JP4149719B2 - 水素化樹脂用添加剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、水素化樹脂、例えばポリオレフィン、エラストマー、重縮合からのポリマーの添加剤として使用可能な弗化化合物に関する。この発明の添加剤は、水素化樹脂の押出中、加工性に否定的に作用せず、逆に加工性を改善し、最終製造品の離型性を向上する。加えて、最終製造品(本発明の添加剤を添加した水素化樹脂)は、表面特性の改善が持続する。
より詳しくは、この発明は、ペルフルオロポリエーテル鎖と官能化ポリオレフィンで形成された添加剤に関する。この添加剤は固体形態(顆粒、粉末またはペレット)で得ることができ、水素化ポリマーと相溶性で、均質な混合物を形成する。そのため、非常に高い濃度でも各種の添加剤濃度で、水素化樹脂と、例えば添加剤の50重量%のオーダでも、マスターバッチを作ることができる。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来技術で、ポリマー特性を改良するのに弗化添加剤を使用することが知られている。USP4,278,776号は、硬化性弗化ゴムのブレンド用のプロセス添加剤としてペルフルオロポリエーテルから得られるポリアミドの使用を述べている。出願人の行ったテストでは、ペルフルオロポリエーテルから得たポリアミドは、その添加剤の高濃度での水素化樹脂とのマスターバッチを作り得ないことを示した。その上、この添加剤が低濃度でも、均質なマスターバッチは得られない。そのため、これらのマスターバッチは実際には押出に使用できず、最終製造品は非均一な性状を示すものが得られる(比較例参照)。USP5,061,759号では、添加剤量が0.5〜1重量%で、過酸化法で硬化しうる弗化ゴム用のペル弗化ペルフルオロポリエーテル添加剤または臭素末端基を有するものが記載されている。これらの添加剤は、弗化ゴムの加工性と離型性を改善する。また、これらの添加剤は、製造品を作るのに使用されるマスターバッチを得るのに水素化樹脂に使用すると、ペルフルオロポリエーテルから得たポリアミドと同じ欠点を与える。
【0003】
USP3,899,563号は、熱可塑性樹脂用のアミド、ジアミド、トリアジン、置換尿素のような一官能化フルオロアルキル添加剤を記載している。この特許では、その添加剤の水素化樹脂とのマスターバッチを作りうる可能性を挙げておらず、特にポリオレフィンに対し、挙げていない。
USP5,143,963号と同5,286,773号では、水素化熱可塑性ポリマーに対する弗化添加剤を記載している。各種添加剤中、ペルフルオロポリエーテル添加剤が挙げられ、ペル弗化末端基を有するペルフルオロポリエーテルのみが例示されている。添加量は0.01〜<1重量%の範囲である。最終製造品は、熱可塑性ポリマーより低い表面張力を有し、化合物内部より表面により高い弗素含量を示す。製品は、高い疎水性と耐付着性、低い摩擦性と表面平滑性で特徴付けられる。添加剤として使用される弗化化合物は、油状、グリース状またはゴム状であることができる。これらの添加剤は、添加剤が高含量、例えば20%のマスターバッチを作ることができない(比較例参照)。その他、液状弗化化合物を添加するのに、高い混合効率を有するように特別の装置を使用しなければならず、そのため二軸押出機が用いられる。出願人の行ったテストで、広く工業的に用いられる標準の一軸スクリュー押出機を用いて、1重量%より低い濃度でもマスターバッチを作ることができないことが分かった。
【0004】
USP5,025,052号は、熱可塑性樹脂用の添加剤として弗化ジオキサゾリジノンを記載している。この場合、高い添加剤濃度でのマスターバッチの製造は示されていない。
USP5,681,963号と同5,789,491号は、アルコール及び表面張力の低い液体の撥水性を有する繊維(ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド)の製造用添加剤として、一官能性ペルフルオロアルキル化合物をベースとしたイミドの使用を記載している。この特許で、弗化ポリマー誘導体は、表面に移行する能力が不十分なためこの種の使用に適さないと述べられている。特許出願WO97/22,576号とWO97/22,659号は、ステアリン酸を除く脂肪酸と一官能性フルオロアルキルアルコールとのモノエステルとジエステルを、ポリマー繊維、特にポリプロピレン繊維に撥水/油性を付与するのに使用することが述べられている。またこの場合、ポリマー添加剤は、上記のように不適当と考えられる。
【0005】
特許出願WO99/23,149号は、油、ワックスまたはゴム状の形での一般の弗化添加剤を0.01〜5重量%の範囲の量でポリウレタンのような水素化ポリマーまたは熱可塑性および熱硬化性樹脂に添加することによる耐クリープ性製品の生産を記載している。
また、50%以上の高い弗素含量を有し、官能性末端基を有するペルフルオロポリエーテル、高分子量のそれらの同族体は弗化添加剤の群に属す。これら特許出願では、ポリマーが熱可塑性のとき、組成物を作るにはポリマーが溶融され、液体状態でフルオロカーボン添加剤と混合され、混合装置へ供給する添加剤は、液体用添加装置で行われることが示されている。そのため、この混合法は、成分を上記のように液体状態で添加しなければならないことから、特別な装置を必要とする欠点がある。また、ペルフルオロアルキル末端基を有するペルフルオロポリエーテルが使用可能とされている。この特許出願について、上記と同じ考慮が有効である。
【0006】
特許出願WO99/23,148は、熱硬化性樹脂に、先の特許出願に記載の弗化添加剤の1つを0.01〜1%まで添加して得られる耐摩耗性製品を記載している。マスターバッチについての言及はされていない。
特許出願WO99/23,147は、改良された摩耗耐性を得るため、1〜10%の量の弗化添加剤を加えて改質したショアーA硬度10〜90の線状または架橋ポリマーを記載している。上記の特許出願で、官能基を含有できるフルオロカーボンで形成された弗化添加剤の油、ゴムまたはグリースが適するとして示されている。混合装置は、特許出願WO99/23,149に記載の液状化合物を混合するのに用いられたもので、そのためこの混合方法も上記と同じ欠点を示す。
USP5,451,622号は、水素化樹脂、例えばポリプロピレン用の撥水/油添加剤として弗素量の20〜70重量%を含有する一官能性フルオロアルキル区分を有する部分弗化ピペラジンの使用を記載している。また、この特許には、高濃度の添加剤を有するマスターバッチが挙げられていない。
【0007】
上記従来技術によれば一般的に、弗化添加剤は、プロセス添加剤として、または最終製造品に改質表面性を与える添加剤として使用できる。弗化添加剤の水素化樹脂への添加方法は、一般に複雑な工程で、かつ、上記のように押出での弗化添加剤投与用の特別な装置を必要とする。添加剤は、実際に液状であるのが多く、樹脂との均質化に二軸スクリュー押出機のような高効率の装置を必要とする。従来技術の液状弗化添加剤では、水素化樹脂中高い添加剤濃度、特に10重量%以上の添加剤濃度でマスターバッチを作ることは困難である。ペルフルオロポリエーテルを添加剤として使用するとき、添加剤の最大濃度が1〜2重量%のマスターバッチを作ることができる(比較例参照)。これは、上記のように特別な装置の使用を要する水素化樹脂と弗化添加剤が実質的に不混合性であるためである。マスターバッチで均質性を欠くと、最終製造品中の添加剤の用量が難しく、再現性のない製造品を得ることになる。これは工業的見地から欠点である。さらなる欠点は、製造品中の弗化添加剤の耐久性が制限されることである。実際に、添加剤は、仕上工程中の熱効果、あるいは洗浄または機械的作用、例えば摩擦によって除去され、製造品の表面特性を損失し、環境を汚染する可能性がある。何れにせよ、水素化樹脂中の添加剤を50%オーダの高い添加量で含有するマスターバッチは挙げられていない。高い含量の添加剤を有するマスターバッチを入手可能にしうることは、より均一な濃度の添加剤を有するマスターバッチを生じさせる。その上、そのマスターバッチは、マスターバッチを作るのに用いられた水素化樹脂と異なった水素化樹脂とでも使用できる。これは、より均一な添加剤分布を有し、そのため実質的に均質な特性を有し、かくして製造品の生産中に廃棄物が少量の最終樹脂を得ることを可能にする。
【0008】
次の特性を有する弗化添加剤を入手可能とする必要があった:
− 固体形態(顆粒またはペレット)で入手しうる、そのため特別な計量器の使用を必ずしも必要とせず普通の装填ホッパーで計量できる、
− 水素化樹脂、熱可塑性と熱硬化性の両方、例えばポリオレフィン、ポリオレフィンゴム、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタンと容易に相溶性であり、また1軸スクリュー押出機を使用できる、
− 完成化合物に、持続性の表面撥水、油性、耐摩耗性、低い摩擦係数、改良された離型性を与える、
− 各種の非常に高い添加剤濃度で、添加剤の50重量%のオーダでも、水素化樹脂とのマスターバッチを作る可能性があること。
【0009】
【課題を解決するための手段】
出願人は、驚くべきことにかつ意外なことに、上記の性質の組合せを有するペルフルオロポリエーテルオリゴマーまたはポリマーと官能化ポリオレフィンとを含有する添加剤を見出した。
この発明の目的物は、次の成分
a)−COOR末端基を有する一官能性ペルフルオロポリエーテルとの任意の混合での、−COOR末端基を有する二官能性ペルフルオロポリエーテル(RはHまたはC1〜C10アルキル、二官能性と一官能性ペルフルオロポリエーテルの数平均分子量は500〜5,000、好ましくは900〜3,000の範囲である)、
b)化合物a)の−COOR末端基と反応しうる官能基を有する一、二または多官能性水素化モノマー(好ましくはその水素化モノマーの官能基はアミン基である)、
c)官能基を有し、好ましくはC2〜C4モノマーで形成されたポリオレフィン(その官能基はa)とb)との反応によって得られたブロックオリゴマー/ポリマーと反応しうるもので、好ましくはその官能基は無水マレイン酸でのグラフト化で得られる)、
を用い、
第1工程で、a)とb)とを、またはa)と異なった官能価を有するモノマーb)の混合物とを、成分a)の−COOR基が消失するまで反応させ、
第2工程で、a)とb)との反応で得られた生成物を、官能化ポリオレフィンc)と反応させること
によって得ることができる、官能化ペルフルオロポリエーテルと官能化ポリオレフィンで形成される水素化樹脂用添加剤である。
【0010】
【発明の実施の形態】
この発明の添加剤は、任意に、2,000〜10,000の範囲の分子量を有する中性のペルフルオロポリエーテル油(化合物d))からなることができる。
重量パーセントで表わして、成分a)〜d)の各々の量は次のごとくである:
− 成分a) 30〜70重量%
− 成分b) 1〜30重量%
− 成分c) 10〜70重量%
− 成分d) 0〜20重量%
a)+b)+c)+d)の合計は100重量%に等しい。
【0011】
二官能性(ペル)フルオロポリエーテルと一官能性ペルフルオロポリエーテル(成分a)は、鎖に沿って統計的に分布した次の単位:(C36O);(CFYO)(YはFまたはCF3);(C24O);(CF2(CF2)X'CF2O)(X'は1または2に等しい整数);(CR45CF2CF2O)(R4とR5は互いに同一または異なりHとClから選択され、かつペルフルオロメチレン単位の1つの弗素原子は、任意にH、Clまたは(ペル)フルオロアルキル(例えば1〜4個の炭素原子を有する)で置換できる)の1またはそれ以上を有する。
【0012】
a)の好ましい二官能性化合物は、鎖に沿って統計的に分布したペルフルオロオキシアルキレン単位を有する次のもの:
(a') −CF2−O−(CF2CF2O)p'(CF2O)q'―CF2― (VIII)
(式中、p'とq'はq'/p'比が0.2〜2の間からなり、数平均分子量が上記の範囲であるような数である)
(b') −CFX'I−O−(CF2CF(CF3)O)r'(CF2CF2O)s'―(CFX'IO)t'―CFX'I (IX)
(式中、X'IはFまたは−CF3;r'、s'とt'はr'+s'が1〜50の範囲で、t'/(r'+s')比が0.01〜0.05の範囲で、r'+s'が0ではなく、分子量は上記の範囲であるような数である)
(c') −CF(CF3)(CFX'IO)t'(OC36) u' −OR'fO−(C36O) u'(CFX'IO)t'CF(CF3)− (X)
(式中、R'fはC1〜C8ペルフルオロアルキレン、u'+t'は数平均分子量が上記の範囲であるような数で、t'は0であってもよく、X'Iは上で示した通り)
(d') −CF2CF2O−(CF2(CF2)x'CF2O) v'−CF2CF2− (XI)
(式中、V'は分子量が上記の範囲内であるような数で、X'は1または2に等しい整数)
(e') −CF2CH2−(OCF2CF2CH2O)w'−OR'fO−(CH2CF2CF2O)w'−CH2CF2− (XII)
(式中、R'fはC1〜C8ペルフルオロアルキレン、W'は数平均分子量が上記の範囲であるような数である)
であって、かつ二官能性ペルフルオロポリエーテル成分a)の末端基が−COORタイプ(R=HまたはC1〜C10アルキル)のものである。
【0013】
二官能性(ペル)フルオロポリオキシアルキレンは公知製品で、−COF末端基を有する対応する(ペル)フルオロポリオキシアルキレンから出発して作ることができる(例えば特許GB1,104,482、USP3,715,378、USP3,242,218、USP4,647,413、EP148,482、USP4,523,039、EP340,740、特許出願WO90/03357、USP3,810,740、EP239,123、USP5,149,842、USP5,258,110参照)。
【0014】
二官能性ペルフルオロポリエーテルとの混合で、a)で使用される好ましい一官能性ペルフルオロポリエーテルは、次の構造:
IB) A'O(C36O)m(CFYO)n
(式中、Yは−Fまたは−CF3、A'は−CF3、−C25、−C37、−CF2Clまたは−C24Cl、
36O単位とCFYO単位は、(ペル)フルオロポリエーテル鎖に沿ってランダムに分布し、mとnは整数で、m/n比が≧2、mとnは分子量が成分a)で示した範囲内であるような値である)、
IIB) C37O(C36O)m
(式中、mは正の整数で平均分子量が成分a)で示した範囲内であるような値である)、
IIIB) (C36O)m(C24O)n(CFYO)q
(式中、YはFまたは−CF3;m,nとqは0とは異なり、数平均分子量が成分a)で示した範囲内であるような整数である)
を有し、かつ一官能性ペルフルオロポリエーテルの末端基が−CF2−COOR(Rは上記)である。
【0015】
化合物IB)は、例えば特許GB1,104,482号に記載の方法に従ってヘキサフルオロプロペンの光酸化によって得ることができ、化合物IIB)は例えばヘキサフルオロプロペンエポキシドのイオンテロメリゼーションで得ることができ(例えばUSP3,242,218号参照);化合物IIIB)は例えばUSP3,665,041号に記載の方法でC36とC24の混合物についての光酸化で得ることができる。
二官能性ペルフルオロポリエーテルとの混合での一官能性ペルフルオロポリエーテルの量は、混合物a)の0〜90重量%、好ましくは5〜40%の範囲である。
【0016】
官能価がアミン性のときの成分b)の例は、次のものである:
b1) 式R1−NH2のモノアミン
(式中、R1は脂肪族線状または任意にC1〜C4アルキル基で置換された4〜6の炭素原子環を有する脂環族C1〜C20アルキル基、またはR1は炭素原子の全数は6〜20の範囲である線状または分枝状C1〜C4アルキル基で任意に置換されたアリール基;式R1NH2のアミンの例はステアリルアミンである)、
b2)式 NR2A3A−R1A−NH2のジアミン
(式中、R1Aは脂肪族線状または任意にC1〜C4アルキル基で置換された4〜6の環炭素原子数を有する脂環族C2〜C12アルキル基、またはC6〜C12アリール基;R2AとR3Aは互いに同一または異なり、水素または線状もしくは分枝状C1〜C5アルキル基、R1A=アルキルかつR2A=R3A=Hのジアミンの例はエチレンジアミンとヘキサメチレンジアミン;R1A=アリールのジアミンの例はナフタレンジアミン;R1A=アルキルかつR2A=R3A=CH3のジアミンの例はN,N−ジメチルアミノエチレンジアミン)
b3)式 (NH22−Ar1−Ar1−(NH22の芳香族テトラミン
(式中、Ar1はC1〜C4アルキル基で任意に置換されたフェニル;芳香族テトラミンの例はテトラアミノビフェニル化合物)。
【0017】
好ましいモノマーb)はステアリルアミン(b1)、なおより好ましいのは群(b2)と(b3)の化合物である。
成分c)で、官能化ポリオレフィンとしては、例えば次のポリマーがある:a)+b)の反応物アミン基と反応しうる官能化モノマーでグラフト化されたポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンコポリマー、高密度ポリエチレン(HDPE)または線状低密度ポリエチレン(LLDPE)。グラフト化モノマーの例として、無水マレイン酸を挙げることができる。他の成分c)は、第2の官能基を有するエチレン系モノマー、例えば酢酸ビニル、かつ任意に一酸化炭素COの存在下、例えばEVA、E/nBA(n−ブチルアクリレート)とE/nBA/COを含有するエチレンのコポリマーまたはターポリマーである。
【0018】
官能化ポリオレフィン成分c)は、市場で知られ入手しうる製品である。例えば、樹脂FusabondとBynel(Du Pont)と樹脂Questron(Montell)を挙げることができる。
ペルフルオロポリエーテル油成分d)は、成分a)で記載したのと同じ組成の単位を鎖中に有するが、−CF2Xタイプ(X=F、Cl、好ましくはX=F)のペルハロゲン化末端基を有する。そのペルフルオロポリエーテルは、既知の方法で得ることができる(例えばUSP3,665,041、USP2,242,218、USP3,715,378とEP239,123参照)。
同じ化学的官能を有するモノマーb)の混合物、例えばステアリルアミンとヘキサメチレンジアミンが、この発明の組成物に使用できる。
【0019】
この発明による添加剤は、次の工程:
1) 任意に二官能性ペルフルオロポリエーテルと一官能性ペルフルオロポリエーテルの混合で形成される官能化ペルフルオロポリエーテル成分a)と水素化モノマー成分b)とを、90〜100℃の範囲の温度で撹拌下に加熱し、続いて反応の完結、すなわちIRスペクトルで、−CF2−に結合したCOOR基の1800cm-1でのバンドが消失するまで、真空下(1mmHg)100〜130℃で加熱して反応させて化合物a)+b)を合成し、
2) 同じ反応器中に、好ましくは無水マレイン酸で官能化された官能化ポリオレフィン成分c)を撹拌下に添加し、混合物を、大気圧下、180〜190℃の範囲の温度で30〜60分間加熱して反応させ、終わりに、得られた生成物を温時排出することからなる方法で得ることができる。
【0020】
工程1)は、攪拌機を具備した重縮合反応器または適当な混合セル中に、次の成分で形成された混合物を導入することによって行われる:
− 化合物a)、例えば任意にペルフルオロポリエーテルモノエステルと混合させた、ペルフルオロポリエーテルのエチルまたはメチルジエステル、
− モノマーb)、任意に異なる官能価を有する他のモノマーb)との混合物、例えば、一官能性および/または2より高い官能価を有する多官能性アミンとの任意に混合させた、脂肪族または芳香族ジアミンが成分b)として使用できる。b)とa)の官能基のモル比は1〜1.5の範囲であり、かつ何れもb)の量は、反応でa)の−COOR基を消失させるような量でなければならない。反応器の温度は、撹拌下に90〜100℃の範囲の値にもたらし、遊離したアルコールを蒸留で採取する。大気圧での蒸留相が終わってから、反応を完結さすためポリマーを真空下(1mmHg)100〜130℃に加熱する。IRスペクトルで−CF2−に結合したCOOR基の1800cm-1でのバンドが消失したら、反応を終了する。
【0021】
b)の一官能性モノマーと多官能性モノマーの比は、得ようとするa)+b)の分子量の関数で最適化できる。
モノマーb)は、任意に一官能性ペルフルオロポリエーテルとの混合で二官能性ペルフルオロポリエーテルと反応し、例えばポリアミドとポリベンゾイミダゾールを生じ、後者は上記の芳香族テトラミン(b3)から得ることができる。
任意に、最初の工程で得られた化合物に、ペルフルオロポリエーテル油化合物d)のような弗化添加剤を、上記の範囲内の量で撹拌下に熱時添加することができる。
工程2)成分c)で、好ましくは無水マレイン酸での官能化ポリオレフィンとa)とb)との反応生成物を撹拌下に同じ反応器に導入する。それを、180〜190℃の温度で大気圧下撹拌しつつ30〜60分間加熱する。排出された最終反応生成物は、均質なプラスチック材の塊である。第2工程で、a)とb)との反応で得た化合物の官能基と官能化ポリオレフィンの官能基の割合はモルで10〜0.1、好ましくは約1である。
【0022】
終わりに得られた添加剤は、室温およびより高い一般に80℃までで固体状で、一般に80℃以上の融点と、50%重量以上の鎖中のペルフルオロポリエーテル含量で特徴付けられる
かくして得られた発明の添加剤は、好ましくは押出、ペレット化の後に、水素化樹脂との均質なマスターバッチを得る添加剤として使用される。マスターバッチでの添加剤濃度は、1〜50重量%の範囲である。
水素化樹脂の例は、HDPE、LLDPE、PPそれぞれのコポリマーのようなポリオレフィン;PETのようなポリエステル;ナイロンのようなポリアミド、EPDMのようなゴムなどである。
【0023】
マスターバッチは、例えば、添加剤と水素化樹脂とを、例えば混合セル中、170〜190℃の範囲の温度で15〜30分間混合するか、または水素化樹脂に用いられた操作条件下で押出して作られる。
任意に、成分a)と添加剤の成分b)を反応させて得た生成物に次いで成分c)を反応させ、水素化樹脂に添加することができる。
例えばa)+b)の反応生成物を、混合セルまたは押出機中で、水素化樹脂に添加し、次いで2つの相を、成分c)の顆粒を加えて押出中に相溶化する。マスターバッチは、肉眼上均質で欠陥がない。これは、高い添加剤濃度を有するマスターバッチを入手可能にするのに工業的に有利である。この場合、マスターバッチは、所望の弗素含量を得るまで、水素化樹脂を加えて、希釈に用いられる。この加工中に、添加剤やその成分の損失は認められない。
【0024】
理論に拘束されないが、弗素化部分すなわちポリオレフィンc)に化学的に結合したペルフルオロポリエーテル化合物a)は、マスターバッチを得る工程中抽出されないと考えられる。その他、添加剤は、上記の熱処理で揮発しないことも判明している。
マスターバッチと水素化樹脂とを混合して得ることができる最終製造品は、上記の特徴;疎水性、低い表面張力液体への耐性、摩耗耐性、摩擦係数とこれら特性の経時的保持性の組合せで特徴付けられる。
本出願人により予想外に見出されたこの発明の添加剤のさらなる利点は、水素化樹脂に、非官能性ペルフルオロポリエーテル油(成分d))のような他の弗化添加剤を担持するのにも使用でき、液状バッチの押出の使用を必要とすることなく、使用時の製造品で、ペルフルオロポリエーテル油の改善された最終的な均質性と持続性を与える。実際に上記のごとく、水素化樹脂の添加剤として非反応性ペルフルオロポリエーテル油の使用についての欠点は、水素化樹脂に対する効果が経時的に非常に制限されることである。
【0025】
この発明の添加剤は、流動学的性質、熱分析(示差熱量法と熱重量測定法)とIR分光測定で特徴付けられる。
既に述べられたように、この発明の添加剤は、加工特性を改良し、また、最終製造品の離型に改良された特性を与える。
製造品は、その表面特性をさらに改良するため100〜140℃の範囲の温度で加熱して第2の熱処理に付すことができる。
【0026】
【実施例】
次の実施例は、発明の範囲を制限することなく発明を例証するものである。
実施例
分析方法
動力学粘度は30℃、平行板を持つアレス(Ares)の流動計、周波数は0.83rad/秒にて測定された。
アミンの当量NH2は電位差滴定によって測定され、トリクロロトリフルオロエタンとのメタノールの9:1溶液(v/v)50mlの中にポリマー約5gを溶解し、HCl 0.1Nのアルコール溶液でのポテンシオグラフで滴定する。
熱転移(TgとTm)は、Perkin Elmer (登録商標)DSC 2測定器によって以下の熱処理を用いて測定された:10℃/分で50℃から180℃まで加熱、180℃で5分間等温、10℃/分で180℃から50℃まで冷却、50℃で2分間等温、10℃/分で50℃から180℃まで加熱。
引張特性はASTM D1708(5mm/分の速度)によりInstrom(登録商標) mod. 1185力量計を用いて23℃で測定された。
n−ヘキサデカンでの静接触角は室温でKuss(登録商標) G23測定器を用いてセシルドロップ(Sessile drop)の方法にて測定された。角度測定は表面に滴が触れてから30秒後に写真を取って行われた。
【0027】
実施例1
エチレンジアミンとペルフルオロポリエーテル二官能価エステルとの反応によって得られるポリアミドの合成
エチレンジアミン30gおよび分子量2,000とCH3OCOCF2O(CF2CF2O)p(CF2O)qCF2COOCH3(p/q=2)(1−A)の構造を持つペルフルオロポリエーテルメチルジエステルから作成された油1kgを、撹拌機を装備した2lの重縮合反応器に投入する。
反応混合物は、重縮合の間に放出されたメタノールを蒸留しながら、窒素大気の中で4時間加熱する。最後には、反応器の内部は真空源(1mmg)と連結し、さらに4時間100℃で加熱した。最後には、反応器を初期圧力にもどす。ペルフルオロポリエーテルアミド誘導体は反応器の底から粘性の油として熱時排出させる。
【0028】
ポリアミド誘導体のIRスペクトルでは−CF2COOCH3基の1800cm-1における吸収バンドが欠けており、したがって原料のペルフルオロポリエーテルのエステル基すべてがアミド基(1690cm-1)へ変換された。ポリアミドは以下の物理的特性を示す。
粘度:32.000ポアズ(3.2×103Pa)
熱転移(DSC, 20℃/分):−104℃; −20℃
アミン当量NH2: 23,000g/eq
【0029】
実施例2
ヘキサメチレンジアミンとペルフルオロポリエーテル二官能価エステルの反応によって得られるポリアミドの合成と特性
ヘキサメチレンジアミン60gおよび2,000の分子量とp/q=2であるCH3OCOCF2O(CF2CF2O)p(CF2O)qCF2COOCH3の構造を持つペルフルオロポリエーテルメチルジエステル油1kgを、テープ撹拌機を装備した2lの重縮合反応器に投入する。
反応混合物は、重縮合副生物のメタノールを蒸留しながら、窒素雰囲気下で4時間加熱する。そして真空源(1mmHg)を連結し、120℃でさらに4時間加熱する。ペルフルオロポリエーテルポリアミドは反応器の底から粘性の油として熱時排出する。
【0030】
ポリアミドのIRスペクトルでは−CF2COOCH3基の特性である1800cm-1における吸収バンドが欠けている。したがってすべてのエステル基がアミド基(バンドは1690cm-1)へ変換される。ポリアミドは、熱転移(DSCによる)と粘度(30°の流動曲線)によって特徴づけられる:
粘度:70,000ポアズ(7.103Pa)
熱転移(DSC, 20℃/分):−107℃; −40℃
【0031】
実施例3
ビス−ステアリルアミドとペルフルオロポリエーテル二官能価エステルの反応によって得たポリアミドの合成と特性
撹拌機、窒素源と蒸留レトルトを装備した2リットルの3つ口ガラスフラスコに、式(1−A)のペルフルオロポリエーテルジエステル500g(ただし分子量は1,500)、とステアリルアミン180gを導入する。反応混合物は放出されたメチルアルコールを蒸留しながら、撹拌下70℃−80℃に加熱する。4時間の反応時間の後、真空源(1mmHg)を連結し、2時間維持する。それを冷却し、蝋質粘稠度を持つ固体が反応器から排出される。IR分析は1800cm-1でのバンドの欠如を表わしている(CF2基に結合したエステル基)。
熱転移(DSC, 20℃/分):−80℃(Tg);+40℃(Tm)
【0032】
実施例4
ポリアミドペルフルオロポリエーテル誘導体と官能化ポリエチレンとの反応による添加剤の製法
実施例2で得た弗素化ポリアミド500gと、以下の特性を持つ無水マレイン酸で官能化したポリエチレンの顆粒500gを2lの重縮合反応器に導入する:
メルトフローインデックスMFI(190℃,2.16kg,ASTM D1238)4.2g/10分、無水マレイン酸含量0.4重量%、Tm80℃。
塊素材を撹拌下190℃1時間加熱する。最後に、プラスチック質の粘稠度と以下の性質を持つ白い固体が約900g排出する。
熱転移(DSC, 20℃/分):−100℃(Tg); +93℃(Tm)
熱安定性(TGA,10℃/分で20℃から700℃へ動的):T1%(テストサンプルの1%の重量損失が生ずる温度:362℃)
【0033】
実施例4b
実施例4の添加剤の機械的性質の特性化
実施例4の添加剤を加圧成形(200℃、5分)し、標品を得る。この標品を、ASTM D1708に従ってInstrom(登録商標) mod 1185により、ASTM D 4065に従って平行板を具備するAres(登録商標) 3−A25により(2℃/分の熱勾配と6.28rad/s周波数)、引張り機械と動的機械特性化に付した。
成形した添加剤は固体である。実際に標品は50℃72時間の加熱後でも寸法安定性を維持している。ASTMテストで課した変形(500%)は、標品を室温に冷却後、回復しない。変形回復は、標品を室温で24時間置いた後1%未満であると認められる。添加剤の動的機械スペクトルは、室温で約1〜2MPaのモジュラスG’値(弾性成分)と約0.01MPaのG''値(粘稠成分)を示す。
溶融点以上(110〜120℃)G''>G’
従って、この発明の添加剤は、蝋質やゴム様物質ではなく、より適切にはプラスチック材として分類できる。
【0034】
実施例5
ポリアミドペルフルオロポリエーテル誘導体と官能化ポリプロピレンとの反応による添加剤の製造
実施例1で得た弗化ポリアミド500gと、無水マレイン酸で官能化したポリプロピレン顆粒500g(メルトフローインデックス(実施例4のように測定))28g/10分;無水マレイン酸含量0.6重量%;Tm 152℃)を2lの重縮合反応器に導入する。
塊を撹拌下190℃に加熱し、その温度に1時間維持する。終わりにプラスチック様の粘稠性を有する白色固体900gを抽出する。その性質は次の通り。
MFI(190℃、2.16Kg、ASTM D1238) 210g/10分
熱転移(DSC, 20℃/分):−100℃(Tg); +150℃(Tm)
熱安定性(TGA,10℃/分で20℃から700℃へ動的):T1%(テストサンプルの1%重量損失を生ずる温度):350℃
【0035】
実施例6
非反応性ペルフルオロポリエーテル油(Fomblin(登録商標) YR)との混合での発明の添加剤の製造とポリオレフィンとのマスターバッチの製造
次の成分からなる混合物をつくる:
実施例1で得たポリアミドの450g、非反応性(ペルフルオロ化)末端基Fomblin YR(登録商標)1800を有するペルフルオロポリエーテルの50g、および前の実施例5で示した性質を有する官能化ポリプロピレン(MFI 115、無水物0.6重量%)の500g。
実施例4に述べた方法に従う。
2時間の混合後に、固体表面または反応器の表面に油性残渣を生じていない、白色プラスチックで、肉眼的に均質な固体を排出する。
生成物をポリプロピレンおよびポリエチレンのようなポリオレフィンに添加し、非反応性PFPE油の使用によって生ずる代表的な問題を認めることなく、添加剤濃度5〜20%の均質なマスターバッチを生じる。
【0036】
実施例7
HDPE用添加剤としての実施例4の添加剤の使用(加工助剤)
実施例4の添加剤20重量部とHDPE80重量部で形成されるマスターバッチを作った。使用したポリオレフィンは、MFT1g/10分(190℃/2.16kg)で特徴付けられる。成分をブラベンダー混合セルに充填し180℃で30分(30rpm速度)でマスターバッチを作った。セルから冷時排出したマスターバッチは、肉眼的に均質で白色のプラスチック固体として現れる。このマスターバッチに、さらにHDPEをブラベンダーセルに170℃で30分(30rpm速度)で加えて、添加剤含量4%と1%それぞれにHDPEで希釈した。
【0037】
次いで、20%と4%マスターバッチをプレートに圧縮成形し(5分230℃)、添加剤分布の均質度合とポリオレフィンの最も重要な物理特性への効果を評価するため機械(引張)、動的機械と熱特性(DSC測熱)に関して特徴付けた。引張特性は、ASTM D1708により(5mm/分速度)、Instrom(登録商標) mod.1185動力計により23℃で測定し、一方熱転移(溶融)は、次の熱処理:10℃/分で50℃から180℃へ加熱、180℃で5分恒温、10℃/分で180℃から50℃に冷却、50℃で2分恒温、10℃/分で50℃から180℃に加熱を用いて測定した。動的機械特性は、レオゴニオメータAres(温度勾配2℃/分、周波数6.28rad/s)によって行った。
【0038】
表1は、HDPEと、実施例4の添加物の混合物についての特性データを示す。
弗化添加剤は最も高い濃度(20%)でも均質に分布し、かつ可塑剤として実質的に作用していることが、添加剤含有標品が添加剤なしの標品に対しモジュラス減少と破断伸びの増加を示すことからいえる。溶融点は変化せず、そのためポリオレフィン結晶度の変更も分子レベルでの相互作用もない。溶融エンタルピーは、ブレンド中の弗化添加剤の含量にほぼ比例して減少し、マスターバッチの製造工程中の添加剤の有意な損失がないことを確認する。
【0039】
実施例8
実施例5の添加剤のPP表面特性の改質への使用(添加剤の添加量1〜3%)
実施例5の添加剤の20重量部と、34g/10分(230℃、2.16kg)に等しいMFIを有するポリプロピレンの80重量部から形成されるマスターバッチを作った。マスターバッチは、成分をブラベンダー混合セルに190℃で20分間(30rpm速度)で充填して作った。
セルから冷時排出したマスターバッチは、肉眼上均質で、白色のプラスチック固体として現れる。20%の添加剤でのマスターバッチを室温でスクリュープロペラミルで粉砕した。次いで、添加剤濃度1%と3%のPPとのブレンドを、ブラベンダーセル中で作り、実施例7で記載したのと同様な操作方法を行う。
次いで添加剤化をしたPPを、0.3mm厚の2つのアルミシート間に、プレートプレスで230℃、5分間で成形した。
【0040】
PPプレートの表面を、撥水性と低い表面張力を有する液体に対する表面耐性を測定するため、水との接触角および炭化水素との接触角を測定して特徴付けた。n−ヘキサデカンとの静的接触角は、セシル(sessile)滴下法によりKruss(登録商標)G23装置を用い室温で測定した。角度測定は、表面との滴の接触から30秒後に撮影した。
結果は表2に示す。表から、ヘキサデカンはポリプロピレン表面を完全に湿潤することを示す(親油性、低表面張力の液体に無耐性)。添加されたポリプロピレンでのヘキサデカンは、測定可能な接触角を有し、離散した安定した安定な滴を形成する。そのため、弗化添加剤は、そのポリマー性質にかかわらず、表面エネルギーを低下している表面に現れることができる。特に、135℃で熱後処理サイクルによりかつ1%以上の添加剤パーセントで、40〜50℃のオーダの高い接触角を有するヘキサデカン滴を得ることができることを観察されている。これは、この発明の添加剤を添加したポリプロピレンが撥油性になり、表面張力が低い炭化水素質の液体では湿潤しないことを意味する。
水との接触角を測定すると、添加したポリオレフィンの98〜102°のようなPPに対し80〜90°の水との接触角の増加が示される。
【0041】
実施例9(比較)
HDPEとペルフルオロポリエーテル(Fomblin(登録商標))の混合物の均質性評価
従来技術の公知の添加方法により、ペルフルオロポリエーテル油Fomblin(登録商標) YRの異なる量を、水素化樹脂HDPEの故意に作った多孔に吸収させた。このように、弗化油の各種の量を含むHDPE混合物が作られた。
使用したFomblin(登録商標)YR1800は次の物理的性質を有した:
分子量Mn(NMR):7,250
動粘度(ASTM D455,20℃):1,850cSt(1.85、1092/s)
密度(ASTM D891,20℃):1.2g/ml
2重量%以上のペルフルオロポリエーテルの量を含む混合物は肉眼上均質で、表面に油状残渣の存在と例えばクレーターや堆積物のような局所的な不均質性を示す。Fomblin(登録商標)YR1800を2重量%と0.5重量%の濃度でそれぞれ含む混合物を混合セルで作った。この混合物から、実施例7に記載の手順で標品を成形した。得られた標品の引張特性をASTM D1708に従い23℃で測定した。
【0042】
得られた結果を表3に示す。
表を検査すると、異なる混合物に対応する標品のモジュラスは、実質的に変化せずに残存するが、添加剤2%を含有の材料で、破断特性(破断応力と伸長)で実質的な悪化があることが分かる。これは、成形した材料中で、添加剤分布が均質でなく欠陥が存在することを意味する。
従って、この混合物でのマスターバッチを作ることはできない。
【0043】
実施例10(比較)
ポリオレフィンとペルフルオロポリエーテルポリアミドのマスターバッチの製造テスト
実施例1の弗化ポリアミド10gとMFI=34g/10分のPP90gをブラベンダー混合セルに導入する。ブレンドを190℃で30分(撹拌ブレード速度30rpm)加熱する。終わりに、それを室温に冷却し排出する。冷却した塊の中に、機械的に除去できる液体と粘稠相の表面を有する、ポリオレフィンにおける弗化ポリマー添加剤の不均質な分布が肉眼的に観察される。
そのため、弗化添加剤は、ポリオレフィンと相溶性ではない。
ブレンドをより高温(230℃)に加熱したり、ブレンドに実施例2のポリアミドを用いたり、またPPをHDPEに代えても結果は変わらない。
従ってこの発明の添加剤を添加剤成分であるフルオロポリエーテルポリアミドで置換して、ポリオレフィンとの均質なマスターバッチを作ることはできない。
【0044】
実施例11
この発明の添加剤を3重量%添加したポリオレフィン樹脂の表面撥水性と撥油性の寿命の証明
実施例8で作った20%のマスターバッチの量を、添加剤の最終量が3重量%になるようにPPサンプルに添加した。実施例8に記載のように、2つのアルミシート間に成形して得られた樹脂の標品を、沸騰温度に維持した蒸留水を粉満したピーカー上8時間懸濁し保持する。
終わりに、標品を乾燥し、水とn−ヘキサデカンの両方との接触角を測定し、表4に示した結果を得、その中に未処理標品について2つの溶媒での接触角の値を参照として示す。
標品は、上記の時間水蒸気との接触で急速にエージングした後でも撥水および油性を維持することをテストは示している。
【0045】
実施例12
成分a)+b)の反応によって作られる3級ビスアミドの合成と特徴付け
N,N−ジエチルエチレンジアミンの144gと、分子量600で次の構造
25OCOCF2O(CF2CF2O)p(CF2O)qCF2COOC25
(p/q=2)
を有するペルフルオロポリエーテルジエチルエステルの1kgをアンカー撹拌機付の2l重縮合反応器に導入する
反応混合物を窒素雰囲気圧80℃で2時間加熱し、その間重縮合中放出されるエタノールを蒸留する。温度を100℃に上げ、反応器を真空源(1mmHg)に4時間連結する。
得られた生成物は、反応器の底から温時排出し、黄褐色に着色した油の形で得る。
粘度(20℃):50mPa.s
【0046】
実施例13
官能化ポリエチレンでの添加剤の製造
2lの重縮合反応量に、無水マレイン酸で官能化し、次の性質を有するポリエチレンの500gを導入する:
メルトフローインデックス(実施例4参照):4.2g/10分
無水マレイン酸含量:0.4重量%
Tm 90℃
塊を120℃で溶融し、実施例12で作った弗化アミドの500gを添加し、1時間加熱する。粉砕し、粉末化される白色プラスチック固体1000gを排出する。
【0047】
実施例13A
a)とb)との反応で得た生成物と官能化ポリオレフィンc)を直接水素化樹脂中で反応さすことによるマスターバッチの製造
マスターバッチは、ブラベンダー混合セル中、実施例12の3級ビスアミドの10重量部、実施例13で用いたのと同じ無水マレイン酸で官能化したポリエチレンの5重量部及びMF(ASTM D1238)34g/10分を有するポリプロピレンの85重量部とを230℃で20分間(30rpm速度)で混合して作った。得たマスターバッチは、肉眼上均質なプラスチック固体として現れる。
実施例13B(比較)
a)+b)の反応で得た化合物と水素化樹脂との相溶性テスト
実施例13Aを無水マレイン酸で官能化したポリエチレンの添加を省略して、繰り返す。
混合セル中、同じ条件下を操作し、3級ビスアミドとポリプロピレンとの均質混合物を形成するのに成功しない。
【0048】
実施例14
実施例13で作った添加剤のポリプロピレン表面特性の改質への使用
実施例13で作った添加剤の10重量部と、MFI(ASTM D1238)34g/10分のポリプロピレンの90重量部とからなるマスターバッチを、2成分をブラベンダー混合セルに230℃で20分間供給(30rpm速度)して作った。マスターバッチを混合セルから冷時排出し、このものは肉眼上均質な白色固体として出る。次いでこれをスクリュープロペラミルで粉砕する。
さらに、このマスターバッチを、添加剤の最終濃度2%となるように、上で使用したのと同じポリプロピレンの他の1部と混合する。
【0049】
次の標品を作る:
− マスターバッチの製造に用いたポリプロピレン;
− マスターバッチ(添加剤10重量%濃度)とマスターバッチにポリプロピレン添加(添加剤濃度2%)
標品は2つのアルミシート間に材料を230℃で5分間圧縮成形して作る。標品の厚みは0.3mmである。撥油性テストは、標品の2つの表面の1つで行い、標品表面の液体に対する耐性を証明する。
水−ヘキサデカンとの静接触角を測定する。
結果は表5に示す。この表では添加剤が、樹脂中2%濃度で材料に撥油性を与えることができ、これは接触角が、マスターバッチで作った標品のものと比較しうる高い値を保っているためであることを示す。
【0050】
実施例15
添加剤の3重量%を含有するPP標品の摩耗耐性のテスト
実施例8に記載のようにして作り、0.3mm厚である実施例11の組成を有する標品を、ASTM D1044に従い、テーバ摩耗試験機CD10研磨板を用い摩耗サイクルに付す。摩耗サイクルの終わりに、標品の厚みは約5ミクロン(厚みの約1.5%に相当)に減少した。
標品の処理面を洗浄した後、水およびn−ヘキサデカンとの接触角を測定する。結果は表4に示す。
得られたデータは、撥水・油性特性が、摩耗サイクルで形成された標品の新しい表面でも実質的に保持されることを示す。テストは、添加剤が標品中実質的に均質に分布されていることを示す。
【0051】
【発明の効果】
この発明の添加剤により、水素化樹脂の押出中、加工性に否定的に作用せず、逆に加工性を改善し、最終製造品の離型性を向上することができる。加えて、本発明の添加剤を添加した水素化樹脂は、表面特性の改善を持続することができる。
【0052】
【表1】
Figure 0004149719
【0053】
【表2】
Figure 0004149719
【0054】
【表3】
Figure 0004149719
【0055】
【表4】
Figure 0004149719
【0056】
【表5】
Figure 0004149719

Claims (19)

  1. 次の成分
    a)−COOR末端基を有する一官能性ペルフルオロポリエーテルとの任意の混合での、−COOR末端基を有する二官能性ペルフルオロポリエーテル(RはHまたはC1〜C10アルキル、二官能性と一官能性ペルフルオロポリエーテルの数平均分子量は500〜5,000、好ましくは900〜3,000の範囲である)、
    b)官能基としてアミン基(NH2)を有する一、二または多官能性水素化モノマー、
    c)無水マレイン酸でのグラフト化で得られる官能基を有し、C2〜C4モノマーで形成されたポリオレフィン、
    を用い、
    第1工程で、a)とb)とを、またはa)と、異なる官能価を有するモノマーb)の混合物とを、成分a)の−COOR基が消失するまで反応させ、
    第2工程で、a)とb)との反応で得られた生成物を、官能化ポリオレフィンc)と反応させること
    によって得ることができる、官能化ペルフルオロポリエーテルと官能化ポリオレフィンで形成される、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド及びポリオレフィンゴムから選択される水素化樹脂用弗化添加剤。
  2. さらに、2,000〜10,000の範囲の分子量を有する中性のペルフルオロポリエーテル油(化合物d))からなる請求項1による弗化添加剤。
  3. 重量パーセントで表わして、成分a)〜d)の各々の量が
    − 成分a) 30〜70重量%
    − 成分b) 1〜30重量%
    − 成分c) 10〜70重量%
    − 成分d) 0〜20重量%
    a)+b)+c)+d)の合計は100重量%に等しい
    である請求項1または2による弗化添加剤。
  4. a)で挙げた二官能性(ペル)フルオロポリエーテルと一官能性ペルフルオロポリエーテルが、鎖に沿って統計的に分布した次の単位:(C36O);(CF2(CF2)X'CF2O)(X'は1または2に等しい整数);(CFYO)(YはFまたはCF3);(C24O);(CR45CF2CF2O)(R4とR5は互いに同一または異なりHとClから選択され、かつペルフルオロメチレン単位の1つの弗素原子は、任意にH、Clまたは(ペル)フルオロアルキル(1〜4個の炭素原子を有する)で置換できる)
    の1またはそれ以上を有する請求項1〜3の何れか1つによる弗化添加剤。
  5. a)の好ましい二官能性化合物は、鎖に沿って統計的に分布したペルフルオロオキシアルキレン単位を有する次のもの
    (a') −CF2−O−(CF2CF2O)p'(CF2O)q'―CF2― (VIII)
    (式中、p'とq'はq'/p'比が0.2〜2の間からなり、分子量が上記の範囲であるような数である)
    (b') −CFX'I−O−(CF2CF(CF3)O)r'(CF2CF2O)s'―(CFX'IO)t'―CFX'I (IX)
    (式中、X'IはFまたは−CF3;r'、s'とt'はr'+s'が1〜50の範囲で、t'/(r'+s')比が0.01〜0.05の範囲で、r'+s'が0ではなく、分子量は上記の範囲であるような数である)
    (c') −CF(CF3)(CFX'IO)t'(OC36) u' −OR'fO−(C36O) u'(CFX'IO)t'CF(CF3)− (X)
    (式中、R'fはC1〜C8ペルフルオロアルキレン、u'+t'は分子量が上記の範囲であるような整数、t'は0であってもよく、X'Iは上で示した通り)
    (d') −CF2CF2O−(CF2(CF2)x'CF2O) v'−CF2CF2− (XI)
    (式中、V'は分子量が上記の範囲内であるような数で、X'は1または2に等しい整数)
    (e') −CF2CH2−(OCF2CF2CH2O)w'−OR'fO−(CH2CF2CF2O)w'−CH2CF2− (XII)
    (式中、R'fはC1〜C8ペルフルオロアルキレン、W'は分子量が上記の範囲であるような数である)、
    であり、二官能性ペルフルオロポリエーテル成分a)の末端基が−COORタイプ(R=HまたはC1〜C10アルキル)である請求項4による弗化添加剤。
  6. 二官能性ペルフルオロポリエーテルとの混合で、a)で使用される一官能性ペルフルオロポリエーテルが、次の構造:
    IB) A'O(C36O)m(CFYO)n
    (式中、Yは−Fまたは−CF3、A'は−CF3、−C25、−C37、−CF2Clまたは−C24Cl、
    36O単位とCFYO単位は、(ペル)フルオロポリエーテル鎖に沿ってランダムに分布し、mとnは整数で、m/n比が≧2、mとnは分子量が成分a)で示した範囲内であるような値である)、
    IIB) C37O(C36O)m
    (式中、mは正の整数で、数平均分子量が成分a)で示した範囲内であるような値である)、
    IIIB) (C36O)m(C24O)n(CFYO)q
    (式中、YはFまたは−CF3;m,nとqは0とは異なり、数平均分子量が成分a)で示した範囲内であるような整数である)
    を有し、かつ一官能性ペルフルオロポリエーテルの末端基が−CF2−COOR(Rは上記)である請求項4による弗化添加剤。
  7. a)の二官能性ペルフルオロポリエーテルとの混合での一官能性ペルフルオロポリエーテルの量は、0〜90重量%の範囲である請求項1〜6の何れか1つによる弗化添加剤。
  8. モノマー成分b)は、次のもの:
    b1) 式R1−NH2のモノアミン
    (式中、R1は脂肪族線状かまたは任意にC1〜C4アルキル基で置換された4〜6の環炭素原子数を有する脂環族のC1〜C20アルキル基、またはR1は炭素原子の全数は6〜20の範囲である線状または分枝状C1〜C4アルキルで任意に置換されたアリール基)、
    b2)式 NR2A3A−R1A−NH2のジアミン(式中、R1Aは脂肪族線状かまたは任意にC1〜C4アルキル基で置換された4〜6の環炭素原子数を有する脂環族のC2〜C12アルキル基、またはC6〜C12アリール基;R2AとR3Aは互いに同一または異なり、水素または線状もしくは分枝状C1〜C5アルキル基)、
    b3)式 (NH22-Ar1-Ar1−(NH22の芳香族テトラミン
    (式中、Ar1はC1〜C4アルキル基で任意に置換されたフェニル)
    である請求項1〜7の何れか1つによる弗化添加剤。
  9. 成分b)はステアリルアミン(b1)、群(b2)と(b3)から選択される化合物から選択される請求項8による弗化添加剤。
  10. 成分c)で、官能化ポリオレフィンが、次のポリマー:無水マレイン酸でグラフト化されたポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンコポリマー、高密度ポリエチレン(HDPE)または線状低密度ポリエチレン(LLDPE)から選択される請求項1〜9の何れか1つによる弗化添加剤。
  11. ペルフルオロポリエーテル油成分d)が請求項4〜6の何れか1つによる鎖中の単位を有し、末端基が−CF2Xタイプ(X=F、Cl、好ましくはF)のペルハロゲン基である請求項による弗化添加剤。
  12. 次の工程:
    1) 任意に二官能性ペルフルオロポリエーテルと一官能性ペルフルオロポリエーテルの混合で形成される官能化ペルフルオロポリエーテル成分a)と官能基としてアミン基(NH2)を有する一、二または多官能性水素化モノマー成分b)とを、90〜100℃の範囲の温度で撹拌下に加熱し、続いて反応の完結、すなわちIRスペクトルで、−CF2−に結合したCOOR基の1800cm-1でのバンドが消失するまで、真空下(1mmHg)100〜130℃で加熱して反応させて化合物a)+b)を合成し、
    2) 同じ反応器中に、無水マレイン酸で官能化された官能化ポリオレフィン成分c)を撹拌下に添加し、混合物を、大気圧下、180〜190℃の範囲の温度で30〜60分間加熱して反応させることからなる請求項1〜11の何れか1つによる弗化添加剤の製造方法。
  13. b)とa)の官能基のモル比は1〜1.5の範囲であり、かつb)の量は反応でa)の−COOR基を消失させるような量である、請求項12による方法。
  14. 第1工程で得た化合物に、弗化添加剤成分d)が加えられる請求項12または13による方法。
  15. 第2工程で、a)とb)との反応で得た化合物の官能基と官能化ポリオレフィンの官能基とのモル比が10〜0.1の範囲である請求項12〜14の何れか1つによる方法。
  16. ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド及びポリオレフィンゴムから選択される水素化樹脂の添加剤としての、請求項1〜11の何れか1つによる弗化添加剤の使用。
  17. 請求項1〜11の何れか1つの弗化添加剤と、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド及びポリオレフィンゴムから選択される水素化樹脂とからなるマスターバッチ。
  18. 弗化添加剤濃度が1〜50重量%の範囲である請求項17によるマスターバッチ。
  19. 請求項17または18によるマスターバッチと、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド及びポリオレフィンゴムから選択される水素化樹脂とを混合して得られる製造品。
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