以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
以下、本発明の第1実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態において用いた、電位制御可能な第1の電極の一例としての平面電極部1を搭載したプラズマ源900を含むプラズマ処理装置の斜視図を示し、図2は、図1の平面PPで切った断面図を示す。図1〜図2より、平面電極部1の内部にはガス流路2と多数のガス供給穴3が形成されており、平面電極部1とは絶縁体4で電気的に絶縁されたガス供給装置5より、ガス流路2、ガス供給穴3を経由して、一例としてSi又は石英などの基板などの被処理物6に対してほぼ垂直にガスを供給できる。プラズマ源と対向であり、且つ、チャックや公知の把持機構などで構成される被処理物把持装置800で支持されている(他の実施形態でも同様に支持されている)被処理物6を間に挟む位置に配線25を経由し電位制御した電極として(電位制御可能な第2の電極の一例としての)接地電極7を配置し、ガス供給装置5よりガスを供給しつつ、電力供給装置の一例としての高周波電源8より平面電極部1に対して13.56MHzの高周波電力を供給することにより、局所的なプラズマ空間PAにプラズマを発生させ、被処理物6をプラズマ処理することができる。プラズマ源と被処理物6の距離aは0.5mmである。また、平面電極部1の被処理物6と対向する面は一辺が50mmの正方形であり、接地電極7の被処理物6と対向する面は一辺が5mmの正方形である。電位制御した第2の電極(接地電極7)の被処理物6と重なる面の面積は、被処理物6の面積よりも小さくなっている。このように、電位制御した第2の電極の被処理物6と重なる面の面積が、被処理物6の面積よりも小さい場合に、本実施形態は格別の効果を奏する。もし、電位制御した第2の電極の被処理物6と重なる面の面積が、被処理物6の面積以上であると、プラズマが発生する範囲を第2の電極の配置によって制御することが不可能となるためである。
プラズマ源は数Paから数気圧まで動作可能であるが、典型的には10000Paから3気圧程度の範囲の圧力で動作する。とくに、大気圧付近での動作は、厳重な密閉構造や特別な排気装置が不要であるとともに、プラズマや活性粒子の拡散が適度に抑制されるため、とくに好ましい。ガスとして、Heを1000sccm、SF6を10sccm供給し、高周波電力を100W供給する条件にて被処理物6として石英に対してプラズマ処理としてエッチングを行ったところ、局所的なプラズマ空間PAにのみプラズマが発生し、所望のパターンに対してエッチングが行えた。この時、プラズマ空間PAの被処理物6に平行な断面は、ほぼ5mm角の正方形であった。
図2のプラズマ処理装置において、図40に示されるように、接地電極7を被処理物6から引き離す装置を備えるようにしてもよい。すなわち、この引き離す装置は、接地電極7と連結された絶縁体200と、絶縁体200に連結された支柱201と、支柱201に連結されかつ支柱201を昇降させることにより絶縁体200と接地電極7とを一体的に昇降可能とする空気圧シリンダなどの昇降装置202とより構成され、ガス供給装置5と高周波電源8とを動作制御する制御装置1000により、昇降装置202の昇降動作を制御可能としている。よって、制御装置1000の制御の元に、高周波電源8をONしたままで昇降装置202により接地電極7を被処理物6から引き離したり被処理物6に近づけるようにすれば、高周波電源8をON/OFFしたときと同様の効果が得られる。また、制御装置1000の制御の元に、高周波電源8をOFFにするか、接地電極7を被処理物6から引き離した後、以下に説明する図3及び図41のように、被処理物6の所望の位置に移動させると、不連続なパターンを被処理物6に描画することができる。
なお、本発明の第1実施形態において、図3に示すようにプラズマ処理中に接地電極7を被処理物6に対して平行に移動させることで、局所的なプラズマ空間PAで発生しているプラズマも接地電極7に追随して平行移動し、所望のパターンに対してエッチングが行えた。
図3の接地電極7を被処理物6に対して平行に移動させる移動装置を図41に示す。図41において、204は、昇降装置202の機能を有しかつ接地電極7を被処理物6に対して平行に移動させるリニアスライダ機構などを有する下側移動装置、205は下側移動装置204の移動を案内するレールである。また、206はガス供給装置5と連結された絶縁体、207は絶縁体206に連結された支柱、208は支柱207に連結されかつ支柱207を昇降させることにより、絶縁体206と、ガス供給装置5などのプラズマ源900とを一体的に昇降可能とする空気圧シリンダなどの昇降装置の機能を有するとともに、さらに、ガス供給装置5などのプラズマ源900を被処理物6に対して平行に移動させるリニアスライダ機構などを有する上側移動装置である。ガス供給装置5と高周波電源8とを動作制御する制御装置1000により、下側移動装置204と上側移動装置206との動作を制御して、制御装置1000の制御の元に、プラズマ処理中に接地電極7を被処理物6に対して平行に移動可能として、局所的なプラズマ空間PAで発生しているプラズマも接地電極7に追随して平行移動し、所望のパターンに対してエッチングが行えるようにしている。
また、本発明の第1実施形態において、図4に示すように接地電極7の被処理物6と対向する面を大きくし、10mm角の正方形にしてプラズマ処理としてエッチングしたところ、局所的なプラズマ空間PAが被処理物6に発生し、所望のパターンに対してエッチングが行えた。この時、プラズマの平行な断面は、ほぼ10mm角の正方形であった。
また、本発明の第1実施形態において、図5に示すように接地電極7−aと接地電極7−bを2つ同時に配置してプラズマ処理としてエッチングしたところ、局所的なプラズマ空間PAとPAの2箇所にのみプラズマが発生し、所望のパターンに対してエッチングが行えた。
なお、電位制御した第2の電極(接地電極7−aと接地電極7−bのそれぞれ)の被処理物6と重なる面の面積は、被処理物6の面積よりも小さくなっている。また、複数の電位制御した第2の電極(接地電極7−aと接地電極7−bのそれぞれ)は、互いに為す距離をプラズマ源と被処理物6の為す距離より大きくする。図7のプラズマ処理装置において、図42に示されるように、接地電極7−a及び接地電極7−bをそれぞれ独立的に被処理物6から引き離す装置を備えるようにしてもよい。すなわち、接地電極7−aに対する引き離す装置は、接地電極7−aと連結された絶縁体210と、絶縁体210に連結された支柱211と、支柱211に連結されかつ支柱211を昇降させることにより絶縁体210と接地電極7−aとを一体的に昇降可能とする空気圧シリンダなどの昇降装置212とより構成される。一方、接地電極7−bに対する引き離す装置は、接地電極7−bと連結された絶縁体210と、絶縁体210に連結された支柱211と、支柱211に連結されかつ支柱211を昇降させることにより絶縁体210と接地電極7−bとを一体的に昇降可能とする空気圧シリンダなどの昇降装置212とより構成される。ガス供給装置5と高周波電源8とを動作制御する制御装置1000により、それぞれの昇降装置212,212の昇降動作を独立して制御可能としている。よって、制御装置1000の制御の元に、高周波電源8をONしたままでそれぞれの昇降装置212により接地電極7−a,7−bを被処理物6からそれぞれ独立して引き離したり被処理物6に近づけるようにすれば、高周波電源8をON/OFFしたときと同様の効果が得られる。また、制御装置1000の制御の元に、高周波電源8をOFFにするか、接地電極7−a,7−bを被処理物6からそれぞれ独立して引き離した後、図3及び図41のように、被処理物6の所望の位置にそれぞれ独立して移動させると、不連続なパターンを被処理物6に描画することができる。
本発明の第1実施形態において、平面電極部1を搭載したプラズマ源により、被処理物6を挟んでプラズマ源と対向となる位置に配置させる接地電極7の形状、位置、個数によって被処理物6として用いた石英基板上に任意形状のプラズマ処理としてのエッチングを施すことが可能であることが分かった。
このように電位制御した電極のサイズや位置によって、プラズマのサイズや発生する位置が変化する理由を説明する。圧力が大気圧程度まで高くなると、荷電粒子の平均自由行程が極めて小さくなることが考えられる。このため、放電開始電圧が大きくなる、放電が維持しにくくなる、プラズマが広がりにくくなる、という特徴を有する。従って、高周波を印加したプラズマ源近傍に電位制御した電極を配置することでプラズマ源と電位制御した電極間に電界が集中し、局所的にプラズマを発生させることができたと考えられる。
次に、本発明の第2実施形態について、図6〜図10を参照して説明する。
図6は、本発明の第2実施形態において用いた、ナイフエッジ電極部9を搭載したプラズマ源を含むプラズマ処理装置の斜視図を示し、図7は、図6の平面PPで切った断面図を示す。図6〜図7より、ナイフエッジ電極部9と板面が互いに平行となる位置に絶縁板10、11を配置し、ガス供給装置5よりガス流路12を経由して被処理物6に対してほぼ垂直にガスを供給できる。プラズマ源と対向となり、且つ被処理物6を間に挟む位置に配線25を経由し電位制御した電極として接地電極7を配置し、ガス供給装置5よりガスを供給しつつ、高周波電源8よりナイフエッジ電極部9に対して13.56MHzの高周波電力を供給することにより、局所的なプラズマ空間PAにプラズマを発生させ、被処理物6をプラズマ処理することができる。プラズマ源と被処理物6の距離bは0.5mmであり、ナイフエッジ電極部9、絶縁板10、11、の幅cは共に1mm、ガス流路12の幅dは0.1mm、ナイフエッジ電極部の切っ先部eの鋭角は60°である。また、ナイフエッジ電極部9と絶縁板10、11の板面は、高さfが50mm、線方向長さgが30mmである。また、接地電極7の被処理物6と対向する面は一辺が5mmの正方形である。
プラズマ源は数Paから数気圧まで動作可能であるが、典型的には10000Paから3気圧程度の範囲の圧力で動作する。とくに、大気圧付近での動作は、厳重な密閉構造や特別な排気装置が不要であるとともに、プラズマや活性粒子の拡散が適度に抑制されるため、とくに好ましい。ガスとして、Heを1000sccm、SF6を10sccm供給し、高周波電力を100W供給する条件にて被処理物6として石英に対してプラズマ処理としてエッチングを行ったところ、局所的なプラズマ空間PAにのみプラズマが発生し、所望のパターンに対してエッチングが行えた。この時、プラズマ空間PAの被処理物6に平行な断面は、幅cがほぼ1mm、線方向長さgがほぼ5mmであった。
なお、本発明の第2実施形態において、図8に示すようにプラズマ処理としてエッチング中に接地電極7を被処理物6に対して平行に移動させることで、局所的なプラズマ空間PAで発生しているプラズマも接地電極7に追随して平行移動し、所望のパターンに対してエッチングが行えた。
図8の接地電極7を被処理物6に対して平行に移動させる移動装置を図43に示す。図43において、220はガス供給装置5と連結された支柱、221は支柱220に連結されかつ支柱220を昇降させることによりガス供給装置5などのプラズマ源900とを一体的に昇降可能とする空気圧シリンダなどの昇降装置の機能を有するとともに、さらに、ガス供給装置5などのプラズマ源900を被処理物6に対して平行に移動させるリニアスライダ機構などを有する上側移動装置、222はは上側移動装置221の移動を案内するレールである。また、230は接地電極7と連結された絶縁体、231は絶縁体230に連結された支柱、232は支柱231に連結されかつ支柱231を昇降させることにより絶縁体230と接地電極7とを一体的に昇降可能とする空気圧シリンダなどの昇降装置の機能を有するとともに、さらに、接地電極7などを被処理物6に対して平行に移動させるリニアスライダ機構などを有する下側移動装置、233は下側移動装置232の移動を案内するレールである。ガス供給装置5と高周波電源8とを動作制御する制御装置1000により、下側移動装置232と上側移動装置221との動作を制御して、制御装置1000の制御の元に、エッチング中に接地電極7を被処理物6に対して平行に移動可能として、局所的なプラズマ空間PAで発生しているプラズマも接地電極7に追随して平行移動し、所望のパターンに対してエッチングが行えるようにしている。
ここで、この実施形態及び先の実施形態などの他の実施形態において、相対的な接地電極7の移動速度の決め方は以下の通りである。被処理物6に対するエッチングすべき深さをD(μm)、接地電極7の移動方向の長さをL(μm)、エッチング速度をR(μm/min)としたとき、接地電極7の移動速度V(μm/min)は、V=L・R/Dを満たすことが好ましい。エッチングした際に下地が現れるような加工においては、V<L・R/Dを満たすようにすればよい。下地に対するエッチング選択比が高ければ、エッチング深さがDよりも極端に大きくなることは避けられる。
また、相対的に接地電極7を被処理物6に対して移動させるとき、接地電極7と被処理物6は接触させたまま移動させてもよい。しかしながら、接触により切削片が生じる場合があるため、所定の距離だけ離すことが好ましい。この場合、その距離は0.01mm〜1mmが望ましい。0.01mm未満の距離を精度良く一定に保つのは極めて困難であり、好ましくない。1mmより大きいと、プラズマ発生領域を正確に制御できなくなり、好ましくない。
また、本発明の第2実施形態において、図9に示すように接地電極7の被処理物6と対向する面を大きくし、10mm角の正方形にしてプラズマ処理としてエッチングしたところ、局所的なプラズマ空間PAが被処理物6に発生し、所望のパターンに対してエッチングが行えた。この時、プラズマの平行な断面は、幅cがほぼ1mm、線方向長さgがほぼ10mmであった。
また、本発明の第2実施形態において、図10に示すように接地電極7−aと接地電極7−bを2つ同時に配置してプラズマ処理としてエッチングしたところ、局所的なプラズマ空間PAとPAの2箇所にのみプラズマが発生し、所望のパターンに対してエッチングが行えた。
本発明の第2実施形態において、ナイフエッジ電極部9を搭載したプラズマ源により、被処理物6を挟んでプラズマ源と対向となる位置に配置させる接地電極7の形状、位置、個数によって被処理物6として用いた石英基板上に任意形状のプラズマ処理としてのエッチングを施すことが可能であることが分かった。
このように電位制御した電極のサイズや位置によって、プラズマのサイズや発生する位置が変化する理由を説明する。圧力が大気圧程度まで高くなると、荷電粒子の平均自由行程が極めて小さくなることが考えられる。このため、放電開始電圧が大きくなる、放電が維持しにくくなる、プラズマが広がりにくくなる、という特徴を有する。従って、高周波を印加したプラズマ源近傍に電位制御した電極を配置することでプラズマ源と電位制御した電極間に電界が集中し、局所的にプラズマを発生させることができたと考えられる。
次に、本発明の第3実施形態について、図11〜図12を参照して説明する。
図11は、本発明の第3実施形態において用いた、平面電極部1を搭載したプラズマ源を含むプラズマ処理装置の斜視図を示し、図12は、図11の平面PPで切った断面図を示す。図11〜図12より、平面電極部1の内部にはガス流路2とガス供給穴3が形成されており、平面電極部1とは絶縁体4で電気的に絶縁されたガス供給装置5より、ガス流路2、ガス供給穴3を経由して被処理物6に対してほぼ垂直にガスを供給できる。プラズマ源と対向であり、且つ被処理物6を間に挟む位置に配線25を経由し電位制御した電極として任意形状の接地電極13を配置し、ガス供給装置5よりガスを供給しつつ、高周波電源8より平面電極部1に対して13.56MHzの高周波電力を供給することにより、局所的なプラズマ空間PAに任意形状のプラズマを発生させ、被処理物6をプラズマ処理することができる。プラズマ源と被処理物6の距離aは0.5mmである。
プラズマ源は数Paから数気圧まで動作可能であるが、典型的には10000Paから3気圧程度の範囲の圧力で動作する。とくに、大気圧付近での動作は、厳重な密閉構造や特別な排気装置が不要であるとともに、プラズマや活性粒子の拡散が適度に抑制されるため、とくに好ましい。ガスとして、Heを1000sccm、SF6を10sccm供給し、高周波電力を100W供給する条件にて被処理物6として石英に対してプラズマ処理としてエッチングを行ったところ、局所的なプラズマ空間PAに任意形状のプラズマが発生し、所望のパターンに対してエッチングが行えた。
本発明の第3実施形態において、平面電極部1を搭載したプラズマ源により、被処理物6を挟んでプラズマ源と対向となる位置に配置させる任意形状の接地電極13によって被処理物6として用いた石英基板上に任意形状のプラズマ処理としてのエッチングを施すことを可能とした。
このように電位制御した電極のサイズや位置によって、プラズマのサイズや発生する位置が変化する理由を説明する。圧力が大気圧程度まで高くなると、荷電粒子の平均自由行程が極めて小さくなることが考えられる。このため、放電開始電圧が大きくなる、放電が維持しにくくなる、プラズマが広がりにくくなる、という特徴を有する。従って、高周波を印加したプラズマ源近傍に電位制御した電極を配置することでプラズマ源と電位制御した電極間に電界が集中し、局所的にプラズマを発生させることができたと考えられる。
次に、本発明の第4実施形態について、図13〜図14を参照して説明する。
図13は、本発明の第4実施形態において用いた、平面電極部1を搭載したプラズマ源を含むプラズマ処理装置の斜視図を示し、図14は、図13の平面PPで切った断面図を示す。図13〜図14より、平面電極部1の内部にはガス流路2とガス供給穴3が形成されており、平面電極部1とは絶縁体4で電気的に絶縁されたガス供給装置5より、ガス流路2、ガス供給穴3を経由して被処理物6に対してほぼ垂直にガスを供給できる。プラズマ源と対向であり、且つ被処理物6を間に挟む位置にドット状の複数の微小電極を有し、選択的に各ドットを接地電位とすることが可能な接地電極ユニット14を配線25を経由し電位制御した電極として配置し、ガス供給装置5よりガスを供給しつつ、高周波電源8より平面電極部1に対して13.56MHzの高周波電力を供給することにより、局所的なプラズマ空間PAに任意形状のプラズマを発生させ、被処理物6をプラズマ処理することができる。プラズマ源と被処理物6の距離aは0.5mmである。なお、接地電極ユニット14内には、リレー等のスイッチング素子が内包させており、選択的に接地電位とすることができる。
プラズマ源は数Paから数気圧まで動作可能であるが、典型的には10000Paから3気圧程度の範囲の圧力で動作する。とくに、大気圧付近での動作は、厳重な密閉構造や特別な排気装置が不要であるとともに、プラズマや活性粒子の拡散が適度に抑制されるため、とくに好ましい。ガスとして、Heを1000sccm、SF6を10sccm供給し、高周波電力を100W供給する条件にて被処理物6として石英に対してプラズマ処理としてエッチングを行ったところ、接地電極ユニット14により、選択的に任意のドット状微小電極を接地電位とすることで局所的なプラズマ空間PAに接地電位となった任意のドット状微小形状と同等の形状のプラズマが発生し、所望のパターンに対してエッチングが行えた。
本発明の第4実施形態において、平面電極部1を搭載したプラズマ源により、被処理物6を挟んでプラズマ源と対向となる位置に配置させ、ドット状の複数の微小電極を有し、選択的に各ドットを接地電位とすることが可能な接地電極ユニット14によって被処理物6として用いた石英基板上に任意形状のプラズマ処理としてのエッチングを施すことを可能とした。
このように電位制御した電極のサイズや位置によって、プラズマのサイズや発生する位置が変化する理由を説明する。圧力が大気圧程度まで高くなると、荷電粒子の平均自由行程が極めて小さくなることが考えられる。このため、放電開始電圧が大きくなる、放電が維持しにくくなる、プラズマが広がりにくくなる、という特徴を有する。従って、高周波を印加したプラズマ源近傍に電位制御した電極を配置することでプラズマ源と電位制御した電極間に電界が集中し、局所的にプラズマを発生させることができたと考えられる。
次に、本発明の第5実施形態について、図15〜図16を参照して説明する。
図15は、本発明の第5実施形態において用いた、平面電極部1を搭載したプラズマ源を含むプラズマ処理装置の斜視図を示し、図16は、図15の平面PPで切った断面図を示す。図15〜図16より、平面電極部1の内部にはガス流路2とガス供給穴3が形成されており、平面電極部1とは絶縁体4で電気的に絶縁されたガス供給装置5より、ガス流路2、ガス供給穴3を経由して被処理物6に対してほぼ垂直にガスを供給できる。プラズマ源と対向であり、且つ被処理物6を間に挟む位置にドット状の複数の微小電極23aを有し、接地電位とした任意の微小電極23aを選択的に被処理物6に近づけることが可能な移動装置265を有した接地電極ユニット23を配線25を経由し電位制御した電極として配置し、ガス供給装置5よりガスを供給しつつ、高周波電源8より平面電極部1に対して13.56MHzの高周波電力を供給することにより、局所的なプラズマ空間PAに任意形状のプラズマを発生させ、被処理物6をプラズマ処理することができる。プラズマ源と被処理物6の距離aは0.5mmである。
プラズマ源は数Paから数気圧まで動作可能であるが、典型的には10000Paから3気圧程度の範囲の圧力で動作する。とくに、大気圧付近での動作は、厳重な密閉構造や特別な排気装置が不要であるとともに、プラズマや活性粒子の拡散が適度に抑制されるため、とくに好ましい。ガスとして、Heを1000sccm、SF6を10sccm供給し、高周波電力を100W供給する条件にて被処理物6として石英に対してプラズマ処理としてエッチングを行ったところ、移動装置265を有した接地電極ユニット23により、接地電位とした任意の微小電極23aを選択的に被処理物6に近づけることで、近づけた箇所にのみ局所的なプラズマ空間PAにプラズマが発生し、所望のパターンに対してエッチングが行えた。
接地電極ユニット23により、接地電位とした任意の微小電極23aを選択的に被処理物6に近づける移動装置265を図44に示す。図44では、理解しやすくするため、1つの移動装置265のみを図示している。各微小電極23aには移動装置265が設けられている。各移動装置265は、接地電極ユニット23を移動可能に貫通してかつ微小電極23aに連結された支柱250と、支柱250を昇降させることにより微小電極23aを被処理物6に接近した位置と遠ざかった位置とに位置決めする昇降装置251とより構成されている。ガス供給装置5と高周波電源8とを動作制御する制御装置1000により、移動装置265を選択的に駆動して、接地電位とした任意の微小電極23aを選択的に被処理物6に近づけることで、近づけた箇所にのみ局所的なプラズマ空間PAにプラズマを発生させ、所望のパターンに対してエッチングを行うことができる。
なお、このように微小電極23aを選択的に被処理物6に移動装置265により近づける代わりに、図45に示すように、微小電極23aを、高周波電源8と接地電極とに選択的に接続するようにしてもよい。すなわち、移動装置を設ける代わりに、図45に示すように、各微小電極23aに対して、スイッチを介して高周波電源8に接続する配線と別のスイッチを介して接地電極に接続する配線とを設けて、いずれか一方のスイッチのみをオンにし、他方をオフにするようなスイッチ機構260をそれぞれ設けて、制御装置1000によりそれぞれ独立して動作制御させる。このようにすれば、高周波電源8に接続した微小電極23a(図45の右側の2つのスイッチ機構)は、平面電極部1と電位差が無いため、下部電極として機能せず、プラズマが発生しないが、接地電極に接続した微小電極23a(図45の左側の3つのスイッチ機構)は、平面電極部1と電位差があるため、下部電極として機能することにになり、プラズマが発生することになる。
本発明の第5実施形態において、平面電極部1を搭載したプラズマ源により、被処理物6を挟んでプラズマ源と対向となる位置に配置させ、ドット状の複数の微小電極を有し、接地電位とした任意の微小電極を選択的に被処理物6に近づけることが可能な電極ユニット23によって被処理物6として用いた石英基板上に任意形状のプラズマ処理としてのエッチングを施すことを可能とした。
このように電位制御した電極のサイズや位置によって、プラズマのサイズや発生する位置が変化する理由を説明する。圧力が大気圧程度まで高くなると、荷電粒子の平均自由行程が極めて小さくなることが考えられる。このため、放電開始電圧が大きくなる、放電が維持しにくくなる、プラズマが広がりにくくなる、という特徴を有する。従って、高周波を印加したプラズマ源近傍に電位制御した電極を配置することでプラズマ源と電位制御した電極間に電界が集中し、局所的にプラズマを発生させることができたと考えられる。
次に、本発明の第6実施形態について、図17〜図21を参照して説明する。
図17は、本発明の第6実施形態において用いた、平面電極部1を搭載したプラズマ源を含むプラズマ処理装置の斜視図を示し、図18は、図17の平面PPで切った断面図を示す。図17〜図18より、平面電極部1の内部にはガス流路2とガス供給穴3が形成されており、平面電極部1とは絶縁体4で電気的に絶縁されたガス供給装置5より、ガス流路2、ガス供給穴3を経由して被処理物6に対してほぼ垂直にガスを供給できる。配線25を経由し接地電位として電位制御させた平面電極部1を含むプラズマ源と対向な位置であり、且つ被処理物6を間に挟む位置に高周波電源15より高周波電力を供給させる電極16を配置し、ガス供給装置5よりガスを供給しつつ、高周波電源15より電極16に対して13.56MHzの高周波電力を供給することにより、局所的なプラズマ空間PAにプラズマを発生させ、被処理物6をプラズマ処理することができる。プラズマ源と被処理物6の距離aは0.5mmである。また、平面電極部1の被処理物6と対向する面は一辺が50mmの正方形であり、高周波電力を供給させる電極16の被処理物6と対向する面は一辺が5mmの正方形である。
プラズマ源は数Paから数気圧まで動作可能であるが、典型的には10000Paから3気圧程度の範囲の圧力で動作する。とくに、大気圧付近での動作は、厳重な密閉構造や特別な排気装置が不要であるとともに、プラズマや活性粒子の拡散が適度に抑制されるため、とくに好ましい。ガスとして、Heを1000sccm、SF6を10sccm供給し、高周波電力を電極16に対して100W、供給する条件にて被処理物6として石英に対してプラズマ処理としてエッチングを行ったところ、局所的なプラズマ空間PAにのみプラズマが発生し、所望のパターンに対してエッチングが行えた。この時、プラズマ空間PAの被処理物6に平行な断面は、ほぼ5mm角の正方形であった。
なお、本発明の第6実施形態において、図19に示すようにプラズマ処理としてエッチング中に高周波電力を供給させる電極16を被処理物6に対して平行に移動させることで、局所的なプラズマ空間PAで発生しているプラズマも高周波電力を供給させる電極16に追随して平行移動し、所望のパターンに対してエッチングが行えた。
また、本発明の第6実施形態において、図20に示すように高周波電力を供給させる電極16の被処理物6と対向する面を大きくし、10mm角の正方形にしてプラズマ処理としてエッチングしたところ、局所的なプラズマ空間PAが被処理物6に発生し、所望のパターンに対してエッチングが行えた。この時、プラズマの平行な断面は、ほぼ10mm角の正方形であった。
また、本発明の第6実施形態において、図21に示すように高周波電力を供給させる電極16−aと電極16−bを2つ同時に配置してプラズマ処理としてエッチングしたところ、局所的なプラズマ空間PAとPAの2箇所にのみプラズマが発生し、所望のパターンに対してエッチングが行えた。
本発明の第6実施形態において、平面電極部1を搭載したプラズマ源により、被処理物6を挟んでプラズマ源と対向となる位置に配置させる高周波電力を供給させる電極16の形状、位置、個数によって被処理物6として用いた石英基板上に任意形状のプラズマ処理としてのエッチングを施すことが可能であることが分かった。
このように高周波を印加した電極のサイズや位置によって、プラズマのサイズや発生する位置が変化する理由を説明する。圧力が大気圧程度まで高くなると、荷電粒子の平均自由行程が極めて小さくなることが考えられる。このため、放電開始電圧が大きくなる、放電が維持しにくくなる、プラズマが広がりにくくなる、という特徴を有する。従って、高周波を印加した電極の近傍に一部を電位制御したプラズマ源を配置することで、プラズマ源と電極間に電界が集中し、局所的にプラズマを発生させることができたと考えられる。
次に、本発明の第7実施形態について、図22〜図26を参照して説明する。
図22は、本発明の第7実施形態において用いた、ナイフエッジ電極部9を搭載したプラズマ源を含むプラズマ処理装置の斜視図を示し、図23は、図22の平面PPで切った断面図を示す。図22〜図23より、ナイフエッジ電極部9と板面が互いに平行となる位置に絶縁板10、11を配置し、ガス供給装置5よりガス流路12を経由して被処理物6に対してほぼ垂直にガスを供給できる。配線25を経由し接地電位として電位制御させたナイフエッジ電極部9を含むプラズマ源と対向な位置であり、且つ被処理物6を間に挟む位置に高周波電源15より高周波電力を供給させる電極16を配置し、ガス供給装置5よりガスを供給しつつ、高周波電源15より電極16に対して13.56MHzの高周波電力を供給することにより、局所的なプラズマ空間PAにプラズマを発生させ、被処理物6をプラズマ処理することができる。プラズマ源と被処理物6の距離bは0.5mmであり、ナイフエッジ電極部9、絶縁板10、11、の幅cは共に1mm、ガス流路12の幅dは0.1mm、ナイフエッジ電極部の切っ先部eの鋭角は60°である。また、ナイフエッジ電極部9と絶縁板10、11の板面は、高さfが50mm、線方向長さgが30mmである。また、高周波電力を供給させる電極16の被処理物6と対向する面は一辺が5mmの正方形である。
プラズマ源は数Paから数気圧まで動作可能であるが、典型的には10000Paから3気圧程度の範囲の圧力で動作する。とくに、大気圧付近での動作は、厳重な密閉構造や特別な排気装置が不要であるとともに、プラズマや活性粒子の拡散が適度に抑制されるため、とくに好ましい。ガスとして、Heを1000sccm、SF6を10sccm供給し、高周波電力を電極16に対して100W、供給する条件にて被処理物6として石英に対してプラズマ処理としてエッチングを行ったところ、局所的なプラズマ空間PAにのみプラズマが発生し、所望のパターンに対してエッチングが行えた。この時、プラズマ空間PAの被処理物6に平行な断面は、幅cがほぼ1mm、線方向長さgがほぼ5mmであった。
なお、本発明の第7実施形態において、図24に示すようにプラズマ処理としてエッチング中に高周波電力を供給させる電極16を被処理物6に対して平行に移動させることで、局所的なプラズマ空間PAで発生しているプラズマも高周波電力を供給させる電極16に追随して平行移動し、所望のパターンに対してエッチングが行えた。
また、本発明の第7実施形態において、図25に示すように高周波電力を供給させる電極16の被処理物6と対向する面を大きくし、10mm角の正方形にしてプラズマ処理としてエッチングしたところ、局所的なプラズマ空間PAが被処理物6に発生し、所望のパターンに対してエッチングが行えた。この時、プラズマの平行な断面は、幅cがほぼ1mm、線方向長さgがほぼ10mmであることを目視にて観察した。
また、本発明の第7実施形態において、図26に示すように高周波電力を供給させる電極16−aと電極16−bを2つ同時に配置してプラズマ処理としてエッチングしたところ、局所的なプラズマ空間PAとPAの2箇所にのみプラズマが発生し、所望のパターンに対してエッチングが行えた。
本発明の第7実施形態において、ナイフエッジ電極部9を搭載したプラズマ源により、被処理物6を挟んでプラズマ源と対向となる位置に配置させる高周波電力を供給させる電極16の形状、位置、個数によって被処理物6として用いた石英基板上に任意形状のプラズマ処理としてのエッチングを施すことが可能であることが分かった。
このように高周波を印加した電極のサイズや位置によって、プラズマのサイズや発生する位置が変化する理由を説明する。圧力が大気圧程度まで高くなると、荷電粒子の平均自由行程が極めて小さくなることが考えられる。このため、放電開始電圧が大きくなる、放電が維持しにくくなる、プラズマが広がりにくくなる、という特徴を有する。従って、高周波を印加した電極の近傍に一部を電位制御したプラズマ源を配置することで、プラズマ源と電極間に電界が集中し、局所的にプラズマを発生させることができたと考えられる。
次に、本発明の第8実施形態について、図27〜図28を参照して説明する。
図27は、本発明の第8実施形態において用いた、平面電極部1を搭載したプラズマ源を含むプラズマ処理装置の斜視図を示し、図28は、図27の平面PPで切った断面図を示す。図27〜図28より、平面電極部1の内部にはガス流路2とガス供給穴3が形成されており、平面電極部1とは絶縁体4で電気的に絶縁されたガス供給装置5より、ガス流路2、ガス供給穴3を経由して被処理物6に対してほぼ垂直にガスを供給できる。配線25を経由し接地電位として電位制御させた平面電極部1を含むプラズマ源と対向な位置であり、且つ被処理物6を間に挟む位置に高周波電源15より高周波電力を供給させる任意形状の接地電極17を配置し、ガス供給装置5よりガスを供給しつつ、高周波電源15より任意形状の接地電極17に対して13.56MHzの高周波電力を供給することにより、局所的なプラズマ空間PAにプラズマを発生させ、被処理物6をプラズマ処理することができる。プラズマ源と被処理物6の距離aは0.5mmである。
プラズマ源は数Paから数気圧まで動作可能であるが、典型的には10000Paから3気圧程度の範囲の圧力で動作する。とくに、大気圧付近での動作は、厳重な密閉構造や特別な排気装置が不要であるとともに、プラズマや活性粒子の拡散が適度に抑制されるため、とくに好ましい。ガスとして、Heを1000sccm、SF6を10sccm供給し、高周波電力を電極16に対して100W、供給する条件にて被処理物6として石英に対してプラズマ処理としてエッチングを行ったところ、局所的なプラズマ空間PAに任意形状のプラズマが発生し、所望のパターンに対してエッチングが行えた。
本発明の第8実施形態において、平面電極部1を搭載したプラズマ源により、被処理物6を挟んでプラズマ源と対向となる位置に配置させる任意形状の電極17によって被処理物6として用いた石英基板上に任意形状のプラズマ処理としてのエッチングを施すことを可能とした。
このように高周波を印加した電極のサイズや位置によって、プラズマのサイズや発生する位置が変化する理由を説明する。圧力が大気圧程度まで高くなると、荷電粒子の平均自由行程が極めて小さくなることが考えられる。このため、放電開始電圧が大きくなる、放電が維持しにくくなる、プラズマが広がりにくくなる、という特徴を有する。従って、高周波を印加した電極の近傍に一部を電位制御したプラズマ源を配置することで、プラズマ源と電極間に電界が集中し、局所的にプラズマを発生させることができたと考えられる。
次に、本発明の第9実施形態について、図29〜図30を参照して説明する。
図29は、本発明の第9実施形態において用いた、平面電極部1を搭載したプラズマ源を含むプラズマ処理装置の斜視図を示し、図30は、図29の平面PPで切った断面図を示す。図29〜図30より、平面電極部1の内部にはガス流路2とガス供給穴3が形成されており、平面電極部1とは絶縁体4で電気的に絶縁されたガス供給装置5より、ガス流路2、ガス供給穴3を経由して被処理物6に対してほぼ垂直にガスを供給できる。配線25を経由し接地電位として電位制御させた平面電極部1を含むプラズマ源と対向な位置であり、且つ被処理物6を間に挟む位置にドット状の複数の微小電極を有し、選択的に各ドットを高周波電源15により高周波電力を供給させることが可能な電極ユニット18を配置し、ガス供給装置5よりガスを供給しつつ、高周波電源15より電極ユニット18に対して13.56MHzの高周波電力を供給することにより、局所的なプラズマ空間PAに任意形状のプラズマを発生させ、被処理物6をプラズマ処理することができる。プラズマ源と被処理物6の距離aは0.5mmである。なお、電極ユニット18内には、トランジスタやリレー等のスイッチング素子が内包させており、選択的に高周波を印加することができる。
プラズマ源は数Paから数気圧まで動作可能であるが、典型的には10000Paから3気圧程度の範囲の圧力で動作する。とくに、大気圧付近での動作は、厳重な密閉構造や特別な排気装置が不要であるとともに、プラズマや活性粒子の拡散が適度に抑制されるため、とくに好ましい。ガスとして、Heを1000sccm、SF6を10sccm供給し、高周波電力を電極16に対して100W、供給する条件にて被処理物6として石英に対してプラズマ処理としてエッチングを行ったところ、電極ユニット18により、選択的に任意のドット状微小電極に高周波電力を供給することで局所的なプラズマ空間PAに高周波電力を供給させた任意のドット状微小形状と同等の形状のプラズマが発生し、所望のパターンに対してエッチングが行えた。
本発明の第9実施形態において、平面電極部1を搭載したプラズマ源により、被処理物6を挟んでプラズマ源と対向となる位置に配置させ、ドット状の複数の微小電極を有し、選択的に各ドットに高周波電力を供給することが可能な電極ユニット18によって被処理物6として用いた石英基板上に任意形状のプラズマ処理としてのエッチングを施すことを可能とした。
このように高周波を印加した電極のサイズや位置によって、プラズマのサイズや発生する位置が変化する理由を説明する。圧力が大気圧程度まで高くなると、荷電粒子の平均自由行程が極めて小さくなることが考えられる。このため、放電開始電圧が大きくなる、放電が維持しにくくなる、プラズマが広がりにくくなる、という特徴を有する。従って、高周波を印加した電極の近傍に一部を電位制御したプラズマ源を配置することで、プラズマ源と電極間に電界が集中し、局所的にプラズマを発生させることができたと考えられる。
次に、本発明の第10実施形態について、図31〜図32を参照して説明する。
図31は、本発明の第10実施形態において用いた、平面電極部1を搭載したプラズマ源を含むプラズマ処理装置の斜視図を示し、図32は、図31の平面PPで切った断面図を示す。図31〜図32より、平面電極部1の内部にはガス流路2とガス供給穴3が形成されており、平面電極部1とは絶縁体4で電気的に絶縁されたガス供給装置5より、ガス流路2、ガス供給穴3を経由して被処理物6に対してほぼ垂直にガスを供給できる。配線25を経由し接地電位として電位制御させた平面電極部1を含むプラズマ源と対向な位置であり、且つ被処理物6を間に挟む位置にドット状の複数の微小電極を有し、各ドットに対して高周波電源15により高周波電力を供給させることができ、且つ多数の円柱状又は円筒状の微小電極24aの中から任意の位置の微小電極24aを選択的に被処理物6に近づけることが可能な(例えば図44に示すような)エアシリンダやモータなどの移動装置24bを有した電極ユニット24を配置し、ガス供給装置5よりガスを供給しつつ、高周波電源15より電極ユニット24に対して13.56MHzの高周波電力を供給することにより、局所的なプラズマ空間PAに任意形状のプラズマを発生させ、被処理物6をプラズマ処理することができる。プラズマ源と被処理物6の距離aは0.5mmである。
プラズマ源は数Paから数気圧まで動作可能であるが、典型的には10000Paから3気圧程度の範囲の圧力で動作する。とくに、大気圧付近での動作は、厳重な密閉構造や特別な排気装置が不要であるとともに、プラズマや活性粒子の拡散が適度に抑制されるため、とくに好ましい。ガスとして、Heを1000sccm、SF6を10sccm供給し、高周波電力を電極16に対して100W、供給する条件にて被処理物6として石英に対してプラズマ処理としてエッチングを行ったところ、移動装置24bを有した電極ユニット24により、各ドットに対して高周波電源15により高周波電力を供給させ、且つ任意の微小電極24aを選択的に被処理物6に近づけることで、近づけた箇所にのみ局所的なプラズマ空間PAにプラズマが発生し、所望のパターンに対してエッチングが行えた。
本発明の第10実施形態において、平面電極部1を搭載したプラズマ源により、被処理物6を挟んでプラズマ源と対向となる位置に配置させ、ドット状の複数の微小電極24aを有し、各ドットに対して高周波電源15により高周波電力を供給させることができ、且つ任意の微小電極24aを選択的に被処理物6に近づけることが可能な移動装置24bを有した電極ユニット24によって、被処理物6として用いた石英基板上に任意形状のプラズマ処理としてエッチングを施すことを可能とした。
このように高周波を印加した電極のサイズや位置によって、プラズマのサイズや発生する位置が変化する理由を説明する。圧力が大気圧程度まで高くなると、荷電粒子の平均自由行程が極めて小さくなることが考えられる。このため、放電開始電圧が大きくなる、放電が維持しにくくなる、プラズマが広がりにくくなる、という特徴を有する。従って、高周波を印加した電極の近傍に一部を電位制御したプラズマ源を配置することで、プラズマ源と電極間に電界が集中し、局所的にプラズマを発生させることができたと考えられる。
以上述べた本発明の実施形態において、プラズマ源として平行平板型タイプとしての平板電極、ナイフエッジ電極のものを用いる場合を例示したが、誘導結合型タイプなど、平行平板型キャピラリタイプや、他方式のキャピラリタイプ、マイクロギャップ方式、誘導結合型チューブタイプ、針状電極タイプなど、様々なプラズマ源を用いることができる。
また、電位制御した電極、一部を電位制御したプラズマ源、電位制御させる配線を有する電極、一部を電位制御させる配線を有するプラズマ源として接地電位についてのみ例示したが、接地電位に限るものではない。例えば、直流電力、パルス状直流電力、パルス状交流電力、交流電力など様々な電位制御方式において、プラズマ源と電極間に電界を集中させ、局所的にプラズマを発生させることが可能である。さらにまた、第1電極の一例である平面電極部1を浮遊電位とし、第2電極の一例であるを接地電位以外の電位に電位制御した場合にも、同様の効果を得ることができる。
また、被処理物上の金属部又は半導体部に直流電圧、パルス状直流電圧、パルス状交流電圧を供給することにより、プラズマ中のイオンを引き込む作用を強め、加工速度もしくは成膜速度を向上させることも可能である。
また、ガスとしてHeガスを主体としたプラズマ処理についてのみ例示したが、ガスはこれに限定されるものではなく、Arガス、NeガスやXeガス等の不活性ガスを主体としたガス、或いはCF4などのCxFy(x及びyは自然数)ガス、NF3ガス、O2ガス、Cl2ガス、HBr等のハロゲン含有ガスなどの反応性ガスを用いた様々なガスについてもプラズマ処理することが可能である。
また、プラズマ処理としてエッチングについてのみ例示したが、プラズマ処理はこれに限定されるものではなく、プラズマクリーニング、CVD、スパッタリングやプラズマドーピング等の様々なプラズマ処理についても適用できる。
また、被処理物として石英をプラズマ処理する場合を例示したが、被処理物はこれらに限定されるものではなく、本発明は、Siなどの半導体膜、Mo、Alなどの金属膜を含めた種々の薄膜及び基板のプラズマ処理、又は、種々の膜がコーティングされた被処理物のプラズマ処理に適用できる。HeとO2の混合ガスを用いてフォトレジストやポリイミドに代表される樹脂等のエッチング加工を行うこともできる。また、シート状の被処理物をロール・トゥ・ロール方式で搬送しつつ、連続的にプラズマ処理することもできる。あるいは、種々の被処理物の表面にプラズマCVD法による薄膜堆積を行うこともできる。 また、13.56MHzの高周波電力を用いてプラズマを発生させる場合を例示したが、数百kHzから数GHzまでの高周波電力を用いてプラズマを発生させることが可能である。あるいは、パルス電力を供給することにより、アーク放電への移行を抑制しつつ、高効率なプラズマを生成することも可能である。
また、プラズマ源と被処理物間の距離が0.5mmであることを例示したが、0.01mm〜3mmの範囲であれば、プラズマの着火が比較的容易であり、プラズマが発生しやすい。
さらに、プラズマ源と被処理物間の距離が、0.05mm〜0.5mmの範囲であれば、プラズマ処理により細線加工しやすい。
また、第2の電極を複数配置させた場合のみ例示したが、プラズマ源を複数配置させた場合もしくは、プラズマ源と第2電極をそれぞれ複数配置させた場合も、同時に複数箇所でプラズマを発生させることが可能であり、同様の効果を得ることができる。
また、プラズマ源と電位制御した電極の位置を基板に対して平行な方向に、相対的に移動させる場合を例示したが、移動速度が大きすぎると、整合器がプラズマインピーダンスの変化に追随できず、プラズマが消えてしまうことを避けるため、、移動速度は概ね300mm/s以下がよい。
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。