JP4151611B2 - インバータ制御装置及びこのインバータ制御装置を備えた採油機 - Google Patents

インバータ制御装置及びこのインバータ制御装置を備えた採油機 Download PDF

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Description

本発明は、油田の油を採油する採油機に関し、特に、地上に垂直配置されたモータを動作させる場合に制動状態から駆動状態への起動をスムーズに実現することができるインバータ制御装置及びこのインバータ制御装置を備えた採油機に関する。
従来の採油機としては、地中深く存在する油をポンプを用いて地上に吸い上げるものが知られている。
この採油機に用いるポンプを駆動するには、大きなトルクを必要とするため、従来は大型の振り子状のアームを上下に運動させ、このアームの上下運動を伝達することでポンプを駆動して採油していた。
この時、振り子状のアームは、商用電源に接続されているモータにより駆動されており、モータ回転とアームの間には機械的なギア比が存在し、アーム動作は上下1往復で約10〜20秒と緩やかであった。
しかしながら、このような従来の採油機にあっては、商用電源を用いてモータを駆動するため、採油速度を可変できなかった。また、商用電源を用いているため、省エネルギーが期待できなかった。さらに、商用電源を用いてモータを駆動しているため、運転、停止の単純運転しかできないため、メンテナンスや試運転での低速運転、起動トルク、制動トルクの調整等が困難であった。また、メンテナンス時等は、アームを中間位置で停止する必要があるが、従来の採油機では機械的ブレーキを必要としていたため、複雑な機構を必要としていた。
そこで、このような従来の採油機の欠点を解決するため、直線動作式の採油機が提案された。ここで、図15を参照して、従来の直線動作式の採油機100の基本構成およびその動作を説明する。
図15に示すように、採油機100は、モータ1、インバータ制御装置(INV)103、回生ユニット(DBR)105、放電抵抗(R)107、上端位置センサ109a、下端位置センサ111aを電気系構成として備え、シリンダ113、カウンタウエイト115、ケーブル117、コロ119a,119b,119cなどを支柱121上に設けた機構系構成として備えている。
中央に垂直に配置された鉄柱121内部には上下方向にレール(図示しない)が設けられており、このレール上にモータ1が上下移動自在に設けられており、モータ1がレール上を上下に駆動し、その動力がケーブル117からシリンダ113とカウンタウエイト115に伝達されて上下に移動する。
インバータ制御装置103は、鉄柱121の上端部および下端部に設置された位置センサ109a,111aからのセンサ信号によりモータ1の上昇・下降の運転方向を反転させて繰り返し動作を行わせる。モータ1の上昇・下降時にはモータ1に回生エネルギーが発生するのでこのエネルギーを吸収するため、インバータ制御装置103には回生ユニット105を介して放電抵抗107が接続されている。
また、従来の特許文献1においては、インバータによりモータのブレーキ装置の制動を解除し、ブースト電圧により決められた出力電圧から加速を開始するようにしていた。
特開平6−261570号公報
しかしながら、従来のインバータ制御装置103にあっては、図16に示すように、第1に、インバータによりモータの直流制動(DCブレーキ)を行い停止時の保持トルクを発生させ、第2に、運転開始後に加速動作が開始されると、トルクブーストにより決められた出力電圧から加速が開始するというように、2種の設定要素があるため、運転開始時には出力電圧に変化が生じるので、モータから採油機にショックを与えていた。
詳しくは、インバータ制御装置103を用いてモータ1を駆動する場合、直流制動が設定された状態で、モータを上昇または下降させる起動時にスムーズな起動ができないといった問題があった。
また、インバータ制御装置103にあっては、直流制動の大きさとブースト(始動周波数における出力電圧)の大きさが独立に設定できるが、それぞれを電圧値では設定できなかった。
このため、起動時に直流制動とブーストとの電圧値を合わせることが難しく、その結果、図16に示す非連続点のように、インバータへの出力電圧が変化していた。この出力電圧の変化が採油機のモータの起動をスムーズにさせない原因であった。
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的としては、制動時から起動時へのスムーズな動作を実現でき、機械的損傷が少なく寿命を延ばすことができるインバータ制御装置及びこのインバータ制御装置を備えた採油機を提供することにある。
請求項1記載の発明は、上記課題を解決するため、垂直に配置され直線上を上下移動するモータに電力を供給するインバータを周波数および電圧により制御するインバータ制御装置において、操作に応じて指令または数値を入力する操作手段と、前記操作手段により入力された制動時に対応する制動電圧指令値を記憶する電圧値記憶手段と、前記操作手段により入力された運転時に対応する周波数パターンを記憶する周波数パターン記憶手段と、前記操作手段により入力されたスタンバイ指令を受け付けると、前記モータを起動動作させる前に制動動作させるために、前記電圧値記憶手段に記憶されている制動時の制動電圧指令値を出力し、その後、前記操作手段により入力された運転指令を受け付けると、前記モータを制動動作から起動動作に移行させるために、前記周波数パターン記憶手段に記憶されている運転時の周波数パターンを読み出し、前記モータを制動動作から起動動作に移行させる時点における電圧指令値を該制動電圧指令値に合わせ、その後、当該周波数パターンに応じて該制動電圧指令値から徐々に上昇するように電圧指令値を発生する電圧指令値発生手段と、を備え、前記周波数パターンおよび電圧指令値に基づ前記インバータを制御するとともに、前記モータの制動動作から起動動作をスムーズに行わせることを要旨とする。
請求項2記載の発明は、上記課題を解決するため、前記操作手段により入力された運転指令が解除されると、前記電圧指令値発生手段は、当該周波数パターンに応じて前記制動電圧指令値まで徐々に低下するように電圧指令値を発生することを要旨とする。
請求項3記載の発明は、上記課題を解決するため、前記操作手段により入力された一時停止指令を受け付けた場合には、停止前の運転方向を記憶する運転方向記憶手段を備え、前記電圧指令値発生手段は、前記操作手段により入力された一時停止解除指令を受け付けた場合には、前記運転方向記憶手段に記憶されている運転方向に対応して、前記周波数パターン記憶手段に記憶されている運転時の周波数パターンを読み出し、当該周波数パターンに応じて前記制動電圧指令値から徐々に上昇するように電圧指令値を発生することを要旨とする。
請求項4記載の発明は、上記課題を解決するため、制動時には電気角を所定の固定値に固定して出力し、運転時には前記周波数パターンに基づいて周波数を時間積分して生成した電気角を前記所定の固定値から開始するように出力する電気角生成器を備えたことを要旨とする。
請求項5記載の発明は、上記課題を解決するため、地下に配置されシリンダを上下移動して油を採油するポンプを備え、地上に配置された前記モータと前記シリンダとをケーブルを介して接続し、前記インバータ制御装置により前記モータを制御し、前記モータの上下移動をシリンダに伝達して前記ポンプを作動させて採油することを要旨とする。
請求項1記載の本発明によれば、操作に応じて指令または数値を入力するようにしておき、操作により入力された制動時に対応する制動電圧指令値を記憶しておき、操作により入力された運転時に対応する周波数パターンを記憶しておく。そして、操作により入力されたスタンバイ指令に応じて記憶されている制動電圧指令値を出力し、操作により入力された運転指令に応じて記憶されている運転時の周波数パターンを読み出し、当該周波数パターンに応じて該制動電圧指令値から徐々に上昇するように電圧指令値を発生することで、周波数パターンおよび電圧指令値に基づいて、インバータを制御する。この結果、制動電圧指令値により連続した制動保持トルクをモータから発生することができ、メンテナンスや試運転が容易で、機械ブレーキが不必要なので安価であり、制動時から起動時へのスムーズな動作を実現でき、機械的損傷が少なく寿命を延ばすことができる。
請求項2記載の本発明によれば、運転指令が解除されると、当該周波数パターンに応じて制動電圧指令値まで徐々に低下するように電圧指令値を発生するので、モータが徐々に減速して段差なく制動停止することができる。
制動電圧指令値により連続した制動保持トルクをモータから発生することができる。
請求項3記載の本発明によれば、制動時には電気角を所定の固定値に固定して出力し、運転時には周波数パターンに基づいて周波数を時間積分して生成した電気角を所定の固定値から開始するように出力するので、制動時から起動時へのスムーズな周波数の移行を実現でき、機械的損傷が少なく寿命を延ばすことができる。
請求項4記載の本発明によれば、操作により入力された一時停止指令を受け付けた場合には、停止前の運転方向を記憶しておき、操作により入力された一時停止解除指令を受け付けた場合には、記憶されている運転方向に対応して、記憶されている運転時の周波数パターンを読み出し、当該周波数パターンに応じて制動電圧指令値から徐々に上昇するように電圧指令値を発生することで、制動電圧指令値により連続した制動保持トルクをモータから発生することができ、メンテナンスや試運転が容易で、機械ブレーキが不必要なので安価であり、制動時から起動時へのスムーズな動作を実現でき、機械的損傷が少なく寿命を延ばすことができる。
請求項5記載の本発明によれば、請求項1乃至4項の何れか1項に記載のインバータ制御装置を備えた採油機では、地上に配置されたモータとシリンダとをケーブルを介して接続し、インバータ制御装置によりモータを制御し、モータの上下移動をシリンダに伝達してポンプを作動させて採油するので、制動電圧指令値により連続した制動保持トルクをモータから発生することができ、メンテナンスや試運転が容易で、機械ブレーキが不必要なので安価であり、制動時から起動時へのスムーズな動作を実現でき、機械的損傷が少なく採油機の寿命を延ばすことができる。また、制動時から起動時へのスムーズな周波数の移行を実現でき、機械的損傷が少なく採油機の寿命を延ばすことができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る採油機50の構成を示す図である。図2は、本発明の第1の実施の形態に係るインバータ制御装置2の構成を示す図である。なお、図2に示すインバータ制御装置2は、図15に示すインバータ制御装置103に代わって、採油機50に設けられていることとする。
図2を参照して、このインバータ制御装置2の構成について説明する。
インバータ制御装置2は、三相交流3が入力される整流回路5、コンデンサC1、インバータ回路7、操作パネル8、指令回路9、インバータ制御回路21、上端位置センサ109a、下端位置センサ111aから構成されている。
上端位置センサ109aおよび下端位置センサ111aは、例えばモータ1の端部に取り付けられた突起部が接触した場合にONするマイクロスイッチ、モータ1の端部に取り付けられた突起部が光を遮断した場合にONするフォトセンサから構成されている。上端位置センサ109aは、モータ1が直線上の上端位置にあることを検出したときにハイレベルのセンサ信号を出力する。下端位置センサ111aは、モータ1が直線上の下端位置にあることを検出したときにハイレベルのセンサ信号を出力する。
次いで、図3を参照して、この整流回路5とインバータ回路7の詳細な構成について説明する。
商用電源として三相交流R,S,Tが整流回路5に入力されており、整流回路5に設けられたダイオードD1,D2にR相、D3,D4にS相、D5,D6にT相が入力され、各ダイオードとコンデンサC1により整流平滑されて直流端子P,N(P:正側端子、N:負側端子)に直流電力が出力される。
この直流端子P,Nにはインバータ回路7が接続されており、詳しくは、インバータ回路7に設けられたスイッチ素子Q1,Q3,Q5およびダイオードD7,D9,D11には正側端子Pが、スイッチ素子Q2,Q4,Q6およびダイオードD8,D10,D12には負側端子Nが接続されている。さらに、スイッチ素子Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6のベースには、インバータ制御回路21から出力された3組のON/OFF信号Up,Un,Vp,Vn,Wp,Wnがそれぞれ入力されている。
インバータ回路7は、例えば出力電圧400V、出力電力37kw〜45kwを有しており、直流端子P,Nに入力されている直流電力に対して、インバータ制御回路21から出力された3組のON/OFF信号Up,Un,Vp,Vn,Wp,Wnに従って、スイッチ素子Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6をそれぞれON/OFF制御することで、スイッチ素子Q1,Q2の接続点からU相が,スイッチ素子Q3,Q4の接続点からV相が、スイッチ素子Q5,Q6の接続点からW相がそれぞれモータ1の入力端子に出力される。
モータ1は、鉄柱121上に上下直線的に配置された永久磁石の上面を動力巻き線が上下直線的に移動する構造の特殊モータであり、本発明の採油機においては、例えば28kwの同期モータを用いており、PGセンサなしでV/f制御モードにより動作する。このモータ1の運転特性は、周波数4〜7Hz、始動トルク300%、0速度で現在の上下位置を保持するだけのトルクが必要となり、図1に示す鉄柱121上に設けられた12mの永久磁石の上面を1分間に4回の割合で上下往復動作を繰り返す。
モータ1のブレーキ仕様は、回生ブレーキを採用しており、回生時にモータ1に発生する回生電力をインバータ回路7から回生ユニット105を介して放電抵抗107に放電する。また、モータ1はブレーキ仕様として、機械ブレーキ、エアブレーキ、DCブレーキの3系統を有している。
図1に示すシリンダ113は、地下ポンプに設けられており、例えば約10tonの重さを有し、ケーブル117により地下1800mの位置にある。
次いで、図4を参照して、操作パネル8および指令回路9の詳細な構成について説明する。
操作パネル8は、インバータ制御装置2の筐体前面に装備されている。操作部分としては、後述するインバータ制御回路21を運転、停止するDRIVEキー、テンキー、小数点キー、ENTER(実行・確定)キー、ステップキー、PROGRAM(プログラム)キー、表示切り替え/CLEARキーおよびSTOPキーを備えている。
また、表示部分としては、セグメントモニタと8つのランプ(Ctrl、MPa、V、%、rpm、A、Hzの各表示が付されたランプ及び運転モード表示ランプ)を備えている。これらは何れもLEDから成り、セグメントモニタは、操作状態およびパラメータ番号、その設定値、インバータ制御回路21の状態等を表示する。
さらに、操作パネル8では、テンキーおよびENTERキーを用いて、制動電圧値および周波数値が入力されるので、それぞれ制動電圧指令および周波数指令として指令回路9に出力する。
次いで、指令回路9は、電圧設定器10a、電圧値記憶器10b、加減速調整器11a、周波数パターン記憶器11b、電圧指令値発生器12という機能ブロックから構成されている。
電圧設定器10aは、操作パネル8から制動電圧指令が入力された場合に、制動電圧指令値Voを電圧値記憶器10bに記憶しておく。操作パネル8からスタンバイ指令が入力された場合に、電圧値記憶器10bに記憶された制動電圧指令値Voを読み出して電圧指令値発生器12に出力する。加減速調整器11aは、操作パネル8から周波数指令が入力された場合に、この周波数指令からなる周波数パターンを周波数パターン記憶器11bに記憶するとともに、操作パネル8から運転指令が入力された場合に、周波数パターン記憶器11bから出力周波数指令f1を読み出して電圧指令値発生器12に出力するとともに、インバータ制御回路21に出力する。なお、加減速調整器11aから出力される出力周波数f1の加速特性を図5(a)に、減速特性を図5(b)に示す。
また、加減速調整器11aは、操作パネル8からスタンバイ指令が入力された場合に、出力周波数指令f1として0Hzを電圧指令値発生器12及びインバータ制御回路21に出力する。
電圧指令値発生器12は、加減速調整器11aから出力される出力周波数指令f1の大きさに応じた電圧指令値V1を生成してインバータ制御回路21に出力する。なお、電圧指令値発生器12から出力される電圧指令値V1の電圧/周波数特性を図5(c)に示す。
次いで、図6を参照して、このインバータ制御回路21の詳細な構成について説明する。
インバータ制御回路21は、電気角生成器22、三相正弦波発生器23、乗算器24,25,26、三角波発生器27、比較器28,29,30、インバータ31,32,33、デッドタイム付与回路34から構成され、パルス幅変調動作を行う。
電気角生成器22は、指令回路9から出力される出力周波数f1に基づいて、出力周波数f1を時間積分して電気角θを生成して三相正弦波発生器23に出力する。また、電気角生成器22に0Hzの出力周波数f1が入力されると、電気角θは増加せずに固定される。
三相正弦波発生器23は、電気角生成器22から出力される電気角θに応じてこの電気角θを有する三相の正弦波Va,Vb,Vcを発生して乗算器24,25,26にそれぞれ出力する。三相正弦波発生器23は、電気角θを入力することで、直流制動時の基準直流信号と始動周波数からの基準正弦波信号(基準交流信号)が生成される。
乗算器24,25,26には、指令回路9から出力される電圧指令値V1が共通に入力され、同時に、三相正弦波発生器23から出力される三相の正弦波Va,Vb,Vcがそれぞれ入力されており、電圧指令値V1に対して三相の正弦波Va,Vb,Vcがそれぞれ乗算され、電圧指令値V1倍の振幅を有する三相の正弦波Vu,Vv,Vwが比較器28,29,30のそれぞれの+入力端子に入力される。
三角波発生器27は、三角波キャリアVtを発生して比較器28,29,30のそれぞれの−入力端子に入力される。
比較器28,29,30は、乗算器24,25,26から出力される三相の正弦波Vu,Vv,Vwと、三角波発生器27から出力される三角波キャリアVtとを比較して3組のON/OFF信号Vg1,Vg3,Vg5を生成し、さらに、インバータ31,32,33によりそれぞれの信号を反転してON/OFF信号Vg2,Vg4,Vg6を生成してデッドタイム付与回路34に出力する。
デッドタイム付与回路34では、比較器28,29,30およびインバータ31,32,33から出力される、ON/OFF信号Vg1,Vg2,Vg3,Vg4,Vg5,Vg6に対して、Vg1とVg2、Vg3とVg4、Vg5とVg6のそれぞれの組の信号が同時にオンしないようにデッドタイムを付与し、3組の互いに逆レベルになるON/OFF信号Up,Un,Vp,Vn,Wp,Wnを生成し、これら3組のON/OFF信号をインバータ回路7に出力する。
次いで、図7〜図9を参照して、このインバータ制御装置2の詳細な動作について説明する。なお、本発明は、モータの起動時および停止時に、図7に示すように、直流制動が要求される運転パターンにおいて、図8に示すように、直流制動の電圧と始動周波数の電圧(ブースト電圧)を合わせるように制御するものです。
(操作パネル)
まず、作業者の操作に応じて操作パネル8から出力された制動電圧指令は、電圧設定器10aに入力され、制動電圧指令値Voが設定されて記憶される。
次いで、操作パネル8から出力された周波数指令は、加減速調整器11aから周波数パターン記憶器11bに記憶される。
次いで、操作パネル8からスタンバイ指令が入力された場合に、出力周波数指令f1として0Hzを電圧指令値発生器12に出力するとともに、インバータ制御回路21に出力する。
次いで、操作パネル8から運転指令が入力された場合に、出力周波数指令f1を電圧指令値発生器12に出力するとともに、インバータ制御回路21に出力する。電圧指令値発生器12では、加減速調整器11aから出力される出力周波数指令f1の大きさに応じた電圧指令値V1を生成してインバータ制御回路21に出力する。
以下、図7〜図9に示すタイミングチャートを参照して、インバータ制御装置2の基本的な制御動作について説明する。
(動作タイミング)
図7において、タイミングt1〜t2,t8〜t9が本発明のスタンバイ状態を示している。また、タイミングt2〜t3,t5〜t6が本発明の加速動作を示しタイミングt4〜t5,t7〜t8が減速動作を示している。さらに、タイミングt3〜t4,t6〜t7が等速動作を示している。
(指令回路への設定)
操作パネル8から制動電圧指令が指令回路9に入力されると、電圧設定器10aでは制動電圧指令値Voを設定して記憶する。
操作パネル8から周波数指令が指令回路9に入力されると、加減速調整器11aではこの周波数を周波数パターン記憶器11bに記憶しておく。
電圧指令値発生器12は、電圧設定器10aから出力される制動電圧指令値Voを電圧指令値V1としてインバータ制御回路21に出力する。
操作パネル8から運転指令が指令回路9に入力されると、加減速調整器11aは周波数パターン記憶器11bに記憶されている出力周波数指令f1を読み出して電圧指令値発生器12及びインバータ制御回路21に出力する。
ここで、図8(a)は電圧設定器10aに対して設定した制動電圧指令値Voを示しており、運転指令までは電圧V0が出力されており、この運転指令以降は加減速調整器11aから出力される出力周波数指令f1に対して比例して変化する電圧V1が電圧指令値発生器12から出力される。
また、図8(b)は、加減速調整器11aから出力される出力周波数f1と出力電圧V1の関係を示しており、直流制動のときには出力周波数f1が0Hzで出力電圧V1が例えば40Vを示し、加速運転時には出力周波数f1が0Hz〜10Hzで出力電圧V1が例えば40V〜380Vを示している。
(スタンバイ状態)
図9に示すタイミングt31において、操作パネル8からスタンバイ指令が指令回路9に入力されると、制動電圧指令値Voが電圧指令値発生器12に入力される。
このとき、加減速調整器11aから出力される出力周波数指令f1は0Hzであるので、電圧指令値発生器12は、制動電圧指令値Voを電圧指令値V1としてインバータ制御回路21に出力する。
電気角生成器22は、指令回路9から出力される出力周波数指令f1に基づいて、出力周波数指令f1を時間積分して電気角θを生成し、この電気角θを三相正弦波発生器23に出力するが、指令回路9から電気角生成器22に出力される出力周波数指令f1がタイミングt31〜t32では0Hzになっているので、三相正弦波発生器23から出力される電気角θは0度となる。
三相正弦波発生器23は、電気角生成器22から出力される電気角θに応じてこの電気角θを有し、それぞれθ+0度、θ+120度、θ+240度の電気角が異なる三相の正弦波Va,Vb,Vcを発生している。
詳しくは、図9に示すタイミングt31〜t32では、出力周波数f1は0Hzであるので、電気角生成器22から出力される電気角θは0度である。この結果、三相正弦波発生器23では、この電気角θ=0度が与えられているので、三相の正弦波Va,Vb,Vcはそれぞれ、電気角が0度、120度、240度となっている。
三相正弦波発生器23では、電気角生成器22から出力される電気角θ(0度、120度、240度)に応じてこの電気角θを有する三相の正弦波Va,Vb,Vcを発生して乗算器24,25,26にそれぞれ出力する。
乗算器24,25,26では、指令回路9から出力される電圧指令値V1が共通に入力され、同時に、三相正弦波発生器23から出力される三相の正弦波Va,Vb,Vcがそれぞれ入力され、電圧指令値V1に対して三相の正弦波Va,Vb,Vcがそれぞれ乗算され、電圧指令値V1倍の振幅を有する三相の正弦波Vu,Vv,Vwが比較器28,29,30のそれぞれの+入力端子に入力される。同時に、三角波発生器27では、三角波キャリアVtを発生して比較器28,29,30のそれぞれの−入力端子に入力される。
図9に示すタイミングt31〜t32では、比較器28,29,30に入力されている乗算器24,25,26からの三相の正弦波Vu,Vv,Vwと、三角波発生器27から入力されている三角波キャリアVtとが図14に示す直流制動時の波形を示している。
この結果、比較器28,29,30では、乗算器24,25,26から出力される三相の正弦波Vu,Vv,Vwと、三角波発生器27から出力される三角波キャリアVtとを比較して3組のON/OFF信号Vg1,Vg3,Vg5を生成し、さらに、インバータ31,32,33によりそれぞれの信号を反転してON/OFF信号Vg2,Vg4,Vg6を生成してデッドタイム付与回路34に出力される。
デッドタイム付与回路34では、比較器28,29,30およびインバータ31,32,33から出力される、ON/OFF信号Vg1,Vg2,Vg3,Vg4,Vg5,Vg6に対して、Vg1とVg2、Vg3とVg4、Vg5とVg6のそれぞれの組の信号が同時にオンしないようにデッドタイムを付与し、3組の互いに逆レベルになるON/OFF信号Up,Un,Vp,Vn,Wp,Wnを生成し、これら3組のON/OFF信号がインバータ回路7に出力される。
一方、三相交流R,S,Tの商用電源3が整流回路5に入力され、ダイオードD1,D2,D3,D4,D5,D6とコンデンサC1により整流平滑されて直流端子P,Nに直流電力が出力される。
この直流端子P,Nに接続されているインバータ回路7では、インバータ制御回路21から出力された3組のON/OFF信号Up,Un,Vp,Vn,Wp,Wnによりスイッチ素子Q1〜Q6がON/OFF制御され、スイッチ素子Q1,Q2の接続点からU相が,スイッチ素子Q3,Q4の接続点からV相が、スイッチ素子Q5,Q6の接続点からW相がそれぞれモータ1の入力端子に出力される。
その後、運転指令がONになった時点で直流制動を中止し、インバータ制御回路21は加速動作を行う。
(加速動作)
次に、図9に示すタイミングt32〜t33において、操作パネル8から運転指令が指令回路9に入力されると、加減速調整器11aから出力される出力周波数指令f1は0Hz〜10Hzに向かって上昇するので、電圧指令値発生器12は、電圧指令値V1が40V〜380Vに向かって上昇し、この電圧がインバータ制御回路21に出力される。
電気角生成器22は、指令回路9から出力される出力周波数指令f1に基づいて、出力周波数指令f1を時間積分して電気角θを生成し、この電気角θを三相正弦波発生器23に出力する。
指令回路9から電気角生成器22に出力される出力周波数指令f1は、タイミングt32〜t33では0Hz〜10Hzになっているので、三相正弦波発生器23から出力される電気角θは0度から上昇する。
三相正弦波発生器23は、電気角生成器22から出力される電気角θに応じてこの電気角θを有し、それぞれθ+0度、θ+120度、θ+240度の電気角が異なる三相の正弦波Va,Vb,Vcを発生している。
三相正弦波発生器23では、電気角生成器22から出力される電気角θに応じてこの電気角θを有する三相の正弦波Va,Vb,Vcを発生して乗算器24,25,26にそれぞれ出力する。
乗算器24,25,26では、指令回路9から出力される電圧指令値V1が共通に入力され、同時に、三相正弦波発生器23から出力される三相の正弦波Va,Vb,Vcがそれぞれ入力され、電圧指令値V1に対して三相の正弦波Va,Vb,Vcがそれぞれ乗算され、電圧指令値V1倍の振幅を有する三相の正弦波Vu,Vv,Vwが比較器28,29,30のそれぞれの+入力端子に入力される。同時に、三角波発生器27では、三角波キャリアVtを発生して比較器28,29,30のそれぞれの−入力端子に入力される。
図9に示すタイミングt32〜t33では、比較器28,29,30に入力されている乗算器24,25,26からの三相の正弦波Vu,Vv,Vwと、三角波発生器27から入力されている三角波キャリアVtとが図14に示す加速動作時の波形を示している。
この結果、比較器28,29,30では、乗算器24,25,26から出力される三相の正弦波Vu,Vv,Vwと、三角波発生器27から出力される三角波キャリアVtとを比較して3組のON/OFF信号Vg1,Vg3,Vg5を生成し、さらに、インバータ31,32,33によりそれぞれの信号を反転してON/OFF信号Vg2,Vg4,Vg6を生成してデッドタイム付与回路34に出力される。
デッドタイム付与回路34では、比較器28,29,30およびインバータ31,32,33から出力される、ON/OFF信号Vg1,Vg2,Vg3,Vg4,Vg5,Vg6に対して、Vg1とVg2、Vg3とVg4、Vg5とVg6のそれぞれの組の信号が同時にオンしないようにデッドタイムを付与し、3組の互いに逆レベルになるON/OFF信号Up,Un,Vp,Vn,Wp,Wnを生成し、これら3組のON/OFF信号がインバータ回路7に出力される。
一方、三相交流R,S,Tの商用電源3が整流回路5に入力され、ダイオードD1,D2,D3,D4,D5,D6とコンデンサC1により整流平滑されて直流端子P,Nに直流電力が出力される。
この直流端子P,Nに接続されているインバータ回路7では、インバータ制御回路21から出力された3組のON/OFF信号Up,Un,Vp,Vn,Wp,Wnによりスイッチ素子Q1〜Q6がON/OFF制御され、スイッチ素子Q1,Q2の接続点からU相が,スイッチ素子Q3,Q4の接続点からV相が、スイッチ素子Q5,Q6の接続点からW相がそれぞれモータ1の入力端子に出力される。
このように、作業者による操作に応じて指令または数値を操作パネル8から入力するようにしておき、操作パネル8により入力された制動時に対応する制動電圧指令値を電圧値記憶器10bに記憶しておき、操作パネル8により入力された運転時に対応する周波数パターンを周波数パターン記憶器11bに記憶しておく。そして、電圧指令値発生器12では、操作パネル8により入力されたスタンバイ指令に応じて電圧値記憶器10bに記憶されている制動電圧指令値を出力し、操作パネル8により入力された運転指令に応じて周波数パターン記憶器11bに記憶されている運転時の周波数パターンを読み出し、当該周波数パターンに応じて該制動電圧指令値から徐々に上昇するように電圧指令値を発生することで、周波数パターンおよび電圧指令値に基づいて、インバータ回路7を制御する。
この結果、制動電圧指令値により連続した制動保持トルクをモータから発生することができ、メンテナンスや試運転が容易で、機械ブレーキが不必要なので安価であり、制動時から起動時へのスムーズな動作を実現でき、機械的損傷が少なく寿命を延ばすことができる。
また、タイミングt34において、操作パネル8により入力された運転指令が解除されると、電圧指令値発生器12はその周波数パターンに応じて制動電圧指令値Voまで徐々に低下するように電圧指令値V1を発生するので、タイミングt35において、モータが徐々に減速して段差なく制動停止することができる。
[第2の実施の形態]
図10は、本発明の第2の実施の形態に係るインバータ制御装置に用いる操作パネル71および指令回路73の構成を示す図である。なお、本発明の第2の実施の形態に係るインバータ制御装置に用いる操作パネル71および指令回路73は、第1の実施の形態に係るインバータ制御装置に用いられた各部の機能とほぼ同様の機能を有しているので、ここではその特徴的機能のみを説明し、同様の機能についてはその説明を省略する。
図10において、操作パネル71には、モータ1の運転方向を手動で決定するUpボタンとDownボタンが設けられており、UpボタンからのUp信号とDownボタンからのDown信号が方向指示器75aに入力される。
指令回路73に設けられた方向指示器75aには、UpボタンおよびDownボタンからのUp信号およびDown信号が入力されており、正転(下降)方向または逆転(上昇)方向を示すフラグとしてdir信号を加減速調整器79aに出力する。
また、方向指示器75aには、上端位置センサ109a,下端位置センサ111aからの上端位置信号および下端位置信号が入力されており、この上端位置信号と下端位置信号に基づいて、このdir信号を反転して加減速調整器79aに出力する。方向指示器75aは、現在のdir信号を運転方向記憶器75bに記憶しており、このdir信号を電圧設定器77a、加減速調整器79aに出力する。
方向指示器75aは、モータ1の正転方向または逆転方向が他方に切り替わったときにハイレベルのパルス信号からなるrestart信号を電圧設定器77a、加減速調整器79aに出力する。
電圧設定器77aでは、方向指示器75aからのdir信号およびrestart信号に応じて、制動電圧指令値記憶器77bに記憶されている正転方向または逆転方向に対応する制動電圧指令値Voを電圧指令値発生器12に出力する。
加減速調整器79aでは、方向指示器75aからのdir信号およびrestart信号に応じて、周波数パターン記憶器79bに記憶されている正転方向または逆転方向に対応する出力周波数指令f1を切り換え、電圧指令値発生器12に出力する。
(dir信号)
操作パネル71に設けられたDownボタンが押されると、Down信号が方向指示器75aに入力される。このとき、図11に示すタイミングt41〜t44のように、方向指示器75aからは下降を表すローレベルのdir信号が加減速調整器79aに出力されている。次いで、操作パネル71に設けられたUpボタンが押されると、Up信号が方向指示器75aに入力される。このとき、タイミングt44〜t47に示すように、方向指示器75aからは上昇を表すハイレベルのdir信号が加減速調整器79aに出力されている。
また、上端位置センサ109aから上端位置信号が方向指示器75aに入力される。このとき、タイミングt47〜t50に示すように、方向指示器75aからは下降を表すローレベルのdir信号が加減速調整器79aに出力されている。次いで、下端位置センサ111aから下端位置信号が方向指示器75aに入力される。このとき、タイミングt50〜に示すように、方向指示器75aからは上昇を表すハイレベルのdir信号が加減速調整器79aに出力されている。
加減速調整器79aでは、方向指示器75aからのdir信号に応じて、周波数パターン記憶器79bに記憶されている正転方向または逆転方向に対応する出力周波数指令f1を切り換え、電圧指令値発生器12に出力する。
(一時停止指令)
上端位置センサ109aから上端位置信号が方向指示器75aに入力され、図12に示すタイミングt61〜t70のように、方向指示器75aからは下降を表すローレベルのdir信号が加減速調整器79aに出力されている。
この間に、操作パネル71に設けられた一時停止ボタンが押されると、一時停止指令が電圧設定器77aと加減速調整器79aに入力されるが、方向指示器75aからは一時停止指令とは無関係にdir信号が出力されている。
タイミングt64において、ローレベルからハイレベルに変化する一時停止指令を受け付けた電圧設定器77aは、制動電圧指令値V0を電圧指令値発生器12に出力する。同時に、一時停止指令を受け付けた加減速調整器79aは、現在の出力周波数f1が0Hzに向かって徐々に減少するように調整し、この出力周波数f1を電圧指令値発生器12に出力する。電圧指令値発生器12では、出力周波数f1が0Hzに向かって徐々に減少するので、出力周波数f1が0Hzになった時点で電圧指令値V1が制動電圧指令値V0になるようにしている。
この結果、タイミングt64〜t66において、出力周波数f1が0Hzまで減少し、同時に、電圧指令値V1が制動電圧指令値V0まで減少するので、駆動時から制動時へのスムーズな停止動作を実現することができる。
(一時停止解除指令)
次いで、操作パネル71に設けられた一時停止ボタンが再度押されて一時停止が解除されると、一時停止解除指令が電圧設定器77aと加減速調整器79aに入力される。この時、方向指示器75aからは一時停止解除指令とは無関係にdir信号が出力されている。
タイミングt67において、ローレベルからハイレベルに変化する一時停止解除指令を受け付けた電圧設定器77aは、制動電圧指令値V0を電圧指令値発生器12に出力している。同時に、一時停止解除指令を受け付けた加減速調整器79aは、周波数パターン記憶器79bから出力周波数f1を読み出し、出力周波数f1が0Hzから徐々に増加するように調整し、この出力周波数f1を電圧指令値発生器12に出力する。電圧指令値発生器12では、出力周波数f1が0Hzで電圧指令値V1が制動電圧指令値V0になっており、出力周波数f1が0Hzから徐々に増加するので、電圧指令値V1が制動電圧指令値V0から徐々に増加する。
この結果、タイミングt67〜t69において、出力周波数f1が0Hzから徐々に増加し、同時に、電圧指令値V1が制動電圧指令値V0から徐々に増加するので、制動時から駆動時へのスムーズな起動動作を実現することができる。
このように、操作パネル8により入力された一時停止指令を受け付けた場合には、停止前の運転方向を運転方向記憶器75bに記憶しておき、電圧指令値発生器12は、操作パネル8により入力された一時停止解除指令を受け付けた場合には、運転方向記憶器75bに記憶されている運転方向に対応して、周波数パターン記憶器79bに記憶されている運転時の周波数パターンを読み出し、当該周波数パターンに応じて制動電圧指令値から徐々に上昇するように電圧指令値を発生することで、制動電圧指令値により連続した制動保持トルクをモータから発生することができ、メンテナンスや試運転が容易で、機械ブレーキが不必要なので安価であり、制動時から起動時へのスムーズな動作を実現でき、機械的損傷が少なく寿命を延ばすことができる。
[第3の実施の形態]
図13は、本発明の第3の実施の形態に係るインバータ制御装置に用いるインバータ制御回路85の構成を示す図である。なお、本発明の第3の実施の形態に係るインバータ制御装置に用いるインバータ制御回路85は、第1の実施の形態に係るインバータ制御装置に用いられた各部の機能とほぼ同様の機能を有しているので、ここではその特徴的機能のみを説明し、同様の機能についてはその説明を省略する。
図13において、電気角生成器87には、予め設定しておいた固定値θ1(初期電気角)が入力されており、直流制動時に指令回路9から出力される出力周波数f1が0Hzの場合には、電気角θが固定値θ1になるように選択し、この電気角θを三相正弦波発生器23に出力する。
(電気角生成器)
図9に示すように、直流制動時に、指令回路9から出力される出力周波数f1が0Hzの場合には、電気角生成器87から出力される電気角θを直流制動中は固定値θ1に固定し、3相正弦波発生器23から出力される基準正弦波信号の電気角θを直流制動中は固定し、直流制動が終了した時にその固定値θ1から基準正弦波信号の電気角θを開始する。
例えば、図14(a)において、モータ1を正転方向に起動する時には、直流制動中は電気角θを固定値θ1に固定し、図14(b)において、直流制動が終了した後の加速動作時はこの固定値θ1から電気角θを増加させるように制御する。
一方、モータ1を逆転方向に起動する時には、直流制動中は電気角θを固定値θ1に固定し、直流制動が終了した後の加速動作時はこの固定値θ1から電気角θを減少させるように制御する。
この結果、直流制動が設定された状態での起動時には、電気角θ及び出力電圧V1を一致させたので、インバータ回路7からモータ1に出力される三相交流の電圧が変化せず、制動時から起動時へのスムーズな動作を実現でき、機械的損傷が少なく採油機の寿命を延ばすことができる。
このように、電気角生成器87では、制動時には電気角θを所定の固定値θ1に固定して出力し、駆動時には周波数パターンに基づいて出力周波数を時間積分して生成した電気角θを所定の固定値θ1から開始するように出力するので、制動時から起動時へのスムーズな出力周波数の移行を実現でき、機械的損傷が少なく寿命を延ばすことができる。
このように、実施の形態1乃至3の何れか1つに記載のインバータ制御装置を備えた採油機では、地上に配置されたモータとシリンダとをケーブルを介して接続し、インバータ制御装置によりモータを制御し、モータの上下移動をシリンダに伝達してポンプを作動させて採油するので、制動電圧指令値により連続した制動保持トルクをモータから発生することができ、メンテナンスや試運転が容易で、機械ブレーキが不必要なので安価であり、制動時から起動時へのスムーズな動作を実現でき、機械的損傷が少なく採油機の寿命を延ばすことができる。また、制動時から起動時へのスムーズな出力周波数の移行を実現でき、機械的損傷が少なく採油機の寿命を延ばすことができる。
本発明の第1の実施の形態に係る採油機50の構成を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係るインバータ制御装置2の構成を示す図である。 整流回路5とインバータ回路7の詳細な構成を示す図である。 操作パネル8および指令回路9の詳細な構成を示す図である。 加減速調整器11aから出力される出力周波数指令f1の加速特性(a)、減速特性(b)、電圧指令値発生器12から出力される電圧指令値V1の電圧/周波数特性(c)に示す図である。 このインバータ制御回路21の詳細な構成を示す図である。 インバータ制御装置2の制御動作を説明するための図である。 電圧設定器10aから出力される制動電圧指令値Voを示すグラフ(a)であり、加減速調整器11aから出力される出力周波数指令f1と電圧指令値発生器12から出力される電圧指令値V1の関係を示すグラフ(a)である。 指令回路9の動作を説明するためのタイミングチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係るインバータ制御装置に用いる操作パネル71および指令回路73の構成を示す図である。 指令回路73の動作を説明するためのタイミングチャート(その1)である。 指令回路73の動作を説明するためのタイミングチャート(その2)である。 本発明の第3の実施の形態に係るインバータ制御装置に用いるインバータ制御回路85の構成を示す図である。 インバータ制御回路85の動作を説明するためのタイミングチャートである。 従来の採油機100の構成を示す図である。 従来の採油機100の動作を説明するためのタイミングチャートである。
符号の説明
1 モータ
7 インバータ回路
8 操作パネル
9 指令回路
10a,77a 電圧設定器
10b,77b 電圧値記憶器
11a,79a 加減速調整器
11b,79b 周波数パターン記憶器
12 電圧指令値発生器
21,85 インバータ制御回路
22,87 電気角生成器
23 三相正弦波発生器
75a 方向指示器
75b 運転方向記憶器
109a 上端位置センサ
111a 下端位置センサ

Claims (5)

  1. 垂直に配置され直線上を上下移動するモータに電力を供給するインバータを周波数および電圧により制御するインバータ制御装置において、
    操作に応じて指令または数値を入力する操作手段と、
    前記操作手段により入力された制動時に対応する制動電圧指令値を記憶する電圧値記憶手段と、
    前記操作手段により入力された運転時に対応する周波数パターンを記憶する周波数パターン記憶手段と、
    前記操作手段により入力されたスタンバイ指令を受け付けると、前記モータを起動動作させる前に制動動作させるために、前記電圧値記憶手段に記憶されている制動時の制動電圧指令値を出力し、その後、前記操作手段により入力された運転指令を受け付けると、前記モータを制動動作から起動動作に移行させるために、前記周波数パターン記憶手段に記憶されている運転時の周波数パターンを読み出し、前記モータを制動動作から起動動作に移行させる時点における電圧指令値を該制動電圧指令値に合わせ、その後、当該周波数パターンに応じて該制動電圧指令値から徐々に上昇するように電圧指令値を発生する電圧指令値発生手段と、を備え、
    前記周波数パターンおよび電圧指令値に基づ前記インバータを制御するとともに、前記モータの制動動作から起動動作をスムーズに行わせることを特徴とするインバータ制御装置。
  2. 前記操作手段により入力された運転指令が解除されると、
    前記電圧指令値発生手段は、
    当該周波数パターンに応じて前記制動電圧指令値まで徐々に低下するように電圧指令値を発生することを特徴とする請求項1記載のインバータ制御装置。
  3. 前記操作手段により入力された一時停止指令を受け付けた場合には、停止前の運転方向を記憶する運転方向記憶手段を備え、
    前記電圧指令値発生手段は、
    前記操作手段により入力された一時停止解除指令を受け付けた場合には、前記運転方向記憶手段に記憶されている運転方向に対応して、前記周波数パターン記憶手段に記憶されている運転時の周波数パターンを読み出し、当該周波数パターンに応じて前記制動電圧指令値から徐々に上昇するように電圧指令値を発生することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のインバータ制御装置。
  4. 制動時には電気角を所定の固定値に固定して出力し、運転時には前記周波数パターンに基づいて周波数を時間積分して生成した電気角を前記所定の固定値から開始するように出力する電気角生成器を備えたことを特徴とする請求項1乃至3項の何れか1項に記載のインバータ制御装置。
  5. 地下に配置されシリンダを上下移動して油を採油するポンプを備え、
    地上に配置された前記モータと前記シリンダとをケーブルを介して接続し、前記インバータ制御装置により前記モータを制御し、前記モータの上下移動をシリンダに伝達して前記ポンプを作動させて採油することを特徴とする請求項1乃至4項の何れか1項に記載のインバータ制御装置を備えた採油機。
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