JP4144562B2 - 電動過給機を備えたパワートレインの制御装置 - Google Patents

電動過給機を備えたパワートレインの制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、電動過給機を備えたパワートレインの制御装置、より詳しくは、エンジンの出力増大を図るための電動過給機と、車両の動力源として機能する走行用モータとを併せて備え、これらの駆動をエンジンの運転状態に応じて切り換えるように構成されたパワートレインの制御装置の技術分野に属する。
従来より、エンジンの出力増大を図る手段としてスーパーチャージャやターボチャージャが周知であるが、いずれも過給能力がエンジン回転数の影響を大きく受ける結果、低回転領域で過給圧が不足するという問題がある。これに対し、モータでコンプレッサを駆動する電動過給機は、エンジン回転数の影響を受けることなくコンプレッサの回転数を制御できるので、低回転領域でも十分な過給圧を発生し得るという利点を有する。
一方、近年、エンジンの他に、車両の動力源として機能する電動モータを搭載した低公害型車両・環境対応型車両が知られつつあり、例えば特許文献1には、このようなモータと上記電動過給機とを併せて有するパワートレインが開示されている。そして、このように、エンジンの出力増大を図る電動過給機と、エンジンをトルクアシストする走行用モータとを併せて備えた車両においては、例えば、エンジン回転数や車速等の回転関連値と、アクセル開度や吸入空気量等で代表されるエンジン負荷等のトルク関連値とをパラメータとするエンジンの運転状態に応じて、上記電動過給機及び電動モータの駆動状態を示す各領域がマップに設定され、このマップに実際のエンジン回転数やエンジン負荷等を当てはめて、その結果に応じて上記電動過給機及び電動モータの駆動を切り換えるエンジンないしパワートレインの基本的な出力制御が実行される。
この点、上記特許文献1によれば、その段落0014〜0016、段落0021、図2、及び図9に開示があるように、目標トルクが所定値以下であるときは(第1の状態)、車両をエンジンの自然吸気による出力のみで走行させ(非過給領域)、目標トルクが上記所定値より大きいが該所定値より大きな第2の所定値以下であるときは(第2の状態)、電動過給機のみを作動状態としてトルク増大を図り(過給領域)、目標トルクが上記第2の所定値より大きいときは(第3の状態)、電動過給機に加えてモータも作動状態として該モータによるトルクアシストを行う(トルクアシスト領域)ようになっている。すなわち、電動過給機によるトルク増大を主たるトルク高揚手段として用い、モータによるトルクアシストを従たるトルク高揚手段として用いているのである。
特開平11−332015号公報
しかし、電動過給機は、一般に、電力を供給してから吸気通路に配設したタービンの回転数が上昇して過給圧が目標圧に到達するまでに比較的長い時間がかかり、その結果、加速応答性に劣るという問題がある。また、吸気流量の少ない低回転領域において、タービンの吐出圧及び吐出流量が周期的に変動するサージング(脈動)の問題もあり、その結果、目標過給圧ないし目標トルクが達成されないばかりでなく、電動過給機及び吸気通路の損傷等も懸念される。
本発明は、電動過給機を備えたパワートレインにおける上記のような不具合に対処するもので、電動過給機及びモータの駆動をエンジンの運転状態に応じて制御する場合に、上記のような電動過給機の加速応答性の問題及びサージングの問題等を抑制することを課題とする。以下、その他の課題を含め、本発明を詳しく説明する。
すなわち、本願の請求項1に記載の発明は、エンジンから駆動輪に至る動力伝達経路にアシストトルクを導入するモータと、エンジンの吸気通路に備えられて吸気を過給する電動過給機と、これらのモータ及び電動過給機に電力を供給する電池と、エンジン負荷に関するパラメータを検出するエンジン負荷検出手段と、エンジン回転数に関するパラメータを検出するエンジン回転数検出手段と、上記両検出手段の検出結果に応じて上記モータと上記電動過給機とを制御する制御手段とを有する電動過給機を備えたパワートレインの制御装置であって、上記エンジン負荷検出手段で検出されたエンジン負荷と上記エンジン回転数検出手段で検出されたエンジン回転数とに基いて目標トルクを設定する目標トルク設定手段、上記モータの駆動力に関するパラメータを検出するモータ駆動力検出手段と、運転状態が上記電動過給機の過給不可領域にあるか否かを判定する判定手段とが設けられ、上記制御手段は、上記目標トルク設定手段で設定された目標トルクが第1の所定値以下である第1状態では上記モータ及び上記電動過給機をともに非作動状態とし、上記目標トルクが上記第1の所定値より大きく該第1所定値より大きな第2の所定値以下である第2状態では上記モータのみを作動状態とし、上記目標トルクが上記第2の所定値より大きな第3状態では上記モータ及び上記電動過給機をともに作動状態とするように構成されていると共に、上記第2状態において上記モータ駆動力検出手段で検出されたモータ駆動力が所定値以下に低下した場合に上記判定手段で過給不可領域にないと判定されたときは電動過給機を作動状態とし、該判定手段で過給不可領域にあると判定されたときは電動過給機を作動状態とせず、変速機をシフトダウンするように構成されていることを特徴とする。
次に、請求項2に記載の発明は、エンジンから駆動輪に至る動力伝達経路にアシストトルクを導入するモータと、エンジンの吸気通路に備えられて吸気を過給する電動過給機と、これらのモータ及び電動過給機に電力を供給する電池と、エンジン負荷に関するパラメータを検出するエンジン負荷検出手段と、エンジン回転数に関するパラメータを検出するエンジン回転数検出手段と、上記両検出手段の検出結果に応じて上記モータと上記電動過給機とを制御する制御手段とを有する電動過給機を備えたパワートレインの制御装置であって、上記エンジン負荷検出手段で検出されたエンジン負荷と上記エンジン回転数検出手段で検出されたエンジン回転数とに基いて目標トルクを設定する目標トルク設定手段と、上記電池の蓄電量に関するパラメータを検出する電池蓄電量検出手段と、運転状態が上記電動過給機の過給不可領域にあるか否かを判定する判定手段とが設けられ、上記制御手段は、上記目標トルク設定手段で設定された目標トルクが第1の所定値以下である第1状態では上記モータ及び上記電動過給機をともに非作動状態とし、上記目標トルクが上記第1の所定値より大きく該第1所定値より大きな第2の所定値以下である第2状態では上記モータのみを作動状態とし、上記目標トルクが上記第2の所定値より大きな第3状態では上記モータ及び上記電動過給機をともに作動状態とするように構成されていると共に、上記第2状態において上記電池蓄電量検出手段で検出された電池蓄電量が所定値以下に低下した場合に上記判定手段で過給不可領域にないと判定されたときは電動過給機を作動状態とし、該判定手段で過給不可領域にあると判定されたときは電動過給機を作動状態とせず、変速機をシフトダウンするように構成されていることを特徴とする。
次に、請求項3に記載の発明は、上記請求項に記載の発明において、第1状態において電動過給機を予回転させておく過給機予回転手段が設けられていることを特徴とする。
次に、請求項4に記載の発明は、上記請求項3に記載の発明において、過給機予回転手段は、第1状態において電池蓄電量検出手段で検出された電池蓄電量に応じて予回転量を設定することを特徴とする。
まず、請求項1,2に記載の発明によれば、電動過給機を備えたパワートレインにおいて、電動過給機及びモータの駆動をエンジンの運転状態に応じて制御する場合に、目標トルクが第1の所定値以下である第1状態では、上記モータ及び上記電動過給機ともに非作動状態として、車両をエンジンの自然吸気による出力のみで走行させ、目標トルクが上記第1の所定値より大きく該第1所定値より大きな第2の所定値以下である第2状態では、上記モータのみを作動状態として、該モータによるトルクアシストを行い、目標トルクが上記第2の所定値より大きな第3状態では、上記モータ及び上記電動過給機ともに作動状態として、該電動過給機によるトルク増大も図るようにしたから、すなわち、モータによるトルクアシストを主たるトルク高揚手段として用い、電動過給機によるトルク増大を従たるトルク高揚手段として用いるようにしたから、従来のように、逆に、電動過給機によるトルク増大を主たるトルク高揚手段として用い、モータによるトルクアシストを従たるトルク高揚手段として用いる場合に比べて、電動過給機の使用頻度が減り、その結果、電動過給機の加速応答性の問題やサージングの問題等が抑制される。
に、請求項に記載の発明によれば、モータのみを作動状態とする第2状態において、モータの駆動力、つまりモータのアシスト力が所定値以下に低下した場合に運転状態が電動過給機の過給不可領域にないと判定されたときは、電動過給機を作動状態とするようにしたから、例えば、第2状態で長時間に亘ってモータを連続駆動したことにより電池温度やモータ温度が過度に上昇してモータの駆動力が低減しているような場合であっても、トルクが確保されて、第1状態から第2状態への移行時の加速応答性が十分確保される。しかも、電動過給機の過給不可領域にない場合に限って電動過給機を作動状態とするようにしたから、電動過給機にサージング(脈動)の問題が発生したり、エンジンにノッキング(異常燃焼)の問題が発生するのを回避できる。
なお、この場合、電動過給機を作動状態としたときには、モータの駆動を弱めてもよいし、あるいはモータの駆動を停止してもよい。
そして、上記モータの駆動力に関するパラメータとしては、例えば、電池の温度(高いほどモータ駆動力が低下する)、モータの温度(同)、電池やモータの使用時間(長いほどモータ駆動力が低下する)、等が好ましく用いられる。
一方、請求項に記載の発明によれば、同じく、モータのみを作動状態とする第2状態において、電池の蓄電量が所定値以下に低下した場合に運転状態が電動過給機の過給不可領域にないと判定されたときは、やはり、電動過給機を作動状態とするようにしたから、例えば、第2状態で長時間に亘ってモータを連続駆動したことにより電池の蓄電量が過度に消費されてモータの駆動力が低減しているような場合であっても、トルクが確保されて、第1状態から第2状態への移行時の加速応答性が十分確保される。しかも、電動過給機の過給不可領域にない場合に限って電動過給機を作動状態とするようにしたから、電動過給機にサージング(脈動)の問題が発生したり、エンジンにノッキング(異常燃焼)の問題が発生するのを回避できる。
なお、この場合も、電動過給機を作動状態としたときには、モータの駆動を弱めてもよいし、あるいはモータの駆動を停止してもよい。そして、その結果、電池蓄電量の消費が減少し又はゼロになって、電池蓄電量がそれ以上に過度に低下すること(いわゆるバッテリ上がり)が回避される。
ただし、この場合、電動過給機を作動状態することによる電池消費が懸念されるが、一般に、電動過給機の消費電力はアシストモータのそれに比べてかなり小さい(例えば5分の1程度である)から、上記のバッテリ上がりの問題も十分回避される。ここで、上記電池の蓄電量に関するパラメータとしては、例えば、電池の電圧値(高いほど蓄電量が高い)、電池の電流値(同)、等が好ましく用いられる。
そして、上記請求項1に記載の発明及び請求項2に記載の発明のいずれにおいても、上記判定手段で過給不可領域にあると判定されたときは、電動過給機を作動状態とせず、変速機をシフトダウンするようにしたことにより、本来は電動過給機が分担すべきトルクの増分を変速機のギヤ比を大きくする(減速する)ことで補填することができ、結果的に目標トルクに相当する駆動力が達成される。
次に、請求項に記載の発明によれば、上記請求項に記載の発明の構成に加えて、モータも電動過給機もともに非作動状態とする第1状態において、電動過給機を予回転させておくようにしたから、第1状態から第2状態への移行時には、電動過給機が速やかに応答し、該電動過給機によるトルク増大が良好に立ち上ることとなる。
その結果、例えば、第2状態へ移行する前の第1状態の段階で電池の蓄電量が過度に少なくなり、第2状態へ移行したときのモータのアシスト力不足が予測され、第2状態への移行時には電動過給機を作動状態とするような場合であっても、トルク確保が十分に図れて、第1状態から第2状態への移行時の加速応答性の確保が十分に行われる。
次に、請求項4に記載の発明によれば、上記請求項3に記載の発明の構成に加えて、第1状態の段階で検出された電池蓄電量に応じて、換言すれば、第2状態へ移行したときに予測されるモータのアシスト力に応じて、予回転量を設定するようにしたから、第1状態から第2状態への移行時における電動過給機のトルク増大がモータのアシスト力に応じて適正に立ち上ることとなる。以下、発明を実施するための最良の形態を通して、本発明をさらに詳しく説明する。
図1に示すように、本実施形態に係るパワートレイン1は、駆動源としてエンジン10と駆動モータ16とを併用するハイブリッド車両に搭載されている。パワートレイン1は、車両走行用の駆動力を発生するエンジン10と、該エンジン10の出力回転を無段階に変速することが可能な無段変速機11とを含む。無段変速機11は、特に種類は限定されないが、好ましくは、例えばインプットディスクとアウトプットディスクとの間にパワーローラを傾転自在に介在させたトロイダル型無段変速機、特に、トルクコンバータの採用を不要としたギヤードニュートラル方式の無段変速機等である。エンジン10の出力トルクは、上記無段変速機11で所定のギヤ比に変速された後、デファレンシャル装置12等を経て左右の駆動輪13,13に伝達される。
エンジン10と駆動輪13,13との間の動力伝達経路14上に、例えばクラッチ等を用いた断接機構15が配設され、この断接機構15を介して、駆動モータ(アシストモータ)16が上記動力伝達経路14に連結されている。駆動モータ16は、インバータ17による電流制御により、電池18からの電力の供給を受けて、車両を走行させるに足る回転駆動力を発生し、発生した駆動力は、上記断接機構15を介して、動力伝達経路14に導入される。駆動モータ16は、減速回生時には、動力伝達経路14上の回転駆動力を利用して電力を発電する発電機として機能することが可能であり、発電した電力は、電池18に蓄えられる。
なお、本実施形態では、このように、アシストモータ16は、動力伝達経路14上で、変速機11よりもあと(駆動輪13,13側)にあるので、エンジン10の出力に対し、変速機11のギヤ比で換算された出力を動力伝達経路14に導入することとなる。
エンジン10の出力軸に、ベルトやチェーン等を介して、交流発電機であるオルタネータ19が連結されている。オルタネータ19は、エンジン10の出力回転で直接に駆動されて電力を発電し、発電した電力は、電池18に蓄えられる。
エンジン10の吸気通路20に、吸気を過給してエンジン10の出力増大を図る電動過給機21が備えられている。電動過給機21は、過給機モータ22で、吸気通路20上のタービン23を回転駆動し、エンジン10の自然吸気以上の量の吸気を燃焼室に圧送(過給)する。電動過給機21は、上記駆動モータ16と同様、電池18からの電力の供給を受けて駆動する。
吸気通路20において、電動過給機21の下流に、インタークーラ24とスロットル弁25とがこの順に配設されている。スロットル弁25は、専用のアクチュエータ26で開閉駆動される電動式のものである。また、電動過給機21の上流とインタークーラ24の下流とに亘ってバイパス通路(リリーフ通路あるいは再循環通路ともいう)27が設けられている。この通路27は、例えば低回転領域で電動過給機21のタービン23を通過する吸気流量が少ないときに、電動過給機21の過給能力を確保するために、いったんインタークーラ24を出た吸気を再び電動過給機21の上流に戻して、タービン23を通過する吸気流量を確保するためのものである。バイパス通路27には、該通路27の開度(すなわちタービン23を通過する吸気の循環量)を調整するリリーフ弁28が設けられている。
このように、このパワートレイン1の電気システムは、駆動モータ16、オルタネータ19、及び電動過給機21のモータ22がそれぞれ電池18と電気的に接続された構成である。そして、駆動モータ16の駆動時及び過給機モータ22の駆動時には、上記電池18からそれぞれに電力が供給される一方、駆動モータ16が減速回生時に発電機として機能するとき、及びオルタネータ19がエンジン10の出力回転により発電を行うときには、その発電電力が上記電池18に供給されて、該電池18の充電に充てられる。
このパワートレイン1のコントロールユニット40は、電動過給機21のモータ22の温度を検出する過給機モータ温度センサ29からの信号、吸気通路20におけるインタークーラ24を出た直後の吸気温度を検出する吸気温度センサ30からの信号、吸気通路20におけるスロットル弁25の直上流の吸気圧を検出する吸気圧センサ31からの信号、運転者によるアクセルペダル32の踏込量を検出するアクセル開度センサ33からの信号、エンジン10の冷却水温度を検出する水温センサ34からの信号、エンジン10の回転数を検出するエンジン回転数センサ35からの信号、駆動モータ16、インバータ17及び電池18の各温度を検出する温度センサ36,37,38からの信号、及び電池18の蓄電量に関する状態量(例えば電圧値や電流値等)を検出する蓄電量センサ39からの信号等を入力し、そして、それらの入力結果に基いて、バイパス通路27上のリリーフ弁28、電動過給機21のモータ22、スロットル弁25を開閉駆動するスロットルアクチュエータ26、無段変速機(より詳しくは、例えば変速制御用の油圧制御回路に配設された各種ソレノイドや調圧弁等)11、及び駆動モータ16への印加電流制御用のインバータ17等に各種の制御信号を出力して、エンジン10の出力制御や、モータ16のトルクアシスト制御、あるいは電動過給機21のトルク増大制御等を実行する。
次に、このパワートレイン1の特徴を図2以下を参照して説明する。まず、図2は、上記エンジン10の制御領域を示すマップである。このマップにおいては、エンジン回転数とトルクとをパラメータとして3つの領域X,Y,Zが設定されている。最も低トルク側の領域Xは、自然吸気領域、すなわち非過給領域である。この領域Xでは、モータ16も電動過給機21も駆動されず、エンジン10の自然吸気による出力のみが得られる。この自然吸気領域Xに隣接して高トルク側の領域Yは、モータアシスト領域である。この領域Yでは、モータ16のみが駆動され、モータ16によるトルクアシストが行われる。このモータアシスト領域Yに隣接して最も高トルク側の領域Zは、電動過給領域である。この領域Zでは、モータ16に加えて電動過給機21も駆動され、該電動過給機21によるトルク増大が図られる。
ここで、後述するように、目標トルクは、車速又はエンジン回転数と、アクセル開度(エンジン負荷)とに基いて設定される。したがって、運転者が加速を要求してアクセルペダル32を踏み込むと、例えば目標トルクが図中のA→Bに示すように増大し、自然吸気領域Xからモータアシスト領域Yへの移行が起こる。その結果、エンジン10はフルスロットルで運転され、かつモータ16が目標トルクを達成するように駆動制御される。あるいは、運転者がより大きな加速を要求してアクセルペダル32をより大きく踏み込むと、例えば目標トルクが図中のA→Cに示すように増大し、自然吸気領域Xから電動過給領域Zへの移行が起こる。その結果、エンジン10はフルスロットルで運転され、かつモータ16が最大トルクで駆動されると共に、さらに電動過給機21が目標トルクを達成するように駆動制御される。
図中に示した領域X,Yを区分するラインTwotは、本実施形態においては、エンジン10の自然吸気による最大トルクラインであり、図中に示した領域Y,Zを区分するラインTyは、本実施形態においては、モータ16の最大トルクラインである。
このように、本実施形態においては、目標トルクが第1の所定値Twot以下である自然吸気領域X(第1状態)では、モータ16及び電動過給機21ともに非作動状態として、車両をエンジン10の自然吸気による出力のみで走行させ、次に、目標トルクが上記第1の所定値Twotより大きく該第1所定値Twotより大きな第2の所定値Ty以下であるモータアシスト領域Y(第2状態)では、モータ16のみを作動状態として、該モータ16によるトルクアシストを行い、次に、目標トルクが上記第2の所定値Tyより大きな電動過給領域Z(第3状態)では、モータ16及び電動過給機21ともに作動状態として、該電動過給機21によるトルク増大も図るようにしている。すなわち、モータ16によるトルクアシストを主たるトルク高揚手段として用い、電動過給機21によるトルク増大を従たるトルク高揚手段として用いるようにしている。したがって、従来のように、逆に、電動過給機21によるトルク増大を主たるトルク高揚手段として用い、モータ16によるトルクアシストを従たるトルク高揚手段として用いる場合に比べて、電動過給機21の使用頻度が減り、その結果、電動過給機21が加速応答性に劣るという問題や、電動過給機21が低回転領域でサージング(脈動)を発生するという問題等が有効に抑制されることとなる。
例えば、図3は、本実施形態における自然吸気領域Xからモータアシスト領域Yへの移行時(加速時)のタイムチャートである。本実施形態では、アシスト領域Yでモータ16を駆動する結果、符号アで示したように、移行制御の開始時刻taからさほど応答遅れが生じることなく、実トルクが目標トルクToによく追随して速やかに立ち上がる。
これに対し、図4は、従来における自然吸気領域Xから領域Y、つまり電動過給領域Yへの移行時のタイムチャートである。従来は、領域Yで電動過給機21を駆動する結果、符号イで示したように、移行制御の開始時刻taから大きく応答遅れが生じて、実トルクが目標トルクToから大きく遅れて緩慢に立ち上がってしまう。これは、電動過給機21に電力を供給してから(時刻ta)、吸気通路21に配設したタービン23の回転数が目標回転数Nboまで上昇して(時刻tb)、さらにそののち過給圧が目標圧に達するまでに比較的長い時間がかかることに起因する。
また、図5は、本実施形態における自然吸気領域Xから電動過給領域Zへの移行時のタイムチャートである。本実施形態では、電動過給領域Zでモータ16と電動過給機21とをともに駆動し、かつモータ16によるトルク増分を主、電動過給機21によるトルク増分を従とする結果、符号ウで示したように、電動過給機21は駆動するけれどもその影響は少なくなり、移行制御の開始時刻taからさほど応答遅れが生じることなく、実トルクが目標トルクToによく追随して速やかに立ち上がる(時刻tb)。
これに対し、図6は、従来における自然吸気領域Xから領域Z、つまりモータアシスト領域Zへの移行時のタイムチャートである。従来は、領域Zで電動過給機21とモータ16とをともに駆動し、かつ電動過給機21によるトルク増分を主、モータ16によるトルク増分を従とする結果、符号エで示したように、モータ16は駆動するけれどもその影響は少なくなり、移行制御の開始時刻taから大きく応答遅れが生じて、実トルクが目標トルクToから大きく遅れて緩慢に立ち上がってしまう。これもまた、電動過給機21に電力を供給してから(時刻ta)、吸気通路21に配設したタービン23の回転数が目標回転数Nboまで上昇して(時刻tb)、さらにそののち過給圧が目標圧に達するまでに比較的長い時間がかかることに起因する。
一方、図7は、図3の場合と同様、本実施形態における自然吸気領域Xからモータアシスト領域Yへの移行時のタイムチャートである。このタイムチャートは、モータアシスト領域Yへ移行した後に、例えばモータ16を長時間に亘って連続駆動したことにより、電池18の温度が所定値A以上に上昇して(時刻tc)、符号オで示したように、モータ16の駆動力が低減するおそれのあるときは、モータ16の駆動を停止し、代わりに電動過給機21の駆動を開始することを示している。これにより、自然吸気領域Xからモータアシスト領域Yへの移行時におけるトルクの確保、ひいては加速応答性の確保が十全に行われる。
次に、図8もまた、図3の場合と同様、本実施形態における自然吸気領域Xからモータアシスト領域Yへの移行時のタイムチャートである。このタイムチャートは、モータアシスト領域Yへ移行した後に、例えばモータ16を長時間に亘って連続駆動したことにより、電池18の蓄電量が所定値B以下に低下して(時刻tc)、符号カで示したように、モータ16の駆動力が低減するおそれのあるときは、モータ16の駆動を停止し、代わりに電動過給機21の駆動を開始することを示している。これにより、自然吸気領域Xからモータアシスト領域Yへの移行時におけるトルクの確保、ひいては加速応答性の確保が十全に行われる。
なお、電動過給機21の消費電力がモータ16の消費電力の例えば5分の1程度と小さいから、モータ16から電動過給機21への切換時刻tc以降の電池蓄電量の低下速度は著しく小さくなっている。これにより、電池18に関してバッテリ上がりの問題が回避される。
そして、図9もまた、図3の場合と同様、本実施形態における自然吸気領域Xからモータアシスト領域Yへの移行時のタイムチャートである。このタイムチャートは、モータアシスト領域Yへ移行する前から、電動過給機21を所定の目標値Npreで予回転させておくことを示している。これにより、自然吸気領域Xからモータアシスト領域Yへの移行時には、電動過給機21が速やかに応答し、符号キで示したように、電動過給機21によるトルク増大が良好に立ち上ることとなる(時刻tb)。その結果、例えば、モータアシスト領域Yへ移行する前の自然吸気領域Xの段階で電池18の蓄電量が過度に少なくなって、モータアシスト領域Yへ移行したときのモータ16のアシスト力不足が予測され、モータアシスト領域Yへの移行時には電動過給機21を作動状態とすることが予測されるような場合に、自然吸気領域Xからモータアシスト領域Yへの移行時におけるトルクの確保、ひいては加速応答性の確保が十全なものとなる。
以下、フローチャートに従ってさらに詳しく説明する。なお、前述したように、本実施形態では、モータ16は変速機11のあとに配置されているので、モータ16に関する駆動制御は、エンジン10に対し、変速機11のギヤ比換算をした駆動制御を行っている。
図10は、エンジン10の制御動作の第1例を示すフローチャートである。まず、ステップS1で、各種信号を入力した後、ステップS2で、アクセル開度αとエンジン回転数Neとから目標トルクToを算出する。次いで、ステップS3で、目標トルクToが第1の所定値Twot以下か否かを判定し、その結果、YESのとき、つまり第1状態(自然吸気領域X)であるときは、モータ16及び電動過給機21をともに非作動状態する、例えばアクセル開度αやエンジン回転数Ne等に基く周知のパワートレイン制御を行う。ただし、図示したように、この第1状態では、ステップS4で、電動過給機21の予回転制御のサブルーティン(後述する)を実行する。
一方、上記ステップS3でNOのときは、ステップS5で、スロットル開度TVOを100%とした後、ステップS6で、目標トルクToが第2の所定値Ty以上か否かを判定する。その結果、NOのとき、つまり第2状態(モータアシスト領域Y)であるときは、モータ16を作動状態とするのであるが、その前に、ステップS7で、電池18の温度が所定温度A(図7参照)以下か否かを判定する。つまり、例えばモータアシスト領域Yでモータ16が長時間に亘って連続駆動された結果、電池18の温度が過度に上昇してモータ16の駆動力が低減するおそれの有無を判定するのである。その意味で、このステップS7の判定は、電池18の温度に代えて、モータ16の温度やインバータ17の温度、あるいはモータアシスト領域Yへ移行後の経過時間等で判定してもよい。
そして、その結果、YESのとき、つまり電池18の温度が所定温度以下で、モータ16の駆動力低減の心配がないときは、ステップS8に進んで、さらに、電池18の蓄電量が所定蓄電量B(図8参照)以上か否かを判定する。つまり、例えばモータアシスト領域Yでモータ16が長時間に亘って連続駆動された結果、電池18の蓄電量が過度に消費・低減されてモータ16の駆動力が低減するおそれの有無を判定するのである。その結果、YESのとき、つまり電池18の蓄電量も十分で、この点からもモータ16の駆動力低減の心配がないときは、ステップS9に進んで、目標トルクToが実現するようにモータ16を制御する(ただし、前述したように、変速機11のギヤ比換算を行っている。以下、モータ16の駆動制御に関しては、これに準じて同様)。以上で図3の制御(領域Xから領域Yへの移行時制御)が実現する。
これに対し、上記ステップS7でNOのとき、つまり電池18の温度が所定温度Aより高く、モータ16の駆動力低減のおそれがあるとき、又は上記ステップS8でNOのとき、つまり電池18の蓄電量が所定蓄電量Bより低く、不足気味で、この点からもモータ16の駆動力低減の心配があるときは、ステップS10に進む。
ステップS10では、運転状態が過給不可領域にあるか否か、より具体的には、エンジン回転数Neがサージング領域、又は目標トルクToがノッキング領域にあるか否かを判定する。ここで、図11に例示するように、エンジン回転数Neが相対的に低い領域がサージング領域とされている。このサージング領域で電動過給機21を駆動すると、高い可能性で電動過給機21にサージング(脈動)の問題が発生する。また、目標トルクToが相対的に高い領域がノッキング領域とされている。このノッキング領域で電動過給機21を駆動すると、高い可能性でエンジン10にノッキング(異常燃焼)の問題が発生する。
ただし、図示したように、エンジン水温が低いほどノッキング領域は縮小される。これは、エンジン水温が低いほどノッキングの問題が起こり難くなるからであり、これによって、エンジン水温が低いときは目標トルクToが高くても電動過給機21の駆動が許可されることとなる。
図10に戻り、上記ステップS10でNOのとき、つまり電動過給機21を駆動しても問題のないときは、ステップS11で、目標トルクToに基いて、目標トルクToを実現する電動過給機21によるトルクの増分(必要過給トルク)Tboを演算する。次いで、ステップS12で、上記必要過給トルクTboを達成する電動過給機21のタービン23の回転数(目標過給回転数)Nboを設定する。そして、ステップS13で、上記目標過給回転数Nboが実現するように電動過給機21をフィードバック制御する。以上で図7又は図8の制御(領域Yにおけるモータ16から電動過給機21への切換制御)が実現する。
一方、上記ステップS6でYESのとき、つまり第3状態(電動過給領域Z)であるときは、まずステップS14で、モータトルクTmが最大(すなわち最大トルクTy)となるようにモータ16を駆動したうえで(ただし、電池18の温度や電池18の蓄電量等を考慮する)、ステップS15で、前述のステップS10と同様、運転状態が過給不可領域にあるか否かを判定し、その結果、NOのとき、つまり電動過給機21を駆動しても問題のないときは、ステップS16で、目標トルクToとモータトルクTm(この場合は最大トルクTy)とに基いて、目標トルクToを実現する電動過給機21によるトルクの増分(必要過給トルク)Tboを演算する。
次いで、ステップS17で、前述のステップS12と同様、上記必要過給トルクTboを達成する電動過給機21のタービン23の回転数(目標過給回転数)Nboを設定する。そして、ステップS18で、前述のステップS13と同様、上記目標過給回転数Nboが実現するように電動過給機21をフィードバック制御する。以上で図5の制御(領域Xから領域Zへの移行時制御)が実現する。
なお、上記ステップS10又はステップS15でYESのとき、つまりサージングやノッキングの問題が発生するから電動過給機21の駆動が許可されないときは、ステップS19で、無段変速機11をシフトダウンする。これにより、本来は電動過給機21が分担すべきトルクの増分を、無段変速機11のギヤ比を大きくする(減速する)ことで補填することができ、結果的に目標トルクToに相当する駆動力が達成される。この意味で、無段変速機11は、狙いのギヤ比を実現できるから(狙いのトルク増分を補填できるから)、ギヤ比が固定の通常の自動変速機に比べて、この場合、好ましいことになる。
次に、上記ステップS4における電動過給機21の予回転制御を図12のフローチャートを参照しながら説明する。まず、ステップS21で、電池18の蓄電量から第1の寄与値Npre1を計算し、ステップS22で、電池18の温度から第2の寄与値Npre2を計算し、ステップS23で、モータ16の温度から第3の寄与値Npre3を計算し、ステップS24で、インバータ17の温度から第4の寄与値Npre4を計算し、そして、ステップS25で、加速頻度(例えば、運転者が所定期間内に所定加速度以上の加速要求をした回数、つまり運転者が所定期間内にアクセルペダル32を所定踏込量以上踏み込んだ回数)から第5の寄与値Npre5を計算する。
ここで、図13に例示するように、第1寄与値Npre1は、電池18の蓄電量が少ないほど大きくされる(ただし蓄電量が50%以上ではゼロとされる)。また、図14に例示するように、第2寄与値Npre2は、電池18の温度が適正温度(図例では0°〜50°)から外れるほど大きくされる(適正温度内ではゼロとされる)。また、図15に例示するように、第3寄与値Npre3は、モータ16の温度が高いほど大きくされる(ただしモータ温度が100℃以下ではゼロとされる)。また、図16に例示するように、第4寄与値Npre4は、インバータ17の温度が高いほど大きくされる(ただしインバータ温度が60℃以下ではゼロとされる)。そして、図17に例示するように、第5寄与値Npre5は、加速頻度が大きいほど大きくされる(ただし加速頻度が所定頻度C以下ではゼロとされる)。
次いで、ステップS26で、上記5つの寄与値Npre1〜Npre5を全て足し合わせることにより、目標予回転数Npreを設定する。そして、ステップS27で、上記目標予回転数Npreが実現するように電動過給機21をフィードバック制御する。以上で図9の制御(領域Xにおける電動過給機21の予回転制御)が実現する。
このように、本実施形態においては、図2を参照して前述したように、モータ16によるトルクアシストを主たるトルク高揚手段として用い、電動過給機21によるトルク増大を従たるトルク高揚手段として用いるようにしたから、電動過給機21の使用頻度が可及的に減少し、その結果、電動過給機21の加速応答性の問題やサージングの問題が抑制される。
その場合に、モータ16のみを作動状態とするモータアシスト領域Yにおいて、モータ16の駆動力、つまりモータ16のアシスト力が所定値以下に低下したとき(電池18の温度が所定温度Aを超えたとき:図10のステップS7でNOのとき)は、電動過給機21を作動状態とするようにしたから(同、ステップS11〜S13)、例えば、モータアシスト領域Yで長時間に亘ってモータ16を連続駆動したことによりモータ16の温度や電池18の温度が過度に上昇してモータ16の駆動力が低減しているような場合であっても、トルクが確保されて、自然吸気領域Xからモータアシスト領域Yへの移行時の加速応答性が十分確保される(図7の切換制御)。
また、同じく、モータ16のみを作動状態とするモータアシスト領域Yにおいて、電池18の蓄電量が所定値以下に低下したとき(電池18の蓄電量が所定蓄電量Bより低くなったとき:図10のステップS8でNOのとき)も、やはり、電動過給機21を作動状態とするようにしたから(同、ステップS11〜S13)、例えば、モータアシスト領域Yで長時間に亘ってモータ16を連続駆動したことにより電池18の蓄電量が過度に消費されてモータ16の駆動力が低減しているような場合であっても、トルクが確保されて、自然吸気領域領域Xからモータアシスト領域Yへの移行時の加速応答性が十分確保される(図8の切換制御)。
そして、この図8の切換制御の場合、電動過給機21を作動状態とするときに、モータ16の駆動を弱めたり、あるいは停止することによって、電池18の蓄電量の消費が減少したり、あるいはゼロになるから、電池18の蓄電量がそれ以上に過度に低下すること(いわゆるバッテリ上がり)が回避される、という特徴的で有利な効果も得られる。
さらに、図9(領域Xにおける電動過給機21の予回転制御)を参照して前述したように、モータ16も電動過給機21もともに非作動状態とする自然吸気領域Xにおいて、電動過給機21を予回転させるようにしたから(図10のステップS4)、自然吸気領域Xからモータアシスト領域Yへの移行時には、電動過給機21が速やかに応答し、該電動過給機21によるトルク増大が良好に立ち上ることとなる。その結果、例えば、アシスト領域Yへ移行する前の自然吸気領域Xの段階で電池18の蓄電量が過度に少なくなり、アシスト領域Yへ移行したときのモータ16のアシスト力不足が予測され、アシスト領域Yへの移行時には電動過給機21を作動状態とすることが予測されるような場合に、トルク確保が十分に図れて、自然吸気領域Xからモータアシスト領域Yへの移行時の加速応答性の確保が十分に行われる。
そして、その場合に、自然吸気領域Xの段階で検出された電池18の蓄電量に応じて、換言すれば、アシスト領域Yへ移行したときに予測されるモータ16のアシスト力に応じて、予回転量Npreを設定するようにしたから(図12のステップS21)、自然吸気領域Xからモータアシスト領域Yへの移行時における電動過給機21のトルク増大がモータ16のアシスト力に応じて適正に立ち上ることとなる。
もちろん、図12のステップS22の電池18の温度、ステップS23のモータ16の温度、ステップS24のインバータ17の温度も、それぞれ、アシスト領域Yへ移行したときに予測されるモータ16のアシスト力に関するパラメータであることはいうまでもない。ただし、ステップS25の加速頻度は、運転者による加速要求が近い将来にあることを予測するためのパラメータである。
以上説明した実施形態は、本発明を実施するための最良の形態ではあるが、特許請求の範囲を逸脱しない限り、なお種々の変更が可能なことはいうまでもない。例えば、上記実施形態では、無段変速機11を用いたが、これに代えて、通常の自動変速機を用いても構わない。また、上記実施形態では、図10において、領域Yで電動過給機21を作動状態とするときは、モータ16の駆動を完全に停止したが(ステップS11〜S13で電動過給機21のみ駆動している)、これに代えて、モータ16を低電力で弱く駆動するようにしてもよい。
最後に、図18のフローチャートを参照して、エンジン10の制御動作の第2例を説明する。ただし、ステップS31〜S35は、前述の図10のステップS1〜S5に同じであるから説明は省略し、ステップS36以下に説明を加える。このステップS36に進んだときは、目標トルクToが第1の所定値Twotよりも大きい場合であって、スロットル開度TVOを100%とし、エンジン10をフルスロットル運転している。
この制御第2例が、図10の制御第1例と相違する点は、制御第1例では、目標トルクToを第1所定値Twot及び第2所定値Tyと大小比較して、領域判定X,Y,Zをしていたのに対し、この制御第2例では、目標トルクToを第1所定値Twotとのみ大小比較して、自然吸気領域Xと、それ以上のトルクが要求される領域Y,Zとの判別のみ行い、後者領域の場合に、モータを優先使用しつつ、該モータだけでは要求トルクが実現できないときに限って、電動過給機を駆動するようにしている点である。これによっても、結果的に、モータだけで要求トルクが実現できるときは、領域Y(第2状態)にいると判断し、それができないときは、領域Z(第3状態)にいると判断していることになる。
すなわち、まずステップS36で、図中の数式に表したように、目標トルクToに基いて、要求されているアシスト量(目標アシスト量)Pastを算出する(出力、つまりパワーに換算する)。ここで、ηastは、トランスミッション効率である。
次いで、ステップS37で、電池18の温度と、電池18の蓄電量とから、電池18の最大出力Pbatを計算する。ここで、図19に示すように、電池最大出力Pbatは、電池温度が低いほど大きな値に計算され、また電池蓄電量が大きいほど大きな値に計算される。
次いで、ステップS38で、モータ16の温度と、インバータ17の温度とから、モータ16の最大出力Pmotを計算する。ここで、図20に示すように、モータ最大出力Pmotは、モータ温度が低いほど大きな値に計算され、またインバータ温度が低いほど大きな値に計算される。
次いで、ステップS39で、モータ最大出力Pmotをモータ・インバータ効率ηmotで補正したうえで、ステップS40で、上記2種の最大出力PbatとPmotのうち値が小さいほうをモータ16が出力可能な最大アシスト量Paに採用する。
そして、ステップS41で、上記最大アシスト量Paが要求アシスト量Past以上か否かを判定し、YESのとき、つまりモータ16の駆動だけで要求アシスト量Pastが実現できるときは、ステップS42で、出力が要求アシスト量Pastとなるようにモータ16を駆動して、パワートレイン制御(エンジン10及び変速機11の制御)に移る。
これに対し、ステップS41で、NOのとき、つまりモータ16の駆動だけでは要求アシスト量Pastが実現できないときは、ステップS43で、出力が最大アシスト量Paとなるようにモータ16を駆動したうえで、ステップS44で、図中の数式に表したように、要求アシスト量Pastに基いて、要求アシスト量Pastを実現する電動過給機21によるトルクの増分(必要過給トルク)Tboを演算する。そして、ステップS45で、上記必要過給トルクTboが実現するように電動過給機21を制御して、パワートレイン制御に移る。
以上、具体例を挙げて詳しく説明したように、本発明によれば、電動過給機を備えたパワートレインにおいて、電動過給機及びモータの駆動をエンジンの運転状態に応じて制御する場合に、電動過給機の加速応答性の問題及びサージングの問題等を抑制することができる。本発明は、エンジンの出力増大を図るための電動過給機と、車両の動力源として機能する走行用モータとを併せて備え、これらの駆動をエンジンの運転状態に応じて切り換えるように構成されたパワートレインの技術分野において幅広い産業上の利用可能性を有する。
本発明の最良の実施形態に係るパワートレインの制御システム図である。 上記パワートレインのエンジンの制御領域を示すマップである。 上記実施形態における領域Xから領域Yへの移行時のタイムチャートである。 従来における領域Xから領域Yへの移行時のタイムチャートである。 上記実施形態における領域Xから領域Zへの移行時のタイムチャートである。 従来における領域Xから領域Zへの移行時のタイムチャートである。 上記実施形態における領域Xから領域Yへの移行時のタイムチャートの別の例である。 上記実施形態における領域Xから領域Yへの移行時のタイムチャートのさらに別の例である。 上記実施形態における領域Xから領域Yへの移行時のタイムチャートのさらに別の例である。 上記エンジンの制御動作の第1例を示すフローチャートである。 図10の制御で用いられる特性図である。 上記エンジンの電動過給機予回転制御動作を示すフローチャートである。 図12の制御で用いられる特性図である。 図12の制御で用いられる特性図である。 図12の制御で用いられる特性図である。 図12の制御で用いられる特性図である。 図12の制御で用いられる特性図である。 上記エンジンの制御動作の第2例を示すフローチャートである。 図18の制御で用いられる特性図である。 図18の制御で用いられる特性図である。
符号の説明
1 パワートレイン
10 エンジン
11 無段変速機
13 駆動輪
14 動力伝達経路
16 駆動モータ
17 インバータ
18 電池
20 吸気通路
21 電動過給機
23 過給機タービン
25 スロットル弁
32 アクセルペダル
33 アクセル開度センサ
34 水温センサ
35 エンジン回転数センサ
36 駆動モータ温度センサ
37 インバータ温度センサ
38 電池温度センサ
39 電池蓄電量センサ
40 コントロールユニット
X 自然吸気領域(第1状態)
Y モータアシスト領域(第2状態)
Z 電動過給領域(第3状態)

Claims (4)

  1. エンジンから駆動輪に至る動力伝達経路にアシストトルクを導入するモータと、エンジンの吸気通路に備えられて吸気を過給する電動過給機と、これらのモータ及び電動過給機に電力を供給する電池と、エンジン負荷に関するパラメータを検出するエンジン負荷検出手段と、エンジン回転数に関するパラメータを検出するエンジン回転数検出手段と、上記両検出手段の検出結果に応じて上記モータと上記電動過給機とを制御する制御手段とを有する電動過給機を備えたパワートレインの制御装置であって、
    上記エンジン負荷検出手段で検出されたエンジン負荷と上記エンジン回転数検出手段で検出されたエンジン回転数とに基いて目標トルクを設定する目標トルク設定手段と、
    上記モータの駆動力に関するパラメータを検出するモータ駆動力検出手段と、
    運転状態が上記電動過給機の過給不可領域にあるか否かを判定する判定手段とが設けられ、
    上記制御手段は、
    上記目標トルク設定手段で設定された目標トルクが第1の所定値以下である第1状態では上記モータ及び上記電動過給機をともに非作動状態とし、
    上記目標トルクが上記第1の所定値より大きく該第1所定値より大きな第2の所定値以下である第2状態では上記モータのみを作動状態とし、
    上記目標トルクが上記第2の所定値より大きな第3状態では上記モータ及び上記電動過給機をともに作動状態とするように構成されていると共に、
    上記第2状態において上記モータ駆動力検出手段で検出されたモータ駆動力が所定値以下に低下した場合に上記判定手段で過給不可領域にないと判定されたときは電動過給機を作動状態とし、該判定手段で過給不可領域にあると判定されたときは電動過給機を作動状態とせず、変速機をシフトダウンするように構成されていることを特徴とする電動過給機を備えたパワートレインの制御装置。
  2. エンジンから駆動輪に至る動力伝達経路にアシストトルクを導入するモータと、エンジンの吸気通路に備えられて吸気を過給する電動過給機と、これらのモータ及び電動過給機に電力を供給する電池と、エンジン負荷に関するパラメータを検出するエンジン負荷検出手段と、エンジン回転数に関するパラメータを検出するエンジン回転数検出手段と、上記両検出手段の検出結果に応じて上記モータと上記電動過給機とを制御する制御手段とを有する電動過給機を備えたパワートレインの制御装置であって、
    上記エンジン負荷検出手段で検出されたエンジン負荷と上記エンジン回転数検出手段で検出されたエンジン回転数とに基いて目標トルクを設定する目標トルク設定手段と、
    上記電池の蓄電量に関するパラメータを検出する電池蓄電量検出手段と、
    運転状態が上記電動過給機の過給不可領域にあるか否かを判定する判定手段とが設けられ、
    上記制御手段は、
    上記目標トルク設定手段で設定された目標トルクが第1の所定値以下である第1状態では上記モータ及び上記電動過給機をともに非作動状態とし、
    上記目標トルクが上記第1の所定値より大きく該第1所定値より大きな第2の所定値以下である第2状態では上記モータのみを作動状態とし、
    上記目標トルクが上記第2の所定値より大きな第3状態では上記モータ及び上記電動過給機をともに作動状態とするように構成されていると共に、
    上記第2状態において上記電池蓄電量検出手段で検出された電池蓄電量が所定値以下に低下した場合に上記判定手段で過給不可領域にないと判定されたときは電動過給機を作動状態とし、該判定手段で過給不可領域にあると判定されたときは電動過給機を作動状態とせず、変速機をシフトダウンするように構成されていることを特徴とする電動過給機を備えたパワートレインの制御装置。
  3. 第1状態において電動過給機を予回転させておく過給機予回転手段が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の電動過給機を備えたパワートレインの制御装置。
  4. 過給機予回転手段は、第1状態において電池蓄電量検出手段で検出された電池蓄電量に応じて予回転量を設定することを特徴とする請求項3に記載の電動過給機を備えたパワートレインの制御装置。
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