JP4145532B2 - 記録媒体内のデータの情報処理装置及び記録媒体内のデータへのアクセス制御方式 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体からデータを読み込んで処理する情報処理装置に関する。更に、本発明は、複数の装置が同一の記録媒体へアクセスすることを制御するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
記録媒体内のデータを処理する情報処理装置の例として、着脱自在のメモリカードのインターフェースを有するプリンタがあり、そのプリンタは、パーソナルコンピュータ等のホスト装置に接続してプリントシステムを構成することができる。そのプリントシステムでは、プリンタが、上記インターフェースに装着されたメモリカードからファイルを読み出して印刷したり、ホスト装置が、上記インターフェースに装着されたメモリカードからプリンタを介してファイルを読み出したり、プリンタを介してそのメモリカードにファイルを書き込んだりすることができる。
【0003】
上述したプリンタは、スタンドアロンマシンとして機能するモード(以下、スタンドアロンモード)と、パーソナルコンピュータ等のホスト装置の周辺機器として機能するモード(以下、周辺機器モード)とを備えている。スタンドアロンモードでは、上記インターフェースに差込まれたメモリカードからユーザに選択されたファイルを直接(ホスト装置を介さずに)読みこんで印刷(以下、スタンドアロン印刷)することができる。周辺機器モードでは、ホスト装置からの要求に応じて、ホスト装置から受信したファイルを印刷したり、ホスト装置がメモリカードにアクセスすることを許可して、メモリカードからファイルを読み込んでホスト装置に送ったり、ホスト装置から受信したファイルをメモリカードに書き込んだり、メモリカード内のファイルをホスト装置から受信したファイルに書き換えたりすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したプリンタでは、スタンドアロンモードがオン状態になっているときに、むやみにホスト装置からのメモリカードに対するアクセスを許すと、スタンドアロン印刷中のファイルがホスト装置によって別のファイルに書き換えられてファイルに不整合が生じる等して、印刷不能、システムが不安定になる等の悪影響が出てしまうことがある。
【0005】
このような理由から、上記スタンドアロンプリンタには、スタンドアロンモードと周辺機器モードとを切り替えるためのスイッチが設けられ、スタンドアロンモードがオン状態になっているときは、ホスト装置がメモリカードに一切アクセスできないように制御される。
【0006】
しかし、スタンドアロンモードで印刷している最中でも、ホスト装置を用いて、メモリカード内のファイルを読込んでファイルの編集・書き換え等を行いたいという要求がある。だが、この要求に応じて、むやみにホスト装置からのメモリカードに対するアクセスを許してしまうのでは、上述したような悪影響が出てしまう。
【0007】
従って、本発明の目的は、複数の装置が同一の記録媒体内データへアクセスする場合において、或る程度ユーザの要求を認めつつも、悪影響が出ないように上記アクセスを制御することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に従う情報処理装置は、記録媒体からデータを読み込んで処理する情報処理装置であって、情報処理装置自身が上記記録媒体内のターゲットデータ(例えば、読み込み或るいは書き換えの対象とするデータ)にアクセスした又はアクセスする可能性のある動作をしたとき(アクセスするとき、又は、アクセスする可能性のある動作をするときも含む、以下、アクセスする等のときと言う)、外部の装置(つまり本発明に従う情報処理装置以外の装置)に対して、上記ターゲットデータの読み込みを許可するが、上記ターゲットデータの書き換えを禁止するアクセス制御手段を備える。
【0009】
この発明によれば、情報処理装置がターゲットデータにアクセスする等のときであっても、外部の装置は、一定の範囲でターゲットデータにアクセスできる、具体的には、ターゲットデータを読み込める。これにより、情報処理装置がターゲットデータにアクセスする等のときにおいて、ユーザの要求(例えば、ターゲットデータを読み込んで編集する等)を或る程度認めつつも、悪影響の原因、例えば、情報処理装置がターゲットデータを処理しているときに外部の装置がそのターゲットデータを書き換えてそのターゲットデータの不整合が生じる等が発生することを防止することができる。
【0010】
好適な実施形態では、アクセス制御手段が外部の装置に対して書き換えを禁止する範囲が、次の(1)〜(3)
(1)前記記録媒体内の前記ターゲットデータのみ、
(2)前記ターゲットデータを記録した論理的又は物理的な記録領域の一区画、
(3)前記記録媒体の記録領域の全体、
の群から選ばれたいずれかである。更に好適には、アクセス制御手段は、外部の装置に対して、書き換えを禁止する範囲以外の、上記記録媒体の記録領域については、自由にアクセスすることを許可する。
【0011】
本発明に従うアクセス制御方式は、複数の装置が同一の記録媒体へアクセスすることを制御するためのアクセス制御方式であって、或る装置が上記記録媒体内のターゲットデータにアクセスした又はアクセスする可能性のある動作をしたとき、別の装置に対して、上記ターゲットデータの読み込みを許可するが、上記ターゲットデータの書き換えを禁止する。
【0012】
本発明に従うアクセス制御方法は、複数の装置が同一の記録媒体へアクセスすることを制御するためのアクセス制御方法であって、或る装置が上記記録媒体内のターゲットデータにアクセスした又はアクセスする可能性のある動作をしたとき、別の装置に対して、上記ターゲットデータの読み込みを許可するが、上記ターゲットデータの書き換えを禁止する。
【0013】
本発明に従うコンピュータプログラムは、複数の装置が同一の記録媒体へアクセスすることを制御することを実行するためのコンピュータプログラムであって或る装置が上記記録媒体内のターゲットデータにアクセスした又はアクセスする可能性のある動作をしたとき、別の装置に対して、上記ターゲットデータの読み込みを許可するが、上記ターゲットデータの書き換えを禁止する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態を適用したプリントシステムを示す。
【0016】
この図に示すように、本実施形態に係るプリントシステムには、プリンタ1と、そのプリンタ1と所定のインターフェース、例えばUSB(Universal Serial Bus)で接続されたパーソナルコンピュータ等のホスト装置7とが備えられている。プリンタ1は、ユーザがボタン操作によりプリンタ1に種々の命令をするための操作パネル3と、メモリカード5を差し込むためのスロット4とを有している。メモリカード5は、記録媒体そのもの或るいは記録媒体をこのプリンタ1のインターフェースに合うようなカードホルダにセットしたもの(例えばPCMCIAの規格に準拠したメモリカード)であり、着脱可能である。
【0017】
プリンタ1は、スタンドアロンマシンとしても、ホスト装置7の周辺機器としても機能することができる。
【0018】
スタンドアロンマシンとして機能する場合、プリンタ1は、操作パネル3を介したユーザからの命令に応じて、スロット4に差込まれたメモリカード5から画像ファイル(例えば、JPEG形式で圧縮された画像ファイル、以下、JPEG画像ファイル)を直接(つまりホスト装置7を介さずに)読込み、読込んだJPEG画像ファイルを開いてJPEG画像ファイル内の画像を印刷(スタンドアロン印刷)することができる。スタンドアロン印刷には、インデックスプリントと通常印刷という2種類の印刷形態がある。インデックスプリントとは、ユーザから操作パネル3を介してインデックスプリント実行の命令を受けたときに、メモリカード5に記録されている全てのJPEG画像ファイルを順に読込んで開き、開いたJPEG画像ファイルに画像番号(画像を識別するための番号)を割当て、一覧形式で全てのJPEG画像ファイル内の画像を画像番号と共に印刷することである。通常印刷とは、インデックスプリントした画像のうちユーザ所望の画像の画像番号とその画像の印刷枚数との入力、及び、通常印刷実行の命令をユーザから受けたときに、ユーザに入力された画像番号に対応する画像のJPEG画像ファイルを読込んで開き、そのJPEG画像ファイル内の画像をユーザに入力された印刷枚数だけ印刷することである。
【0019】
一方、ホスト装置7の周辺機器として機能する場合、プリンタ1は、ホスト装置7から印刷イメージを受信してそれを印刷したり、ホスト装置7からの要求に応じてホスト装置7がメモリカード5にアクセスすることを許可したりする、つまり、ホスト装置7からの要求に応じて、メモリカード5からJPEG画像ファイルを読み込んでホスト装置7に送ったり、ホスト装置7から受信したJPEG画像ファイルをメモリカード5に書き込んだり、メモリカード5内のJPEG画像ファイルをホスト装置7から受信したJPEG画像ファイルに書き換えたりする。
【0020】
図2は、プリンタ1の内部構成を示すブロック図である。
【0021】
この図に示すように、プリンタ1は、ホスト装置7とのインターフェースであるHUB31と、上述したスタンドアロン印刷することができるスタンドアロン印刷部41とを備える。スタンドアロン印刷部41は、カードリーダ・ライタ35と、印刷処理部33と、カードアクセス制御部37とを備える。
【0022】
カードリーダ・ライタ35は、HUB31を介してホスト装置7とUSBで通信可能に接続されている(つまり、USBでHUB31に接続されている)。カードリーダ・ライタ35は、操作パネル3におけるボタン操作の内容に応じてメモリカード5からJPEG画像ファイルを読み込んで印刷処理部33に渡したり、ホスト装置7からの要求に従ってメモリカード5からJPEG画像ファイルを読み込んでホスト装置7に送ったりする。また、カードリーダ・ライタ35は、ホスト装置7からメモリカード5への書き込み要求を受け、カードアクセス制御部37の制御の下で、ホスト装置7からJPEG画像ファイルを受けて、それを、ホスト装置7からの要求に従ってメモリカード5に書き込む。カードリーダ・ライタ35は、ホスト装置7からメモリカード5への書き込み要求を受けたこと、及び、ホスト装置7から受けたJPEG画像ファイルをメモリカード5に書き込み終えたことを、カードアクセス制御部37に通知する。
【0023】
印刷処理部33は、HUB31を介してホスト装置7とUSBで通信可能に接続されている(つまり、USBでHUB31に接続されている)。印刷処理部33は、カードリーダ・ライタ35からJPEG画像ファイルを、又は、ホスト装置7から印刷イメージを受けて、受けたものを、それぞれ所定の手順で処理して印刷する。具体的に言うと、JPEG画像ファイルを受けたときは(つまりスタンドアロン印刷するときは)、印刷処理回路33は、JPEG画像ファイルを解凍(伸張)してRGBの表色系で表された画像を取得し、取得した画像の表色系RGBをプリンタ1で表示可能な表色系CMY(若しくはCMYK)に変換(いわゆる色変換)し、CMYの表色系に変換した画像をハーフトーニング処理して所定の方式(例えばインターレース方式)で印刷する。印刷処理回路33は、印刷イメージを受けたときは、その印刷イメージを、色変換、ハーフトーニングの手順で処理して印刷する。印刷処理回路33は、スタンドアロン印刷(つまりインデックスプリント又は通常印刷)を終えたときは、その旨(つまりインデックスプリント終了又は通常印刷終了)をカードアクセス制御部37に通知する。
【0024】
カードアクセス制御部37は、操作パネル3でボタン操作された内容(つまり、ユーザがプリンタ1にどのような命令を出したかの内容)を識別することができ、ホスト装置7がカードリーダ・ライタ35を介してメモリカード5にアクセスすることを制御する。具体的に言うと、カードアクセス制御部37は、ホスト装置7からのメモリカード5の読み込み要求、つまり、ホスト装置7がカードリーダ・ライタ35を介してメモリカード5からJPEG画像ファイルを読み込むことは、常に許可してもシステムに支障が出る虞がないので、常に許可する。カードアクセス制御部37は、ホスト装置7からメモリカード5への書き込み要求、つまり、ホスト装置7がカードリーダ・ライタ35を介してメモリカード5にJPEG画像ファイルを書き込むことは、図3及び図4に示すように制御する。
【0025】
図3及び図4は、ホスト装置7のメモリカード5に対する書き込みを制御するときのカードアクセス制御部37の処理流れを示す。
【0026】
図3に示すように、カードアクセス制御部37は、操作パネル3において上記インデックスプリントを実行させるためのボタン操作があったことを識別したときは(ステップS1)、ホスト装置7からのメモリカード5への書き込み要求を受け入れないようにする、つまり、ホスト装置7がJPEG画像ファイルをメモリカード5に書き込むことを一切禁止する(つまり、ホスト装置7がメモリカード5にJPEG画像ファイルを一切書き込むことができない状態となる。以下、これを「ホスト装置7の書き込み禁止状態」という)(S2)。その後、メモリカード5内のJPEG画像ファイルが順に読み込まれてインデックスプリントが行なわれ(S3、S4)、インデックスプリント終了が印刷処理部33から通知されたときは(S5、S6でYES)、カードアクセス制御部37は、ホスト装置7の書き込み禁止状態を解除する(S7)。つまり、このステップS7の後は、ホスト装置7は、カードリーダ・ライタ35を介してメモリカード5にJPEG画像ファイルを書き込むことができるようになる。
【0027】
また、カードアクセス制御部37は、何らかのボタン操作、例えば、操作パネル3において上記画像番号のボタン入力が行われたことを識別したときは(S8)、ホスト装置7がJPEG画像ファイルをメモリカード5に書き込むことを一切禁止する(S9)。この後、カードアクセス制御部37は、一定時間が経過するまで操作パネル3で一切ボタン操作が行なわれなければ(S14でYES)、ステップS9以後のホスト装置7の書き込み禁止状態を解除する(S15)。
【0028】
また、カードアクセス制御部37は、ステップS8の後、上記通常印刷を実行させるためのボタン操作があったことを識別したときは(S10)、ホスト装置7がJPEG画像ファイルをメモリカード5に書き込むことを一切禁止する(S2)。その後、メモリカード5内のJPEG画像ファイルが読み込まれて通常印刷が行なわれ(S11、S12)、通常印刷終了が印刷処理部33から通知されたときは(S13、S6でYES)、カードアクセス制御部37は、ステップS2以後のホスト装置7の書き込み禁止状態を解除する(S7)。
【0029】
また、図4に示すように、カードアクセス制御部37は、ホスト装置7からメモリカード5への書き込み要求を受けたことをカードリーダ・ライタ35から通知されたときは(S20)、操作パネル3がボタン操作を受け入れることを禁止する(つまり、ボタン操作することが不可能な状態とする)(S21)。その後、カードアクセス制御部37は、ホスト装置7から受けたJPEG画像ファイルをメモリカード5に書き込み終えたことをカードリーダ・ライタ35から通知されたときは(S22でYES)、ステップS21以後の、ボタン操作することが不可能な状態を解除する、つまり、操作パネル3がボタン操作を受け入れることを許可するようにする(S23)。
【0030】
上述した実施形態によれば、カードアクセス制御部37は、プリンタ1を介してホスト装置7がメモリカード5からJPEG画像ファイルを読み出すことは常に許可する。これにより、ユーザは、たとえスタンドアロン印刷中であっても、好きにホスト装置7にJPEG画像ファイルを読み込んで編集等の作業を行うことができるので、ユーザにとって便利になる。
【0031】
また、上述した実施形態によれば、カードアクセス制御部37は、操作パネル3で何らかのボタン操作がされたとき、すなわち、メモリカード5からJPEG画像ファイルが読み込まれて印刷されるというスタンドアロン印刷が行われる又は行われる可能性があるときは、ホスト装置7がメモリカード5にJPEG画像ファイルを書き込めないようにする。これにより、スタンドアロン印刷中のJPEG画像ファイルがホスト装置7によって別のファイルに書き換えられてファイルに不整合が生じる等の、システムに悪影響をもたらす原因が発生することを無くすことができる。
【0032】
さて、本発明には、例えば以下のような別の実施形態も考えられる。以下、その別の実施形態について説明する。
【0033】
図5は、本発明の別の実施形態に係るプリンタの構成を示す。なお、上述した実施形態に係るプリンタ1と同一の構成要素については同一の参照番号を付す。以下、プリンタ1との相違点を中心に説明する。
【0034】
この別の実施形態に係るプリンタ100には、HUB31に、ホスト装置7だけでなく外部記憶装置(例えば、いわゆる外付け型のハードディスクや、書換え可能な又は不可能な記録媒体(例えばCD−R又はCD−RW)のドライブ、デジタルカメラ等)50を接続することができる。プリンタ100は、ホスト装置7或いは操作パネル3を操作するユーザからの要求に応じて、外部記憶装置50内のデータをホスト装置7又はメモリカード5に出力したり、ホスト装置7から転送されて来るデータ又はメモリカード5内のJPEG画像ファイルを外部記憶装置50に転送して記憶させたりすることができる。
【0035】
このプリンタ100は、ユーザから、メモリカード5内の全ての又は一部のJPEG画像ファイルを外部記憶装置50に記憶させる命令(以下、「カードバックアップの命令」を言う)を受けることができる。プリンタ100に対してカードバックアップの命令がされたとき、プリンタ100の内部では、以下のようにして、ホスト装置7がメモリカード5にアクセスすることが制御される。
【0036】
図6は、プリンタ100に対してカードバックアップの命令がされたときにプリンタ100の内部で行われる、ホスト装置7のメモリカード5に対する書き込みの制御の流れを示す。
【0037】
プリンタ100に対してカードバックアップの命令がされたとき(S30でY)、カードアクセス制御部370が、ホスト装置7がメモリカード5にJPEG画像ファイルを一切書き込むことができない状態に制御する、つまり、ホスト装置7の書き込み禁止状態を開始する(S31)。また、プリンタ内部の所定の場所で記憶されている、現在のプリンタ内部の状態(又はカードバックアップのための一連の作業の進捗状況)を示す内部状態情報が、カードバックアップ処理中を示す情報に切り換えられる。
【0038】
続いて、カードバックアップ処理によって転送されるファイル(すなわち、外部記憶装置50に転送され記憶される1以上のJPEG画像ファイル、以下、転送元ファイル)のサイズと、転送元ファイルの転送先となる外部記憶装置50の空き記憶容量とが計算される(S31,S32)。そして、計算された転送元ファイルのサイズと、外部記憶装置50の空き記憶容量との比較が行われる(S34)。
【0039】
その比較の結果、空き記憶容量が転送元ファイルのサイズよりも小さい場合は(S34でN)、カードバックアップをすることができないと判断されてその旨がユーザに通知される(例えば、ホスト装置7又は操作パネル3上に、外部記憶装置50の空き記憶容量が不足している旨のメッセージが表示される)と共に、カードアクセス制御部370が、ホスト装置7の書き込み禁止状態を解除する(S38)。
【0040】
一方、S34の比較の結果、空き記憶容量が転送元ファイルのサイズ以上ある場合は(S34でY)、転送元ファイル(すなわち、メモリカード5内の、カードバックアップ対象のJPEG画像ファイル)が外部記憶装置50に転送され始める、つまり、カードバックアップ処理が開始される(S35)。
【0041】
カードバックアップ処理中は(S36でN)、カードアクセス制御部370によって、ホスト装置7がメモリカード7にデータを書き込むことができない状態が維持される(S37)。すなわち、ホスト装置7の書き込み禁止状態は、カードバックアップ処理が終了するまで続く。
【0042】
ステップS35からしばらく経って、カードバックアップ処理が終了したら(S36でY)、カードアクセス制御部370によって、ホスト装置7がメモリカード7にデータを書き込むことができるようになる(S38)。すなわち、カードバックアップ処理の終了が検出されたら、ホスト装置7の書き込み禁止状態は解除される(S37)。それと共に、上述した内部状態情報が、カードバックアップ処理終了を示す情報に切り換えられる。
【0043】
この別の実施形態によれば、メモリカード5内の転送元ファイル(JPEG画像ファイル)が外部記憶装置50に転送され続けている間は、ホスト装置7がメモリカード7にデータを書き込むことが一切禁止される。これにより、カードバックアップ処理中に転送元ファイルがホスト装置7によって別のファイルに書き換えられてファイルに不整合が生じることを防ぎ、以って、カードバックアップ処理に失敗する等のエラーが発生してしまうことを防ぐことができる。
【0044】
さて、この別の実施形態では、以下ような変形例も考えられる。
【0045】
図7は、上記別の実施形態の変形例に係るプリンタの内部構成を示す。
【0046】
本変形例に係るプリンタ200の内部では、HUB31に、カードアクセス制御部370が通信可能に接続されており、カードアクセス制御部370に、USBホストコントローラ250が通信可能に接続されている。USBホストコントローラ250には、外部記憶装置(例えば、MOドライブやデジタルカメラ等)50を接続することができる。この構成により、ホスト装置7から送出されたデータを外部記憶装置50に書き込んだり、ホスト装置7又は印刷処理部33が外部記憶装置50内のデータを読み込んだり、メモリカード5内のデータを外部記憶装置50に書き込んだり、外部記憶装置50内のデータをメモリカード5に書き込んだりすることができる。
【0047】
この構成の下、カードアクセス制御部470は、上記実施形態及び上記別の実施形態で説明した方法と同様の方法で、ホスト装置7のメモリカード35又は外部記憶装置50へのアクセス排他制御や、印刷処理部33のメモリカード35又は外部記憶装置50へのアクセス排他制御を実行することができる。また、カードアクセス制御部470は、カードリーダ・ライタ35の外部記憶装置50へのアクセスの排他制御も実行することができる。
【0048】
すなわち、例えば、外部記憶装置50に対してカードバックアップ処理中のときには、カードアクセス制御部470は、ホスト装置7がデータをメモリカード5に書き込むことを一切禁止する。また、外部記憶装置50内のデータをメモリカード5に転送する命令を受けたときは、カードアクセス制御部470は、ホスト装置7がデータを外部記憶装置50に書き込むことを一切禁止する。
【0049】
さらに、例えば、外部記憶装置50内のファイルの中身を印刷するボタン操作が操作パネル3に対して行われたときや、印刷処理部33が外部記憶装置50内のファイルの中身を読み込んで印刷している(つまりスタンドアロン印刷している)際中には、カードアクセス制御部470は、ホスト装置7やカードリーダ・ライタ35がデータを外部記憶装置50に書き込むことを一切禁止する。
【0050】
以上、本発明の幾つかの好適な実施形態を説明したが、これらは本発明の説明のための例示であって、本発明の範囲をこれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、他の種々の形態でも実施することが可能である。例えば、メモリカード5に対して読み書きするファイルはJPEG画像ファイルに限らず、テキストファイル等であっても良い。また、操作パネル3は、ボタンだけでなく、トラックボール等の別の入力装置を備えていても良い。また、プリンタ1が、ホスト装置7から印刷イメージでなくJPEG画像ファイルを受けて印刷するようにしても良い。また、図3のステップS2及びステップS9では、メモリカード5内に既に書かれてあるファイルのみ又はプリンタ1に読み込まれたファイルのみをホスト装置7が書き換えすることを禁止するようにしても良い(つまり、ステップS2及びステップS9において、カードアクセス制御部37は、ホスト装置7がメモリカード5に書き込みをすることを一切禁止するのではなく、メモリカード5内に既に書かれてあるファイルのみ或るいはプリンタ1に読み込まれたファイルのみを書き換える以外の書き込みは許可するようにしても良い)。これにより、プリントシステムがより一層ユーザフレンドリーになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るプリントシステムを示す図。
【図2】本発明の一実施形態に係るプリンタの内部構成を示す図。
【図3】ホスト装置7のメモリカード5に対する書き込みを制御するときのカードアクセス制御部37の処理流れを示す図。
【図4】ホスト装置7のメモリカード5に対する書き込みを制御するときのカードアクセス制御部37の処理流れを示す図。
【図5】本発明の別の実施形態に係るプリンタの内部構成を示す図。
【図6】本発明の別の実施形態において、ホスト装置7のメモリカード5に対する書き込みを制御するときのカードアクセス制御部370の処理流れを示す図。
【図7】本発明の別の実施形態の変形例に係るプリンタの内部構成を示す図。
【符号の説明】
1、100、200 プリンタ
3 操作パネル
5 メモリカード
7 ホスト装置
35 カードリーダ・ライタ
37、370、470 カードアクセス制御部
50 外部記憶装置
250 USBホストコントローラ
Claims (5)
- 記録媒体から読み込んだデータを印刷するプリンタであって、
ユーザから操作される操作パネルと、
前記操作パネルに対する操作内容を識別し、前記識別した操作内容に基づいて、外部の装置から前記記録媒体へのアクセスを制御するアクセス制御手段と、を備え、
前記アクセス制御手段は、以下の(A)及び(B)を実行する、
(A)前記識別した操作内容が画像番号の入力である場合、前記外部の装置に対して前記記録媒体へのデータの書き込みを禁止し、その後、一定時間が経過するまで前記操作パネルが操作されなかったときは、前記外部の装置に対してデータの書き込みの禁止を解除し、
(B)前記操作パネルが再度操作され、前記再度の操作の内容が、印刷実行の指示であるときは、前記外部の装置に対して前記記録媒体へのデータの書き込みを禁止し、その後、印刷が終了したとき、前記外部の装置に対してデータの書き込みの禁止を解除する、
プリンタ。 - 前記アクセス制御手段は、前記識別した操作内容が、インデックスプリントの実行の指示である場合、前記外部の装置に対して前記記録媒体へのデータの書き込みを禁止し、その後、印刷が終了したとき、前記外部の装置に対してデータの書き込みの禁止を解除する、
請求項1記載のプリンタ。 - 前記記録媒体への書き込み要求を前記外部の装置から受けたとき、前記操作パネルを介して操作を受け入れることを禁止する操作禁止手段、
を更に備える請求項1又は2記載のプリンタ。 - 記録媒体から読み込んだデータを印刷するプリンタが行う前記記録媒体へのアクセス制御方法であって、
ユーザから第一の操作を受け入れ、
前記第一の操作の操作内容を識別し、
前記識別した操作内容が画像番号の入力である場合、外部の装置に対して前記記録媒体へのデータの書き込みを禁止し、その後、一定時間が経過するまでユーザからの操作の受け入れがなかったときは、前記外部の装置に対してデータの書き込みの禁止を解除し、
ユーザから第二の操作を受け入れ、前記第二の操作について識別した操作内容が印刷実行の指示であるときは、前記外部の装置に対して前記記録媒体へのデータの書き込みを禁止し、その後、印刷が終了したとき、前記外部の装置に対してデータの書き込みの禁止を解除する、
アクセス制御方法。 - 記録媒体から読み込んだデータを印刷するプリンタが行う前記記録媒体へのアクセス制御方法を実現するためのコンピュータプログラムであって、
ユーザから第一の操作を受け入れ、
前記第一の操作の操作内容を識別し、
前記識別した操作内容が画像番号の入力である場合、外部の装置に対して前記記録媒体へのデータの書き込みを禁止し、その後、一定時間が経過するまでユーザからの操作の受け入れがなかったときは、前記外部の装置に対してデータの書き込みの禁止を解除し、
ユーザから第二の操作を受け入れ、前記第二の操作について識別した操作内容が印刷実行の指示であるときは、前記外部の装置に対して前記記録媒体へのデータの書き込みを禁止し、その後、印刷が終了したとき、前記外部の装置に対してデータの書き込みの禁止を解除する、
ことを実現するためのコンピュータプログラム。
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