JP4149920B2 - 可撓性プレスカバーおよびこのような可撓性プレスカバーを有するシュープレスロール - Google Patents

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Description

本発明は、シュープレスロールのために意図される可撓性プレスカバーに関する。
この形式のシュープレスロールは、移動する繊維ウェブ、特に紙または厚紙ウェブを脱水またはカレンダリングするために使用される。可撓性プレスカバーは、好ましくはポリウレタンから製造されるプラスチック層と、強化手段として、プラスチック層内に包埋される(「従来の」)補強材とを備える。補強材は織布として形成できるが、軸方向に平行の長手方向フィラメントと巻き込まれた円周方向フィラメントとを備えるレイドファブリックとして周知のものが優先される。円周方向フィラメントは、長手方向フィラメントの外側のプラスチック層に巻き込むことができる(EP0330680=米国特許第5134010号明細書、PH04378参照)。しかし、反対の構成も可能である(WO95/29293、タムフェルト(Tamfelt)参照)。
従来技術に関して、以下の他の文献を参照する。
D1:DE 3546650 C2(PH04164A)号明細書
D2:DE 29702362(PH10287)号明細書
D3:DE 19633543(PH10368)号明細書
周知のように、シュープレスロールは、静止支持要素を備える。可撓性プレスカバー用の2つのカバー支承ディスクは静止支持要素に回転可能に装着される。さらに、ウェブ走行方向に延長されるプレスニップを形成するために、回転するプレスカバーを対向ロールにプレスできる半径方向に変位可能なプレスシューが支持要素に配列される。支持要素と共に、プレスカバーおよびカバー支承ディスクが、液密の閉鎖内部空間を画定することが重要である。
EP0330680 米国特許第5134010号 DE 3546650 C2 DE 29702362 DE 19633543 WO95/29293
文献D1によれば、プレスカバー端部領域とカバー支承ディスクの1つとの間の液密接続を達成するために、端部領域を半径方向内側に上方に曲げ、クランプ要素を用いて、端部領域をカバー支承ディスクの外端にプレスするように構成される。
この構成は、実際に試みられかつ試験されている。しかし、多数の凹部をプレスカバーのエッジゾーンに設けなければならず、これらの凹部の間にタングが残るという点において不利である。ある場合には、プレスカバーの最も正確な円形度を達成する点においても困難が生じる。
文献D2の図3と図4によれば、D1に記述されたプレスカバー端部領域の変形を回避する試みがなされている。2つのプレスカバー端部領域の各々は通常の円筒形状を保持するので、凹部およびタングの製造は行わなくて済む。内部の拡張可能な(すなわち拡大可能な直径の)スプレッダリングと外側リングとの間で、円筒状のプレスカバー端部領域を締め付けるように構成される。しかし、磨耗したプレスカバーを新しいプレスカバーに交換することは一層の熟練を要するので、このような外側リングは壊れやすいことが多い。
文献D3の図2〜図4によれば、環状円周方向溝がカバー支承ディスクの外周面に設けられ、具体的にクランプバンドによってまたは高強度フィラメントの複数のターンによってまたは収縮リングによって、プレスカバーの環状領域が前記環状円周方向溝内にプレスされる。図1に従って設けられるカバーを省かれる場合、壊れやすい外側リングは存在しない。それにもかかわらず、この周知の解決方法は実用的に受け入れられていない。
本発明は、以下の要件の内の可能な限り多くの要件が満たされるように、冒頭に述べた設計の可撓性プレスカバーをさらに発展させる目的に基づいている。
a)プレスカバー端部領域の凹部およびタングの製造は不要であるべきである。
b)それぞれのカバー支承ディスクのプレスカバー端部領域の装着は、可能な限り最少の労力で実行すべきであり、装着操作が製紙機械内で実施される場合、2つのロール端部で利用できる装着スペースが非常に制限されることが多いという事実を考慮しなければならない。
c)最後に装着されるプレスカバーの最も精密な円形度は達成可能であるべきである。
d)プレスカバーの外周面は、固定要素、例えば外側リングを含まないようにすべきである。
上述した課題を解決するため、この発明では、移動する繊維ウェブを脱水またはカレンダリングするために使用されるシュープレスロール用に意図され、かつプラスチック層(30)と、該プラスチック層内に強化手段として包埋された「従来の」補強材(31、32)とを有する可撓性プレスカバー(10)であって、 その2つの端部領域(E)の少なくとも一方に、プレスカバー(10)が、該プレスカバーを前記シュープレスロールの回転可能な支持要素(例えばスプレッダリング27)に、好ましくは前記支持要素の外周面に固定することを適切にする追加の強化手段(34)を有することを特徴としている。
本発明によれば、上記目的は、原理的に、可撓性プレスカバーがその2つの端部領域の少なくとも一方に追加の強化手段を有するという点において達成される。この結果、端部領域において、円周方向の引張り強度および引張り剛性は、2つの構成要素の間でプレスカバー端部領域を締め付けることがもはや不要となるように、従来の端部領域に対して増大される。代わりに、本発明によるプレスカバーは、外側リング、クランプバンド、クランプフィラメント等の補助なしに、カバー支承ディスクに属する回転可能な支持要素の外周面に固定することが適切である(請求項1)。最も有益な場合には、プレスカバーを上述の支持要素に固定するための構成は、カバー外面と関連付けられる任意の形式の固定要素を完全に含まない(請求項2)。
本発明によれば、いくつかの利点を達成することが可能であり、すなわち、プレスカバー端部領域の形状は完全にまたは少なくともほぼ円筒状のままである。つまり、プレスカバーの装着中、プレスカバー端部領域の変形は不要であり、したがって、凹部およびタングを製造する必要もない。プレスカバー端部領域を半径方向外側の部分またはカバー支承ディスクの領域に接合することは、2つの金属構成要素の接合と同様の方法でまたは少なくとも非常に類似した方法で実施することができる。
このようにして、カバー支承ディスクへのプレスカバーの装着は、従来よりも簡単に、すなわち従来よりも少ない労力で実施することができ、この結果、必要ならば、未経験の人にも装着作業を任せることができる。さらなる重要な利点は、外側リング(プレスカバーと共に回転する)が必要とされないことである。同様に、D1に従って必要とされるクランプ要素が省略され、このことは、製紙機械内の制限された状態のスペースにおける作業をより容易にする。
プレスカバー端部領域は、有利に、軸方向に平行の包絡線に沿って測定される一定の厚さを有する。一般に、最後に装着されるプレスカバーでは、外周面のみでなく、プレスカバー端部領域の内周表面(追加の強化部を有する)も、したがって円筒状である(請求項3)。しかし、必要ならば、これと異なることを行うことができる。具体的には、外側または内側に内径を大きくして、プレスカバー端部領域の内周表面を僅かに円錐状に設計することが有利であり得る(請求項4)。これによって、カバー支承ディスクに属する任意の種類の環状支持要素に(または直接支承ディスクに)プレスカバー端部領域を固定することをより容易にすることができる。両方の場合、直径を拡大することができる、すなわち広げることができる支持要素を提供することが有利であり得る(請求項5)。しかし、広げることができないリング、例えば、シュープレスロールの外側に組み込まれる新しいプレスカバーに挿入される装着リングの使用も可能である(DE101 38 527.7参照)。
請求項6〜32によれば、本発明は、異なる従来の補強材、特に織布またはレイドファブリック補強材を有する可撓性プレスカバーに適用できる。請求項6〜32では、追加の強化部の異なる実施態様も規定され、この追加の強化部を追加または強化補強材として形成できる。この代わりとして、あるいは追加して、円周方向により高い弾性係数を有する材料を使用できる。もう1つの可能性は、強化リングを少なくとも1つのプレスカバー端部領域に一体化することである。これらのすべての措置の目的は、従来と比較して、プレスカバー端部領域の円周方向の伸長性を低減することである。
請求項33〜41によれば、本発明に従って形成された可撓性プレスカバーを有する完成シュープレスロールについても、保護が請求される。この場合、2つのカバー支承ディスクの少なくとも1つは、本発明に従って形成されたプレスカバー端部領域に1つの方法または他の方法で適合することができる。図面の説明の過程で、以下に詳細についてさらに説明する。
本発明の模範的な実施態様について、図面を用いて以下に記述する。
図1は、シュープレスロールの内、可撓性プレスカバー10の2つの端部領域の一方のみ、および回転可能なカバー支承ディスク20に対する可撓性プレスカバーの固定を示している。回転可能なカバー支承ディスクは、周知の方法で、転動接触軸受21によって目に見えない支持要素に装着される。同様にプレスシューは図示されておらず、これを用いてプレスカバー10を対向ロールにプレスすることができる。シュープレス装置のこれらのおよび別の周知の詳細は、例えば、DE19522761(PH10178)から理解できる。
プレスカバー10は、例えばポリウレタンのプラスチック層30から実質的に成り、従来の補強材が強化手段としてプラスチック層内に包埋され、前記補強材は、周知の方法で、軸方向に平行の長手方向フィラメント31と、その上に巻回された円周方向フィラメント32とを備える。プレスカバー10の厚さdは、溝または盲孔33をプレスゾーンP内に設けることができるように選択される。端部領域Eでは、プレスカバー10は、プレスゾーンPと略同一の厚さdを有する。端部領域Eでは、追加の強化部として(すなわち従来の補強材31、32に加えて)、可能な限り最高の引張り強度および引張り剛性(高弾性係数)を有する追加の円周方向フィラメント34が、プラスチック層30内に包埋される。
本発明によれば、前記円周方向フィラメント34は、高強度プラスチックまたは金属フィラメントまたはワイヤから製造された追加の補強材を形成する。従来の補強材の円周方向フィラメント32と比較して、追加の円周方向フィラメントまたはワイヤ34はより大きなフィラメント直径を有し、および/またはより高い引張り強度、特に、より高い弾性係数(例えばケブラー(Kevlar))を有する材料から形成することができる。しかし、フィラメント32と34のために、同一の直径および/または同一の材料、好ましくは、比較的高い弾性係数を有する材料を選択することも可能である。さらに、プラスチック層は、弾性係数を増した材料から形成することができる。端部領域EとプレスゾーンPとの間に、プレスカバー10は、運転中に変形の増大が生じるプレスカバーの可撓性を精密に増大するために、より小さな厚さのゾーンを有することができる。
カバー支承ディスク20は一体成形カラー22と、それにねじ留めされた延長リング23とを備える。カラー22およびリング23は転動接触軸受21の周りに係合し、またカラーおよびリングの外側では、環状ピストン24として形成される軸方向に変位可能なクランプリングを支える。3つの上述の構成要素22、23および24は、加圧媒体を適用できる環状空間25が前記3つの構成要素の間に形成されるように賦形される。この結果、環状ピストン24は、ロール軸線に対し平行に油圧式または空圧式に外側に変位することができる。環状空間25からシールするために、シールリング26が使用される。
プレスカバー10をカバー支承ディスク20に接続するために、スプレッダリング27が用意される。スプレッダリングは、必要ならば凹部が設けられる円筒状の外周面を有し、この外周面はプレスカバー端部領域Eの円筒状の内周表面に係合する。スプレッダリング27は、環状ピストン24の円錐状の外周面と相互作用する円錐状の内周表面を有する。環状ピストン24の軸方向変位(図1の左側への)の場合、スプレッダリング27(カバー支承ディスク28に軸方向に支えられる)が広げられ、したがって、確実な液密接続がプレスカバー10とカバー支承ディスク20との間に形成される。追加の補強材34のため、外側クランプリンクはプレスカバー端部領域にもはや必要とされない。
環状ピストン24の軸方向変位はまた、ねじ(28で示した)を用いて実施できる。この種類のねじ28は、環状ピストン24が油圧式または空圧式に変位された後、環状ピストンを軸方向に固定するために使用することもできる。図2は外側からのスプレッダリング27を示している。このリングには、両側から交互に機械加工されたスロット29によって広がる能力が付与され、このリング内に、ロール内部空間の必要な密閉シールが保証されるように高弾性の充填材が設けられる。
図3は、プレスカバー10’の端部領域Eにおいて、スプレッダリング27’内の折返し凹部に嵌合する半径方向内側に突出するビード30Aが設けられるという点で、図1とは異なる。このようにして、プレスカバー10’を支承ディスク20に軸方向に固定する精度が向上される。
図4に示した模範的な実施態様のプレスカバー10Aは図1のプレスカバーと実質的に同一であり、プレスカバー端部領域の長さE’のみが、スプレッダリング27Aのより大きな軸長に対応して幾分拡大されている。再び、カバー支承ディスク20Aは、転動接触軸受21を収容するためのカラー22Aを有する。カラー22Aとスプレッダリング27Aとの間に、簡単なクランプリング24Aがある。クランプリング24Aは、ねじ28のみを用いて外側方向に軸方向に変位され、円錐状の外周面を有するスプレッダリングの外径を拡大し、この円錐状の外周面は、プレスカバー10Aに対する確実な接続を形成するために、スプレッダリング27Aの円錐状の内周表面と相互作用する。スプレッダリング27Aにはカラー27Bが一体成形され、これにより、支承ディスク20Aに対するプレスカバーの正確な軸方向の固定が再び容易になる。
本発明によるシュープレスロールでは、ロールの両端は、図1に従って構成することができる。他の可能性は、図1または図3に従ってシュープレスロールの一方の端部を構成することであるが、他方で、図4に従って、あるいは以下に記述する図5または図6に従ってロールの他方の端部を形成することである。
図5に示した模範的な実施態様のプレスカバー10Bは、端部領域の内周表面が連続的に円筒状ではなく、外側から短い距離で僅かに円錐状であり、内径が外側から内側に向かって小さくなるという事実においてのみ、図4のプレスカバー10Aとは異なる。
このことは、対応する円錐状の外周面を有する装着リング40の挿入をより容易にする。このリング40の挿入(および例えば接着剤によるプレスカバー10Bのリングの固定)は、シュープレスロールの外側で、すなわち、摩耗しており交換しなければならないプレスカバーを取り外す前に実施されることが好ましい。プレスカバー10Bを支える装着リング40をカバー支承ディスク20Bに固定するために、次のことが行われ、すなわち、カバー支承ディスク20Bの外周面は41でオフセットされる。強化リング40の内周表面は、例示した実施例では、対応するオフセットを有し、内側から外側の軸方向のより大きな内径が、比較的小さな内径Dに従う。このようにして、静止した支持要素全体(図示せず)にわたって矢印Pの方向に、予め装着された装着リング40と共にプレスカバー10Bをカバー支承ディスク20Bの上に押圧できる。このことは、リング40の上述の比較的小さな内径Dが、プレスシューおよび別の付属品を含めて、静止した支持要素の外部寸法よりもなお幾分大きいという事実によって可能である。リング40をカバー支承ディスク20Bにねじ留めするために、以下のことが行われ、すなわち、ブッシュ42をカバー支承ディスク20Bの孔に回転可能に装着する。ブッシュ42の内端にノーズフランジ43が一体成形され、半径方向ピン44が外端に挿入される。ブッシュ42の図示した位置では、ノーズフランジ42のノーズはリング40の内端に作用する。しかし、ブッシュ42の回転の結果、ノーズは、矢印Pの方向に挿入されるときに強化リングの通過を許容する。上述のノーズフランジ43を用いて装着リング40を(プレスカバー10Bと共に)カバー支承ディスク20Bに固定するために、ねじ28が設けられる。複数のこのような構成がカバー支承ディスク20Bの円周にわたって分布されることは、言うまでもない。
図6は、単純化した図5の代替例を示している。本図では、装着リング40’は平滑な内周表面(図5に示したオフセット41なし)を有し、さらに、ブッシュ42は省略されている。装着リング40’は、簡単なスタッド45によってカバー支承ディスク20’にねじ留めされる。しかし、この設計では、図4におけるよりも小さな装着リング40’の内径D’が一般に必要とされる。プレスカバーが引き込まれるとき、それにもかかわらず、装着リング40’が付属品を有する静止した支持要素を通過できるために、これらの付属品のあるものを支持要素で移動できるように配列することが必要であり得る。同様の特許出願DE101 38 527.7参照。
プレスカバー10Cを装着リング40’に固定するために、次のことが行われる。すなわち、外側方向に先細りする円錐状の外周面を装着リングに付与する。さらに、プレスカバー端部領域E”では、円周方向フィラメント32Aおよび/または34Aは、プレストレスを増して巻き込まれ、この結果、端部領域E”は、同様に外側方向に円錐状に先細りする。プレスカバー10Cは、車両タイヤをリムに固定するのと同様の方法で装着リング40’の上に固定される。プレストレスを増して巻き込まれる円周方向フィラメントのプレスカバー設計は、外周面が円筒状の装着リングと組み合わせることもできる。
図7は、図1に関して修正されるプレスカバー11を示しており、その従来の補強材(図1とは異なる)は、円周方向フィラメント32の外側に配列された軸方向に平行の長手方向フィラメント35を有する(WO’293に対応)。追加の補強材として、従来の補強材32、35の上に内側から巻回されることが好ましい円周方向フィラメント36が設けられる。この代わりとして、あるいは追加して、プレスカバー端部領域をさらに強化するために、従来の補強材32、35の上に外側から巻回される円周方向フィラメント36’を設けることができる。図8に示したプレスカバー12は従来の補強材として織布37を有する。プレスカバー端部領域の追加の補強材として、織布37の上に外側から巻回される円周方向フィラメント38が設けられる。この代わりに、あるいは追加して、内側に半径方向に配列された円周方向フィラメント38’を設けることができる。
図7と図8による模範的な実施態様では、両方のプレスカバー端部領域を同一に設計できる。対照的に、図9に示した別形態を2つのプレスカバー端部の一方のみに設けることができる。この別形態は、EP0330680による製造方法(鋳造シリンダの外側にプレスカバーを製造する方法)から得られる。詳細には、図9は、従来の補強材31、32が図1に示したプレスカバー10の従来の補強材に対応するプレスカバー13を示している。図示したプレスカバー13の端部領域は、図3と同様に、半径方向内側に突出する肥厚部30Aを有する。この肥厚部に、織布としてまたは(図示したように)レイドファブリックとして形成できる追加の補強材が配置され、この補強材は、軸方向に平行の長手方向フィラメント39と、その上に巻回された円周方向フィラメント39’とを備える。さらに、図1または図3の肥厚部と同様の半径方向外側に突出する肥厚部(図示せず)を設けることができる。
図10は、端部領域が肥厚を有しない本発明によるプレスカバー50を示している。本図では、追加の強化部は、端部領域の外側に配置された円周方向フィラメント32よりも密に端部領域に巻き込まれる円周方向フィラメント32’によって形成される。円周方向フィラメント32と32’は同一の材料から構成することができる。この代わりとして、円周方向フィラメント32’は、弾性係数を増した材料から形成することもできる。さらに、端部領域では、プラスチック層30は、弾性係数を増した材料から製造することができる。
図11〜図15は、強化リング(プラスチックまたは金属)が追加の強化部としてプレスカバー端部領域に一体化される本発明によるプレスカバーの実施態様を示している。図11によれば、強化リング51の軸方向外側領域52の厚さdは、図1のプレスカバー10の端部領域Eの厚さとほぼ同一またはそれよりも大きい。軸方向内側領域53は実質的により薄く、また従来の方法(EP'680)で当初製造されたプレスカバー54の端部にその補強材31、32でオーバラップする。リング51は、追加のプラスチック層55にキャストし、同時に追加の円周方向フィラメント56を巻き込むことによって固定される。プレスカバー54は、図1または図4と同一の方法で、あるいは軸方向(ねじ付き孔59参照)に強化リング51に直接係合するねじによってカバー支承ディスクに固定される。
図12は、強化リング51Aの軸方向外側領域が、完成したプレスカバー端部領域の厚さdよりも薄いという点で、また強化リングが、その全長にわたって、追加の円周方向フィラメント56を有する追加のプラスチック層55Aによって覆われるという点で図11とは異なる。
図13は、強化リング61を有するWO'293に従って製造されたプレスカバー60の端部領域を示している。鋳造シリンダ62が内周表面63と共に概略的に示されている。第1に、プレスカバー60の製造中、鋳造シリンダ62に固定された強化リング61を使用して、長手方向フィラメント64を締め付ける。次に、プラスチック層65がキャストされ、同時に、円周方向フィラメント66が長手方向フィラメント64および強化リング61の上に内側から巻回される。プレスカバー60をカバー支承ディスク(図示せず)に固定するために、強化リング61は半径方向内側に突出するフランジ67を有する。代わりに、半径方向外側に突出するフランジ68を設け得る。
図14は、強化リング71と72を有するプレスカバー70の製造方法を示している。この製造方法はEP'680の製造方法に対応し、外周面の鋳造シリンダ73により製造が行われる。EP’680とは異なり、クランプリングの代わりに、強化リング71と72が設けられ、この強化リングは、長手方向フィラメント74を締め付けるために最初に使用され、またプラスチック層75がキャストされて、円周方向フィラメント76が同時に巻回された後、プレスカバー70の構成部品のままである。プレスカバー70の強化リング71と72の確実な固定は、強化リング71、72を通して蛇行して引き込まれ、かつ次に張力が加えられる長手方向フィラメント74(EP'680に開示)によって、さらには、円周方向フィラメント76が、あるプレストレスを有する強化リングの上に巻回されるという事実によって達成される。図14はまた、鋳造ノズル77が鋳造運転中に鋳造シリンダ73の一方の端部から他方の端部に移動し、一方、前記シリンダが同時に回転する状況を示している。
一方の強化リング71は、鋳造シリンダ73の一方の端部に支えられる半径方向内側に突出するフランジ71aを有する。他方の強化リング72は、長手方向フィラメント74に張力を加えるためにクランプねじ78が係合する半径方向外側に突出するフランジ72aを有する。
図15は、カバー支承ディスク79と80に装着された完成状態の図14に従って製造されたプレスカバー70を示している。この場合、フランジ71aと72aは、その都度ねじ81、82を用いてプレスカバーを支承ディスクに固定するために使用される。2つの強化リング71、72の各々はカバー支承ディスクの外周面でセンタリングされる。軸方向(矢印P)にプレスカバー70を引き込むことをより容易にするために、左側の支承ディスク79の外周面の直径(図15)は、右側支承ディスク80の直径よりも小さい。したがって、図14の鋳造シリンダ73は83で僅かにオフセットされる。
図16に示したプレスカバー14(その従来の補強材は図示せず)の場合、追加の強化部は、内側方向に折り畳まれる(あるいは折り返される)プレスカバーの端部セクション16として形成される。追加の補強材15はプレスカバー内に設けられる。図16が示すように、内側方向折畳み端部セクション16の内周表面は、内側方向に大きくなる内径を有する円錐状である。この結果、プレスカバー14は、車両タイヤをリムに固定するのと同様の方法でカバー支承ディスク20Cと20Dとに固定される。一方のプレスカバー端部セクションは、対応する円錐状の外周面を有するカバー支承ディスク20Dに直接着座することが好ましい。他方の端部セクションは、対応する円錐状の外周面を同様に有しかつカバー支承ディスク20Cで軸方向に平行に変位されることができるクランプリング17に着座する。複数のリングセグメント18は、外側から内側に半径方向にカバー支承ディスク20Cに挿入できる。前記セグメントを通してねじ19が延在し、このねじを用いて、プレスカバー端部セクションをクランプリング17とリングセグメント18との間で締め付けることができる。
この発明は、可撓性プレスカバーおよびこのような可撓性プレスカバーを有するシュープレスロールに適している。
本発明による可撓性プレスカバーを有するシュープレスロールの部分縦断面図である。 シュープレスロールに属するスプレッダリングの部分図である。 図1の別形態の図面である。 図1の別形態の図面である。 図1の別形態の図面である。 図1の別形態の図面である。 プレスカバー端部領域の様々な修正形態の縦断面図である。 プレスカバー端部領域の様々な修正形態の縦断面図である。 プレスカバー端部領域の様々な修正形態の縦断面図である。 プレスカバー端部領域の様々な修正形態の縦断面図である。 プレスカバー端部領域の様々な修正形態の縦断面図である。 プレスカバー端部領域の様々な修正形態の縦断面図である。 プレスカバー端部領域の様々な修正形態の縦断面図である。 プレスカバーを鋳造シリンダの外周面に製造する方法を示している。 図14に従って製造された最終装着状態のプレスカバーの図面である。 本発明による可撓性プレスカバーを有するシュープレスロールのさらなる別形態の図面である。
符号の説明
30…プラスチック層
31,32…補強材
10…可撓性プレスカバー
E…端部領域
27…スプレッダリング27
34…強化手段

Claims (26)

  1. 移動する繊維質ウェブを脱水またはカレンダリングするために使用されるシュープレスロール用に意図され、かつプラスチック層(30)および該プラスチック層内に強化手段として包埋された軸方向に平行の長手方向フィラメント(31)と円周方向フィラメント(32)とを備える可撓性プレスカバー(10)であって、前記シュープレスロール長手方向の両端部に位置する、前記可撓性プレスカバー(10)の2つの端部領域(E)の少なくとも一方に、前記シュープレスロールの回転に伴って回転し、かつ前記可撓性プレスカバー(10)を支持する支持要素(例えばスプレッダリング27)の外周表面に固定することを適切にする追加の円周方向フィラメントである追加の補強材(34、36、38、39’)の形態の、追加の強化手段(34)を有するとともに、
    前記プレスカバー(10)を上述の支持要素の外周表面に固定するための構成が、前記プレスカバー(10)の外周表面と関連付けられる固定要素を含まず、前記プレスカバー(10)の内周表面と関連付けられる固定要素を含むことを特徴とする可撓性プレスカバー。
  2. 追加の強化部(34)を有する前記プレスカバー端部領域Eの内周表面が円筒状であることを特徴とする、請求項1に記載の可撓性プレスカバー。
  3. 追加の強化部(34)を有する前記プレスカバー端部領域の内周表面が円錐状であり、外側方向に大きくまたは小さくなる内径を有する(図5または図6)ことを特徴とする、請求項1に記載の可撓性プレスカバー。
  4. 上述の支持要素(27、27A)を広げることができる、直径(図1〜図4)を拡大することができることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の可撓性プレスカバー。
  5. 前記追加の補強材が、従来の補強材の上に外側から巻回される円周方向フィラメント(34、38)を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の可撓性プレスカバー。
  6. 前記追加の補強材が、従来の補強材(32、35)の下に内側から巻回される(図7)円周方向フィラメント(36)を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の可撓性プレスカバー。
  7. 前記追加の強化部が、好ましくはプレスカバー(10´,13)の2つの端部領域の一方のみに、残りのプレスカバー(図3、図9)の内径よりも小さな内径の肥厚ビード(30A)を備えることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の可撓性プレスカバー。
  8. 追加の補強材が、ビード(30A)内に、例えば、軸方向に平行の長手方向フィラメント(39)内に、および該長手方向フィラメントに巻回された(図9)円周方向フィラメント(39’)内に、あるいは織布内に設けられることを特徴とする、請求項7に記載の可撓性プレスカバー。
  9. 前記追加の強化部が、例えば巻回密度を増しておよび/またはフィラメント厚さを増して(図10)、従来の円周方向フィラメント(32)の連続を形成する追加の円周方向フィラメント(32’)から形成されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の可撓性プレスカバー。
  10. 前記追加の補強材が少なくとも1つのバンド、例えば織布バンド(37)を(図8)有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の可撓性プレスカバー。
  11. 追加の強化手段(34)を有する端部領域(E)が、隣接するプレスカバー領域よりも大きな厚さ(d、図1)を有することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の可撓性プレスカバー。
  12. 前記追加の強化手段が、プラスチックまたは金属から予め製作された強化リング(51、51A、61、71、72)を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の可撓性プレスカバー。
  13. 少なくとも前記強化リングの一部が前記プレスカバー内にキャストされる ことを特徴とする請求項12に記載の可撓性プレスカバー。
  14. 前記強化リングが、補強フィラメント(56、64、66、74、76)を用いて前記プレスカバーに固着されることを特徴とする、請求項13に記載の可撓性プレスカバー。
  15. 強化リング(51、51A)が、従来のプラスチック層のキャストに続いてキャストされることを特徴とする、請求項13または14に記載の可撓性プレスカバー。
  16. 強化リング(61、71、72)が、従来のプラスチック層がキャストされるのと同時にキャストされることを特徴とする、請求項13または14に記載の可撓性プレスカバー。
  17. 前記強化リングが、シュープレスロールに属する回転可能な支持要素(例えばカバー支承ディスク79、80)にプレスカバーを固定するためのフランジ(67または68、あるいはそれぞれ71A、72A)を有することを特徴とする、請求項12〜16のいずれか1項に記載の可撓性プレスカバー。
  18. 請求項1〜17のいずれか1項に従って構成された可撓性プレスカバーを備え、かつ前記ロールの各端部に、静止支持要素に装着される回転可能なカバー支承ディスク(20)を有するシュープレスロールにおいて、
    a)カバー支承ディスク(20)の少なくとも1つが、前記カバー支承ディスクの外周表面で軸方向に変位されることができるクランプリング(24または24A)を備え、
    b)前記クランプリングが、広げることができるスプレッダリング(27または27A)の円錐状の内面に係合する円錐状の外面を有し、
    c)広げることができる前記スプレッダリングが、追加の強化部(34)を有するプレスカバー端部領域(E)の前記カバー内面に着座し、
    d)前記構成が、前記プレスカバー外周表面と関連付けられる固定要素を含まないことを特徴とする、シュープレスロール。
  19. クランプリング(24A)が、ねじ(28)によって軸方向に変位されることができることを特徴とする、請求項18に記載のシュープレスロール。
  20. クランプリング(24)が、本来周知のように、油圧チャンバ(25)によって軸方向に変位されることができることを特徴とする、請求項18に記載のシュープレスロール。
  21. スプレッダリング(27A)が、前記プレスカバーを軸方向に固定するためのカラー(27B)を有する(図4)ことを特徴とする、請求項18〜20のいずれか1項に記載のシュープレスロール。
  22. 請求項1〜17のいずれか1項に従って構成された可撓性プレスカバーを備え、かつ前記ロールの各端部に、静止支持要素に装着される回転可能なカバー支承ディスク(20)を有するシュープレスロールにおいて、
    前記ロールの端部の少なくとも一方に、プレスカバー(10B、10C)をカバー支承ディスク(20B、20’)に接続するために、装着リング(40、40’)が設けられ、該装着リングが、前記プレスロールの外側で、追加の強化手段(34、34A)を有する前記プレスカバー端部に挿入することができ、その後(前記プレスカバーと共に)、前記カバー支承ディスクに固定できる(図5、図6)ことを特徴とするシュープレスロール。
  23. 上述の装着リング(40、40’)が、追加の強化手段(34、34A)を有する前記プレスカバー端部領域の円錐状の内周表面に整合する円錐状の外周表面を有することを特徴とする、請求項22に記載のシュープレスロール。
  24. 前記装着リングが略円筒状の外周表面を有することを特徴とする、請求項22に記載のシュープレスロール。
  25. 外側に円錐状に先細りされる(図6)前記プレスカバーの端部領域に、装着リング(40’)を挿入できることを特徴とする、請求項22〜23のいずれか1項に記載のシュープレスロール。
  26. 装着リング(40、40’)が、前記プレスカバーを軸方向に固定するためのカラーを有することを特徴とする、請求項22〜25のいずれか1項に記載のシュープレスロール。
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