JP2006166201A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】付加情報を埋め込んだ画像データの印刷結果からは正しくその付加情報を復号でき、その印刷結果の複写機による複写物からは付加情報を復号できないようにする。
【解決手段】画像形成条件決定部42は、付加情報埋込の際のセルサイズと印刷時に用いるスクリーンとの組合せごとに、その組合せで情報埋込を行って印刷した印刷物からの付加情報を復号する際の最悪のエラー率を保持する。また、それら印刷時の画像形成条件と複写時に用いられるスクリーンとの組合せごとに、当該画像形成条件で形成した印刷物をそのスクリーンで複写した結果からその付加情報を復号する際の最良のエラー率を保持する。そして、印刷時の最悪のエラー率が復号可能な範囲内となる画像形成条件の中で、複写時のスクリーンをどのように変えてもその最良のエラー率が復号不能な範囲内となるような条件を選択する。この条件に従い付加情報を埋め込んだ画像が印刷される。
【選択図】図4
【解決手段】画像形成条件決定部42は、付加情報埋込の際のセルサイズと印刷時に用いるスクリーンとの組合せごとに、その組合せで情報埋込を行って印刷した印刷物からの付加情報を復号する際の最悪のエラー率を保持する。また、それら印刷時の画像形成条件と複写時に用いられるスクリーンとの組合せごとに、当該画像形成条件で形成した印刷物をそのスクリーンで複写した結果からその付加情報を復号する際の最良のエラー率を保持する。そして、印刷時の最悪のエラー率が復号可能な範囲内となる画像形成条件の中で、複写時のスクリーンをどのように変えてもその最良のエラー率が復号不能な範囲内となるような条件を選択する。この条件に従い付加情報を埋め込んだ画像が印刷される。
【選択図】図4
Description
本発明は、証明書やチケットなど、偽造防止機能が必要とされる印刷物を作成する画像形成装置に関する。
近年、コンビニエンスストアでのオンデマンド印刷によるチケット購入が可能になったり、経済産業省のe-Japan戦略に基づく電子政府の実現に向けて、今後、この広がりは行政文書なども含む様々な貴重印刷物に広がっていくことが予想される。また、ブロードバンドの発達により出力場所としても、公民館や郵便局などの身近な場所にまで広がる気配を見せている。このような状況は、印刷物の発行側、ユーザ双方に大きなメリットがあるが、偽造や改ざんの危険性があり、その印刷物が本物であることを証明する技術が必要である。
従来、印刷物の偽造防止技術には、ホログラム、マイクロ文字、不可視インク、特殊インクなどが用いられていたが、これらは非常に特殊な印刷装置であるため高価であり、これらの印刷装置をたとえば、すべてのコンビニエンスストアや公民館などに置くことはできない。
このような状況に対し、本出願人は、特許文献1において、比較的安価な印刷装置で利用可能な情報埋め込み方式を提案している。この方式では、情報を「0」又は「1」の二進数で符号化する場合に、「0」,「1」の各符号について、図15に示すような2種類のパターン画像の各々を対応づけておき、符号化して得た符号列について、それに含まれる各符号に対応するパターン画像を順次選択して所定順序に配列し、付加画像を得て、これを合成する。この方式は、紙媒体などの印刷における様々な画質劣化要因に対して耐性を持つ。
ここで、印刷における様々な画質劣化要因とは、具体的には、プリントおよびスキャンによるD/A,A/D変換、色変換、スクリーンによる2値化処理、プリンタおよびスキャナの解像度の違いによって生じる解像度変換、スキャン時のスキュー(傾き)に加えてノイズや、プリンタおよびスキャナの機械的動作に伴う画素位置のずれ(面内むら)などである。
ところで図15に示したパターン画像は、図16に示すように、符号「1」を意味する基本パターン(A)と、符号「0」を意味する基本パターン(B)とを定義しておき、これらの各要素の値(画素値)に、次に(1)式または(2)式のような式(これらの式においてCは埋め込み強度、αは減衰率であり、利用者等によって予め指定されているとする)によって定義される値を乗じて得たものである。
Cexp(−α(|x|+|y|)) …(1)
Cexp(−α(x2+y2)) …(2)
なお、(1)、(2)式でX,Yは、パターン画像の中心を(X,Y)=(0,0)としたときの各画素の座標(X,Y)の値である。
この乗算の結果、図16(A),(B)のそれぞれに基づいて、図15に示した各パターン画像が生成される。なお、図15では、図示の都合上、濃度の違いをハッチングの違いによって示している。これらのパターン画像は、
(a)双方のパターン画像の対応する画素同士を加算した結果は、いずれも同じ所定値(例えば「0」)になる、
(b)各々のパターン画像中の全画素を加算した結果は、いずれも同じ所定値(例えば「0」)になる、
(c)各々のパターン画像は、画像の中心部を通り、その方向が異なる、2つの画素値の不連続線(エッジと呼ぶ)を有する。図15の例では、縦横に直交してエッジが形成されている、
(d)各々のパターン画像の持つ画素値の絶対値は中心で最も大きく、中心から離れるほど小さくなる、
という特徴を有している。このように面積を持ったパターンによって符号を表現することで各画質劣化要因に対する耐性を獲得する一方、合成後に画像の濃度が大きく変化することが防止され((a),(b)の特徴による)、パターン画像の検出が容易で復号処理が簡便となり((b),(c)の特徴による)、かつパターン間でのエッジの発生が防止されて((d)の特徴による)、その存在が視覚的に目立たないようになる。
(a)双方のパターン画像の対応する画素同士を加算した結果は、いずれも同じ所定値(例えば「0」)になる、
(b)各々のパターン画像中の全画素を加算した結果は、いずれも同じ所定値(例えば「0」)になる、
(c)各々のパターン画像は、画像の中心部を通り、その方向が異なる、2つの画素値の不連続線(エッジと呼ぶ)を有する。図15の例では、縦横に直交してエッジが形成されている、
(d)各々のパターン画像の持つ画素値の絶対値は中心で最も大きく、中心から離れるほど小さくなる、
という特徴を有している。このように面積を持ったパターンによって符号を表現することで各画質劣化要因に対する耐性を獲得する一方、合成後に画像の濃度が大きく変化することが防止され((a),(b)の特徴による)、パターン画像の検出が容易で復号処理が簡便となり((b),(c)の特徴による)、かつパターン間でのエッジの発生が防止されて((d)の特徴による)、その存在が視覚的に目立たないようになる。
このパターン画像を合成した画像を、復号する際は、パターン画像内のエッジによって仕切られた各象限に相当する合成後の画素値の和(第1から第4象限についてR1からR4)を算出し、例えば、R1>R2かつR1>R4かつR3>R2かつR3>R4の場合に符号「1」であると判定する。すなわち、各象限ごとの画素値群の和の比較によって復号を行うことができる。
ところで、プリンタ等の画像形成装置では、階調を表現するためにスクリーン処理と呼ばれる多値画像を2値画像に変換する技術が用いられており、その手法としては、誤差拡散法、ディザ法など様々な手法があるが、いずれも人間の視覚の積分効果を巧みに利用したもので、ある単位領域内のドットの密度により階調を表現しようというものである。
ところが、埋め込みパターンのサイズと比較して、このスクリーン処理を施す際の単位領域が大きい(スクリーン線数が低い)と解像度の低い画像が生成され、埋め込みを行った後の各象限ごとの画素値群の和であるR1,R2,R3,R4の大小関係が、プリント後も同じ関係を保つことが難しくなり、このため、復号時に多くのビットエラーが発生してしまうという問題がある。
しかし、これに対しても、プリント時に使用されるスクリーン線数に適応して適切な大きさの埋め込みパターンのサイズを適用すればビットエラー率を抑えることが可能であり、そのビットエラー率に対応して符号化方式を決定し、当該決定した符号化方式で符号化された付加情報を埋め込むことで、様々な印刷モードに対応できる付加情報の埋め込み方式についても提案している。
ところが、このような付加情報の埋め込み方式を利用して、チケットや行政文書などに不可視で発行番号などのID情報等を埋め込んで印刷し、利用者に提供することを考えた場合、その埋め込み情報は、提供した印刷物の真正性を保証する情報の1つとなる。したがって、提供した印刷物からは正しくその埋め込み情報が読みとれる必要がある一方、その印刷物をコピー機でコピーしたものからは埋め込み情報が正しく読みとれないことが望ましい。
しかしながら、特許文献1の方式は、このような要請については十分な考慮を払っていなかった。
一方、比較的安価なプリンタや複写機を用いて、印刷物の真贋判定をするための別の方法として、たとえば、特許文献2がある。そこでは、シアン、マゼンタ、イエローの3色を重ねた作成した赤外線を吸収しない黒と、カーボンブラックを含む赤外線を吸収する黒を用いて画像をプリントすることで、本物の印刷物からは赤外線カメラのような特殊鑑定装置を用いた場合に、カーボンブラックで描いた画像のみが正しく視認され、この印刷物をコピーしたものからはカーボンブラックで描いた画像が正しく視認できないという手法を提案している。
また、特許文献3では、耐性の弱い電子透かし技術と耐性の強い電子透かしの両方の技術を使い原本をプリントすることにより、これが複写された場合には、耐性の弱い電子透かしからは付加情報を復号できないため、原本と複写物を区別できるという手法を提案している。
しかし、特許文献2の手法は、画像の埋め込み(透かし印刷)に関するものであり、データの埋め込みに対する考慮はほとんどなされていない。例えば、この手法によれば印刷物の埋め込み画像の真贋を赤外線カメラで高速に鑑定できるが、仮にこの手法を用いてデータを埋め込んで印刷した場合、その印刷物に埋め込んだデータをデコードするには赤外線カメラという特殊な装置が必要となり、装置のコスト高を招く。また、この手法は、プロセスインク用とカーボンブラック用の2種類のハーフトーン領域を等間隔に分散配置し、それら分散配置した各種類の領域に対してそれぞれ適切な網点を配置する必要があるため、処理負荷が大きいという問題があった。
また、特許文献3の手法は、複数の電子透かしを使うため、処理負荷が大きく、処理に時間がかかるという問題がある。
本発明は、オリジナルの印刷物からは埋め込んだデータを正しくデコードでき、それをコピーした複写物からは埋め込んだデータを正しくデコードできないような印刷物を、比較的軽い処理で作成することができる画像形成装置を提供する。
すでに発明者が提案している埋め込み手法では、印刷(プリント)時に使用されるスクリーンに対して、埋め込みに用いるパターンサイズ(セルサイズ)を可変とすることで、ビットエラー率に大きな影響があることを説明した。これは逆に考えれば、印刷時に使用されるスクリーン等の画像形成条件を適切に設定することでビットエラー率が制御可能になることを意味している。
また、その印刷された画像が複写(コピー)される際にもスクリーン処理等の画像処理がなされるため、ビットエラー率はここでも大きな影響を受ける。
以上より、印刷時のスクリーン処理の種類等の画像形成条件の中から、印刷した画像からは付加情報の復号が可能となるが、その印刷した画像を複写した画像からは、複写時に想定される最良の画像形成条件が採用された場合でも、付加情報の復号を非常に難しくできるような、画像形成条件を選択することができる。
そのため、例えば本発明の画像形成装置は以下の構成を備える。すなわち、本発明に係る画像形成装置は、印刷処理対象の画像データに対して埋め込み対象の付加情報に基づく付加画像データを合成して合成画像データを生成し、その合成画像データを印刷する画像形成装置であって、当該画像形成装置が印刷時に使用可能な各印刷時画像形成条件ごとに、当該印刷時画像形成条件で合成画像データを印刷した印刷結果から付加情報を復号した場合のエラー率を取得する印刷エラー率取得手段と、それら各画像形成条件での合成画像データの印刷結果を所定想定範囲の各複写時画像形成条件で複写した複写結果、から付加情報を復号した場合のエラー率を取得する複写エラー率取得手段と、合成画像データを印刷する際の印刷時画像形成条件を選択する選択手段であって、該印刷時画像形成条件で合成画像データを印刷した印刷結果から付加情報を復号した場合のエラー率が所定の許容エラー率より低く、かつその印刷結果を所定想定範囲の各複写時画像形成条件で複写した複写結果から付加情報を復号した場合のエラー率がいずれも所定の許容エラー率より高くなるという判定条件、を満足する印刷時画像形成条件を選択する選択手段と、選択手段で選択された印刷時画像形成条件に従って合成画像データを印刷する印刷手段と、を備える。
本発明の好適な態様では、画像形成装置は、印刷処理対象の画像データに対する付加画像データの埋め込み強度を設定する埋め込み強度設定手段を更に備え、前記印刷エラー率取得手段及び記複写エラー率取得手段は、付加画像データを強度設定手段で設定可能な各埋め込み強度で埋め込んで合成画像データを作成した場合についてのエラー率をそれぞれ取得し、前記選択手段は、各埋め込み強度での印刷結果及び複写結果のエラー率のなかから、前記判定条件を満足する印刷時画像形成条件を選択するとともに、前記埋め込み強度設定手段に対し、選択した印刷自画像形成条件に対応する埋め込み強度を設定させる。
別の好適な態様では、画像形成装置は、前記埋め込み対象の付加情報を誤り訂正符号化した上で付加画像データへと変換し、印刷処理対象の画像データに対して合成する符号化手段と、前記選択手段で選択された印刷時画像形成条件に対応するエラー率の情報に基づき、前記付加情報全体が所定の許容読み取りエラー率以下のエラー率で読み取れるよう、符号化手段の符号化方法を選択する符号化方法選択手段、を更に備える。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態(以下「実施の形態」と呼ぶ)について説明する。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態の方式が適用可能な画像形成装置1の概略構成を示す図である。この画像形成装置1は、いわゆるデジタル複写機であり、スキャナ11とコピー(複写)制御部12とプリント(印刷)制御部13と印字部14とを含んで構成される。
スキャナ11は、コピー制御部12からの指示により、プラテンや自動原稿送り装置上にセットされた印刷物をスキャンし、この結果得られたスキャンデータをコピー制御部12に転送する。印字部14は、コピー制御部12またはプリント制御部13により生成された画像データを用紙に印刷する。印字部14は、入力された多値の画像データをデジタルのハーフトーンスクリーニング処理により二値の擬似中間調画像へと変換するスクリーン処理部を備える。スクリーン処理部は、複数のハーフトーンスクリーンを備える場合もあり、この場合はスクリーン選択信号を受け取り、この選択信号に応じたスクリーンを多値画像に適用する。
次にコピー制御部12の詳細について説明する。コピー制御部12は、図2に示すように、制御部21と記憶部22と操作部23と表示部24と入出力部25とを備えている。
操作部23は、ユーザーからのコピー開始指示やコピー品質などのコピーモードに関わる指示を受け付けるためのボタンやキーボードなどを持つ。表示部24は、ユーザーから受け付けたコピーモードなどの情報を表示するためのディスプレイなどを持つ。入出力部25は、外部から入力されるデータを制御部21に出力する。また、この入出力部25は、制御部21から入力される指示に従って画像データを印字部14に出力する。
制御部21は、操作部23から入力されたコピー開始指示やコピー品質指定信号により、スキャナ11にスキャン開始を指示することで、スキャナ11上に置かれた印刷物をスキャンし、スキャンされた画像データに対して指定されたコピー品質に基づく画像処理を行う。さらに制御部21は、画像処理されたデータとコピー品質指定に基づくスクリーン選択信号を、入出力部25を通して印字部14に転送する。なお、コピー品質に関わる画像処理としては濃度調整、コントラスト調整、画像の性質に応じた処理(例えば中間調を含む写真などの印刷物に対応して階調性を高くしたり、黒文字のコピー品質を高めるために解像性を高くしたりするなど)等がある。
記憶部22には、上述の画像処理のプログラムや画像処理の際のパラメータなどが記憶される。また記憶部22は、処理中のワークメモリとしても利用される。
次に、プリント制御部13の詳細について説明する。プリント制御部13は図3に示すように、制御部31と記憶部32と操作部33と表示部34と入出力部35とを含んで構成されている。
記憶部32は、制御部31によって実行されるプログラムを保持する、コンピュータ可読な記録媒体を含む。また、この記憶部32は、制御部31による画像処理の過程で生じる種々のデータを格納するワークメモリとしても動作する。本実施の形態では、さらに印字部14のドライバプログラムを格納しており、このドライバプログラム内に、印字部14に関する情報が保持されている。
操作部33は、キーボードやマウス等であり、利用者の操作を受けて、その操作内容を制御部31に出力する。表示部34は、制御部31から入力される指示に従って、利用者に対して情報を提示する。入出力部35は、外部から入力されるデータを制御部31に出力する。また、この入出力部35は、制御部31から入力される指示に従ってデータを印字部14に出力する。
プリント制御部13の制御部31は、記憶部32に格納されたプログラムに従って動作し、プリントジョブのための各種処理を行う。この処理には、例えばページ記述言語で記述されたプリントジョブのデータを印字部14が取扱可能な画像データに変換する処理や、画像データに対する階調補正その他の画像処理、ジョブ管理などが含まれる。また、本実施の形態では、制御部31は、コピーによる偽造防止等のために、印刷処理対象の画像データに対して付加情報を埋め込むための画像処理を行う機能を備える。当該画像形成装置1の操作部や、ネットワークを介して接続されたクライアント装置から、付加情報の埋め込みを伴う印刷指示が入力されると、以下に示す情報埋め込み印刷のための画像処理が行われる。
すなわち、本実施の形態では、付加情報を埋め込んだ画像を印刷した正規の印刷物からはその付加情報が正しく読み取れるが、その正規の印刷物をコピーした複写物からはその付加情報が正しく読み取れないようにするために、その付加情報を埋め込んだ画像を印刷するときの画像形成処理の条件を適切に調節する。このときに調節する条件の代表例として、以下では擬似中間調化のために用いるハーフトーンスクリーンを調節している。同じ画像でも印刷時に用いるスクリーンを変えれば、印刷された画像の解像度その他の状態が変わるので、スクリーンを適切に選べば、そのような印刷画像状態とそれをコピーするコピー機の空間周波数特性などとの関係で、印刷物自体からは正しく付加情報を復号できても、その複写物からは付加情報が正しく復号できないようにすることができる。
また別の画像形成条件として、付加情報の各単位を表すセル(パターン)のサイズがある。特許文献1でも言及しているように、このセル(特許文献1では「ブロック」と呼んでいる)のサイズを変えることで、印刷等による画質劣化に対する復号の耐性が変わってくる。したがって、セルサイズを適切に選択することで、複写物から付加情報が正しく復号できないようにすることができる。
以下では、一例として、プリント時のスクリーンの種類とセルサイズとの組合せを選択することで、印刷物自体からは正しく付加情報を復号できても、その複写物からは付加情報が正しく復号できないようにする。
さて、付加情報埋め込みのための具体的な処理では、制御部31は、処理対象の画像データを記憶部32に格納し、以下に説明する手順に従って、この画像データに対しその付加情報から生成した付加画像データを合成し、合成して得た画像データ(以下「合成画像」と呼ぶ)を入出力部35を介して印字部14に出力する。また、この制御部31は、例えばプリンタドライバの処理として、合成画像の印字の際に行われるべき最適な画像形成条件を指定する情報を印字部14に対して出力する。
制御部31における付加情報の合成(埋め込み)のための画像処理機構は、図4に示すようなものであり、画像形成条件取得部41と、画像形成条件決定部42と、符号化方法決定部43と、符号化部44と、付加画像生成部45と、合成部46とを含む。
画像形成条件取得部41は、付加情報の合成印刷についての画像形成に係わる条件を取得する手段である。ここで取得する画像形成条件の代表例に、コピー時に使用可能なスクリーンの情報と、プリント時に使用可能なスクリーンの情報がある。
画像形成条件決定部42は、画像形成条件取得部41で取得したコピー時に使用可能なスクリーンの情報とプリント時に使用可能なスクリーンの情報とから、プリント時に最適なスクリーンとセルサイズの組み合わせを決定する。ここでいうセルサイズは、特許文献1の付加情報埋め込み手法において用いる2種類のパターンのサイズである。
このスクリーン及びセルサイズの決定処理は、次の3つのステップを通して行われる。
まず、第1のステップでは、当該画像形成装置1がプリント時に使用可能なスクリーンと選択可能なセルサイズ、およびその組み合わせにおけるプリント画像の復号時の予測最悪BER(Bit Error Rate:ビットエラー率)が記憶されたテーブルから、予測最悪BERが所定の上限値以下であるもののみを候補としてリストアップする。このテーブルは、例えば図5に示すようなデータ内容を保持しており、記憶部32に記憶されている。
ここでBERは、付加情報を埋め込んだプリント画像をスキャナ等で読み取り、その読み取り結果の画像データから付加情報を復号したときに、付加情報のうちの復号結果に誤りがあったビットの率である。BERの値が大きいと、復号結果に誤りが多いということになる。付加情報を誤り訂正符号化しておけば、ある程度までの誤りは訂正可能であるが、BERの値があまり大きくなりすぎると訂正が不可能となり、正しい復号ができなくなる。
スクリーンとセルサイズの組合せに対応する予測最悪BERは、そのセルサイズで付加情報を印刷処理対象画像に埋め込み、この埋め込み結果の画像をそのスクリーンにより二値化して得られる印刷画像から、付加情報を復号する場合に予測される最悪のBERである。予測「最悪」BERが所定上限値以下となる組合せをリストアップしているのは、付加情報を埋め込んだプリント結果から、最悪のケースでも誤り訂正により元の付加情報が正しく復号できるようにするためである。すなわち、その上限値は、誤り訂正を考慮した場合に、埋め込まれた付加情報を正しく復号できるエラー率の上限である。なお、付加情報の復号結果に厳密な正確さが必要ない場合もあるので、そのような場合は、厳密に正しく復号できるエラー率の上限よりも高いエラー率(すなわち生じる読み取りエラーが許容範囲に収まる程度のエラー率)を上限値としてもよい。
第2のステップでは、同様に記憶部32に記憶されている図6に示すようなテーブルから、第1のステップで候補としてリストアップされた各組合せ毎に最も予測最良エラー率が小さくなるコピー用スクリーンとの組合せのみを候補としてリストアップする。そうでないコピー用スクリーンとの組合せはリストから除外する。すなわち、図6のテーブルは、プリント時に使用可能なスクリーンと選択可能なセルサイズとコピー時に使用可能なスクリーンとの組み合わせに対し、その組み合わせの付加情報を埋め込んだ画像をそのプリント時スクリーンでプリントしたものを、そのコピー時スクリーンを用いてコピーしたときの画像の復号時の予測最良BERが記憶されている。予測「最良」BERを考慮するのは、正規のプリント結果をコピーしてできた複写物からは、復号結果のBERが最良であっても、正しい復号結果が得られないようにするためである。
なお、この場合の「最良」は、例えば1つの画像形成装置での複写のみを考慮すればよいのであれば、その画像形成装置にて選択可能なコピー時のスクリーンの全種類の中で、プリント時のスクリーンやセルサイズとの組合せにおいて最もBERが良好となるものでよい。より一般的に市中に存在するコピー機での複写を考慮する場合には、それら市中のコピー機で用いられている各種スクリーンとの組合せの中で、BERが最良となるものを選ぶことになる。もっとも、市中のコピー機の全機種の全スクリーンを考慮することは現実問題としては極めて困難であるが、全スクリーンを網羅しなくとも代表的なスクリーンをある程度まで考慮すれば、実用上は十分な効果が得られる。
以上の第2のステップの後、第3のステップでは、リストに残っている全組合せの中で、
R=(コピー時の)予測最良BER÷(プリント時の)予測最悪BER …(3)
の値が最大となる組合せを選び出す。このRの値が最大ということは、正規の印刷物に対する複写物のBERの悪化の程度が最も大きいということである。したがって、その組合せに該当するプリント時のスクリーン及びセルサイズを選んで付加情報の埋め込み印刷を行えば、その印刷結果からは付加情報を復号でき、複写物からは正しく復号できない可能性が高い。そこで、この第3のステップで上述のRの値が最大となる組合せを選ぶことで、コピーによる偽造防止に適した画像形成条件、すなわちプリント時に用いるスクリーンと、付加情報を埋め込む際の単位となるセルサイズと、を求めることができる。画像形成条件決定部42は、求めたスクリーンを示す選択信号を入出力部35経由で印字部14に、セルサイズの情報を付加画像生成部45に、それぞれ供給する。また画像形成条件決定部42は、第3ステップで選んだ組合せにおけるプリント時の予測最悪BERを符号化方法決定部43に渡す。
R=(コピー時の)予測最良BER÷(プリント時の)予測最悪BER …(3)
の値が最大となる組合せを選び出す。このRの値が最大ということは、正規の印刷物に対する複写物のBERの悪化の程度が最も大きいということである。したがって、その組合せに該当するプリント時のスクリーン及びセルサイズを選んで付加情報の埋め込み印刷を行えば、その印刷結果からは付加情報を復号でき、複写物からは正しく復号できない可能性が高い。そこで、この第3のステップで上述のRの値が最大となる組合せを選ぶことで、コピーによる偽造防止に適した画像形成条件、すなわちプリント時に用いるスクリーンと、付加情報を埋め込む際の単位となるセルサイズと、を求めることができる。画像形成条件決定部42は、求めたスクリーンを示す選択信号を入出力部35経由で印字部14に、セルサイズの情報を付加画像生成部45に、それぞれ供給する。また画像形成条件決定部42は、第3ステップで選んだ組合せにおけるプリント時の予測最悪BERを符号化方法決定部43に渡す。
以上説明した画像形成条件決定部42で用いた、図5に例示したプリント時の画像形成条件(この例ではスクリーンとセルサイズの組合せ)に対応する予測最悪BERのテーブルと、図6に例示したプリント時の画像形成条件とコピー時の画像形成条件(この例ではスクリーン)との組合せに対する予測最良BERのテーブルは、あらかじめ実験により作成し、画像形成装置1に登録しておく。例えば図5のテーブルは、あらかじめ多くの画像に対しセルサイズを様々に変えて付加情報を埋め込み、埋め込み結果の画像を当該画像形成装置がプリント時に使用可能な各スクリーンで擬似中間調化して印刷し、これら印刷結果をスキャンして埋め込まれた付加情報を復号した際のBER(ビットエラー率)の集合から最も大きな値のBERを予測最悪BERとして登録することで得られる。また、図6のテーブルは、たとえば、図5のテーブルの作成時にプリントした多くのプリント画像をさらに適用可能なコピー時のスクリーンを様々に変更してコピーし、その結果得られた各コピー画像をスキャンして付加情報を復号した際のBERの集合から最も小さな値のBERを予測最良BERとして登録することで得られる。
なお、図5、図6に示したテーブルのかわりに、これらを一つにした図7のようなテーブルを利用してもよい。
また、図5、図6のテーブルには、例としてスクリーン線数を持つ周期型のスクリーンのみを取り上げて説明したが、誤差拡散などのように周期型以外のスクリーンを用いることももちろん可能であり、この場合それら各種スクリーンを用いた場合のエラー率の情報がそれらテーブルに登録され、判定に利用されることになる。
以上説明したように、本実施形態では、プリント時の画像形成条件を決定するに当たり、コピー時の画像形成条件として、コピー結果を読み取って復号したときにビットエラー率が最良になるものを考慮している。これは次のような理由からである。
すなわち、プリント時はプリンタドライバで付加情報の埋め込みに都合のいいスクリーンおよびセルサイズ、すなわち、付加情報埋め込み後に復号が容易となるスクリーンやセルサイズを選択することが可能だが、コピー時のスクリーンはユーザが望むコピー品質により、それに最適なスクリーンが選択されてしまうため、かならずしも付加情報の復号が難しくなるようなスクリーンが選択されるとは限らない。また、悪意をもってコピー時の品質を設定される可能性もある。そのため、たとえコピー時に最も付加情報の復号に悪影響を与えないスクリーンが選択された場合であっても、付加情報の復号を十分難しくする必要がある。そのため、コピー時のスクリーンとの組合せにおいては予測最良エラー率が最も低くなるスクリーンが選択されることを想定しなければならないのである。このような想定の下でプリント時の画像形成条件を選択することで、プリント画像からの復号は容易だが、プリント後にさらにコピーされた画像からの復号を非常に困難にできる。
なお、以上の処理は、上記(3)式で求められる比Rが最大になる画像形成条件の組合せを選んでいたが、この方法では、プリント時の予測最悪BERが非常に小さい値(すなわち復号時のエラーが非常に少ない)であると、コピー時の予測最良BERがそれほど大きい値でなくても比Rの値が非常に大きくなって選ばれてしまうことも起こり得る。コピー時の予測最良BERが十分に大きくない場合は、付加情報が正しく復号可能な程度の品質でコピーされてしまう可能性がある。
このような不具合を避けるには、上述のような比Rに基づく選択処理に代えて、図5及び図6のテーブル(或いは図7)から、プリント時の予測最悪BERが所定の上限以下(これにより印刷物からは付加情報が正しく復号できることが高い確率で保証される)で、かつコピー時の予測最良BERが所定の下限以上(これにより印刷物のコピー結果からは付加情報が正しく復号できないことが高い確率で保証される)となる組合せを選択するという処理を採用すればよい。これら上限及び下限は、実験によりあらかじめ求め、当該画像形成装置1に登録しておけばよい。なお、そのような組合せが複数見つかった場合は、その中でプリント時の予測最悪BERが最も良好(すなわち数値が小さい)なものを選択すれば、プリント品質が最もよくなって好適である。また、複数見つかった組合せの中で、上記の比Rが最も大きくなる組合せを選ぶという方式も可能である。この方式によれば、コピーによる復号耐性の劣化が最も激しい組合せを選ぶことができるので、コピーによる偽造を防止する観点では好ましい。
さて、符号化方法決定部43は、付加情報を印刷処理対象の画像に埋め込む際に好適な、その付加情報の誤り訂正符号の符号化方法を決定する。一例として、ここでは誤り訂正符号の一種であるBCH符号の中から、好適な符号化方法を選択する場合を説明する。
よく知られるように、BCH符号の中には、n(符号長),k(情報ビット長),t(訂正可能なビット数)の3つのパラメータが異なる様々な種類のものがある。この決定処理では、まずそれら複数種類のBCH符号を誤り訂正能力の低い順に並べたリスト(図8参照)を用意する。図8のリストにおいて、「符号化方法」の欄に示される3つの数字の組は、左から順にn(符号長),k(情報ビット長),t(訂正可能なビット数)の各パラメータである。このリスト中のパラメータの組合せが異なる各BCH符号に対し、それぞれ一意な符号識別子が付与されている。このリストはあらかじめ画像形成装置1に登録しておけばよい。次に、このリストの先頭(誤り訂正能力が最も低いもの)から順に1つずつBCH符号を選び、選んだBCH符号が次の条件式を満足するかどうかを判定していく。
予測最悪読み取りエラー率 < 許容読み取りエラー率 …(4)
ここで、許容読み取りエラー確率は、付加情報の復号の際にシステムとして許容できる読み取りエラーの確率であり、これは判定のためのしきい値としてあらかじめ当該画像形成装置1に登録されている。なお、上述のビットエラー率(BER)はビットの値を誤認識する率であったのに対し、ここでの読み取りエラー率は、付加情報全体での読み取り誤りの率である。一方、予測最悪読み取りエラー率は、付加情報を埋め込んでプリントしたプリント結果から付加情報を読み取る場合の、予測される最悪の読み取りエラー率である。この予測最悪読み取りエラー率は以下のようにして求めることができる。
すなわち、1つの符号語が正しく復号できる確率Pcは、画像形成条件決定部42で選択されたプリント時のスクリーンおよびセルサイズの組合せに対応する予測最悪BER(ここではこの値をρとする)を用いて、次式(5)で表せる。
ここで、ρの値は画像形成条件決定部42から与えられており、n,tの値は符号化方法リスト(図8)から1つのBCH符号化方法を選択した段階で一意に決定されるので、この確率Pcは計算できる。
また、埋め込むべき付加情報の情報量をすべて印刷処理対象の画像に埋め込むためのに必要な符号語の数をM個とすると、Mは次の式(6)を満たす必要がある。
付加情報の情報量<k×M …(6)
符号語の数はその条件を満足する最小限の値でよい。ここで、付加情報の情報量は、埋め込むべき付加情報が与えられていれば分かり、またkはBCH符号のパラメータなので図8のリストから符号化方法を選んだ段階で決まっているので、この条件を満足する最小のMを求めることができる。
このとき、予測最悪読み取りエラー率は、
1−PcM …(7)
となる。すなわち、PcMは、付加情報全体を表現するM個の符号語が全て正しく復号できる確率なので、(7)式はM個の符号語うちの1つ以上が正しく復号できない(言い換えれば付加情報が全体として正しく復号できない)確率を示している。
1−PcM …(7)
となる。すなわち、PcMは、付加情報全体を表現するM個の符号語が全て正しく復号できる確率なので、(7)式はM個の符号語うちの1つ以上が正しく復号できない(言い換えれば付加情報が全体として正しく復号できない)確率を示している。
上述の(4)式の判定では、このように求めた予測最悪読み取りエラー率が、あらかじめ設定された許容読み取りエラー率より小さいかどうかを判定しているわけである。(4)式の条件が満足されれば、その時選んでいるBCH符号は、プリント結果から付加情報を許容読み取りエラー率の範囲で読み取れる符号化方法であるということになる。
本実施形態では、符号化方法決定部43は、上述の如く図8の符号化方法リストにおいて誤り訂正能力の低い符号化方法から順に選び、(4)式の判定を行っているが、その処理の流れのなかで最初に(4)式を満足したときの符号化方法を、付加情報の埋め込みの際に使用する符号化方法と決定する。このような処理によれば、付加情報をプリント時の許容読み取りエラー率以下のエラー率で読み取ることができる範囲内で、最も誤り訂正能力の低い符号化方法を選択することができる。誤り訂正能力が低いほど、コピー結果が復号しにくくなるので、プリント時の許容読み取りエラー率を満足する範囲内で誤り訂正能力が低い符号化方法を選択することは、偽造防止の観点で好適である。また、誤り訂正能力が低いと言うことは、言い換えれば符号化効率のよい(すなわち同じビット数でより多くの情報を表現できる)ということなので、このような決定の仕方をすれば、最も多くの情報を埋め込むことができる符号化方法を採用することができる。
こうして決定された符号化方法は、プリント後の復号時に予測最悪BERに対応するビットエラーが発生していた場合であっても、読み取りの際のエラー率が許容読み取りエラー率を超えることはない。その一方、このプリント結果をさらにコピーした後の画像からでは、その予測最良BERは予測最悪BERと比較して十分大きくなっており、この符号化方法の訂正能力はこのエラー率に対応できないため、コピー画像からの復号を非常に難しくできる。
以上では、誤り訂正符号としてBCH符号を例に上げたが、これに限らず、リードソロモン符号などの他の誤り訂正符号を用いても、同様の処理が可能である。
符号化方法決定部43は、このように決定した符号化方法の符号識別子を符号化部44に供給する。
符号化部44は、符号化方法決定部43から順次入力された符号化方法に基づいて付加情報を符号化して出力する。また、この符号化部44は、どの符号化方法を用いたかを表す、符号識別子の情報を含む属性情報を生成する。この属性情報は、予め定められた誤り訂正能力の高い符号化方法で符号化される。
具体的に、この符号化部44が生成する符号列の論理的なフォーマットの例は、図9に示すようなものとなる。すなわち、この論理的フォーマットには、先頭部分から順に、符号識別子を含む属性情報Cと、付加情報Dとが含まれている。属性情報Cには、付加情報Dのビット数と、符号識別子などの情報が含まれる。
付加画像生成部45は、属性情報や付加情報を符号化して得られた符号列の入力を符号化部44から受け、さらに画像形成条件決定部42からのセルサイズを受けて、これらに対応する付加画像データを生成する。
具体的には、この付加画像生成部45は、図15に示すように、各符号に対応する複数のパターン画像を作成するパターン画像作成部47と、当該符号列を構成する各符号に対応するパターン画像を選択しつつ出力するパターン選択部48と、選択されたパターン画像を配列するパターン配列部49とを含んでなる。本実施形態では、特許文献1に示される情報埋め込み方式を用いるので、付加画像生成部45での付加画像の生成方式も、特許文献1に示されるものと同様のものでよい。以下概説するが、詳細な手法については適宜特許文献1を参照されたい。
パターン画像作成部47は、各符号に対応する、複数のパターン画像のデータを作成して出力する。具体的には、このパターン画像作成部47が出力するパターン画像は、求められたセルサイズに基づいて図16(A),(B)のようにセル中央を通る縦横2つのエッジにより分割された4つの領域に“+1”および“−1”を配置し、これら各画素に対して上述の(1)又は(2)式で求められる値の分布を乗じる。図16はセルサイズが8×8の例で、この場合の埋め込みパターンは図15のようになる。
パターン選択部48は、付加情報の符号化結果である符号列(すなわちこの例では0と1からなる列)を参照しながら、パターン画像作成部47が出力する複数のパターン画像のうち、符号列に含まれる各符号(すなわち1又は0)に対応するパターン画像を順次(符号列の順に)選択して出力する。
パターン配列部49は、パターン選択部48が出力した各符号に対応するパターン画像を、印刷処理対象となった画像データ内に配列する。たとえば配列の順序は、図11に示すように、ラスタスキャンと同じ順(左から右へ走査して得たラインを、上から下へ走査する順)であってもいいし、あらかじめ定まった順序でスクランブルされていてもよい。但し、いずれの場合も、このパターン配列部49は、生成したパターン画像の各行、及び/又は各列の所定位置(例えばそれらの先頭)に、所定の符号(又は符号列)からなる同期パターンを形成する。この同期パターンは、復号時の処理で埋め込み符号の位置基準を求めるのに用いられる。このようにしてパターン配列部48では、各符号のパターン画像を所定の配列順で配列した画像が得られる。これが埋め込むべき付加情報に対応する付加画像であり、付加画像生成部45の出力となる。
合成部46は、付加画像生成部45が生成した付加画像を、印刷処理対象となった画像データ上の対応する領域に合成する。すなわち、合成部46は、記憶部32に格納されている印刷処理対象の画像データの各画素の画素値に、付加画像中の対応する画素の画素値を加算して出力する。ここで加算値が画素値の最大値(例えば255)を超えたときには、その値を最大値に設定し、加算値が画素値の最小値(例えば0)を下回ったときには、その値を最小値に設定する。合成部45の合成の結果生成される画像は、付加情報が埋め込まれた画像となる。
制御部31は、こうして付加画像を合成した後の画像データを、プリンタドライバの処理により、入出力部35を介して印字部14に出力すると同時に、最適なスクリーン選択信号も入出部35を通して印字部14に出力する。そして印字部14が、当該画像データの入力を受けて、画像データによって表される画像を、用紙等の媒体上に形成することとなる。
このようにして作成された印刷物は、合成した画像データから直接印刷したものなので正しく付加情報が復号できるが、その印刷物をコピーした複写物からはその付加情報は復号されにくい。
[復号の処理]
次に、こうして媒体上に形成された画像から付加情報を復号する方法について説明する。この復号の方法は、特許文献1の手法に沿ったものなので、ここでは簡単に説明するに留める。詳細は特許文献1を参照されたい。
次に、こうして媒体上に形成された画像から付加情報を復号する方法について説明する。この復号の方法は、特許文献1の手法に沿ったものなので、ここでは簡単に説明するに留める。詳細は特許文献1を参照されたい。
ここでの付加情報を復号する装置も、図1に示した画像形成装置を用いて実現できる。すなわち、スキャナ11で、媒体上に形成された画像を読み取って画像データを得、この画像データをプリント制御部13において処理して復号を行えばよいので、以下、図1に示した画像形成装置を用いて復号の処理を行う場合を例として説明する。
この復号の処理を行うためのプリント制御部13中の制御部31のプログラムは、機能的には図12に示すように、画像データ保持部51と、傾き補正部52と、セルサイズ推定部53と、セル位置検出部54と、付加情報識別部55と、付加情報復号部56とを含む。
スキャナ11にて読み取られた画像データは、画像データ保持部51によって記憶部32内に保持される。なお、ここでスキャナ11から入力される画像データに圧縮が行われているときには、当該圧縮された画像データを、元の画像データ(ビットマップのデータ)に伸長ないし復元する。傾き補正部52は、広く知られた方法によって、画像データ保持部51が保持している画像データの傾きを補正する。
セルサイズ推定部53は、傾き補正後の画像データから付加画像の単位であるセルのサイズを推定する。具体的に付加画像が図15に示したような、エッジを含むものである場合、このエッジを検出することにより、エッジ間隔に基づいてセルサイズを推定する。すなわち、画素値が急激に変化する高周波成分のみを抽出したエッジ抽出画像を生成し、このエッジ抽出画像に関する自己相関関数のピーク位置からセルサイズを推定する。この処理により、印刷時の印刷条件によりセルサイズが可変であっても、復号処理を遂行できるようになっている。また、印刷から読み取りまでの過程で画像データのサイズが変化し、セルのサイズが変化した場合でも、復号処理を遂行できるようになっている。
セル位置検出部54は、推定されたセルサイズに基づき、画像データから付加画像を表す各パターンの位置(すなわちセルの位置)を検出する。このセル位置の検出は、例えば、図16に示した各符号を表すパターン画像のうち、いずれか一方のパターン画像における極性情報(図16(A)又は(B)を参照)に対応して、例えば「−1」を黒、「1」を白とした2値パターンを生成し、これをマスクとしてセルサイズに従ってマトリクス状に配列したマスク画像データを生成する。そしてマスク画像データと、画像データ保持部51で保持している画像データとの間で相関演算を行い、当該相関演算の結果が極大又は極小となる点を抽出し、それらを画像データの水平、垂直方向に投影する。すると、図16に示したようにパターン画像中央部に2つのエッジの交点がある場合、略中央部に相関演算結果の極大、極小が現れるので、当該極大極小位置の投影位置を中心として、推定して得たセルサイズの±1/2だけ水平又は垂直方向に移動した位置がセル間の境界位置として画定できることとなる。
なお、ここでいずれか一方のパターン画像に対応するマスク画像を生成しているだけなのは、図16のパターン画像は、その極性が互いに逆となっているからである。
付加情報識別部55は、後述する付加情報復号部56によって制御され、セルサイズ推定部53とセル位置検出部54とによって、その位置及び大きさが推定されたセルに埋め込まれている付加画像を識別する。具体的に、この付加画像の識別は次のように、パターンに含まれるエッジに沿った線で分割された、4つの領域の画素値の総和の大小関係に基づいて行う。
図15のパターン画像は、その中心部を通過し、水平・垂直の各方向に直交するエッジによって4つの領域に分割されているので、これに対応して付加情報識別部55は、セルサイズ推定部53及びセル位置検出部54によって画定された各セルに含まれるセル画像のそれぞれを、図13(a)に示すような領域R1からR4に分割し、各領域R1からR4内のそれぞれの画素値の合計(SP1からSP4)を算出する。なお、セルの幅や高さが奇数である場合は、図13(b)に示すように、セルの中心を通り、高さ方向(幅が奇数の場合)並びに幅方向(高さが奇数の場合)に延びる画素を除いて、上述の領域R1からR4に分割すればよい。
そして、このSP1からSP4の大小関係からそのセルに合成されているパターン画像が表す符号が「1」であるか「0」であるか(又は判別不能となっているか)を判定する。具体的には、
(ア)((SP1>SP2) && (SP1>SP4) && (SP3>SP2) && (SP3>SP4))であれば、符号は「1」である。なお、「&&」は、AND条件、すなわち前後の条件を「且つ」で結んだ条件を意味する。
(イ)(ア)でなく、((SP2>SP1) && (SP3>SP2) && (SP4>SP1) && (SP4>SP3))であれば、符号は「0」である。
といったように、複数の条件を適合することによってセル内に合成されているパターン画像が表す符号の判定が行われる。
(ア)((SP1>SP2) && (SP1>SP4) && (SP3>SP2) && (SP3>SP4))であれば、符号は「1」である。なお、「&&」は、AND条件、すなわち前後の条件を「且つ」で結んだ条件を意味する。
(イ)(ア)でなく、((SP2>SP1) && (SP3>SP2) && (SP4>SP1) && (SP4>SP3))であれば、符号は「0」である。
といったように、複数の条件を適合することによってセル内に合成されているパターン画像が表す符号の判定が行われる。
図14(a)は、付加情報識別部55におけるパターン画像の識別処理の一例を表す説明図である。この図14(a)では、比較的値の小さい側にハッチングを施している。パターン画像の合成前のセル内の画素がどこも略同じ値(いわば画像が平坦)など、一定の値の範囲にあるのであれば、符号「1」を表すパターン画像を合成した場合には、R1とR3との部分での画素値が大きくなり、R2とR4との部分での画素値が小さくなるので、印刷やスキャンを経た後でも((SP1>SP2) && (SP1>SP4) && (SP3>SP2) && (SP3>SP4))の条件が成立している蓋然性が高く、上記の条件による判断が可能となっているのである。
なお、処理対象画像データに高周波成分が含まれ、これがいずれかのセル内にある場合、このセルでは、付加画像の合成後の画素値が、上記条件を満足しているとは限らないことになる。そこで、例えば図14(b)に示すように、セル上部の画素値が比較的小さい値であり、セル下部の画素値が比較的大きい値であったような場合に対応して、上記条件(ア)でも(イ)でもなく、((SP1>SP4) && (SP3>SP2) && (SP3>SP4))が成り立っている場合、そのセル内のパターン画像は符号「1」を表すものであると判定してもよい。同様に、セル上部の画素値が比較的大きい値であり、セル下部の画素値が比較的小さい値であったような場合や、セルの左右で画素値の高低が変化する場合等に対応して、それぞれ条件を定めてもよい。
付加情報識別部55は、こうして各セルを順次ラスタスキャンの順に識別し、対応する符号を順次出力していく。
付加情報復号部56は、付加情報識別部55が順次出力する符号の列に基づいて付加情報を復号して出力する。具体的にこの付加情報復号部56は、まず付加情報識別部55が出力する符号列から、同期パターンに相当する部分を検出する。例えば同期パターンが、付加画像データの合成された領域の1行目と1列目と(先頭列及び先頭行)に符号「1」を連続させたものである場合、当該部分は符号「1」の連続する部分として検索することができる。また、縦方向の境界も、縦方向に符号「1」の連続する部分として検索することができる。こうして、付加情報複号部56は、付加情報識別部55が出力する符号列を、パターンの配列された順序に並べ替える。
次に付加情報復号部56は、並べ替えた後の符号列の先頭から複号を開始する。すなわち、本実施の形態では、この符号列の先頭は、属性情報となっているので、この属性情報を符号化した部分について、予め定められた(属性情報の)符号化方法に対応する復号方法で復号を行い、そこに含まれる符号識別子Cを取得する。
その後、この付加情報復号部56は、当該符号識別子Cによって示される符号化方法に対応する複号方法で、属性情報の後に引き続く付加情報部分Dを復号することになる。
[変形例]
ここまでの説明では、付加画像の埋め込み強度は予め設定されたもの(標準強度)を使っていたが、図17に示すような埋め込み強度を変化させた場合の予測最悪BERならびに予測最良BERを保持したテーブルを各コピー用スクリーン、プリント用スクリーン、選択セルサイズの組合せ毎に、あらかじめ実験などで作成しておき、これを記憶部32に記録しておくことで、埋め込み時の最適なスクリーン、セルサイズに加えて、最適な埋め込み強度を決定することができる。
ここまでの説明では、付加画像の埋め込み強度は予め設定されたもの(標準強度)を使っていたが、図17に示すような埋め込み強度を変化させた場合の予測最悪BERならびに予測最良BERを保持したテーブルを各コピー用スクリーン、プリント用スクリーン、選択セルサイズの組合せ毎に、あらかじめ実験などで作成しておき、これを記憶部32に記録しておくことで、埋め込み時の最適なスクリーン、セルサイズに加えて、最適な埋め込み強度を決定することができる。
具体的には、最適なスクリーンおよびセルサイズはすでに説明した手段により決定されるが、場合によっては、選択された最適なスクリーンおよびセルサイズの組合せでは、それほど、前述の式(3)による比Rの値が大きくならず、かつ予測最悪BERの値が予め設定してある閾値と比較して十分に小さい場合がある。これはプリント後の復号が想定以上に容易でかつ、プリントおよびコピー後の画像の復号が必ずしも難しいとは言えない状況である。これに対処する方法として、比ではなく、プリント時の予測最悪BERが所定上限以下で、かつコピー時の予測最良BERが所定下限以上になるように画像形成条件の組合せを選択する方式を既に説明したが、ここでは付加画像の埋め込み強度を変えることで同様の目的を達成する例を説明する。
すなわち付加画像パターン作成時の強度を標準で設定してある強度よりも小さくすれば、プリント後の復号は標準強度で作成した時と比べてやや難しくなるが、プリントおよびコピー後の復号はかなり難しくなる。
すなわち、図17のテーブルから予め設定してある閾値を越えない最も大きな予測最悪BERを持つ埋め込み強度で付加画像パターンを作成すれば、プリント後の復号を可能としたままプリントおよびコピー後の復号をよりいっそう難しくすることできる。
なお、プリント時の予測最悪BERが所定上限以下で、かつコピー時の予測最良BERが所定下限以上になるように画像形成条件の組合せを選択する方式を採用した場合でも、標準の埋め込み強度では、プリント時の画像形成条件として使用可能などのセルサイズ及びスクリーンの組合せを用いても、コピー時の予測最良BERが所定下限以上にならない場合も考えられる。このような場合にも、各コピー用スクリーン、プリント用スクリーン、選択セルサイズの組合せ毎についての図17のテーブルの中から、予測最悪BERが所定上限以下で、かつコピー時の予測最良BERが所定下限以上になるように画像形成条件の組合せを求め、その組合せに対応する埋め込み強度を採用することで、目的を達成することができる。
また、以上の例では、付加情報を埋め込んだ画像を印刷する際の画像形成条件としてスクリーンとセルサイズを挙げ、複写する際の画像形成条件としてスクリーンを挙げた。これらは、印刷画像や複写画像の微細構造に大きな影響を与えるため、復号可能性の点では非常に重要な因子である。ただし、本実施の形態の方式で考慮する画像形成条件は、これらに限られるわけではない。例えばこの他にも、印刷時や複写時にその対象となる画像が画像形成装置内で不可逆圧縮されて伝送又は蓄積され、それを伸長して印刷乃至複写することもあり、このときの不可逆圧縮の方式や圧縮率などは印刷や複写の画質に影響を与える。したがって、圧縮方式や圧縮率等の条件をスクリーン等の条件と同様に考慮し、印刷時に適切な条件を選択するようにすることも好適である。
また、以上の例では、図5及び図6(或いは図7)に示したような内容のテーブルを画像形成装置1内に登録しているものとして説明したが、これらのテーブルの内容は更新可能とすることが好適である。すなわち、例えば市中には随時新機種のコピー機が投入されるが、その新機種が既に本実施形態の画像形成装置1で考慮しているコピー時のスクリーンよりも精細な画像形成が可能なスクリーンを搭載している場合、本実施形態の画像形成装置で付加情報を埋め込んだ印刷物を、その新機種のコピー機でコピーすると、付加情報が復号できる場合が出てくる。このような不具合をなくすためには、例えばその画像形成装置1のメーカーなどが、その新機種が使用可能なスクリーン等の画像形成条件で複写したときのビットエラー率を追加したテーブル(図6のテーブルの更新版)を作成し、これによりその画像形成装置1が持つテーブルを更新するようにする。更新は、メーカー等のサービス作業員が行ってもよいし、画像形成装置1がインターネット等のデータ通信ネットワークに接続されている場合は、そのネットワークを介してダウンロードして更新するようにしてもよい。
また、以上の例では、画像形成装置1が、図5及び図6(或いは図7)に示したような内容のテーブルに基づき、合成画像のプリント時に用いる画像形成条件を選択したが、このような方式の代わりに、例えば、あらかじめ上記と同様の方式で当該画像形成装置1が合成画像のプリント時に用いるのに適した画像形成条件(例えばスクリーンとセルサイズ)を求めて、これを画像形成装置1の記憶装置に、埋め込み印刷時の画像形成条件として登録しておくことも好適である。すなわち、この場合、画像形成装置1のプリント制御部13は、付加情報の埋め込み印刷の指示を受けた場合に、このあらかじめ登録された画像形成条件を用いて付加情報の埋め込み印刷を実行する。
11 スキャナ、12 コピー制御部、13 プリント制御部、14 印字部、21 コピー制御部の制御部、22 コピー制御部の記憶部、23 コピー制御部の操作部、24 コピー制御部の表示部、25 コピー制御部の入出力部、31 プリント制御部の制御部、32 プリント制御部の記憶部、33 プリント制御部の操作部、34 プリント制御部の表示部、35 プリント制御部の入出力部、41 画像形成条件取得部、42 画像形成条件決定部、43 符号化方法決定部、44 符号化部、45 付加画像生成部、46 合成部、47 パターン画像作成部、48 パターン選択部、49 パターン配列部、51 画像データ保持部、52 傾き補正部、53 セルサイズ推定部、54 セル位置検出部、55 付加情報識別部、56 付加情報復号部。
Claims (9)
- 印刷処理対象の画像データに対して埋め込み対象の付加情報に基づく付加画像データを合成して合成画像データを生成し、その合成画像データを印刷する画像形成装置であって、
当該画像形成装置が印刷時に使用可能な各印刷時画像形成条件ごとに、当該印刷時画像形成条件で合成画像データを印刷した印刷結果から付加情報を復号した場合のエラー率を取得する印刷エラー率取得手段と、
それら各画像形成条件での合成画像データの印刷結果を所定想定範囲の各複写時画像形成条件で複写した複写結果、から付加情報を復号した場合のエラー率を取得する複写エラー率取得手段と、
合成画像データを印刷する際の印刷時画像形成条件を選択する選択手段であって、該印刷時画像形成条件で合成画像データを印刷した印刷結果から付加情報を復号した場合のエラー率が所定の許容エラー率より低く、かつその印刷結果を所定想定範囲の各複写時画像形成条件で複写した複写結果から付加情報を復号した場合のエラー率がいずれも所定の許容エラー率より高くなるという判定条件、を満足する印刷時画像形成条件を選択する選択手段と、
選択手段で選択された印刷時画像形成条件に従って合成画像データを印刷する印刷手段と、
を備える画像形成装置。 - 印刷処理対象の画像データに対する付加画像データの埋め込み強度を設定する埋め込み強度設定手段を更に備え、
前記印刷エラー率取得手段及び記複写エラー率取得手段は、付加画像データを強度設定手段で設定可能な各埋め込み強度で埋め込んで合成画像データを作成した場合についてのエラー率をそれぞれ取得し、
前記選択手段は、各埋め込み強度での印刷結果及び複写結果のエラー率のなかから、前記判定条件を満足する印刷時画像形成条件を選択するとともに、前記埋め込み強度設定手段に対し、選択した印刷自画像形成条件に対応する埋め込み強度を設定させる、
ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。 - 前記埋め込み対象の付加情報を誤り訂正符号化した上で付加画像データへと変換し、印刷処理対象の画像データに対して合成する符号化手段と、
前記選択手段で選択された印刷時画像形成条件に対応するエラー率の情報に基づき、前記付加情報全体が所定の許容読み取りエラー率以下のエラー率で読み取れるよう、符号化手段の符号化方法を選択する符号化方法選択手段、
を更に備える請求項1又は2に記載の画像形成装置。 - 前記印刷時画像形成条件は、印刷時における画像データの擬似中間調化のためのハーフトーンスクリーンの種類を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記複写時画像形成条件は、複写時における画像データの擬似中間調化のためのハーフトーンスクリーンの種類を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 埋め込み対象の付加情報を符号化し、この結果得られる符号列の各符号に対応するパターン画像を所定の順序で配列することにより付加画像データを生成する付加画像生成手段を備え、
それらパターン画像の各々は、当該パターン画像内の画素値の総和が略所定の値になるよう設定され、かつ互いに異なる符号に対応付けられた種類のパターン画像同士について、対応する画素値を加算したときに、略前記所定の値になるよう設定された画像であって、各パターン画像は、その略中央を通る複数の仮想的な境界線の両側に相当する画素値が互いに、不連続となるよう設定されている、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記パターン画像は、さらに当該パターン画像の持つ画素値の絶対値は中心で最も大きく、中心から離れるほど小さくなるという特徴を有していることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
- 前記印刷時画像形成条件は、前記パターン画像のサイズを含むことを特徴とする請求項6又は7に記載の画像形成装置。
- 印刷処理対象の画像データに対して埋め込み対象の付加情報に基づく付加画像データを合成して合成画像データを生成し、その合成画像データを印刷する情報埋め込み印刷を実行可能な画像形成装置であって、
情報埋め込み印刷における画像形成条件を記憶した埋め込み印刷条件記憶手段であって、該画像形成条件は、当該画像形成装置が印刷時に使用可能な画像形成条件のうち、該画像形成条件で合成画像データを印刷した印刷結果から付加情報を復号した場合のエラー率が所定の許容エラー率より低く、かつその印刷結果を所定想定範囲の各複写時画像形成条件で複写した複写結果から付加情報を復号した場合のエラー率がいずれも所定の許容エラー率より高くなるという条件を満足するように選ばれたものである、埋め込み印刷条件記憶手段と、
情報埋め込み印刷の指示を受けた場合に、前記埋め込み印刷条件記憶手段に記憶された情報埋め込み印刷における画像形成条件を用いて情報埋め込み印刷を行う手段と、
を備える画像形成装置。
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004356562A Pending JP2006166201A (ja) | 2004-12-09 | 2004-12-09 | 画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006166201A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008023691A1 (fr) * | 2006-08-22 | 2008-02-28 | Toppan Printing Co., Ltd. | ÉlÉment imprimé, dispositif de traitement d'image, dispositif d'évaluation vraie/fausse de élément imprimé, procédé de traitement d'image, procédé et programme de détermination vraie/fausse de élément imprimé |
US7818652B2 (en) | 2006-12-15 | 2010-10-19 | Canon Kabushiki Kaisha | Image forming system, image processing apparatus, determination device, and image processing method |
-
2004
- 2004-12-09 JP JP2004356562A patent/JP2006166201A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008023691A1 (fr) * | 2006-08-22 | 2008-02-28 | Toppan Printing Co., Ltd. | ÉlÉment imprimé, dispositif de traitement d'image, dispositif d'évaluation vraie/fausse de élément imprimé, procédé de traitement d'image, procédé et programme de détermination vraie/fausse de élément imprimé |
US8452044B2 (en) | 2006-08-22 | 2013-05-28 | Toppan Printing Co., Ltd. | Printed matter, image processing apparatus, printed matter authenticity determination apparatus, image processing method, printed matter authenticity determination method, and program |
US7818652B2 (en) | 2006-12-15 | 2010-10-19 | Canon Kabushiki Kaisha | Image forming system, image processing apparatus, determination device, and image processing method |
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