JP4146766B2 - セラミックヒータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用グロープラグ、燃焼式車載暖房装置の点火あるいは炎検知用ヒータ、石油ファンヒータ等の各種燃焼機器の点火用ヒータ、酸素センサ等の各種センサや測定機器の加熱用ヒータなどに利用されるセラミックヒータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ディーゼルエンジン等の始動促進に用いられるセラミックヒータとしては、耐熱合金製のシース内に耐熱絶縁性粉末を充填し、該耐熱絶縁粉末中にニッケル(Ni)−クロム(Cr)等を主成分とする高融点金属線からなる発熱体を埋設したシーズヒータが使用されていた。
【0003】
しかしながら、上記シーズヒータは、耐熱金属製のシース内に充填された耐絶縁性粉末を介して発熱体の熱を伝えるため、短時間の急速昇温が困難であった。その上、耐磨耗性や耐酸化性に劣るという問題があった。
【0004】
そこで、短時間の急速昇温が可能で、耐磨耗性と耐酸化性に優れた信頼性の高いセラミックヒータとして、発熱体を電気絶縁性のセラミック焼結体中に埋設したセラミックヒータが広く利用されるようになってきた。
【0005】
このセラミックヒータとしては、例えば、高強度で耐酸化性に優れた窒化珪素(Si)を主成分とするセラミック基体中にタングステンカーバイド(WC)等の導電成分、窒化珪素(Si)、窒化アルミ(AlN)等の絶縁成分、Yb、MoSi、Ai、C等のうち少なくとも1つの成分を含む助材成分とからなる発熱体を埋設し、上記発熱体中に窒化珪素(Si)を分散させることにより、上記セラミック基体と上記発熱体との熱膨張差を小さくしたセラミックヒータを得ることが提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
このセラミックヒータにおけるセラミック基体は、窒化珪素から形成されており、セラミックヒータの耐久性を良好にするためには、発熱体に高融点で熱膨張率がセラミック基体に近いWCを用い、さらに熱膨張率をセラミック基体に用いられるセラミックスの熱膨張率に近づけるため、BNや窒化珪素粉末を添加している。一方、セラミック基体の原料については、MoSiやWC等の導電成分を添加することにより発熱体に熱膨張率を近づけるような調整を行うと共に、例えば窒化珪素質セラミックスの場合、窒化珪素の不可避不純物でありマイグレーションの原因となるSiOを減らす目的で炭素(C)を添加する。炭素を添加することにより、SiOがSiとCOもしくはCOとなり、さらにSiが周囲のN2と反応してSiとなる。このようにして、SiOを減らすことにより、セラミック基体の粒界層がより高融点となり、マイグレーションを抑制する効果がある。
【0007】
また、セラミック基体の助剤成分を結晶化させることによってマイグレーションを抑制しセラミック基体の強度を向上させ、セラミックヒータの耐久性を向上させることが提案されている(特許文献2参照)。
【0008】
【特許文献1】
実開平2−20293号公報
【0009】
【特許文献2】
特開2002−178740号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献2では、これまでに比べて各段に耐久性が向上させることができたものの、未だ僅かではあるが、長期に使用した場合、温度サイクルによる負荷のためと思われる発熱体の抵抗が変化し、ひどいものでは発熱異常、発熱体の断線を生じると言う問題があった。
【0011】
これは、セラミックヒータの発熱体は、導電成分、絶縁成分、および助剤成分とか形成されており、発熱体中の助剤成分がガラス相等の非晶質相として導電成分又は絶縁成分の粒界に存在しているため、発熱体に電力を供給した際にマイグレーションがおこり、発熱体中に欠陥を生じさせ熱サイクルを繰り返すことによって、クラック等が発生し、耐久性が劣化するという問題があった。
【0012】
そこで、本発明は、長期間の使用に際して熱サイクルを繰り返した場合にも、発熱体の抵抗を小さくでき、断線等を防止して、長期にわたって耐久性に優れたセラミックヒータを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、セラミック基体中に発熱体を埋設し、該発熱体に電力を供給して発熱させるセラミックヒータに関するものである。前記発熱体は導電成分、絶縁成分および助剤成分からなるとともに、前記助剤成分を1〜15重量%含有し、前記助剤成分のうちAl を0.05〜0.9重量%、Cを0.05〜4.5重量%含み、前記助剤成分の50%以上が結晶相として存在することを特徴とする。
【0014】
即ち、発熱体の助剤成分を結晶化することにより、発熱体を基点としたクラックの発生を押さえることができるという知見に基づき、セラミック基体中に埋設した発熱体を有するセラミックヒータにおいて発熱体の抵抗変化が小さく、耐久性の高いセラミックヒータを実現したものである。これにより発熱体に電力を供給した際に生じるマイグレーションが起こりにくくなり、発熱体中に欠陥を生じにくくし、その結果クラックの発生を抑制し、発熱体の抵抗変化を小さくし、耐久性が向上する。
【0015】
また、本発明のセラミックヒータは、上記発熱体が助剤成分を1〜15重量%含有することを特徴とする。これにより、発熱体中の助剤成分の結晶化を促進することができ、それによって耐久性の高いセラミックヒータを得ることができる。
【0016】
さらに、本発明のセラミックヒータは、上記発熱体が助剤成分としてAlを含み、該Alの含有量が0.05〜0.8重量%含有することを特徴とする。これにより、発熱体中の助剤成分の結晶化を促進することができ、それによって耐久性の高いセラミックヒータを得ることができる。
【0017】
またさらに、本発明のセラミックヒータは、上記発熱体が助剤成分としてCを含み、その含有量が0.05〜4.0重量%含有することを特徴とする。これにより、発熱体中の助剤成分の結晶化率を促進することができ、それによって耐久性の高いセラミックヒータを得ることができる。
【0018】
さらにまた、本発明のセラミックヒータは、上記セラミック基体が、窒化珪素質セラミックスからなることを特徴とする。これによって熱衝撃性を向上させることができるようになり、耐久性を向上させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図を用いて詳しく説明する。
【0020】
図1は本発明のセラミックヒータの一実施形態を示す図面であり、図1(a)は斜視図、(b)は同図(a)のX−X’線における断面図である。また、図2は図1(b)のY−Y’線における断面図である。
【0021】
図1に示すように、本発明のセラミックヒータ1は、セラミック基体3中に発熱体4を埋設し、該発熱体4の両端にリード部5を設け、該リード部5の両端に電極引き出し部6を形成し、電力を供給して発熱させるものであり、セラミック基体3の内部に、U字状の発熱体4を設け、該発熱体4の端部にそれぞれリード部5を接続して、リード部5の他端側に電極取り出し部6を形成することで、それぞれを電気的に接続したものを2組、略平行にセラミック基体3中に埋設し、発熱体4側のセラミック基体3の先端が略球面状で、少なくとも最高発熱部に相当する部分の横断面が円形である棒状を成すものである。
【0022】
上記セラミック基体3は、窒化珪素(Si)質セラミックス、窒化アルミニウム質セラミックス(AlN)等の絶縁セラミックスからなり、耐熱衝撃性に優れ、急昇温に耐えるという点で窒化珪素質セラミックスからなることが好ましい。また、この窒化珪素質セラミックスにはYb、MoSi2、YB、Y等の助剤成分を含有させることで、焼結しやすく、耐久性が向上する。
【0023】
また、上記セラミック基体3中に埋設された発熱体4は、W、Mo、Re等の金属又はこれら金属元素の珪化物、炭化物等の導電成分、Si、AlN等の絶縁成分、およびYb、MoSi、Ai、C等を含む助剤成分からなる。
【0024】
なお、上記助剤成分とは、導電成分と絶縁成分を焼結させるための微量成分のことである。例えば、導電成分をW、絶縁成分をSiとした場合、助剤成分としてYや希土類元素、Al、C等を用いることができる。
【0025】
また、上記導電成分は、その熱膨張率がセラミック基体3や、絶縁成分と差が小さいものを用いることが好ましく、特にWC、MoSiからなることが好ましい。
【0026】
さらに、上記絶縁成分は、セラミック基体3を構成する材質と同様の材質を用いることが好ましい。
【0027】
図3は、本発明のセラミックヒータ1の発熱体4における組織の透過型電子顕微鏡(TEM)で撮影した写真を示す発熱体断面模式図である。図中、白抜きの部分は電流を流すための導電成分の結晶相7、斜線を施した部分が絶縁成分の結晶相8であり、各結晶相間は粒界相9である。なお、粒界相9は、そのほとんどが助剤成分からなるが、TEMでは助剤成分の結晶相、非晶質相を区別できない。
【0028】
また、上記粒界相9のうち黒い部分が二面間粒界9aおよび三重点粒界9bである。ここで、二面間粒界9aとは導電成分の結晶相7同士、絶縁成分の結晶相8同士、または導電成分の結晶相7と絶縁成分の結晶相8のように2つの成分からなる結晶粒子に挟まれた粒界相であり、三重点粒界9bとは導電成分の結晶相7、絶縁成分の結晶相8のいずれか3つ以上の結晶粒子に囲まれた粒界相のことである。
【0029】
この粒界層9は、ほとんどが助剤成分で構成されており、本発明のセラミックヒータ1では、発熱体4中の助剤成分の50%以上が結晶相として存在することが重要である。
【0030】
発熱体4中の助剤成分は、通常、そのほとんどが粒界相9に非晶質相として存在するが、結晶相として発熱体4中に存在することによって、発熱体4に電力を供給したときに生じる助剤成分の陽イオン成分(たとえば、Yb3+、Y3+)のマイグレーションを押さえることができる。その結果、発熱体4の抵抗変化及び断線を抑制することができ、セラミックヒータ1に繰り返し熱サイクルが加わった場合においても、発熱体4の抵抗が一定に保持され耐久性の高いセラミックヒータを得ることができる。
【0031】
このマイグレーションには助剤成分の結晶相の割合が大きく影響し、発熱体4中の助剤成分の結晶相の割合が50%未満となると、マイグレーションにより発熱体4中の粒界相9の空洞化が生じ、発熱体4の抵抗変化が発生するため、セラミックヒータ1の温度が低下したり、最悪の場合は、断線を生じる恐れがある。特に、助剤成分の70%以上が結晶相として存在することがより好ましく、発熱体4の抵抗変化の原因と思われる粒界相9がマイグレーションにより空洞化する現象を十分に抑制でき、耐久性を向上させることができる。
【0032】
ここで助剤成分の結晶相の割合の測定方法について説明する。
【0033】
まず、発熱体4における任意断面90ヶ所を透過型電子顕微鏡によって撮影する。なお、測定装置としては、透過型電子顕微鏡:JEM209F(JEOL製)、条件:加速電圧(200KV)とした。
【0034】
発熱体4中の助剤成分は、上記図3に示すように透過型電子顕微鏡による写真では、助剤成分の結晶相、非晶質相は区別できないため、助剤成分の結晶相は粒界相9中に存在する。
【0035】
そこで、写真の粒界相9として写った部分を電子線回折によって結晶相か否かの判断を行い、90個所のうち結晶相となっているものの割合を助剤成分の結晶相の割合とした。
【0036】
なお、上記粒界相9のうち二面間粒界9aは、非常に厚みが薄く結晶相を確認するのが困難なため、本発明においては、比較的厚みがあって結晶相か否かの判断がしやすい三重点粒界9bのみを調べた。
【0037】
また、上記電子線回折は、その格子面によるブラッグの反射がスポットとして表示されれば結晶相、ハローが表示されれば非晶質(ガラス)相として判断した。
【0038】
また、電子線回折に用いる装置としては、エネルギー分散型分光分析(EDS):(Noran lnstruments製)、条件:スポット径(5nmφ)、測定時間(50sec)、測定エネルギ−幅(0.12〜20.48keV)にて測定することができる。
【0039】
ここで、発熱体4中の助剤成分のうち50%以上を結晶相として存在させるためには、焼成条件を制御することが重要である。すなわち、還元雰囲気下、昇温スピードは5℃/分〜25℃/分、焼成温度1650℃〜1750℃、キープ時間30分〜240分、圧力は一次圧3〜5MPa、二次圧は30〜45MPaとしてホットプレスにより焼成する事が好ましい。また、詳細を後述するように助剤成分としてAlやCを用い、その含有量を制御することによって調整することができる。
【0040】
また、上記発熱体4中の助剤成分は、発熱体4を100重量%とした場合に、1〜15重量%含有していることが好ましい。これにより発熱体4中の粒界相9の割合が低減し、発熱体4のクラックの発生が抑えられるため、発熱体4の抵抗を一定値に保持することができる。ここで、助剤成分が15重量%より多いと、ガラス化を促進するため、助剤成分が結唱化されにくくなり、抵抗値の変化が大きくなり耐久性が低下する。また、助剤成分が1重量%より少ないと、発熱体4の焼結性が悪くなり抵抗の変化が大きくなり耐久性が低下する。
【0041】
さらに、上記助剤成分としてAlを含み、その含有量が発熱体4を100重量%とした場合に0.05〜0.8重量%であることが好ましい。これにより、発熱体4中の助剤成分の結晶化が促進され、発熱体4を基点とするクラックの発生が抑えられるため、発熱体4の抵抗変化が小さく、セラミックヒータ1としての耐久性を向上することができる。また、Alの含有量を0.05〜0.8重量%とすることで結晶化を促すとともに、発熱体4の抵抗の変化率を微小なものとすることができる。Alの含有量が0.05重量%より少ないと、助剤成分が結晶化されにくく、一方、0.8重量%より多くなると、発熱体4の抵抗変化が大きくなるため、セラミックヒータ1の耐久性が低下する。
【0042】
またさらに、上記発熱体4中の助剤成分としてCを含み、その含有量が発熱体4を100重量%とした場合に0.05〜4.0重量%であることが好ましい。これにより、上記Alと同様、発熱体4中の助剤成分の結晶化が促進され、発熱体4を基点とするクラックの発生が抑えられるため、発熱体4の抵抗変化が小さく、セラミックヒータ1としての耐久性を向上することができる。Cの含有量が0.05重量%より少ないと、助剤成分が結晶化されにくく、一方、4.0重量%より多くなると、発熱体4の抵抗の変化が大きくなるため、セラミックヒータ1の耐久性が低下する。
【0043】
また、上記発熱体4を90重量%とした場合に、導電成分を50重量%以上、絶縁成分を15重量%以上とすることが好ましく、導電成分が50重量%より少ないと、抵抗値が異常に高くなったり、導通の低下を招く。また、絶縁成分が15重量%より少ないと、セラミック基体3と熱膨張率の差が大きくなり、発熱体4にクラックが生じやすい。
【0044】
次に本発明のセラミックヒータ1の製法について図4を用いて説明する。
【0045】
まず、窒化珪素(Si)粉末にイッテリビウム(Yb)やイットリウム(Y)等の希土類元素の酸化物からなる焼結助剤を添加したセラミック原料粉末を周知のプレス成形法や押し出し成形等でセラミック成形体10を得る。
【0046】
セラミック成形体10の上にW、Mo、Re等の金属又は、金属元素の珪化物、炭化物等の導電成分、Si、AlN等からなる絶縁成分、およびAlを0.03〜9重量%、Cを0.03〜4.0重量%、Ybを9〜12重量%、MoSiを4.0〜9.0重量%のいずれかからなる助剤成分の微粉末をそれぞれ秤量し酢酸ブチル等の溶媒を加えて調整したペーストをスクリーン印刷法や射出成形等により形成する。
【0047】
次いで、リード部5となるタングステンピンを発熱体4と電極取り出し部6が電気的に導通するように設置し、セラミック成形体10を2層と、さらに、その上面に別のセラミック成形体10’を重ねて密着させ、還元雰囲気下、昇温スピードは5℃/分〜25℃/分、焼成温度1650℃〜1750℃、キープ時間30分〜240分、圧力は一次圧3〜5MPa、二次圧は30〜45MPaとしてホットプレスにより焼成した後、得られた焼結体を円柱状に加工し、表面に露出した電極引き出し部6にNiからなる引き出し線2を取り付けセラミックヒータ1を得る。
【0048】
以上のように構成された本発明のセラミックヒータ1は、特に優れた耐久性を有するため自動車用グロープラグ、燃焼式車載暖房装置の点火あるいは炎検知用ヒータ、石油ファンヒータ等の各種燃焼器の点火用ヒータ、酸素センサ等の各種センサや測定機器の加熱用ヒータなど好適に使用できる。
【0049】
【実施例】
以下本発明の実施例を説明する。
【0050】
図1に示すようなセラミックヒータを作製するため、図4に示すように、まず、窒化珪素(Si)粉末にイッテリビウム(Yb)希土類元素の酸化物からなる焼結助剤を添加したセラミック原料粉末をプレス成形法や押し出し成形法等でセラミック成形体10を得る。
【0051】
次に、セラミック成形体10の上面に発熱体4を形成する。発熱体4は、導電成分、絶縁成分、助剤成分の微粉末を添加混合し、焼成後に表1の組成になるように助剤成分を調整した。助剤成分としては、Ybを0.1〜12重量%、MoSiを0.05〜9.0重量%Alを0.03〜9重量%、Cを0.03〜4.0重量%の範囲で秤量し酢酸ブチル等の溶媒を加えて調整したペーストを発熱体4として、スクリーン印刷法や射出成形等により形成する。
【0052】
次いで、リード部5となるタングステンピンを発熱体4と電極取り出し部6が電気的に導通するように設置し、セラミック成形体10を2層とさらに、その上面に別のセラミック成形体10’を重ねて密着させ、還元雰囲気下、昇温スピードは5℃/分〜25℃/分、焼成温度1650℃〜1750℃、キープ時間30分〜240分、圧力は一次圧3〜5MPa、二次圧は30〜45MPaとしてホットプレスにより焼成した後、得られた焼結体を円柱状に加工し、表面に露出した電極引き出し部6にNiからなるリード線2を取り付けセラミックヒータ1を得る。
【0053】
なお、発熱体4の各成分の割合を蛍光X線分析装置(RIX3000)及び、炭素分析装置(ERIA−511型)にて測定し、助剤成分の結晶相の割合を、発熱体4における任意断面90ヶ所を透過型電子顕微鏡(透過型電子顕微鏡:JEM209F(JEOL製)、条件:加速電圧(200KV)とした。)によって撮影した後、写真の三重点粒界9bを電子線回折(エネルギー分散型分光分析(EDS):(Noran lnstruments製)、条件:スポット径(5nmφ)、測定時間(50sec)、測定エネルギ−幅(0.12〜20.48keV))によって、格子面によるブラッグの反射がスポットとして表示されれば結晶相、ハローが表示されれば非晶質(ガラス)相として判断した。
【0054】
そして、各試料について、通電耐久性能を確認するための試験を実施した。セラミックヒータ1に通電し、温度1300℃、昇温保持時間3分とした後、通電を止めて外部冷却ファンにより1分冷却するサイクルを1サイクルとして、30000サイクルを実施した後、初期抵抗値に対する変化率を算出し、評価としての5%未満のものを◎、5〜9%未満のものを○、9%以上のものを×として耐久性能を判断した。
【0055】
その結果を表1に示す。
【0056】
【表1】
Figure 0004146766
【0057】
表1から判るように、助剤成分の結晶相の割合がそれぞれ41%、42%である試料(No.103)は、耐久試験後の抵抗変化率が32%以上と非常に大きく、また助剤成分の結晶相の割合が29%である試料(No.14)は、断線してしまい耐久性が非常に悪いものであった。
【0058】
これに対し、助剤成分の結晶相の割合が50%以上である試料(No.1、3〜12、15)は、耐久試験後の抵抗変化率が9%以下と小さく、耐久性の高いセラミックヒータを得ることができた。さらに、発熱体中の助剤成分の含有量が1〜15重量%で、Alの含有量が、0.05〜0.8%、Cの含有量が0.05〜4.0%である試料(No.1、3〜7、9〜10)は、耐久試験後の抵抗変化率が5%以下と微小となり、耐久性がより向上することがわかった。
【0059】
【発明の効果】
本発明のセラミックヒータは、セラミック基体中に発熱体を埋設し、該発熱体に電力を供給して発熱させるセラミックヒータにおいて、上記発熱体は導電成分、絶縁成分および助剤成分からなるとともに、該助剤成分の50%以上が結晶相として存在することによって、発熱体を基点としたクラックの発生を押さえることができ、発熱体の抵抗変化を小さく、耐久性に優れたセラミックヒータを提供することができる。
【0060】
特に、発熱体の助剤成分を含有量を1〜15重量%として、Alの含有量を0.05〜0.8重量%、Cの含有量を0.05〜4重量%とすることにより、さらに抵抗変化を微小なものとして、繰り返し熱サイクルがかかっても長期間にわたって耐久性に優れたセラミックヒータを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明のセラミックヒータの一実施形態を示す斜視図であり、(b)同図(a)のX−X’線における断面図である。
【図2】図1に示すセラミックヒータのY−Y’線における横断面図である。
【図3】本発明のセラミックヒータにおける発熱体の結晶組織を示す模式図である。
【図4】本発明のセラミックヒータの製法を説明する展開斜視図である。
【符号の説明】
1:セラミックヒータ
2:引き出し線
3:セラミック基体
4:発熱体
5:リード部
6:電極引き出し部
7:導電成分の結晶相
8:絶縁成分の結晶相
9:粒界相
9a:二面間粒界層
9b:三重点粒界層
10:セラミック成形体

Claims (2)

  1. セラミック基体中に発熱体を埋設し、該発熱体に電力を供給して発熱させるセラミックヒータにおいて、
    前記発熱体は導電成分、絶縁成分および助剤成分からなるとともに、前記助剤成分を1〜15重量%含有し、前記助剤成分のうちAl を0.05〜0.9重量%、Cを0.05〜4.5重量%含み、前記助剤成分の50%以上が結晶相として存在することを特徴とするセラミックヒータ。
  2. 前記セラミック基体が窒化珪素質セラミックスからなることを特徴とする請求項1に記載のセラミックヒータ。
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