JP2000290229A - ヒドロキシアルキル芳香族カルボン酸類の製造方法およびアシルオキシアルキル芳香族カルボン酸類の製造方法 - Google Patents

ヒドロキシアルキル芳香族カルボン酸類の製造方法およびアシルオキシアルキル芳香族カルボン酸類の製造方法

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JP2000290229A JP11100265A JP10026599A JP2000290229A JP 2000290229 A JP2000290229 A JP 2000290229A JP 11100265 A JP11100265 A JP 11100265A JP 10026599 A JP10026599 A JP 10026599A JP 2000290229 A JP2000290229 A JP 2000290229A
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alkyl
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Yuichi Sato
裕一 佐藤
Jun Tatsumi
準 辰巳
Toshiya Iida
俊哉 飯田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加水分解することによってヒドロキシアルキ
ル芳香族カルボン酸類に容易に転換することができるア
シルオキシアルキル芳香族カルボン酸類を、工業的に、
効率的にかつ安価に製造することができる方法を提供す
る。 【解決手段】 一般式「CHR1 2 −Ar−
(R3)n 」(Arは二価以上の芳香環化合物基;R1
H、またはC1〜3のアルキル基;R2 はH、C1〜3
のアルキル基、または−OCOR5 基;R3 はC1〜4
のアルキル基、−COOH基、−CHO基、−CH2
4 基、または−COOR5 基;nは1〜5の整数;上記
4 はハロゲン原子、−OH基、または−OCOR
5 基;R5 はC1〜4のアルキル基)で示されるアルキ
ル置換芳香族化合物類と、カルボン酸類とを、酸素の存
在下で、周期表VIII族に属する元素を含む触媒を用いて
部分酸化することにより、アシルオキシアルキル芳香族
カルボン酸類を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばp−キシレ
ン等のアルキル置換芳香族化合物類と、酢酸等のカルボ
ン酸類とを反応させて、p−アセトキシメチル安息香酸
等のアシルオキシアルキル芳香族カルボン酸類を製造す
る方法、および、該製造方法に好適に用いることができ
る触媒(酸化反応用触媒)に関するものである。該アシ
ルオキシアルキル芳香族カルボン酸類は、加水分解する
ことによって、ヒドロキシアルキル芳香族カルボン酸類
に容易に転換することができる。
【0002】
【従来の技術】一般に、官能基を2つ有する二官能性の
化合物は、各種合成樹脂の原料や、溶剤等の各種化学薬
品、或いは、これら化学薬品の原料等として用いられて
いる。特に、アルコール性水酸基とカルボキシル基とを
有する化合物の一種であるヒドロキシメチル芳香族カル
ボン酸類は、そのホモポリエステルや、エチレングリコ
ール等とのコポリエステルを製造するための原料として
非常に有用な化合物である。
【0003】該ヒドロキシメチル芳香族カルボン酸類の
一種であるp−ヒドロキシメチル安息香酸の製造方法と
して、種々の方法が提案されている。例えば、米国特許
第4,130,719号には、水素化ホウ素ナトリウム
を化学量論量以上(過剰量)用いて、テレフタル酸モノ
エステルの側鎖を還元する方法が開示されている。ま
た、例えば、米国特許第4,448,987号には、酸
化レニウムを触媒として用いて、テレフタル酸を水素還
元する方法が開示されている。さらに、例えば、特開昭
50−101334号公報には、出発物質としてp−ト
ルイル酸を用い、該p−トルイル酸をハロゲンの存在下
で光照射(ハロゲン化)することによってp−ハロメチ
ル安息香酸を合成した後、加水分解する方法が開示され
ている。また、例えば、特開昭48−96541号公報
には、p−キシレンの側鎖を直接酸化してテレフタル酸
を合成する際に副生成物として生成するp−ヒドロキシ
メチル安息香酸を回収する方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、米国特
許第4,130,719号に開示されている方法では、
過剰量の還元剤を用いなければならないので、p−ヒド
ロキシメチル安息香酸を効率的にかつ安価に製造するこ
とができない。また、米国特許第4,448,987号
に開示されている方法では、水素を用いる還元工程を実
施しなければならないので、反応条件である高温高圧に
耐え得る設備が必要となり、工業的な製造方法であると
は言い難い。さらに、特開昭50−101334号公報
に開示されている方法では、ハロゲン化工程を実施する
のに腐蝕等に耐え得る特殊な設備が必要となり、工業的
な製造方法であるとは言い難い。しかも、ハロゲンやハ
ロゲン化物を取り扱わなければならないので、廃棄物の
処理等、環境面での問題点も生じることとなる。また、
特開昭48−96541号公報に開示されている方法で
は、副生成物として生成するp−ヒドロキシメチル安息
香酸を回収するので、生産性が低く、かつ、安定的に生
産できないので、工業的な製造方法ではない。
【0005】即ち、上記従来の製造方法は、何れも工業
的に実施するには不適であり、それゆえ、ヒドロキシメ
チル芳香族カルボン酸類を効率的にかつ安価に製造する
ことができないという問題点を有している。それゆえ、
ヒドロキシメチル芳香族カルボン酸類等のヒドロキシア
ルキル芳香族カルボン酸類を、工業的に、効率的にかつ
安価に製造することができる方法が嘱望されている。
【0006】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、ヒドロキシアルキル芳香族
カルボン酸類を効率的にかつ安価に製造することができ
る方法、即ち、加水分解することによってヒドロキシア
ルキル芳香族カルボン酸類に容易に転換することができ
るアシルオキシアルキル芳香族カルボン酸類を、工業的
に、効率的にかつ安価に製造することができる方法、お
よび、該製造方法に好適に用いることができる触媒(酸
化反応用触媒)を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、アシル
オキシアルキル芳香族カルボン酸類の製造方法について
鋭意検討した。その結果、周期表VIII族に属する元素を
含む触媒が、上記製造方法に好適に使用することができ
ることを見い出した。そして、アルキル置換芳香族化合
物類とカルボン酸類とを、酸素の存在下で、該触媒を用
いて部分酸化することにより、アシルオキシアルキル芳
香族カルボン酸類を、工業的に、効率的にかつ安価に製
造することができることを確認して、本発明を完成させ
るに至った。
【0008】即ち、請求項1記載の発明のアシルオキシ
アルキル芳香族カルボン酸類の製造方法は、上記の課題
を解決するために、一般式(1) CHR1 2 −Ar− (R3)n ……(1) (式中、Arは二価以上の芳香環化合物基を表し、R1
は水素原子、または炭素数1〜3のアルキル基を表し、
2 は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、または−
OCOR5 基を表し、R3 は炭素数1〜4のアルキル
基、−COOH基、−CHO基、−CH2 4 基、また
は−COOR5 基を表し、nは1〜5の整数を表し、上
記R4 はハロゲン原子、−OH基、または−OCOR5
基を表し、R5 は炭素数1〜4のアルキル基を表す)で
示されるアルキル置換芳香族化合物類と、カルボン酸類
とを、酸素の存在下で、周期表VIII族に属する元素を含
む触媒を用いて部分酸化することを特徴としている。
【0009】請求項2記載の発明のアシルオキシアルキ
ル芳香族カルボン酸類の製造方法は、上記の課題を解決
するために、請求項1記載の製造方法において、上記触
媒が、周期表IB族、IIB族、III 族、IV族、V族、VI
族、および VIIA族からなる群より選ばれる少なくとも
一種の元素をさらに含むことを特徴としている。
【0010】請求項3記載の発明のアシルオキシアルキ
ル芳香族カルボン酸類の製造方法は、上記の課題を解決
するために、請求項1または2記載の製造方法におい
て、上記元素が担体に担持されていることを特徴として
いる。
【0011】また、請求項4記載の発明のヒドロキシア
ルキル芳香族カルボン酸類の製造方法は、上記の課題を
解決するために、請求項1ないし3の何れか1項に記載
の方法で得られるアシルオキシアルキル芳香族カルボン
酸類を、加水分解することを特徴としている。
【0012】さらに、請求項5記載の発明の触媒は、上
記の課題を解決するために、前記一般式(1)で示され
るアルキル置換芳香族化合物類からアシルオキシアルキ
ル芳香族カルボン酸類を製造するのに用いる触媒であっ
て、周期表VIII族に属する元素を含むことを特徴として
いる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明にかかるアシルオキシアル
キル芳香族カルボン酸類の製造方法は、一般式(1) CHR1 2 −Ar− (R3)n ……(1) (式中、Arは二価以上の芳香環化合物基を表し、R1
は水素原子、または炭素数1〜3のアルキル基を表し、
2 は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、または−
OCOR5 基を表し、R3 は炭素数1〜4のアルキル
基、−COOH基、−CHO基、−CH2 4 基、また
は−COOR5 基を表し、nは1〜5の整数を表し、上
記R4 はハロゲン原子、−OH基、または−OCOR5
基を表し、R5 は炭素数1〜4のアルキル基を表す)で
示されるアルキル置換芳香族化合物類と、カルボン酸類
とを、酸素の存在下で、周期表VIII族に属する元素を含
む触媒を用いて部分酸化する方法である。
【0014】本発明において、前記一般式(1)中のA
rで示される二価以上の芳香環化合物基とは、芳香環化
合物から水素原子が2個以上除かれてなる二価以上の基
を示し、より具体的には、二価以上の炭素環式芳香族化
合物基(単環式または縮合多環式芳香族化合物基)、お
よび、二価以上の複素芳香環化合物基(単環式または縮
合多環式複素芳香環化合物基)を示す。さらに具体的に
は、二価以上の芳香環化合物基とは、水素原子が2個以
上除かれたベンゼン環や、ナフタレン環等の縮合環、ピ
リジン環等の複素環、等を示す。
【0015】本発明にかかるアシルオキシアルキル芳香
族カルボン酸類の製造方法において原料として用いられ
るアルキル置換芳香族化合物類は、部分酸化可能なアル
キル基等の置換基を分子内に有する化合物であればよ
く、特に限定されるものではない。また、アルキル置換
芳香族化合物類は、本発明にかかる酸化反応に対して不
活性な官能基を有していてもよい。
【0016】該アルキル置換芳香族化合物類としては、
具体的には、例えば、キシレン、エチルトルエン、n−
プロピルトルエン、イソプロピルトルエン、ブチルトル
エン等の、o−,m−,p−アルキル置換トルエン類;
ジエチルベンゼン等のo−,m−,p−アルキル置換ベ
ンゼン類;ヒドロキシメチルトルエン等のo−,m−,
p−アルキル置換ヒドロキシメチルトルエン類;ヒドロ
キシメチル・エチルベンゼン等のo−,m−,p−アル
キル置換ヒドロキシメチルベンゼン類;メチルベンズア
ルデヒド、エチルベンズアルデヒド等の、o−,m−,
p−アルキル置換ベンズアルデヒド類;メチル安息香
酸、エチル安息香酸等の、o−,m−,p−アルキル置
換安息香酸類;メチル安息香酸メチル、エチル安息香酸
メチル等の、o−,m−,p−アルキル置換安息香酸エ
ステル類;メチルベンジルアセテート等のo−,m−,
p−カルボキシアルキル置換トルエン類;キシリレンジ
アセテート等のo−,m−,p−ジカルボキシアルキル
置換ベンゼン類;ジメチルナフタレン等のジアルキル置
換ナフタレン類;メチルナフトエ酸等のアルキル置換ナ
フタレンカルボン酸類;ジメチルピリジン(ルチジン)
等のジアルキル置換ピリジン類;等が挙げられる。
【0017】上記例示のアルキル置換芳香族化合物類の
うち、o−,m−,p−キシレン、o−,m−,p−ヒ
ドロキシメチルトルエン、o−,m−,p−メチルベン
ズアルデヒド、o−,m−,p−メチル安息香酸、o
−,m−,p−メチルベンジルアセテート、およびo
−,m−,p−キシリレンジアセテートがより好まし
い。
【0018】本発明にかかるアシルオキシアルキル芳香
族カルボン酸類の製造方法において原料として用いられ
るカルボン酸類としては、モノカルボン酸類が好適であ
り、具体的には、例えば、酢酸、プロピオン酸、ブタン
酸等の脂肪族カルボン酸類;安息香酸等の芳香族カルボ
ン酸類;が挙げられるが、特に限定されるものではな
い。上記例示のカルボン酸類のうち、酢酸がより好まし
い。
【0019】アルキル置換芳香族化合物類に対するカル
ボン酸類のモル比は、特に限定されるものではないが、
等倍モル〜20倍モルの範囲内がより好ましい。上記の
モル比が等倍モル未満であると、カルボン酸類が不足す
ることになるので、アシルオキシアルキル芳香族カルボ
ン酸類を効率的に製造することができなくなる場合があ
る。一方、20倍モルを越えるモル比でカルボン酸類を
用いても、上記のモル比で用いた場合と比較して、収率
等の更なる向上は殆ど期待できない。また、カルボン酸
類を多量に用いることになるので、反応装置や、過剰の
カルボン酸類を回収するための回収装置の大型化を招来
すると共に、回収コストを含む製造コストが嵩む場合が
ある。
【0020】本発明にかかるアシルオキシアルキル芳香
族カルボン酸類の製造方法において用いられる触媒(酸
化反応用触媒)は、周期表VIII族に属する元素(以下、
VIII族元素と記す)を含む触媒である。該VIII族元素と
しては、具体的には、ニッケル、パラジウム、白金等が
挙げられる。これらVIII族元素は、一種類のみを用いて
もよく、また、二種類以上を併用してもよい。上記VIII
族元素のうち、パラジウムが特に好ましい。
【0021】触媒は、例えば上記VIII族元素がパラジウ
ムである場合には、金属パラジウムであってもよく、或
いは、パラジウムブラックや酸化パラジウム等であって
もよく、さらには、パラジウム化合物を担体に担持した
担持体であってもよい。
【0022】上記のパラジウム化合物としては、具体的
には、例えば、硝酸パラジウム、硫酸パラジウム、酢酸
パラジウム、ヘキサクロロパラジウム酸アンモニウム、
ヘキサクロロパラジウム酸ナトリウム、ヘキサクロロパ
ラジウム酸カリウム、テトラクロロパラジウム酸アンモ
ニウム、テトラクロロパラジウム酸ナトリウム、テトラ
クロロパラジウム酸カリウム、テトラブロモパラジウム
酸カリウム、テトラシアノパラジウム酸カリウム、塩化
パラジウム、臭化パラジウム、ヨウ化パラジウム、クロ
ロカルボニルパラジウム、ジニトロサルファイトパラジ
ウム酸カリウム、ジニトロジアミンパラジウム、テトラ
アンミンパラジウム塩化物、テトラアンミンパラジウム
硝酸塩、cis-ジクロロジアミンパラジウム、trans-ジク
ロロジアミンパラジウム、ビストリフェニルホスフィン
パラジウムジクロライド、ジクロロ(エチレンジアミ
ン)パラジウム等が挙げられるが、特に限定されるもの
ではない。また、金属パラジウムや酸化パラジウムをパ
ラジウム化合物として担体に担持することもできる。こ
れらパラジウム化合物は、一種類のみを用いてもよく、
また、二種類以上を併用してもよい。上記例示のパラジ
ウム化合物のうち、硝酸パラジウム、硫酸パラジウム、
酢酸パラジウム、ヘキサクロロパラジウム酸アンモニウ
ム、塩化パラジウム、およびテトラアンミンパラジウム
塩化物がより好ましい。
【0023】また、触媒は、上記VIII族元素に加えて、
例えば触媒活性をより一層向上させるためや、反応時に
おける反応液中へのVIII族元素の溶出を防止するため
に、必要に応じて、周期表IB族、IIB族、III 族、IV
族、V族、VI族、および VIIA族からなる群より選ばれ
る少なくとも一種の元素(以下、第二元素群と記す)を
さらに含んでいてもよい。該第二元素群としては、具体
的には、銅、銀、金、亜鉛、カドミウム、水銀、タリウ
ム、錫、亜鉛、ビスマス、砒素、アンチモン、テルル等
が挙げられる。これら第二元素群は、一種類のみを用い
てもよく、また、二種類以上を併用してもよい。上記第
二元素群のうち、金が特に好ましい。
【0024】さらに、触媒は、上記VIII族元素に加え
て、例えば触媒活性をより一層向上させるために、必要
に応じて、アルカリ金属およびアルカリ土類金属からな
る群より選ばれる少なくとも一種の元素(以下、第三元
素群と記す)をさらに含んでいてもよい。第三元素群を
含む化合物としては、具体的には、例えば、酢酸カリウ
ム、酢酸セシウム、酢酸バリウム等が挙げられるが、特
に限定されるものではない。これら第三元素群は、一種
類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用しても
よい。
【0025】つまり、触媒は、上記VIII族元素に加え
て、必要に応じて、第二元素群および/または第三元素
群をさらに含んでいてもよい。そして、触媒がこれら三
者を含む場合において、VIII族元素、第二元素群および
第三元素群は、例えば、VIII族元素を含む化合物と、第
二元素群を含む化合物と、第三元素群を含む化合物との
混合物の状態で存在していてもよく、VIII族元素、第二
元素群および第三元素群を含む化合物(複合物)の状態
で存在していてもよく、或いは、これら状態を組み合わ
せた状態で存在していてもよい。
【0026】触媒がVIII族元素(および、第二元素群お
よび/または第三元素群)を担体に担持した担持体であ
る場合における、該担体としては、無機化合物が好適で
あり、多孔質の無機化合物が最適であるが、特に限定さ
れるものではない。上記の担体としては、具体的には、
例えば、酸化ケイ素(シリカ)、酸化アルミニウム(ア
ルミナ)、酸化チタン(チタニア)、酸化ジルコニウム
(ジルコニア)、酸化マグネシウム(マグネシア)、シ
リカ・アルミナ、シリカ・チタニア、チタニア・ジルコ
ニア、ゼオライト、珪藻土等の、等結晶性や非結晶性の
金属酸化物、或いは複合酸化物;粘土、活性炭;等が挙
げられるが、特に限定されるものではない。これら担体
は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併
用してもよい。
【0027】上記VIII族元素等が担体に担持されている
場合には、即ち、触媒が、上記担体にVIII族元素(およ
び、第二元素群および/または第三元素群)を担持した
担持体である場合には、反応後に該触媒と反応液とを、
より一層容易に分離することができる。尚、第二元素群
および/または第三元素群は、担体に担持する代わり
に、該第二元素群を含む化合物および/または第三元素
群を含む化合物を、VIII族元素を担持した担持体と共に
反応液に添加することによって、反応に供することもで
きる。
【0028】上記触媒を調製する方法は、特に限定され
るものではないが、触媒が例えば担体にVIII族元素(お
よび、第二元素群および/または第三元素群)を担持し
た担持体である場合について、その調製方法を以下に説
明する。
【0029】上記VIII族元素等を担体に担持させる方法
は、特に限定されるものではなく、例えば、含浸法、沈
澱法、イオン交換法、沈着法、蒸着法、析出沈澱法、共
沈法等の、公知の種々の担持方法を採用することができ
る。上記例示の担持方法のうち、沈澱法、蒸着法、析出
沈澱法、共沈法等がより好ましい。これら担持方法を採
用した場合には、VIII族元素が微粒子の状態で担体に担
持されるので、触媒の活性点の数がより一層多くなり、
触媒活性がさらに一層向上する。
【0030】析出沈澱法を採用して、VIII族元素として
のパラジウムと第二元素群としての金とを含む触媒を調
製する場合の具体的な方法の一例を示す。先ず、水溶性
を備えたパラジウム化合物および金化合物を水に溶解さ
せる。このとき、必要に応じて加温してもよい。また、
パラジウム水酸化物および金水酸化物が微粒子の状態で
析出沈澱することができるように、必要に応じて、水溶
液のpHをアルカリ化合物を加えることによって適宜調
節してもよい。次に、上記の水溶液に担体を添加した
後、必要に応じて、所定時間、静置する。その後、担持
体(パラジウム水酸化物および金水酸化物が担持された
担体)を取り出して洗浄、乾燥する。さらに、必要に応
じて、該担持体を所定温度で焼成する。これにより、触
媒が調製される。尚、パラジウムおよび金を担体に担持
する順序は、特に限定されるものではなく、両者を同時
に担持してもよく、何れか一方を先に担持した後、他方
を担持してもよい。
【0031】触媒が担持体である場合における、VIII族
元素の含有量は、所望する触媒の組成や、必要に応じて
用いる第二元素群および/または第三元素群との組み合
わせ等に応じて、適宜設定すればよいが、0.01重量
%〜20重量%の範囲内が好ましく、0.1重量%〜5
重量%の範囲内がより好ましい。VIII族元素の含有量が
上記範囲よりも少ない場合には、触媒活性が乏しくなる
ので好ましくない。また、該含有量が上記範囲よりも多
い場合には、触媒の製造コストが嵩むので、アシルオキ
シアルキル芳香族カルボン酸類を、工業的に、効率的に
かつ安価に製造することができなくなる。
【0032】触媒が担持体である場合における、必要に
応じて用いる第二元素群の含有量は、所望する触媒の組
成や、VIII族元素等との組み合わせ等に応じて、適宜設
定すればよく、特に限定されるものではないが、0.0
1重量%〜20重量%の範囲内がより好ましく、1重量
%〜10重量%の範囲内がさらに好ましい。第二元素群
の含有量が上記範囲よりも少ない場合には、該第二元素
群を含むことにより得られる効果が乏しくなるおそれが
ある。具体的には、反応速度が遅くなり、反応中間体の
生成量が増加して、目的物であるアシルオキシアルキル
芳香族カルボン酸類が効率的に得られないおそれがあ
る。また、該含有量が上記範囲よりも多い場合には、触
媒の製造コストが嵩むので、アシルオキシアルキル芳香
族カルボン酸類を安価に製造することができなくなるお
それがある。
【0033】触媒が担持体である場合における、必要に
応じて用いる第三元素群の含有量は、所望する触媒の組
成や、VIII族元素等との組み合わせ等に応じて、適宜設
定すればよく、特に限定されるものではないが、0.0
001重量%〜10重量%の範囲内がより好ましく、
0.001重量%〜2重量%の範囲内がさらに好まし
い。第三元素群の含有量が上記範囲よりも少ない場合に
は、該第三元素群を含むことにより得られる効果が乏し
くなるおそれがある。
【0034】前記のアルキル置換芳香族化合物類および
カルボン酸類を、上記触媒の存在下で酸化反応させるこ
とにより、アシルオキシアルキル芳香族カルボン酸類が
得られる。該酸化反応は、酸素ガス(分子状酸素)の存
在下、液相で行われる。酸素ガスは、窒素ガスやヘリウ
ムガス、アルゴンガス、二酸化炭素ガス等の不活性ガス
によって希釈されていてもよい。また、酸素ガスとして
空気を用いることもできる。酸素ガスの反応系への供給
方法は、特に限定されるものではない。尚、酸化反応
は、酸素ガスの存在下、気相で行うこともできる。
【0035】上記酸化反応の形態は、連続式、回分式、
半回分式の何れであってもよく、特に限定されるもので
はない。触媒は、反応形態として例えば回分式を採用す
る場合には、反応装置に原料と共に一括して仕込めばよ
く、また、反応形態として例えば連続式を採用する場合
には、反応装置に予め充填しておくか、或いは、反応装
置に原料と共に連続的に仕込めばよい。従って、触媒
は、固定床、流動床、懸濁床の何れの形態で使用しても
よい。
【0036】アルキル置換芳香族化合物類に対する触媒
の使用量は、アルキル置換芳香族化合物類およびカルボ
ン酸類の種類や組み合わせ、触媒の組成、反応条件等に
応じて設定すればよく、特に限定されるものではない。
【0037】反応温度や反応圧力、反応時間等の反応条
件は、アルキル置換芳香族化合物類およびカルボン酸類
の種類や組み合わせ、触媒の組成等に応じて設定すれば
よく、特に限定されるものではないが、反応温度は80
℃〜200℃の範囲内が好適である。反応温度が80℃
未満である場合には、反応速度が遅くなりすぎ、酸化反
応を効率的に行うことができなくなるおそれがある。一
方、反応温度が200℃を越える場合には、燃焼反応
や、過度の酸化反応(例えばアシルオキシアルキル芳香
族カルボン酸類のジカルボキシル化等)等の副反応が起
こり易くなるので、酸化反応を効率的に行うことができ
なくなるおそれがある。また、カルボン酸類による反応
装置の腐食を招来するおそれもある。
【0038】反応圧力は、常圧(大気圧)、加圧の何方
であってもよいが、酸化反応に酸素ガス(希釈されてい
ない酸素ガス)を用いる場合には、常圧〜50kg/c
2(ゲージ圧)の範囲内が好適であり、酸化反応に空
気を用いる場合には、常圧〜100kg/cm2 (ゲー
ジ圧)の範囲内が好適である。100kg/cm2 を越
える反応圧力は、高圧に耐え得る反応設備等が必要とな
り、工業的な観点から好ましくない。
【0039】酸化反応は、上記反応条件下においてアル
キル置換芳香族化合物類および/またはカルボン酸類が
液体状である場合には、特に溶媒を用いる必要が無い
が、両者を均一に混合することができない場合や、酸化
反応が激しい場合等には、該反応に対して不活性な溶媒
を用いて反応液を希釈することができる。
【0040】上記酸化反応を行うことにより、アシルオ
キシアルキル芳香族カルボン酸類を含む反応液が得られ
る。反応液には、目的物であるアシルオキシアルキル芳
香族カルボン酸類の他に、未反応物であるアルキル置換
芳香族化合物類およびカルボン酸類、触媒、反応中間
体、或いは溶媒(使用した場合)等が含まれている。
【0041】触媒は、例えば、反応液を濾過することに
より、容易に分離することができる。分離・回収された
触媒は、例えば有機物等が付着等して触媒活性が低下
(劣化)している場合には、例えば、該触媒を溶媒で洗
浄するか、若しくは再焼成するすることにより、容易に
再生(再活性化)することができる。分離・回収された
触媒や再生された触媒は、上記酸化反応に再利用するこ
とができる。尚、触媒の分離方法や、再生方法は、公知
の種々の方法を採用することができ、特に限定されるも
のではない。
【0042】アシルオキシアルキル芳香族カルボン酸類
は、例えば、触媒を分離した反応液を蒸留することによ
り、容易に単離することができる。単離されたアシルオ
キシアルキル芳香族カルボン酸類は、ヒドロキシアルキ
ル芳香族カルボン酸類の製造方法において原料として用
いられる。尚、アシルオキシアルキル芳香族カルボン酸
類の単離方法は、公知の種々の方法を採用することがで
き、特に限定されるものではない。
【0043】また、未反応物であるアルキル置換芳香族
化合物類およびカルボン酸類、反応中間体、或いは溶媒
(使用した場合)は、例えば、アシルオキシアルキル芳
香族カルボン酸類を単離する際に、併せて分離・回収す
ることができる。回収された未反応物等は、上記酸化反
応の原料として再利用することができる。これにより、
アシルオキシアルキル芳香族カルボン酸類を、より一層
効率的にかつ安価に製造することができる。
【0044】上記のアシルオキシアルキル芳香族カルボ
ン酸類を加水分解することにより、ヒドロキシアルキル
芳香族カルボン酸類が得られる。該加水分解反応は、例
えば、該アシルオキシアルキル芳香族カルボン酸類と当
量以上のアルカリ化合物を含む水溶液を用いることによ
り、または、酸触媒を用いることにより、容易に進行さ
せることができる。尚、加水分解反応を進行させる具体
的な方法は、公知の種々の方法を採用することができ、
特に限定されるものではない。
【0045】上記の酸触媒としては、具体的には、例え
ば、硫酸、塩酸、硝酸、ヘテロポリ酸等の均一系触媒;
酸性イオン交換樹脂、ゼオライト、粘土等の不均一系触
媒(固体酸触媒);が挙げられるが、特に限定されるも
のではない。アシルオキシアルキル芳香族カルボン酸類
と、適当量の水とを混合した後、酸触媒を添加し、必要
に応じて加温することにより、加水分解反応を容易に進
行させることができる。アシルオキシアルキル芳香族カ
ルボン酸類に対する酸触媒の使用量は、特に限定される
ものではない。
【0046】反応温度や反応圧力、反応時間等の反応条
件は、アシルオキシアルキル芳香族カルボン酸類の種
類、アルカリ化合物または酸触媒の種類等に応じて設定
すればよく、特に限定されるものではないが、反応温度
は30℃〜160℃の範囲内が好適であり、50℃〜1
40℃の範囲内が最適である。反応温度が30℃未満で
ある場合には、反応速度が遅くなりすぎ、加水分解反応
を効率的に行うことができなくなるおそれがある。一
方、反応温度が160℃を越える場合には、重合反応等
の副反応によって副生成物(重合生成物等)が生成し易
くなるので、加水分解反応を効率的に行うことができな
くなるおそれがある。反応圧力は、減圧、常圧(大気
圧)、加圧の何れであってもよいが、常圧〜5kg/c
2 (ゲージ圧)の範囲内が好適である。
【0047】上記加水分解反応を行うことにより、ヒド
ロキシアルキル芳香族カルボン酸類を含む水溶液が得ら
れる。ヒドロキシアルキル芳香族カルボン酸類は、例え
ば、水溶液を蒸留することにより、容易に単離すること
ができる。また、ヒドロキシアルキル芳香族カルボン酸
類は、単離した後、必要に応じて精製すればよい。尚、
ヒドロキシアルキル芳香族カルボン酸類の単離方法や精
製方法は、公知の種々の方法を採用することができ、特
に限定されるものではない。
【0048】本発明にかかる製造方法によって得られる
ヒドロキシアルキル芳香族カルボン酸類の一種であるヒ
ドロキシメチル芳香族カルボン酸類は、そのホモポリエ
ステルや、エチレングリコール等とのコポリエステルを
製造するための原料として非常に有用な化合物である。
【0049】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限
定されるものではない。
【0050】〔実施例1〕第二元素群を含む化合物とし
てのテトラクロロ金(III) 酸・4水和物0.22gを水
200mlに溶解し、60℃に加温した後、水酸化ナト
リウム水溶液を用いてpHを8.5に調節した。次い
で、該水溶液に、VIII族元素を含む化合物としてのテト
ラアンミンパラジウムジクロライド0.062gを添加
して溶解させた。これにより、テトラクロロ金(III) 酸
−テトラアンミンパラジウムジクロライド水溶液を調製
した。得られた水溶液に、60℃で、担体としての酸化
チタン(ノートン株式会社製)5gを添加し、同温度で
1時間攪拌して該酸化チタンを懸濁させると共に、その
表面にパラジウム沈澱物および金沈澱物を固定化した。
【0051】その後、懸濁液を濾過し、濾残、即ち、パ
ラジウム−金−チタン固定化物を水洗して120℃で8
時間、乾燥させた。次いで、該固定化物を、空気中で4
00℃、3時間、焼成することにより、酸化チタン担持
パラジウム−金触媒(以下、触媒(1)と記す)を得
た。該触媒(1)におけるパラジウムの担持量(含有
量)は0.5重量%であり、金の担持量(含有量)は
2.0重量%であった。
【0052】次に、上記触媒(1)を用いて、アルキル
置換芳香族化合物類の酸化反応を行った。即ち、100
mlの回転式オートクレーブに、調製した触媒(1)
2.0g、アルキル置換芳香族化合物類としてのp−キ
シレン5.0g、およびカルボン酸類としての酢酸2
4.0gを仕込むと共に、第二元素群を含む化合物であ
る酢酸酸化ビスマス20mgと、第三元素群を含む化合
物である酢酸カリウム0.2gとを添加して密封した。
次いで、オートクレーブ内に酸素ガスを充填して、内部
を10kg/cm2 (ゲージ圧)に加圧した後、オート
クレーブを140℃に加熱し、700rpmで攪拌しな
がら2.0時間、酸化反応させた。従って、上記触媒
(1)、酢酸酸化ビスマスおよび酢酸カリウムで以て、
本発明にかかる触媒が構成されている。
【0053】反応終了後、オートクレーブを冷却した。
その後、内容物を取り出して触媒(1)を除去し、反応
液の組成をガスクロマトグラフィー並びに液体クロマト
グラフィーを用いて分析した。その結果、該反応液に
は、アシルオキシアルキル芳香族カルボン酸類としての
p−アセトキシメチル安息香酸2.59g(収率28.
5モル%)が含まれていた。また、反応液には、反応中
間体であるp−キシリレンジアセテート3.54g(収
率34.0モル%)、およびp−メチルベンジルアセテ
ート1.26g(収率16.4モル%)が含まれてい
た。
【0054】次いで、上記p−アセトキシメチル安息香
酸の加水分解反応を行った。即ち、100mlの三ツ口
フラスコに、p−アセトキシメチル安息香酸5.0g、
水50ml、および酸触媒としての酸性イオン交換樹脂
(商品名・アンバーリスト15,オルガノ株式会社製)
1.0gを仕込んだ。その後、フラスコ内の水溶液を1
00℃に加熱し、攪拌しながら1.0時間、加水分解反
応させた。
【0055】反応終了後、水溶液を冷却し、該水溶液の
組成を液体クロマトグラフィーを用いて分析した。その
結果、該水溶液には、ヒドロキシアルキル芳香族カルボ
ン酸類としてのp−ヒドロキシメチル安息香酸3.2g
(収率82モル%)が含まれていた。
【0056】〔実施例2〕p−キシレンの代わりにm−
キシレン(アルキル置換芳香族化合物類)5.0gを用
いた以外は、実施例1の反応条件と同一の反応条件で以
て酸化反応を行った。反応終了後、反応液の組成をガス
クロマトグラフィーを用いて分析した結果、該反応液に
は、アシルオキシアルキル芳香族カルボン酸類としての
m−アセトキシメチル安息香酸2.47g(収率27.
8モル%)が含まれていた。また、反応液には、反応中
間体であるm−キシリレンジアセテート3.10g(収
率29.8モル%)、およびm−メチルベンジルアセテ
ート1.34g(収率17.4モル%)が含まれてい
た。
【0057】〔実施例3〕p−キシレンの代わりにp−
キシリレンジアセテート(アルキル置換芳香族化合物
類)5.0gを用いた以外は、実施例1の反応条件と同
一の反応条件で以て酸化反応を行った。反応終了後、反
応液の組成を液体クロマトグラフィーを用いて分析した
結果、該反応液には、p−アセトキシメチル安息香酸
1.95g(収率44.7モル%)が含まれていた。
【0058】〔実施例4〕p−キシレンの代わりにp−
メチルベンジルアセテート(アルキル置換芳香族化合物
類)5.0gを用いた以外は、実施例1の反応条件と同
一の反応条件で以て酸化反応を行った。反応終了後、反
応液の組成をガスクロマトグラフィー並びに液体クロマ
トグラフィーを用いて分析した結果、該反応液には、p
−アセトキシメチル安息香酸2.85g(収率48.2
モル%)が含まれていた。また、反応液には、反応中間
体であるp−キシリレングリコール(p−キシレン−
α,α’−ジオール)0.73g(収率10.8モル
%)が含まれていた。
【0059】〔比較例1〕テトラアンミンパラジウムジ
クロライドを用いない以外は、実施例1の操作と同様の
操作を行うことにより、酸化チタン担持金触媒(以下、
比較用触媒(1)と記す)を得た。次に、上記比較用触
媒(1)を用いて、実施例1の反応条件と同一の反応条
件で以てp−キシレンの酸化反応を行った。従って、VI
II族元素を含まない上記比較用触媒(1)、酢酸酸化ビ
スマスおよび酢酸カリウムで以て、比較用の触媒が構成
されている。
【0060】反応終了後、比較用触媒(1)を除去した
後の反応液の組成を、ガスクロマトグラフィー並びに液
体クロマトグラフィーを用いて分析した。その結果、該
反応液には、p−アセトキシメチル安息香酸は含まれて
いなかった。そして、反応液から、原料であるp−キシ
レンがほぼ全量、回収された。
【0061】
【発明の効果】本発明にかかる製造方法によれば、加水
分解することによってヒドロキシアルキル芳香族カルボ
ン酸類に容易に転換することができるアシルオキシアル
キル芳香族カルボン酸類を、工業的に、効率的にかつ安
価に製造することができるという効果を奏する。
【0062】また、本発明によれば、上記製造方法に好
適に用いることができる触媒(酸化反応用触媒)を提供
することができるという効果を奏する。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年3月10日(2000.3.1
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 ヒドロキシアルキル芳香族カルボン酸
類の製造方法およびアシルオキシアルキル芳香族カルボ
ン酸類の製造方法
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒドロキシアルキ
ル芳香族カルボン酸類の製造方法およびアシルオキシア
ルキル芳香族カルボン酸類の製造方法に関するものであ
る。より詳しくは、例えばp−キシレン等のアルキル置
換芳香族化合物類と、酢酸等のカルボン酸類とを反応さ
せて、p−アセトキシメチル安息香酸等のアシルオキシ
アルキル芳香族カルボン酸類を製造する方法、および、
該製造方法に好適に用いることができる触媒(酸化反応
用触媒)に関するものである。該アシルオキシアルキル
芳香族カルボン酸類は、加水分解することによって、ヒ
ドロキシアルキル芳香族カルボン酸類に容易に転換する
ことができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、ヒドロ
キシアルキル芳香族カルボン酸類の製造方法および加水
分解することによってヒドロキシアルキル芳香族カルボ
ン酸類に容易に転換することができるアシルオキシアル
キル芳香族カルボン酸類の製造方法について鋭意検討し
た。その結果、周期表VIII族に属する元素を含む触媒
が、上記製造方法に好適に使用することができることを
見い出した。そして、アルキル置換芳香族化合物類とカ
ルボン酸類とを、酸素の存在下で、該触媒を用いて部分
酸化することにより、ヒドロキシアルキル芳香族カルボ
ン酸類の製造方法において原料として用いられる上記
シルオキシアルキル芳香族カルボン酸類を、工業的に、
効率的にかつ安価に製造することができることを確認し
て、本発明を完成させるに至った。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】また、請求項4記載の発明のヒドロキシア
ルキル芳香族カルボン酸類の製造方法は、上記の課題を
解決するために、アシルオキシアルキル芳香族カルボン
酸類を、加水分解することを特徴としている。請求項5
記載の発明のヒドロキシアルキル芳香族カルボン酸類の
製造方法は、上記の課題を解決するために、請求項1な
いし3の何れか1項に記載の方法で得られるアシルオキ
シアルキル芳香族カルボン酸類を、加水分解することを
特徴としている。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】さらに、請求項6記載の発明の触媒は、上
記の課題を解決するために、前記一般式(1)で示され
るアルキル置換芳香族化合物類からアシルオキシアルキ
ル芳香族カルボン酸類を製造するのに用いる触媒であっ
て、周期表VIII族に属する元素を含むことを特徴として
いる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯田 俊哉 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 Fターム(参考) 4G069 AA03 BA04B BC19A BC22A BC24A BC26A BC27A BC31A BC32A BC33A BC33B BC35A BC36A BC37A BC68A BC72A BC72B BC75A CB07 CB72 EA01Y 4H006 AA02 AA05 AC12 AC41 AC46 AC48 BA05 BA07 BA13 BA15 BA17 BA21 BA25 BA26 BA30 BA32 BA34 BA37 BA41 BA48 BA55 BA60 BB61 BC10 BC11 BC31 BC32 BE30 4H039 CA60 CA65 CA66 CC30 CD90

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) CHR1 2 −Ar− (R3)n ……(1) (式中、Arは二価以上の芳香環化合物基を表し、R1
    は水素原子、または炭素数1〜3のアルキル基を表し、
    2 は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、または−
    OCOR5 基を表し、R3 は炭素数1〜4のアルキル
    基、−COOH基、−CHO基、−CH2 4 基、また
    は−COOR5 基を表し、nは1〜5の整数を表し、上
    記R4 はハロゲン原子、−OH基、または−OCOR5
    基を表し、R5 は炭素数1〜4のアルキル基を表す)で
    示されるアルキル置換芳香族化合物類と、カルボン酸類
    とを、酸素の存在下で、周期表VIII族に属する元素を含
    む触媒を用いて部分酸化することを特徴とするアシルオ
    キシアルキル芳香族カルボン酸類の製造方法。
  2. 【請求項2】上記触媒が、周期表IB族、IIB族、III
    族、IV族、V族、VI族、および VIIA族からなる群より
    選ばれる少なくとも一種の元素をさらに含むことを特徴
    とする請求項1記載のアシルオキシアルキル芳香族カル
    ボン酸類の製造方法。
  3. 【請求項3】上記元素が担体に担持されていることを特
    徴とする請求項1または2記載のアシルオキシアルキル
    芳香族カルボン酸類の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3の何れか1項に記載の方
    法で得られるアシルオキシアルキル芳香族カルボン酸類
    を、加水分解することを特徴とするヒドロキシアルキル
    芳香族カルボン酸類の製造方法。
  5. 【請求項5】一般式(1) CHR1 2 −Ar− (R3)n ……(1) (式中、Arは二価以上の芳香環化合物基を表し、R1
    は水素原子、または炭素数1〜3のアルキル基を表し、
    2 は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、または−
    OCOR5 基を表し、R3 は炭素数1〜4のアルキル
    基、−COOH基、−CHO基、−CH2 4 基、また
    は−COOR5 基を表し、nは1〜5の整数を表し、上
    記R4 はハロゲン原子、−OH基、または−OCOR5
    基を表し、R5 は炭素数1〜4のアルキル基を表す)で
    示されるアルキル置換芳香族化合物類からアシルオキシ
    アルキル芳香族カルボン酸類を製造するのに用いる触媒
    であって、 周期表VIII族に属する元素を含むことを特徴とする触
    媒。
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