延び、前記シリンダとクランクケースとの合せ面に覆蓋される溝状の対をなす第2の掃気通路と、前記クランクケースの2つ割りの合せ面に沿って該合せ面にシールされて形成され、前記第2の掃気通路とクランク室とを連通する第3の掃気通路とにより構成される。
【0012】
【0013】
かかる発明によれば、クランクケースをシリンダ中心を含むとクランク軸心に直角な面で2つ割りにして、該2つ割りの合せ面に沿うように、かつ該合せ面で覆蓋して空気導入通路を設け、該空気導入通路に接続される第1の空気通路をシリンダとクランクケースとの合せ面にて覆蓋して溝状に設け、該第1の空気通路と掃気通路の途中とを結ぶ第2の空気通路をクランクケース及び/又はシリンダの内部に形成し、各通路の外部との遮断はすべて合せ面にて覆蓋することによってなしているので、配管及び継手類は一切不要となり、格別なシール手段も不要となる。
これにより、従来のものに比べて、部品点数が大幅に減るとともに、継手部や専用のシール部が殆ど無いので、組立が極めて簡単となり、組立工数が低減される。
【0014】
また、クランクケースを2つ割りにして形成した合せ面及びシリンダとクランクケースの合せ面を利用して溝状に空気路及び掃気通路を形成したので、掃気工程別に先導空気及び混合気が充填される空気通路及び掃気通路の容積を大きく採ることができ、大容積の通路から空気が先導して掃気ポートからシリンダ内に吹き込まれて掃気作用をなし、次いで混合気が導入されることとなり、従来技術に比べて混合気の排気ポートへの吹き抜けが大幅に低減される。
【0015】
さらに請求項記載の発明は、請求項1において、空気制御弁を有する前記空気通路と前記気化器とを一体とするとともに、前記空気通路と気化器の混合気通路とを平行に設け、一体にされた前記空気通路と気化器の混合気通路と、クランクケースの空気供給口及び前記混合気通路の入口との間に、空気通路と混合気通路とを平行に配置したインシュレータ供給管を設けてなる。
【0016】
かかる発明によれば、空気通路及び混合気通路をインシュレータ内に平行に設けたことにより、格別な継手類を必要とせず、コンパクトな構造となるとともに、シール性も向上する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載される構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載が無い限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0018】
図1は本発明の実施形態に係る空気先導式層状掃気2サイクルエンジンのシリンダ中心軸を含むクランク軸心に直角な断面図、図2は図1のA−A線断面図、図3は該エンジンの掃気通路及びその近傍を示す斜視図である。
【0019】
図1〜図3において、2はシリンダ、4はピストン、6はクランク軸、5はクランクケースである。該クランクケース5はシリンダ中心軸50を含むクランク回転面(クランク軸心60に直角な面)で2つ割りし、これを突き合わせて組み合わせた構造となっている(気体導入側から見て右側を5a、左側を5bとする)。5dは両クランクケース5a,5bの合せ面である。また、5cはクランクケース5に囲まれて形成された空間であるクランク室である。3はピストン4とクランク軸6とを連結するコネクティングロッド、7はシリンダヘッド、25はシリンダ2内に形成された燃焼室、8は点火プラグ、11はエアクリーナ、12は気化器である。
【0020】
15は前記気化器12からクランク室5cに接続される混合気通路である。該混合気通路15の上流側には気化器12に組込まれた混合気流量制御用の絞り弁14が設けられている。
【0021】
30はエンジン本体側と吸気系とを熱的に遮断するためのインシュレータであり、該インシュレータ30はクランクケース5の側面に固定される。110は前記エアクリーナ11とインシュレータ30とを接続する気化器12と一体の空気通路管で、該空気通路管110には空気通路面積を変化させる空気制御弁20が設けられており、該空気制御弁20は気化器12の絞り弁14と連動するようになっている。
【0022】
前記インシュレータ30内部の上側には空気通路10、下側には前記混合気通路15が形成され、該混合気通路15のクランク室5c側には、クランク室5c方向への混合気の流れのみ通過を許容するリード弁式の逆止弁16が取付けられている。
【0023】
前記空気通路10はクランクケース5に設けられた空気取り入れ通路である空気通路10aに連結されている。該空気通路10aは、クランクケース5のシリンダ2との合せ面2aにシリンダ2の円周に沿って対称に溝形状に設けられた空気通路10b(第1の空気通路)とつながり、該空気通路10bはシリンダの合せ面2aにより気密に蓋されている。
【0024】
シリンダ2のクランクケース5との合せ面2aには、クランクケース5の空気通路10bの端末部に合わせてシリンダ2の空気通路10c(第2の空気通路)が開口している。該空気通路10cはシリンダ2の側面にも開口している。
18はシリンダ2の側面に固着された空気通路ケースで、該ケース18の内側には空気通路10dが形成されている。そして該空気通路10dには前記第2の空気通路10cが連通されている。
【0025】
13aはシリンダ2内に開設された排気ポート、13は該排気ポート13aに接続される排気通路である。
また9aは前記排気ポート13aに対向する位置に開設された掃気ポート、9は該掃気ポート9aとクランク室5cとを接続する掃気通路である。
【0026】
109aはシリンダ2の排気ポート13aとほぼ直角方向の部位に2個対向するように設けられた排気ポートで、前記対をなす掃気ポート109aの夫々は、シリンダ2に斜め方向に設けられた掃気通路109e(第2の掃気通路)、該掃気通路109eと前記空気通路10dの合流場所である掃気通路109f(第1の掃気通路)、クランクケース5のシリンダ2との合せ面2aに設けた空気通路109c(第3の掃気通路)、クランクケースの合せ面5dに平行対称にクランクケース5の壁の外側に弧状に形成された大容積の掃気通路109d(第4の掃気通路)、及びクランク室5cの下側に開口する掃気連通孔109bを介してクランク室5cと連通されている。
【0027】
前記掃気通路109fはシリンダ2の両側面にも開口し、その開口部は空気通路10cの開口部と同じ高さ位置となっている。1対の空気通路ケース18は、シリンダの対称な両側面の空気通路10cの開口部と、掃気通路109fの開口部とを覆って気密に取付けられている。また、前記空気通路ケース18内の空気通路10dは、前記空気通路10cと、掃気通路109fとを連設している。また、前記空気通路ケース18の掃気通路109f側には空気供給側からの空気の流れのみ通過を許容する逆止弁17が取付けられている。
かかる掃気通路及び空気通路を備えた2サイクルエンジンにおいては、先導空気用の通路と掃気通路とをクランクケース5及びシリンダ2の合せ面2aあるいは5dを利用して形成しているので、従来のものよりも部品点数が減るとともに、組立が容易となり、組立工数を減少することができる。
【0028】
かかる構成からなる空気先導式層状掃気エンジンの運転時において、燃焼室25内の爆発圧力によりピストン4が下降し、排気ポート13aが開くと、該燃焼室25内の燃焼ガス(排気ガス)は排気ポート13aを通って排気通路13へ排出され、マフラ(図示省略)を通って外気へ放出される。
ピストン4がさらに下降すると、左右の掃気ポート109a,109aが開口し、掃気通路109d、対をなす左右の掃気通路109c,109f及び109f、109e及び109eに溜められていた空気が、図2及び図3の1点鎖線で示す矢印のように、該掃気ポート109a,109aから燃焼室25内に流入して燃焼ガスを排気ポート13a側へ押し出す。
【0029】
次いで、クランク室5a内の混合気が掃気通路開口部109b、掃気通路109d、対をなす左右の掃気通路109c及び109c、109f及び109f、109e及び109eを経て、掃気ポート109a,109aから燃焼室25内に流入する。このとき、混合気は排気ポート13と対向する側の掃気通路9を通って掃気ポート9aからも燃焼室25内に流入する。
【0030】
ピストン4が下降して、下死点にある状態では、排気ポート13a、左右の掃気ポート109a,109aは開口していて、燃焼室25内への空気及び混合気の供給は終了、あるいは終了しようとしている。ピストン4が下死点から上昇すると、ピストン4によって左右の掃気ポート109a,109aが閉じてクランク室5c内が密閉空間となり、膨張即ち圧力の低下が始まる。
【0031】
ピストン4がさらに上昇すると、排気ポート13aが閉じられ、燃焼室25内の混合ガスの圧縮が始まる一方、クランク室5c内の圧力はさらに低下する。ピストン4の上昇により、クランク室5c内が負圧になると逆止弁16が開き、気化器12で生成され、絞り弁14で流量制御された混合気通路15からクランク室5c内に供給される。
【0032】
前記のクランク室5c内の圧力の低下は、掃気通路開口部109b、掃気通路109d、左右の掃気通路109cを経て掃気通路109f,109fにも伝わるので、逆止弁17,17が開弁し、後述する作用によって供給された空気が、図2及び図3の実線矢印のように、空気通路10から空気通路10a、左右の対をなす空気通路10b及び10b、10c及び10c、10d及び10dから逆止弁17を経て、さらに、左右の掃気通路109f及び109f、109c及び109c、109dを通り、掃気通路開口部109bよりクランク室5c内に流入する。
【0033】
ここで、左右の掃気ポート109a,109aからクランク室5cに至る掃気通路109e及び109e、109f及び109f、109c及び109c、109dは図1及び図3に示すように、長さが長く、容積の大きな掃気通路を構成しているため、該掃気通路に供給された空気は、先ずこのような長い掃気通路に充満した後で、クランク室5cに流入することになる。
【0034】
ピストン4が圧縮上死点近傍になると、点火プラグ8によって燃焼室25内に火花放電され、圧縮された混合気に着火、燃焼が行なわれる。この燃焼により、発生する圧力でピストン4が押し下げられ、クランク軸6に回転トルクが生じる。
【0035】
ピストン4が下降して排気ポート13aが開口すると、燃焼室25内の燃焼ガスは排気ポート13aから排気通路13に流れ、次いでマフラ(図示省略)を経て外部に排出される。
一方、ピストン4の下降により、クランク室5c内の気体はピストン4の裏側で圧縮され、ピストン4がさらに下降して左右の掃気ポート109a,109aが開口すると、前記のようにしてクランク室5c内に供給されていた混合気が掃気通路開口部109b、掃気通路109d、左右の掃気通路109c及び109c、109f及び109f、109e及び109eを経て、左右の掃気ポート109a,109aから燃焼室25内に吹き込まれ、該燃焼室25内の燃焼ガス(排気ガス)を排気ポート13aから押し出す掃気作用がなされる。
【0036】
かかる掃気作用時において、掃気通路109d、109c及び109c、109f及び109f、109e及び109eの内部には、当初は空気が充満しているため、掃気作用の始まりから一定期間内においては、左右の掃気ポート109a,109aから燃焼室25内へは空気によって掃気作用がなされ、その後にクランク室5c内の混合気が、掃気通路109d、109c及び109c、109f及び109f、109e及び109eを経て、掃気ポート109a,109aから燃焼室25内に吹き込まれる。
以上のような工程が繰り返し行なわれてエンジンが運転され、動力を発生する。
【0037】
上記のように、ピストン4が上死点に向かう吸気工程時に、空気をクランクケース5の空気通路、シリンダ2とクランクケース5の大容量の掃気通路109dを通して、クランク室5cに導入し、同時にシリンダ2の混合気通路から混合気をクランク室5cへ導入し、排気工程後の掃気工程ではクランクケース5及びシリンダ2の掃気通路の空気が先導して掃気を行ない、次いでクランク室5c内の混合ガスがシリンダの燃焼室に導入されるようにすることにより、燃焼ガスと共に排出される混合気の量を減らし、過大なTHC(全炭化水素)排出をなくし、燃料の浪費を抑制することができる。
【0038】
【発明の効果】
以上記載のごとく、本発明によれば、掃気通路及びこれに接続される先導空気用の空気通路を、シリンダ及びクランクケース内部の他、クランクケースを2つ割りにした合せ面、及びシリンダとクランクケースとの合せ面に沿って溝状に形成して、該合せ面を利用し覆蓋しているので、配管及び継手類が不要となり、格別なシール手段も不要となる。これにより、従来技術に比べて部品点数が大幅に低減されるとともに、組立が容易となって組立工数が低減され、コストダウンが実現でき、さらにはエンジンを軽量、小型化できる。
【0039】
さらに、前記のように、合せ面を利用して溝状空気通路及び掃気通路を形成するので、先導空気及び混合気が通流する通路の容積を大きく採ることが可能となり、多量の先導空気をシリンダ内に供給した後に混合気を供給できる。これによって混合気の吹き抜けを抑制でき、過大なTHC(全炭化水素)の排出が回避されるとともに、燃料の浪費を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る空気先導式層状掃気2サイクルエンジンのシリンダ中心を含むクランク軸心に直角な断面図である。
【図2】 図1のA−A線断面図である。
【図3】 上記実施形態における掃気通路及びその近傍の配置を示す斜視図である。
【符号の説明】
2 シリンダ
2a 合せ面
2c 合せ面
4 ピストン
5a,5b クランクケース
5d 合せ面
6 クランク軸
7 シリンダヘッド
8 点火プラグ
9 掃気通路
9a 掃気ポート
10 空気通路
10a,10d 空気通路
10b 第1の空気通路
10c 第2の空気通路
11 エアクリーナ
12 気化器
13 排気通路
13a 排気ポート
14 絞り弁
16,17 逆止弁
18 空気通路ケース
20 空気制御弁
25 燃焼室
30 インシュレータ
109a 掃気ポート
109b 掃気通路開口部
109c 第3の掃気通路
109d 掃気通路
109e 第2の掃気通路
109f 第1の掃気通路

Claims (4)

  1. シリンダに排気ポート及び掃気通路を介してクランクケース内のクランク室に連通される掃気ポートを設け、
    該クランク室には気化器からの混合気を供給するための混合気通路が開口されるとともに、該開口部には気化器側からのクランク室へ向かう流体のみ通過可能な第1の逆止弁を設け、エアクリーナからの空気が通流する空気通路を前記掃気通路の途中に接続して該掃気通路に空気を供給可能にした空気先導式層状掃気2サイクルエンジンにおいて、
    前記掃気ポートは、前記排気ポートに対してシリンダの周方向において、ほぼ直角位置に対向するように左右に設けられ、前記掃気通路は、該対をなす掃気ポートの夫々とクランク室とを接続するようにシリンダ及びクランクケースに形成され、
    前記クランクケースを前記シリンダの中心を含むクランク軸心に直角な面で2つ割りにして双方を突き合わせて構成し、該2つ割りの合せ面に含まれるように空気導入路を形成し、
    該空気導入路からシリンダの円周方向に沿って両方向に延び前記シリンダとクランクケース上面との合せ面に沿い、かつ合せ面により覆蓋されるように形成された溝形状の第1の空気通路を設け、
    該第1の空気通路を通って前記掃気通路の途中に空気が供給されるように構成して、該掃気通路との接続部に空気供給側からの気体のみを通過可能な第2の逆止弁を備えたことを特徴とする層状掃気2サイクルエンジン。
  2. 前記第1の空気通路の終端部に第2の空気通路が設けられ、該第2の空気通路は、前記第1の空気通路側の部位が前記シリンダとクランクケースとの合せ面に覆蓋された溝状に形成されるとともに、該覆蓋部からシリンダ内を経て、シリンダの側面と該側面に取付けられた空気通路ケースの内側とにより区画形成された空間に開口され、該空間に前記掃気通路との接続部が設けられてなる請求項1記載の層状掃気2サイクルエンジン。
  3. 前記掃気通路は、前記左右の掃気ポートに接続されるとともに、前記第2の逆止弁を介して前記第2の空気通路に接続される対をなす第1の掃気通路と、該第1の掃気通路の夫々から前記第2の空気通路とシリンダ中心に関してほぼ対称の位置に円周方向に沿って延び、前記シリンダとクランクケースとの合せ面に覆蓋される溝状の対をなす第2の掃気通路と、前記クランクケースの2つ割りの合せ面に沿って該合せ面にシールされて形成され、前記第2の掃気通路とクランク室とを連通する第3の掃気通路とにより構成される請求項2記載の層状掃気2サイクルエンジン。
  4. 空気制御弁を有する前記空気通路と前記気化器とを一体とするとともに、前記空気通路と気化器の混合気通路とを平行に設け、一体にされた前記空気通路と気化器の混合気通路と、クランクケースの空気供給口及び前記混合気通路の入口との間に、空気通路と混合気通路とを平行に配置したインシュレータ供給管を設けてなる請求項1記載の層状掃気2サイクルエンジン。
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