JP4144999B2 - 冷却貯蔵庫 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アンダーカウンタータイプの冷却貯蔵庫に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の冷却貯蔵庫は、前面及び上面に開口を有し、この前面開口を開閉自在に閉塞する断熱材にて形成された前面扉を備える第1断熱箱体と、この第1断熱箱体にて画成される第1貯蔵室と、この第1貯蔵室と連通する冷却室を画成し、前記第1断熱箱体の上に設けられた第2断熱枠体と、この第2断熱枠体内に所定間隔を存して設けられ、内部を第2貯蔵室とし、上面が開口した収納容器と、この収納容器の上面開口を開閉自在に閉塞する断熱材にて形成された第2貯蔵室扉とを備え、前記収納容器が前記第1断熱箱体の上面開口内に位置するように構成されている(特開平9−303932号公報参照)。
【0003】
そして、このような上面に開口101を有する冷却貯蔵庫100には、図9及び図10に示すような上面扉102が設けられており、水平方向にスライド移動することで上面開口101を開閉している。
【0004】
上面扉102には、左右端部にスライドピース103が設けられ、このスライドピース103が、前記開口101に形成されたプレート104上を摺動することでスライド自在となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような従来技術の冷却貯蔵庫では、上面扉が水平方向にスライド移動するものであるため、上面扉を開放して収納品を取り出した後は、手で閉めなければならない。従って、業務用などの大量の収納品を扱う場合、極めて収納品の取り出し作業性が悪いものであった。
【0006】
本発明は上述した問題点に鑑みてなされたもので、自動的に閉塞する上面扉を設けることにより、収納品の取り出し作業性の向上を図ることを目的とした冷却貯蔵庫を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の冷却貯蔵庫は、内部に貯蔵室を画成すると共に、上面に開口を有する断熱箱体と、この断熱箱体の上面開口を開閉自在に閉塞するスライド式の上面扉と、この上面扉の下面の前後に設けられた戸車と、この戸車が転動する平坦面を有すると共に、前記戸車の左右の動きを規制する側壁を設けてL字状に形成されたレールとを備え、このレールは前記上面扉が上面開口閉塞位置では前記上面扉を水平に、この上面扉が上面開口閉鎖位置以外では前記上面扉の後方が前方より上方になるように傾斜させると共に、前記L字状のレールの戸車の転動する平坦面にこの戸車の嵌合する凹部を前後に設け、上面扉を後方に移動させて開放したときに後方の凹部に前記上面扉の前方の戸車を嵌合させるものである。
【0008】
本発明によれば、内部に貯蔵室を画成すると共に、上面に開口を有する断熱箱体と、この断熱箱体の上面開口を開閉自在に閉塞するスライド式の上面扉と、この上面扉の下面の前後に設けられた戸車と、この戸車が転動する平坦面を有すると共に、前記戸車の左右の動きを規制する側壁を設けてL字状に形成されたレールとを備え、このレールを、前記上面扉が上面開口閉塞位置では前記上面扉を水平に、この上面扉が上面開口閉鎖位置以外では前記上面扉の後方が前方より上方になるように傾斜させたので、上面扉の戸車がレールの平坦面上を転動することでスライド自在とし、しかも、上面扉の開放位置側でレールが傾斜しており、前記上面扉が自重で閉塞するようにすると共に、前記レールの清掃をしやすくし、かつ、L字状のレールの側壁で戸車の左右を規制でき、自動閉塞時に上面扉がレールから外れるのを防止できる。
【0009】
また、前記レールの平坦面に設けた凹部の少なくとも前後の一方に曲面部を形成したので、前記凹部に嵌め合わされた戸車がスムースにスライドできる。
【0010】
更に、前記戸車の嵌合する凹部を前後に設け、上面扉を後方に移動させて開放したときに後方の凹部に前記上面扉の前方の戸車を嵌合させたので、上面開放位置で上面扉を係止できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の冷却貯蔵庫の斜視図、図2は本発明の冷却貯蔵庫の上面扉閉塞時の要部断面図、図3は本発明の冷却貯蔵庫の上面扉開放時の要部断面図、図4は本発明の上面扉の断面図、図5は本発明の上面扉とレールとを示す分解斜視図、図6は本発明のレールの側面図、図7は本発明の上面扉を全開したときの係止状態を示す要部拡大断面図である。
【0015】
図1乃至図3に示す1は冷却貯蔵庫で、前面及び上面に開口2、3が形成され、内部に貯蔵室4を画成する断熱箱体5と、この断熱箱体の前面開口2を開閉自在に閉塞し、断熱材にて形成されたスイング式の前面扉6と、上面開口3を開閉自在に閉塞し、断熱材にて形成されたスライド式の上面扉7とを備えている。上面開口3は冷却貯蔵庫1の前側に設けられており、後側には上面扉7を収納する収納部8が設けられている。
【0016】
断熱箱体5内には、仕切板9にて前記貯蔵室4と仕切られ、内部に冷却器10と冷気循環ファン11等を備える冷却室12が形成されている。そして、冷却貯蔵庫1の後下部であって、前記断熱箱体5外には、図示しないが凝縮器、凝縮器用冷却ファン、圧縮機等を備えた機械室が形成されており、この機械室の凝縮器と圧縮機、及び冷却室12の冷却器10とで冷凍サイクルを構成している。
【0017】
また、前記貯蔵室4の上部には、移動棚13を備える引き出し装置14が設けられており、この移動棚には段ボールSに入った食品などが載置されている。
【0018】
以上のような構成において、本発明の上面扉7について図2乃至図5を参照して説明する。
【0019】
上面扉7は、鋼板にて下方を開口して箱状に形成された外装箱7Aと、この外装箱の開口を閉塞する硬質樹脂製の内装板7Bと、これら外装箱と内装板とで形成された空間内に充填された発泡性断熱材7Cとで形成されている。
【0020】
また、上面扉7の下面の四隅には戸車15が埋設して取り付けられており、この戸車の下部が、内装板7Bより下方に突出している。戸車15のローラ部15Aはレール16との接触面が平面状に形成されている。
【0021】
レール16は、戸車15のローラ部15Aが転動する平坦なレール部17と、ローラ部15Aの横方向の動きを規制するこのローラ部の外側に設けた側壁で形成されたガイド部18とでL字状に形成され、左右一対に設けられている。レール16は水平に配置された前レール16Aと後方が高くなるように傾斜した後レール16Bとで構成され、前レール16Aは上面扉7の前後の戸車15の間隔より長く形成され、後レール16Bは上面扉7の前後の戸車15の間隔より短く形成されている。
【0022】
前レール16Aのレール部17には、前後に凹部17A、17Bが形成され、上面扉7を上面の開口3を閉塞する位置で、この上面扉の戸車15が凹部17A、17Bにはまり込むようにされ、上面扉7のスライド移動を規制するようにしている。
【0023】
図6に示すように、前レール16Aの前後の凹部17A、17Bの後方には平坦なレール部17との段差を埋める曲面部19が設けられ、後方の凹部17Bの前方には傾斜した平面部20が設けられている。
【0024】
上面扉7の下面には、断熱箱体5の上面の開口3の開口縁に当接するパッキン21が戸車15の内側に設けられ、このパッキンは軟質樹脂の押し出し成形により形成され、上面扉7が上面の開口3を閉塞する位置でレール部17の前後の凹部17A、17Bにはまり込んだときに断熱箱体5の開口縁に接触し、その他のレール部17では断熱箱体5に接触しないようにされている。
【0025】
22は後レール16Bの後方に設けられて上面扉7の開放時の後方への移動を制限する制限部材で、この制限部材の前面には上面扉7を全開したときにこの上面扉の前方の戸車15が前レール16Aのレール部17の後方の凹部17Bの手前で上面扉7の後方への移動を規制するストッパ23が設けられている。
【0026】
このように構成された冷却貯蔵庫において、上面扉7の開閉動作について説明する。
【0027】
先ず、図2の上面扉7の上面の開口3の閉塞位置では、上面扉7の戸車15が水平な前レール16Aの前後の凹部17A、17Bにはまり込んでおり、パッキン21が断熱箱体5の上面の開口3の開口縁に接触して貯蔵室4内の冷気が漏れないようにシールしている。
【0028】
この状態から前記上面扉7の前側の縁をもって、後方に押してやると、戸車15が前後の凹部17A、17Bの後方の曲面部19を乗り越えてこの凹部から離脱し、パッキン27が開口3の開口縁から離れる。この状態では、上面扉7の前側の戸車15は水平な前レール16A上であるが、後側の戸車15は傾斜した後レール16Bに若干かかっている。
【0029】
そのまま、上面扉7を後方に押してやることで、図3に示す如く、上面扉7は傾斜した後レール16Bを昇り、収納部8内に収納される。この収納部内で上面扉7は制限部材22の前面に設けられたストッパ23で規制され、前側の戸車15が前レール16Aの後方に凹部17Bの手前で係止し、上面扉7から手を離すことでこの上面扉が自重で前側に戸車15が転動して上面の開口を自動閉塞するようにしている。
【0030】
レール16は戸車15のローラ部15Aが転動する平坦なレール部17と
この戸車のローラ部の左右への動きを規制するガイド部18とでL字状に形成することにより、上面扉7の戸車15をレール部17の載せるだけで取り付けられると共に、レール部17に凸状の軌道がないので、このレール部の清掃を容易にできるようにしている。
【0031】
また、レール16は前レール16Aを水平に、後レール16Bを後方が高くなるように傾斜させることにより、上面扉7を上面開口3の閉塞位置で水平にし、閉塞位置以外で後方が高くなるように傾斜させ、閉塞時には上面扉7が開かないようにすると共に、開放時に上面扉7が自重で閉まるようにしている。
【0032】
上面扉7は戸車15のローラ部15Aを前後の凹部17A、17Bにはまり込ませたときに上面の開口3を閉塞させることにより、冷却貯蔵庫1が若干傾いて設置されていても閉塞時に上面扉7が勝手に開いてしまうのを防止できるようにしている。
【0033】
上面扉7の下面に設けられたパッキン21は戸車15のローラ部15Aが前後の凹部17A、17Bにはまり込んでいるときに断熱箱体5の開口縁に接触し、平坦なレール部17上にあるときに断熱箱体5に接触しないようにすることにより、上面扉7がスライドしているときにパッキン21が接触して磨耗しないようにされている。
【0034】
図8は他の実施の形態を示し、後レール部16Bの後方に設けた上面扉7の後方への移動を制限する制限部材22の前面からストッパを外したもので、このストッパを取り除いた分、上面扉7が後方に移動でき、この上面扉の前側の戸車15のローラ部15Aが前レール16Aの後方の凹部17Bにはまり込んで全開時に上面扉7を係止し、この上面扉を全開状態に保持できるようにしている。また、上面扉7の前側の戸車15のローラ部15Aは後方の凹部17Bの前方の傾斜した平坦面20に全開時にはまり込んで接触することにより、上面扉7を全開状態で保持できるようにされている。そして、上面扉7を開放して貯蔵室4の食品を取り出した後、上面扉7の前側の戸車15を後方の凹部17Bから離脱するだけ前方に引きだしてやれば、上面扉7は自動的に閉塞し、食品の取り出し作業性を向上させることができるようにされている。
【0035】
すなわち、上面扉7は制限部材22の前面のストッパ23の有無によって全開時に止められたり、全開時に係止されず自重で転動して開口3を自動閉塞できるようにしたりしている。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、内部に貯蔵室を画成すると共に、上面に開口を有する断熱箱体と、この断熱箱体の上面開口を開閉自在に閉塞するスライド式の上面扉と、この上面扉の下面の前後に設けられた戸車と、この戸車が転動する平坦面を有すると共に、前記戸車の左右の動きを規制する側壁を設けてL字状に形成されたレールとを備え、このレールを、前記上面扉が上面開口閉塞位置では前記上面扉を水平に、この上面扉が上面開口閉鎖位置以外では前記上面扉の後方が前方より上方になるように傾斜させたので、上面扉の戸車がレールの平坦面上を転動することでスライド自在とし、しかも、上面扉の開放位置側でレールが傾斜しており、前記上面扉が自重で閉塞するようにすると共に、前記レールの清掃をしやすくし、かつ、L字状のレールの側壁で戸車の左右を規制でき、自動閉塞時に上面扉がレールから外れるのを防止できる。
【0037】
また、前記戸車の嵌合する凹部を上面扉の上面開口閉塞位置に設けたので、前記上面扉が上面開口閉塞位置で移動しにくくすると共に、断熱箱体と上面扉との上下の間隔を狭くしてシール性を向上でき、貯蔵室内の冷気の漏れを防止できる。
【0038】
更に、前記戸車の嵌合する凹部を前後に設け、上面扉を後方に移動させて開放したときに後方の凹部に前記上面扉の前方の戸車を嵌合させたので、上面開放位置で上面扉を係止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冷却貯蔵庫の斜視図である。
【図2】本発明の冷却貯蔵庫の上面扉閉塞時の要部断面図である。
【図3】本発明の冷却貯蔵庫の上面扉開放時の要部断面図である。
【図4】本発明の上面扉の断面図である。
【図5】本発明の上面扉とレールとを示す分解斜視図である。
【図6】本発明のレールの側面図である。
【図7】本発明の上面扉を全開したときの係止状態を示す要部拡大断面図である。
【図8】本発明の他の実施例で上面扉を全開したときに係止されない状態を示す要部拡大断面図である。
【図9】従来の冷却貯蔵庫の縦側断面図である。
【図10】従来の上面扉の断面図である。
【符号の説明】
S 食品
1 冷却貯蔵庫
3 上面開口
4 貯蔵室
7 上面扉
15 戸車
16 レール
16A 前レール
16B 後レール
17 レール部
17A 前方の凹部
17B 後方の凹部
18 ガイド部
19 曲面部
21 パッキン
Claims (1)
- 内部に貯蔵室を画成すると共に、上面に開口を有する断熱箱体と、この断熱箱体の上面開口を開閉自在に閉塞するスライド式の上面扉と、この上面扉の下面の前後に設けられた戸車と、この戸車が転動する平坦面を有すると共に、前記戸車の左右の動きを規制する側壁を設けてL字状に形成されたレールとを備え、このレールは前記上面扉が上面開口閉塞位置では前記上面扉を水平に、この上面扉が上面開口閉鎖位置以外では前記上面扉の後方が前方より上方になるように傾斜させると共に、前記L字状のレールの戸車の転動する平坦面にこの戸車の嵌合する凹部を前後に設け、上面扉を後方に移動させて開放したときに後方の凹部に前記上面扉の前方の戸車を嵌合させることを特徴とする冷却貯蔵庫。
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