JP4151775B2 - 抵抗低減効果を有する氷・水スラリーの生成方法、その輸送方法及びその輸送システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、輸送配管系を通じて輸送する場合に、流動抵抗の低減効果(本明細書においては単に抵抗低減効果という)を有する氷・水スラリーの生成方法、その輸送方法及びその輸送システムに関する。ここで、「氷・水スラリー」とは、水と微細な氷粒子(固体粒子)とのシャーベット状の混合物を意味する。
【0002】
【従来の技術】
居住環境や職場環境の向上のために、空調システムが利用されているが、このような空調システムは多量のエネルギーを消費するので、省エネルギー技術の開発の要請が高い。
【0003】
大規模な冷房システムにおいては、通常、6℃程度の冷水輸送システムが多用されている。このシステムにおいて、顕熱輸送量を増加させようとすれば、より低温の冷水輸送が必要とされる。しかしながら、冷水製造設備の安定した運転などの制約から、0℃前後の冷水輸送による空調システムは実現されていないのが現状である。
【0004】
その一方、より高密度の熱輸送を実現するために、潜熱輸送システムが多方面で検討されており、その代表的な技術として、マイクロカプセル輸送、ハイグレード輸送、氷・水スラリー輸送などが知られている。そして、それらの技術の中で、氷・水スラリー輸送システムが実用可能な潜熱輸送技術として注目されている。
【0005】
そこで、微細な氷粒子を水中に分散させ、空調システムにおける氷・水スラリーの使用を可能とするために、氷粒子の表面を制御し、分散性を確保して氷粒子同士の凝集と合一とを阻害する添加剤の開発が進められている(例えば特開2001−131538号公報、特開2000−178546A号公報参照)。しかしながら、微細な氷粒子を水中に分散された氷・水スラリーの状態で輸送すると、氷・水スラリーの粘度が上昇するため、必要とされる輸送動力が大きくなる。
【0006】
すなわち、そのような添加剤の代表的なものとして、ポリオキシエチレン・ソルビタンオレイン酸モノエステル(商品名:Tween80)が知られている。これを水中に添加して氷・水スラリーを生成し、配管内に乱流状態で流すと、図6に示す平均流速と圧力損失との関係から明らかなように、抵抗低減効果は示されず、氷粒子の存在しない水の流動抵抗よりも大きい圧力損失を示すことがわかる(なお、試験装置については図3参照)。また、そのような水溶液は、室温状態でも抵抗低減効果を示さない。従って、液相のみで抵抗低減効果を示さない添加剤を用いても、氷・水スラリーの輸送において抵抗低減効果は発現されないといえる。
【0007】
そこで、冷水輸送システムにおいて、そのような流動抵抗を低減する抵抗低減剤として適当な界面活性剤を添加することにより、液中に界面活性剤が形成する棒状ミセル(ひも状ミセル、いも虫状ミセルともいう)の網目構造を生成させ、これによって管内乱流を制御して輸送動力を低減させる技術が開発されている(Hiromoto Usui,Takayasu Itoh and Takashi Saeki,"On Pipe Diameter Effects in Surfactant Dragreducing Pipe Flow",Rheol.Acta,37,122-128(1998)参照)。そして、この抵抗低減技術を氷・水スラリーの輸送システムに適用する研究が行われている(Hroshi Suzuki,Hiromoto Usui,Shingo Sakaguchi,Masanori Matsuo,Hiroo Masaki and Osamu Ohkuma,"Flow Characteristics of Ice/Water Slurry with Surfactant Additives",Proc.6th World Congress on Chemical Engineering,September 23-27 Melbourne,Paper No.P2-040(2001)参照)。
【0008】
このような状況の下において、前述した抵抗低減技術を氷・水スラリーの輸送システムに適用して、輸送動力を低減させつつ、氷粒子の潜熱を輸送することができれば、高効率の省エネルギー型空調システムを実現できる。
【0009】
そこで、その研究をさらに一歩進めるべく、発明者らは、そのような氷粒子が存在しない液相における抵抗低減剤のうち循環使用が可能となものとして、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤及び両性界面活性剤が知られていることから、それぞれの界面活性剤について氷粒子の分散能力を実験に基づき検証した。その結果、スラリー生成用助剤として、食塩を添加した系において、両性界面活性剤(セチルジメチルベタイン)を500〜5000rpmの範囲で添加し、さらに陰イオン界面活性剤(オレイン酸ナトリウム)を500〜5000rpmの範囲で添加すると、図5に示すように、分散性が良好な氷・水スラリーが生成され、配管内を乱流状態として輸送する場合に、抵抗低減効果が発現することが確認された。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、スラリー生成用助剤として、食塩を添加した系においては、前述したように輸送配管系を通じての輸送において、抵抗低減効果が発現されるが、食塩を使用しているために、輸送配管系の腐食の問題が生じる。
【0011】
このような輸送配管系の腐食の問題を回避すべく、スラリー生成用助剤として、食塩に代わる物質についての検討・研究を重ねた結果、スラリー生成用助剤として、ソルビトール(別名:ソルビット)を用いれば、腐食の問題を回避でき、しかも、抵抗低減効果を付与する物質(両性界面活性剤)と混合して添加しても、抵抗低減効果が阻害されないことを見い出し、本発明をなすに至ったものである。
【0012】
すなわち、本発明は、腐食性を示さないスラリー生成用助剤としてソルビトール(ソルビトール系助剤)を用いることができること、そのソルビトールと両性界面活性剤とを併用することにより、輸送配管系についての腐食の問題を生ずることなく、分散性を確保して、抵抗低減効果を有する氷・水スラリーを生成し、流動させることが可能となるという知見に基づくものである。
【0013】
ところで、近年、氷蓄熱技術としてエコアイスシステムが開発されている。このシステムは、安価な夜間電力を利用して氷を製造し、これを備蓄しておいて、昼間にこの氷を溶かした冷水を循環させて冷房を行うものである。このシステムにおいて、循環により輸送される熱量は、水の顕熱のみであり、輸送すべき水の量が多くなり、前述した氷・水スラリー輸送による潜熱輸送システムとは基本的に異なるものである。また、大量の氷・水スラリーを輸送するシステムとしては、クラッシュドアイス(単純に砕いた、かなり大きい粒子径の氷粒子を水中に分散させた系)を用いたハーベストアイスの輸送システムも知られている(Onojima H. and H.Hayashi, Proc. Fourth Workshop on Ice Slurries of IIR, pp.78-86 (2001)参照)。このシステムは、氷粒子の粒子径が大きく、輸送動力の増大を伴うため、ビルの空調設備などの複雑な輸送配管系には適用が困難である。
【0014】
この発明は、輸送配管系の腐食の問題を生ずることなく、氷粒子の分散性を確保し、抵抗低減効果を有する氷・水スラリーを生成することができる氷・水スラリーの生成方法を提供することを目的とする。また、輸送配管系の腐食の問題を生ずることなく、氷・水スラリーを輸送配管系を通じて輸送する際に輸送動力の低減を図れる氷・水スラリーの輸送方法及びその輸送システムを提供することをも目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、輸送配管系を通じて輸送する氷・水スラリーの生成方法であって、氷・水スラリー生成用助剤としてのソルビトール系助剤と氷・水スラリー用分散剤としての両性界面活性剤とを水に添加してなる混合熱媒を過冷却した後、その過冷却を解除して氷粒子を分散させる氷・水スラリーを生成し、前記ソルビトール系助剤は、多価アルコールで水酸基の数が4〜8個の範囲のものであり、500ppm〜50000ppmの範囲で添加することを特徴とするものである。すなわち、本発明の特徴とする点は、(i)氷・水スラリー生成用助剤としてのソルビトール系助剤と氷・水スラリー用分散剤としての両性界面活性剤とを、氷・水スラリーに抵抗低減効果を持たせるための氷・水スラリーの調製用添加剤として用いている点、(ii)食塩を添加していない点である。
【0016】
この請求項1の発明によれば、ソルビトール系助剤(氷・水スラリー生成用助剤)と両性界面活性剤(氷・水スラリー用分散剤)とが、輸送配管系の腐食の問題を生ずることなく、氷・水スラリーに抵抗低減効果を持たせるための氷・水スラリーの調製用添加剤として添加された氷・水スラリーが生成される。氷・水スラリー用分散剤としての両性界面活性剤を熱媒溶液(氷・水スラリー)中に適当量分散させているので、両性界面活性剤が氷粒子の表面に吸着して表面を制御し、氷粒子の分散性を確保して、氷粒子同士の凝集と合一とを阻害する。また、氷粒子の表面に吸着されていない余剰添加剤は熱媒溶液中において棒状ミセルを形成し、その棒状ミセルの絡み合いによるネットワーク構造を生成して、輸送配管系を輸送する場合に、流動時の乱流を制御して、抵抗低減効果を発揮する。
【0017】
また、氷・水スラリー生成用助剤として、多価アルコールで水酸基の数が4〜8個の範囲のものであるソルビトール系助剤を500ppm〜50000ppm(好ましくは20000ppm〜35000ppm)の範囲で添加しているので、氷・水スラリー生成用助剤として食塩を用いる場合のように、輸送配管系について腐食の問題を生ずることなく、抵抗低減効果を確保することができる。
【0018】
この場合、ソルビトール系助剤として最も望ましいのは、多価のアルコールで水酸基の数が6個のものである。
【0019】
また、前記両性界面活性剤は、請求項2に記載のように、前記両性界面活性剤は、アルキル又はアルケニルジメチルベタインでアルキル基又はアルケニル基の炭素数が12〜22個の範囲のものであり、500ppm〜5000ppmの範囲(好ましくは1000ppm〜2000ppm)で添加することが望ましい。具体的には、下記一般式(1)で示される。
【0020】
【化1】
式(1)中、R1は炭素数12〜22(好ましくは14〜20)のアルキル基又はアルケニル基である(なお、R1は植物性及び動物性の天然脂肪酸基である混合アルキル基、混合アルケニル基であっても構わない)。
【0021】
R2,R3は炭素数1〜5のアルキル基又は(AO)nH基(但し、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基を示し、nは1〜5の実数である)を示す。
【0022】
請求項3の発明は、氷・水スラリーを輸送配管系を通じて輸送する氷・水スラリーの輸送方法であって、前記氷・水スラリーとして、請求項1または2に記載の氷・水スラリーの生成方法によって生成されたものを用いることを特徴とする。
【0023】
このようにすれば、氷・水スラリーを輸送配管系を通じて輸送する際に、輸送配管系について腐食の問題を生ずることなく、氷粒子の分散性が確保され、抵抗低減効果により輸送動力が低減される。
【0025】
請求項4の発明は、氷・水スラリーを輸送配管系を通じて輸送する氷・水スラリーの輸送システムであって、前記氷・水スラリーとして、請求項1または2に記載の氷・水スラリーの生成方法によって生成されたものを用いることを特徴とする。
【0026】
このようにすれば、ソルビトール系助剤と両性界面活性剤とを併用することによって、輸送配管系の腐食の問題を回避し、分散性を確保して抵抗低減効果を付与することが可能となる。これにより輸送配管系を通じて輸送する場合における氷・水スラリーの流動時における輸送動力の低減化と、配管の小径化とを図る上で有利になる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に沿って説明する。
【0028】
図1は本発明に係る一実施の形態である輸送システムの概略構成図(輸送配管系統図)である。
【0029】
図1に示すように、本システムは、氷・水スラリーを生成・貯留するスラリー生成・貯留タンク1と、そのスラリー生成・貯留タンク1に冷熱を付与する、つまり、スラリー生成・貯留タンク1内の溶液(氷・水スラリー生成用助剤としてのソルビトールと、氷・水スラリー用分散剤である両性界面活性剤とを水に添加してなる混合熱媒)を過冷却するための冷熱付与手段2が設けられている。冷熱付与手段としては、例えば、周知の冷凍機が用いられる。
【0030】
前記スラリー生成・貯留タンク1の下部には、スラリー輸送ポンプ3の吸引側が接続されている。このスラリー輸送ポンプ3の吐出側には熱媒溶液(氷・水スラリー)を輸送するための輸送配管系としての配管4が接続され、これが冷熱放出手段5に接続されている。冷熱放出手段5としては周知のファンコイルユニット(熱交換器)が用いられる。また、冷熱放出手段5の出口側には熱交換後の氷充填率(氷固体質量割合:IPF)が低下した氷・水スラリーを上記スラリー生成・貯留タンク1へ再び輸送するための戻り配管6が接続され、これがスラリー生成・貯留タンク1の上部に接続されている。
【0031】
また、前記スラリー生成・貯留タンク1には攪拌機7が設けられている。この攪拌機7は、スラリー生成・貯留タンク1内の側壁内面及び底壁内面まで延びる矩形状の複数の攪拌翼7aを有し、この攪拌翼7aがタンク外に設けた駆動手段7bから垂下した駆動軸7cに付設されている。そして、駆動手段7bを作動することにより、攪拌翼7aを周速約370mm/secで回転させてスラリー生成・貯留タンク1内の溶液(あるいは過冷却された溶液)を撹拌するようになっている。なお、前記攪拌翼7aの周速は、約370mm/secとしているが、表面の泡立ちがない限りもっと速くてもよいが、遅いと氷の掻き取り効果が薄れるので、好ましくない。よって、前記攪拌翼7aの周速は、100mm/sec〜600mm/sec、好ましくは300mm/sec〜450mm/sec程度とする必要がある。
【0032】
冷却面であるスラリー生成・貯留タンク1の壁面から近傍部分の間の水が過冷却(凝固点ー3℃以内)になり、これが攪拌翼7aによってかき混ぜられると、その刺激で過冷却が解除された氷粒子になる。攪拌翼7aには、スラリー生成・貯留タンク1の壁面を掻き取る作用とかき混ぜる作用のほかに、上部に浮上している氷粒子を下方に降下させるような下向きの流れを作り、分散した安定な氷・水スラリーの生成を促進する働きがある。
【0033】
また、スラリー生成・貯留タンク1の壁面側が先に結氷しやすいので、壁から析出した氷核をタンク壁から剥離させるために撹拌翼7aは、その半径方向は壁(側壁および底壁)に接触する近傍まで延びている。なお、前記攪拌翼7aの周縁に柔らかい弾性ゴムを被覆して壁に接するようにして剥離効果を高めるようにしてもよい。
【0034】
よって、図1に示す上記輸送配管系によれば、まず、スラリー生成・貯留タンク1内に適量のソルビトール(氷・水スラリー生成用助剤)及び両性界面活性剤(セチルジメチルアミノ酢酸ベタイン)を添加した溶液を蓄え、これを、冷熱付与手段2により過冷却して、攪拌機7で撹拌しながら微細な氷粒子Sを生成することが可能となる。このように徐々に水の氷点以下に冷却するが、この際、無攪拌でもよいが、ゆるやかに攪拌しつつ冷却することが好ましい。
【0035】
このように冷却していくと、全体が細かな0.01mm〜数mmの微細な氷粒子の結晶が生成してくる。これに対し、両性界面活性剤を添加しない場合は、結晶粒子が巨大化してくると共に、タンク1及び配管4の壁面にはりついて氷粒子の結晶が成長するという不都合が生じるが、両性界面活性剤を添加した溶液は、このような不都合が生じることがない。
【0036】
このようにして、氷充填率が5〜30重量%、好ましくは5〜20重量%の0.01mm〜数mmの微細な氷粒子を安定に保持した氷・水スラリーを得ることができる。
【0037】
次に、このようにして生成された氷・水スラリーは、スラリー生成・貯留タンク1内よりスラリー輸送ポンプ3によって吸引され、配管4を通じて冷熱放出手段5に流動輸送されて、ここで冷熱を放出するようになっている。この配管4での輸送において、抵抗低減効果を発現させ、輸送動力を低減させつつ、氷粒子の潜熱を輸送することができる。
【0038】
前記冷熱放出手段5にて冷熱を放出した氷・水スラリーは、氷の融解により液若しくは氷充填率(IPF)の低い氷・水スラリーの状態となる。その後、戻り配管6を通って再びスラリー生成・貯留タンク1に戻るようになっている。この液は再び冷熱付与手段2により再度過冷却されて氷・水スラリーとなる。以上のプロセスを繰り返すことにより、冷熱の輸送を行い、例えば高層ビルの冷房を行うことができる。
【0039】
ところで、前記氷・水スラリーの生成に当たって、添加されるソルビトールは、多価アルコールで水酸基の数が4〜8個の範囲(好ましくは6個)のものであり、500ppm〜50000ppmの範囲、好ましくは20000ppm〜35000ppmの範囲で添加される。また、両性界面活性剤は、アルキル又はアルキレンジメチルベタインでアルキル基又はアルキレン基の炭素数が12〜22個の範囲(好ましくは14〜20個の範囲)のものであり、500ppm〜5000ppmの範囲、好ましくは1000ppm〜2000ppmの範囲で添加される。そして、このソルビトールが、従来の食塩と同様に、氷・水スラリー生成用助剤として働く。そして、ソルビトールのほか、両性界面活性剤を添加する理由は次の通りである。
【0040】
すなわち、第一に、微細な氷粒子からなる氷・水スラリーを分散した安定な状態に保持できるように生成することにある。
【0041】
第二に、輸送時の再結晶による肥大化を防止して配管内の閉塞現象を防止するとともに、配管輸送時の流動抵抗を低減することにある。図2に氷粒子Sの肥大化防止の原理を示している。前記適量のソルビトール及び両性界面活性剤を添加した溶液を冷却すると、図2(a)のようなある程度の大きさの氷粒子Sが生成される。その際、図2(b)に示すように両性界面活性剤が吸着されて氷粒子Sの表面に薄い膜m(両性界面活性剤の層)が形成される。そうすると、両性界面活性剤の層mが氷粒子S同士の結合を阻害する働きを発揮するので、氷粒子Sの肥大化が防止されることになる。
【0042】
尚、前記両性界面活性剤は、下記一般式(1)で示される。
【0043】
【化2】
式(1)中、R1は炭素数12〜22、好ましくは14〜20のアルキル基又はアルケニル基である。なお、R1は植物性及び動物性の天然脂肪酸基である混合アルキル基、混合アルケニル基であっても構わない。
【0044】
R2,R3は炭素数1〜5のアルキル基又は(AO)nH基(但し、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基を示し、nは1〜5の実数である)を示し、好ましくはメチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基である。
【0045】
このような両性界面活性剤としては、具体的には、オクチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ドデシルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、パルミチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、オレイルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシアルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、牛脂アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチルジヒドロキシエチルアミノ酢酸ベタイン、パルミチルジヒドロキシエチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジヒドロキシエチルアミノ酢酸ベタイン、オレイルジヒドロキシエチルアミノ酢酸ベタインなどが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。
【0046】
これらの中でも、特に、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、パルミチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、オレイルジメチルアミノ酢酸ベダインが好ましい。
【0047】
上記のように氷・水スラリーを生成すれば、そのような氷・水スラリーを潜熱輸送空調システムに適用して直接輸送する場合において、抵抗低減効果を発現させ、輸送動力を低減させつつ、氷の潜熱を輸送することができる。
【0048】
従って、流動時の輸送の動力を低減化、配管の小径化を達成できるうえ、両性界面活性剤を添加するのは、極少量であるから、環境への負荷も極く小さくすることができる。
【0049】
以下、実施例と比較例とに対して行った、流動輸送した際の圧力損失の測定試験について説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(実施例)
セチルジメチルアミノ酢酸ベタイン1000ppmとソルビトール30000ppmとを水(水道水)に添加して、試料溶液Aとした。
(比較例)
ポリオキシエチレン・ソルビタンオレイン酸モノエステル(商品名:Tween80)2000ppmと食塩18000ppmとを水(水道水)に添加して、試料溶液Bとした。
(試験の内容)
流動輸送した際の圧力損失の試験は、図3に示す氷・水スラリー循環流動試験装置のステンレス製タンクに、水、及び前記試料を入れて凝固点以下に冷却し、撹拌混合しながら過冷却を解除して氷・水スラリーを生成し、この氷・水スラリーをスラリー輸送ポンプで輸送配管系を通じて流動輸送し、配管の一部に設けた供試部での圧力損失を測定した。
(試験の結果)
前記実施例及び比較例について、流動輸送した際の圧力損失の測定を行い、その結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
試料溶液B(比較例)の場合は流動抵抗が増加するが、試料溶液A(実施例)の流動抵抗は冷水輸送の場合と変わらない。しかしながら、潜熱輸送を行うために、冷水輸送の場合と同じ熱量を運ぶためには、少量の氷・水スラリーを輸送するだけで足り、冷水輸送の場合よりも有利であるといえる。
【0051】
また、氷充填率を変化させた場合の圧力損失の結果を示す図4より、氷充填率が7〜20重量%の範囲であれば、圧力損失が低減され、氷・水スラリーの輸送動力の低減効果を発現していることがわかる。なお、図4中の添加剤濃度は次ぎに示すとおりである。
▲1▼Tween80+NaCl(食塩)
Tween80 2000ppm
NaCl(食塩) 18000ppm
▲2▼Betaine+Sodium oleic acid+NaCl(食塩)
セチルジメチルアミノ酢酸ベタイン 2000ppm
オレイン酸ナトリウム 2000ppm
NaCl(食塩) 12000ppm
▲3▼Betaine+Sorbitol
セチルジメチルアミノ酢酸ベタイン 1000ppm
ソルビトール 30000ppm
前述した結果に基づき、地上30階、地下2階、延べ床面積85,000m2、建物高さ130mの建物を想定し(図5参照)、冷房ピーク負荷90kcal/m2hとして輸送動力の削減効果を計算すると、冷水の場合に必要な冷水流量は1,090m2/h、必要な電力は一月あたり39.2MWhであり、氷・水スラリーの場合、必要な流量は348m2/h、一月あたりの電力消費は8.43MWhとなり、78.5%の動力削減が可能と考えられた。このとき、配管径は100〜400mmで構成されており、配管の直管部は合計460m、流路内にポンプ6機、バルブ40個、エルボ32個およびチーズ75個を含むものとした。また、冷水の場合には、一般的な条件として、6℃で入り、13℃で戻るものとし、水・氷スラリーの場合には、入りの温度を0℃、すべての氷が融解し、6℃の冷水でもどってくるものとした。
【0052】
この計算結果は、氷・水スラリー輸送でもって、従来の冷水輸送と同一の熱量を輸送する場合には、従来の冷水輸送に比べて、20%程度(動力低減率=80%程度)の輸送動力で輸送することを実現できることを示すものである。さらに、ビル空調に比べて、より広域な空調システムを考える場合には一層大きな動力削減効果が得られるものと考えられる。
【0053】
以上の結果から、前記氷・水スラリーにおける氷充填率が5〜50重量%(好ましくは5〜20重量%)の範囲であれば、圧力損失が低減されると推測される。なお、食塩を添加した場合(氷充填率11重量%)も、圧力損失が低減されているが、食塩およびオレイン酸ナトリウムを用いる場合には、前述したように輸送配管系の腐食の問題が生ずる。
【0054】
前記実施の形態においては、氷・水スラリーを生成するのに、スラリー生成・貯留タンク1内にソルビトール(氷・水スラリー生成用助剤)及びセチルジメチルアミノ酢酸ベタイン(両性界面活性剤)を添加した溶液を蓄え、冷熱付与手段2により過冷却し、これを攪拌機7で撹拌しながら過冷却解除して微細な氷粒子Sを含む氷・水スラリーを生成するようにしているが、そのほか、(i)前記溶液を過冷却して、これに超音波を照射して過冷却解除して、微細な氷粒子Sを含む氷・水スラリーを生成するようにしてもよいし、(ii)輸送配管系を流れる前記溶液を過冷却した後、この下流側において超音波を照射して過冷却解除して、微細な氷粒子を含む氷・水スラリーを生成するようにしてもよい。
【0055】
【発明の効果】
この発明は、以上に説明したように実施され、以下に述べるような効果を奏する。
【0056】
請求項1または2の生成方法は、腐食性を示さない氷・水スラリー生成用助剤としてのソルビトール系助剤を、氷・水スラリー用分散剤としての両性界面活性剤と併用しているので、氷・水スラリー生成用助剤として食塩を用いる場合とは異なり、輸送配管系に腐食の問題が生ずることがなく、かつ輸送配管系を通じて輸送する場合に、氷粒子の分散性を確保して抵抗低減効果を有する氷・水スラリーを生成することができる。
【0057】
請求項3の輸送方法及び請求項4の輸送システムは、輸送配管系の腐食の問題がなく、かつ抵抗低減効果を有する氷・水スラリーを用いるので、輸送配管系を流動させる場合における輸送動力の低減化と、輸送配管系における配管の小径化とを図る上で有利になり、ビルの空調設備、地域冷暖房システム、冷熱輸送システムなどに利用することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施の形態である輸送システムの概略構成図である。
【図2】(a)(b)は両性界面活性剤を添加したときの氷粒子の肥大化防止の原理図であり、(a)は微小な氷粒子の生成状態を示し、(b)は両性界面活性剤の層を表面に吸着した氷粒子を示す。
【図3】氷・水スラリー循環流動試験装置の全体構成図である。
【図4】氷・水スラリーの氷充填率を変化させて流動輸送した際の圧力損失についての試験結果を示す図である。
【図5】計算モデルの説明図である。
【図6】従来の氷・水スラリーを流動輸送した際の圧力損失についての試験結果を示す図である。
【符号の説明】
1 スラリー生成・貯留タンク
2 冷熱付与手段
3 スラリー輸送ポンプ
4 配管
5 冷熱放出手段
6 戻り配管
7 攪拌機
7a 攪拌翼
m 薄い膜(両性界面活性剤の層)
S 氷粒子
Claims (4)
- 輸送配管系を通じて輸送する氷・水スラリーの生成方法であって、
氷・水スラリー生成用助剤としてのソルビトール系助剤と氷・水スラリー用分散剤としての両性界面活性剤とを水に添加してなる混合熱媒を過冷却した後、その過冷却を解除して氷粒子を分散させる氷・水スラリーを生成し、
前記ソルビトール系助剤は、多価アルコールで水酸基の数が4〜8個の範囲のものであり、500ppm〜50000ppmの範囲で添加することを特徴とする氷・水スラリーの生成方法。 - 前記両性界面活性剤は、アルキル又はアルケニルジメチルベタインでアルキル基又はアルケニル基の炭素数が12〜22個の範囲のものであり、500ppm〜5000ppmの範囲で添加する請求項1に記載の氷・水スラリーの生成方法。
- 氷・水スラリーを輸送配管系を通じて輸送する氷・水スラリーの輸送方法であって、
前記氷・水スラリーとして、請求項1または2に記載の氷・水スラリーの生成方法によって生成されたものを用いることを特徴とする氷・水スラリーの輸送方法。 - 氷・水スラリーを輸送配管系を通じて輸送する氷・水スラリーの輸送システムであって、
前記氷・水スラリーとして、請求項1または2に記載の氷・水スラリーの生成方法によって生成されたものを用いることを特徴とする氷・水スラリーの輸送システム。
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