JP4151365B2 - 携帯無線端末の受信部のagc調整システム及び調整方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は携帯無線端末の受信部のAGC調整システム及び調整方法に係り、特に受信部に自動利得制御(AGC:Automatic Gain Control)機能を備えた携帯無線端末の受信部のAGC調整システム及び調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話機等の携帯無線端末の種類とユーザの大幅な増加により、携帯無線端末の生産量が大幅に増加している。この携帯無線端末の生産量の大幅な増加に伴い、生産ラインにおける製造工程の効率化は益々重要になってきた。この製造工程の効率化のためには種々の方法が考えられるが、その一つとして、携帯無線端末の受信部のAGC回路の調整時間の短縮化が考えられる。
【0003】
ここで、従来のAGC回路の調整時間の短縮方法として、記録媒体に記録されているデータを読み取り、その読み取りレベルの自動利得制御を行うと共に、所定レベルで読み取ったデータをスライスレベルでスライスする機能を有する装置において、自動利得制御により得られる利得を最大値に固定し、次に利得固定状態を解除し自動利得制御動作を行わせ、スライスレベルを一定ステップで変更する方法が知られている(特許文献1参照)。
【0004】
すなわち、この従来のAGC回路の調整時間の短縮方法は、磁気テープ装置に設けられているコミュニケーションレジスタにAGCの利得固定を指示するコマンドとAGC利得の最大値を設定して最初のデータブロックを読み取り、次に上記のレジスタにAGC利得固定イネーブルコマンドと、スライスレベルを順次最大値から最小値まで一定ステップで変更する情報を設定して、以降のデータブロックを読み取り、スライスレベルの変更間のデータによりAGC特性を作成することにより、各種測定器を使用することなくAGC特性を任意に、しかも容易に測定しようとするものである。
【0005】
また、磁気記録されていた信号をディジタル信号に変換する時の自動利得制御の調整方法において、再生周波数に偏りのない信号が記録されている記録媒体を再生し、複数値検出後の複数値のうちの一つの絶対値をとり、それを決められたサンプル数積分して得られた積分値に基づいて上記自動利得制御の調整を行うようにした自動利得制御の調整方法も従来より知られている(特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開昭61−59662号公報(第1−2頁、第1図)
【特許文献2】
特開平11−328855号公報(第1頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、携帯無線端末の製造ラインにおいて、携帯無線端末の受信部のAGC回路の調整中には、パーソナルコンピュータ(以下、PCと記す)により信号発生器、携帯無線端末、タイミング回路などの調整機器が常に制御される必要があり、PCと調整機器との間の通信に要する時間がかかり、調整時間がかかるという問題がある。
【0008】
また、前述した特許文献1記載の方法を携帯無線端末の受信部のAGC回路の調整に適用した場合、上記のPCと調整機器との通信に時間が掛かるという問題に加えて、スライスレベルを順次最大値から最小値まで一定ステップで変更しながら、その都度データブロックを読み取る必要があるため、それに要する時間が必要となり、やはり調整時間がかかってしまう。
【0009】
更に、前述した特許文献2記載の方法は、自動利得制御するための値を得るために、複数値検出後の複数値のうちの一つの絶対値をとり、それを決められたサンプル数積分する必要があるため、やはり調整時間が掛かるという問題がある。
【0010】
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、調整中のPCと調整機器との通信を省略し、無線端末が受信する電界レベルのXdBの立ち上がりを無線端末が検出し、調整開始のトリガとすることでAGC回路の調整時間を短縮し得る携帯無線端末の受信部のAGC調整システム及び調整方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、第1の発明のAGC調整システムは、受信RF信号に対して自動利得制御(AGC)動作を行う受信部を備えた携帯無線端末のAGC調整システムにおいて、一定振幅の信号を発生する信号発生手段と、信号発生手段から出力された信号を、互いに異なる減衰量でそれぞれ減衰された減衰信号を並列に出力する減衰手段と、減衰手段から並列に出力された複数の減衰信号を、初期状態では最も減衰量が大である一の減衰信号を選択し、調整開始後は最も減衰量が小である一の減衰信号を選択し、以後漸次減衰量が大となる減衰信号の順で、最も減衰量が大である一の減衰信号を選択するまで一定周期で切り換え選択し、選択した減衰信号を携帯無線端末へRF信号として供給するスイッチ手段と、スイッチ手段により選択された一の減衰信号をRF信号として受信し、その受信RF信号の立ち上がりが所定値以上であるか否か検出する検出手段と、検出手段により受信RF信号の立ち上がりが所定値以上であると検出されたときは、携帯無線端末の受信部の自動利得制御動作時のAGC値に対応した受信電界レベルを、スイッチ手段の切り換えに同期して一定周期で逐次測定し、その測定値を記憶装置に記憶する測定手段と、測定手段により測定された複数の測定値を記憶装置から読み出して規格値と比較し、規格値内に収まっていないときは規格値に収まるまで、スイッチ手段による選択動作と、検出手段による検出動作と、測定手段による測定動作とを繰り返す制御手段とを有することを特徴とする。
【0012】
この発明では、調整開始後はスイッチ手段により選択された一の減衰信号を携帯端末の受信部にRF信号として受信させ、その受信RF信号の立ち上がりが所定値以上であると検出されたときは、携帯無線端末の受信部の自動利得制御動作時のAGC値に対応した受信電界レベルを、スイッチ手段の切り換えに同期して一定周期で逐次測定し、その測定値を規格値と比較し、規格値内に収まるまで、上記の調整動作を行うようにしたため、調整動作中は外部の機器と通信を行うことなく、調整動作ができる。
【0013】
また、上記の目的を達成するため、第2の発明のAGC調整システムは、測定手段を、携帯無線端末の受信部で受信されたRF信号の電界レベルを測定する測定部と、測定部の測定動作を一定周期で行わせるタイミング回路と、測定部により測定された値を逐次記憶し、制御手段により記憶された測定値が読み出される記憶装置とよりなる構成としたものである。
【0014】
また、上記の目的を達成するため、第3の発明のAGC調整システムは、上記の減衰手段を、互いに減衰量の異なる、並列に接続された複数の減衰器からなり、複数の減衰器のうち、最も減衰量が大である一の減衰信号を出力する第1の減衰器は、測定手段によりノイズレベルと測定されるレベルの減衰信号を出力し、最も減衰量が小である一の減衰信号を出力する第2の減衰器は、測定手段によりノイズレベルよりも所定値以上のレベルの減衰信号を出力することを特徴とする。
【0015】
また、上記の目的を達成するため、第4の発明のAGC調整システムは、測定手段を、検出手段により受信RF信号の立ち上がりが所定値以上であると検出された時点から、(T−α)経過した時点で(ただし、Tは一定周期、αはTより小なる前倒し時間)受信電界レベル値を測定し、以後一定周期で逐次受信電界レベル値を測定することを特徴とする。
【0016】
また、上記の目的を達成するため、第5の発明のAGC調整方法は、受信RF信号に対して自動利得制御(AGC)動作を行う受信部を備えた携帯無線端末のAGC調整方法において、一定振幅の信号を発生する第1のステップと、一定振幅の信号を、互いに異なる減衰量でそれぞれ減衰された減衰信号を並列に出力する第2のステップと、並列に出力された複数の減衰信号を、初期状態では最も減衰量が大である一の減衰信号を選択して携帯無線端末へRF信号として出力する第3のステップと、調整開始後は、並列に出力された複数の減衰信号のうち、最も減衰量が小である一の減衰信号を選択し、以後漸次減衰量が大となる減衰信号の順で、最も減衰量が大である一の減衰信号を選択するまで一定周期で切り換え選択し、選択した減衰信号を携帯無線端末へRF信号として出力する第4のステップと、第3のステップ及び第4のステップにより選択された一の減衰信号をRF信号として受信し、その受信RF信号の立ち上がりが所定値以上であるか否か検出する第5のステップと、第5のステップにより受信RF信号の立ち上がりが所定値以上であると検出されたときは、携帯無線端末の受信部の自動利得制御動作時のAGC値に対応した受信電界レベルを、一定周期で逐次測定し、その測定値を記憶装置に記憶する第6のステップと、第6のステップで測定された複数の測定値を記憶装置から読み出して規格値と比較し、規格値内に収まっていないときは規格値に収まるまで、第4乃至第6のステップを繰り返す第7のステップとを含むことを特徴とする。
【0017】
この発明では、調整開始後は第5のステップにより受信RF信号の立ち上がりが所定値以上であると検出されたときは、第6のステップにおいて携帯無線端末の受信部の自動利得制御動作時のAGC値に対応した受信電界レベルを一定周期で逐次測定し、その測定値を規格値と比較し、規格値内に収まるまで、上記の調整動作を行うようにしたため、調整動作中は外部の機器と通信を行うことなく、調整動作ができる。
【0018】
更に、第7の発明のAGC調整方法は、第6の発明における第6のステップを、第5のステップにより受信RF信号の立ち上がりが所定値以上であると検出された時点から、(T−α)経過した時点で(ただし、Tは一定周期、αはTより小なる前倒し時間)受信電界レベル値を測定し、以後一定周期で逐次受信電界レベル値を測定することを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。図1は本発明になる携帯無線端末の受信部のAGC調整システムの一実施の形態のブロック図を示す。同図において、携帯無線端末11は製造ライン上における携帯無線端末で、後述する構成のAGC調整回路12を有している。PC13はこの携帯無線端末11に接続されて制御すると共に、信号発生器14及びタイミング回路15の動作を制御する。
【0020】
信号発生器14は、携帯無線端末11が受信するRF信号を既知の一定振幅で出力する。並列に接続されたn個の減衰器(ATT:Attenuator)161〜16nは、上記のRF信号を入力としてそれぞれ同時に受け、その入力RF信号を互いに異なる予め設定した固定の減衰量で減衰して並列に出力する。ここでは、減衰器ATT161の減衰量が最も小で、以下、ATT162、163、・・・の順で減衰量が大となり、ATT16nの減衰量が最も大であるものとする。
【0021】
プログラマブル高周波スイッチ17は、減衰器ATT161〜16nから並列に出力された減衰RF信号を入力として受け、タイミング回路15からの切換信号に基づき、その中の一の減衰RF信号を選択出力し、携帯無線端末11のRF信号入力端子を介してAGC調整回路12に供給する。タイミング回路15からの切換信号は一定周期Tであり、上記のプログラマブル高周波スイッチ17は一定周期Tで入力減衰RF信号を切換出力する。プラグラマブル高周波スイッチ17は例えばPINダイオードで構成されている。
【0022】
図2は携帯無線端末11内のAGC調整回路12の一例のブロック図を示す。AGC調整回路12は受信部121、RSSI(受信電界レベル)測定部122、タイミング回路123及びランダム・アクセス・メモリ(RAM)124からなり、受信部121は外部I/Oコネクタ125に接続されている。AGC調整回路12を構成する各回路は、携帯無線端末11が本来備えている回路である。AGC調整回路12は、PC13からの制御コマンドにより受信AGC調整動作の開始、終了、測定データのPC13への出力を行う。また、AGC調整回路12は、受信レベルのXdB以上の立ち上がりを検出し、トリガタイミングとする。
【0023】
次に、本実施の形態の動作について図1乃至図4と共に説明する。プログラマブル高周波スイッチ17は、初期状態として減衰量が最も大であるATT16nの出力信号を選択する状態になっている。この状態で、まず、PC13が調整開始コマンドを図3の時刻t1で信号発生器14に出力する。これにより、信号発生器14はRF信号を出力し始める。また、これと同時に、調整開始時の一度だけ、PC13はプログラマブル高周波スイッチ17に、スイッチ切り換えの順序を指定するコマンドを送出する。
【0024】
信号発生器14から出力されたRF信号は、プログラマブル高周波スイッチ17によりATT16nで最大量の減衰を受けて携帯無線端末11の図2に示した外部I/Oコネクタ125を介して受信部121に供給される。このときの受信部121のRF信号は最大の減衰を受けているため、受信部121にはノイズレベルの信号として入力されている。
【0025】
続いて、PC13は携帯無線端末11へ「受信階段波形調整開始」の制御コマンドを図3の時刻t2で送出する。これにより、携帯無線端末11は調整開始のトリガ信号待ち受け状態に入る。続いて、PC13はタイミング回路15へ測定開始のコマンドを図3の時刻t3で送出する。これにより、タイミング回路15は周期Tをn回連続でカウントし、カウント毎にプログラマブル高周波スイッチ17を減衰器ATT16n→ATT161→ATT162→ATT163→・・・→ATT16nの指定順で各減衰器出力信号を選択するように自動的に切り換えるように制御する。
【0026】
従って、図3に示すように、時刻t3で携帯無線端末11内のAGC調整回路12には減衰量最小の減衰器ATT161から最大レベルのRF信号が供給され、以後周期T毎に漸次レベルが小となる階段波形のRF信号が供給される。すなわち、信号発生器14の出力電力は調整中一定で、携帯無線端末11が受信するRF信号の階段波形は、プログラマブル高周波スイッチ17の切り換えにより生成される。
【0027】
ここで、調整が開始され、時刻t3で携帯無線端末11内のAGC調整回路12に供給されるRF信号が、減衰量最大の減衰器ATT16nの出力信号から減衰量最小の減衰器ATT161へ切り換わった瞬間は、図3に203で示すように、AGC調整回路12に供給されるRF信号が少なくともXdB以上立ち上がるので、AGC調整回路12は入力RF信号がXdB以上立ち上がったことを検出した時に、基準となるトリガポイントを生成する。
【0028】
このAGC調整回路12による入力RF信号がXdB以上立ち上がったことを検出する検出手段について更に詳細に説明する。図2に示すRSSI測定部122は受信部121で受信されたRF信号の電界レベルを検出するが、その受信部121内のAGC回路のデフォルトのAGCしきい値が予め書き込まれており、このAGCしきい値に対応する電界レベルのしきい値とRF信号の電界レベルとを大小比較する。
【0029】
ここで、AGC値とは、受信部121内のAGC回路の利得を制御するDA変換のコード値であり、AGC動作により受信部121の受信電界レベルに応じて出力信号レベルを一定とするような値に変化する。また、AGCしきい値は、前述したXdB以上の所定値の受信電界レベルを受信したとした時のAGC値である。このAGCしきい値は、受信AGCの特性を考慮した、ある決められた一定の値で、調整に適切なものとするが、携帯無線端末個々の特性を無視したものであり、当然調整が必要である。
【0030】
このAGCしきい値が書き込まれた携帯無線端末11は未調整なので誤差が大きい。しかし、誤差に対して上記XdBの値が十分に大きければ、RSSI測定部122はXdB以上の受信電界レベルの立ち上がりを検出することができる。つまり、受信電界レベルが大きく変化すればAGC値も大きく変化するので、AGCしきい値を「XdB+誤差」を考慮した値に設定しておけば、そのAGCしきい値に対応したRF信号しきい値を、受信部121が受信するRF信号レベルが越えた瞬間をRSSI測定回路122は調整開始時間と認識することができる。
【0031】
例えば、図4に示すように、AGCしきい値が「333」であるとすると、XdBの立ち上がりがあったとき、受信部121の受信電界レベルに対応したAGC値が「222」まで上がったとすると、その時の受信電界レベルがAGCしきい値に対応した電界レベルしきい値を越えるので、調整開始時間と認識することができる。
【0032】
RSSI測定回路122は調整開始時間と認識すると、図2に示すタイミング回路123へトリガ信号を出力する。これにより、タイミング回路123は周期Tのクロックを発生してRSSI測定回路122へ供給する。RSSI測定回路122は、この周期Tのクロックに基づき、前記基準となるトリガポイントから図3に示すように、t(=T−α)秒後に受信部121で受信されたRF信号の電界レベルの測定を開始し、以後、周期Tでn段の階段波形のRF信号を受信する受信部121の電界レベルの測定を行い、RF信号の階段波形の各段の電界レベルを測定する毎に測定値を図2のRAM124上のテーブルに格納する。ここで、上記のαは前倒し時間で、測定ポイントが階段波形のRF信号に対応して階段的に変化する測定電界レベルの各段のほぼ中央時間位置とするためのものである。
【0033】
ここで、上記のRSSI測定部122による測定値は、受信部121がRF信号を受信した時のAGC値に対応したRF信号レベル(電界レベル)である。すなわち、外部I/Oコネクタ125を介してプログラマブル高周波スイッチ17から受信部121に入力されるRF信号は階段波形の各段において既知の所定値で変動していないが、受信部121内のAGC回路の利得を示すAGC値は製造初期段階においては誤差があり、受信部121に入力されたRF信号レベルに対応した正規の値になっているとは限らない。RSSI測定部122は、このときの受信部121のAGC値に対応したRF信号レベルを電界レベルとして測定する。
【0034】
AGC調整回路12は、上記の電界レベルの測定及び測定値のRAM124のテーブルへの格納を周期T毎にn回繰り返した後、RAM124に格納されたn個の測定値を一括して読み出して、外部I/Oコネクタ125を介して図1のPC13へ調整データとして出力する。
【0035】
PC13は入力されたn個の測定値からなる調整データと規定値とを比較し、n個の測定値が規定値内に収まっているかどうか判定し、収まっていないときには、再び上述した階段波形のRF信号の発生及びそのRF信号の受信部121による受信とRSSI測定部122での電界レベルの測定と測定値のRAM124への書き込みが順次に行われ、RAM124に書き込まれた測定値が再調整されたデータとして読み出されてPC13へ出力され、規定値内に収まっているかどうか判定される。n個の測定AGC値が規定値内に収まるまで、上記の動作が繰り返され、n個の測定AGC値が規定値内に収まると、PC13は「受信階段波形調整終了」のコマンドを携帯無線端末11、信号発生器14及びタイミング回路15に供給して調整を終了する。
【0036】
ここで、上記の調整が繰り返されると、受信部121のAGC回路がRF信号に対してAGC動作を行うので、AGC値は必ず規定値内に収束する。また、上記の再調整は、n段の階段波形のRF信号の全てについて測定してもよいが、規定値内に収まっていない階段部分のRF信号についてのみプログラマブル高周波スイッチ17を制御して選択出力させてそのRF信号を受信部121に供給してAGC動作させ、その受信電界レベルを測定するようにしてもよい。
【0037】
このようにして、携帯無線端末11は例えば−50dBμという受信電界レベルが与えられたときには、携帯無線端末11自身が−50dBμの受信電界レベルのRF信号を受信したと認識したときの規定のAGC動作を行い、同様に他の測定ポイントの受信電界レベルのRF信号を受信したときには、そのときの規定のAGC動作を行うような受信AGC調整が行われる。なお、RF信号は階段波形であり、測定ポイントは不連続であるが、その間のAGC値は線形補間で求められる。
【0038】
本実施の形態によれば、電界レベル値(AGC値)の測定中はPC13は携帯無線端末11、信号発生器14、タイミング回路15、プログラムマブル高周波スイッチ17等の調整機器と通信を行わないので、従来に比べて調整時間を短縮化できる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、調整開始後に受信RF信号の立ち上がりが所定値以上であると検出されたときは、携帯無線端末の受信部の自動利得制御動作時のAGC値に対応した受信電界レベルを一定周期で逐次測定し、その測定値を規格値と比較し、規格値内に収まるまで調整動作を行うことにより、調整動作中は外部の機器と通信を行うことなく、調整動作ができるため、調整時間ヲ従来に比べて短縮することができ、携帯無線端末の量産ラインに適用して特に効果的であるという特長がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のAGC調整システムの一実施の形態のブロック図である。
【図2】図1の携帯無線端末内のAGC調整回路の一例のブロック図である。
【図3】図2中のRSSI測定回路の測定動作説明図である。
【図4】携帯無線端末によるRF信号のXdB立ち上がり検出動作の説明図である。
【符号の説明】
11 携帯無線端末
12 AGC調整回路
13 パーソナルコンピュータ(PC)
14 信号発生器
15、123 タイミング回路
161〜16n 減衰器(ATT)
17 プログラムマブル高周波スイッチ
121 受信部
122 RSSI測定回路
124 ランダム・アクセス・メモリ(RAM)
125 外部I/Oメモリ
Claims (6)
- 受信RF信号に対して自動利得制御(AGC)動作を行う受信部を備えた携帯無線端末のAGC調整システムにおいて、
一定振幅の信号を発生する信号発生手段と、
前記信号発生手段から出力された信号を、互いに異なる減衰量でそれぞれ減衰された減衰信号を並列に出力する減衰手段と、
前記減衰手段から並列に出力された複数の減衰信号を、初期状態では最も減衰量が大である一の減衰信号を選択し、調整開始後は最も減衰量が小である一の減衰信号を選択し、以後漸次減衰量が大となる減衰信号の順で、前記最も減衰量が大である一の減衰信号を選択するまで一定周期で切り換え選択し、選択した減衰信号を前記携帯無線端末へ前記RF信号として供給するスイッチ手段と、
前記スイッチ手段により選択された一の減衰信号をRF信号として受信し、その受信RF信号の立ち上がりが所定値以上であるか否か検出する検出手段と、
前記検出手段により前記受信RF信号の立ち上がりが前記所定値以上であると検出されたときは、前記携帯無線端末の受信部の自動利得制御動作時のAGC値に対応した受信電界レベルを、前記スイッチ手段の切り換えに同期して前記一定周期で逐次測定し、その測定値を記憶装置に記憶する測定手段と、
前記測定手段により測定された複数の測定値を前記記憶装置から読み出して規格値と比較し、規格値内に収まっていないときは該規格値に収まるまで、前記スイッチ手段による選択動作と、前記検出手段による検出動作と、前記測定手段による測定動作とを繰り返す制御手段と
を有することを特徴とする携帯無線端末の受信部のAGC調整システム。 - 前記測定手段は、前記携帯無線端末の受信部で受信された前記RF信号の電界レベルを測定する測定部と、前記測定部の測定動作を前記一定周期で行わせるタイミング回路と、前記測定部により測定された値を逐次記憶し、前記制御手段により記憶された前記測定値が読み出される前記記憶装置とよりなることを特徴とする請求項1記載の携帯無線端末の受信部のAGC調整システム。
- 前記減衰手段は、互いに減衰量の異なる、並列に接続された複数の減衰器からなり、該複数の減衰器のうち、前記最も減衰量が大である一の減衰信号を出力する第1の減衰器は、前記測定手段によりノイズレベルと測定されるレベルの減衰信号を出力し、前記最も減衰量が小である一の減衰信号を出力する第2の減衰器は、前記測定手段によりノイズレベルよりも前記所定値以上のレベルの減衰信号を出力することを特徴とする請求項1記載の携帯無線端末の受信部のAGC調整システム。
- 前記測定手段は、前記検出手段により前記受信RF信号の立ち上がりが前記所定値以上であると検出された時点から、(T−α)経過した時点で(ただし、Tは前記一定周期、αはTより小なる前倒し時間)前記受信電界レベル値を測定し、以後前記一定周期で逐次前記受信電界レベル値を測定することを特徴とする請求項1又は2記載の携帯無線端末の受信部のAGC調整システム。
- 受信RF信号に対して自動利得制御(AGC)動作を行う受信部を備えた携帯無線端末のAGC調整方法において、
一定振幅の信号を発生する第1のステップと、
前記一定振幅の信号を、互いに異なる減衰量でそれぞれ減衰された減衰信号を並列に出力する第2のステップと、
並列に出力された前記複数の減衰信号を、初期状態では最も減衰量が大である一の減衰信号を選択して前記携帯無線端末へ前記RF信号として出力する第3のステップと、
調整開始後は、並列に出力された前記複数の減衰信号のうち、最も減衰量が小である一の減衰信号を選択し、以後漸次減衰量が大となる減衰信号の順で、前記最も減衰量が大である一の減衰信号を選択するまで一定周期で切り換え選択し、選択した減衰信号を前記携帯無線端末へ前記RF信号として出力する第4のステップと、
前記第3のステップ及び前記第4のステップにより選択された一の減衰信号をRF信号として受信し、その受信RF信号の立ち上がりが所定値以上であるか否か検出する第5のステップと、
前記第5のステップにより前記受信RF信号の立ち上がりが前記所定値以上であると検出されたときは、前記携帯無線端末の受信部の自動利得制御動作時のAGC値に対応した受信電界レベルを、前記一定周期で逐次測定し、その測定値を記憶装置に記憶する第6のステップと、
前記第6のステップで測定された複数の測定値を前記記憶装置から読み出して規格値と比較し、規格値内に収まっていないときは該規格値に収まるまで、前記第4乃至第6のステップを繰り返す第7のステップと
を含むことを特徴とするAGC調整方法。 - 前記第6のステップは、前記第5のステップにより前記受信RF信号の立ち上がりが前記所定値以上であると検出された時点から、(T−α)経過した時点で(ただし、Tは前記一定周期、αはTより小なる前倒し時間)前記受信電界レベル値を測定し、以後前記一定周期で逐次前記受信電界レベル値を測定することを特徴とする請求項5記載のAGC調整方法。
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