JP4147074B2 - 画像処理装置及び画像処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置及び画像処理方法に関し、特に、画像情報中に、該画像情報とは別の情報、例えば音声情報や、テキスト文書情報、画像に関する諸情報、全く別の画像情報等を付加情報として、視覚的に目立たぬように埋め込む画像処理に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、画像情報中に、画像に関連のある他の情報を多重化する研究が盛んに行われている。近年では、電子透かし技術と称し、写真、絵画等の画像情報中に、その著作者名や、使用許可の可否等の付加情報を視覚的に判別しづらい様に多重化して、インターネット等のネットワークを通じて流通する技術が標準化されつつある。
【0003】
また、他の応用分野としては、複写機、プリンタ等の画像出力装置の高画質化に伴い、紙幣、印紙、有価証券等の不正な偽造を防止する目的で、紙上に出力された画像から出力機器、及び、その機体番号を特定する為に、画像中に付加情報を埋め込む技術がある。
【0004】
例えば、特開平7−123244では、視覚的に感度の低い色差成分、及び彩度成分の高周波域に付加情報を埋め込むことにより情報の多重化を行う技術を提案している。
【0005】
しかし、前述した技術は以下の問題点がある。図16は、電子透かし技術の一般的な付加情報の埋め込みを示した図である。画像情報Aと付加情報Bが加算器1601を介して多重化され、Cという多重化情報に変化する。図16は画像情報の実空間領域で付加情報を多重化する例である。この多重化情報Cを各種フィルタリング等の画像処理や、非可逆圧縮等の符号化をせずに流通することが可能であれば、多重化情報Cから付加情報Bを復号することは従来技術でも容易である。インターネット上で流通する画像情報では、多少のノイズ耐性があれば、エッジ強調、平滑化等の画質向上のデジタルフィルタを通しても復号が可能になる。
【0006】
しかし、今、多重化した画像をプリンタ等の出力装置により印字し、その印字物から付加情報を取り出す場合を想定する。しかも、使用するプリンタが単色あたり2階調から数階調程度の表現能力しか有していないプリンタ出力を想定する。近年、インクジェットプリンタは、染料濃度を薄くしたインクを有したり、出力するドット径を可変に制御したりして、単色あたり数階調表現できる装置が上市されているが、それでも疑似階調処理を用いない限り、写真調の画像の階調性は表現できない。
【0007】
すなわち、図16の電子透かし技術を用いた多重化方法をプリンタに出力するという前述の想定では、図17に示すように、疑似階調処理部1701により多重化情報CはDという量子化情報に変化し、その後、プリンタ出力部1702にて紙上に印字されることにより、非常に劣化したEという紙上情報(印字物)に変化する。従って、前述した偽造防止の目的の為に紙上の情報から付加情報を復号するということは、図17の一連の処理後の紙上情報Eから付加情報Bを復号することになるわけである。この1701、1702の両処理による情報の変化量は非常に大きく、視覚的に判別できないように付加情報を多重化し、かつ、多重化した付加情報を紙上から正しく復号することは非常に困難なことになる。
【0008】
また、図18は、実空間領域ではなく、画像情報をフーリエ変換等を用い、周波数領域に変換してから高周波域等に合成する従来の電子透かし技術の例を示している。図18において、画像情報を直交変換処理部1801により周波数領域に変換し、加算器1802により、視覚的に判別しづらい特定の周波数に付加情報が加算される。1803逆直交変換処理部により再び実空間領域に戻された後に、図17の例と同様に、疑似階調処理部、プリンタ出力部という大きな変化を伴うフィルタを通ることに相当する。
【0009】
図19では、紙上からの付加情報の分離の処理を示している。すなわち、印字物をスキャナ等の画像読取部1901を介して、印字物の情報を入力する。入力された情報は、疑似階調処理部により階調表現されている画像である為に、逆疑似階調処理部である復元処理部1902を施す。復元処理は、LPF(ローパスフィルタ)を用いるのが一般的である。復元後の情報を1903により直交変換処理させた後に、分離処理部1904において、特定の周波数の電力から埋め込んだ付加情報の分離を行う。
【0010】
以上の図18、図19から明らかなように、付加情報を多重化してから分離するまでに、複雑な多数の処理工程を通過することがわかる。カラー画像の場合には、この一連の処理工程の中にプリンタ特有の色に変換する色変換処理も含まれることになる。このような複雑な処理工程でも良好な分離を実現するためには、非常に耐性の強い信号を入れなくてはならない。良好な画質を維持しつつ、耐性の強い信号を入れるのは困難である。また、処理工程が多数、複雑ということは、多重化、及び分離に要する処理時間が非常に長くなってしまう。
【0011】
また、前述した特開平7−123244では、高周波域に情報を付加させているが、後段の疑似階調処理で、誤差拡散法を実施した場合には、誤差拡散法特有のハイパスフィルタの特性により、付加情報の帯域が誤差拡散で発生するテクスチャの帯域に埋没してしまい、復号に失敗する恐れが多分にある。また、復号には非常に精度の高いスキャナ装置が必要になる。すなわち、疑似階調処理が前提である場合には、図17、図18の方式は適さないことがわかる。言い換えると、疑似階調処理の特性を大きく活かした付加情報の多重化方式が必要になる。
【0012】
付加情報の多重化と疑似階調処理の冗長性とを結び付けた例として、特登録2640939、特登録2777800がある。
【0013】
前者は、組織的ディザ法にて2値化する際に、同一階調を表すディザマトリクスの中からいづれか一つを選定することによって、画像信号中にデータを混入するものである。
【0014】
しかし、組織的ディザ法では、高解像の、しかも機械的精度の非常に優れたプリンタで無い限り、写真調の高画質の出力は困難である。多少の機械的精度のずれが、横筋等の低周波のノイズとして発生し、紙上では容易に視覚されてくるからである。また、ディザマトリクスを周期的に変化させると、規則的に配列されていたディザにより発生する特定周波数の帯域が乱され、画質的に悪影響を及ぼす。
【0015】
また、ディザマトリクスの種類により階調表現能力が大きく異なる。特に紙上においては、ドットの重なり等における面積率の変化がディザマトリクスによって異なる為、たとえ信号上では均一濃度である領域でもディザマトリクスの切り替えで濃度の変化を引き起こすことも考えられる。また、復号(分離)側にとって、原信号である画像情報の画素値が不明な状態で、いかなるディザマトリクスで2値化されたかを推測する復号方法では、誤った復号をしてしまう可能性が非常に大きい。
【0016】
また、後者は、カラーのディザパターン法を用いて、その配列により付加情報を多重化する方法である。この方法でも前者と同様、切り換えにより画質劣化は避けられない。また、前者と比べて、より多くの付加情報を多重化できる代わりに、色成分の配列を変化させることによる色見の変化をもたらし、特に平坦部において画質劣化が大きくなる。また、紙上での復号も更に困難になることが予想される。
【0017】
いずれにしても、ディザマトリクスを変化させる両者の方法では、画質劣化が大きい割に、復号が困難という問題点を有している。
【0018】
そこで、本発明の出願人は、先に、誤差拡散法によって生じるテクスチャを利用し、通常の疑似階調処理では発生し得ない量子化値の組み合わせを人工的に作成することにより符号の埋め込みを行う方法を提案した。
【0019】
この方法は、テクスチャの形状が微視的に多少変化するだけなので、視覚的には画質が劣化するものではない。また、誤差拡散法の量子化閾値を変更する方法を用いれば、視覚的に面積階調の濃度値も保たれる為、極めて容易に異種信号の多重化が実現できる。
【0020】
しかし、前述の提案によると、復号側では、テクスチャが人工的であるか否かを判別しなくてはならない。紙上に出力した印字物では、ドットのよれ等の所望の着弾点位置からのずれにより、テクスチャが良好に再現できない場合がある。
【0021】
また、カラー画像においては、最も視覚的に感度の低い色成分に多重化する方法が主流であるが、実空間領域でのテクスチャの判別は、他の色成分の影響を受けやすく、多重化情報の分離が困難なものになってしまう。
また、本出願人は、前述した問題点を解決する為に、誤差拡散法の量子化閾値自身を所定の周期性で振幅変調し、この閾値変調の周期性を領域単位に複数種類制御することによって、擬似階調処理の量子化値の発生確率を制御し、この周期性に基づき符号を埋め込む方法を提案した。
【0022】
この方法は、前述したテクスチャの位置や形状を判別する方法に比べ、符号を形成している位相情報よりも、複数の所定周波数帯域での相対的な電力情報が重要な復号因子になる為、紙上においても良好な復号が実現できる。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述した提案には以下のような問題点がある。すなわち、印字物を作成するプリンタによっては、機械的精度が優れていない場合がある。
【0024】
インクジェットプリンタを想定した場合には、インクを飛翔させて記録媒体に付着させているが、当然、飛翔したインク滴が、想定される着弾点位置とずれることが多々発生する。記録紙を搬送する1ライン上でドットのヨレが発生した場合には、視覚的には目立ちやすくなる為、同一ライン上の記録を間引いて構成し、複数のノズルによる複数回の走査で印字する方法が一般的になっている。
【0025】
一方、プリンタの機械的構成より、記録紙が搬送する工程において、搬送に使用する各種ローラに記録紙が突入する場合や、記録紙がローラから外れる場合には、印字最中の記録紙の衝撃振動により画質が乱れる場合がある。前述したように、同一ライン上を複数走査に分けて印字することが多い為、印字の乱れは複数ラインにも影響し、紙上で所定の幅を持って画質の劣化をきたす。
また、記録紙左右の端部においても、印字精度が記録紙中心部よりも劣る可能性がある。
【0026】
つまり、画質は紙上で均一ではなく、プリンタ固有の機械的構成により、相対的に良好な部分と劣悪な部分とが存在する。画質の劣悪な部分は、画像情報に機械的なノイズ成分が重畳されていると見なすことが出来る。
【0027】
前述した本出願人の提案による印字物からの付加情報の分離を考えた場合に、紙上で画質が均一ではない状態では復号(抽出)が困難になる場合がある。つまり、画質が相対的に良好な部分では、簡単に付加情報が分離できる場合でも、画質の劣悪な部分では、重畳されたノイズの為に分離に失敗する可能性があるという問題点があった。
【0028】
しかし、分離の失敗を回避する為に、全体的に強固に多重化を施すと、多重化による画質劣化が目立ってしまう。また、復号側においても、分離の失敗を回避する為に、紙上全面に渡って精度の高い復号方式を用いると、処理時間が増大してしまう。
【0029】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、記録媒体上、もしくは、読み取り装置上の空間的座標に基づいて、埋め込み方法や抽出方法を切り替えることにより、抽出時の抽出精度、抽出時間の最適化、画質の最適設計を実現することができる画像処理装置及び画像処理方法を提供することを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願発明の画像処理装置は、原稿台上の所定の情報が埋め込まれた画像が像形成されている記録媒体を光学的に読み取ることにより画像を入力する入力手段と、前記入力手段により入力された画像を複数のブロック画像に分割する分割手段と、前記分割手段により分割された複数のブロック画像各々に対して、前記原稿台の空間的座標に基づいて前記入力手段による光学的読み取り精度が良好になるブロック画像であるか前記光学的読み取り精度が劣悪になるブロック画像であるかを判定する判定手段と、前記判定手段により前記光学的読み取り精度が良好になるブロック画像と判定されたブロック画像に対して、第1の抽出方法を用いて埋め込まれた情報を抽出し、前記判定手段により前記光学的読み取り精度が劣悪にあるブロック画像であると判定されたブロック画像に対して、前記第1の抽出方法と比較して抽出時間を要し、かつ抽出精度が高い第2の抽出方法を用いて埋め込まれた情報を抽出する抽出手段とを有することを特徴とする。
【0031】
また、上記目的を達成するために、本願発明の画像処理方法は、原稿台上の所定の情報が埋め込まれた画像が像形成されている記録媒体を光学的に読み取ることにより画像を入力する入力工程と、前記入力工程により入力された画像を複数のブロック画像に分割する分割工程と、前記分割工程により分割された複数のブロック画像各々に対して、前記原稿台の空間的座標に基づいて前記入力手段による光学的読み取り精度が良好になるブロック画像であるか前記光学的読み取り精度が劣悪になるブロック画像であるかを判定する判定工程と、前記判定工程により前記光学的読み取り精度が良好になるブロック画像と判定されたブロック画像に対して、第1の抽出方法を用いて埋め込まれた情報を抽出し、前記判定手段により前記光学的読み取り精度が劣悪にあるブロック画像であると判定されたブロック画像に対して、前記第1の抽出方法と比較して抽出時間を要し、かつ抽出精度が高い第2の抽出方法を用いて埋め込まれた情報を抽出する抽出工程とを有することを特徴とする。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。尚、本実施形態における画像処理装置は、主として、プリンタエンジンへ出力すべき画像情報を作成するコンピュータ内のプリンタドライバソフト、もしくは、アプリケーションソフトとして内蔵することが効率的であるが、複写機、ファクシミリ、プリンタ本体等にハードウエア、及びソフトウエアとして内蔵することも効果がある。
【0041】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の画像処理システムの構成を表すブロック図である。100、101、102はともに入力端子を示し、100からは多階調の画像情報を、101からは、画像情報の中に埋め込むべき必要な付加情報が入力される。この付加情報は、入力端子100にて入力される画像情報とは別の情報、例えば音声情報や、テキスト文書情報、入力端子100にて入力される画像に関する著作権、撮影日時、撮影場所、撮影者等の諸情報、また、全く別の画像情報等、様々な応用が考えられる。
【0042】
102からは、画像情報が出力する1ページ内に、画像イメージや文書がどのようにレイアウトされたかを表すページ内座標情報が入力される。ページ内のレイアウトは、自由に画像イメージや文書を配置させるアプリケーションソフトにより、容易に作成することができる。当然、ページ内に文字等の文書情報を含めず、画像イメージのみを紙上全面に配置することも可能である。
【0043】
103は、付加情報多重化装置を示し、視覚的に判別しづらいように、画像情報中に付加情報を埋め込ませる装置である。この付加情報多重化装置103は、付加情報の多重化とともに、入力した多階調の画像情報の量子化をも司る。
【0044】
104はプリンタを示し、付加情報多重化装置103で作成された情報をプリンタエンジンにて出力する。プリンタ104は、インクジェットプリンタ、レーザープリンタ等、疑似階調処理を用いることにより階調表現を実現するプリンタを想定する。
【0045】
出力された印字物は、スキャナ105を用いて印字物上の情報を読み取り、付加情報分離装置106によって、印字物中に埋め込まれた付加情報を分離し、出力端子107に出力する。
【0046】
図2は、図1の付加情報多重化装置103の構成を示すブロック図である。
200は誤差拡散処理部を示し、入力された画像情報を誤差拡散法を用いた疑似階調処理することによって、入力階調数よりも少ない量子化レベルに変換し、複数画素の量子化値によって面積的に階調性を表現する。誤差拡散処理についての詳細は後述する。
【0047】
201はブロック化部を示し、入力された画像情報を所定領域単位に区分する。このブロック化は矩形でも良いし、矩形以外の領域に区分しても良い。
202は量子化条件制御部を示し、201にてブロック化した領域単位で量子化条件を変更、制御する。量子化条件制御部202は、入力端子101で入力された付加情報、及び102で入力された画像情報のページ内座標情報に基づき、ブロック単位で量子化条件が制御される。
【0048】
210は、CPU211、ROM212、RAM213などからなる制御部である。 CPU211は、 ROM212に保持された制御プログラムに従って、上述した各構成の動作、及び処理を制御する。RAM213は、CPU211の作業領域として使用される。
【0049】
図3は、誤差拡散処理部200の詳細を表すブロック図である。一般的な誤差拡散処理は、文献R.Floyd&L.Steinberg:“An Adaptive Alogorithm for Spatial Grayscale”,SID Symposium Digest of Paper pp.36〜37(1975)に詳細が記載されている。
【0050】
いま、量子化値が2値である誤差拡散処理を例にして説明する。尚、量子化値は2値に限らず、多値、例えば3値、4値でもよい。
【0051】
300は加算器を示し、入力された画像情報の注目画素値と既に2値化された周辺画素の分配された量子化誤差が加算される。量子化条件制御部202からの量子化閾値と誤差の加算された加算結果とを比較部301にて比較し、所定の閾値よりも大きい場合には“1”を、それ以外では“0”を出力する。例えば、8ビットの精度で画素の階調を表現する場合には、最大値である“255”と最小値である“0”で表現するのが一般的である。いま、量子化値が“1”の時に、紙上にドット(インク、トナー等)が印字されると仮定する。
【0052】
302は減算器を示し、量子化結果と前述した加算結果との誤差を算出し、誤差配分演算部303に基づいて、今後の量子化処理が施される周辺画素に誤差を配分する。誤差の配分割合は注目画素との相対的な距離に基づいて実験的に設定された誤差の配分テーブル304を予め所有しておき、配分テーブルに記された配分割合に基づいて誤差を分配する。
【0053】
図3の配分テーブル304は、周囲4画素分の配分テーブルを示しているが、これに限るものではない。
【0054】
次に量子化条件制御部202を含む全体の動作手順について、図4のフローチャートを基に説明する。いま、量子化値は2値である例について述べる。尚、量子化値は2値に限らず、多値、例えば3値、4値でもよい。
【0055】
S401は、変数iの初期化を示す。変数iは垂直方向のアドレスをカウントする変数である。
【0056】
S402は、変数jの初期化を示す。変数jは水平方向のアドレスをカウントする変数である。変数i、jともに画像情報の開始点(画像イメージの左上とする)からの相対座標とする。
【0057】
続いてS403は、i、jのアドレス値による判定工程であり、 現在の処理アドレスであるi、jの座標が多重化処理を実行すべき領域に属しているか否かを判定している。
【0058】
図5を基に多重化領域について説明する。
【0059】
図5は、水平画素数がWIDTH、垂直画素数がHEIGHTから成る、ひとつの画像イメージを示している。いま、この画像イメージ中に付加情報を多重化すると仮定する。画像イメージの左上を原点とし、横N画素、縦M画素でブロック化をする。本実施形態では、原点を基準点としてブロック化を行なうが、原点から離れた点を基準点として設定しても良い。この画像イメージ中に最大限の情報を多重化する場合に、N×Mのブロックを基準点から配置していく。すなわち、水平方向に配置可能なブロック数をW、垂直方向に配置可能なブロック数をHとすると、以下の関係になる。
【0060】
W=INT(WIDTH/N)…式1
H=INT(HEIGHT/M)…式2
但し、INT( )は( )内の整数部分を示す。
【0061】
式1、式2において割り切れない剰余画素数が、N×Mのブロックを複数配置した時の端部に相当し、符号多重化領域外となる。
【0062】
図4中、S403にて、現在処理している注目画素が多重化領域外と判定された場合には、S404にて量子化条件Cが設定される。一方、多重化領域内と判定された場合には、多重化すべき付加情報を読み込む。いま、説明を容易にする為に、付加情報をcode[ ]という配列を用いて、各1ビットづつ表現するものとする。
【0063】
S405において、変数bitは、以下のように配列code[ ]内の情報を代入する。
【0064】
bit=code[INT(i/M)×W+INT(j/N)]…式3
続いて、S406にて代入した変数bitが“1”か否かを判定する。前述したように、配列code[ ]内の情報は各1ビットずつ格納されている為、変数bitの値も“0”か“1”かの何れかを示すことになる。
【0065】
S406にて、“0”と判定された場合には、S407にて量子化条件Aを、“1”と判定された場合には、S408にて量子化条件Bを設定する。
【0066】
続いてS409、S410において、処理している注目画素位置の評価を行うが、画像イメージ原点からの相対座標ではなく、ページ内での絶対座標で評価する。
【0067】
図6を基にページ内レイアウトについて説明する。
【0068】
図6において、ページ原点からの絶対距離が水平方向に(image_j)画素、垂直方向に(image_i)画素の位置に、多重化に使用する画像イメージが配置されているレイアウトの例を示している。図中ハッチング部分が画像イメージを示している。
【0069】
図7は、プリンタで出力する1ページ分の紙を想定し、印字が良好になる部分と、劣悪になる部分との2種に分類している例について示す。前述したように、印字中に各種ローラから記録紙が外れる瞬間、或いは印字中に各種ローラに記録紙が突入する瞬間に、その衝撃振動により、印字が劣悪になる場合が生じることが多い。これは、プリンタ固有の機械的構成に依存して異なる。
【0070】
図7では、ローラから記録紙がはずれた時の印字領域(斜線部)をinferior area、その他の領域をgood areaとしている。当然、使用する紙サイズ毎に分類わけしておく方が好ましい。また、inferior area 、good areaの2種ではなく、画質のレベルに応じて、より多数の分類分けをしても良い。これらの分類分けはプリンタ固有のものである為、実験的に求めていくのが好ましい。
【0071】
さて、図6、図7の例では、多重化に使用する画像イメージ中にinferior areaが存在することになるが、この判定をS409、S410にて行う。
【0072】
S409、S410ではともに、現在の注目画素のページ内の絶対座標となる(image_i+i、image_j+j)がgood area内であるか否かを判定する。
【0073】
S409にて、否と判定された場合には、S411にて量子化条件を量子化条件Aから量子化条件A’に変更し、S410にて、否と判定された場合には、S412にて量子化条件を量子化条件Bから量子化条件B’に変更する。
【0074】
続いてS413では、設定された量子化条件に基づいて量子化処理を行う。この量子化処理は、図3にて説明している誤差拡散法に相当する。
【0075】
続いて、S414では水平方向変数jをカウントアップし、S415にて画像の水平画素数であるWIDTH未満か否かを判定し、処理画素数がWIDTHになるまで前述の処理を繰り返す。また、水平方向の処理がWIDTH画素数分終了すると、S416にて垂直方向変数iをカウントアップし、S417にて画像の垂直画素数であるHEIGHT未満か否かを判定し、 処理画素数がHEIGHTになるまで前述の処理を繰り返す。
【0076】
以上の動作手順により、N×M画素よりなるブロック単位で、量子化条件を変更することが可能になる。
【0077】
続いて、量子化条件A、B、C、及びA’、B’の例について説明する。誤差拡散法における量子化条件は様々な因子があるが、本実施形態では量子化条件は、量子化閾値とする。量子化条件Cの使用は、多重化領域外である為に、量子化閾値は何でも良い。前述したように、1画素が8ビットによる階調表現で、量子化レベルが2値の場合には、最大値である“255”、及び、最小値である“0”が量子化代表値となるが、その中間値となる“128”を量子化閾値として設定することが多い。すなわち、量子化条件Cでは、量子化閾値を“128”固定とする条件にする。
【0078】
量子化条件A、量子化条件Bの使用は多重化領域内のブロックである為、量子化条件の違いによる画質の違いを生じさせなければならない。但し、画質の違いは視覚的には判別しにくいように表現し、かつ、紙上から容易に識別できなくてはならない。
【0079】
図8は、量子化条件A、Bを表した例である。図8(a)は、量子化条件Aにおける量子化閾値の変化の周期を示した図である。図中、ひとつのマスを1画素分と想定し、白いマスは固定閾値、灰色のマスを変動閾値とする。すなわち、図8(a)の例では、横8画素、縦4画素のマトリクスを組み、灰色のマスの閾値のみ突出した値を閾値として設定する。
【0080】
図8(b)は、同様に、量子化条件Bにおける量子化閾値の変化の周期を示した図である。図8(b)の例では、図8(a)とは異なり、横4画素、縦8画素のマトリクスを組み、灰色のマスの閾値のみ突出した値を閾値として設定する。
【0081】
いま、前述したように1画素が8ビットの階調値の場合に、一例として、固定閾値として“128”、突出した閾値を“48”と設定する。量子化閾値が低くなると、注目画素の量子化値が“1”(量子化代表値“255”)になりやすくなる。すなわち、図8(a)、(b)ともに、図中の灰色のマスの並びで量子化値“1”が発生しやすくなる。言い換えると、N×M画素のブロック毎に、図8(a)の灰色のマスの並びでドットが発生するブロックと、図8(b)の灰色のマスの並びでドットが発生するブロックとが混在することになる。当然、N×M画素の同一ブロック内では、図8(a)、もしくは図8(b)のマトリクスを繰り返すことになる。
【0082】
誤差拡散法における量子化閾値の多少の変更は、画質的には大きな影響を及ぼさない。組織的ディザ法においては、使用するディザパターンによって、階調表現の画質が大きく左右する。しかし、前述したような、規則的に量子化閾値の変化を与えた誤差拡散法では、あくまでも画質を決定する階調表現は誤差拡散法であるため、ドットの並びが多少変化したり、テクスチャの発生が変化したり等、階調表現の画質にはほとんど影響を与えないことになる。それは、量子化閾値が変化した場合でも、あくまでも信号値と量子化値との差分となる誤差は周囲画素に拡散される為、入力された信号値はマクロ的に保存される。すなわち、誤差拡散法におけるドットの並び、テクスチャの発生に関しては冗長性が非常に大きいことになる。
【0083】
また、前述した例は、単純に変数bitの値が“0”の時には量子化条件A、“1”の時には量子化条件Bとして切り替えていたが、これに限るものではない。量子化条件の組み合わせによって変数bitを表現することも可能である。例えば、図9に示した様に、N×M画素のブロックを更に4つの小ブロックに分割し、変数bitの値が“0”の時には図9(a)の配置を、“1”の時には、図9(a)の配置を使用して量子化することで違いを出すことも可能である。
【0084】
さて、量子化条件A’、B’も量子化条件の変更周期は、量子化条件A、Bと同じである。ただ、量子化条件A’、B’を使用する場所は、プリンタの機械的ノイズにより画質が劣化する領域である。その為、多重化を強固にかける必要がある。そこで、多重化を強固にかける為に、本実施形態では、閾値を変調する振幅を大きく設定する。例えば、量子化条件A,Bでの量子化閾値の変調では、通常の閾値 “128”を“48”に変更設定していたが、量子化条件A’、B’では、通常の閾値“128”を“16”に変更設定する。当然、所望のドットが発生する確率が増加する為、分離処理は容易になるが、多重化処理による画質が劣化する。但し、もともと、inferior areaでは、機械的ノイズが発生することにより画質が乱れている為、強固な多重化を実行しても、視覚的にはほとんど影響はない。
【0085】
次に、付加情報分離装置106について説明する。
【0086】
図10は、付加情報分離装置106の構成を示すブロック図である。
1000は、入力端子を示し、スキャナで読み込まれた画像情報が入力される。使用するスキャナの解像度は、印字物を作成するプリンタ解像度と同等以上が好ましい。当然、正確に印字物のドットの点在情報を読み込む為には、サンプリング定理により、スキャナ側はプリンタ側よりも2倍以上の解像度が必要になる。しかし、同等以上であれば、正確でなくとも、ある程度ドットが点在しているのを判別することは可能である。本実施形態では、説明を容易にするためにプリンタ解像度とスキャナ解像度が同一解像度と想定する。
【0087】
1001は、幾何学的補正部を示し、スキャナで読み込まれた印字物の回転、及び、伸縮の補正をする。この幾何学的補正部1001については公知の様々な方法が考えられる。
【0088】
1002は、ブロック化部を示し、P×Q画素単位にブロック化をする。このブロックは、多重化時にブロック化したN×M画素よりも小さくなければならない。すなわち、
P≦N、かつ Q≦M…式4
の関係が成り立つ。
【0089】
また、P×Q画素単位のブロック化は、ある一定間隔毎スキップしてブロック化を行う。すなわち、多重化時のN×M画素よりなるブロックと想定される領域内に、P×Q画素単位のブロックがひとつ内包するようにブロック化する。スキップ画素数は、水平N画素分、垂直M画素分が基本となる。
【0090】
1003、1004は、それぞれ特性の異なる空間フィルタA、Bを示し、1005は、周辺画素との積和を演算するディジタルフィルタリング部を示している。この空間フィルタの各係数は、多重化時の量子化条件の変動閾値の周期に適応して作成する。
【0091】
いま、付加情報多重化装置103における量子化条件の変更を図8(a)、図8(b)の2種の周期性を用いることにより付加情報を多重化したと仮定する。その時の分離装置に使用する空間フィルタA1003、空間フィルタB1004の例を、図11(a)、図11(b)に示す。図中、5×5画素の中央部が注目画素になり、それ以外の24画素分が周辺画素になる。図中、空白部の画素は、フィルタ係数が“0”であることを表している。図から明らかな様に、図11(a)、(b)はエッジ強調のフィルタになっている。しかも、その強調するエッジの方向性と多重化した時の変動閾値の方向性とが一致している。つまり、図11(a)は図8(a)に、また、図11(b)は図8(b)に一致するように作成する。
【0092】
1106は、特徴量検出部を示し、空間フィルタA1003、及び、空間フィルタB1004によるフィルタリング部1005からのフィルタ後の変換値を基に、なんらかの特徴量を検出する。検出する特徴量の例として、以下のものが考えられる。
【0093】
1.デジタルフィルタ後のブロック内の変換値の最大値
2.デジタルフィルタ後のブロック内の変換値の最大値と最小値の差分
3.デジタルフィルタ後のブロック内の変換値の分散値
本実施形態では、上記3に示した分散値を特徴量とする。
【0094】
1007は、判定部を示し、それぞれの分散値の大小比較をして、分散値が大きい方を符号と判断する。すなわち、空間フィルタAによるフィルタリングの分散値が大きければ、印字時に量子化条件Aで量子化されたものと推測し、反対に空間フィルタBによるフィルタリングの分散値が大きければ、印字時に量子化条件Bで量子化されたものと推測する。
【0095】
量子化条件は、付加情報の符号(式3のbit)に連動している為、量子化条件が識別できるということは、多重化された符号が特定できることに相当する。すなわち、量子化条件Aと推測された場合には、bit=0、量子化条件Bと推測された場合には、bit=1と判断できる。
【0096】
以上、プリンタの局所的画質劣化の特性を考慮した多重化方法を、多重化に強弱をつけることによって実現する例について説明したが、強弱の度合いは、量子化閾値の変調する振幅以外にも考えられる。例えば、カラー画像であれば、多重化に用いるインク色を変更する方式がある。すなわち、ノイズに強いインク色を用いて、“inferior area”を多重化する方法も考えられる。
【0097】
以上説明したように上記第1の実施形態によれば、画像イメージ原点からの相対座標ではなく、ページ内での絶対座標に基づいて、各種ローラから記録媒体が外れる瞬間、或いは記録媒体が各種ローラに突入する瞬間等の印字領域である印字が劣悪になる領域と、その他の印字領域である印字が良好になる領域を判定し、印字が劣悪になる領域には、画質よりも抽出のし易さを重視した情報の埋め込み方法を用い、印字が良好になる領域には、抽出のし易さよりも画質を重視した情報の埋め込み方法を用いることにより、埋め込み情報の抽出時の抽出精度、抽出時間の最適化、画質の最適設計を実現することができる。
【0098】
(第2の実施形態)
図12は、第2の実施形態の画像処理システムの構成を表す。本実施形態では、図1に示した構成において、ページ内の絶対座標に応じて復号(抽出)方法を切り替えるものである。
【0099】
本実施形態では、付加情報多重化装置は、図4のフローチャートによるものと仮定する為、復号方法の切り替える最小単位はブロック単位となる。
図12中、端子1200は、入力端子を示し、スキャナで読み込まれた1ページ分の画像情報が入力される。1001は、幾何学的補正部を示し、スキャナで読み込まれた印字物の回転、及び、伸縮の補正をする。1002は、ブロック化部を示し、P×Q画素単位にブロック化をする。
【0100】
1201は、ページ内座標検知部を示し、復号処理の進行と共に1ページ分の座標をカウントすることにより、現在処理中のページ内座標情報を取得する。
1202、1203はそれぞれ、付加情報復号部A、付加情報復号部Bを示し、2種の復号部を有している。
【0101】
1204は、選択部を示し、ページ内座標に応じて、スイッチ1205を介して、以下の選択がなされる。
【0102】
1)処理ブロックがgood areaである場合…付加情報復号部Aを選択
2)処理ブロックがinferior areaである場合…付加情報復号部Bを選択
付加情報復号部Aを図13に示す。鎖線で囲んだブロックが付加情報復号部Aを示している。この付加情報復号部Aは、図10に示した方法のブロック内処理と同一である為、説明は省略する。
【0103】
図14は、付加情報復号部Bを示すブロック図である。同様に、鎖線で囲んだブロックが付加情報復号部Bを示している。
【0104】
図中、1401は、直交変換部を示し、ブロック化したP×Q画素を直交変換する。ただ、2次元の直交変換を行う時には、Q=Pの正方ブロックでブロック化する必要がある。
【0105】
本実施形態では、DCT(離散コサイン変換)を例にする。
P×P画素よりなるブロックの二次元DCTの変換係数は、
【外1】
Figure 0004147074
【0106】
但し、C(x)=1/√2 (x=0),
C(x)=1 (x≠0) …式5
で与えられる。
【0107】
1402は、クラス分類部を示し、直交変換係数の帯域毎にクラス分類する。
【0108】
図15は、P=Q=16の時のクラス分類の一例を示している。図15は、1ブロック内の直交変換係数F(u,v)を表していて、左上がDC成分、残りの255成分がAC成分となる。いま、F(4,8)を中心とするクラスAと、F(8,4)を中心とするクラスBの2クラスを作成する。2クラスを図中、太線で示す。このクラス分類手段は、全256成分をクラス分類する必要はなく、所望の成分を中心とした複数のクラスに分類するだけで良い。この必要なクラス数は、多重化時に量子化制御した条件数に対応する。すなわち、量子化制御した条件数よりもクラス数は多くなることはない。
【0109】
1403は、電力比較部を示し、各クラスの電力の総和を比較する。演算を高速にする為に、発生した変換係数の絶対値を電力の代用としても良い。各クラスの電力の総和を比較することで、付加情報の信号を判断する。
【0110】
いま、多重化時に図8(a)、(b)の量子化条件A、Bを施した例について説明する。前述したように、量子化条件A、Bを用いた量子化では、各々角度の異なる斜め方向にドットが並ぶテクスチャが発生しやすい。すなわち、量子化条件Aにおいて量子化したブロックでは、直交変換処理を行うと、図15のクラスAに大きな電力が発生する。
【0111】
一方、量子化条件Bにおいて量子化したブロックでは、直交変換処理を行うと、図15のクラスBに大きな電力が発生する。すなわち、クラスAとクラスBの電力の大小関係を相対的に比較することにより、該当するブロックの多重化時の量子化条件が、量子化条件A、量子化条件Bの何れであるかが判断できる。
【0112】
量子化条件は、付加情報の符号(式3のbit)に連動している為、量子化条件が識別できるということは、多重化された符号が特定できることに相当する。図4に示したフローチャートの例では、bit=0を量子化条件A、bit=1を量子化条件Bに設定している為、クラスAの電力の方が大きい場合には、bit=0、クラスBの電力の方が大きい場合には、bit=1と判断できる。
【0113】
以上、2種の復号部を説明したが、本実施形態の復号部の切り替えは、復号検出率と復号時間との最適設計に必要である。すなわち、良好な印字領域に関しては、復号は容易であると判断し、復号(抽出)時間の速い復号部Aにて復号する。一方、ノイズ成分が重畳された印字領域に関しては、復号(抽出)時間よりも復号検出率を優先にして、より精度の高い復号方法を用いる。
【0114】
このように、記録した印字物の絶対座標を評価因子にすることにより、印字品位が予測することができ、より最適な復号部を選択することができる。
【0115】
本実施形態では、復号部をA、Bの2種にて説明したが、当然これ以上でも構わない。また、復号部もこれに限定するものではない。
【0116】
また、復号部を同一にして、その検出精度だけを変化させる方法も考えられる。すなわち、より精度が求められる復号部においては、冗長性の高い、繰り返しによる復号が有効だ。例えば、前述のP×Q画素による直交変換を用いる方法(復号手段B)では、P×Q画素のブロックを空間的に数画素ずらして複数回の直交変換を行い、複数回のクラス比較を通して判断の精度を高める方法が考えられる。その際に、経験的に記録媒体の物理特性をランク付けして評価因子として設定し、繰り返しの回数をランクに応じて徐々に増やす様に制御することも有効な方法である。
【0117】
当然、複数回の直交変換を用いて判断した方が、復号精度は向上するが、処理時間は余計にかかってしまう。その最適化は経験的に設計するのが好ましい。
また、本実施形態では、図4のフローチャートによる多重化を前提にしている為、多重化時、復号時ともに、画質の悪くなる印字領域に対して、強固の多重化、精度の高い復号を施しているが、当然、多重化時には区別なくして、均一の多重化を行い、復号時のみ精度を変化させる方法も有効である。
【0118】
また、多重化、復号ともに紙上での絶対座標を基にして方式を変化させる場合には、量子化閾値の変調の周期性を持たせたブロックサイズを、good areaでは小さく、inferior areaでは大きく設定する等の変更も考えられる。
【0119】
また、inferior areaはローラに突入する時、或いはローラから外れる時の衝撃振動以外にも考えられる。例えば、紙の余白を無くした全面印字を実現した機械構成の場合には、紙端部は精度が劣化し、inferior areaになる可能性が高い。
【0120】
以上、復号方法、多重化方法の切り替えについて説明してきたが、多重化方法、付加情報の分離方法は前述した方法に限定しない。いかなる、多重化方法、分離方法においても、紙上の絶対座標に基づいて分離方法、及び多重化方法を制御する構成は有効である。
【0121】
以上説明したように上記第2の実施形態によれば、画像イメージ原点からの相対座標ではなく、ページ内での絶対座標に基づいて、各種ローラから記録媒体が外れる瞬間、或いは記録媒体が各種ローラに突入する瞬間等の印字領域である印字が劣悪になる領域と、その他の印字領域である印字が良好になる領域を判定し、印字が劣悪になる領域には、抽出時間よりも抽出精度を重視した情報の抽出方法を用い、印字が良好になる領域には、抽出精度よりも抽出時間を重視した情報の抽出方法を用いることにより、埋め込み情報の抽出時の抽出精度、抽出時間の最適化、画質の最適設計を実現することができる。
【0122】
(第3の実施形態)
図16は、第2の実施形態の画像処理システムの構成を表す。図12に示した第2の実施形態の画像処理システムの構成では印字物の絶対座標を評価因子にしていたが、本実施形態では、スキャナにて読み取る際の原稿台の絶対座標に応じて復号方法を切り替えるものである。
【0123】
図中、図12と同一部には同一番号を付して説明する。
【0124】
本実施形態では、多重化手段は、図4のフローチャートによるものと仮定する為、復号方法の切り替える最小単位はブロック単位となる。
【0125】
図16中、端子1200は、入力端子を示し、スキャナで読み込まれた1ページ分の画像情報が入力される。
【0126】
1001は、幾何学的補正部を示し、スキャナで読み込まれた印字物の回転、及び、伸縮の補正を行う。
【0127】
1002は、ブロック化部を示し、P×Q画素単位にブロック化を行う。
【0128】
1601は、読み取り座標検知部を示し、現在処理中のブロックが、スキャナの原稿台上のどの位置で読み取った画像情報なのかを検知する。
【0129】
1202、1203はそれぞれ、付加情報復号部A、付加情報復号部Bを示し、2種の復号部を有している。
【0130】
1204は、選択部を示し、ページ内座標に応じて、スイッチ1205を介して、以下の選択がなされる。
【0131】
処理ブロックがgood areaである場合…付加情報復号手段Aを選択
処理ブロックがinferior areaである場合…付加情報復号手段Bを選択
付加情報復号部A、及び付加情報復号部Bは図13、図14と同様の為、説明は省略する。
【0132】
図17は、スキャナ原稿台のgood area、inferior areaの例を示す。
【0133】
スキャナ装置は、光源手段や光学ミラーからなる走査光学系を原稿台の下にて移動させ、CCD等の受光素子よりなるラインセンサに結像させることにより画像情報を入力する方式が代表的である。
【0134】
図17において、左上部をホームポジション、水平方向をラインセンサが配列している主走査方向、垂直方向を走査光学系が移動していく副走査方向としている。主走査方向においては、端部よりも中央部の方が光量が多く、また取り付け精度等による機械的精度が高い場合が多い。また、副走査方向においては、ステッピングモータ等による駆動系の安定性から、やはり端部よりも中央部の方が精度が高い。そこで、図17では、上下左右の所定領域内をinferior area、その他の中央部をgood areaに設定している。当然、復号時には、読み取り座標検知部1601により原稿台の如何なる領域にて読み込まれたブロックかが判断できる為、スキャナの読み取り精度に応じた最適な復号部が選択できる。
【0135】
以上、読み取り系による絶対座標に依存して復号精度を変化させた例について述べたが、図17の領域区分は一例であり、スキャナ装置に応じた特性を実験的に求めるのが好ましい。当然、2種の領域分類ではなく、読み取り精度の高低を段階的に求め、それに応じて復号精度を切り替えても良い。
【0136】
また、以上は原稿固定型のスキャナ装置について説明したが、原稿移動型のスキャナ装置、ファクシミリ装置においても、実験的に絶対座標の精度特性を求め、領域区分することは可能である。
【0137】
以上、記録媒体上、もしくは、読み取り装置上の空間的座標に基づいて、埋め込み方法や抽出方法を切り替える例について述べたが、切り替える判断基準は、記録装置、及び、読み取り装置の精度の優劣特性以外にも考えられる。
例えば、図10の付加情報分離装置では、幾何学的補正部1001により、読み込んだ画像の回転、伸縮の補正をした後にブロック化部1002にてブロック単位の切り出しをするが、回転、伸縮の影響が大きいと、補正しきれずに切り出すブロックの特定に失敗する場合がある。幾何学的補正は、画像端部を基準にして補正することが多いため、画像端部よりも画像中心部の方が誤差の蓄積が大きくなりブロック切り出し位置がずれてくる。その危険性が予測される場合には、画像端部からの距離が離れるほどにinferior areaとして、埋め込み方法、もしくは抽出方法の強度を強く設定することも可能である。すなわち、記録媒体、及び読み取り装置の絶対座標で切り替えるのではなく、一画像中の端部からの相対座標に応じて埋め込み方法や抽出方法を切り替える。この方法は、画像サイズが大きいほど画像中心部の歪みが大きくなる為、有効になる。
【0138】
以上説明したように上記第3の実施形態によれば、読み取り系による絶対座標に基づいて、埋め込み方法や抽出方法を切り替えることにより、埋め込み情報の抽出時の抽出精度、抽出時間の最適化、画質の最適設計を実現することができる。
【0139】
また、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、プリンタ等)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置等)に適用しても良い。
【0140】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0141】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0142】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、記録媒体上、もしくは、読み取り装置上の空間的座標に基づいて、埋め込み方法や抽出方法を切り替えることにより、埋め込み情報の抽出時の抽出精度、抽出時間の最適化、画質の最適設計を実現することができる。
【0143】
また、本発明により、容易に画像情報への付加情報の埋め込みが実現できる為、画像情報中に音声情報や秘匿情報を埋め込むサービス、アプリケーションが提供できる。また、紙幣、印紙、有価証券等の不正な偽造行為を抑制したり、画像情報の著作権侵害を防止したりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態における画像処理装置の構成を示す要部ブロック図
【図2】図1の付加情報多重化装置の構成を示す要部ブロック図
【図3】図2の誤差拡散部を示す要部ブロック図
【図4】量子化制御部を含む多重化処理の動作手順を示すフローチャート
【図5】ブロック化の一例
【図6】画像レイアウトの一例
【図7】記録紙上の画像劣化領域の説明図
【図8】量子化条件における量子化閾値変化の一例
【図9】量子化条件の組み合わせの配置例
【図10】図1の付加情報分離装置の構成を示す要部ブロック図
【図11】空間フィルタの一例
【図12】第2の実施形態における付加情報分離装置の構成を示す要部ブロック図
【図13】図12の付加情報復号部Aのブロック図
【図14】図12の付加情報復号部Bのブロック図
【図15】二次元周波数領域でのクラス分類の説明図
【図16】第3の実施形態における付加情報分離装置の構成を示す要部ブロック図
【図17】原稿台上の画像劣化領域の説明図
【図18】従来法の多重化の一例を示すブロック図
【図19】従来法の多重化の一例を示すブロック図
【図20】従来法の多重化の一例を示すブロック図
【図21】従来法の分離の一例を示すブロック図

Claims (6)

  1. 原稿台上の所定の情報が埋め込まれた画像が像形成されている記録媒体を光学的に読み取ることにより画像を入力する入力手段と、
    前記入力手段により入力された画像を複数のブロック画像に分割する分割手段と、
    前記分割手段により分割された複数のブロック画像各々に対して、前記原稿台の空間的座標に基づいて前記入力手段による光学的読み取り精度が良好になるブロック画像であるか前記光学的読み取り精度が劣悪になるブロック画像であるかを判定する判定手段と、
    前記判定手段により前記光学的読み取り精度が良好になるブロック画像と判定されたブロック画像に対して、第1の抽出方法を用いて埋め込まれた情報を抽出し、前記判定手段により前記光学的読み取り精度が劣悪にあるブロック画像であると判定されたブロック画像に対して、前記第1の抽出方法と比較して抽出時間を要し、かつ抽出精度が高い第2の抽出方法を用いて埋め込まれた情報を抽出する抽出手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記判定手段は、前記分割手段により分割された複数のブロック画像各々に対して、前記原稿台の端部か中央部かに基づいて前記入力手段による光学的読み取り精度が良好になるブロック画像であるか前記光学的読み取り精度が劣悪になるブロック画像であるかを判定することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 原稿台上の所定の情報が埋め込まれた画像が像形成されている記録媒体を光学的に読み取ることにより画像を入力する入力工程と、
    前記入力工程により入力された画像を複数のブロック画像に分割する分割工程と、
    前記分割工程により分割された複数のブロック画像各々に対して、前記原稿台の空間的座標に基づいて前記入力手段による光学的読み取り精度が良好になるブロック画像であるか前記光学的読み取り精度が劣悪になるブロック画像であるかを判定する判定工程と、
    前記判定工程により前記光学的読み取り精度が良好になるブロック画像と判定されたブロック画像に対して、第1の抽出方法を用いて埋め込まれた情報を抽出し、前記判定手段により前記光学的読み取り精度が劣悪にあるブロック画像であると判定されたブロック画像に対して、前記第1の抽出方法と比較して抽出時間を要し、かつ抽出精度が高い第2の抽出方法を用いて埋め込まれた情報を抽出する抽出工程とを有することを特徴とする画像処理方法。
  4. 前記判定工程は、前記分割工程により分割された複数のブロック画像各々に対して、前記原稿台の端部か中央部かに基づいて前記入力手段による光学的読み取り精度が良好になるブロック画像であるか前記光学的読み取り精度が劣悪になるブロック画像であるかを判定することを特徴とする請求項3記載の画像処理方法。
  5. コンピュータを請求項1または請求項2に記載の画像処理装置として機能させるためのプログラム。
  6. 請求項5に記載のコンピュータプログラムを格納することを特徴とするコンピュータにより読み取り可能な記録媒体。
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