JP4153242B2 - 画像表示装置、画像表示システムおよび画像表示方法 - Google Patents

画像表示装置、画像表示システムおよび画像表示方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、三次元画像表示および二次元画像表示を選択的に行うことができる画像表示装置および方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
三次元画像を表示する画像表示装置としてホログラフィ技術を利用したものが知られている。この画像表示装置は、再生すべき物体像の三次元画像情報が記録されたホログラムに対してコヒーレントな照明光を入射させ、この照明光をホログラムにより回折させることで再生光を発生させ、この再生光により三次元物体像を立体的に再生することができるものである。このような画像表示装置ではホログラムを記録する素子として写真乾板または空間光変調素子が用いられる。写真乾板と比較して、空間光変調素子は、解像度の点で劣るものの、ホログラムを高速に書き換えることができる点で優れており、例えば、三次元の動画を表示することが可能である。
【0003】
空間光変調素子として、二次元配列された複数の画素それぞれに入射する光に対して振幅変調を与えて出射する振幅変調型のものや、二次元配列された複数の画素それぞれに入射する光に対して位相変調を与えて出射する位相変調型のものが知られている。また、空間光変調素子として、二次元配列された複数の画素それぞれに入射する光に対して振幅変調を与えて出射する振幅変調部と、二次元配列された複数の画素それぞれに入射する光に対して位相変調を与えて出射する位相変調部とを有するものも知られている(例えば特開2001−194626号公報を参照)。
【0004】
一方、二次元画像を表示する画像表示装置としてブラウン管や液晶表示素子を利用したものが知られている。この画像表示装置は、ブラウン管または液晶表示素子の表示面に二次元画像の強度情報を表示し、その表示面から散乱光を出射する。この散乱光が到達する広範囲において二次元画像を観察することができる。
【0005】
また、任意の平面上に二次元画像を表示することができる画像表示装置として特開平9−166955号公報に開示されたものが知られている。この公報に開示された画像表示装置は、表示すべき二次元画像の情報に距離情報を加えて三次元画像情報とし、この三次元画像情報に基づいて三次元空間内の特定平面上に二次元画像を表示するものである。この表示の原理は上記の三次元画像の表示の原理と同様であるが、表示される像は平面上の二次元画像であり、その表示位置は距離情報に応じたものである。また、この画像表示装置では、二次元画像の情報に付加する距離情報を変更することで、三次元空間内において二次元画像を表示する平面を変更することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の特開平9−166955号公報に開示された画像表示装置は、三次元空間内の特定平面上に二次元画像を表示する際に、上記の三次元画像の表示の原理と同様の原理を用いていることから、三次元画像の表示も可能であり、三次元画像表示および二次元画像表示を切り替えて選択的に行うことも可能である。
【0007】
しかし、この公報に開示された画像表示装置は、表示すべき二次元画像の情報に距離情報を加えて三次元画像情報を計算する三次元画像情報計算部を有する必要があることから、大型で高価である。また、この画像表示装置は、上記計算の際に時間を要することから、二次元の動画を表示する際のフレームレートが小さくならざるを得ず、二次元の動画の表示品質が悪い。
【0008】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、三次元画像表示および二次元画像表示を切り替えて選択的に行うことが可能であって、高品質の動画表示が可能である小型で安価な画像表示装置および方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る画像表示装置は、三次元画像情報に基づく三次元画像表示および二次元画像情報に基づく二次元画像表示を選択的に行う画像表示装置であって、(1) 照明光を出射する照明部と、(2) 二次元配列された複数の画素それぞれに入射する光に対して振幅変調を与えて出射する振幅変調部と、二次元配列された複数の画素それぞれに入射する光に対して位相変調を与えて出射する位相変調部とを有し、振幅変調部および位相変調部それぞれにおける光の変調が外部より設定可能であり、照明部より出射された照明光に対して振幅変調部により振幅変調を与えるとともに位相変調部により位相変調を与えて、その振幅および位相が変調された光を出射する空間光変調素子と、(3) 位相変調部に入射する光を散乱させて出射し得る位相変調を位相変調部に設定するための光散乱位相情報を出力する光散乱位相情報格納部と、(4) 三次元画像表示および二次元画像表示の切替を行う表示切替部と、を備えることを特徴とする。さらに、表示切替部が、(a) 三次元画像表示を行う際には、三次元画像情報に含まれる振幅情報に基づいて振幅変調部における振幅変調を設定するとともに、三次元画像情報に含まれる位相情報に基づいて位相変調部における位相変調を設定し、(b) 二次元画像表示を行う際には、二次元画像情報に基づいて振幅変調部における振幅変調を設定するとともに、光散乱位相情報格納部に格納されている光散乱位相情報に基づいて位相変調部における位相変調を設定することを特徴とする。また、空間光変調素子より出射された光の像を拡大結像する拡大光学系を更に備えるのが好適である。
【0010】
第1の発明に係る画像表示方法は、三次元画像情報に基づく三次元画像表示および二次元画像情報に基づく二次元画像表示を選択的に行う画像表示方法であって、(1) 二次元配列された複数の画素それぞれに入射する光に対して振幅変調を与えて出射する振幅変調部と、二次元配列された複数の画素それぞれに入射する光に対して位相変調を与えて出射する位相変調部とを有し、振幅変調部および位相変調部それぞれにおける光の変調が外部より設定可能であり、照明部より出射された照明光に対して振幅変調部により振幅変調を与えるとともに位相変調部により位相変調を与えて、その振幅および位相が変調された光を出射する空間光変調素子を用い、(2) 三次元画像表示を行う際には、三次元画像情報に含まれる振幅情報に基づいて振幅変調部における振幅変調を設定するとともに、三次元画像情報に含まれる位相情報に基づいて位相変調部における位相変調を設定して、空間光変調素子に照明光を入射させて三次元画像を表示し、(3) 二次元画像表示を行う際には、二次元画像情報に基づいて振幅変調部における振幅変調を設定するとともに、位相変調部に入射する光を散乱させて出射し得る位相変調を位相変調部に設定して、空間光変調素子に照明光を入射させて二次元画像を表示することを特徴とする。また、空間光変調素子より出射された光の像を拡大光学系により拡大結像させるのが好適である。
【0011】
この第1の発明によれば、三次元画像表示を行う際には、三次元画像情報に含まれる振幅情報に基づいて振幅変調部における振幅変調が設定されるとともに、三次元画像情報に含まれる位相情報に基づいて位相変調部における位相変調が設定されて、空間光変調素子に照明光が入射することにより、三次元画像が表示される。一方、二次元画像表示を行う際には、二次元画像情報に基づいて振幅変調部における振幅変調が設定されるとともに、位相変調部に入射する光を散乱させて出射し得る位相変調が位相変調部に設定されて、空間光変調素子に照明光が入射することにより、二次元画像が表示される。
【0012】
第2の発明に係る画像表示装置は、三次元画像情報に基づく三次元画像表示および二次元画像情報に基づく二次元画像表示を選択的に行う画像表示装置であって、(1) 非散乱照明光および散乱照明光の何れかを出射する照明部と、(2) 二次元配列された複数の画素それぞれに入射する光に対して振幅変調を与えて出射する振幅変調部を有し、振幅変調部における光の変調が外部より設定可能であり、照明部より出射された照明光に対して振幅変調部により振幅変調を与えて、その振幅が変調された光を出射する空間光変調素子と、(3) 三次元画像表示および二次元画像表示の切替を行う表示切替部と、を備えることを特徴とする。さらに、表示切替部が、(a) 三次元画像表示を行う際には、非散乱照明光を照明部より出射させるとともに、三次元画像情報に含まれる振幅情報に基づいて振幅変調部における振幅変調を設定し、(b) 二次元画像表示を行う際には、散乱照明光を照明部より出射させるとともに、二次元画像情報に基づいて振幅変調部における振幅変調を設定することを特徴とする。また、空間光変調素子より出射された光の像を拡大結像する拡大光学系と、拡大光学系の焦点面に設けられ共役像および0次光を遮断し三次元画像を通過させるマスクと、を更に備えるのが好適である。
【0013】
第2の発明に係る画像表示方法は、三次元画像情報に基づく三次元画像表示および二次元画像情報に基づく二次元画像表示を選択的に行う画像表示方法であって、(1) 二次元配列された複数の画素それぞれに入射する光に対して振幅変調を与えて出射する振幅変調部を有し、振幅変調部における光の変調が外部より設定可能であり、照明部より出射された照明光に対して振幅変調部により振幅変調を与えて、その振幅が変調された光を出射する空間光変調素子を用い、(2) 三次元画像表示を行う際には、三次元画像情報に含まれる振幅情報に基づいて振幅変調部における振幅変調を設定して、空間光変調素子に非散乱照明光を入射させて三次元画像を表示し、(3) 二次元画像表示を行う際には、二次元画像情報に基づいて振幅変調部における振幅変調を設定して、空間光変調素子に散乱照明光を入射させて二次元画像を表示することを特徴とする。また、空間光変調素子より出射された光の像を拡大光学系により拡大結像させ、拡大光学系の焦点面に設けられたマスクにより共役像および0次光を遮断し三次元画像を通過させるのが好適である。
【0014】
この第2の発明によれば、三次元画像表示を行う際には、三次元画像情報に含まれる振幅情報に基づいて振幅変調部における振幅変調が設定されて、空間光変調素子に非散乱照明光が入射することにより、三次元画像が表示される。一方、二次元画像表示を行う際には、二次元画像情報に基づいて振幅変調部における振幅変調が設定されて、空間光変調素子に散乱照明光が入射することにより、三次元画像が表示される。
【0015】
第3の発明に係る画像表示装置は、三次元画像情報に基づく三次元画像表示および二次元画像情報に基づく二次元画像表示を選択的に行う画像表示装置であって、(1) 照明光を出射する照明部と、(2) 二次元配列された複数の画素それぞれに入射する光に対して振幅変調を与えて出射する振幅変調部を有し、振幅変調部における光の変調が外部より設定可能であり、照明部より出射された照明光に対して振幅変調部により振幅変調を与えて、その振幅が変調された光を出射する空間光変調素子と、(3) 二次元画像情報を入力し、振幅変調部に入射する光を散乱させて出射し得る振幅変調を振幅変調部に設定するための光散乱情報を二次元画像情報に付加して、この光散乱情報が付加された二次元画像情報を出力する光散乱情報付加部と、(4) 三次元画像表示および二次元画像表示の切替を行う表示切替部と、を備えることを特徴とする。さらに、表示切替部が、(a) 三次元画像表示を行う際には、三次元画像情報に含まれる振幅情報に基づいて振幅変調部における振幅変調を設定し、(b) 二次元画像表示を行う際には、光散乱情報付加部により散乱情報が付加された二次元画像情報に基づいて振幅変調部における振幅変調を設定することを特徴とする。
【0016】
第3の発明に係る画像表示方法は、三次元画像情報に基づく三次元画像表示および二次元画像情報に基づく二次元画像表示を選択的に行う画像表示方法であって、(1) 二次元配列された複数の画素それぞれに入射する光に対して振幅変調を与えて出射する振幅変調部を有し、振幅変調部における光の変調が外部より設定可能であり、照明部より出射された照明光に対して振幅変調部により振幅変調を与えて、その振幅が変調された光を出射する空間光変調素子を用い、(2) 三次元画像表示を行う際には、三次元画像情報に含まれる振幅情報に基づいて振幅変調部における振幅変調を設定して、空間光変調素子に照明光を入射させて三次元画像を表示し、(3) 二次元画像表示を行う際には、振幅変調部に入射する光を散乱させて出射し得る振幅変調を振幅変調部に設定するための光散乱情報を二次元画像情報に付加し、この光散乱情報が付加された二次元画像情報に基づいて振幅変調部における振幅変調を設定して、空間光変調素子に照明光を入射させて二次元画像を表示することを特徴とする。
【0017】
この第3の発明によれば、三次元画像表示を行う際には、三次元画像情報に含まれる振幅情報に基づいて振幅変調部における振幅変調が設定されて、空間光変調素子に照明光が入射することにより、三次元画像が表示される。一方、二次元画像表示を行う際には、振幅変調部に入射する光を散乱させて出射し得る振幅変調を振幅変調部に設定するための光散乱情報が二次元画像情報に付加され、この光散乱情報が付加された二次元画像情報に基づいて振幅変調部における振幅変調が設定されて、空間光変調素子に照明光が入射することにより、二次元画像が表示される。
【0018】
第4の発明に係る画像表示装置は、三次元画像情報に基づく三次元画像表示および二次元画像情報に基づく二次元画像表示を選択的に行う画像表示装置であって、(1) 照明光を出射する照明部と、(2) 二次元配列された複数の画素それぞれに入射する光に対して位相変調を与えて出射する位相変調部を有し、位相変調部における光の変調が外部より設定可能であり、照明部より出射された照明光に対して位相変調部により位相変調を与えて、その位相が変調された光を出射する空間光変調素子と、(3) 二次元画像情報を入力し、位相変調部に入射する光を散乱させて出射し得る位相変調を位相変調部に設定するための光散乱情報を二次元画像情報に付加して、この光散乱情報が付加された二次元画像情報を出力する光散乱情報付加部と、(4) 三次元画像表示および二次元画像表示の切替を行う表示切替部と、を備えることを特徴とする。さらに、表示切替部が、(a) 三次元画像表示を行う際には、三次元画像情報に含まれる位相情報に基づいて位相変調部における位相変調を設定し、(b) 二次元画像表示を行う際には、光散乱情報付加部により散乱情報が付加された二次元画像情報に基づいて位相変調部における位相変調を設定することを特徴とする。
【0019】
第4の発明に係る画像表示方法は、三次元画像情報に基づく三次元画像表示および二次元画像情報に基づく二次元画像表示を選択的に行う画像表示方法であって、(1) 二次元配列された複数の画素それぞれに入射する光に対して位相変調を与えて出射する位相変調部を有し、位相変調部における光の変調が外部より設定可能であり、照明部より出射された照明光に対して位相変調部により位相変調を与えて、その位相が変調された光を出射する空間光変調素子を用い、(2) 三次元画像表示を行う際には、三次元画像情報に含まれる位相情報に基づいて位相変調部における位相変調を設定して、空間光変調素子に照明光を入射させて三次元画像を表示し、(3) 二次元画像表示を行う際には、位相変調部に入射する光を散乱させて出射し得る位相変調を位相変調部に設定するための光散乱情報を二次元画像情報に付加し、この光散乱情報が付加された二次元画像情報に基づいて位相変調部における位相変調を設定して、空間光変調素子に照明光を入射させて二次元画像を表示することを特徴とする。
【0020】
この第4の発明によれば、三次元画像表示を行う際には、三次元画像情報に含まれる位相情報に基づいて位相変調部における位相変調が設定されて、空間光変調素子に照明光が入射することにより、三次元画像が表示される。一方、二次元画像表示を行う際には、位相変調部に入射する光を散乱させて出射し得る位相変調を位相変調部に設定するための光散乱情報が二次元画像情報に付加され、この光散乱情報が付加された二次元画像情報に基づいて位相変調部における位相変調が設定されて、空間光変調素子に照明光が入射することにより、二次元画像が表示される。
【0021】
第5の発明に係る画像表示装置は、三次元画像情報に基づく三次元画像表示および二次元画像情報に基づく二次元画像表示を選択的に行う画像表示装置であって、(1) 照明光を出射する照明部と、(2) 二次元配列された複数の画素それぞれに入射する光に対して振幅または位相の変調を与えて出射する変調部を有し、変調部における光の変調が外部より設定可能であり、照明部より出射された照明光に対して変調部により振幅または位相の変調を与えて、その振幅または位相が変調された光を出射する空間光変調素子と、(3) 空間光変調素子より出射された光の像を拡大する拡大光学系と、(4) 拡大光学系の焦点面に設けられ共役像および0次光を遮断し三次元画像を通過させるマスクと、(5) 三次元画像表示および二次元画像表示の切替を行う表示切替部と、を備えることを特徴とする。さらに、表示切替部が、三次元画像表示を行う際には三次元画像情報に基づいて変調部における変調を設定し、二次元画像表示を行う際には二次元画像情報に基づいて変調部における変調を設定し、空間光変調素子が、二次元画像表示を行う際に、変調部の二次元配列された複数の画素のうち一定周期でサンプリングされた画素についてのみ二次元画像情報に基づいて変調が設定されることを特徴とする。
【0022】
第5の発明に係る画像表示方法は、三次元画像情報に基づく三次元画像表示および二次元画像情報に基づく二次元画像表示を選択的に行う画像表示方法であって、(1) 二次元配列された複数の画素それぞれに入射する光に対して振幅または位相の変調を与えて出射する変調部を有し、変調部における光の変調が外部より設定可能であり、照明部より出射された照明光に対して変調部により振幅または位相の変調を与えて、その振幅または位相が変調された光を出射する空間光変調素子を用い、(2) 三次元画像表示を行う際には、三次元画像情報に基づいて変調部における変調を設定して、空間光変調素子に照明光を入射させ、空間光変調素子より出射された光の像を拡大光学系により拡大結像させ、この拡大光学系の焦点面に設けられたマスクにより共役像および0次光を遮断し三次元画像を通過させ、(3) 二次元画像表示を行う際には、変調部の二次元配列された複数の画素のうち一定周期でサンプリングされた画素についてのみ二次元画像情報に基づいて変調を設定して、空間光変調素子に照明光を入射させ、空間光変調素子より出射された光の像を拡大光学系により拡大結像させ、この拡大光学系の焦点面に設けられたマスクにより共役像および0次光を遮断し二次元画像を通過させることを特徴とする。
【0023】
この第5の発明によれば、三次元画像表示を行う際には、三次元画像情報に基づいて変調部における変調が設定されて、空間光変調素子に照明光が入射し、空間光変調素子より出射された光の像が拡大光学系により拡大結像され、この拡大光学系の焦点面に設けられたマスクにより共役像および0次光が遮断され三次元画像が通過することにより、三次元画像が観察される。一方、二次元画像表示を行う際には、変調部の二次元配列された複数の画素のうち一定周期でサンプリングされた画素についてのみ二次元画像情報に基づいて変調が設定されて、空間光変調素子に照明光が入射し、空間光変調素子より出射された光の像が拡大光学系により拡大結像され、この拡大光学系の焦点面に設けられたマスクにより共役像および0次光が遮断され二次元画像が通過することにより、二次元画像が観察される。
【0024】
第2または第5の発明に係る画像表示装置または方法では、空間光変調素子は、複数の画素の二次元配列領域が所定の直線を挟んで第1領域と第2領域とを含み、三次元画像を表示する際に、第1領域を透過した光により三次元画像のうち照明光の出射側の部分を表示し、第2領域を透過した光により三次元画像のうち照明光の入射側の部分を表示するのが好適である。この場合には、三次元画像が空間光変調素子を跨って表示されるときに、空間光変調素子の第1領域を透過した光により三次元画像のうち照明光出射側の部分を表示し、第2領域を透過した光により三次元画像のうち照明光入射側の部分を表示することで、共役像および0次光を遮断して、拡大された三次元画像を観察することができる。
【0025】
本発明に係る画像表示システムは、三次元画像情報に基づく三次元画像表示および二次元画像情報に基づく二次元画像表示を選択的に行う上記の何れかの画像表示装置と、三次元画像を格納する三次元画像情報格納部と、二次元画像を格納する二次元画像情報格納部と、を備えることを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0027】
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る画像表示システム1および画像表示装置10のブロック図である。この図に示される画像表示システム1は、画像表示装置10、三次元画像情報格納部91および二次元画像情報格納部92を備える。画像表示装置10は、三次元画像情報格納部91から受け取った三次元画像情報に基づいて三次元画像を表示し、或いは、二次元画像情報格納部92から受け取った二次元画像情報に基づいて二次元画像を表示するものであり、照明部11、空間光変調素子12、表示切替部13および光散乱位相情報格納部14を備える。
【0028】
三次元画像情報格納部91は、画像表示装置10が表示すべき三次元画像の情報(振幅情報A3および位相情報P3を含む)を格納しており、この三次元画像情報を画像表示装置10に供給する。二次元画像情報格納部92は、画像表示装置10が表示すべき二次元画像の情報(振幅情報A2)を格納しており、この二次元画像情報を画像表示装置10に供給する。三次元画像情報格納部91および二次元画像情報格納部92それぞれは、画像表示装置10と直接に信号線で接続されていて、この信号線を介して三次元画像情報および二次元画像情報を画像表示装置10に供給してもよい。また、三次元画像情報格納部91および二次元画像情報格納部92それぞれは、無線通信やネットワーク(LANやインターネットなど)を介して三次元画像情報および二次元画像情報を画像表示装置10に供給してもよい。
【0029】
画像表示装置10に含まれる照明部11はコヒーレントな照明光Lを出射する。この照明光Lは、平面波および球面波などの指向性を有する光である。空間光変調素子12は振幅変調部12aおよび位相変調部12pを有する。振幅変調部12aは、二次元配列された複数の画素それぞれに入射する光に対して振幅変調を与えて出射するものである。位相変調部12pは、二次元配列された複数の画素それぞれに入射する光に対して位相変調を与えて出射するものである。振幅変調部12aおよび位相変調部12pそれぞれにおける光の変調は、表示切替部13により設定可能である。この空間光変調素子12は、照明部11より出射された照明光Lに対して振幅変調部12aにより振幅変調を与えるとともに位相変調部12pにより位相変調を与えて、その振幅および位相が変調された光を出射する。振幅変調部12aおよび位相変調部12pは、何れが照明光L入射側に配置されていてもよいが、互いに密着して配置されているのが好ましい。また、振幅変調部12aおよび位相変調部12pそれぞれは、光を回折させるだけの充分な解像度を有しており、例えば1000本/mm程度の解像度を有しているのが好ましい。
【0030】
光散乱位相情報格納部14は、位相変調部12pに入射する光を散乱させて出射し得る位相変調を位相変調部12pに設定するための光散乱位相情報P2を格納するものである。光散乱位相情報P2とは、位相変調部12pが均一光散乱性能を奏することができる位相パターンであり、例えば、ランダム位相パターンなどである。
【0031】
表示切替部13は、三次元画像表示および二次元画像表示の切替を行う。より詳細には、三次元画像表示を行う際には、表示切替部13は、三次元画像情報格納部91から供給された三次元画像情報に含まれる振幅情報A3に基づいて振幅変調部12aにおける振幅変調を設定するとともに、その三次元画像情報に含まれる位相情報P3に基づいて位相変調部12pにおける位相変調を設定する。一方、二次元画像表示を行う際には、表示切替部13は、二次元画像情報格納部92から供給された二次元画像情報A2に基づいて振幅変調部12aにおける振幅変調を設定するとともに、光散乱位相情報格納部14に格納されている光散乱位相情報P2に基づいて位相変調部12pにおける位相変調を設定する。
【0032】
次に、図1に示される本実施形態に係る画像表示システム1および画像表示装置10の動作について説明するとともに、本実施形態に係る画像表示方法について説明する。
【0033】
三次元画像表示の際には、三次元画像情報格納部91から表示切替部13に三次元画像情報が供給され、この三次元画像情報に含まれる振幅情報A3に基づいて振幅変調部12aにおける振幅変調が設定されるとともに、この三次元画像情報に含まれる位相情報P3に基づいて位相変調部12pにおける位相変調が設定される。すなわち、振幅変調部12aに振幅ホログラムが呈示され、位相変調部12pに位相ホログラムが呈示される。そして、照明部11から出射された照明光Lは、空間光変調素子12へ入射して、二次元配列された複数の画素それぞれについて、振幅変調部12aにより振幅変調されるとともに、位相変調部12pにより位相変調されて、空間光変調素子12より出射する。この空間光変調素子12より出射した光(再生光)により三次元画像G3が表示される。
【0034】
二次元画像表示の際には、二次元画像情報格納部92から表示切替部13に二次元画像情報が供給され、この二次元画像情報(振幅情報)A2に基づいて振幅変調部12aにおける振幅変調が設定される。また、光散乱位相情報格納部14から表示切替部13に光散乱位相情報P2が供給され、この光散乱位相情報P2に基づいて位相変調部12pにおける位相変調が設定される。そして、照明部11から出射された照明光Lは、空間光変調素子12へ入射して、二次元配列された複数の画素それぞれについて、振幅変調部12aにより振幅変調されるとともに、位相変調部12pにより位相変調されて、空間光変調素子12より出射する。このとき、光散乱位相情報P2に基づいて位相変調が設定されている位相変調部12pからは散乱光が出射する。したがって、この空間光変調素子12より出射した光により二次元画像G2が表示される。
【0035】
なお、三次元画像G3の情報量と比較して、二次元画像G2の情報量は格段に少ない。そこで、二次元画像G2の1画素につき空間光変調素子12の複数画素を割り当てることで、空間光変調素子12の全面に二次元画像G2を表示することができる。
【0036】
以上のように、本実施形態に係る画像表示システム1、画像表示装置10および画像表示方法は、従来のものでは必要であった三次元画像情報計算部を有する必要が無いことから、小型で安価であり、また、従来のものでは必要であった三次元画像情報の計算が不要であることから、高品質の動画表示が可能である。
【0037】
次に、本実施形態に係る画像表示装置10の光学系について図2〜図6を用いて具体的に説明する。図2および図3それぞれは、照明部11から出射された照明光Lが空間光変調素子12に対して斜め入射するオフアクシス型光学系を示す。また、図5および図6それぞれは、照明部11から出射された照明光Lが空間光変調素子12に対して垂直入射するインライン型光学系を示す。
【0038】
図2は、第1実施形態に係る画像表示装置10におけるオフアクシス型光学系の場合の三次元画像表示の説明図である。この図に示されるように、オフアクシス型光学系では、照明部11から出射された平面波照明光Lは空間光変調素子12に対して斜め入射し、これにより三次元画像G3が表示される。本実施形態では、空間光変調素子12に入射した照明光Lは振幅および位相の双方が画素毎に変調されるので、共役像および0次光が発生せず、理想的な再生像(三次元画像G3)が得られる。したがって、三次元画像G3の視域θが広い。なお、三次元画像G3は、空間光変調素子12の前方および後方の何れの側に表示されてもよく、また、空間光変調素子12の前方および後方の双方に跨って表示されてもよい。
【0039】
図3は、第1実施形態に係る画像表示装置10におけるオフアクシス型光学系の場合の二次元画像表示の説明図である。この図に示されるように、オフアクシス型光学系では、照明部11から出射された平面波照明光Lは空間光変調素子12に対して斜め入射し、これにより二次元画像G2が表示される。図4は、空間光変調素子12により表示される二次元画像G2の説明図である。本実施形態では、位相変調部12pにより光が散乱されるので、空間光変調素子12により表示される二次元画像G2の視域θが広い。なお、照明光Lが指向性を有することから、位相変調部12pにより照明光Lが散乱されない場合には、空間光変調素子12から出射された光も指向性を有し、それ故、二次元画像G2の全体を観察することができない。しかし、本実施形態では、空間光変調素子12から出射された光が散乱されるので、広い視域θで二次元画像G2の全体を観察することができる。
【0040】
図5は、第1実施形態に係る画像表示装置10におけるインライン型光学系の場合の三次元画像表示の説明図である。この図に示されるように、インライン型光学系では、照明部11から出射された平面波照明光Lは空間光変調素子12に対して垂直入射し、これにより三次元画像G3が表示される。本実施形態では、空間光変調素子12に入射した照明光Lは振幅および位相の双方が画素毎に変調されるので、共役像および0次光が発生せず、理想的な再生像(三次元画像G3)が得られる。したがって、三次元画像G3の視域θが広い。なお、三次元画像G3は、空間光変調素子12の前方および後方の何れの側に表示されてもよく、また、空間光変調素子12の前方および後方の双方に跨って表示されてもよい。
【0041】
図6は、第1実施形態に係る画像表示装置10におけるインライン型光学系の場合の二次元画像表示の説明図である。この図に示されるように、インライン型光学系では、照明部11から出射された平面波照明光Lは空間光変調素子12に対して垂直入射し、これにより二次元画像G2が表示される(図4)。本実施形態では、位相変調部12pにより光が散乱されるので、空間光変調素子12により表示される二次元画像G2の視域θが広い。なお、照明光Lが指向性を有することから、位相変調部12pにより照明光Lが散乱されない場合には、空間光変調素子12から出射された光も指向性を有し、それ故、二次元画像G2の全体を観察することができない。しかし、本実施形態では、空間光変調素子12から出射された光が散乱されるので、広い視域θで二次元画像G2の全体を観察することができる。
【0042】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図7は、第2実施形態に係る画像表示システム2および画像表示装置20のブロック図である。この図に示される画像表示システム2は、画像表示装置20、三次元画像情報格納部91および二次元画像情報格納部92を備える。画像表示装置20は、三次元画像情報格納部91から受け取った三次元画像情報に基づいて三次元画像を表示し、或いは、二次元画像情報格納部92から受け取った二次元画像情報に基づいて二次元画像を表示するものであり、照明部11、空間光変調素子12、表示切替部13、光散乱位相情報格納部14およびレンズ15を備える。
【0043】
第2実施形態における照明部11、空間光変調素子12、表示切替部13、光散乱位相情報格納部14、三次元画像情報格納部91および二次元画像情報格納部92それぞれは、第1実施形態のものと同様のものである。第1実施形態に係る画像表示装置1(図1)と比較して、第2実施形態に係る画像表示装置2は、空間光変調素子12より出射された光の像を拡大結像する拡大光学系としてレンズ15を更に備える点で相違し、また、空間光変調素子12の解像度が低くてもよい点でも相違している。
【0044】
図7に示される本実施形態に係る画像表示システム2および画像表示装置20の動作ならびに画像表示方法は、第1実施形態のものと略同様であるが、加えて、以下のような動作をする。すなわち、三次元画像表示の際には、空間光変調素子12より出射された光による三次元画像G3は、レンズ15により拡大されて結像され、これにより拡大された三次元画像G3eが得られる。同様に、二次元画像表示の際には、空間光変調素子12より出射された光による二次元画像G2は、レンズ15により拡大されて結像され、これにより拡大された二次元画像G2eが得られる。
【0045】
以上のように、本実施形態に係る画像表示システム2、画像表示装置20および画像表示方法も、従来のものでは必要であった三次元画像情報計算部を有する必要が無いことから、小型で安価であり、また、従来のものでは必要であった三次元画像情報の計算が不要であることから、高品質の動画表示が可能である。さらに、本実施形態では、拡大された三次元画像G3eおよび拡大された二次元画像G2eが得られる。
【0046】
次に、本実施形態に係る画像表示装置20の光学系について図8〜図11を用いて具体的に説明する。図8および図10それぞれは、照明部11から出射された照明光Lが空間光変調素子12に対して垂直入射するインライン型光学系を示す。
【0047】
図8は、第2実施形態に係る画像表示装置20におけるインライン型光学系の場合の三次元画像表示の説明図である。この図に示されるように、インライン型光学系では、照明部11から出射された平面波照明光Lは空間光変調素子12に対して垂直入射し、これにより三次元画像G3が表示される。本実施形態では、空間光変調素子12に入射した照明光Lは振幅および位相の双方が画素毎に変調されるので、共役像および0次光が発生せず、理想的な再生像(三次元画像G3)が得られる。なお、三次元画像G3は、空間光変調素子12の前方および後方の何れの側に表示されてもよく、また、空間光変調素子12の前方および後方の双方に跨って表示されてもよい。
【0048】
さらに、この三次元画像G3がレンズ15により拡大され、これにより拡大された三次元画像G3eが得られる。この拡大はレンズの結像公式「1/a+1/b=1/f」なる式より求められる。ここで、fは、レンズ15の焦点距離であり、aは、空間光変調素子12とレンズ15との間の距離であり、bは、レンズ15により空間光変調素子12が拡大された空間光変調素子12eとレンズ15との間の距離である。三次元画像G3と拡大された三次元画像G3eとは、レンズの結像公式を満たしている。この拡大された三次元画像G3eは、レンズ15の焦点面上の視域R0において良好に観察される。
【0049】
レンズ15は、三次元画像G3を拡大結像するだけでなく、光学的フーリエ変換をも行う。拡大された三次元画像G3eは、レンズ15の焦点面(すなわちフーリエ変換面)上で観察される。空間光変調素子12の画素ピッチをpとし、照明光Lの波長をλとし、レンズ15の焦点距離をfとすると、レンズ15の焦点面における視域の一辺の長さはλf/pで表される。視域R0は、このような一辺の長さを有している。したがって、画素ピッチpや焦点距離をfを適宜選択することで、視域R0の大きさを任意に設定することが可能であり、例えば、視域R0の大きさを瞳の径の程度や両目の間隔以上とすることができる。
【0050】
また、レンズ15の光学的フーリエ変換作用により、レンズ15の焦点面(フーリエ変換面)において視域R0を折り返した領域R1〜R8等(図9参照)でも、拡大された三次元画像G3eが観察される。図9は、レンズ15の焦点面における視域R0などの説明図である。もし、観察者の両目それぞれが互いに異なる領域に置かれると、その観察者の両目それぞれが互いに異なる像を観察することになり、好ましくない。そこで、フーリエ変換面に視域R0のみに開口を有するマスクを設けて、視域を制限するのが好適である。
【0051】
図10は、第2実施形態に係る画像表示装置20におけるインライン型光学系の場合の二次元画像表示の説明図である。この図に示されるように、インライン型光学系では、照明部11から出射された平面波照明光Lは空間光変調素子12に対して垂直入射し、これにより二次元画像G2が表示される(図4)。さらに、この二次元画像G2がレンズ15により拡大され、これにより拡大された二次元画像G2eが得られる。この図に示されるように、空間光変調素子12に含まれる振幅変調部12aが拡大結像された振幅変調部像12aeがレンズ15により得られ、また、位相変調部12pが拡大結像された位相変調部像12peがレンズ15により得られる。図11は、レンズ15により得られた拡大された二次元画像G2eの説明図である。この図に示されるように、拡大された二次元画像G2eは振幅変調部像12ae上に表示される。この拡大された二次元画像G2eは、レンズ15の焦点面上の視域R0において良好に観察される。この拡大もレンズの結像公式に従う。レンズの結像公式により自然なピントが得られる距離(例えば40cm〜200cm程度)に拡大された二次元画像G2eが得られるように、空間光変調素子12とレンズ15との相対的位置関係が設定される。
【0052】
なお、位相変調部12pにより照明光Lが散乱されない場合には、視域R0内に置いた瞳を通過する光のみにより二次元画像G2eを観察することになり、この瞳が視域R0内の特定の空間周波数成分のみを通過させるバンドパスフィルタとして作用して、それ故、二次元画像G2eを完全な状態で観察することができず、視域R0内に置く瞳の位置によって観察する二次元画像G2eが異なる。しかし、本実施形態では、空間光変調素子12から出射された光が散乱されるので、このような問題は生じない。
【0053】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図12は、第3実施形態に係る画像表示システム3および画像表示装置30のブロック図である。この図に示される画像表示システム3は、画像表示装置30、三次元画像情報格納部91および二次元画像情報格納部92を備える。画像表示装置30は、三次元画像情報格納部91から受け取った三次元画像情報に基づいて三次元画像を表示し、或いは、二次元画像情報格納部92から受け取った二次元画像情報に基づいて二次元画像を表示するものであり、照明部31、空間光変調素子32および表示切替部33を備える。
【0054】
三次元画像情報格納部91は、画像表示装置30が表示すべき三次元画像の情報を格納しており、この三次元画像情報を画像表示装置30に供給する。この三次元画像情報は、少なくとも振幅情報A3を含み、更に位相情報P3をも含んでいてもよい。二次元画像情報格納部92は、画像表示装置30が表示すべき二次元画像の情報(振幅情報A2)を格納しており、この二次元画像情報を画像表示装置30に供給する。三次元画像情報格納部91および二次元画像情報格納部92それぞれは、画像表示装置30と直接に信号線で接続されていて、この信号線を介して三次元画像情報および二次元画像情報を画像表示装置30に供給してもよい。また、三次元画像情報格納部91および二次元画像情報格納部92それぞれは、無線通信やネットワーク(LANやインターネットなど)を介して三次元画像情報および二次元画像情報を画像表示装置30に供給してもよい。
【0055】
画像表示装置30に含まれる照明部31は、平面波および球面波などの指向性を有するコヒーレントな非散乱照明光と、指向性を有しない散乱照明光との、何れかを選択して出射する。このように非散乱照明光および散乱照明光の何れかを選択的に出射する照明部31は、電圧印加により透過光の散乱状態を変化させることができる光散乱型液晶素子や、散乱光源を空間光変調素子32上に結像させる光学系を使用することにより、実現され得る。
【0056】
空間光変調素子32は、振幅変調部32aを有しており、位相変調部(第1実施形態における位相変調部12pと同様のもの)を更に有しているのも好適である。振幅変調部32aは、二次元配列された複数の画素それぞれに入射する光に対して振幅変調を与えて出射するものである。振幅変調部32aにおける光の変調は、表示切替部33により設定可能である。この空間光変調素子32は、照明部31より出射された照明光Lに対して振幅変調部32aにより振幅変調を与えて、その振幅が変調された光を出射する。また、振幅変調部32aは、光を回折させるだけの充分な解像度を有しており、例えば1000本/mm程度の解像度を有しているのが好ましい。
【0057】
表示切替部33は、三次元画像表示および二次元画像表示の切替を行う。より詳細には、三次元画像表示を行う際には、表示切替部33は、照明部31が非散乱照明光を出射するよう指示するとともに、三次元画像情報格納部91から供給された三次元画像情報に含まれる振幅情報A3に基づいて振幅変調部32aにおける振幅変調を設定する。一方、二次元画像表示を行う際には、表示切替部33は、照明部31が散乱照明光を出射するよう指示するとともに、二次元画像情報格納部92から供給された二次元画像情報A2に基づいて振幅変調部32aにおける振幅変調を設定する。
【0058】
次に、図12に示される本実施形態に係る画像表示システム3および画像表示装置30の動作について説明するとともに、本実施形態に係る画像表示方法について説明する。
【0059】
三次元画像表示の際には、三次元画像情報格納部91から表示切替部33に三次元画像情報が供給され、この三次元画像情報に含まれる振幅情報A3に基づいて振幅変調部32aにおける振幅変調が設定される。すなわち、振幅変調部32aに振幅ホログラムが呈示される。そして、照明部31から出射された指向性を有する非散乱照明光Lは、空間光変調素子32へ入射して、二次元配列された複数の画素それぞれについて振幅変調部32aにより振幅変調されて、空間光変調素子32より出射する。この空間光変調素子32より出射した光(再生光)により三次元画像G3が表示される。
【0060】
二次元画像表示の際には、二次元画像情報格納部92から表示切替部33に二次元画像情報が供給され、この二次元画像情報(振幅情報)A2に基づいて振幅変調部32aにおける振幅変調が設定される。そして、照明部31から出射された散乱照明光Lは、空間光変調素子32へ入射して、二次元配列された複数の画素それぞれについて振幅変調部32aにより振幅変調されて、空間光変調素子32より出射する。この空間光変調素子32より出射した光により二次元画像G2が表示される。
【0061】
なお、三次元画像G3の情報量と比較して、二次元画像G2の情報量は格段に少ない。そこで、二次元画像G2の1画素につき空間光変調素子32の複数画素を割り当てることで、空間光変調素子32の全面に二次元画像G2を表示することができる。また、空間光変調素子32が振幅変調部32aだけでなく位相変調部をも有する場合には、三次元画像表示の際には位相情報P3に基づいて位相変調部における位相変調が設定され、二次元画像表示の際には光散乱情報に基づいて位相変調部における位相変調が設定される。
【0062】
以上のように、本実施形態に係る画像表示システム3、画像表示装置30および画像表示方法は、従来のものでは必要であった三次元画像情報計算部を有する必要が無いことから、小型で安価であり、また、従来のものでは必要であった三次元画像情報の計算が不要であることから、高品質の動画表示が可能である。
【0063】
次に、本実施形態に係る画像表示装置30の光学系について図13〜図15を用いて具体的に説明する。図13〜図15それぞれは、照明部31から出射された照明光Lが空間光変調素子32に対して斜め入射するオフアクシス型光学系を示す。
【0064】
図13は、第3実施形態に係る画像表示装置30におけるオフアクシス型光学系の場合の三次元画像表示の説明図である。この図に示されるように、オフアクシス型光学系では、照明部31から出射された指向性を有する非散乱平面波照明光Lは空間光変調素子32に対して斜め入射し、これにより三次元画像G3が表示される。空間光変調素子32に入射した照明光Lの振幅のみが画素毎に変調される場合、理想的な再生像(三次元画像G3)が得られるだけでなく、共役像および0次光も発生する。理想的な再生像(三次元画像G3)は視域θ1で観察可能であり、共役像は視域θ2で観察可能であり、0次光は視域θ0で観察可能である。したがって、視域θ1から視域θ2および視域θ0を除いた視域θにおいて理想的な再生像(三次元画像G3)のみが観察可能である。なお、空間光変調素子32が振幅変調部32aだけでなく位相変調部をも有する場合には、共役像および0次光が発生しないので、視域θ1において理想的な再生像(三次元画像G3)が観察可能である。また、三次元画像G3は、空間光変調素子12の前方および後方の何れの側に表示されてもよく、また、空間光変調素子12の前方および後方の双方に跨って表示されてもよい。
【0065】
図14は、第3実施形態に係る画像表示装置30におけるオフアクシス型光学系の場合の二次元画像表示の説明図である。この図に示される光学系では、光源部31は光散乱型液晶素子31aを有している。この光散乱型液晶素子31aは、空間光変調素子32の照明光入射側に設けられていて、表示切替部33からの指示に基づく電圧印加により透過光の散乱状態を変化させることができるものであり、三次元画像表示の際には非散乱光を出射し、二次元画像表示の際には散乱光を出射することができる。この図に示されるように、オフアクシス型光学系では、光散乱型液晶素子31aに対して斜め入射した平面波照明光Lは、光散乱型液晶素子31aにより散乱されて空間光変調素子12に入射し、これにより二次元画像G2が表示される(図4)。光散乱型液晶素子31aにより光が散乱されるので、空間光変調素子32により表示される二次元画像G2の視域θが広い。なお、光散乱型液晶素子31aへ入射する照明光Lが指向性を有することから、光散乱型液晶素子31aにより照明光Lが散乱されない場合には、空間光変調素子32から出射された光も指向性を有し、それ故、0次光の視域θ0において二次元画像G2の一部分しか瞳に入射せず、二次元画像G2の全体を観察することができない。しかし、本実施形態では、空間光変調素子32から出射された光が散乱されるので、広い視域θで二次元画像G2の全体を観察することができる。
【0066】
図15は、第3実施形態に係る画像表示装置30におけるオフアクシス型光学系の場合の二次元画像表示の説明図である。この図に示される光学系では、光源部31は、散乱光源31b、この散乱光源31bを空間光変調素子32上に結像させるレンズ31c、および、ハーフミラー31dを有している。ハーフミラー31dは、三次元画像表示の際には指向性を有する非散乱照明光を反射させ、二次元画像表示の際には散乱光源31bからの光を透過させる。二次元画像表示の際には、レンズ31cにより散乱光源31bは空間光変調素子32上に結像される。これにより二次元画像G2が表示され(図4)、空間光変調素子32により表示される二次元画像G2の視域θが広い。
【0067】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。図16は、第4実施形態に係る画像表示システム4および画像表示装置40のブロック図である。この図に示される画像表示システム4は、画像表示装置40、三次元画像情報格納部91および二次元画像情報格納部92を備える。画像表示装置40は、三次元画像情報格納部91から受け取った三次元画像情報に基づいて三次元画像を表示し、或いは、二次元画像情報格納部92から受け取った二次元画像情報に基づいて二次元画像を表示するものであり、照明部31、空間光変調素子32、表示切替部33、レンズ35およびマスク36を備える。
【0068】
第4実施形態における照明部31、空間光変調素子32、表示切替部33、三次元画像情報格納部91および二次元画像情報格納部92それぞれは、第3実施形態のものと同様のものである。第3実施形態に係る画像表示装置3(図12)と比較して、第4実施形態に係る画像表示装置4は、空間光変調素子32より出射された光の像を拡大結像する拡大光学系としてレンズ35を更に備える点、および、レンズ35の焦点面に設けられ共役像および0次光を遮断し三次元画像を通過させるマスク36を更に備える点で相違し、また、空間光変調素子32の解像度が低くてもよい点でも相違している。
【0069】
図16に示される本実施形態に係る画像表示システム4および画像表示装置40の動作ならびに画像表示方法は、第3実施形態のものと略同様であるが、加えて、以下のような動作をする。すなわち、三次元画像表示の際には、空間光変調素子32より出射された光による三次元画像G3は、レンズ35により拡大されて結像され、これにより拡大された三次元画像G3eが得られる。更に、マスク36により、共役像および0次光が遮断され、三次元画像G3eが透過するので、三次元画像G3eのみを観察することができる。同様に、二次元画像表示の際には、空間光変調素子32より出射された光による二次元画像G2は、レンズ35により拡大されて結像され、これにより拡大された二次元画像G2eが得られる。
【0070】
以上のように、本実施形態に係る画像表示システム4、画像表示装置40および画像表示方法も、従来のものでは必要であった三次元画像情報計算部を有する必要が無いことから、小型で安価であり、また、従来のものでは必要であった三次元画像情報の計算が不要であることから、高品質の動画表示が可能である。さらに、本実施形態では、拡大された三次元画像G3eおよび拡大された二次元画像G2eが得られる。
【0071】
次に、本実施形態に係る画像表示装置40の光学系について図17〜図20を用いて具体的に説明する。図17〜図20それぞれは、照明部31から出射された照明光Lが空間光変調素子32に対して垂直入射するインライン型光学系を示す。
【0072】
図17は、第4実施形態に係る画像表示装置40におけるインライン型光学系の場合の三次元画像表示の説明図である。この図に示されるように、インライン型光学系では、照明部31から出射された指向性を有する非散乱平面波照明光Lは空間光変調素子32に対して垂直入射し、これにより三次元画像G3が表示される。さらに、この三次元画像G3がレンズ35により拡大され、これにより拡大された三次元画像G3eが得られる。この拡大はレンズの結像公式「1/a+1/b=1/f」なる式より求められる。ここで、fは、レンズ35の焦点距離であり、aは、空間光変調素子32とレンズ35との間の距離であり、bは、レンズ35により空間光変調素子32が拡大された空間光変調素子32eとレンズ35との間の距離である。三次元画像G3と拡大された三次元画像G3eとは、レンズの結像公式を満たしている。
【0073】
レンズ35は、三次元画像G3を拡大結像するだけでなく、光学的フーリエ変換をも行う。拡大された三次元画像G3eは、レンズ35の焦点面(すなわちフーリエ変換面)上で観察される。空間光変調素子32の画素ピッチをpとし、照明光Lの波長をλとし、レンズ35の焦点距離をfとすると、レンズ35の焦点面における視域の一辺の長さはλf/pで表される。したがって、画素ピッチpや焦点距離をfを適宜選択することで、視域の大きさを任意に設定することが可能であり、例えば、視域の大きさを瞳の径の程度や両目の間隔以上とすることができる。
【0074】
空間光変調素子32に入射した照明光Lの振幅のみが画素毎に変調される場合、理想的な再生像(三次元画像G3)が得られるだけでなく、共役像および0次光も発生する。マスク36の平面上において、理想的な再生像(三次元画像G3)は視域θ1で観察可能であり、共役像は視域θ2で観察可能であり、0次光は視域θ0で観察可能である。そこで、視域θ0および視域θ2を遮断し視域θ1を通過させる開口を有するマスク36(図18)を用いることで、理想的な再生像(三次元画像G3)のみが観察可能となる。なお、観察の際にマスクが邪魔となる場合には、リレー光学系を用いて、マスク36の開口の位置にある像を更に他の像に結像すればよい。
【0075】
また、三次元画像G3は、空間光変調素子32の前方および後方の何れの側に表示されてもよく、また、空間光変調素子32の前方および後方の双方に跨って表示されてもよい。特に二次元画像G2を空間光変調素子32上に表示するときには、レンズの結像公式により自然なピントが得られる距離(例えば40cm〜200cm程度)に拡大された二次元画像G2eが得られるように、空間光変調素子32とレンズ35との相対的位置関係が設定されることから、三次元画像G3は、空間光変調素子32の前方および後方の双方に跨って表示されるのが好適である。これについて図19および図20を用いて説明する。
【0076】
図19は、三次元画像G3の輝点が空間光変調素子32の後方(照明光出射側)に存在する場合の波面の説明図である。図20は、三次元画像G3の輝点が空間光変調素子32の前方(照明光入射側)に存在する場合の波面の説明図である。各図(a)は、空間光変調素子32の説明図であり、各図(b)は、三次元画像G3の波面の説明図である。各図(a)に示されるように、空間光変調素子32の複数の画素が二次元配列された領域は、所定の直線を挟んで第1領域と第2領域とを含んでいる。そして、空間光変調素子32は、三次元画像G3を表示する際に、第1領域を透過した光により三次元画像G3のうち照明光出射側の部分を表示し、第2領域を透過した光により三次元画像G3のうち照明光入射側の部分を表示するようにする。
【0077】
図19(a)に示されるように空間光変調素子32の第1領域(上半分に含まれる領域)より回折されて出力された光は、同図(b)に示されるように、空間光変調素子32の照明光出射側にある再生像の輝点P1を再生するとともに、空間光変調素子32の照明光入射側にある共役像の輝点P2を再生する。再生像の輝点P1を表す光の波面は、レンズ35の下半分を通過して、レンズ35の焦点面にあるマスク36上の視域θ1に到達する。一方、共役像の輝点P2を表す光の波面は、レンズ35の上半分を通過して、レンズ35の焦点面にあるマスク36上の視域θ2に到達する。なお、空間光変調素子32により変調されなかった直流成分である0次光は、マスク36上の視域θ0付近に到達する。
【0078】
また、図20(a)に示されるように空間光変調素子32の第2領域(下半分に含まれる領域)より回折されて出力された光は、同図(b)に示されるように、空間光変調素子32の照明光入射側にある再生像の輝点P1を再生するとともに、空間光変調素子32の照明光出射側にある共役像の輝点P2を再生する。再生像の輝点P1を表す光の波面は、レンズ35の下半分を通過して、レンズ35の焦点面にあるマスク36上の視域θ1に到達する。一方、共役像の輝点P2を表す光の波面は、レンズ35の上半分を通過して、レンズ35の焦点面にあるマスク36上の視域θ2に到達する。なお、空間光変調素子32により変調されなかった直流成分である0次光は、マスク36上の視域θ0付近に到達する。
【0079】
このように、図19および図20の何れの場合にも、再生像の輝点P1を表す光の波面はマスク36上の視域θ1に到達し、共役像の輝点P2を表す光の波面はマスク36上の視域θ2に到達し、0次光はマスク36上の視域θ0付近に到達する。そこで、視域θ0および視域θ2を遮断し視域θ1を通過させる開口を有するマスク36(図18)を用いることで、理想的な再生像(三次元画像G3)のみが観察可能となる。
【0080】
二次元画像表示の際には、二次元画像情報格納部92から表示切替部33に二次元画像情報が供給され、この二次元画像情報(振幅情報)A2に基づいて振幅変調部32aにおける振幅変調が設定される。そして、照明部31から出射された散乱照明光Lは、空間光変調素子32へ入射して、二次元配列された複数の画素それぞれについて、振幅変調部32aにより振幅変調されて、空間光変調素子32より出射する。この空間光変調素子32より出射した光により二次元画像G2が表示される。
【0081】
なお、三次元画像G3の情報量と比較して、二次元画像G2の情報量は格段に少ない。そこで、二次元画像G2の1画素につき空間光変調素子32の複数画素を割り当てることで、空間光変調素子32の全面に二次元画像G2を表示することができる。また、空間光変調素子32が振幅変調部32aだけでなく位相変調部をも有する場合には、三次元画像表示の際には位相情報P3に基づいて位相変調部における位相変調が設定され、二次元画像表示の際には光散乱情報に基づいて位相変調部における位相変調が設定される。
【0082】
また、二次元画像表示の際に、光源部31より空間光変調素子32へ指向性を有する非散乱平面波照明光Lが入射した場合には、空間光変調素子32から出射する光も指向性を有する非散乱平面波であるので、その光は全てマスク36上の視域θ0に到達する。この視域θ0内に置いた瞳を通過する光のみにより二次元画像G2eを観察することになり、この瞳が視域θ0内の特定の空間周波数成分のみを通過させるバンドパスフィルタとして作用して、それ故、二次元画像G2eを完全な状態で観察することができず、視域θ0内に置く瞳の位置によって観察する二次元画像G2eが異なる。しかし、本実施形態では、空間光変調素子32から出射された光が散乱されるので、このような問題は生じない。
【0083】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について説明する。図21は、第5実施形態に係る画像表示システム5および画像表示装置50のブロック図である。この図に示される画像表示システム5は、画像表示装置50、三次元画像情報格納部91および二次元画像情報格納部92を備える。画像表示装置50は、三次元画像情報格納部91から受け取った三次元画像情報に基づいて三次元画像を表示し、或いは、二次元画像情報格納部92から受け取った二次元画像情報に基づいて二次元画像を表示するものであり、照明部51、空間光変調素子52、表示切替部53および光散乱情報付加部54を備える。
【0084】
三次元画像情報格納部91は、画像表示装置50が表示すべき三次元画像の情報を格納しており、この三次元画像情報を画像表示装置50に供給する。この三次元画像情報は、少なくとも振幅情報A3を含み、更に位相情報P3をも含んでいてもよい。二次元画像情報格納部92は、画像表示装置50が表示すべき二次元画像の情報(振幅情報A2)を格納しており、この二次元画像情報を画像表示装置50に供給する。三次元画像情報格納部91および二次元画像情報格納部92それぞれは、画像表示装置50と直接に信号線で接続されていて、この信号線を介して三次元画像情報および二次元画像情報を画像表示装置50に供給してもよい。また、三次元画像情報格納部91および二次元画像情報格納部92それぞれは、無線通信やネットワーク(LANやインターネットなど)を介して三次元画像情報および二次元画像情報を画像表示装置50に供給してもよい。
【0085】
画像表示装置50に含まれる照明部51はコヒーレントな照明光Lを出射する。この照明光Lは、平面波および球面波などの指向性を有する光である。空間光変調素子52は、振幅変調部52aを有しており、位相変調部(第1実施形態における位相変調部12pと同様のもの)を更に有しているのも好適である。振幅変調部52aは、二次元配列された複数の画素それぞれに入射する光に対して振幅変調を与えて出射するものである。振幅変調部52aにおける光の変調は、表示切替部53により設定可能である。この空間光変調素子52は、照明部51より出射された照明光Lに対して振幅変調部52aにより振幅変調を与えて、その振幅が変調された光を出射する。また、振幅変調部52aは、光を回折させるだけの充分な解像度を有しており、例えば1000本/mm程度の解像度を有しているのが好ましい。
【0086】
光散乱情報付加部54は、二次元画像情報格納部92より供給された二次元画像情報A2を入力し、振幅変調部52aに入射する光を散乱させて出射し得る振幅変調を振幅変調部52aに設定するための光散乱情報を二次元画像情報A2に付加して、この光散乱情報が付加された二次元画像情報A2を出力するものである。
【0087】
表示切替部53は、三次元画像表示および二次元画像表示の切替を行う。より詳細には、三次元画像表示を行う際には、表示切替部53は、三次元画像情報格納部91から供給された三次元画像情報に含まれる振幅情報A3に基づいて振幅変調部52aにおける振幅変調を設定する。一方、二次元画像表示を行う際には、表示切替部53は、光散乱情報付加部54により光散乱情報が付加された二次元画像情報A2に基づいて振幅変調部52aにおける振幅変調を設定する。
【0088】
次に、図21に示される本実施形態に係る画像表示システム5および画像表示装置50の動作について説明するとともに、本実施形態に係る画像表示方法について説明する。
【0089】
三次元画像表示の際には、三次元画像情報格納部91から表示切替部53に三次元画像情報が供給され、この三次元画像情報に含まれる振幅情報A3に基づいて振幅変調部52aにおける振幅変調が設定される。すなわち、振幅変調部52aに振幅ホログラムが呈示される。そして、照明部51から出射された指向性を有する照明光Lは、空間光変調素子52へ入射して、二次元配列された複数の画素それぞれについて振幅変調部52aにより振幅変調されて、空間光変調素子52より出射する。この空間光変調素子52より出射した光(再生光)により三次元画像G3が表示される。
【0090】
二次元画像表示の際には、二次元画像情報格納部92より供給された二次元画像情報(振幅情報)A2は、光散乱情報付加部54により光散乱情報が付加される。この光散乱情報が付加された二次元画像情報A2に基づいて振幅変調部52aにおける振幅変調が設定される。そして、照明部51から出射された照明光Lは、空間光変調素子52へ入射して、二次元配列された複数の画素それぞれについて振幅変調部52aにより振幅変調されて、空間光変調素子52より出射する。この空間光変調素子52より出射した光により二次元画像G2が表示される。
【0091】
なお、三次元画像G3の情報量と比較して、二次元画像G2の情報量は格段に少ない。そこで、二次元画像G2の1画素につき空間光変調素子52の複数画素を割り当てることで、空間光変調素子52の全面に二次元画像G2を表示することができる。また、空間光変調素子52が振幅変調部52aだけでなく位相変調部をも有する場合には、三次元画像表示の際には位相情報P3に基づいて位相変調部における位相変調が設定され、二次元画像表示の際には光散乱情報に基づいて位相変調部における位相変調が設定される。
【0092】
以上のように、本実施形態に係る画像表示システム5、画像表示装置50および画像表示方法は、従来のものでは必要であった三次元画像情報計算部を有する必要が無いことから、小型で安価であり、また、従来のものでは必要であった三次元画像情報の計算が不要であることから、高品質の動画表示が可能である。
【0093】
本実施形態における光学系は、照明部51から出射された照明光Lが空間光変調素子52に対して斜め入射するオフアクシス型光学系である。本実施形態における三次元画像表示は、図13で説明したものと同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0094】
次に、本実施形態に係る画像表示装置50の空間光変調素子52に呈示される二次元画像について図22〜図24を用いて具体的に説明する。図22〜図24それぞれは、第5実施形態に係る画像表示装置50による二次元画像表示の説明図である。図22は、第5実施形態に係る画像表示装置50により表示される二次元画像G2の表示例を示す図である。図23は、第5実施形態に係る画像表示装置50により表示される二次元画像G2のうちの6×6画素分を示す図である。図24は、第5実施形態に係る画像表示装置50により表示される二次元画像G2のうちの1画素分を示す図である。
【0095】
図22に示されるように、空間光変調素子52により表示される二次元画像G2が文字「A」を表示するものであるとする。この文字「A」の右下角の部分画像g1が拡大されて図23に示されている。この図23に示されている部分画像g1は、二次元画像G2のうちの6×6画素分に相当する。二次元画像G2の1画素g2が拡大されて図24に示されている。図24に示されている8×8個の各画素g3は、空間光変調素子52の画素に相当している。すなわち、ここでは、二次元画像G2の1画素g2は、空間光変調素子52の8×8画素に相当する。
【0096】
二次元画像G2の1画素g2に対応する空間光変調素子52の8×8画素それぞれの画素値は、その1画素g2の輝度または色度に乱数が乗じられたものであり、二次元画像情報格納部92より供給された二次元画像情報A2に基づいて光散乱情報付加部54により算出されたものである。各画素g2の輝度または色度に乗じられる乱数は、例えば、0から255までの数である。空間光変調素子52の8×8画素それぞれの画素値の平均値は、対応する二次元画像G2の1画素の画素値に比例する。
【0097】
このように、二次元画像表示の際には、二次元画像情報格納部92より供給された二次元画像情報(振幅情報)A2に対して光散乱情報付加部54により光散乱情報が付加され、この光散乱情報が付加された二次元画像情報A2に基づいて振幅変調部52aにおける振幅変調が設定され、照明部51から出射された照明光Lが空間光変調素子52へ入射する。そして、この空間光変調素子52より出射した光により二次元画像G2が表示されるとともに、その出射光が散乱されるので、この散乱光が到達する広範囲において二次元画像G2を観察することができる。
【0098】
なお、上記の説明では、二次元画像G2の1画素に対応する空間光変調素子52の8×8画素が対応することとしたが、8×8でなくてもよく、一般にM×N(ただし、M≧2,N≧2)であればよい。
【0099】
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について説明する。図25は、第6実施形態に係る画像表示システム6および画像表示装置60のブロック図である。この図に示される画像表示システム6は、画像表示装置60、三次元画像情報格納部91および二次元画像情報格納部92を備える。画像表示装置60は、三次元画像情報格納部91から受け取った三次元画像情報に基づいて三次元画像を表示し、或いは、二次元画像情報格納部92から受け取った二次元画像情報に基づいて二次元画像を表示するものであり、照明部61、空間光変調素子62、表示切替部63および光散乱情報付加部64を備える。
【0100】
三次元画像情報格納部91は、画像表示装置60が表示すべき三次元画像の情報を格納しており、この三次元画像情報を画像表示装置60に供給する。この三次元画像情報は、少なくとも位相情報P3を含み、更に振幅情報A3をも含んでいてもよい。二次元画像情報格納部92は、画像表示装置60が表示すべき二次元画像の情報(振幅情報A2)を格納しており、この二次元画像情報を画像表示装置60に供給する。三次元画像情報格納部91および二次元画像情報格納部92それぞれは、画像表示装置60と直接に信号線で接続されていて、この信号線を介して三次元画像情報および二次元画像情報を画像表示装置60に供給してもよい。また、三次元画像情報格納部91および二次元画像情報格納部92それぞれは、無線通信やネットワーク(LANやインターネットなど)を介して三次元画像情報および二次元画像情報を画像表示装置60に供給してもよい。
【0101】
画像表示装置60に含まれる照明部61はコヒーレントな照明光Lを出射する。この照明光Lは、平面波および球面波などの指向性を有する光である。空間光変調素子62は、位相変調部62pを有しており、振幅変調部(第1実施形態における振幅変調部12aと同様のもの)を更に有しているのも好適である。位相変調部62pは、二次元配列された複数の画素それぞれに入射する光に対して位相変調を与えて出射するものである。位相変調部62pにおける光の変調は、表示切替部63により設定可能である。この空間光変調素子62は、照明部61より出射された照明光Lに対して位相変調部62pにより位相変調を与えて、その位相が変調された光を出射する。また、位相変調部62pは、光を回折させるだけの充分な解像度を有しており、例えば1000本/mm程度の解像度を有しているのが好ましい。
【0102】
光散乱情報付加部64は、二次元画像情報格納部92より供給された二次元画像情報A2を入力し、位相変調部62pに入射する光を散乱させて出射し得る位相変調を位相変調部62pに設定するための光散乱情報を二次元画像情報A2に付加して、この光散乱情報が付加された二次元画像情報A2を出力するものである。
【0103】
表示切替部63は、三次元画像表示および二次元画像表示の切替を行う。より詳細には、三次元画像表示を行う際には、表示切替部63は、三次元画像情報格納部91から供給された三次元画像情報に含まれる位相情報P3に基づいて位相変調部62pにおける位相変調を設定する。一方、二次元画像表示を行う際には、表示切替部63は、光散乱情報付加部64により光散乱情報が付加された二次元画像情報A2に基づいて位相変調部62pにおける位相変調を設定する。
【0104】
次に、図25に示される本実施形態に係る画像表示システム6および画像表示装置60の動作について説明するとともに、本実施形態に係る画像表示方法について説明する。
【0105】
三次元画像表示の際には、三次元画像情報格納部91から表示切替部63に三次元画像情報が供給され、この三次元画像情報に含まれる位相情報P3に基づいて位相変調部62pにおける位相変調が設定される。すなわち、位相変調部62pに位相ホログラムが呈示される。そして、照明部61から出射された指向性を有する照明光Lは、空間光変調素子62へ入射して、二次元配列された複数の画素それぞれについて位相変調部62pにより位相変調されて、空間光変調素子62より出射する。この空間光変調素子62より出射した光(再生光)により三次元画像G3が表示される。
【0106】
二次元画像表示の際には、二次元画像情報格納部92より供給された二次元画像情報(振幅情報)A2は、光散乱情報付加部64により光散乱情報が付加される。この光散乱情報が付加された二次元画像情報A2に基づいて位相変調部62pにおける位相変調が設定される。そして、照明部61から出射された照明光Lは、空間光変調素子62へ入射して、二次元配列された複数の画素それぞれについて位相変調部62pにより位相変調されて、空間光変調素子62より出射する。この空間光変調素子62より出射した光により二次元画像G2が表示される。
【0107】
なお、三次元画像G3の情報量と比較して、二次元画像G2の情報量は格段に少ない。そこで、二次元画像G2の1画素につき空間光変調素子62の複数画素を割り当てることで、空間光変調素子62の全面に二次元画像G2を表示することができる。また、空間光変調素子62が位相変調部62pだけでなく振幅変調部をも有する場合には、三次元画像表示の際には振幅情報A3に基づいて振幅変調部における振幅変調が設定され、二次元画像表示の際には光散乱情報に基づいて振幅変調部における振幅変調が設定される。
【0108】
以上のように、本実施形態に係る画像表示システム6、画像表示装置60および画像表示方法は、従来のものでは必要であった三次元画像情報計算部を有する必要が無いことから、小型で安価であり、また、従来のものでは必要であった三次元画像情報の計算が不要であることから、高品質の動画表示が可能である。
【0109】
本実施形態における光学系は、照明部61から出射された照明光Lが空間光変調素子62に対して斜め入射するオフアクシス型光学系である。本実施形態における三次元画像表示は、図13で説明したものと略同様であり、振幅変調と位相変調とが異なるのみであるので、ここでは説明を省略する。
【0110】
次に、本実施形態に係る画像表示装置60の空間光変調素子52に呈示される二次元画像について図26〜図29を用いて具体的に説明する。図26〜図29それぞれは、第5実施形態に係る画像表示装置50による二次元画像表示の説明図である。図26は、第6実施形態に係る画像表示装置60により表示される二次元画像G2の表示例を示す図である。図27は、第6実施形態に係る画像表示装置60により表示される二次元画像G2のうちの6×6画素分を示す図である。図28は、第6実施形態に係る画像表示装置60により表示される二次元画像G2のうちの1画素分を示す図である。図29は、第6実施形態に係る画像表示装置60により表示される二次元画像G2のうちの1光散乱位相パターン発生画素を示す図である。
【0111】
図26に示されるように、空間光変調素子62により表示される二次元画像G2が文字「A」を表示するものであるとする。この文字「A」の右下角の部分画像g1が拡大されて図27に示されている。この図27に示されている部分画像g1は、二次元画像G2のうちの6×6画素分に相当する。二次元画像G2の1画素g2が拡大されて図28に示されている。図28に示されている二次元画像G2の1画素g2は、16×16個の光散乱位相パターン発生画素g3に相当する。その1つの光散乱位相パターン発生画素g3が図29に示されている。図29に示されている8×8個の各画素g4は、空間光変調素子62の画素に相当している。すなわち、ここでは、二次元画像G2の1画素g2は、空間光変調素子62の128×128画素に相当する。
【0112】
二次元画像G2の1画素g2は、256階調表示を行う場合には、少なくとも16×16個の光散乱位相パターン発生画素g3からなる。二次元画像G2の1画素g2の画素値(輝度または色度)が最大値255であれば、その1画素g2に対応する16×16個の光散乱位相パターン発生画素g3の全てに光散乱情報が設定される。また、二次元画像G2の1画素g2の画素値が中間値127であれば、その1画素g2に対応する16×16個の光散乱位相パターン発生画素g3のうち半分の128個の光散乱位相パターン発生画素g3に光散乱情報が設定される。すなわち、二次元画像G2の1画素g2に応じて、光散乱情報が設定される光散乱位相パターン発生画素g3の数が決定される。そして、光散乱情報が設定される光散乱位相パターン発生画素g3では、これに含まれる8×8個の画素g4に0から2πまでの乱数が位相変調量として設定される。
【0113】
このように、二次元画像表示の際には、二次元画像情報格納部92より供給された二次元画像情報(振幅情報)A2に対して光散乱情報付加部64により光散乱情報が付加され、この光散乱情報が付加された二次元画像情報A2に基づいて位相変調部62pにおける位相変調が設定され、照明部61から出射された照明光Lが空間光変調素子62へ入射する。そして、この空間光変調素子62より出射した光により二次元画像G2が表示されるとともに、その出射光が散乱されるので、この散乱光が到達する広範囲において二次元画像G2を観察することができる。
【0114】
なお、上記の説明では、二次元画像G2の1画素に対応する空間光変調素子62の128×128画素が対応することとしたが、128×128でなくてもよく、一般にM×N(ただし、M≧2,N≧2)であればよい。
【0115】
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態について説明する。図30は、第7実施形態に係る画像表示システム7および画像表示装置70のブロック図である。この図に示される画像表示システム7は、画像表示装置70、三次元画像情報格納部91および二次元画像情報格納部92を備える。画像表示装置70は、三次元画像情報格納部91から受け取った三次元画像情報に基づいて三次元画像を表示し、或いは、二次元画像情報格納部92から受け取った二次元画像情報に基づいて二次元画像を表示するものであり、照明部71、空間光変調素子72、表示切替部73、レンズ75およびマスク76を備える。本実施形態における空間光変調素子72、レンズ75およびマスク76を含む光学系は、第4実施形態と同様である。
【0116】
三次元画像情報格納部91は、画像表示装置70が表示すべき三次元画像の情報(振幅情報A3および位相情報P3の双方または何れか一方を含む)を格納しており、この三次元画像情報を画像表示装置70に供給する。二次元画像情報格納部92は、画像表示装置70が表示すべき二次元画像の情報(振幅情報A2)を格納しており、この二次元画像情報を画像表示装置70に供給する。三次元画像情報格納部91および二次元画像情報格納部92それぞれは、画像表示装置70と直接に信号線で接続されていて、この信号線を介して三次元画像情報および二次元画像情報を画像表示装置70に供給してもよい。また、三次元画像情報格納部91および二次元画像情報格納部92それぞれは、無線通信やネットワーク(LANやインターネットなど)を介して三次元画像情報および二次元画像情報を画像表示装置70に供給してもよい。
【0117】
画像表示装置70に含まれる照明部71はコヒーレントな照明光Lを出射する。この照明光Lは、平面波および球面波などの指向性を有する光である。空間光変調素子72は、二次元配列された複数の画素それぞれに入射する光に対して振幅または位相の変調を与えて出射する変調部を有し、その変調部における光の変調が表示切替部73により設定可能である。この空間光変調素子72は、照明部71より出射された照明光Lに対して変調部により振幅または位相の変調を与えて、その振幅または位相が変調された光を出射する。変調部は、光を回折させるだけの充分な解像度を有しており、例えば1000本/mm程度の解像度を有しているのが好ましい。
【0118】
表示切替部73は、三次元画像表示および二次元画像表示の切替を行う。より詳細には、三次元画像表示を行う際には、表示切替部73は、三次元画像情報格納部91から供給された三次元画像情報に基づいて空間光変調素子72における振幅または位相の変調を設定する。一方、二次元画像表示を行う際には、表示切替部73は、二次元画像情報格納部92から供給された二次元画像情報に基づいて空間光変調素子72における振幅または位相の変調を設定する。また、二次元画像表示を行う際には、空間光変調素子72は、二次元配列された複数の画素のうち一定周期でサンプリングされた画素についてのみ、二次元画像情報に基づいて振幅または位相の変調が設定される。
【0119】
レンズ75は、空間光変調素子72より出射された光の像を拡大結像する拡大光学系として用いられる。また、マスク76は、レンズ75の焦点面に設けられ共役像および0次光を遮断し三次元画像を通過させる。
【0120】
次に、図30に示される本実施形態に係る画像表示システム7および画像表示装置70の動作について説明するとともに、本実施形態に係る画像表示方法について説明する。
【0121】
三次元画像表示の際には、三次元画像情報格納部91から表示切替部73に三次元画像情報が供給され、この三次元画像情報に基づいて空間光変調素子72における振幅または位相の変調が設定される。すなわち、空間光変調素子72に、振幅ホログラム、位相ホログラムまたは振幅位相ホログラムが呈示される。そして、照明部71から出射された照明光Lは、空間光変調素子72へ入射して、二次元配列された複数の画素それぞれについて振幅または位相の変調がなされて、空間光変調素子72より出射する。この空間光変調素子72より出射した光(再生光)により三次元画像G3が表示される。この三次元画像G3は、レンズ75により拡大されて結像され、これにより拡大された三次元画像G3eが得られる。そして、この拡大された三次元画像G3eはマスク76の開口を通して観察される。
【0122】
二次元画像表示の際には、二次元画像情報格納部92から表示切替部73に二次元画像情報が供給され、この二次元画像情報に基づいて空間光変調素子72における振幅または位相の変調が設定される。そして、照明部71から出射された照明光Lは、空間光変調素子72へ入射して、二次元配列された複数の画素それぞれについて振幅または位相の変調がなされて、空間光変調素子72より出射する。この空間光変調素子72より出射した光により二次元画像G2が表示される。このとき、空間光変調素子72では、二次元配列された複数の画素のうち一定周期でサンプリングされた画素についてのみ振幅または位相の変調が設定されているので、空間光変調素子72からは散乱光が出射する。この二次元画像G2は、レンズ75により拡大されて結像され、これにより拡大された二次元画像G2eが得られる。そして、この拡大された二次元画像G2eはマスク76の開口を通して観察される。
【0123】
以上のように、本実施形態に係る画像表示システム7、画像表示装置70および画像表示方法は、従来のものでは必要であった三次元画像情報計算部を有する必要が無いことから、小型で安価であり、また、従来のものでは必要であった三次元画像情報の計算が不要であることから、高品質の動画表示が可能である。
【0124】
本実施形態における光学系は、照明部71から出射された照明光Lが空間光変調素子72に対して垂直入射するインライン型光学系である。本実施形態における三次元画像表示は、図17,図19および図20で説明したものと略同様であるので、ここでは説明を省略する。また、本実施形態では、空間光変調素子72が振幅および位相の一方のみの変調が可能であって、三次元画像G3が空間光変調素子72の前方および後方の双方に跨って表示される場合には、図19および図20で説明したのと同様に、空間光変調素子72は、第1領域を透過した光により三次元画像G3のうち照明光出射側の部分を表示し、第2領域を透過した光により三次元画像G3のうち照明光入射側の部分を表示するようにするのが好適である。このようにすることで、共役像および0次光を遮断して、拡大された三次元画像G3eを観察することができる。
【0125】
次に、本実施形態に係る画像表示装置70の空間光変調素子72に呈示される二次元画像およびマスク76について図31〜図37を用いて具体的に説明する。ここでは、図31に示されるように、空間光変調素子72により表示される二次元画像G2が文字「A」を表示するものであるとする。
【0126】
図32は、第7実施形態に係る画像表示装置70に表示される二次元画像G2のうちの18×18画素分を示す図である。図33は、第7実施形態に係る画像表示装置70に表示される二次元画像G2のうちの縦3画素分を示す図である。図34は、第7実施形態に係る画像表示装置70のマスク76における光の分布を示す図である。
【0127】
図31に示される二次元画像G2のうちの文字「A」の右下角の部分画像g1が拡大されて図32に示されている。この図32に示されている部分画像g1は、空間光変調素子72に含まれる複数の画素のうちの18×18画素分に相当する。そのうちの縦3画素分g2が拡大されて図33に示されている。この縦3画素g2のうち、最も上に位置する画素g3aのみに二次元画像情報に基づいて所定の画素値が設定されており、他の画素g3bおよびg3cそれぞれには一定の画素値(例えば画素値0)が設定されている。このように、空間光変調素子72は、二次元画像表示を行う際に、二次元配列された複数の画素のうち一定周期でサンプリングされた画素についてのみ二次元画像情報に基づいて変調が設定される。空間光変調素子72により表示される二次元画像G2は、このサンプリング周期に応じた中心空間周波数を中心とする空間周波数分布を有する。
【0128】
したがって、レンズ75のフーリエ変換面に配置されるマスク76上において、0次光到達地点θ0とその縦方向の折り返し地点との間に、上記サンプリング周期に応じた中心空間周波数に対応する位置θ1を中心として二次元画像G2の空間周波数分布が局在する。位置θ1は、0次光到達地点θ0とその縦方向の折り返し地点とを1:2または2:1に内分する点である。マスク76の開口は、位置θ1を中心とする二次元画像G2の空間周波数分布を通過させる。それ故、瞳径がマスク76の開口の程度である場合には、二次元画像G2を鮮明に観察することができる。また、瞳径が位置θ1を中心とする二次元画像G2の空間周波数分布を通過させることができる場合にも、二次元画像G2を鮮明に観察することができる。
【0129】
以上では、空間光変調素子72の縦3画素のうちの1画素に画素値が設定される場合であった。以下では、空間光変調素子72の縦4画素のうちの2画素に画素値が設定される場合について説明する。
【0130】
図35は、第7実施形態に係る画像表示装置70に表示される二次元画像G2のうちの18×18画素分を示す図である。図36は、第7実施形態に係る画像表示装置70に表示される二次元画像G2のうちの縦4画素分を示す図である。図36は、第7実施形態に係る画像表示装置70のマスク76における光の分布を示す図である。
【0131】
図31に示される二次元画像G2のうちの文字「A」の右下角の部分画像g1が拡大されて図35に示されている。この図35に示されている部分画像g1は、空間光変調素子72に含まれる複数の画素のうちの18×18画素分に相当する。そのうちの縦4画素分g2が拡大されて図36に示されている。この縦4画素g2のうち、上の2つの画素g3aおよびg3bのみに二次元画像情報に基づいて所定の画素値が設定されており、他の画素g3cおよびg3dそれぞれには一定の画素値(例えば画素値0)が設定されている。このように、空間光変調素子72は、二次元画像表示を行う際に、二次元配列された複数の画素のうち一定周期でサンプリングされた画素についてのみ二次元画像情報に基づいて変調が設定される。空間光変調素子72により表示される二次元画像G2は、このサンプリング周期に応じた中心空間周波数を中心とする空間周波数分布を有する。
【0132】
したがって、レンズ75のフーリエ変換面に配置されるマスク76上において、0次光到達地点θ0とその縦方向の折り返し地点との間に、上記サンプリング周期に応じた中心空間周波数に対応する位置θ1を中心として二次元画像G2の空間周波数分布が局在する。位置θ1は、0次光到達地点θ0とその縦方向の折り返し地点とを1:3または3:1に内分する点である。マスク76の開口は、位置θ1を中心とする二次元画像G2の空間周波数分布を通過させる。それ故、瞳径がマスク76の開口の程度である場合には、二次元画像G2を鮮明に観察することができる。また、瞳径が位置θ1を中心とする二次元画像G2の空間周波数分布を通過させることができる場合にも、二次元画像G2を鮮明に観察することができる。
【0133】
なお、上記の例のように一定周期でサンプリングされた画素についてのみ変調が設定されないとすると、瞳径がマスク76の開口の程度である場合に、マスク76上において二次元画像の空間周波数分布は0次光到達地点θ0の近傍に存在する。しかし、マスク76は0次光を遮断することから、このマスク76の開口を通して観察される二次元画像は、空間周波数が低い成分が除去されて、空間周波数が高い成分のみからなる。また、瞳径がマスク76の開口と比較して小さい場合にも、このマスク76の開口を通して観察される二次元画像は、特定の空間周波数の成分のみからなる。しかし、本実施形態では、空間光変調素子72の複数の画素のうち一定周期でサンプリングされた画素についてのみ二次元画像情報に基づいて変調が設定されるので、二次元画像G2を鮮明に観察することができる。
【0134】
また、上記の例では、空間光変調素子72は、二次元画像表示を行う際に、二次元配列された複数の画素のうち縦方向に一定周期でサンプリングされた画素についてのみ二次元画像情報に基づいて変調が設定された。しかし、空間光変調素子72は、横方向に一定周期でサンプリングされた画素についてのみ二次元画像情報に基づいて変調が設定されてもよいし、また、縦方向および横方向それぞれに一定周期でサンプリングされた画素についてのみ二次元画像情報に基づいて変調が設定されてもよい。
【0135】
また、一般に、三次元画像G3の情報量と比較して、二次元画像G2の情報量は格段に少ない。そのときには、二次元画像G2の1画素につき空間光変調素子72のM×N画素(ただし、MまたはNは2以上)を割り当てて、そのM×N画素のうちの特定画素についてのみ二次元画像情報に基づいて画素値を設定することで、空間光変調素子72の全面に二次元画像G2を表示することができる。
【0136】
或いは、二次元画像G2の1画素につき空間光変調素子72の1画素を割り当てて、空間光変調素子72の複数の画素のうち一定周期でサンプリングされた画素についてのみ二次元画像情報に基づいて変調が設定され、他の画素については一定の画素値(例えば画素値0)が設定されてもよい。この場合には、空間光変調素子72に表示される画像は、本来の二次元画像のうちの一定周期でサンプリングされた画素についてのみのものとなり、他の画素が欠落したものとなる。そこで、テレビジョンのようにインターレース走査を行うのが好適である。例えば、上記図32および図33の例で説明すると、第1フレームでは空間光変調素子72の縦3画素のうち画素g3aに画素値を表示させ、第2フレームでは画素g3bに画素値を表示させ、第3フレームでは画素g3cに画素値を表示させる。これら第1フレーム,第2フレームおよび第3フレームを繰り返すことで、見かけ上、完全な二次元画像G2を観察することができる。
【0137】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したとおり、本発明によれば、従来のものでは必要であった三次元画像情報計算部を有する必要が無いことから、小型で安価であり、また、従来のものでは必要であった三次元画像情報の計算が不要であることから、高品質の動画表示が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る画像表示システム1および画像表示装置10のブロック図である。
【図2】第1実施形態に係る画像表示装置10におけるオフアクシス型光学系の場合の三次元画像表示の説明図である。
【図3】第1実施形態に係る画像表示装置10におけるオフアクシス型光学系の場合の二次元画像表示の説明図である。
【図4】第1実施形態に係る画像表示装置10におけるオフアクシス型光学系の場合に空間光変調素子12により表示される二次元画像G2の説明図である。
【図5】第1実施形態に係る画像表示装置10におけるインライン型光学系の場合の三次元画像表示の説明図である。
【図6】第1実施形態に係る画像表示装置10におけるインライン型光学系の場合の二次元画像表示の説明図である。
【図7】第2実施形態に係る画像表示システム2および画像表示装置20のブロック図である。
【図8】第2実施形態に係る画像表示装置20におけるインライン型光学系の場合の三次元画像表示の説明図である。
【図9】レンズ15の焦点面における領域R0などの説明図である。
【図10】第2実施形態に係る画像表示装置20におけるインライン型光学系の場合の二次元画像表示の説明図である。
【図11】レンズ15により得られた拡大された二次元画像G2eの説明図である。
【図12】第3実施形態に係る画像表示システム3および画像表示装置30のブロック図である。
【図13】第3実施形態に係る画像表示装置30におけるオフアクシス型光学系の場合の三次元画像表示の説明図である。
【図14】第3実施形態に係る画像表示装置30におけるオフアクシス型光学系の場合の二次元画像表示の説明図である。
【図15】第3実施形態に係る画像表示装置30におけるオフアクシス型光学系の場合の二次元画像表示の説明図である。
【図16】第4実施形態に係る画像表示システム4および画像表示装置40のブロック図である。
【図17】第4実施形態に係る画像表示装置40におけるインライン型光学系の場合の三次元画像表示の説明図である。
【図18】マスク36の説明図である。
【図19】三次元画像G3の輝点が空間光変調素子32の後方(照明光出射側)に存在する場合の波面の説明図である。
【図20】三次元画像G3の輝点が空間光変調素子32の前方(照明光入射側)に存在する場合の波面の説明図である。
【図21】第5実施形態に係る画像表示システム5および画像表示装置50のブロック図である。
【図22】第5実施形態に係る画像表示装置50により表示される二次元画像G2の表示例を示す図である。
【図23】第5実施形態に係る画像表示装置50により表示される二次元画像G2のうちの6×6画素分を示す図である。
【図24】第5実施形態に係る画像表示装置50により表示される二次元画像G2のうちの1画素分を示す図である。
【図25】第6実施形態に係る画像表示システム6および画像表示装置60のブロック図である。
【図26】第6実施形態に係る画像表示装置60により表示される二次元画像G2の表示例を示す図である。
【図27】第6実施形態に係る画像表示装置60により表示される二次元画像G2のうちの6×6画素分を示す図である。
【図28】第6実施形態に係る画像表示装置60により表示される二次元画像G2のうちの1画素分を示す図である。
【図29】第6実施形態に係る画像表示装置60により表示される二次元画像G2のうちの1光散乱位相パターン発生画素を示す図である。
【図30】第7実施形態に係る画像表示システム7および画像表示装置70のブロック図である。
【図31】第7実施形態に係る画像表示装置70により表示される二次元画像G2の表示例を示す図である。
【図32】第7実施形態に係る画像表示装置70に表示される二次元画像G2のうちの18×18画素分を示す図である。
【図33】第7実施形態に係る画像表示装置70に表示される二次元画像G2のうちの縦3画素分を示す図である。
【図34】第7実施形態に係る画像表示装置70のマスク76における光の分布を示す図である。
【図35】第7実施形態に係る画像表示装置70に表示される二次元画像G2のうちの18×18画素分を示す図である。
【図36】第7実施形態に係る画像表示装置70に表示される二次元画像G2のうちの縦4画素分を示す図である。
【図37】第7実施形態に係る画像表示装置70のマスク76における光の分布を示す図である。
【符号の説明】
1〜7…画像表示システム、10…画像表示装置、11…照明部、12…空間光変調素子、12a…振幅変調部、12p…位相変調部、13…表示切替部、14…光散乱位相情報格納部、15…レンズ(拡大光学系)、20…画像表示装置、30…画像表示装置、31…照明部、32…空間光変調素子、32a…振幅変調部、33…表示切替部、35…レンズ(拡大光学系)、36…マスク、40…画像表示装置、50…画像表示装置、51…照明部、52…空間光変調素子、52a…振幅変調部、53…表示切替部、54…光散乱情報付加部、60…画像表示装置、61…照明部、62…空間光変調素子、62p…位相変調部、63…表示切替部、64…光散乱情報付加部、70…画像表示装置、71…照明部、72…空間光変調素子、73…表示切替部、75…レンズ(拡大光学系)、76…マスク、91…三次元画像情報格納部、92…二次元画像情報格納部。

Claims (17)

  1. 三次元画像情報に基づく三次元画像表示および二次元画像情報に基づく二次元画像表示を選択的に行う画像表示装置であって、
    照明光を出射する照明部と、
    二次元配列された複数の画素それぞれに入射する光に対して振幅変調を与えて出射する振幅変調部と、二次元配列された複数の画素それぞれに入射する光に対して位相変調を与えて出射する位相変調部とを有し、前記振幅変調部および前記位相変調部それぞれにおける光の変調が外部より設定可能であり、前記照明部より出射された照明光に対して前記振幅変調部により振幅変調を与えるとともに前記位相変調部により位相変調を与えて、その振幅および位相が変調された光を出射する空間光変調素子と、
    前記位相変調部に入射する光を散乱させて出射し得る位相変調を前記位相変調部に設定するための光散乱位相情報を出力する光散乱位相情報格納部と、
    三次元画像表示および二次元画像表示の切替を行う表示切替部と、
    を備え、
    前記表示切替部が、
    三次元画像表示を行う際には、前記三次元画像情報に含まれる振幅情報に基づいて前記振幅変調部における振幅変調を設定するとともに、前記三次元画像情報に含まれる位相情報に基づいて前記位相変調部における位相変調を設定し、
    二次元画像表示を行う際には、前記二次元画像情報に基づいて前記振幅変調部における振幅変調を設定するとともに、前記光散乱位相情報格納部に格納されている前記光散乱位相情報に基づいて前記位相変調部における位相変調を設定する、
    ことを特徴とする画像表示装置。
  2. 前記空間光変調素子より出射された光の像を拡大結像する拡大光学系を更に備えることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
  3. 三次元画像情報に基づく三次元画像表示および二次元画像情報に基づく二次元画像表示を選択的に行う画像表示装置であって、
    非散乱照明光および散乱照明光の何れかを出射する照明部と、
    二次元配列された複数の画素それぞれに入射する光に対して振幅変調を与えて出射する振幅変調部を有し、前記振幅変調部における光の変調が外部より設定可能であり、前記照明部より出射された照明光に対して前記振幅変調部により振幅変調を与えて、その振幅が変調された光を出射する空間光変調素子と、
    三次元画像表示および二次元画像表示の切替を行う表示切替部と、
    を備え、
    前記表示切替部が、
    三次元画像表示を行う際には、非散乱照明光を前記照明部より出射させるとともに、前記三次元画像情報に含まれる振幅情報に基づいて前記振幅変調部における振幅変調を設定し、
    二次元画像表示を行う際には、散乱照明光を前記照明部より出射させるとともに、前記二次元画像情報に基づいて前記振幅変調部における振幅変調を設定する、
    ことを特徴とする画像表示装置。
  4. 前記空間光変調素子より出射された光の像を拡大結像する拡大光学系と、
    前記拡大光学系の焦点面に設けられ共役像および0次光を遮断し前記三次元画像を通過させるマスクと、
    を更に備えることを特徴とする請求項3記載の画像表示装置。
  5. 三次元画像情報に基づく三次元画像表示および二次元画像情報に基づく二次元画像表示を選択的に行う画像表示装置であって、
    照明光を出射する照明部と、
    二次元配列された複数の画素それぞれに入射する光に対して振幅変調を与えて出射する振幅変調部を有し、前記振幅変調部における光の変調が外部より設定可能であり、前記照明部より出射された照明光に対して前記振幅変調部により振幅変調を与えて、その振幅が変調された光を出射する空間光変調素子と、
    前記二次元画像情報を入力し、前記振幅変調部に入射する光を散乱させて出射し得る振幅変調を前記振幅変調部に設定するための光散乱情報を前記二次元画像情報に付加して、この光散乱情報が付加された前記二次元画像情報を出力する光散乱情報付加部と、
    三次元画像表示および二次元画像表示の切替を行う表示切替部と、
    を備え、
    前記表示切替部が、
    三次元画像表示を行う際には、前記三次元画像情報に含まれる振幅情報に基づいて前記振幅変調部における振幅変調を設定し、
    二次元画像表示を行う際には、前記光散乱情報付加部により前記散乱情報が付加された前記二次元画像情報に基づいて前記振幅変調部における振幅変調を設定する、
    ことを特徴とする画像表示装置。
  6. 三次元画像情報に基づく三次元画像表示および二次元画像情報に基づく二次元画像表示を選択的に行う画像表示装置であって、
    照明光を出射する照明部と、
    二次元配列された複数の画素それぞれに入射する光に対して位相変調を与えて出射する位相変調部を有し、前記位相変調部における光の変調が外部より設定可能であり、前記照明部より出射された照明光に対して前記位相変調部により位相変調を与えて、その位相が変調された光を出射する空間光変調素子と、
    前記二次元画像情報を入力し、前記位相変調部に入射する光を散乱させて出射し得る位相変調を前記位相変調部に設定するための光散乱情報を前記二次元画像情報に付加して、この光散乱情報が付加された前記二次元画像情報を出力する光散乱情報付加部と、
    三次元画像表示および二次元画像表示の切替を行う表示切替部と、
    を備え、
    前記表示切替部が、
    三次元画像表示を行う際には、前記三次元画像情報に含まれる位相情報に基づいて前記位相変調部における位相変調を設定し、
    二次元画像表示を行う際には、前記光散乱情報付加部により前記散乱情報が付加された前記二次元画像情報に基づいて前記位相変調部における位相変調を設定する、
    ことを特徴とする画像表示装置。
  7. 三次元画像情報に基づく三次元画像表示および二次元画像情報に基づく二次元画像表示を選択的に行う画像表示装置であって、
    照明光を出射する照明部と、
    二次元配列された複数の画素それぞれに入射する光に対して振幅または位相の変調を与えて出射する変調部を有し、前記変調部における光の変調が外部より設定可能であり、前記照明部より出射された照明光に対して前記変調部により振幅または位相の変調を与えて、その振幅または位相が変調された光を出射する空間光変調素子と、
    前記空間光変調素子より出射された光の像を拡大する拡大光学系と、
    前記拡大光学系の焦点面に設けられ共役像および0次光を遮断し前記三次元画像を通過させるマスクと、
    三次元画像表示および二次元画像表示の切替を行う表示切替部と、
    を備え、
    前記表示切替部が、三次元画像表示を行う際には前記三次元画像情報に基づいて前記変調部における変調を設定し、二次元画像表示を行う際には前記二次元画像情報に基づいて前記変調部における変調を設定し、
    前記空間光変調素子が、二次元画像表示を行う際に、前記変調部の二次元配列された前記複数の画素のうち一定周期でサンプリングされた画素についてのみ前記二次元画像情報に基づいて変調が設定される、
    ことを特徴とする画像表示装置。
  8. 前記空間光変調素子は、前記複数の画素の二次元配列領域が所定の直線を挟んで第1領域と第2領域とを含み、三次元画像を表示する際に、前記第1領域を透過した光により前記三次元画像のうち前記照明光の出射側の部分を表示し、前記第2領域を透過した光により前記三次元画像のうち前記照明光の入射側の部分を表示する、
    ことを特徴とする請求項4または7に記載の画像表示装置。
  9. 三次元画像情報に基づく三次元画像表示および二次元画像情報に基づく二次元画像表示を選択的に行う請求項1〜8の何れか1項に記載の画像表示装置と、
    前記三次元画像を格納する三次元画像情報格納部と、
    前記二次元画像を格納する二次元画像情報格納部と、
    を備えることを特徴とする画像表示システム。
  10. 三次元画像情報に基づく三次元画像表示および二次元画像情報に基づく二次元画像表示を選択的に行う画像表示方法であって、
    二次元配列された複数の画素それぞれに入射する光に対して振幅変調を与えて出射する振幅変調部と、二次元配列された複数の画素それぞれに入射する光に対して位相変調を与えて出射する位相変調部とを有し、前記振幅変調部および前記位相変調部それぞれにおける光の変調が外部より設定可能であり、前記照明部より出射された照明光に対して前記振幅変調部により振幅変調を与えるとともに前記位相変調部により位相変調を与えて、その振幅および位相が変調された光を出射する空間光変調素子を用い、
    三次元画像表示を行う際には、前記三次元画像情報に含まれる振幅情報に基づいて前記振幅変調部における振幅変調を設定するとともに、前記三次元画像情報に含まれる位相情報に基づいて前記位相変調部における位相変調を設定して、前記空間光変調素子に照明光を入射させて三次元画像を表示し、
    二次元画像表示を行う際には、前記二次元画像情報に基づいて前記振幅変調部における振幅変調を設定するとともに、前記位相変調部に入射する光を散乱させて出射し得る位相変調を前記位相変調部に設定して、前記空間光変調素子に照明光を入射させて二次元画像を表示する、
    ことを特徴とする画像表示方法。
  11. 前記空間光変調素子より出射された光の像を拡大光学系により拡大結像させることを特徴とする請求項10記載の画像表示方法。
  12. 三次元画像情報に基づく三次元画像表示および二次元画像情報に基づく二次元画像表示を選択的に行う画像表示方法であって、
    二次元配列された複数の画素それぞれに入射する光に対して振幅変調を与えて出射する振幅変調部を有し、前記振幅変調部における光の変調が外部より設定可能であり、前記照明部より出射された照明光に対して前記振幅変調部により振幅変調を与えて、その振幅が変調された光を出射する空間光変調素子を用い、
    三次元画像表示を行う際には、前記三次元画像情報に含まれる振幅情報に基づいて前記振幅変調部における振幅変調を設定して、前記空間光変調素子に非散乱照明光を入射させて三次元画像を表示し、
    二次元画像表示を行う際には、前記二次元画像情報に基づいて前記振幅変調部における振幅変調を設定して、前記空間光変調素子に散乱照明光を入射させて二次元画像を表示する、
    ことを特徴とする画像表示方法。
  13. 前記空間光変調素子より出射された光の像を拡大光学系により拡大結像させ、
    前記拡大光学系の焦点面に設けられたマスクにより共役像および0次光を遮断し前記三次元画像を通過させる、
    ことを特徴とする請求項12記載の画像表示方法。
  14. 三次元画像情報に基づく三次元画像表示および二次元画像情報に基づく二次元画像表示を選択的に行う画像表示方法であって、
    二次元配列された複数の画素それぞれに入射する光に対して振幅変調を与えて出射する振幅変調部を有し、前記振幅変調部における光の変調が外部より設定可能であり、前記照明部より出射された照明光に対して前記振幅変調部により振幅変調を与えて、その振幅が変調された光を出射する空間光変調素子を用い、
    三次元画像表示を行う際には、前記三次元画像情報に含まれる振幅情報に基づいて前記振幅変調部における振幅変調を設定して、前記空間光変調素子に照明光を入射させて三次元画像を表示し、
    二次元画像表示を行う際には、前記振幅変調部に入射する光を散乱させて出射し得る振幅変調を前記振幅変調部に設定するための光散乱情報を前記二次元画像情報に付加し、この光散乱情報が付加された前記二次元画像情報に基づいて前記振幅変調部における振幅変調を設定して、前記空間光変調素子に照明光を入射させて二次元画像を表示する、
    ことを特徴とする画像表示方法。
  15. 三次元画像情報に基づく三次元画像表示および二次元画像情報に基づく二次元画像表示を選択的に行う画像表示方法であって、
    二次元配列された複数の画素それぞれに入射する光に対して位相変調を与えて出射する位相変調部を有し、前記位相変調部における光の変調が外部より設定可能であり、前記照明部より出射された照明光に対して前記位相変調部により位相変調を与えて、その位相が変調された光を出射する空間光変調素子を用い、
    三次元画像表示を行う際には、前記三次元画像情報に含まれる位相情報に基づいて前記位相変調部における位相変調を設定して、前記空間光変調素子に照明光を入射させて三次元画像を表示し、
    二次元画像表示を行う際には、前記位相変調部に入射する光を散乱させて出射し得る位相変調を前記位相変調部に設定するための光散乱情報を前記二次元画像情報に付加し、この光散乱情報が付加された前記二次元画像情報に基づいて前記位相変調部における位相変調を設定して、前記空間光変調素子に照明光を入射させて二次元画像を表示する、
    ことを特徴とする画像表示方法。
  16. 三次元画像情報に基づく三次元画像表示および二次元画像情報に基づく二次元画像表示を選択的に行う画像表示方法であって、
    二次元配列された複数の画素それぞれに入射する光に対して振幅または位相の変調を与えて出射する変調部を有し、前記変調部における光の変調が外部より設定可能であり、前記照明部より出射された照明光に対して前記変調部により振幅または位相の変調を与えて、その振幅または位相が変調された光を出射する空間光変調素子を用い、
    三次元画像表示を行う際には、前記三次元画像情報に基づいて前記変調部における変調を設定して、前記空間光変調素子に照明光を入射させ、前記空間光変調素子より出射された光の像を拡大光学系により拡大結像させ、この拡大光学系の焦点面に設けられたマスクにより共役像および0次光を遮断し三次元画像を通過させ、
    二次元画像表示を行う際には、前記変調部の二次元配列された前記複数の画素のうち一定周期でサンプリングされた画素についてのみ前記二次元画像情報に基づいて変調を設定して、前記空間光変調素子に照明光を入射させ、前記空間光変調素子より出射された光の像を拡大光学系により拡大結像させ、この拡大光学系の焦点面に設けられたマスクにより共役像および0次光を遮断し二次元画像を通過させる、
    ことを特徴とする画像表示方法。
  17. 前記空間光変調素子は、前記複数の画素の二次元配列領域が所定の直線を挟んで第1領域と第2領域とを含み、三次元画像を表示する際に、前記第1領域を透過した光により前記三次元画像のうち前記照明光の出射側の部分を表示し、前記第2領域を透過した光により前記三次元画像のうち前記照明光の入射側の部分を表示する、
    ことを特徴とする請求項13または16に記載の画像表示方法。
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