JP4153388B2 - 試料測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、試料測定方法に関するものであって、電子顕微鏡、特に透過型電子顕微鏡による試料測定方法に関するものである。
薄膜の膜厚測定や組成分析には蛍光X線分析が広く利用されており(例えば、非特許文献1参照)、また、薄膜の結晶構造評価方法にはX線回折法や電子線回折法などが知られている。
上記蛍光X線分析により薄膜の膜厚を測定する場合には薄膜の密度を正確に知る必要があるが、実際の密度と文献値とが異なる場合が多く正確な測定は難しい。また、測定すべき試料である薄膜が多層膜の場合には、各層からのX線量を正確に見積もる必要があるため、各層に同じ元素が存在する場合には正確な膜厚測定や組成分析が困難である。
また、X線回折法で結晶構造評価をする場合には、試料が多層膜であるとピークが重なり判別が難しく、試料が極めて薄いとピーク強度が小さくなり検出が困難である。
一方、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope : TEM)を用いれば、電子ビームを用いて試料の透過像を観察することから、試料の膜厚をより正確に測定することができる。更に、TEMの電子線回折機能を用いれば高い空間分解能で結晶構造の評価が行えると共に、多層膜や極薄膜の結晶構造の評価も行うことが可能である。更に、TEMに付属しているエネルギー分散型分析装置を用いることで試料の組成分析を行うこともできる。
上記TEMを用いて試料の膜厚測定や結晶構造を評価する場合には、試料の厚さを電子ビームが透過できるように十分薄くする必要がある。TEM用の試料は、イオンミリング法や収束イオンビーム(Focused Ion Beam : FIB)法等を用いて作製されることが知られている。(例えば、非特許文献2、特許文献1、特許文献2参照)
日本分析化学会編「機器分析ガイドブック」丸善株式会社 平成8年7月10日 p138, p142 日本表面科学会編「透過型電子顕微鏡」丸善株式会社 平成13年4月15日 p33―42 特開平5−231997号公報 特開平10−19751号公報
しかしながら、イオンミリング法やFIB法などを用いて試料を薄膜化してTEMで測定可能な薄膜試料を作製する場合には、試料調整が困難なため試料調整に多くの労力と時間とを要し、また、試料調整ができないこともあった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、電子顕微鏡を用いて測定する試料を簡易に作製でき試料測定が容易な試料測定方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る試料測定方法は、電子顕微鏡による試料測定方法であって、基体の主表面上の凸部上に試料を成膜する成膜工程と、凸部の側方から試料に電子ビームを照射する電子ビーム照射工程と、電子ビームが照射された試料から発生、反射又は透過した電子ビームを検出する測定工程とを備えることを特徴とする。
この場合には、基体の主表面上の凸部上に試料が成膜されるため、凸部上の試料を薄膜とすることができる。そのため、測定すべき試料をイオンミリング法やFIB法などにより薄膜化する工程を経ずに、電子ビームを凸部の側方から試料に照射するだけで試料測定を実施することが可能である。
また、本発明に係る試料測定方法においては、上記凸部を、イオンビームアシステッド化学気相堆積法又は電子ビームアシステッド化学気相堆積法により主表面上に形成することが望ましい。
ここで、収束イオンビームアシステッド化学気相堆積(Chemical Vapor Deposition : CVD)法又は電子ビームアシステッドCVD法とは、次に示す手法により上記凸部のような3次元微細構造を形成する技術である。すなわち、凸部を形成すべき基体の主表面上にデポジションガスを供給すると共にそのデポジションガス中を収束イオンビーム又は電子ビームによって走査(スキャン)する。これにより、収束イオンビーム又は電子ビームが照射された領域においてデポジション膜が順次積層されて凸部が形成される。
上記のようにイオンビームアシステッドCVD法(又は電子ビームアシステッドCVD法)により凸部を形成しているため、収束イオンビーム(又は電子ビーム)の走査領域を変えることで凸部の大きさを調整することが可能である。
更に、本発明に係る試料測定法においては、試料は、複数の膜を、凸部上の表面に、凸部側から順に積層した多層膜であっても良い。
このように試料が多層膜である場合には、成膜工程において、試料を成膜した後、前記試料のうち凸部における電子ビームの照射方向に順に位置する互いに対向する2つの側面よりも外側に付着している部分を除去し、電子ビーム照射工程において、上記試料のうち2つの側面よりも外側に付着している部分が除去された試料に電子ビームを照射することが好ましい。
これにより、試料のうち凸部の上記互いに対向する2つの側面よりも外側での多層膜間の重なりが除去され、試料側面に多層膜の積層構造が露出する。そのため、電子顕微鏡で得られた観察像の各層ごとのコントラストを高くすることが可能である。
また、本発明に係る試料測定法においては、凸部及び試料の界面と、主表面との間の距離は0.5μm以上であり、凸部において、前記界面における電子ビームの照射方向の長さは0.2〜1μmであることが試料測定を容易にする観点から好ましい。
更に、本発明に係る試料測定方法においては、電子顕微鏡が透過型電子顕微鏡であって、測定工程において、試料を透過した電子ビームを検出することが考えられる。
本発明によれば、電子顕微鏡で測定する試料を簡易に作製でき試料を容易に測定することが可能である。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明においては、同一の要素には同一の符号を用いることとし重複する説明は省略する。また、図面の寸法比率は説明のものと必ずしも一致しない。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る測定用試料基材10の構成を概略的に示す斜視図である。なお、本実施形態では透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope : TEM)に関する実施形態を示す。
測定用試料基材10は、TEMで測定する試料Sを設けるための基材である。測定用試料基材10は半円板状であってCu、Be、Mo等から構成される基体11を有する。
基体11の厚さtは、例えば、約30μm〜40μmであり、直径dは、例えば、約3mmである。また、基体11の端面(主表面)11a上には把持部12及び凸部13が設けられている。
把持部12は、端面11aの一方の端部側に設けられており、把持部12の形状は扇形が例示される。把持部12は基体11と同じ材料であって基体11と一体成形されている。なお、基体11の直径dは、TEMで用いられる試料台として標準的な2.3〜3.05mmであることは好適である。これにより基体11の汎用性が富むからである。
図2は凸部13の拡大斜視図である。
凸部13は、測定用試料基材10の端面11aにおいて把持部12が形成されていない領域に形成されている。凸部13の形状は板状であって、端面11aの長手方向に延びている突条である。
ただし、凸部13は必ずしも突条でなくても、基体11の端面11aと凸部13の基体11側と反対側の端面13aまでの距離である高さHは、例えば、0.5μm以上であり、凸部13の厚さDは、例えば、0.2μm〜1μmであれば良い。ここで、凸部13の厚さDとは、端面13aにおける互いに対向する1組の辺14,15間の距離である。
また、凸部13において、互いに対向する他の2つの側面13d,13e間の距離である幅Wは、例えば、0.01〜20μmである。
なお、凸部13の厚さDが0.2μm〜1μmであれば、側面13b(又は側面13c)に略直交する平面で凸部13を切断した場合の断面形状は特に限定されない。断面形状は、例えば、側面13bと側面13cとの距離が端面13a側よりも基体11側で長いテーパ状であっても、側面13bと側面13cとの距離が端面13a側よりも基体11側で短い逆テーパ状であっても良い。
凸部13の端面13a上には試料Sが成膜される。このように凸部13上に試料Sが成膜されるため、凸部13は、基体11と同じ材料、又は、熱的に安定で試料Sとの反応性が低い材質から構成されていることが試料Sを適切に測定する観点から好適である。凸部13の材質としては、例えば、W、Pt、Cなどである。
凸部13は、収束イオンビーム(Focused Ion Beam : FIB)装置を用いて3次元微細構造物を形成するイオンビームアシステッド化学気相堆積(Chemical Vapor Deposition : CVD)法、又はFIB−CVD法と呼ばれる手法により形成される。
図3は、イオンビームアシステッドCVD法に用いられるFIB装置20の構成を概略的に示す模式図である。
FIB装置20は、イオン光学系21、制御系22、及び、デポジションガスを噴出するノズル23を有している。イオン光学系21は、照射部21A、収束部21B及び検出部21Cから構成される。
照射部21Aは、イオン源を有しておりイオンビームIを生成する。イオンとしては、例えば、Gaイオン、Csイオン、Auイオンが用いられる。
収束部21Bは、コンデンサレンズ及び対物レンズを含んで構成されており、照射部21Aで生成されたイオンビームIを収束イオンビームIとして基体11の端面11a上に照射する。なお、収束部21Bは、収束イオンビームIの向きを変える機能を有しており、収束イオンビームIで端面11a上を走査できるようになっている。
検出部21Cは、端面11a上の収束イオンビームIが照射された領域から放出される2次電子Eを検出し画像信号として出力する。
制御系22はFIB装置20の種々の機能を制御するものであり、検出部21Cで得られた信号を画像にしてモニタに表示させる信号処理機能、デポジションガスの供給量を制御する機能、並びに、収束イオンビームIのサイズの変更及び観察像倍率を切り替える機能等を有している。
また、ノズル23はその出射口を端面11aへ向けて設けられており、凸部13を形成する材料となるデポジションガスGを端面11a上に供給する。
なお、FIB装置20は、上述した構成要素以外にも一般に知られているFIB装置が有している構成要素を備えているが、本発明に係る実施形態の説明を簡便におこなう便宜上、それらの図示及び説明は省略している。また、図3においては、凸部13を形成する場合の加工対象物である基体11を模式的に表しており、把持部12は省略している。
図4は、凸部13を形成する工程を示す工程図である。
凸部13を形成する場合、先ず、基体11の端面11aに、ノズル23からデポジションガスGを噴射する。また、イオン光学系21において、照射部21AからイオンビームIを出力させて収束部21Bに入射する。そして、イオンビームIを収束部21Bによって収束イオンビームIとして端面11aに照射する。
ここで、端面11a上において収束イオンビームIが基体11に衝突した際に基体11から放出される2次電子、又は、収束イオンビームIによってデポジションガスGが分解され、端面11a上に分解された成分が到達する。
そして、収束イオンビームIによって基体11の端面11a上が走査(スキャン)されると、収束イオンビームIが照射された領域にデポジション膜が形成される。収束イオンビームIの走査を、凸部13を形成すべき領域で繰り返すことによりデポジション膜が順次積層して凸部13が形成される。
なお、凸部13の形成効率は、凸部13を形成すべき領域におけるデポジションガスGの濃度が高く、端面11aでの2次電子発生量が高いほど良い。2次電子発生量はイオン照射量が大きいほど良いが、イオン照射量を多くすると端面11aのエッチングレートが高くなるため凸部13の形成効率を下げる。
そのため、凸部13形成においては、供給されるデポジションガス量やイオン照射領域に応じて最適なイオン照射量で形成することが望ましい。デポジションガス量やイオン照射量は、制御系22で制御される。
図5は、上記手法により形成された基体11上の凸部13の電子顕微鏡写真図である。
図5の凸部13の高さHは約2.7μm、幅Wは約7.7μm、厚さDは、約0.26μmである。凸部13は、炭素(C)から構成されている。
図6は、測定用試料基材10上に形成された試料Sを観察するためのTEM30を示す模式図である。
図6を参照して、上記測定用試料基材10を用いたTEM30による本実施形態に係る試料測定方法を説明する。先ず、測定用試料基材10の凸部13の端面13a上に試料Sを成膜してから、測定用試料基材10をTEM30内に配置する。試料Sは、例えば、スパッタなどにより所望の材質の試料を成膜すれば良い。なお、試料Sは単層膜でも多層膜でも良いが、ここでは簡単のため単層膜について説明する。
TEM30は、電子発生装置31、電子検出装置32及びエネルギー分散型(EDS)分析装置33を備えている。その他、TEM30には各種観察/分析機能(例えば、走査型電子顕微鏡機能)が備えられているが、本実施形態の説明の簡便化のため図示及び説明は省略する。
電子発生装置31は電子銃及び収束レンズなどから構成されており電子ビームを出力する。電子検出装置32は対物レンズ、投影レンズ、蛍光スクリーン及び撮像装置などから構成されている。また、電子検出装置32は、通常TEMに付属している電子線回折機能を有している。EDS分析装置33は、試料Sから放出されるX線Rを検出してエネルギー分析する装置であって、通常TEMに付属しているEDS分析装置である。
測定用試料基材10は、電子発生装置31と電子検出装置32との間に電子発生装置31から出力される電子ビームE1が、凸部13の側方(すなわち、側面13b,13cに略直交する方向)から試料Sに入射されるようにセットされる。
測定用試料基材10が上記のようにセットされた状態で、電子発生装置31から電子ビームE1を出力し、凸部13の側方から試料Sに電子ビームE1を照射する。そして、電子ビームE1のうち試料Sを透過した電子ビームE2は電子検出装置32で検出される。より具体的には、電子検出装置32において、電子検出装置32に入射した電子ビームE2に基づいて蛍光スクリーン上に像が形成される。この像から各層の膜厚を測定することができる。
更に、電子検出装置32の電子線回折機能を用いることで試料Sの電子線回折像を得ることができ、試料Sの結晶構造を評価することが可能である。また、試料Sに入射した電子ビームE1によって試料Sから放出されるX線RはEDS分析装置33で検出される。これにより、試料Sの組成が分析される。
以上述べたように、TEM30に付属している種々の機能を用いることで、試料Sの膜厚をより正確に測定できると共に、結晶構造評価、及び組成分析が可能である。なお、上記試料測定方法では、試料Sを透過した電子ビームE2を検出しているが、例えば、TEM30に走査電子顕微鏡機能が付属している場合には、試料Sから発生、反射した電子ビーム等を検出しても良い。
図7は、図5の電子顕微鏡写真図に示す測定用試料基材10に試料Sを成膜した場合の凸部13の走査電子顕微鏡写真図である。なお、図7の試料Sは単層膜である。
また、図8(a)は、厚さDが0.25μmであって炭素から構成した凸部13上に試料SとしてZnS膜を成膜した場合の透過型電子顕微鏡写真図である。
図8(a)より凸部13上の試料Sの透過像が得られており、試料Sと凸部13との界面コントラストが適切に得られており、試料Sの膜厚を測定できることがわかる。
図8(b)は、図8(a)の符号Aの位置での電子線回折像である。
図8(b)から試料Sの電子線回折像も取得可能であって、結晶構造を評価できることが理解される。
上述したように、電子ビームE1が入射される方向の厚さDが、例えば、0.2μm〜1μmである凸部13上に試料Sを成膜していることから、試料Sは、TEM30で測定可能な薄膜となる。
したがって、測定用試料基材10に試料Sを成膜した後に、測定用試料基材10をTEM30にセットすれば試料Sを測定することができる。そのため、従来のように先ず測定すべき試料を用意した後に、イオンミリング法やFIB法などを用いて薄膜化してTEM30用の試料を作製する工程を経ずに、試料Sを測定可能である。言い換えれば、上記測定用試料基材10を用いた測定方法により、従来よりも簡易にTEM30用の試料を作製でき、試料測定を容易に実施できる。
また、TEM30により試料Sの透過像を得て膜厚を測定するため、文献値の密度などを用いてデータ解析してから膜厚を算出する蛍光X線分析よりも正確に膜厚を測定できる。更に、TEM30に付属している電子線回折機能及びEDS分析装置33を併用することで、試料の結晶構造解析及び組成分析も実施することができる。
また、凸部13と試料Sとの界面と端面11aとの距離である高さHが0.5μm以上であり、試料Sは端面11aから0.5μm以上離れた位置に保持されているので、測定用試料基材10をTEM30にセットした場合に、試料Sに電子ビームE1を照射しやすく試料Sの測定が容易である。なお、上記説明では試料Sは単層膜としているが、上述したように試料Sは、複数の膜を、凸部13上の表面に、凸部13側から順に積層した多層膜でも良い。
図9(a)は、電子ビームE1の入射方向に沿って位置している凸部13の側面13b,13cに略直交する平面で試料Sを切断した場合の拡大断面図である。
図9(a)から理解されるように試料Sは、凸部13上に、例えば、Al膜S、SiO膜S、Al膜Sが凸部13側から順に積層された多層膜である。試料Sがこのような多層膜であっても、透過像から膜厚を測定するため、蛍光X線分析よりも各層の膜厚を正確に測定することが可能である。
図9(b)は、図9(a)のIXb-IXb線の位置において端面11aに略平行な平面で試料Sを切断した場合の拡大断面図である。
試料Sが図9(a),(b)に示すように多層膜であって、試料Sのうち凸部13の側面13b,13cよりも外側に付着している部分がある場合について説明する。
なお、側面13b,13cよりも外側に付着している部分とは、試料Sのうち側面13bを含む平面αからみて側面13c側と反対側の部分、及び、試料Sのうち側面13cを含む平面βからみて側面13bと反対側の部分の意味である。以下では、説明の簡単化のため便宜上、平面α,βよりも外側の試料Sを平面α,βに付着した部分とも称す。
試料Sのうち、凸部13の側面13b,13cよりも外側に付着している部分がある場合には、次の加工をすることが好ましい。
すなわち、その平面α,β上に付着した部分(言い換えれば、試料Sにおいて凸部13からはみ出している領域)をFIB法やイオンミリング法を用いて除去してから、平面α,β上に付着している部分が除去された試料Sに電子ビームE1を照射して測定することが好適である。このような付着部分の除去方法は、除去量が極めて少ないため、通常の基板から断面観察試料を加工する方法よりもはるかに良好な作業効率が得られる。
これにより、試料Sのうち側面13b,13cよりも外側の部分の各層の重なりが除去されて積層構造が露出する。そのため、TEM30による透過像のコントラストが向上し各層の膜厚をより正確に測定することができる。
この場合、FIB法やイオンミリング法で試料Sを除去しているが、除去すべき領域が少ないため、従来のように試料を薄膜化してTEM30用の試料とする場合に比べて加工に要する時間を短くすることが可能である。
また、図1では、端面11aに凸部13を1つ形成しているが、基体11の端面11a上に複数の凸部13を形成することも可能である。また、測定用試料基材10には、把持部12が1つ形成されているとしたが、端面11aの長手方向における両端部に夫々把持部が設けられていても良く、更に把持部は形成されていなくても良い。
更に、凸部13は、収束イオンビームIを用いたイオンビームアシステッドCVD法により形成しているが、収束イオンビームIの代わりに電子ビームを用いた電子ビームアシステッドCVD法を用いることは更に好ましい。この場合には、電子ビームを用いているため、凸部13に収束イオンビームIのイオンが含まれない。これにより耐熱性に優れた凸部13を形成することができる。
(第2の実施形態)
図10は、第2の実施形態に係る測定用試料基材の概略構成を示す斜視図である。
測定用試料基材40は、基体41の形状が半円板状ではなく略四角形の板状である点で第1の実施形態の基体11と相違する。基体41は、例えば、約2mm角のSi基板である。基体41の表面(主表面)41a上には凸部13が形成されている。凸部13の幅Wは、第1の実施形態と同様でも良いが、例えば、100μmである。厚さD及び高さHは、第1の実施形態と同様である。
図11は、測定用試料基材40の作製工程を示す模式図である。
測定用試料基材40を作製する場合、先ず、Siウェハ50の表面50a上に複数の凸部13を、イオンビームアシステッドCVD法によって形成する。そして、Siウェハ50を、各凸部13を含む約2mm角に分割して複数の測定用試料基材40を作製する。なお、凸部13は、電子ビームアシステッドCVD法で形成することがより好ましいのは第1の実施形態の場合と同様である。
図12は、上記測定用試料基材40を用いたTEM30による試料Sの測定方法を示す模式図である。
測定用試料基材40を用いて試料Sを測定する場合、先ず、上記測定用試料基材40の凸部13上に試料Sを成膜した後に、測定用試料基材40を支持台60の先端部61に固定する。そして、第1の実施形態と同様にして凸部13の側方から試料Sに電子ビームE1を照射し、試料Sを透過した電子ビームE2を検出する。なお、試料Sは、第1の実施形態と同様に単層膜でも多層膜でも良い。
この場合には、Siウェハ50上に凸部13を予め形成してから各基体41に分割するため、測定用試料基材40を容易に大量製造することができる。
上記実施形態では、測定用試料基材40を作製した後に凸部13上に試料Sを成膜しているが、Siウェハ50上に複数の凸部13を形成した後に各凸部13上に試料Sを成膜してから、各測定用試料基材40に分割しても良い。この場合には、各測定用試料基材40上の試料Sを測定することにより、Siウェハ50の面内における試料Sの膜厚分布を得ることができる。
なお、上記説明では、測定用試料基材40の基体41は、約2mm角のSi基板としたが、TEM30にセット可能ならば2mm角でなくても良い。また、Si基板でなくても良い。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが本発明は上記第1及び第2の実施形態に限定されない。例えば、イオンビームアシステッドCVD法及び電子ビームアシステッドCVD法で形成された凸部13上に成膜された試料をTEMで測定しているが、基体11、41の主表面上に他の手法で形成された凸部13上に成膜された試料Sを測定しても良い。
凸部13を形成する他の手法としては、イオンミリング法や収束イオンビーム法などで基体11,41を加工することが例示される。ただし、イオンビームアシステッドCVD法又は電子ビームアシステッドCVD法で形成する方が、凸部13の大きさ等をより正確に調整できる観点から好適である。
また、基体11,41夫々は半円板状、板状としたがTEMにセットできるものであれば特にその形状は限定されない。ただし、TEM用として一般的な寸法を有する基体は、汎用性がある点から好適である。
更にまた、凸部13において、基体11側と反対側の端面13aに試料Sを成膜しているが、この位置に限らず試料Sにおける電子ビームE1の照射方向の厚さがTEMで観察できる長さである限り、試料Sは凸部13上に形成されていれば良い。
なお、凸部13は板状としているが板状に限らない。ただし、試料Sと凸部13との界面における電子ビームの照射方向の長さ(図2では厚さD)が0.2〜1μmであり、試料Sと凸部13との界面と、端面11a(または端面41a)との距離が0.5μm以上であることが好適である。
更に、上記第1及び第2の実施形態は、TEMを用いて試料を測定する場合について説明しているが、本発明に係る試料測定方法及び測定用試料基材は、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope : SEM)などの他の電子顕微鏡に対しても適用可能である。
例えば、SEMで試料を測定する場合には、TEMの場合と同様に測定用試料基材10の凸部13上に測定する試料Sを成膜する。そして、試料Sの側方、すなわち、凸部13の側面13b,13cに略直交する方向から試料Sに電子ビームが照射されるように測定用試料基材10をSEMにセットする。
続いて、凸部13に成膜されている試料Sに側方から電子ビームを照射する。その電子ビームが照射された試料Sから発生する2次電子又は反射電子等を検出する。
試料Sが多層膜であって試料SをSEMで測定する場合、側面13b,13cよりも外側の部分(図9の平面α,βに付着した部分)を除去することはTEMの場合と同様に好適である。なお、SEMの場合には2次電子又は反射電子等のコントラストを得られれば良いため、片側部分を除去すればよい。言い換えれば、側面13bを含む平面α及び側面13cを含む平面βのうちの一方に付着している部分を除去すればよい。
本発明に係る測定用試料基材の一実施形態の構成を示す斜視図である。 図1の凸部の拡大斜視図である。 FIB装置の構成を概略的に示す模式図である。 凸部の形成工程を示す工程図である。 図3の工程により形成された凸部の電子顕微鏡写真図である。 TEMの構成を概略的に示す模式図である。 試料を成膜した凸部の電子顕微鏡写真の図である。 (a)は、試料の透過型電子顕微鏡写真の図である。(b)は、(a)の符号Aの位置での電子線回折像の図である。 (a),(b)は、試料の拡大断面図である。 本発明に係る測定用試料基材の他の実施形態の構成を概略的に示す斜視図である。 図10の測定用試料基材の作製工程を示す工程図である。 図10の測定用試料基材を用いた試料の測定方法を示す模式図である。
符号の説明
10…測定用試料基材、11…基体、11a…基体の端面(主表面)、12…把持部、13…凸部、13a…凸部の端面、13b,13c,13d,13e…凸部の側面、14,15…互いに対向する一組の辺、20…FIB装置、21…イオン光学系、21A…照射部、21B…収束部、21C…検出部、22…制御系、23…ノズル、30…透過型電子顕微鏡(TEM)、31…電子発生装置、32…電子検出装置、33…EDS分析装置、40…測定用試料基材、41…基体、41a…基体の表面(主表面)、50…Siウェハ、50a…Siウェハの表面、60…支持台、61…支持台の先端部、E…2次電子、E1…試料に照射する電子ビーム、E2…試料を透過した電子ビーム、G…デポジションガス、I…イオンビーム、I…収束イオンビーム、R…X線、S…試料、S…Al膜、S…SiO膜、S…Al膜、α…凸部13の側面13bを含む平面、β…凸部13の側面13cを含む平面。

Claims (6)

  1. 電子顕微鏡による試料測定方法であって、
    基体の主表面上の凸部上に試料を成膜する成膜工程と、
    前記凸部の側方から前記試料に電子ビームを照射する電子ビーム照射工程と、
    前記電子ビームが照射された前記試料から発生、反射又は透過した電子ビームを検出する測定工程と
    を備えることを特徴とする試料測定方法。
  2. 前記凸部を、イオンビームアシステッド化学気相堆積法又は電子ビームアシステッド化学気相堆積法により前記主表面上に形成することを特徴とする請求項1に記載の試料測定方法。
  3. 前記試料は、複数の膜を、前記凸部上の表面に、前記凸部側から順に積層した多層膜であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の試料測定方法。
  4. 前記成膜工程において、前記試料を成膜した後、前記試料のうち前記凸部における前記電子ビームの照射方向に順に位置する互いに対向する2つの側面よりも外側に付着している部分を除去し、
    前記電子ビーム照射工程において、前記試料のうち前記2つの側面よりも外側に付着している部分が除去された試料に前記電子ビームを照射することを特徴とする請求項3に記載の試料測定方法。
  5. 前記凸部及び前記試料の界面と、前記主表面との間の距離は0.5μm以上であり、前記凸部において、前記界面における前記電子ビームの照射方向の長さは0.2〜1μmであることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の試料測定方法。
  6. 前記電子顕微鏡が透過型電子顕微鏡であって、
    前記測定工程において、前記試料を透過した電子ビームを検出することを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の試料測定方法。
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