JP2003224988A - ディスク装置のスピンドルモータ停止制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スピンドルモータ停止制御装置において、回
路にオフセットがあっても、電源オン時に自動的にオフ
セット調整を行えるようにすること。 【解決手段】 スピンドルモータの両端電圧より逆起電
圧を求める逆起電圧検出手段と、ＭＰＵからの制御信号
によりスピンドルモータにブレーキ電圧を印加したり、
スピンドルモータの両端をフリー状態にすることが可能
なモータドライバと、逆起電圧検出手段の出力からスピ
ンドルモータの回転数及び回転方向を求めることができ
る回転判別手段とを具備し、ディスク装置の電源オン時
に逆起電圧検出手段の出力を規定時間間隔をおいて測定
し、同じ値であると判断できる範囲の値である場合に、
そのときの逆起電圧検出手段の出力値を、回転判別手段
のスピンドルモータの回転数ゼロの値、あるいは回転方
向判定の基準値とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ディスクを回転さ
せるスピンドルモータの停止制御を行う、ディスク装置
のスピンドルモータ停止制御装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】ディスクからの信号が読み取れなくなっ
た場合でも、ディスクの回転を速やかに停止するための
スピンドルモータ停止制御装置の従来技術としては、特
開昭６１−１１７７６０号公報に開示された技術が挙げ
られる。

【０００３】この特開昭６１−１１７７６０号公報に
は、スピンドルモータの両端の電圧を求めて逆起電圧を
検出することにより、正転しているか否かを判定する判
定手段と、スピンドルモータにブレーキ電圧を印加する
印加手段と、判定手段でスピンドルモータが正転してい
ないと判定されるまで、判定手段と印加手段とを交互に
時分割的に動作させる制御手段とを備え、アドレス信号
が読み取れなくなった場合や、フォーカスサーボのロッ
クが外れ、ディスクの速度が不定となった場合において
も、スピンドルモータを速やかに停止させることができ
るようにした、ディスク装置におけるスピンドルモータ
停止制御回路が開示されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た特開昭６１−１１７７６０号公報に開示された従来技
術では、モータの両端の電圧を測定して正転しているか
否かを判定する回路に、オフセット電圧がある場合に
は、正確な回転方向の判別が行えないため、モータが完
全に停止するまで時間を要する。そこで、オフセット調
整を行う必要があるが、モータが回転している状態で
は、当然のことながら両端電圧の測定回路は回転数に比
例した電圧を出力するので、オフセット調整はモータが
停止している状態で行う必要がある。しかしながら、デ
ィスク装置の電源オン時はモータが停止しているとは限
らない。例えば、ディスク装置の電源をオフした後すぐ
に電源をオンしたような場合には、モータが動作時の回
転数に近い回転数で回転していることになる。このよう
なことから、電源オン時にモータが必ず停止していると
は限らず、したがって、電源オン時に自動的にオフセッ
ト調整を行うのは困難である。よって、装置の製造過程
などでモータが停止状態にあることを確認して、オフセ
ット調整を行う必要があるが、前記のオフセット電圧は
経時使用によって変化する虞がある。

【０００５】また、実開昭６３−１２４０９７号公報に
は、オフセット調整を行わず、逆起電圧が略ゼロになる
ことを検出して、停止検出信号とするようにした技術が
開示されているが、この場合は、回転数が小さくなると
制動力も小さくなるため、モータ停止に要する時間が長
くなるという問題がある。

【０００６】本発明は、そのような状況に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、回路にオフセット
があっても、ディスク装置の電源オン時に自動的にオフ
セット調整を行えるようにすることにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本願によるスピンドルモータ停止制御装置の代表
的な１つの発明では、ディスクを回転させるスピンドル
モータと、スピンドルモータの両端電圧より逆起電圧を
求める逆起電圧検出手段と、ＭＰＵからの制御信号によ
りスピンドルモータにブレーキ電圧を印加したり、スピ
ンドルモータの両端をフリー状態にすることが可能なモ
ータドライバと、前記逆起電圧検出手段の出力からスピ
ンドルモータの回転数及び回転方向を求めることができ
る回転判別手段とを、具備し、スピンドルモータ停止動
作時に、ブレーキ印加と逆起電圧検出とを、前記回転判
別手段が回転数ゼロを検出、または回転方向の反転を検
出するまで、交互に行う装置において、ディスク装置の
電源オン時に前記逆起電圧検出手段の出力を規定時間間
隔をおいて測定し、同じ値であると判断できる範囲の値
である場合に、そのときの前記逆起電圧検出手段の出力
値を、前記回転判別手段のスピンドルモータの回転数ゼ
ロの値、あるいは回転方向判定の基準値とするように、
構成される。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を用いて説明する。図１〜図６は、本発明によるディ
スク装置のスピンドルモータ停止制御装置の一実施形態
に係り、図１は、本実施形態のディスク装置のスピンド
ルモータ停止制御装置の構成を示すブロック図である。

【０００９】図１において、１０はディスク装置全体の
制御を司るＭＰＵ（microprocessorunit）、１１はモー
タドライバ、１２は図示せぬディスクを回転させるスピ
ンドルモータ（以下、モータ１２と称す）、１３は逆起
電圧検出手段、１４は回転判別手段である。

【００１０】ＭＰＵ１０は、モータ１２を制御するた
め、モータドライバ制御信号ａをモータドライバ１１に
出力し、モータドライバ１１は、ＭＰＵ１０からのモー
タドライバ制御信号ａを基にモータ駆動信号を生成し
て、モータ１２に出力し、これによってモータ１２が駆
動制御される。逆起電圧検出手段１３は、モータ１２の
両端電圧を入力とする差動アンプで構成されており、こ
の逆起電圧検出手段１３が検出した逆起電圧ｂが回転判
別手段１４に出力される。回転判別手段１４は、逆起電
圧検出手段１３からの逆起電圧ｂを基に、モータの回転
数および回転方向を求め、この回転判別手段１４の判別
結果はＭＰＵ１０に出力される。そして、ＭＰＵ１０
は、回転判別手段１４の判別結果を基にモータドライバ
制御信号ａを生成する。

【００１１】回転判別手段１４は、逆起電圧検出手段１
３の出力（逆起電圧ｂ）を例えばＡ／Ｄ変換し、このＡ
／Ｄ変換した値と逆起電圧基準値との差を演算する。こ
の演算結果の正負が回転方向を表し、演算結果の絶対値
が回転数を表すことになる。ここで、前記の逆起電圧基
準値は、モータ１２が停止している場合の逆起電圧検出
手段１３の出力の理論値となる。しかしながら、実際は
回路のオフセット等によりモータ１２の停止状態での逆
起電圧検出手段１３の出力は、必ずしも逆起電圧基準値
と一致しない。そこで、モータ１２が停止している状態
での逆起電圧検出手段１３の出力を測定して、補正され
た逆起電圧基準値を求める必要がある。

【００１２】本実施形態のスピンドルモータ停止制御装
置は、ディスク装置の電源オン時に、まず図２に示すよ
うに、逆起電庄検出手段１３の出力（逆起電圧ｂ）を規
定時間間隔（ΔＴ）をおいて測定する。そして、図２の
（Ａ）に示すように、測定結果が、測定系の誤差（Ａ／
Ｄ変換誤差、差動アンプのノイズ等に起因する誤差な
ど）を考慮した上で、同じ値であると判断できる範囲
（Δｂで示される逆起電圧許容誤差範囲）であれば、モ
ータ１２の回転が停止していると判断して、そのときの
逆起電圧検出手段１３の出力値を補正された逆起電圧基
準値（図２の（Ａ）の場合は、電圧値「ｂ１」である）
とし、以降の回転判別手段１４の回転数および回転方向
の判別基準値（回転数ゼロの判別基準値および回転方向
判定の基準値）として用いる。また、図２の（Ｂ）に示
すように、ΔＴの間隔を置いて測定した値が、測定系の
誤差を考慮した上で同じ値であると判断できない範囲に
ある場合（Δｂの範囲にない場合）には、ΔＴ間隔の測
定を、測定結果がΔｂの範囲になるまで繰り返し行う。

【００１３】次に、本実施形態におけるモータ停止動作
を、図３を用いて説明する。図３は、モータ停止制御の
様子を示す図で、「ａ１」はモータドライバ制御信号ａ
のブレーキ信号を示し、「ａ０」はドライバのフリー状
態（モータ両端のフリー状態）を示している。ブレーキ
信号は、例えばモータ１２の本来の回転方向とは逆方向
の駆動力をモータ１２に与える信号である。モータドラ
イバ制御信号ａがブレーキ信号の場合は、逆起電力検出
手段１３の出力は回転数とは関係のない値のため、測定
する必要はない。そこで、ドライバフリー状態で逆起電
圧検出手段１３の出力（逆起電圧ｂ）を測定して、逆起
電圧検出手段１３の出力値が逆起電圧基準値「ｂ０」
（電源オン時の逆起電圧基準値の測定が終了していれ
ば、補正された逆起電圧基準値「ｂ１」を用いる）にな
るまで、ブレーキ信号の出力と、フリー状態での逆起電
圧検出手段１３の出力の測定とを繰り返す。このように
して、ブレーキ印加と逆起電圧検出を、回転判別手段１
４が回転数ゼロを検出、または回転方向の反転を検出す
るまで、交互に行うことで、モータ１２の停止制御動作
が実行される。

【００１４】ところで、ディスク装置の電源オン時に
（補正された逆起電圧基準値を設定する前に）、図２の
（Ｂ）のようにモータ１２が回転している場合が考えら
れる。そこで、このような場合には、逆起電圧検出回路
等で考えられるオフセット電圧を基にした初期回転判別
電圧「ｃ０」を設定して、初回の逆起電圧検出手段１３
の出力値がその値を超えている場合（±ｃ０の範囲を外
れている場合）は、まず、逆起電圧基準値を目標値「ｂ
０」（この場合、逆起電圧基準値「ｂ０」は補正されて
いない値）とする、図４に示すようなモータ停止制御の
動作を行うようにされる。このときのモータドライバ制
御信号ａのブレーキ信号「ａ１」のブレーキの駆動方向
は、最初に測定した逆起電圧と基準値「ｂ０」を比較す
ることで、回転方向を判断して、その方向と逆方向に駆
動する信号を出力するようにされる。そして、フリー状
態での逆起電圧検出手段１３の出力が目標値「ｂ０」と
なると、この後は、前記した図２に示したような動作、
または、以下に示す動作で、逆起電圧基準値を求めるこ
とによって、補正された逆起電圧基準値を設定する時間
の短縮を図るようにされる。

【００１５】また、電源オン時に、初期回転判別電圧
「ｃ０」を超えない逆起電圧検出手段１３の出力値で、
モータ１２が回転している場合も考えられる。図５は、
このような場合に好適に対応可能な、本実施形態の変形
例によるスピンドルモータ停止制御装置の構成を示すブ
ロックである。

【００１６】図５中において、１５は、モータ１２の両
端を短絡するショートブレーキ手段で、このショートブ
レーキ手段１５へのショートブレーキ手段制御信号ｄ
は、ＭＰＵ１０から出力するようにされる。すなわち、
図５に示した構成においては、補正された逆起電圧基準
値を求める動作において、図６に示すように、規定時間
間隔ΔＴの待ち時間に、ショートブレーキ手段１５によ
ってモータ１２の両端を短絡させ、これによって逆起電
圧によるブレーキを加えることで、モータ１２の停止、
すなわち逆起電圧検出手段１３の出力値がΔＴの間隔を
置いてΔｂの範囲内になるまでの時間を、短縮すること
ができる。なお、このときモータドライバ制御信号ａは
フリー状態になっている。

【００１７】

【発明の効果】本願の請求項１に係る発明は、上述した
ような構成としているので、電源オン時にモータが回転
していても、回転停止を確認して、自動的に逆起電圧検
出手段のオフセットを測定し補正を行うことが可能とな
る。

【００１８】また、本願の請求項２に係る発明は、上述
したような構成としているので、電源オン時にモータが
高速に回転している場合においても、モータを停止させ
る動作を行った後、逆起電圧検出手段のオフセットを測
定し補正することで、オフセット測定に要する時間を短
縮することが可能となる。

【００１９】また、本願の請求項３に係る発明は、上述
したような構成としているので、電源オン時にモータが
少し回転している場合において、逆起電圧検出手段のオ
フセットを短時間に測定することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態に係るディスク装置のスピ
ンドルモータ停止制御装置の構成を示すブロック図であ
る。

【図２】本発明の一実施形態における、電源オン時の逆
起電圧検出手段による逆起電圧の測定の様子を示す説明
図である。

【図３】本発明の一実施形態における、補正された逆起
電圧基準値を用いたモータ停止制御動作の様子を示す説
明図である。

【図４】本発明の一実施形態における、電源オン時の逆
起電圧が初期回転判別電圧よりも大きい場合のモータ停
止制御動作の様子を示す説明図である。

【図５】本発明の一実施形態に係るディスク装置のスピ
ンドルモータ停止制御装置の変形例の構成を示すブロッ
ク図である。

【図６】図５に示す構成における、ショートブレーキ手
段によるブレーキ動作と、逆起電圧検出手段による逆起
電圧の測定の様子を示す説明図である。

【符号の説明】

１０ ＭＰＵ １１ モータドライバ １２ スピンドルモータ １３ 逆起電圧検出手段 １４ 回転判別手段 １５ ショートブレーキ手段 ａ モータドライバ制御信号 ｂ 逆起電圧 ｂ０ 初期モータ停止時逆起電圧 ｂｌ 補正されたモータ停止時逆起電圧 Δｂ 逆起電圧許容誤差範囲 ｃ０ 初期モータ回転判別レベル ｄ ショートブレーキ手段制御信号 ΔＴ 逆起電圧測定間隔

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ディスクを回転させるスピンドルモータ
   と、スピンドルモータの両端電圧より逆起電圧を求める
   逆起電圧検出手段と、ＭＰＵからの制御信号によりスピ
   ンドルモータにブレーキ電圧を印加したり、スピンドル
   モータの両端をフリー状態にすることが可能なモータド
   ライバと、前記逆起電圧検出手段の出力からスピンドル
   モータの回転数及び回転方向を求めることができる回転
   判別手段とを、具備し、スピンドルモータ停止動作時
   に、ブレーキ印加と逆起電圧検出を、前記回転判別手段
   が回転数ゼロを検出、または回転方向の反転を検出する
   まで、交互に行うスピンドルモータ停止制御装置であっ
   て、 ディスク装置の電源オン時に前記逆起電圧検出手段の出
   力を規定時間間隔をおいて測定し、同じ値であると判断
   できる範囲の値である場合に、そのときの前記逆起電圧
   検出手段の出力値を、前記回転判別手段のスピンドルモ
   ータの回転数ゼロの値、あるいは回転方向判定の基準値
   とすることを特徴とするスピンドルモータ停止制御装
   置。
2. 【請求項２】 請求項１記載において、 ディスク装置の電源オン時に前記逆起電圧検出手段の出
   力が規定範囲以外である場合は、前記回転判別手段で判
   別された回転方向を基にしたブレーキ動作で、モータ停
   止動作を行い、その後は前記逆起電圧検出手段の出力を
   規定時間間隔をおいて測定し、同じ値であると判断でき
   る範囲の場合にスピンドルモータの回転が停止したと判
   断して、そのときの前記逆起電圧検出手段の出力値を、
   前記回転判別手段のスピンドルモータの回転数数ゼロの
   値、あるいは回転方向判定の基準値とすることを特徴と
   するスピンドルモータ停止制御装置。
3. 【請求項３】 請求項１または２記載において、 スピンドルモータの両端を短絡するショートブレーキ手
   段を設けて、ディスク装置の電源オン時に前記逆起電圧
   検出手段の出力を規定時間間隔をおいて測定し、規定の
   範囲内の値であり、かつ、同じ値であると判断できる範
   囲の値でない場合は、規定時間だけ前記ショートブレー
   キ手段を駆動した後、前記逆起電圧検出手段の出力を測
   定し、同じ値であると判断できる値になるまで、前記し
   た規定時間のショートブレーキ手段の駆動を行うことを
   特徴とするスピンドルモータ停止制御装置。