JP4144338B2 - 画像処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力された複数の画像信号を選択してデジタル演算による画像の加工を施す画像処理装置に関し、特に、このような画像の加工処理をフェーダレバーを用いて操作することが可能な画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
放送局や映像編集の現場等においては、ビデオプレーヤ等からの複数の入力映像の切り換えや合成等を行って出力する画像合成装置が広く使用されている。このような画像合成装置では、複数の画像の表示を徐々に切り換える操作に、フェーダレバーと呼ばれるスライドスイッチを備えた装置が使用されている。例えば、スライドスイッチをそのスライド幅の一端から他端に対して徐々に移動させると、その移動量に応じた合成割合で、ある画像から他の画像の表示に徐々に切り換えられ、スライドスイッチが他端に達したときに表示が完全に切り換えられる。
【0003】
また例えば、スライド部の両端にバネを設けて、スライドスイッチを最端部に移動させて手を離すと、バネの付勢力により端部からわずかに中央寄りの位置にフェーダレバーが停止する構成とし、この停止位置を合成割合が0%または100%となる位置とするとともに、スライドスイッチをこの停止位置から最端部にさらに移動させると、他方の画像の全面表示に切り換えることが可能な映像編集操作装置もあった(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ここで、図22は、従来の画像合成装置の概略構成例を示す図である。
図22に示す画像合成装置100は、入力された複数の画像信号を選択して複数の出力チャンネルに接続する入力選択部110と、入力選択部110からの出力画像信号に対して種々の合成処理を施して出力する合成処理部120を具備している。
【0005】
入力選択部110は、外部からの複数の画像信号が入力される入力ライン111a〜111iのそれぞれを、合成処理部120への複数の入力バス112aおよび112bのいずれかに接続させるマトリクス状の選択スイッチ部113を具備し、この選択スイッチ部113の動作により外部からの複数の画像信号が選択されて合成処理部120に入力される。なお、入力ライン111a〜111iおよび入力バス112aおよび112bが設けられる数は、これに限ったことではない。
【0006】
合成処理部120は、複数の入力バス112aおよび112bからの画像信号に対して、キーイング合成処理やワイプ処理等を含む種々の合成処理を行って出力する。また、合成処理部120は、拡大・縮小処理や表示位置の移動処理等の簡単な特殊効果処理の実行が可能となっている。この合成処理部120では、例えば、あらかじめ設定された処理パターンに従って所定の合成処理が行われる。そして、その処理パターンによる処理の進行状態が0%〜100%の値で示される進行比率という概念で与えられ、この値が外部から指定されることにより動作が制御される。
【0007】
図23は、このような画像合成装置100に対する操作入力装置の構成例を示す図である。
図23に示す操作入力装置200は、入力画像を選択する入力選択部211および212と、入力画像を示す文字を表示する文字表示部220と、進行比率を入力するフェーダレバー230と、を具備している。
【0008】
入力選択部211および212はそれぞれ、画像合成装置100における入力バス112aおよび112bに対応しており、それぞれに設けられたボタンスイッチを押下して、入力ライン111a〜111iとの接続を選択することにより、合成処理部120に対する入力画像が選択される。このとき例えば、選択されているボタンスイッチが点灯する。なお、文字表示部220には、入力ライン111a〜111iに入力される画像を識別するための名称が表示される。
【0009】
また、フェーダレバー230を移動させることにより、合成処理部120における処理の進行比率が指定される。例えば、フェーダレバー230が一端にあるとき動作の進行比率が0%で初期状態にあり、中央部にあるときには動作の進行比率が50%というように、フェーダレバー230の位置に応じて動作の進行比率を任意に変化させて指定することで、画面を連続的に遷移させることが可能となっている。
【0010】
通常の動作では、入力選択部211で選択した画像の表示から、入力選択部212で選択した画像の表示に切り換える場合、フェーダレバー230が図中上側の端部にあるときは入力選択部211で選択した画像を表示し、下側に移動させると入力選択部212で選択した画像に徐々に切り換えるようにして、フェーダレバー230の移動方向と画面表示切り換えとの関係を把握しやすくしている。
【0011】
また、ユーザの好み等により、合成処理なしに全画面表示された画像の操作入力装置200上の表示位置を、常に図中上方に配置したい場合がある。この場合、フェーダレバー230が端部に位置するとき、それがどちら側の端部であっても、表示されている画像は常に入力選択部211において選択された状態となる。また、フェーダレバー230を他端側に移動させると、入力選択部212で選択された画像の表示に徐々に変化し、フェーダレバー230が他端に達すると、各入力選択部211および212に対応する入力バス112aおよび112bでの信号選択が入れ替わる。このような動作モードは“バストグルモード”等と呼ばれる。
【0012】
なお、操作入力装置200には、この他に、処理パターンを指定するためのテンキーや、各種の動作モードを指定するためのボタンスイッチ等が設けられることが多い。例えば、処理パターンを指定する場合には、ワイプ処理やキーイング処理、特殊効果処理等の合成処理部120の具備する合成タイプと、各合成タイプでの画面遷移パターンの分類とをそれぞれ番号で入力することによって行われる。
【0013】
次に、このような画像合成装置100を用いて生成される画像の例を挙げる。ここでは、合成処理部120における処理として、ワイプ処理と、拡大・縮小や表示位置の移動を伴う合成処理とを例に挙げる。
【0014】
図24は、ワイプ処理を用いた画面遷移の例を示す図である。
図24では、一方の画像のみ表示される状態から、双方の画像一部が表示される状態等を経て、他方の画像のみ表示される状態に徐々に遷移していく“ワイプ”と呼ばれる処理パターンを用いた場合の画面遷移を示している。図24の例では、各画像241および242の境界が斜めの線として画面左上から右下に移動することで、各画像の表示が切り換えられる。このような画面遷移は、例えば、入力バス112aおよび112bにおいて画像241および242の信号をそれぞれ選択し、フェーダレバー230を一端から他端に移動させて、合成処理部120に出力する進行比率を徐々に増加させることで実現される。
【0015】
図25は、拡大・縮小や表示位置の移動を伴う合成処理を用いた画面遷移の例を示す図である。
図25の例では、入力バス112bにおいて選択された画像242に対して、徐々に拡大する処理と、その表示位置を画面左上から中央部に移動させる処理が合成処理部120により施されている。合成処理部120は、このような単純な特殊効果処理を伴う処理パターンを具備しており、この動作も同様に、フェーダレバー230の移動に伴う進行比率の指定によって制御される。
【0016】
なお、全画面表示された1つの画像の内部に、他の画像を子画面として徐々に大きく表示させ、ある大きさとなったときに徐々に小さくして画面から消していくといった画面遷移が使用されることがある。例えば、図25(A)のような画面状態から、(B)を経て(C)の状態となった後、(B)、(A)の状態に戻っていくような画面遷移である。このような子画面を用いた画面遷移は、例えば図25のような処理パターンを使用して、フェーダレバー230を端部から途中まで移動させ、また元に戻す等といった操作により実現される。
【0017】
次に、このような画像合成装置100が従来から備えていた機能の例について例示する。まず、画面遷移の方向の設定について説明する。
図26は、図24と同じ処理パターンを用いて、方向を逆に設定した場合の画面遷移を示す図である。
【0018】
上記の図24での画面遷移の方向を“正”とすると、その方向を“負”に設定した場合には、図26に示すように、画像241から画像242の表示に切り換える際の境界線の移動方向が逆方向、すなわち画面右下から左上への方向に変わる。このように、画像合成装置100では、同一処理パターンの実行時に方向の設定を変えると、例えばフェーダレバー230を同じ方向へ移動させた場合にも、画面の遷移方向が逆になり、異なる画像が得られる。
【0019】
ところで、フェーダレバー230の一方向への移動により、ある画像から別の画像への表示切り換えを行った後、連続してフェーダレバー230を元の方向に移動させた場合は、例えば次の図27に示すように画面が遷移する。
【0020】
図27は、図24と同じ処理パターンを用いて、画像の表示を連続的に切り換えた場合の画面遷移を示す図である。
図27において、(A)〜(E)までの画面遷移が、図24での画面遷移に相当する。すなわち、(A)〜(E)の遷移でフェーダレバー230が端部から端部へ1回だけ移動される。また、(E)の状態で、出力される切り換え比率が100%から0%にリセットされる。従って、(E)の状態から同じ処理パターンを用いてフェーダレバー230を元の方向に戻した場合には、(F)〜(I)に示すように、画像の境界線が同じ方向に移動する。これは、フェーダレバー230の双方向への移動で、上述した画面遷移の方向設定がともに“正”とされて動作したことを示している。
【0021】
これに対し、他方の画像に切り換えた後、それまでの画面遷移を逆に辿って元の画像の表示に切り換えられるような効果を得たい場合がある。このような画面遷移は、フェーダレバー230を端部から端部へ1回移動させた後、方向の設定を逆転させることによって実現され、例えば“往復モード”等と呼ばれる動作モードに設定された際に実行される。
【0022】
図28は、往復モードの設定時に、図24の処理パターンを用いて、画像の表示を連続的に切り換えた場合の画面遷移を示す図である。
図28では、(A)〜(E)の画面遷移で、方向設定が“正”の状態で、画像の境界線が画面左上から右下に移動するワイプ処理が行われる。往復モードでは、この処理が終了した(E)の時点で方向設定が“負”に自動的に切り換えられ、フェーダレバー230が元の方向に戻されるに伴って、画像の境界線が逆方向に移動するワイプ処理が行われる。
【0023】
【特許文献1】
特開2001−230946号公報(段落番号〔0049〕〜〔0054〕、第4図)
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
上記の図27や図28で説明したように、新たな画像が画面上に徐々に現れる遷移の過程と、その画像が徐々に消えていく遷移の過程とを、フェーダレバー230を往復させることで連続的に制御することが可能であった。しかし、この場合には双方の過程で必ず同じ処理パターンが使用されるため、画像が現れる過程と消えていく過程とで異なるパターンの遷移動作を実行することができない。従来、異なるパターンの遷移動作を行うには、一方の方向にフェーダレバー230を振り切って画像が現れる遷移を実行させた後、処理パターンを新たに設定し、フェーダレバー230を元の方向に移動させるという手順が必要であった。
【0025】
また、画面上に子画面を徐々に大きく表示させ、また徐々に小さくして消滅させる画面遷移を実現するためには、例えば図24のように、一方の画像を全画面表示した状態から、子画面となる画像を徐々に表示させて最終的に全画面表示させるような処理パターンを使用して、フェーダレバー230を他端まで振り切らずに途中で元に戻す操作を行っていた。あるいは、一方の画面を全画面表示した状態から子画面を徐々に表示させ、子画面が全画面の大きさとなる前に遷移を終了するような処理パターンを使用し、往復モードに設定してフェーダレバー230を往復させ、子画面の遷移を元に戻すことで実現していた。しかし、いずれの方法でも、子画面が現れる過程と消えていく過程とで同じ処理パターンのみ使用可能であった。
【0026】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、新たな画像が徐々に現れる過程とその後に徐々に消えていく過程とで異なるパターンの画面遷移が行われる処理を、簡単な操作で実行させることが可能な画像処理装置を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記課題を解決するために、複数の入力から選択した画像信号を用いたデジタル演算による画像の加工処理をフェーダレバーを用いて操作することが可能な画像処理装置において、選択された1つ以上の入力画像信号を用いて、画像の加工処理の処理タイプとその動作遷移についてあらかじめ設定された処理パターン、および前記処理パターンによる処理の進行状態の指定に基づいて画像の加工処理を実行する画像加工処理部と、前記フェーダレバーがスライド範囲の一端から他端へスライドされるスライド回数をカウントするカウント部と、前記処理パターンを指定するとともに、前記フェーダレバーのスライド量および前記カウント部におけるカウント数に基づいて前記進行状態を指定することによって、前記画像加工処理部の動作を制御し、また、前記カウント部におけるカウント数が、指定した前記処理パターンによる処理が終了するまでに必要な前記スライド回数を示す所要スライド回数に達した場合に、前記カウント部のカウント数をリセットする加工処理制御部とを有することを特徴とする画像処理装置が提供される。
【0028】
このような画像処理装置では、複数の入力画像信号から選択された画像に対して、画像加工処理部による加工処理が行われる。画像加工処理部は、加工処理の処理タイプとその動作遷移についてあらかじめ設定された処理パターンと、その処理パターンの処理における進行状態が指定されることで動作する。カウント部は、フェーダレバーによるスライド範囲の一端から他端へのスライド回数をカウントする。加工処理制御部は、処理パターンを指定するとともに、フェーダレバーを用いた操作と、カウント部によりカウントされるフェーダレバーのスライド回数とに基づいて進行状態を指定することにより、画像加工処理部の処理を制御する。
【0029】
ここで、各処理パターンにはその処理を終了するまでに必要なスライド回数を示す所要スライド回数があらかじめ対応付けられており、加工処理制御部は、カウント部におけるカウント数が、指定されている処理パターンに対応する所要スライド回数に達した場合にカウント部のカウント数をリセットする。従って、1つの処理パターンの実行は、指定された処理パターンに対応する所要スライド回数分だけフェーダレバーのスライド操作が行われたときに終了される。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像処理システムの構成を示す図である。
【0031】
図1に示すように、画像処理システムは、複数の入力画像信号を選択して画像の合成等の処理を行う画像処理装置1と、この画像処理装置1をユーザが操作するための操作ユニット2によって構成される。
【0032】
画像処理装置1は、入力された画像信号を選択する入力選択部10と、選択された画像信号を用いてデジタル演算による各種の画像処理を行う合成処理部20と、入力選択部10および合成処理部20の動作を操作ユニット2からの制御信号に基づいて制御する動作制御部30によって構成される。
【0033】
入力選択部10は、外部から複数の画像信号が入力される入力ライン11a〜11iのそれぞれを、合成処理部20への複数の入力バス12a〜12dのいずれかに接続させるマトリクス状の選択スイッチ部13を具備し、これによって入力された複数の画像信号が選択されて合成処理部20に入力される。選択スイッチ部13は、動作制御部30の制御処理部31からの指示に基づいて動作する。なお、入力ライン11a〜11iおよび入力バス12a〜12dが設けられる数は、これに限ったことではない。
【0034】
合成処理部20は、複数の入力バス12a〜12dにより選択された1つ以上の画像信号に対して、キーイング合成処理やワイプ処理を含む種々の表示切り換えや合成等のデジタル演算処理を行って出力する。合成処理部20は、あらかじめ設定された処理パターンと、その処理パターンによる処理の進行状態とを、制御処理部31から指定されることにより動作する。
【0035】
ここで、合成処理部20に対する入力バス12aおよび12bは、それぞれキーソース信号およびこれに対応するキーフィル信号を合成処理部20に入力させるためのバスとなっている。キーソース信号は、画像をキーイング合成する領域を指定するために使用され、キーフィル信号はその領域に表示させる画像信号として使用される。また、入力バス12cおよび12dは、キー信号に対する背景となる画像信号を合成処理部20に入力させるためのバスとなっている。
【0036】
動作制御部30は、例えばマイクロコンピュータやROM(Read Only Memory)/RAM(Random Access Memory)等によって構成され、操作ユニット2から受けた制御信号に基づいて入力選択部10および合成処理部20の動作を制御する制御処理部31と、操作ユニット2の具備するフェーダレバーのスライド回数をカウントするカウンタ32と、合成処理部20における処理パターンの設定を記憶するパターン記憶部33と、この処理パターンごとに対応づけられたフェーダレバーの所要スライド回数を記憶する所要スライド回数記憶部34を具備する。
【0037】
制御処理部31は、操作ユニット2から受け取った制御信号に基づいて、入力選択部10における画像選択や、合成処理部20における処理パターンや進行状態を指定し、これらの動作を制御する。合成処理部20に対する動作制御では、操作ユニット2での入力に基づいて、指定された処理パターンの設定情報をパターン記憶部33から読み出し、合成処理部20に指定する。また、合成処理部20での処理パターンの実行中には、操作ユニット2でのフェーダレバーのスライド量に応じた入力、所要スライド回数記憶部34から抽出した、処理パターンに対応する所要スライド回数、およびカウンタ32でのカウント数に基づいて、合成処理部20の進行状態を制御する。そして、所要スライド回数とカウンタ32でのカウント数とに基づいて処理パターンの実行終了を判断する。
【0038】
カウンタ32は、合成処理部20での処理パターンの実行中に、操作ユニット2の具備するフェーダレバーが一端から他端までスライドされる回数をカウントし、カウント数を制御処理部31に出力する。このカウンタ32のカウント数の初期値は“1”であり、制御処理部31からの信号に基づいて初期値にリセットされる。
【0039】
パターン記憶部33は、合成処理部20での処理パターンごとの設定を記憶する。所要スライド回数記憶部34は、操作ユニット2のフェーダレバーが何回スライドされると、各処理パターンによる処理が終了するかを示す所要スライド回数を記憶している。なお、パターン記憶部33および所要スライド回数記憶部34は、半導体メモリ等による着脱可能な記憶装置として設けられていてもよい。
【0040】
図2は、操作ユニット2のパネル構成例を示す図である。
操作ユニット2には、大別して、入力選択操作部21と、パターン入力部22と、進行状態操作部23とが設けられている。入力選択操作部21では、入力選択部10の選択スイッチ部13における接続動作に対する操作が行われる。この入力選択操作部21には、入力バス12aおよび12bからのキー入力を選択するキー選択部21aと、入力バス12cおよび12dからの背景画像をそれぞれ選択する背景選択部21bおよび21cが設けられている。各選択部は入力ライン11a〜11iと各バスとの接続を選択する択一式のボタンスイッチにより構成されており、選択されたボタンスイッチは点灯する。また、各ボタンスイッチの上方に設けられた文字表示部21dには、入力ライン11a〜11iへの入力画像を識別するための名称が表示される。
【0041】
なお、キー選択部21aでは、1つのボタンスイッチの押下により入力バス12aおよび12bの両方の接続が切り換えられるが、このときに各バスに対して同じ入力ライン11a〜11iが選択されるか、あるいは異なるラインが選択されるかはあらかじめ別途設定されるものとする。例えば、入力ライン11aを選択すると、入力バス12aに対しては入力ライン11aが、入力バス12bに対しては隣の入力ライン11bが接続されるといった設定が行われる。
【0042】
パターン入力部22には、処理パターンの番号を入力するテンキー22aと、合成処理のタイプを指定するタイプ指定部22bと、入力された処理パターンの番号を表示する番号表示部22cが設けられている。合成処理部20の処理パターンは例えばワイプ、子画面表示等の処理タイプごとに分類されており、タイプ指定部22bでこの処理タイプが指定された後、テンキー22aで番号が入力されることにより、処理パターンの指定操作が行われる。
【0043】
進行状態操作部23には、フェーダレバー23aが設けられている。このフェーダレバー23aをスライド範囲の一端から他端までスライドさせることにより、合成処理部20での処理の進行状態を変化させることが可能となる。
【0044】
ここで、フェーダレバー23aのスライド範囲内でのスライド量に応じて操作ユニット2から出力される値を“フェーダ値”と呼称することにする。フェーダ値は、フェーダレバー23aの一方向へのスライド量を0%から100%の値で示し、フェーダレバー23aが一端から他端に達したときにリセットされる。例えば、フェーダレバー23aが上端から下端まで移動すると、フェーダ値は0%から100%に変化し、その後に下端から上端まで移動した場合にも、フェーダ値は0%から100%に変化する。
【0045】
また、進行状態操作部23の上部には、フェーダレバー23aの操作によって遷移させる対象をキー信号とするか、あるいは背景画像信号とするかについてボタンスイッチにより選択する遷移対象選択部24と、遷移の方向をボタンスイッチにより設定する方向設定部25がさらに設けられている。
【0046】
図3は、所要スライド回数記憶部34が保持するデータの例を示す図である。画像処理装置1では、1つの処理パターンを実行させるためにフェーダレバー23aをスライドさせる回数を、所要スライド回数として設定することができる。図3に示すように、所要スライド回数は各処理パターンに対応づけて所要スライド回数記憶部34に保持され、処理パターンが指定されたときに、制御処理部31によって参照される。
【0047】
次に、この画像処理システムにおける基本的な動作について説明する。ここでは、画像の境界線を左端から右端に移動させて2つの画像を切り換えるワイプ処理を例に挙げ、このような1種類のワイプ処理が行われる処理パターンを実行する場合の動作について説明する。
【0048】
図4は、1種類のワイプ処理が行われる場合の画面遷移例を示す図である。
遷移対象選択部24において、フェーダレバー23aで遷移させる対象を背景画像に設定した場合には、背景選択部21bおよび21cにおいてそれぞれ、最初に表示する画像401と切り換え後に表示する画像402とを選択する。初期状態では、図4(A)のように、背景選択部21bで選択された画像401が全画面表示される。
【0049】
そして、ユーザがフェーダレバー23aを例えば上端から下端へスライドさせ、フェーダ値が0%から100%に増加するのに伴い、動作制御部30の制御処理部31が進行状態の指定を0%から100%に徐々に増加させる。この結果、(A)から(E)に示すように、画面上では画像の境界線が左端から右端に徐々に移動していくのに伴って、背景選択部21cで選択した画像402が徐々に表示されていき、最終的にはこの画像402のみが全画面表示された状態となる。なお、合成処理部20は、各画像の表示領域を変化させるためのキー信号を内部発生することにより、境界線が移動するワイプの動作を実現する。
【0050】
さらにその後、フェーダレバー23aを逆方向に移動させると、フェーダ値の増加に伴って画像の境界線が再び左端から右端に移動し、背景選択部21bで選択された画像401が再び表示されていく。このように画像処理装置1では、合成処理部20による処理の進行がフェーダレバー23aからのフェーダ値によって制御される。
【0051】
一方、遷移対象選択部24において、フェーダレバー23aで遷移させる対象をキー信号とした場合には、例えば初期状態で表示させる背景画像を背景選択部21bまたは21cで選択し、この上に合成させるキー信号をキー選択部21aで選択する。そして、フェーダ値を増加させると、ワイプの境界線の移動に伴ってキー信号による画像が徐々に表示されていく。また、フェーダレバー23aが端部に達した後、逆方向に移動されると、キー信号による画像が徐々に画面から消えていく。
【0052】
なお、以上の処理パターンによる動作で、方向設定部25において“負”の方向に設定された場合には、画面遷移の方向、すなわちワイプの境界線の移動方向が逆方向(この例では画面右端から左端の方向)となる。
【0053】
次に、1つの処理パターンで2種類以上の画面遷移が連続して実行される場合の画面遷移の具体例を示し、フェーダレバー23aを用いた合成処理部20に対する動作制御について詳しく説明する。なお、以下の説明では、1つの処理パターン全体に対する進行状態の比率を“進行比率”と呼称して、上記の“フェーダ値”と区別して記述することにする。
【0054】
図5は、2種類のワイプ処理が行われる場合の画面遷移例を示す図である。
合成処理部20は、1つの処理パターンの中で、複数の異なる種類の画面遷移を連続して実行することができる。例えば、処理パターン全体の進行比率のうち、0%から50%の範囲と、50%から100%の範囲では、画像の境界の遷移方向が異なるワイプ処理を実行させることができる。
【0055】
図5の遷移例では、(A)〜(E)が進行比率0%〜50%での画面遷移を示し、(E)〜(I)が50%〜100%の画面遷移を示している。(A)〜(E)の画面遷移では、画像の境界線が一定の角度を保持したまま、画面左上から右下に向かって移動するワイプ処理が行われている。一方、(E)〜(I)の画面遷移では、画像の境界線が右上を中心として時計回りに回転するワイプ処理が行われている。
【0056】
また、これに加えて、1つの処理パターンを実行させるためにフェーダレバー23aをスライドさせる回数を、所要スライド回数として設定することができる。図5の例で所要スライド回数を“2”と設定した場合、(A)〜(E)の遷移をフェーダレバー23aの1回のスライド操作(フェーダ値0%〜100%)により制御し、(E)〜(I)までの遷移をフェーダレバー23aを逆方向に戻すさらなる1回のスライド操作(フェーダ値0%〜100%)により制御することができる。
【0057】
ここで、図5の画面遷移では、遷移の最初と最後の状態ではともに同じ画像401が全画面表示されるが、遷移の中間(進行比率50%)の時点で画像401および402が画面上に半分ずつ表示され、この状態を経た後に異なる画面遷移が行われるようになっている。このような場合、(E)の表示状態となる遷移の中間時点で、フェーダレバー23aを正確に停止可能とされることが望ましい。
【0058】
このために、処理全体の操作にフェーダレバー23aの所要スライド回数を“2”と設定することにより、遷移の中間時点でフェーダレバー23aの1回目のスライドによるフェーダ量が100%に達することになる。従って、移動したフェーダレバー23aがスライド範囲の端部に達したタイミングが、各画像401および402が半分ずつ表示された(E)のタイミングと一致し、この時点でフェーダレバー23aを正確に停止させることができるので、操作性が高められる。
【0059】
図6は、1つの処理パターンが実行される際の制御処理部31における処理の流れを示すフローチャートである。この図6を用いて、図5のような画面遷移が行われる場合の画像処理システムの動作を説明する。
【0060】
フェーダレバー23aの所要スライド回数は、処理パターンごとに対応づけられて設定され、所要スライド回数記憶部34にあらかじめ記憶される。なお、カウンタ32の初期値を“1”とする。また、ここでは初期状態において、フェーダレバー23aが上端部に位置するものとする。
【0061】
ステップS601において、制御処理部31は、操作ユニット2からの信号に基づいて、処理パターンの番号、入力選択部10における入力画像の選択、画面遷移の方向、および遷移対象とする信号の選択についての指定を順次受ける。このとき、操作ユニット2では、パターン入力部22において、図5のような画面遷移が行われる処理パターンとして例えば番号“201”が入力される。また、背景選択部21bおよび21cにおいて、入力画像としてそれぞれ図中の画像401および402が選択される。さらに、遷移対象選択部24において背景画像が遷移対象として選択され、方向設定部25において“正”の方向が選択される。制御処理部31は、指定された処理パターンの番号に対応する設定情報をパターン記憶部33から抽出し、合成処理部20に対する初期設定を行う。
【0062】
ステップS602において、制御処理部31は、指定された処理パターンの番号に対応する所要スライド回数を、所要スライド回数記憶部34から抽出する。図5の例の場合、所要スライド回数として“2”の値が抽出される。
【0063】
ステップS603において、操作ユニット2においてフェーダレバー23aが操作され、制御処理部31は、フェーダ値の変化に応じて、合成処理部20における処理パターンの処理の実行を制御する。制御処理部31はこのとき、カウンタ32のカウント数を参照して、現在のフェーダレバー23aのスライド回数を認識する。そして、このスライド回数に応じた処理の進行比率を算出し、算出値を合成処理部20に指定することで、処理パターンに従った処理の進行状態を制御する。
【0064】
ステップS604において、フェーダ値が100%に達したか否かを判定し、この値に達するまで、ステップS603におけるフェーダ値に応じた合成処理部20の進行状態制御を行う。そして、フェーダ値が100%となると、ステップS605に進み、操作ユニット2からのフェーダ値が0%にリセットされる。
【0065】
ステップS606において、カウンタ32によるカウント数が所要スライド回数と一致するか否かを判定する。一致しない場合は、ステップS607において、カウンタ32をカウントアップさせて、ステップS603に戻り、以後これらの値が一致するまでステップS603〜S606の処理が繰り返される。また、一致した場合には、ステップS608に進み、カウンタ32のカウント数を“1”にリセットして、処理を終了する。
【0066】
ここで、図5の画面遷移では、カウンタ32のカウント数が“1”である場合、フェーダレバー23aが上端から下端に移動されると、フェーダ値の増加に応じて(A)から(E)の状態に画面が遷移する(ステップS603に対応)。そして、フェーダ値が100%のときに画像401および402が半分ずつ表示された(E)の状態となり、フェーダ値がリセットされる(ステップS605に対応)とともに、カウンタ32のカウント数が“2”とされる(ステップS607に対応)。
【0067】
この後さらに、フェーダレバー23aが元の方向に戻されると、再びフェーダ値が増加され、増加に伴って画面が(E)〜(I)の状態に遷移する(ステップS603に対応)。そして、再びフェーダ値が100%となったときに画像401のみが全画面表示された(I)の状態となり、フェーダ値がリセットされる(ステップS605に対応)。このとき、フェーダレバー23aを用いた所要スライド回数分のスライド操作が完了したことになり、番号“201”の処理パターンの動作が終了される。
【0068】
以上のように、本実施の形態の画像処理システムでは、1つの処理パターンに対する実行開始から終了までに、フェーダレバー23aが複数回スライドされるように設定することができる。このため、異なる種類の画面遷移が切り換えられる時点で、フェーダレバー23aをスライド範囲の端部に停止させることができるとともに、この時点で処理パターンの再指定を行う必要がない。従って、このような異なる種類の画面遷移が連続して行われる処理を、1つの処理パターンの指定とフェーダレバー23aの操作により、煩雑な操作を行わずに、かつ正確に実行させることができ、操作性の高い画像処理システムが実現される。
【0069】
次に、上記の図5と同じ処理パターンを用いて、画面遷移の方向指定や遷移対象の設定等の他の機能を利用した画像生成を行う場合の動作について説明する。図7は、図5と同じ処理パターンを用いて、方向を逆に設定した場合の画面遷移を示す図である。
【0070】
図5と同じ番号“201”の処理パターンの実行の際に、操作ユニット2の方向設定部25において方向設定が“負”とされた場合、図7に示すように、まずフェーダレバー23aの1回目のスライド操作では、図7(A)のような画像401の全画面表示から、フェーダ値の増加に伴って画像402が徐々に表示されていく。この際に、画像の境界線は画面右上を中心として反時計回りに移動していく。そして、フェーダ値100%のとき、(E)のように各画像401および402が半分ずつ表示された状態となる。さらにフェーダレバー23aが逆向きに移動される2回目のスライド操作では、フェーダ値が0%から増加するのに伴って画像の境界線が画面左上方向に徐々に移動していき、フェーダ値100%のときに(I)のように画像401の全画面表示の状態に戻る。
【0071】
このように、方向設定を“負”とした場合には、処理パターン全体における画面遷移の方向が逆転される。図5および図7の各画面遷移を比較すると、所要スライド回数が“2”の場合には、例えば、1回目のスライド操作でフェーダ値25%とされたときの出力画像が、方向設定が逆とされた場合の2回目のスライド操作でフェーダ値75%とされたときの出力画像と一致することになる。
【0072】
次に、図8は、図5と同じ処理パターンを用いて、遷移対象としてキー信号を選択した場合の画面遷移を示す図である。
操作ユニット2の遷移対象選択部24において、フェーダレバー23aにより遷移を制御する対象としてキー信号が選択された場合には、通常、キー信号をキー選択部21aで選択する。図8の例では、(A)の初期状態と(I)の終了状態において全画面表示される画像401を背景選択部21bまたは21cで選択し、この画像401の上に合成される画像402を与えるキーソース信号およびキーフィル信号を、キー選択部21aで選択する。
【0073】
図8の例では、キー信号で与えられる画像合成割合が0%と100%の間の値となる場合について示している。この場合、(B)から(H)に示すように、画像402が表示される境界線の動き方は上記の図5の場合と同じであるが、画像402の表示領域にも画像401が合成されて同時に表示される。
【0074】
このような画面遷移においても、処理パターン全体の中間点である(E)の状態において、フェーダレバー23aが端部に位置するため、この状態で画面を容易に停止することができ、しかもこの時点で処理パターンの再指定を行う必要がないため、容易でかつ正確な画面制御操作を行うことができる。
【0075】
なお、本実施の形態の画像処理装置1では、この他に、“往復モード”、“バストグルモード”といった動作モードで動作させることを可能としてもよい。
往復モードは、処理パターンの終了時点でフェーダレバー23aをそれまでの逆方向に移動させたときに、画像の遷移方向が逆方向となる動作モードである。所要スライド回数が“1”の場合は、フェーダレバー23aが1回分だけスライド操作された後、元の方向に戻されると、方向設定が逆転された状態となって、フェーダ値に応じた動作が行われる。一方、所要スライド回数が複数である場合は、この回数分のスライド操作が行われた時点で方向設定が逆転される。上記の番号“201”の処理パターンを往復モードで実行した場合、フェーダレバー23aの操作により図5のような画面遷移が行われた後、方向設定が逆転され、フェーダレバー23aが再び移動されると図7のような画面遷移が行われる。
【0076】
また、バストグルモードは、操作ユニット2において背景選択部21bおよび21cでそれぞれ画像が選択された状態で、画面遷移によって背景画像が切り換わるたびに、背景選択部21bおよび21cで選択された画像が入れ替わる動作モードである。
【0077】
例えば、上記の図5のような画面遷移が行われる場合、通常は、背景選択部21bおよび21cでそれぞれ画像401および402を選択し、フェーダレバー23aを上側とした状態から操作を開始する。バストグルモードの非設定状態では、フェーダレバー23aを下側に移動させるのに従って、パネル上の下側に位置する背景選択部21cで選択された画像402が徐々に表示され、フェーダレバー23aを下端から上端に移動させる際には、画像402の表示が徐々に消えていって、最終的にパネル上の上側に位置する背景選択部21bで選択された画像401の表示のみの状態となる。従って、この操作では、フェーダレバー23aの位置と、操作ユニット2のパネル上において表示画像が選択されている位置とが一致している。
【0078】
このように、バストグルモードの非設定状態では、フェーダレバー23aの移動方向と表示される画像との関係が、操作ユニット2上で視覚的に把握しやすくなるように、入力バス12a〜12dでの画像選択が行われることが望ましい。従って、例えば図5のように、ある画像の全画面表示から他の画像が表示される状態を経て、再び元の画像の全画面表示に戻って終了するような処理パターンでは、所要スライド回数は偶数値に設定されることが望ましい。これに対して、例えば図4のように、初期状態と最終状態で表示される画像が完全に入れ替わるような処理パターンに対しては、所要スライド回数が奇数値に設定されることが望ましい。
【0079】
しかし、バストグルモードに設定された場合には、フェーダレバー23aの位置と、出力画像が選択される入力バス12a〜12dとの間に上記のような特別な位置関係は存在しない。このため、どんな処理パターンに対しても所要スライド回数を自由に設定することができ、この画像処理システムの操作性の高さという利点がより大きく反映される。
【0080】
次に、画面上に子画面を徐々に表示させるような画面遷移を行う処理について説明する。このような画面遷移は、上記の第1の実施の形態において、合成処理部20に画面の拡大・縮小等の特殊効果処理機能を持たせることでも実現可能である。しかし通常は、このような特殊効果処理を行う専用の装置を画像処理装置に接続して、これらを同期制御することで実現することが多い。以下、専用の特殊効果処理装置との接続機能を有する画像処理システムを、本発明の第2の実施の形態として説明する。
【0081】
図9は、本発明の第2の実施の形態に係る画像処理システムの構成を示す図である。なお、図9では、図1と同じ構成要素について同じ符号を付して示しており、その説明については省略する。
【0082】
図9に示す画像処理システムは、画像処理装置1a、操作ユニット2および特殊効果処理装置3によって構成される。
画像処理装置1aは、入力選択部10、合成処理部20a、動作制御部30aおよび接続切り換え部40を具備している。合成処理部20aは、入力バス12a〜12dの信号を、接続切り換え部40を介して特殊効果処理装置3に出力し、また特殊効果処理装置3からの出力画像の入力を受ける機能を具備している。好ましくは、合成処理部20aは、操作指示や設定に応じて、入力バス12a〜12dの信号に対して指定された処理(例えばキーソース信号をキーフィル信号の値を用いて加工処理すること等)を施してから、特殊効果処理装置3に出力する。合成処理部20aは例えば、特殊効果処理装置3に対して複数の信号を出力することが可能となっている。
【0083】
動作制御部30aは、制御処理部31a、カウンタ32、パターン記憶部33、所要スライド回数記憶部34および接続設定記憶部35を具備している。このうち、接続設定記憶部35は、合成処理部20aから特殊効果処理装置3に対する出力と、特殊効果処理装置3の入力との接続切り換え部40における接続設定を、処理パターンごとに記憶している。
【0084】
接続切り換え部40は、合成処理部20aの入出力と特殊効果処理装置3の入出力との接続を、接続設定記憶部35を参照した制御処理部31aの制御に基づいて切り換える。この例では、合成処理部20aからの2系統の出力と、特殊効果処理装置3の2系統の入力との接続を切り換える。
【0085】
特殊効果処理装置3は、接続切り換え部40を介して入力された画像信号をフレームメモリに保持して、例えば拡大・縮小、表示位置の移動、回転、モザイク処理等のデジタル演算による特殊効果処理を施して出力する。特殊効果処理装置3は、これらの特殊効果処理があらかじめ処理パターンとして設定され、この処理パターンが指定されることにより動作する。
【0086】
この画像処理システムでは、入力選択部10、合成処理部20aに加えて、接続切り換え部40および特殊効果処理装置3の動作も、制御処理部31aによって制御される。合成処理部20aから特殊効果処理装置3に対して出力する画像の選択動作については、接続設定記憶部35に処理パターンごとにあらかじめ設定しておき、制御処理部31aがこの接続設定記憶部35を参照して、接続切り換え部40における接続動作の制御を行う。
【0087】
合成処理部20aおよび特殊効果処理装置3での各処理パターンは、操作ユニット2から指定される処理パターンの番号によって同時に指定され、各部における動作の進行状態も、フェーダレバー23aによるフェーダ値に基づいて同期制御される。または、操作ユニット2において、各部の処理パターンを個別に指定できるようにしてもよい。
【0088】
なお、制御処理部31aでは、入力バス12a〜12dの画像信号を特殊効果処理装置3に出力するか否かについて、指定される処理パターンの番号の数値によって区別されるようにしてもよい。この場合例えば、番号が3けたの場合は特殊効果処理装置3を使用せず、1000番以上の場合に特殊効果処理装置3を使用すると判断して、接続設定記憶部35の参照を行うようにする。
【0089】
ここでは、接続切り換え部40の接続設定をあらかじめ接続設定記憶部35に設定しておき、制御処理部31aは、フェーダレバー23aによる1回のスライド操作ごとに接続設定を更新するものとする。このような処理により、後述するように、この接続設定をフェーダレバー23aのスライド操作ごとに変化させることを可能とする。
【0090】
図10は、接続設定記憶部35の保持するデータの例を示す図である。
図10の例では、特殊効果処理装置3が“1ch”“2ch”で示した2つの入力チャンネルを有しているものとする。特殊効果処理装置3は、各入力チャンネルから入力された画像信号に対して、それぞれ独立した特殊効果処理を施すことが可能となっている。また、合成処理部20aは、特殊効果処理装置3に対して入力バス12cおよび12dのいずれか、または双方を出力することが可能で、図10では、各入力バス12cおよび12dをそれぞれ“Aバス”“Bバス”として示している。従って、接続設定記憶部35は、図10のように、合成処理部20aにおける“Aバス”“Bバス”の各画像信号と、特殊効果処理装置3における“1ch”“2ch”の各入力チャンネルとの接続切り換え部40における接続設定を、処理パターンの番号ごとに保持している。
【0091】
さらに、接続設定記憶部35は、上記の接続切り換え部40における接続設定を、フェーダレバー23aの1回のスライド操作ごとに保持している。ここでは例として、1つの処理パターンに設定可能な所要スライド回数を最大で“4”としている。また、“なし”の表記は、そのバスの画像を特殊効果処理装置3に出力しないことを意味する。
【0092】
なお、図10では、各処理パターンに設定された所要スライド回数を、参考のために右端に示している。また、特殊効果処理装置3に対しては入力バス12aおよび12bのキー信号を出力してもよく、これらのバス割り当てを接続設定記憶部35に設定してもよい。
【0093】
図11は、1つの処理パターンが実行される際の制御処理部31aにおける処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS1101において、操作ユニット2から処理パターンの番号、入力画像の選択、画面遷移の方向、および遷移対象の指定をそれぞれ受けて、入力選択部10、合成処理部20aおよび特殊効果処理装置3に対する所定の設定を指示する。ステップS1102において、指定された処理パターンに対応する所要スライド回数を所要スライド回数記憶部34から抽出する。
【0094】
ステップS1103において、接続設定記憶部35を参照し、合成処理部20aからの出力と、特殊効果処理装置3の入力との接続設定を抽出する。このとき、指定された処理パターンと、カウンタ32のカウント数とに対応する接続設定の情報を抽出し、この情報に基づいて接続切り換え部40に対して接続動作を指示する。
【0095】
この後、フェーダレバー23aによる操作が開始され、フェーダ値が100%に達するまで、指定された処理パターンによる合成処理部20aおよび特殊効果処理装置3の処理の進行状態を制御する(ステップS1104およびS1105)。そして、フェーダレバー23aの1回分のスライド操作が終了すると、フェーダ値がリセットされる(ステップS1106)とともに、カウンタ32のカウント数と所要スライド回数とが一致するか否かを判断し(ステップS1107)、一致しない場合にカウンタ32をカウントアップして(ステップS1108)、ステップS1103に戻る。また、ステップS1107の判断で、フェーダレバー23aのスライド操作が所要スライド回数分だけ行われたときに、ステップS1109に進んでカウンタのカウント数を“1”にリセットし、処理を終了する。
【0096】
このような処理により、制御処理部31aは、フェーダレバー23aが一端まで振り切られるたびに、接続設定記憶部35を参照して、接続切り換え部40の接続動作指示を更新する。従って、フェーダレバー23aの1回分のスライド動作ごとに、特殊効果処理装置3に出力する画像信号を選択することが可能となる。
【0097】
次に、特殊効果処理装置3を使用した画像の遷移を具体的に挙げて、本実施の形態の画像処理システムの動作を説明する。
図12は、特殊効果処理装置3における拡大・縮小処理および表示位置移動機能を用いた場合の画面遷移例を示す図である。
【0098】
図12の画面遷移では、一方の画像401が全画面表示された(A)の状態から(B)から(E)のように画像402が子画面表示されて徐々に拡大し、進行比率50%である(E)において一定の大きさとなった後、(F)から(I)のように画像402が再び徐々に縮小されて、最終的に(I)のように画像401の全画面表示状態に戻っている。また、子画面の表示位置は、(A)から(E)の遷移では画面左上から中央部付近に向かって徐々に移動し、(E)から(I)の遷移では画面中央部付近から右下に向かって徐々に移動している。すなわちこの処理パターンでは、特殊効果処理装置3において2種類の画面遷移が連続して行われている。
【0099】
そして、このような画面遷移を行う処理パターンに対して、所要スライド回数が“2”に設定されている。すなわち、図12に示すように、子画面が徐々に拡大する遷移が、フェーダレバー23aによる1回目のスライド操作により制御され、子画面が徐々に縮小する遷移が、2回目のスライド操作により制御される。
【0100】
この画面遷移は、図10に示した接続設定を用いた場合、番号“1001”の処理パターンを使用することで実現される。合成処理部20aでは、例えば入力バス12cおよび12dにおいてそれぞれ画像401および402の信号が選択される。そして、合成処理部20aは、このうち入力バス12dの画像信号を、接続切り換え部40を介して特殊効果処理装置3に出力する。接続切り換え部40では、この画像信号を特殊効果処理装置3の入力チャンネル“1ch”に接続する。この接続状態は、フェーダレバー23aによる1回目、2回目の各スライド操作時に変更されない。
【0101】
特殊効果処理装置3は、フェーダ値の移動に応じた制御処理部31aの進行状態制御に基づいて、画像の拡大処理および表示位置移動処理と、その後の縮小処理および表示位置移動処理を行い、この画像を接続切り換え部40を介して合成処理部20aに出力する。この出力信号は実際にはキーソース信号およびキーフィル信号として出力され、合成処理部20aは、これらの信号を用いて、入力バス12cからの画像401上にキーイング合成する。
【0102】
ここで、図12のような処理パターンを用いて操作する場合、子画面が拡大する遷移から縮小する遷移に移行する(E)の時点で、フェーダレバー23aを正確に停止することが要求されることが多い。本実施の形態のように、合成処理部20aだけでなく、特殊効果処理装置3の処理パターンに対しても、フェーダレバー23aの所要スライド回数の指定を可能とすることで、(E)の時点でフェーダレバー23aを端部に停止させることができる。また、子画面が徐々に拡大されて現れる遷移と、徐々に縮小されて消えていく遷移とが同一の処理パターンで実現され、この遷移の途中で処理パターンの再指定を行うことなく、フェーダレバー23aのみを用いて操作することができ、高い操作性が実現される。
【0103】
なお、図12の処理パターンを用いて、画面遷移の方向設定を“負”とした場合や、フェーダレバー23aの移動に応じた遷移対象をキー信号とした場合にも、同様の効果を得ることが可能となる。方向設定を“負”とした場合には、制御処理部31aは、接続設定記憶部35の参照時に、スライド回数を逆に辿って接続設定を読み取る。例えば、所要スライド回数が“3”の場合には、フェーダレバー23aの1回目のスライド操作時にはスライド回数“3”の欄から設定を読み取り、3回目のスライド操作時にはスライド回数“1”の欄から設定を読み取る。
【0104】
次に、図13は、単一の入力画像を選択して特殊効果処理を施した場合の画面遷移例を示す図である。
上記の画面遷移例では、合成処理部20aにおいて2種類の入力画像信号を選択して処理した場合について説明したが、例えば図13のように、1種類の入力画像信号のみ選択して各種の特殊効果処理を施し、出力することも可能である。図13の画面遷移を実現する場合には、例えば図10に示した接続設定から番号“1006”の処理パターンを使用して、入力バス12cにおいて選択した画像401を特殊効果処理装置3に出力する。所要スライド回数は“2”と設定され、各回のスライド操作で接続切り換え部40の動作は変更されない。
【0105】
特殊効果処理装置3は、フェーダレバー23aの1回目のスライド操作では、画像401を時計回りに180度回転させる処理を行う。そして、2回目のスライド操作では、フェーダ値が50%となるまでは画像401を中央部に向かって徐々に縮小させる処理を行い、フェーダ値が50%以上の範囲では、それまでの画像401を180度回転させてから徐々に拡大する処理を行う。
【0106】
この画面遷移においては、例えば入力された画像401が180度回転された(E)の時点でフェーダレバー23aがスライド範囲の端部に達するため、画面が(E)の状態になった時点で正確に遷移を停止させることができる。このように、1つの処理パターンに対して所要スライド回数を複数回に設定できることは、特殊効果処理が施された画像をある状態で正確に停止させたい場合にたいへん有効である。
【0107】
特殊効果処理としては、他に例えば、拡大・縮小、色調の変化、縦横比の変更、コントラストの強調、影付け、モザイク処理、渦巻き状の回転処理等が使用可能である。本実施の形態では、これらの処理をフェーダレバー23aを用いて容易に操作できるとともに、所定の状態で正確に画面遷移を停止させることが可能となる。
【0108】
また、図13の画面遷移のように、遷移の最初の時点と最後の時点で、元の画像401が特殊効果処理されずに全画面表示されるような場合には、所要スライド回数を偶数値、より好ましくは“2”とすることが望ましい。これにより、フェーダレバー23aを往復させることで元の表示状態に戻るため、自然な操作感が得られる。
【0109】
次に、図14は、2系統の画像に対して特殊効果処理が施される場合の画面遷移例を示す図である。
図14に示す画面遷移では、例えば入力バス12cおよび12dでそれぞれ選択した画像401および402の双方が特殊効果処理装置3に出力されて、それぞれに対して異なる特殊効果処理が施されている。この場合、所要スライド回数は“2”であり、図10に示した接続設定で例えば番号“1008”の処理パターンが使用される。
【0110】
特殊効果処理装置3は、処理パターン全体において、画像401に対しては画面中央左寄りに向かって移動させながら徐々に縮小する処理を行い、画像402に対しては画面中央右寄りから中央部に向かって移動させながら徐々に拡大する処理を行う。また、フェーダレバー23aの1回目のスライド操作が終了した(E)の時点で、画像401および402が同じ大きさで並んで表示される。従って、この時点でフェーダレバー23aが端部に位置し、画面遷移を正確に停止させることができる。
【0111】
次に、図15は、接続切り換え部40の接続がスライド操作ごとに変化する場合の第1の画面遷移例を示す図である。
図15に示す画面遷移は、図10に示した接続設定で例えば番号“1006”の処理パターンを使用することで実現される。この画面遷移では、所要スライド回数が“2”とされ、1回目のスライド操作では例えば入力バス12cで画像401が特殊効果処理装置3に出力され、2回目のスライド操作では、入力バス12cでの選択が画像401から画像402に切り換えられる。特殊効果処理装置3は、1回目のスライド操作では、画像401を画面中央部に向かって徐々に縮小する処理を行い、2回目では、画像402を画面右上から徐々に拡大していく処理を行う。
【0112】
図16は、接続切り換え部40の接続がスライド操作ごとに変化する場合の第2の画面遷移例を示す図である。
図16に示す画面遷移では、図10に示した接続設定で例えば番号“1009”の処理パターンが使用され、フェーダレバー23aによる2回のスライド操作のそれぞれにおいて、同一の画像を特殊効果処理装置3の双方の入力チャンネルに出力して、異なる特殊効果処理を実行させている。
【0113】
ここでは、各スライド操作において特殊効果処理装置3の2つの入力チャンネルに出力される同一の画像を、画像401aおよび401b、画像402aおよび402bと表す。1回目のスライド操作において、特殊効果処理装置3は、画像401aに対しては徐々に縮小する処理を行う。また、画像401bに対しては、上下を反転した状態で縦横比や表示位置を変化させ、最終的に縮小して画面から消していく処理を行う。
【0114】
一方、接続が切り換えられた2回目のスライド操作では、画像402aに対しては、画面右上から中央部に移動しながら徐々に拡大していく処理を行う。画像402bに対しては、上下を反転した状態で縦横比や表示位置を変化させ、画面から消していく処理を行う。
【0115】
これらの図15および図16で示したように、接続設定記憶部35を参照したスライド操作ごとの設定変更を行うことにより、接続切り換え部40の接続をスライド操作ごとに変更して、より複雑な画面遷移を実現することが可能となる。また、各図の画面遷移では、画像401および402がともに表示されない(E)のタイミングでフェーダレバー23aを正確に停止することが可能となり、複雑な画面遷移を1回の処理パターン指定操作とフェーダレバー23aにより容易に操作することができる。
【0116】
なお、以上の第2の実施の形態では、特殊効果処理装置3を画像処理装置1aの外部に設けていたが、特殊効果処理装置の処理機能が画像処理装置1aの内部に設けられてもよい。
【0117】
ところで、以上の各実施の形態では、処理パターンごとの所要スライド回数は、所要スライド回数記憶部34があらかじめ保持して、処理パターンの実行時にこれを参照することにより認識していた。このような方法の他に、例えば、操作ユニット2において処理パターンの指定のために入力される番号を基に所定の演算を行うことで、所要スライド回数を認識するようにしてもよい。このような方法は、所要スライド回数の演算のためのアルゴリズムを制御処理部31aで実行することで実現される。
【0118】
図17は、この方法を用いた場合の1つの処理パターン実行時の制御処理部における処理の流れを示すフローチャートである。
図17では例として、上記の第1の実施の形態のように、特殊効果処理装置と接続されない場合の制御処理部における処理について示している。この場合の基本的な処理の流れは、図6に示したフローチャートと同じであり、ステップS1701が図6のステップS601に対応し、ステップS1703〜S1708がそれぞれ図6のステップS603〜S608に対応する。
【0119】
ステップS1701において、操作ユニット2における入力に基づいて合成処理部20aの設定が行われた後、ステップS1702において、制御処理部は、指定された処理パターンの番号を基に所定の演算を行い、この処理パターンに対応する所要スライド回数を判別する。この演算としては、例えば、番号を十進数で示した場合に、百の位の数値を所要スライド回数とする方法等がある。この方法の場合、例えば番号“1201”の場合は所要スライド回数が“2”、番号“2103”の場合は所要スライド回数が“1”と判別される。このような演算を行うことにより、所要スライド回数記憶部34を具備する必要がなくなる。
【0120】
次に、処理パターンによる処理の途中でフェーダレバー23aを戻す際に有効な実施の形態について説明する。
上記の説明では、フェーダレバー23aを移動させて画面遷移を順方向に進行させる動作について主に説明した。しかし、フェーダレバー23aは一方向に移動させるばかりではなく、処理パターンの途中まで進行してから、元の画面遷移に戻したい場合もある。
【0121】
例えば、所要スライド回数が“1”の処理パターンの場合には、フェーダレバー23aを端部まで振り切る前までは、単純に戻すことで遷移開始前の状態に戻すことができた。しかし、所要スライド回数が複数回の場合には、フェーダレバー23aのスライド操作が1回でも終了して、スライド回数がカウントアップされた後では、以前の種類の画面遷移に戻すことはできない。このために、例えば、カウンタ32をカウントダウンさせる操作を可能とすることで、上記の問題点を改善することができる。
【0122】
図18は、フェーダレバー23aのスライド回数を減少させるためのスイッチ設置例を示す図である。
図18では、操作ユニット2上のフェーダレバー23aの近傍に、カウンタ32をカウントダウンさせるためのボタンスイッチ23bを設けた例を示している。例えば、処理パターンの処理の途中において、フェーダレバー23aが端部に位置する状態から、ボタンスイッチ23bを押しながらフェーダレバー23aをスライドさせる。このとき、カウンタ32のカウント数が“1”だけ減じられて、制御処理部31が合成処理部や特殊効果処理装置に対して、1つ前に実行された画面遷移を再び実行させるようにする。また、ボタンスイッチ23bの押下により、フェーダレバー23aのフェーダ値が100%から徐々に減少するように設定する。
【0123】
これにより、フェーダレバー23aのスライドに応じて、以前の種類の画面遷移が元に戻るように処理が行われる。また、フェーダレバー23aが他端に達し、ボタンスイッチ23bの押下が解除された状態でも、カウンタ32のカウント数は変化せず、この状態から再びフェーダレバー23aが他端まで振り切られたときに、カウンタ32のカウント数が再びカウントアップされる。逆に、再びボタンスイッチ23bを押下することで、さらに以前の画面遷移を逆に辿ることも可能となる。
【0124】
以上の処理により、処理パターンの操作の途中でも、画面遷移を逆方向に戻す操作を容易に行うことが可能となる。なお、このような操作のためのボタンスイッチは、例えば、操作ユニット2の方向設定部25に設けられた“負”の方向設定用のボタンスイッチで兼用するようにしてもよい。
【0125】
最後に、操作ユニット2上でフェーダレバー23aのスライド回数を表示させる方法について説明する。図19は、フェーダレバー23aのスライド回数を表示する表示部の設置例を示す図である。
【0126】
所要スライド回数として2以上の値が設定された処理パターンの操作を行う場合には、フェーダレバー23aの操作時に、現在のスライド回数をユーザが把握できることが好ましい。図19の例では、操作ユニット2上において、フェーダレバー23aの近傍に表示部23cを設け、この表示部23cに、現在のスライド回数、および設定された所要スライド回数がそれぞれ分子、分母となるように分数形式で表示している。
【0127】
この場合、操作ユニット2は、画像処理装置1または1aから処理パターンに対応する所要スライド回数の通知を受ける必要がある。また、処理パターンの番号から所要スライド回数を判別できる場合には、操作ユニット2自身がこの番号を基に所定の演算を行って所要スライド回数を判別し、表示部23cに表示させてもよい。さらに、フェーダレバー23aのスライド回数は、操作ユニット2自身がカウンタを具備して計数してもよく、あるいは画像処理装置1または1aの具備するカウンタ32のカウント数の通知を受けるようにしてもよい。
【0128】
一方、図20は、所要スライド回数が2以上であることを通知する表示部の第1の設置例を示す図である。
図20では、操作ユニット2上において、フェーダレバー23aの近傍に表示部23dを設けた例を示している。この表示部23dは、画像処理装置1または1aからの通知、あるいは処理パターンの番号に基づいて、指定した処理パターンに対して設定された所要スライド回数が2以上である場合に点灯する。このように、現在動作している処理パターンの所要スライド回数が1回であるか、複数であるかについて認識できるだけでも、ユーザの操作を補助することができる。
【0129】
さらに、図21は、所要スライド回数が2以上であることを通知する表示部の第2の設置例を示す図である。
図21において、フェーダレバー23aの近傍に設けられた表示部23eは、三角形状の2つの点灯領域を具備して、指定した処理パターンの所要スライド回数が2以上であることを点灯により通知するとともに、現在フェーダレバー23aのスライド方向がどちらを向いているかについても表示することができる。また、スライド回数をカウントして、最後のスライド操作になったときに、その方向の点灯領域を別の色で点灯することにより、処理パターンが終了することをユーザに通知することができる。
【0130】
なお、上記の第1および第2の実施の形態において、合成処理部や特殊効果処理装置の処理機能は、専用のハードウェアを用いて実現しても、またはこれらの処理プログラムをコンピュータ装置で実行することによって実現してもよい。コンピュータ装置で実現する場合には、例えば、処理パターンの指定操作やフェーダレバーのスライド操作等を、画面上に表示したアイコン等の選択や、レバーの画像をマウスポインタやカーソルキーで移動させるといったGUI(Graphical User Interface)に対する入力操作によって実現してもよい。
【0131】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の画像処理装置では、指定される各処理パターンに、その処理を終了するまでに必要なスライド回数を示す所要スライド回数があらかじめ対応付けられ、1つの処理パターンの実行は、指定された処理パターンに対応する所要スライド回数分だけフェーダレバーのスライド操作が行われたときに終了される。従って、1つの処理パターンでは、フェーダレバーの1回のスライド操作ごとに処理タイプや画面遷移の異なる加工処理を設定することが可能となり、例えば、新たな画像が徐々に現れる過程とその後に徐々に消えていく過程とで異なるパターンの画面遷移が行われる処理を、フェーダレバーを用いた簡単な操作で実行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像処理システムの構成を示す図である。
【図2】操作ユニットのパネル構成例を示す図である。
【図3】所要スライド回数記憶部が保持するデータの例を示す図である。
【図4】1種類のワイプ処理が行われる場合の画面遷移例を示す図である。
【図5】2種類のワイプ処理が行われる場合の画面遷移例を示す図である。
【図6】1つの処理パターンが実行される際の制御処理部における処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】図5と同じ処理パターンを用いて、方向を逆に設定した場合の画面遷移を示す図である。
【図8】図5と同じ処理パターンを用いて、遷移対象としてキー信号を選択した場合の画面遷移を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る画像処理システムの構成を示す図である。
【図10】接続設定記憶部の保持するデータの例を示す図である。
【図11】第2の実施の形態において、1つの処理パターンが実行される際の制御処理部における処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】特殊効果処理装置における拡大・縮小処理および表示位置移動機能を用いた場合の画面遷移例を示す図である。
【図13】単一の入力画像を選択して特殊効果処理を施した場合の画面遷移例を示す図である。
【図14】2系統の画像に対して特殊効果処理が施される場合の画面遷移例を示す図である。
【図15】接続切り換え部の接続がスライド操作ごとに変化する場合の第1の画面遷移例を示す図である。
【図16】接続切り換え部の接続がスライド操作ごとに変化する場合の第2の画面遷移例を示す図である。
【図17】パターン番号から所要スライド回数を認識する場合の1つの処理パターン実行時の制御処理部における処理の流れを示すフローチャートである。
【図18】フェーダレバーのスライド回数を減少させるためのスイッチ設置例を示す図である。
【図19】フェーダレバーのスライド回数を表示する表示部の設置例を示す図である。
【図20】所要スライド回数が2以上であることを通知する表示部の第1の設置例を示す図である。
【図21】所要スライド回数が2以上であることを通知する表示部の第2の設置例を示す図である。
【図22】従来の画像合成装置の概略構成例を示す図である。
【図23】従来の画像合成装置に対する操作入力装置の構成例を示す図である。
【図24】ワイプ処理を用いた画面遷移の例を示す図である。
【図25】拡大・縮小や表示位置の移動を伴う合成処理を用いた画面遷移の例を示す図である。
【図26】図24と同じ処理パターンを用いて、方向を逆に設定した場合の画面遷移を示す図である。
【図27】図24と同じ処理パターンを用いて、画像の表示を連続的に切り換えた場合の画面遷移を示す図である。
【図28】往復モードの設定時に、図24の処理パターンを用いて、画像の表示を連続的に切り換えた場合の画面遷移を示す図である。
【符号の説明】
1……画像処理装置、2……操作ユニット、10……入力選択部、11a〜11i……入力ライン、12a〜12d……入力バス、13……選択スイッチ部、20……合成処理部、30……動作制御部、31……制御処理部、32……カウンタ、33……パターン記憶部、34……所要スライド回数記憶部

Claims (9)

  1. 複数の入力から選択した画像信号を用いたデジタル演算による画像の加工処理をフェーダレバーを用いて操作することが可能な画像処理装置において、
    選択された1つ以上の入力画像信号を用いて、画像の加工処理の処理タイプとその動作遷移についてあらかじめ設定された処理パターン、および前記処理パターンによる処理の進行状態の指定に基づいて画像の加工処理を実行する画像加工処理部と、
    前記フェーダレバーがスライド範囲の一端から他端へスライドされるスライド回数をカウントするカウント部と、
    前記処理パターンを指定するとともに、前記フェーダレバーのスライド量および前記カウント部におけるカウント数に基づいて前記進行状態を指定することによって、前記画像加工処理部の動作を制御し、また、前記カウント部におけるカウント数が、指定した前記処理パターンによる処理が終了するまでに必要な前記スライド回数を示す所要スライド回数に達した場合に、前記カウント部のカウント数をリセットする加工処理制御部と、
    を有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記所要スライド回数を前記処理パターンごとにあらかじめ記憶したスライド回数記憶部をさらに有し、
    前記加工処理制御部は、前記画像加工処理部に指定している前記処理パターンに対応する前記所要スライド回数を前記スライド回数記憶部から抽出し、抽出した前記所要スライド回数を、前記カウント部のカウント値をリセットする際の判断基準として用いることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 前記画像加工処理部に対して指定する前記処理パターンがパターン番号として外部から入力される場合に、前記加工処理制御部は、入力された前記パターン番号を基に所定の演算を行うことによって、指定された前記処理パターンに対応する前記所要スライド回数を識別し、識別した前記所要スライド回数を、前記カウント部のカウント値をリセットする際の判断基準として用いることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  4. 前記画像加工処理部は、2つの入力画像信号が選択された場合に、前記処理パターンとして、動作の開始時には一方の画像のみ全画面表示し、動作遷移の途中では2つの画像を合成表示し、動作の終了時には他方の画像のみ全画面表示するように遷移するような第1の合成処理パターンを実行可能であり、前記第1の合成処理パターンでは前記所要スライド回数が奇数回に設定されることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  5. 前記画像加工処理部は、2つの入力画像信号が選択された場合に、前記処理パターンとして、動作の開始時および終了時には同一の画像を全画面表示し、動作遷移の途中ではこの画像を含む2つの画像を合成表示するように遷移する第2の合成処理パターンを実行可能であり、前記第2の合成処理パターンでは前記所要スライド回数が偶数回に設定されることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  6. 前記画像加工処理部は、1つの入力画像信号が選択された場合に、前記処理パターンとして、動作の開始時および終了時には選択された画像を全画面表示し、動作遷移の途中ではこの画像に対して所定の加工処理を施した画像を表示するような単一画像処理パターンを実行可能であり、前記単一画像処理パターンでは前記所要スライド回数が偶数回に設定されることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  7. 前記画像加工処理部による前記処理パターンの実行時に画面遷移方向を逆転させるようにあらかじめ設定可能であることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  8. 前記画像加工処理部が、選択された1つ以上の入力画像を出力して、再び入力された画像に対して加工処理を行う入出力機能を有している場合に、
    入力された画像信号に対してデジタル演算を用いた種々の特殊効果処理を施す特殊効果処理部と、
    前記画像加工処理部の入出力と前記特殊効果処理部の入出力との接続を切り換える接続切り換え部と、
    前記接続切り換え部における接続設定を前記処理パターンごとに記憶する接続設定記憶部と、
    前記カウンタがカウントアップされるごとに、前記接続設定記憶部を参照して前記接続切り換え部の接続設定を更新する接続制御部と、
    をさらに有することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  9. 外部に設けられて、入力された画像信号に対してデジタル演算を用いた種々の特殊効果処理を施す特殊効果処理装置が接続され、
    前記画像加工処理部が、選択された1つ以上の入力画像を出力して、再び入力された画像に対して加工処理を行う入出力機能を有している場合に、
    前記画像加工処理部の入出力と前記特殊効果処理装置の入出力との接続を切り換える接続切り換え部と、
    前記接続切り換え部における接続設定を前記処理パターンごとに記憶する接続設定記憶部と、
    前記カウンタがカウントアップされるごとに、前記接続設定記憶部を参照して前記接続切り換え部の接続設定を更新する接続制御部と、
    をさらに有することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
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