JP5691386B2 - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents
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Description
図1は、本発明のハイブリッド車両の制御装置の一例である実施例1のハイブリッド車両の制御装置が適用されたハイブリッド車両のパワートレインを示すパワートレイン構成図である。以下、図1に基づきパワートレイン構成を説明する。
前記モータジェネレータ2は、その出力軸と自動変速機3(略称AT)の入力軸とが連結される。
前記自動変速機3は、その出力軸にディファレンシャルギア6を介して駆動輪7,7が連結される。自動変速機3は、有段階のギア位置を車速やアクセル開度等に応じて自動的に切り替える有段変速機であり、実施例1では前進7速/後退1速のギア位置を持つ有段変速機を用いている。
前記統合コントローラ20は、図3に示すように、目標駆動トルク演算部100と、モード選択部200と、目標発電出力演算部300と、動作点指令部400と、変速制御部500と、を備えている。
また、モード選択部200では、EVモードからHEVモードに遷移するのに伴い、エンジン始動処理を実行して、エンジン1の始動を行なう。
すなわち、EVモード状態で図5に示すエンジン始動線をアクセル開度APOが越えた時点で、第2クラッチ5を半クラッチ状態にスリップさせるように、第2クラッチ5のトルク容量を制御する。そして、第2クラッチ5がスリップ開始したと判断した後に第1クラッチ4の締結を開始してエンジン回転を上昇させる。そして、エンジン回転が初爆可能な回転数に達成したらエンジン1を燃焼作動させ、モータ回転数とエンジン回転数が近くなったところで第1クラッチ4を完全に締結する。その後、第2クラッチ5をロックアップさせてHEVモードに遷移させる。
本実施例1では、目標MGトルクを、図9に示すアシスト・発電統合トルクマップを用いてアクセル開度APOおよび入力回転数に基づいて求める。このアシスト・発電統合トルクマップは、モータジェネレータ2による力行時のアシストトルクと、回生(発電時)における最適発電トルクマップとを1つにまとめて設定したものである。すなわち、現在のアクセル開度APOに応じたトルク特性線を選択し、このトルク特性線において現在の入力回転数に対応するトルク(アシストトルクまたは発電トルク)を求める。なお、この目標MGトルクは、アシストトルクはプラスの値、発電トルクはマイナスの値で算出される。また、実施例1では、アシスト・発電統合トルクマップを1つのマップとするのにあたり、1枚のマップとして示しているが、1つにマップ化したものであれば、必ずしも1枚のマップでなくてもよい。
図10は、図9のアシスト・発電統合トルクマップに上下限領域を設定した後の、アクセル開度APOおよび入力回転数と、アシストトルクおよび発電トルクとの関係を示すトルク特性図である。このように、アクセル開度APOによっては、トルクがマイナスの領域とプラスの領域に跨るトルク特性を有する。そこで、トルクがマイナスの発電領域と、トルクがプラスのアシスト領域との間の境界領域に、トルク「0」の上下限領域を設定している。これにより、アシストトルクは、この上下限領域が下限値(トルク「0」)となり、発電トルクは、この上下限領域が上限値(トルク「0」)となり、アクセル開度APOおよび入力回転数に基づいて目標MGトルクとしてアシストトルクと発電トルクとのいずれか一方のみを設定することができる。なお、図においてT○○は、トルクを示しており、具体的な数値の表示を省略したものである。
そこで、本実施例1では、最適発電トルクの設定において、エンジン吸気こもり音を考慮した設定し直しをしている。
図11は目標定常トルクマップに、エンジン吸気こもり音が相対的に大きくなるトルク領域(エンジンこもり音NG領域)を重ねたマップ図である。
すなわち、図11は図4に示した目標定常トルクマップに、エンジンこもり音が過大でこのこもり音を発生させたくない領域(エンジンこもり音NG領域)を点線で表示したものを重ねて示している。
最適発電トルクを設定する場合、目標定常トルクが示す走行トルク分に対して、発電トルクを少しずつ上乗せしてシステム効率が最大となる点を探す。
なお、システム効率=エンジン熱効率×発電効率である。
例えば、あるアクセル開度の目標定常トルクMTTbにおいて、回転数Ncに対して発電トルク分を上乗せした場合に、Ndで示す位置が最適発電トルクであったとする。このNdの位置は、エンジンこもり音NG領域に入っている。このような場合、最適発電トルクを、このNdの手前のNeの位置に設定し直す。したがって、この場合には、このNeとNcとの間のトルクを最適発電トルクとして設定し直す。
このようにして設定した最適発電トルクマップと、目標定常トルクマップとを足し併せたトルクマップの一例を、図12に示している。
図において、円12aで囲んだ箇所は、その拡大図に示すように、アクセル開度APOを基準として、エンジントルクに山部121と谷部122とが隣り合う急変部分が存在する。そこで、これを緩やかにするために山部121から緩やかに延びる点線で示す修正部123による設定し直しを行っている。
同様に、図において円12bで囲んだ箇所には、回転数を基準として山部124,谷部125,山部126が連続する急変部が存在する。そこで、これを穏やかにするために、山部126から緩やかに延びる点線で示す修正部127による設定し直しを行っている。
エンジン1を駆動しての走行時に、統合コントローラ20では、アクセル開度APOおよび回転数に応じ、エンジン最適燃費点となるように、モータジェネレータ2のアシストトルクおよび発電トルクを決定する。
このため、その分、記憶容量および演算容量を要していた。
したがって、統合コントローラ20は、従来のように、個別にアシストトルクおよび発電トルクを参照するものと比較して、記憶容量および演算容量を削減できる。
また、アシストと発電とを1つのモータジェネレータ2で行っているが、それぞれ別のマップで行うものと比較して、アシストから発電、発電からアシストへの切替を円滑に行うことが可能となる。
したがって、トルク変動の発生を抑えることができる。
実施例1のハイブリッド車両の制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1)実施例1のハイブリッド車両の制御装置は、
エンジン1と、このエンジン1から駆動輪7,7への駆動系の途中に介在され、力行により駆動輪7,7の駆動を行い、回生により発電を行うモータジェネレータ2と、
モータジェネレータ2と駆動輪7,7との間に介装され、変速比が異なる複数の変速段を有する自動変速機3と、
自動変速機3の入力回転数を検出するAT入力回転センサ12、およびアクセル開度APOを検出するアクセル開度センサ17とを備えた検出部と、
アクセル開度APOと自動変速機3の入力回転毎に設定されたエンジン用の目標定常トルクマップと、前記アクセル開度APOと前記変速機3の入力回転毎に設定された前記モータジェネレータ用のアシストトルクマップおよび最適発電トルクマップとを備え、前記目標定常トルクからアシストトルクを差し引くか発電トルクを加算するかして目標エンジントルクを求める統合コントローラ20と、
を備えたハイブリッド車両の制御装置であって、
統合コントローラ20は、前記最適発電トルクマップと前記アシストトルクマップとを1つのマップとしたアシスト・発電統合トルクマップを備え、前記アシストトルクおよび発電トルクを、前記アシスト・発電統合トルクマップを用いて演算するとともに、前記アシストトルクは0トルクで下限制限し、前記発電トルクは0トルクを上限制限することで、前記アシストトルクおよび前記発電トルクを、前記アクセル開度と前記入力回転数とに応じて前記アシストトルクが得られるアシスト領域と前記発電トルクが得られる発電領域とに区画したトルク特性に基づいて演算するようにしたことを特徴とする。
したがって、統合コントローラ20は、従来のように、個別にアシストトルクおよび発電トルクを参照するものと比較して、記憶容量および演算容量を削減できる。
また、アシストと発電とを1つのモータジェネレータ2で行っているが、それぞれ別のマップで行うものと比較して、アシストから発電、発電からアシストへの切替を円滑に行うことが可能となる。
しかも、このアシスト・発電統合トルクマップは、上下限領域を設定し、1つのマップでありながら、アシスト時にマイナス値のアシストトルクが算出されることがないとともに、発電時にプラス値の発電トルクが算出されることがない。
したがって、最適発電トルクマップとアシストトルクマップとを1つのマップとするだけでなく付加車両要件も加えることにより、統合コントローラ20の記憶容量および演算容量を削減できるだけでなく、車両のトータル性能も向上できる。
したがって、モータジェネレータ2を発電させる際に、エンジン吸気こもり音が発生するのを抑制できる。
したがって、システム効率を基準としたトルク特性に付加車両要件を付加した場合にあっても、エンジントルクの急変の発生を抑えることができる。
2 モータジェネレータ
3 自動変速機
4 第1クラッチ
5 第2クラッチ
6 ディファレンシャルギア
7 駆動輪
8 インバータ
9 バッテリ
10 エンジン回転センサ
11 MG回転センサ
12 AT入力回転センサ
13 AT出力回転センサ
14,15 ソレノイドバルブ
16 SOCセンサ
17 アクセル開度センサ
20 統合コントローラ(トルク算出部)
Claims (4)
- エンジンと、
このエンジンから駆動輪への駆動系の途中に介在され、力行により前記駆動輪の駆動を行い、回生により発電を行うモータジェネレータと、
前記モータジェネレータと前記駆動輪との間に介装され、変速比が異なる複数の変速段を有する変速機と、
前記変速機の入力回転数を検出するセンサ、およびアクセル開度を検出するセンサとを備えた検出部と、
前記アクセル開度と前記変速機の入力回転毎に設定された前記エンジン用の目標定常トルクマップと、前記モータジェネレータ用のマップであって、前記アクセル開度と前記変速機の入力回転毎にアシストトルク設定するとともに、前記アクセル開度が大きいほど大きな値に設定するアシストトルクマップ、および前記アクセル開度と前記変速機の入力回転毎に発電トルクを設定するとともに、前記アクセル開度が小さいほど絶対値を大きな値に設定する最適発電トルクマップとを備え、前記目標定常トルクから前記アシストトルクを差し引くか前記発電トルクを加算するかして目標エンジントルクを求める演算を行うトルク算出部と、
を備えたハイブリッド車両の制御装置であって、
前記トルク算出部は、前記最適発電トルクマップと前記アシストトルクマップとを1つのマップとしたアシスト・発電統合トルクマップを備え、前記アシストトルクおよび発電トルクを、前記アシスト・発電統合トルクマップを用いて演算するとともに、前記アシストトルクは0トルクで下限制限し、前記発電トルクは0トルクで上限制限することで、前記アシストトルクおよび前記発電トルクを、前記アクセル開度と前記入力回転数とに応じて前記アシストトルクが得られるアシスト領域と前記発電トルクが得られる発電領域とに区画したトルク特性に基づいて演算するようにしたことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項1に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
前記最適発電トルクマップは、エンジン効率とモータ効率とを合わせたシステム効率が最適となるトルクを基準とした上でさらに付加車両要件に応じて設定し直したものであることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項2に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
前記付加車両要件に応じた設定し直しが、前記最適発電トルクマップにおいて前記エンジンの吸気こもり音が過大となるトルク領域を外して設定し直したことであることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項2または請求項3に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
前記付加車両要件に応じた設定し直しが、前記入力回転数の方向と前記アクセル開度の方向とのトルク急変部分において、この急変を抑える修正であることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
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