JP4149222B2 - 高純度フルオレノン及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明性樹脂原料として有用な各種フルオレン誘導体の基幹原料である高純度フルオレノン及びその製造方法に関する。さらに詳細には、光学樹脂原料などとして有用な高純度フルオレノン及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
フルオレノンは、農薬、医薬、染料、顔料、感光材料、及び高い屈折率や耐熱性及び機械的強度を有する透明樹脂(ポリカーボネート系樹脂やポリエステル系樹脂など)の原料などとして有用である。
【0003】
フルオレノンはフルオレンの酸化などにより製造されている。例えば、特開平9−221446号公報には、フルオレンを分子状酸素含有ガスにより接触気相酸化する際に、原料フルオレンと分子状酸素含有ガスとからなる供給原料ガス中のフルオレン/分子状酸素のモル比を1〜0.13に調節するフルオレノンの製造方法が開示されている。特開平9−221447号公報には、フルオレンを分子状酸素含有ガスにより接触気相酸化する際に、原料フルオレンの硫黄濃度を0.15重量%以下にするフルオレノンの製造方法が開示されている。特開平8−295647号公報には、9,9’−ビスフルオレンにアルカリ水溶液と酸化触媒を加え、酸素を導入するフルオレノンの製造方法が開示されている。特開平7−82206号公報では、アルカリ水溶液と有機溶媒とからなる不均一系混合溶媒中で、第四級アンモニウム塩の存在下、フルオレン含有原料に分子状酸素を吹き込むことにより酸化してフルオレノンを製造する方法において、溶媒中のアルカリ水溶液を再利用できるフルオレノンの製造方法が開示されている。特開平6−211729号公報では、特定の第4級アンモニウム及びアルカリ水溶液存在下、分子状酸素含有ガスを用いてフルオレンを液相酸化し、フルオレノンを製造する方法が開示されている。
【0004】
前記フルオレンはコールタール中にかなりの割合で含まれており、コールタールからフルオレンを分離して有効利用することは、工業的にも、資源の有効利用の点からも価値がある。しかし、コールタール中には、構造、化学的特性や物理的特性がフルオレンと類似した種々の化合物、例えば、ナフタレン、アントラセン、インデン、アセナフテン、9−メチルフルオレンなどが存在するため、分離精製してもフルオレン中に、これらの化合物が不純物として混入することは避けられない。そのため、フルオレンを酸化して得られるフルオレノン中にも、このような不純物の酸化生成物が必然的に混入する。従って、前記のような方法では、簡便かつ効率よく高純度フルオレノンを得ることができない。
【0005】
そして、不純物を含むフルオレノンを用いて光学樹脂を調製すると、樹脂の透明性が低下し、光学樹脂、透明樹脂として致命的な悪影響を及ぼす。そのため、フルオレノン中に含まれる不純物を高度に除去した高純度でかつ透明性の高いフルオレノンの開発が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、フルオレノン中の不純物を高度に分離除去した高純度フルオレノンとその製造方法を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、簡便かつ効率よく高純度フルオレノンを製造できる方法を提供することである。
【0008】
本発明のさらに他の目的は、光学樹脂原料として有用な高純度フルオレノンとその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、蒸留精製工程でフルオレノンに含まれる不純物(例えば、9−メチル−9−フルオレノールなどのヒドロキシル基を有する不純物)が熱縮合し、不溶成分を形成すること、蒸留精製に先だって、不純物(例えば、ヒドロキシル基を有する不純物)を誘導体化し、フルオレノンに対して溶解度差、沸点差又は分子量差を生じさせると、不純物を効率よく分離除去でき、高純度フルオレノンが得られることを見出し、本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明の高純度フルオレノンは、カラム充填剤としてシリカゲルを用い、カラム温度180℃でガスクロマトグラフィー分析したとき、保持時間16〜18分に実質的にピークを有さず、18.5〜19.5分にフルオレノンに対応するピークを有しており、濃度20重量%のフルオレノンのエタノール溶液の透過率が波長600nmで99%以上である。
【0011】
本発明の高純度フルオレノンは、フルオレノン中の不純物(例えば、ヒドロキシル基を含む不純物)を誘導体化して、フルオレノンに対して溶解度差、沸点差又は分子量差を生じさせ、不純物(例えば、少なくとも9−メチル−9−フルオレノールで構成されている不純物)の誘導体をフルオレノンから分離除去することにより製造できる。前記不純物を分離除去する方法は、例えば、不純物を含むフルオレノンを酸触媒と共に加熱し、生成した不溶物を分離除去する方法、不純物を水溶性誘導体に変換し、前記水溶性誘導体を水相に分配し、この水相を除去する方法、不純物をエーテル及び/又はエステルに変換して分離除去する方法などであってもよい。
【0012】
前記方法において、酸触媒は、プロトン酸及びルイス酸から選択された少なくとも一種であってもよい。また、酸触媒は、固体酸触媒であってもよい。酸触媒の割合は、不純物を含むフルオレノン100重量部に対して、0.1〜100重量部であってもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
(高純度フルオレノンの製造方法)
本発明では、フルオレノン中の不純物を誘導体化して、フルオレノンに対して溶解度差、沸点差又は分子量差を生じさせ、生成した誘導体をフルオレノンから分離除去する。
【0014】
不純物の種類は特に制限されず、極性基(ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基など)及び/又は非極性基(アルキル基、シクロアルキル基、アリール基など)を有していてもよい。フルオレノンに含まれ、かつ透明性などを低下させる不純物は、通常、少なくともヒドロキシル基を有している場合が多い。不純物は、例えば、少なくともヒドロキシル基を有するフルオレン誘導体(9−メチル−9−フルオレノールなど)で構成されている場合が多い。フルオレノン中の不純物の含有量も特に制限されず、例えば、1ppm〜10重量%(100000ppm)程度であってもよいが、通常、10〜50000ppm(例えば、100〜10000ppm)、特に500〜10000ppm程度である場合が多い。
【0015】
不純物の誘導体化は、フルオレノンに対して分離可能な程度に、溶解度差、沸点差及び分子量差から選択された少なくとも1つの特性の差異を生じさせればよい。誘導体化は不純物の官能基、特に不純物のヒドロキシル基を利用して行うこともできる。このような方法としては、例えば、酸触媒の存在下、不純物を不溶物として生成させる方法、不純物のヒドロキシル基の変換反応(水溶性誘導体への変換方法、エーテル化反応、エステル化反応、ウレタン化反応、ハロゲン化剤(ハロゲン化水素、ハロゲン化リン、塩化チオニルなど)によるハロゲン化物の生成反応、生成したハロゲン化物とアンモニアやアミンとの反応によるアミノ化物の生成反応など)などが挙げられる。これらの誘導体化の方法のうち、酸触媒の存在下で加熱して不溶物を生成させる方法、水溶性誘導体への変換方法、エーテル化反応、エステル化反応、ウレタン化反応などが好ましい。
【0016】
好ましい方法では、不純物(例えば、9−メチル−9−フルオレノールなどのヒドロキシル基を有する不純物)を含むフルオレノンを酸触媒と共に加熱し、生成した不溶物を分離除去することによりフルオレノンの純度を著しく高めることができる。この方法では、加熱に伴って不純物に不飽和結合が生成して重合するためか、不溶物となると推測される。例えば、脱水により不純物としての9−メチル−9−フルオレノールから9−メチレンフルオレンが生成し、重合して不溶物が生成するようである。
【0017】
前記酸触媒としては、プロトン酸、ルイス酸、固体酸触媒などが使用できる。これらの酸触媒は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0018】
前記プロトン酸としては、有機酸および無機酸などが挙げられる。有機酸としては、有機カルボン酸[ギ酸、酢酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸などの飽和モノ又はポリカルボン酸(C1-8飽和モノ又はC2-8ジカルボン酸など);マレイン酸、フマル酸、(メタ)アクリル酸などの不飽和モノ又はポリカルボン酸(C4-8不飽和モノ又はジカルボン酸など);トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸などのハロゲン化カルボン酸(前記飽和又は不飽和カルボン酸に対応し、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素原子から選ばれた少なくとも1つのハロゲン原子で置換されたハロゲン化C1-8カルボン酸など)など]、有機スルホン酸[メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸などのC1-6アルカンスルホン酸;p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸などのC6-12アリールスルホン酸(メチル基などのC1-4アルキル基などの置換基を有していてもよいC6-10アリールスルホン酸など);トリフルオロメタンスルホン酸などのハロアルカンスルホン酸(フッ素、塩素、臭素及びヨウ素原子から選ばれた少なくとも1つのハロゲン原子で置換されたハロC1-8アルカンスルホン酸など)などが挙げられる。これらの有機酸は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの有機酸のうち、スルホン酸、特に、トリフルオロメタンスルホン酸などのハロアルカンスルホン酸(フッ素及び/又は塩素原子を有するC1-4アルカンスルホン酸)、p−トルエンスルホン酸などの芳香族スルホン酸が好ましい。
【0019】
無機酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などが例示できる。これらの無機酸は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。塩酸は塩化水素として用いてもよく、各種濃度(例えば濃度1〜36重量%)の塩化水素酸として用いてもよい。硫酸の濃度は1〜98重量%であってもよい。
【0020】
ルイス酸としては、ハロゲン化金属が例示できる。ハロゲン化金属としては、多価金属ハロゲン化物が例示でき、例えば、遷移金属(例えばサマリウムなどの周期表3A族元素、チタン、ジルコニウム、ハフニウムなどの周期表4A族元素、バナジウム、ニオブ、タンタルなどの周期表5A族元素、モリブデン、タングステンなどの周期表6A族元素、マンガンなどの周期表7A族元素、鉄、コバルト、ニッケル、イリジウム、パラジウムなどの周期表8族元素、亜鉛などの周期表2B族元素など)、周期表3B族金属(ホウ素、アルミニウムなど)、周期表4B族金属(スズなど)、周期表5B族元素(リン、アンチモンなど)、周期表6B族元素(セレン、テルルなど)などの金属のフッ化物、塩化物、臭化物又はヨウ化物などが挙げられる。金属ハロゲン化物を構成する前記金属の価数は、特に制限されないが、2〜4価、好ましくは2又は3価である。これらのルイス酸は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0021】
ルイス酸を構成する金属成分は、周期表2B族元素(亜鉛など)、周期表3B族金属(ホウ素、アルミニウムなど)、周期表4B族金属(スズなど)、周期表5B族元素(リン、アンチモンなど)、周期表4A族元素(チタン、ジルコニウムなど)、周期表8族元素(鉄など)などである場合が多い。ルイス酸のうち金属ハロゲン化物としては、例えば、フッ化物(SbF3、PF5、BF3、AlF3などのフッ化物など)、塩化物(FeCl2、FeCl3などの塩化鉄;SbCl2、BCl3、TiCl4、ZrCl4、AlCl3、ZnCl2、SnCl2、SnCl4、CoCl2、VCl2、PdCl2、SmCl2など)、臭化物(FeBr2、FeBr3などの臭化鉄;BBr3、TiBr4、SnBr4など)及びヨウ化物(BI3、SmI2など)などが例示できる。
【0022】
固体酸触媒としては、天然の粘土鉱物(酸性白土、クラリット、ベントナイト、カオリン、活性白土、モンモリロナイトなど)、金属酸化物(シリカゲル、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化鉄、ジルコニア、酸化スズなど)、複合酸化物(シリカ−アルミナ、シリカ−チタニア、チタニア−ジルコニア、シリカ−ジルコニア、シリカ−マグネシア、シリカ−ボリヤなど)、金属硫酸塩、金属リン酸塩、酸性イオン交換樹脂などが例示できる。酸性イオン交換樹脂としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、フルオロアルキルスルホン酸基などのアニオン性基を有する陽イオン交換樹脂などが例示できる。
【0023】
固体酸触媒は、担体または多孔質担体に、前記酸触媒(プロトン酸やルイス酸など)を担持した固体触媒であってもよい。酸触媒は単独で又は二種以上組み合わせて担持できる。
【0024】
担体は非多孔質又は多孔質のいずれであってもよく、例えば、金属酸化物(シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化鉄、ジルコニア、酸化スズなど)、複合酸化物(シリカ−アルミナ、シリカ−チタニア、チタニア−ジルコニア、シリカ−ジルコニアなど)、ゼオライト、イオン交換樹脂、ボーキサイト、グラファイト、活性炭などが例示できる。これらの担体は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。多孔質担体の表面積、細孔容積、平均細孔径には特に制限はない。酸成分の担持量は、担体に対して、例えば、0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜30重量%、さらに好ましくは1〜25重量%程度である。
【0025】
これらの固体酸触媒は適当に選択して使用でき、例えば、活性白土、モンモリロナイト、酸性イオン交換樹脂などを使用してもよい。
【0026】
なお、固体酸触媒は、反応系において分散体(スラリー)として使用してもよく、反応成分が流通可能なカラムに充填してもよい。また、固体酸触媒は、濾過や遠心分離などの簡単な方法で反応混合物から容易に分離できる。
【0027】
酸触媒の割合は、触媒の種類や反応条件などに応じて選択でき、不純物を含むフルオレノン100重量部に対して0.001〜300重量部程度の範囲から選択でき、通常、0.01〜200重量部(例えば、0.01〜100重量部)、好ましくは0.1〜50重量部(例えば、0.1〜10重量部)程度である。より具体的には、プロトン酸の使用量は、不純物を含むフルオレノン100重量部に対して0.001〜50重量部(例えば、0.01〜50重量部)程度の範囲から選択でき、通常、0.1〜50重量部(例えば、0.1〜10重量部)、好ましくは1〜10重量部程度である。また、プロトン酸の割合は、不純物を含むフルオレノン100重量部に対して1×10-3〜1.5当量、好ましくは1×10-2〜1当量、より好ましくは3×10-2〜0.3当量程度である。ルイス酸の使用量は、例えば、不純物を含むフルオレノン100重量部に対して0.001〜50重量部(例えば、0.01〜50重量部)程度の範囲から選択でき、通常、0.01〜25重量部、好ましくは0.1〜20重量部(例えば、0.1〜10重量部)、さらに好ましくは0.5〜5重量部程度である。また、ルイス酸の割合は、不純物を含むフルオレノン100重量部に対して1×10-4〜0.3当量、好ましくは1×10-3〜0.1当量、より好ましくは4×10-3〜5×10-2当量程度である。固体酸触媒の使用量は、酸性度などに応じて選択でき、例えば、不純物を含むフルオレノン100重量部に対して0.1〜300重量部、好ましくは1〜200重量部、さらに好ましくは5〜100重量部程度である。
【0028】
なお、不純物に対する酸触媒の使用量は、過剰量(例えば、不純物1重量部に対して1000重量部など)の酸触媒を用いても特に支障はないが、通常、触媒の種類に応じて、不純物1重量部に対して0.001〜100重量部程度の範囲から選択できる。より具体的には、プロトン酸やルイス酸の使用量は、不純物1重量部に対して0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部、さらに好ましくは0.1〜5重量部程度であってもよい。固体酸触媒の使用量は、例えば、不純物1重量部に対して0.1〜100重量部、好ましくは1〜80重量部、さらに好ましくは5〜60重量部程度であってもよい。
【0029】
酸触媒の存在下での加熱は溶媒の非存在下で行ってもよいが、通常、溶媒の存在下で行うことができる。溶媒としては、フルオレノンが溶解する溶媒であれば特に制限されず、例えば、炭化水素類[脂肪族炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン、オクタンなど)、脂環族炭化水素類(シクロヘキサンなど)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレンなど)]、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなど)、アルコール類(メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、シクロヘキサノールなど)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチルなど)、エーテル類(ジオキサン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、イソブチルメチルケトン、ジイソブチルケトンなど)などが挙げられる。溶媒は単独で又は二種以上混合して使用してもよい。なお、このような溶媒を用いると、反応系で生成した不溶物を濾過などの操作により容易に分離できる。
【0030】
溶媒の使用量は不純物を含むフルオレノンを溶解可能な量であればよく、通常、不純物を含むフルオレノン100重量部に対して、30〜2000重量部、好ましくは100〜1500重量部、より好ましくは200〜1000重量部程度である。
【0031】
加熱温度は、溶媒の有無や不溶物の生成効率などに応じて選択でき、溶媒を用いない場合にはフルオレノンの融点以上であり、かつ分解又は変質しない温度未満の温度であればよい。溶媒を用いる場合、加熱温度は、30℃以上(特に50℃以上)であり、かつ溶媒の沸点以下の温度であればよく、通常、50〜130℃、好ましくは60〜120℃、さらに好ましくは70〜110℃程度である。
【0032】
酸触媒の存在下での加熱は、通常、常圧で行なう場合が多いものの、必要により減圧又は加圧下で行ってもよい。また、加熱は、空気又は酸素含有雰囲気中で行ってもよいが、不活性ガス(例えば、窒素、ヘリウムガスなど)の雰囲気中で行ってもよい。
【0033】
前記不純物(9−メチル−9−フルオレノールなど)の水溶性誘導体への変換方法としては、慣用の方法、例えば、少なくともエチレンオキサイドを付加させる方法((ポリ)オキシエチレン化反応)により行うことができる。なお、エチレンオキサイドは必要により他のエポキシド類(プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどのC2-4アルキレンオキサイド、ブテンオキシド、グリシジルエーテル類など)と組合わせて使用してもよい。エチレンオキサイドの付加モル数は、例えば、1〜100モル程度の範囲から選択でき、通常、1〜20モル(例えば、1〜10モル)程度であってもよい。付加反応は、慣用の方法、例えば、必要により不活性溶媒(炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、エステル類、エーテル類、ケトン類など)中に、少なくともエチレンオキサイドを導入して不純物含有フルオレノンと反応させることにより行うことができる。反応は不活性雰囲気(窒素ガス、ヘリウムガスなど)中で行うこともでき、触媒の存在下で行ってもよい。また、反応温度は25〜100℃程度であってもよい。
【0034】
前記エーテル化反応は、前記エチレンオキサイド及び/又はエポキシド類との付加反応により行ってもよく、ハロゲン化アルキル(塩化メチル、臭化メチルなどのハロC1-10アルキル(例えば、ハロC1-6アルキルなど)など)などを反応させる方法などにより行ってもよい。ハロゲン化アルキルの使用量は、通常、不純物に対して等モル以上(例えば、1〜100モル程度)である。ハロゲン化アルキルを用いるエーテル化反応は、必要により不活性溶媒(炭化水素類、エステル類、エーテル類、ケトン類など)を用い、生成するハロゲンをトラップするための塩基(無機塩基(水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属化合物など)、有機塩基(アミン類など))の存在下で行うことができる。反応はエーテル化触媒の存在下で行ってもよく、反応温度は、例えば、30〜120℃程度である。
【0035】
前記エステル化反応は、慣用の方法、例えば、有機カルボン酸又はその反応性誘導体を反応させることにより行うことができる。有機カルボン酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、安息香酸などのモノカルボン酸、シュウ酸、マレイン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの多価カルボン酸などが例示できる。有機カルボン酸の反応性誘導体としては、酸無水物(無水酢酸、無水コハク酸、無水マイレン酸、無水フタル酸など)、酸ハライド(塩化アセチル、塩化ベンゾイルなど)、カルボン酸低級エステル(酢酸メチル、安息香酸メチルなどの有機カルボン酸C1-2アルキルエステルなど)などが例示できる。これらの有機カルボン酸又はその反応性誘導体は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。有機カルボン酸又はその反応性誘導体の使用量は、通常、不純物に対して当量以上(例えば、1〜100当量程度)である。
【0036】
エステル化反応は、慣用の方法、例えば、必要により不活性溶媒中に有機カルボン酸又はその反応性誘導体を導入して反応させることにより行うことができる。反応は、通常、不活性雰囲気中で行うことができ、エステル化剤として有機カルボン酸やアルキルエステルを用いる場合には、反応により生成する水やアルコールなどを反応系外に留去しながら反応を行うことができる。また、酸ハライドを用いる場合には、生成するハロゲンをトラップするための塩基(無機塩基(水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属化合物など)、有機塩基(アミン類など))の存在下で行うことができる。反応は、触媒(例えば、トルエンスルホン酸、硫酸、リン酸、固体酸触媒などの酸触媒)の存在下で行ってもよい。反応は、エステル化剤の種類に応じて、温度−20℃〜120℃程度で行うことができる。
【0037】
前記ウレタン化反応は、慣用の方法、例えば、イソシアネートを作用させ、ウレタン結合を生成させることにより行うことができる。イソシアネートとしては、例えば、モノイソシアネート(メチルイソシアネート、エチルイソシアネート、イソプロピルイソシアネート、フェニルイソシアネートなど)、ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなど)、これらの誘導体(二量体、三量体など)などが例示できる。イソシアネートの使用量は、通常、不純物に対して当量以上(例えば、1〜100当量程度)である。反応は、必要により不活性溶媒中、イソシアネートを導入して反応させることにより行うことができる。反応は、通常、不活性雰囲気中で行うことができる。さらに、反応は、触媒(例えば、スズ系触媒やアミン系触媒)の存在下で行ってもよい。反応は、例えば、温度30〜120℃程度で行うことができる。
【0038】
このような反応により生成した誘導体は、フルオレノンに対して溶解度差、沸点差又は分子量差が大きくなる。そのため、これらの特性の差異を利用して、生成した誘導体をフルオレノンから容易に分離除去できる。誘導体の分離は、誘導体の種類に応じて選択でき、通常、慣用の分離方法、例えば、抽出、ろ過、遠心分離、晶析、再結晶、蒸留又は精留、カラムクロマトグラフィー、濃縮などやこれらの方法を組み合わせた方法で行うことができる。
【0039】
なお、誘導体の分離操作やフルオレノンの単離精製操作は繰り返し行ってもよいが、本発明では誘導体の分離操作(特に一回の分離操作)により高純度のフルオレノンを製造することができる。
【0040】
具体的には、フルオレンに対して溶解度差が生じた誘導体(例えば、不溶物、水溶性誘導体など)は、例えば、フルオレノンの抽出、濾過や遠心分離(誘導体の濾過や遠心分離などによる除去)、フルオレノンの晶析や再結晶などによりフルオレンを容易に分離精製できる。例えば、不溶物は濾過などの操作によりフルオレノンと容易に分離でき、水溶性誘導体は水相に分配又は抽出することによりフルオレノン(又はフルオレノンを含む有機相)と容易に分離できる。沸点差が生じた誘導体(例えば、不溶物、水溶性誘導体、エーテル化物又はエステル化物など)は蒸留又は精留によりフルオレンを容易に分離精製できる。さらに分子量差が生じた誘導体(例えば、不溶物、水溶性誘導体、エーテル化物又はエステル化物など)はカラムクロマトグラフィなどによってもフルオレンを容易に分離精製できる。なお、抽出、濾過、遠心分離、晶析、再結晶、蒸留又は精留、カラムクロマトグラフィによる分離は、濃縮操作と組み合わせてもよい。例えば、抽出液などの処理液は予め濃縮操作により濃縮して晶析などの操作に供してもよい。
【0041】
不純物が分離されたフルオレノンを含む成分は、慣用の方法、例えば、抽出、濃縮、晶析や再結晶、蒸留又は精留、カラムクロマトグラフィなどにより単離できる。特に、不純物が除去されているため、フルオレノンを含む成分から蒸留によりフルオレノンを単離精製しても透明性などが低下することがない。
【0042】
[高純度フルオレノン]
本発明のフルオレノンは、不純物(特に9−メチル−9−フルオレノールなどのヒドロキシル基を有する不純物)を実質的に含まず、高純度である。このような高純度のフルオレノンは、例えば、カラム充填剤としてシリカゲルを用い、カラム温度180℃でガスクロマトグラフィー分析したとき、保持時間16〜18分に実質的にピークを有さず、18.5〜19.5分にフルオレノンに対応するピーク(特にシャープな単一ピーク)を有する。前記ガスクロマトグラフィー分析は、フルオレノンに対応するピークが保持時間18.5〜19.5分に現れるような条件で行えばよい。なお、前記分析条件において、保持期間16〜18分に検出されるピークは、通常、不純物(ヒドロキシル基を有する不純物、例えば、9−メチル−9−フルオレノール)に対応する。なお、「実質的にピークを有さ」ないとは、ガスクロマトグラフィのチャートにおいてノイズ成分を除いて略ベースラインに沿っていることを意味する。
【0043】
ガスクロマトグラフィーにおいて、移動相には慣用の気体、例えば、アルゴン、ヘリウム、窒素、水素などが利用できる。また、移動相の流量、カラム長さは、分析に適した範囲で選択できる。移動層のガス圧は、例えば、0.3〜1MPa、好ましくは0.4〜0.8MPa、さらに好ましくは0.4〜0.6MPaである。
【0044】
さらに、本発明のフルオレンは、透明性が高いという特色がある。すなわち、濃度20重量%のフルオレノンのエタノール溶液は、波長600nmでの透過率が99%以上である。本発明では、通常、純度99%以上(例えば、99〜99.5%程度)の高純度フルオレノンを得ることができる。特に、一回の分離精製(単離操作)により、上記のような高純度のフルオレノンを得ることができる。
【0045】
本発明のフルオレノンは、高純度であり、光透過率も高い。そのため、光学的樹脂を得るための中間体として好適に利用できる。例えば、フルオレノンとフェノール類とを酸触媒の存在下で反応させ、高い透明性と高い屈折率を有する9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン類を得ることができる。フェノール類としては、例えば、フェノール、モノアルキルフェノール(o−、m−、p−クレゾールなどのクレゾール類、4−エチルフェノール、4−t−ブチルフェノールなどのC1-6アルキルフェノール)、ジアルキルフェノール(2,3−ジメチルフェノール、2,4−ジメチルフェノール、3,3−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノールなどのキシレノール類、2,6−ジ−t−ブチルフェノールなどのジC1-4アルキルフェノール)、トリアルキルフェノール(2,4,6−トリメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノールなどのトリC1-4アルキルフェノール)、アルコキシフェノール(o−、m−、p−メトキシフェノールなどのC1-4アルコキシフェノール)、アリールフェノール(ビフェニル−4−オールなど)などが例示できる。なお、9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン類の製造方法については、特開2000−26349号公報、特開2001−206863号公報、特開2002−47227号公報などを参照できる。9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン類は、機能性材料、例えば、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂(飽和芳香族ポリエステル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂)、エポキシ樹脂、ビニルエステル系樹脂などの原料として有用である。
【0046】
【発明の効果】
本発明では、フルオレノン中の不純物を誘導体化し、誘導体をフルオレノンから分離除去するため、フルオレノン中の不純物を高度に分離除去できる。また、濾過などの簡単な操作により簡便かつ効率よく不純物とフルオレノンとを分離でき、高純度フルオレノンを得ることができる。そのため、高純度フルオレノンは光学樹脂の原料などとして有用である。
【0047】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で得られたフルオレノンについて、9−メチル−9−フルオレノールの含有量及び透過率は以下のように測定した。
【0048】
[9−メチル−9−フルオレノールの含有量]
フルオレノン中の9−メチル−9−フルオレノールの含有量は、カラムの充填剤としてシリカゲルを用い、カラム温度180℃、カラム長50m、ヘリウムガス圧力0.45MPaの条件でガスクロマトグラフィーにより測定した。前記分析条件では、保持期間16〜18分に検出されるピークは、9−メチル−9−フルオレノールに相当し、18.5〜19.5分に検出されるピークはフルオレノンに相当する。
【0049】
[透過率]
濃度20重量%のフルオレノンのエタノール溶液について、波長600nmでの透過率を測定した。
【0050】
実施例1
9−メチル−9−フルオレノール0.5重量%を含むフルオレノン100gに無水塩化亜鉛0.5gを添加し、窒素雰囲気下、反応器内温度90℃で10分間加熱攪拌した。反応混合液の組成をガスクロマトグラフィーで調べた結果、9−メチル−9−フルオレノールに相当するピークは検出されず、フルオレノンに相当するピークが検出された。
【0051】
反応終了後、蒸留によりフルオレノンを単離した結果、フルオレノンの回収量は99.0gであった。濃度20重量%のフルオレノンのエタノール溶液を調製したところ、透明な液体であり、波長600nmでの透過率は99.3%であった。実施例1で得られたフルオレノンのガスクロマトグラフィのチャートを図1に示す。
【0052】
比較例1
9−メチル−9−フルオレノール0.5重量%含むフルオレノン100gを蒸留し、フルオレノンを単離したところ、フルオレノンの回収量は99.0gであった。回収したフルオレノンの組成をガスクロマトグラフィーで調べたところ、9−メチル−9−フルオレノールに相当するピークが検出された。
【0053】
濃度20重量%のフルオレノンのエタノール溶液を調製したところ、エタノール溶液に多量の白色の不溶物が混入しており、波長600nmでの透過率は23.0%であった。比較例1で得られたフルオレノンのガスクロマトグラフィーのチャートを図2に示す。
【0054】
実施例2
9−メチル−9−フルオレノール0.5重量%を含むフルオレノン100gに濃度98重量%濃硫酸1.0gを添加し、90℃で10分間加熱攪拌した。反応混合液の組成をガスクロマトグラフィーで調べたところ、9−メチル−9−フルオレノールに相当するピークは検出されなかった。反応終了後、蒸留によりフルオレノンを単離したところ、フルオレノンの回収量は98.9gであった。濃度20重量%のフルオレノンのエタノール溶液を調製したところ、透明な液体であり、波長600nmでの透過率は99.1%であった。
【0055】
実施例3
9−メチル−9−フルオレノール0.5重量%を含むフルオレノン100gに濃度36重量%濃塩酸2.5gを添加し、90℃で10分間加熱攪拌した。反応混合液の組成をガスクロマトグラフィーで調べたところ、9−メチル−9−フルオレノールに相当するピークは検出されなかった。反応終了後、蒸留によりフルオレノンを単離したところ、フルオレノンの回収量は98.9gであった。濃度20重量%のフルオレノンのエタノール溶液を調製したところ、透明な液体であり、波長600nmでの透過率は99.0%であった。
【0056】
実施例4
9−メチル−9−フルオレノール0.5重量%を含むフルオレノン100gを90℃に加熱し、得られた溶液を、強酸性イオン交換樹脂(ダウ社製、「レバチット1221」)10gを充填した固定床に60分間流通させた。生成物の組成をガスクロマトグラフィーで調べたところ、9−メチル−9−フルオレノールに相当するピークは検出されなかった。生成物から蒸留によりフルオレノンを単離したところ、フルオレノンの回収量は96.8gであった。濃度20重量%のフルオレノンのエタノール溶液を調製したところ、透明な液体であり、波長600nmでの透過率は99.2%であった。
【0057】
実施例5
9−メチル−9−フルオレノール4.0重量%を含むフルオレノン100gを用い、溶媒としてトルエン100gを用いる以外は実施例1と同様にして行った。反応混合液の組成をガスクロマトグラフィーで調べたところ、9−メチル−9−フルオレノールに相当するピークは検出されなかった。反応終了後、蒸留によりフルオレノンを単離したところフルオレノンの回収量は94.3gであった。濃度20重量%のフルオレノンのエタノール溶液を調製したところ、透明な液体であり、波長600nmでの透過率は99.0%であった。
【0058】
実施例6
9−メチル−9−フルオレノール1.0重量%を含むフルオレノン100gを用い、酸触媒として塩化第1鉄を用いる以外は実施例1と同様にして操作を行った。反応混合液の組成をガスクロマトグラフィーで調べたところ、9−メチル−9−フルオレノールに相当するピークは検出されなかった。反応終了後、蒸留によりフルオレノンを単離したところ、フルオレノンの回収量は97.2gであった。濃度20重量%のフルオレノンのエタノール溶液を調製したところ、透明な液体であり、波長600nmでの透過率は99.1%であった。
【0059】
実施例7
9−メチル−9−フルオレノール1.0重量%を含むフルオレノン100gを用い、酸触媒として活性白土50gを用いる以外は実施例1と同様にして操作を行った。反応混合液の組成をガスクロマトグラフィーで調べたところ、9−メチル−9−フルオレノールに相当するピークは検出されなかった。反応終了後、蒸留によりフルオレノンを単離したところ、フルオレノンの回収量は98.5gであった。濃度20重量%のフルオレノンのエタノール溶液を調製したところ、透明な液体であり、波長600nmでの透過率は99.2%であった。
【0060】
実施例及び比較例の結果を表1に示す。なお、表中、「ピークの有無」は9−メチル−9−フルオレノールに対応するピークの有無を意味する。
【0061】
【表1】
【0062】
表1から明らかなように、実施例のフルオレノンは透過光の透過率が高く、ガスクロマトグラフィー分析において9−メチル−9−フルオレノールに相当するピークが検出されなかった。これに対して、比較例1の高純度フルオレノンは、透過率が低く、ガスクロマトグラフィー分析において、9−メチル−9−フルオレノールに相当する大きなピークが検出された。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例1で得られたフルオレノンのガスクロマトグラフィーのチャートを示す。
【図2】図2は比較例1で得られたフルオレノンのガスクロマトグラフィーのチャートを示す。
Claims (7)
- 高純度フルオレノンを製造する方法であり、フルオレノン中の少なくとも9−メチル−9−フルオレノールで構成されている不純物を誘導体化して、フルオレノンに対して溶解度差、沸点差又は分子量差を有する誘導体を生成させ、この誘導体をフルオレノンから分離除去する方法であって、前記不純物を含むフルオレノンを酸触媒と共に加熱し、生成した不溶物を分離除去する方法。
- 酸触媒が、プロトン酸及びルイス酸から選択された少なくとも一種である請求項1記載の方法。
- 酸触媒が、無機酸及び金属ハロゲン化物から選択された少なくとも一種である請求項1記載の方法。
- 酸触媒が、塩酸、硫酸、リン酸及び硝酸から選択された少なくとも一種のプロトン酸である請求項1記載の方法。
- 酸触媒が固体酸触媒である請求項1記載の方法。
- 酸触媒の割合が、不純物を含むフルオレノン100重量部に対して0.01〜100重量部である請求項1記載の方法。
- 高純度フルオレノンが、カラム充填剤としてシリカゲルを用い、カラム温度180℃でガスクロマトグラフィー分析したとき、保持時間16〜18分に実質的にピークを有さず、18.5〜19.5分にフルオレノンに対応するピークを有しており、濃度20重量%のフルオレノンのエタノール溶液の透過率が波長600nmで99%以上である請求項1記載の方法。
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