JP4144015B2 - 電磁アクチュエータの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁アクチュエータおよびそれを用いたバルブ駆動装置に関し、特に内燃機関(以下、「内燃機関」をエンジンという)の吸気弁あるいは排気弁のバルブボディを電磁力により駆動する電磁アクチュエータおよびそれを用いたバルブ駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、エンジンの吸気弁あるいは排気弁を電磁力により駆動するバルブ駆動装置が知られている。このようなバルブ駆動装置においては、吸気弁あるいは排気弁の開閉タイミングをエンジンの運転条件に応じて吸気あるいは排気が良好に行われるように制御することにより、エンジンの安定性向上、燃費の向上、あるいは排気エミッションを低減することが可能である。
【0003】
例えばエンジンの低負荷時においては吸入空気量が少ないため、エンジンのシリンダ内に燃焼を悪化させる残留排気ガスが少ないことが望ましい。吸気弁および排気弁のバルブボディが同時に開いている期間(オーバーラップ期間)において、吸気側はスロットルにより負圧であり、排気側は正圧であるので、排気ガスが吸気側に吹き返し、燃焼が悪化したり、失火したりする場合がある。このため、通常よりも排気弁の閉じる時期が早く、吸気弁の開く時期が遅いことが要求される。また、吸気弁の閉じる時期を遅くすることにより、ポンピングロスを低減し燃費を向上することができる。したがって、アイドル運転および始動時には、排気弁の閉じる時期が早く、吸気弁の開く時期が遅い基本位相に制御することが望ましい。
【0004】
また、エンジンの中負荷以上においてはEGR量を制御し、ポンピングロスの低減を内部EGRにより行い、燃費の向上と排気エミッションの低減をさせるため、吸気側の開弁時期を早くしたり、排気側の閉弁時期を遅くすることが望ましい。
【0005】
さらに、エンジンの全負荷においては、大量の空気をエンジンのシリンダ内に入れる必要があるため、低速域においては早く吸気弁を閉じてマニホールドへの逆流を防止し、高速域においては空気の慣性を利用して遅く吸気弁を閉じることが望ましい。また排気側は、排気脈動を最大限利用できる位相に排気弁を制御することが望ましい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
電磁駆動式のバルブ駆動装置は、電子制御装置(ECU)からの指示により前述したような吸気側および排気側のバルブタイミングの要求を満たすことができる。しかし、カム駆動式のバルブ駆動装置に比較し、騒音、信頼性、消費電力および製造コスト等において解決すべき課題は多い。
【0007】
電磁駆動式のバルブ駆動装置に用いられる電磁アクチュエータとしては、排気筒内圧変動などの運転条件変化に対して充分な電磁力を有すること、ならびに1気筒当たり4弁の搭載配置が可能であることがまず求められる。これらの要求に対し、限られた搭載スペース内で磁場を有効に発生させるため、電磁コアと、磁性体からなるアーマチャ本体とを矩形状に形成している電磁アクチュエータが知られている。
【0008】
ところで、バルブスプリングのサージによりバルブボディが運転中に回転することが知られており、バルブボディの回転はバルブの気密性を保持するために必要である。さらに、上記のバルブ回転と同様に、アーマチャにも回転力が発生するため、アーマチャ本体を矩形状に形成すると、アーマチャ本体とアーマチャを収容するハウジングとが接触し、摩擦損失が発生する恐れがある。摩擦損失が発生すると、その損失分のエネルギを往復運動中に電磁力によって投入する必要があるため、消費電力が増大するという問題がある。また、摩擦損失の変化に対して電磁石の通電時間を最適に制御しなければならず、制御が複雑になるという問題がある。
【0009】
そこで、アーマチャ本体は円盤状に形成されることが望ましく、円盤状のアーマチャ本体に対する電磁コアは、▲1▼軟磁性体の削り出し材(バルク)から形成されるか、あるいは▲2▼方向性軟磁性板の積層材が渦状(スパイラル)に形成されるのが一般的である。また近年、電磁コアの材料として▲3▼軟磁性複合材(SMC)が開発されている。ここで、上記のSMCは、例えば純鉄粉等の磁性材料からなる軟磁性粉体の周りに非磁性材料からなる絶縁皮膜を被覆した粉末を所望形状の成形型を用いて加圧および加熱することにより電磁コアが形成される。
【0010】
しかしながら、▲1▼バルクでは、電磁コア内に発生する渦電流のために必要な電磁力が発生せず、コイル部への通電量が増大し、残留磁気の影響によりバルブの応答性が悪化するという問題があった。また▲2▼スパイラルでは、スパイラルコアの製造が困難であり、製品間の特性ばらつきが増大し、製造コストが増大するという問題があった。また▲3▼SMCでは、低渦電流損失の特性を有するが、しかし、電磁アクチュエータの実使用域における磁界強さに対する飽和磁束密度の大きさが例えば純鉄に比べて0.7倍程度と小さく、いわゆるB−H特性が劣っているため、電磁力が不足するという問題があった。さらに▲3▼SMCでは、焼成しないため、焼結材に比べて脆いという性質を有している。
【0011】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、電磁力を向上し、消費電力および製造コストを低減する電磁アクチュエータの製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
本発明の他の目的は、エンジンの吸気弁あるいは排気弁の応答性を良好にし、開閉制御を向上するバルブ駆動装置用電磁アクチュエータの製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の電磁アクチュエータの製造方法によると、第1の電磁コアの圧縮成形時に、円筒形状を軸方向に複数個に分割した形状となるように、軟磁性粉末を扁平加工してなる方向性軟磁性粉末を円筒形状の軸方向と直交する方向から圧縮し成形する。方向性軟磁性粉末は圧縮方向と直交する方向に長軸方向が揃うため、第1の電磁コアの軸方向の磁束を通り易くすることができる。このため、コイル部への通電開始後および通電停止後において電磁コア内部で発生する渦電流を早期に消滅させ、効率よく大きな磁束を流通させることができる。したがって、電磁力を向上し、消費電力を低減することができる。ここで、第1の電磁コアは、上記の方法により成形された複数個の成形体が接合されて、円筒形状に形成される。したがって、製造が容易で製造コストを低減することができる。
また、圧縮成形時に、円筒形状の軸方向の上下に異極の極性の磁場を発生させるので、方向性軟磁性粉末の長軸方向を円筒軸と同一方向に配向させることができる。したがって、B−H特性を確実に向上させ、電磁力を確実に向上させることができる。ここで、異極の極性とは、例えばN極とS極とのことである。
さらに、可動子本体は、方向性軟磁性粉末が圧縮成形され、放射状の方向性を有しているので、可動子本体が電磁コアに吸着される前後において可動子本体内部で発生する渦電流を早期に消滅させることができる。したがって、電磁アクチュエータの作動応答性を向上させることができる。ここで、可動子本体の圧縮成形時に、円盤状の軸方向に圧縮し、この軸方向の上下に同極の極性の磁場を発生させることで、方向性軟磁性粉末が放射状の方向性を有するようにすることができる。ここで、同極の極性とは、例えばN極とN極、またはS極とS極のことである。
【0015】
本発明の請求項記載の電磁アクチュエータの製造方法によると、方向性軟磁性粉末が圧縮成形されて第1の電磁コアに接合される第2の電磁コアは、可動子本体と対向し、第1の電磁コアと第2の電磁コアとの接合部は、電磁アクチュエータの実使用域における第1の電磁コアと第2の電磁コアとの磁束密度の比で決定される所定の角度を有している。このため、コイル部の通電時にコイル部の内部および外部を通る磁束が略均等となるように設定することができる。したがって、第1および第2の電磁コアは、コイル部で発生する磁界に対し、効率よく磁束を流通させて電磁力を向上し、消費電力を低減することができる。
【0017】
本発明の請求項記載の電磁アクチュエータの製造方法によると、請求項1または2記載の電磁アクチュエータは、エンジンの吸気弁あるいは排気弁のバルブボディを電磁力により駆動するので、エンジンの吸気弁あるいは排気弁の応答性を良好にし、開閉制御を向上することができる。したがって、バルブ駆動装置用電磁アクチュエータとして好適である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を示す複数の実施例を図面に基づいて説明する。
参考例)
本発明の電磁アクチュエータの製造方法をバルブ駆動装置用電磁アクチュエータに適用した参考例を図5に示す。参考例のバルブ駆動装置100は、エンジンの吸気弁を電磁力により駆動するバルブ駆動装置である。図5は、無通電時のバルブボディ1が半開きの状態を示している。
【0019】
図5に示すように、バルブボディ1は、エンジンの燃焼室2に燃料と空気を供給する吸気口3を所定のタイミングで開閉制御される。バルブボディ1は、エンジンブロック4に形成されるスプリング収容室40に向けて延長して形成されるステム11により軸方向上下に移動する。またバルブボディ1は、軸方向の移動を案内するステムガイド5によりエンジンブロック4に対して摺動自在に保持されている。
【0020】
スプリング収容室40内には、第1のスプリング41および第2のスプリング71が収容されている。第1のスプリング41は、一方の端部が後述するロアハウジング63に形成されたスプリング溝64の内底面65にスプリング座66を介して当接し、他方の端部がスプリング座47を介してアッパリテーナ42に当接している。アッパリテーナ42は後述するアーマチャシャフト22の端部にコッタ45により固定されているので、第1のスプリング41はバルブボディ1を弁開方向に付勢している。またアッパリテーナ42には、後述するロアリテーナ72の凸部73に嵌合される凹部44が形成されている。
【0021】
第2のスプリング71は、一方の端部がロアリテーナ72に当接し、他方の端部がスプリング収容室40の内底面46に当接している。ロアリテーナ72はバルブボディ1のステム11の端部にコッタ75により固定されているので、第2のスプリング71はバルブボディ1を弁閉方向に付勢している。またロアリテーナ72には、アッパリテーナ42の凹部44に嵌合される凸部73が形成されている。ここで、ロアリテーナ72の凸部73とアッパリテーナ42の凹部44との径方向の隙間は、ロアハウジング63とスプリング収容室40を形成するエンジンブロック4の内壁との取付部の径方向の隙間よりも微小に形成されている。したがって、ロアリテーナ72の凸部73とアッパリテーナ42の凹部44とは、バルブボディ1のステム11およびアーマチャシャフト22の軸の傾きを防止して摺動抵抗を低減することができる。
【0022】
ハウジング60は、概略円筒形状のアッパハウジング61と、概略円筒形状のミドルハウジング62と、概略円筒形状のロアハウジング63とからなり、スプリング収容室40を形成するエンジンブロック4の内壁に嵌め込まれ固定されている。ハウジング60内には、可動子としてのアーマチャ20と、電磁コアとしてのアッパコア30と、電磁コアとしてのロアコア50と、シャフトガイド80および81と、ダンパ手段90とが収容されている。
【0023】
アーマチャ20は、可動子本体としてのアーマチャ本体21と、可動子シャフトとしてのアーマチャシャフト22とから構成され、軸方向の移動を案内するシャフトガイド80および81により、アッパコア30およびロアコア50に対して摺動自在に支持されている。アーマチャ本体21は、アッパコア30とロアコア50との間に配設され、円盤状の鉄等の磁性材からなる。
【0024】
アーマチャシャフト22は、一方の端部がアーマチャ本体21の略中心部に嵌め込まれて接合されており、他方の端部がアッパリテーナ42およびロアリテーナ72を介してバルブボディ1のステム11の端部に当接可能にステム11に接続されている。アーマチャシャフト22は、例えばステンレス鋼等の非磁性材から形成されている。
【0025】
アッパコア30は、アッパハウジング61に収容されており、第1の電磁コアとしての方向性軟磁性圧粉材からなる第1のアッパコア31と、第2の電磁コアとしての方向性軟磁性圧粉材からなる第2のアッパコア32とから構成されている。アッパコア30の内部には、樹脂製のボビン34に巻回されるコイル部としてのアッパコイル33が収容されている。アッパコイル33は通電されると、アッパコア30がアーマチャ本体21を吸引して弁閉方向にアーマチャ20およびバルブボディ1を移動させる電磁力を発生する。
【0026】
ロアコア50は、ロアハウジング63に収容されており、アーマチャ本体21を挟んでアッパコア30に対向して配設されている。ロアコア50は、第1の電磁コアとしての方向性軟磁性圧粉材からなる第1のロアコア51と、第2の電磁コアとしての方向性軟磁性圧粉材からなる第2のロアコア52とから構成されている。ロアコア50の内部には、樹脂製のボビン54に巻回されるコイル部としてのロアコイル53が巻回されている。ロアコイル53は通電されると、ロアコア50がアーマチャ本体21を吸引して弁開方向にアーマチャ20およびバルブボディ1を移動させる電磁力を発生する。ロアコア50の略中心部分には、アーマチャシャフト22を軸方向に摺動可能に支持するシャフトガイド80が設けられている。
【0027】
アッパコア30とロアコア50との間にはミドルハウジング62が配設されており、ミドルハウジング62の厚みにより、アーマチャ20の移動量が規制される。ここで、アーマチャ20と、アッパコア30と、アッパコイル33と、ロアコア50と、ロアコイル53とは、電磁アクチュエータを構成している。
【0028】
ダンパ手段90は、アーマチャ本体21がアッパコア30あるいはロアコア50に着座する直前にダンパ機能を発揮するものであって、円筒状に形成されたハウジング91内に設けられる外輪92、内輪93、ゴム材で形成された可動膜94、95および可動筒96を有している。
【0029】
外輪92はハウジング91の内周壁に固定されており、外輪92、内輪93および可動膜94、95は密封容器を構成している。この密封容器内には作動油が充填されている。可動筒96は、アーマチャシャフト22の軸方向に所定間隔をおいて嵌合している環状部材97および98に当接可能な環状凸部99が形成されている。可動膜94、95および可動筒96は可動部材を構成している。
【0030】
次に、バルブ駆動装置100の電磁アクチュエータについて、図1、図2および図6を用いて詳細に説明する。
図1および図2に示すように、ロアコア50は、円形状のロアコイル53が挿入可能なように2個の円筒形状の第1のロアコア51が中心軸を同軸として配置されている。そして、2個のロアコア51の反アーマチャ本体側には概略リング状の第2のロアコア52が配置されている。すなわち第2のロアコア52は、アーマチャ本体21と対向するように、第1のロアコア51に接合されている。ロアコア50の外周には例えばステンレス鋼等の非磁性材からなる強度部材55が配設され、ロアコア50の内周には例えばステンレス鋼等の非磁性材からなるシャフトガイド80が配設されており、第1および第2のロアコア51および52の固定、ならびに位置決めを行っている。強度部材55およびシャフトガイド80には段差部55aおよび80aが設けられているので、ロアコイル53の通電時にアーマチャ本体21とロアコア50とが引き合って第1のロアコア51がアーマチャ本体21側に膨らむ現象を防止することができる。
【0031】
第1のロアコア51は、方向性軟磁性粉末が圧縮成形された、円筒形状を軸方向に複数個に分割した形状を有する方向性軟磁性圧粉材が複数個接合されて構成されている。図1に示すように、方向性軟磁性粉末51aは長軸方向が第1のロアコア51の軸方向に配向している。第1のロアコア51は、上記の方向性軟磁性圧粉材を用いることで、第1のロアコア51内部で発生する渦電流が早期に消滅し、効率よく大きな磁束を流通させることができる。
【0032】
第2のロアコア52は、方向性軟磁性粉末が圧縮成形された、略リング形状を有する方向性軟磁性圧粉材から構成されている。図1に示すように、方向性軟磁性粉末52aは長軸方向が第2のロアコア52の径方向に配向している。第2のロアコア52は、上記の方向性軟磁性圧粉材を用いることで、第2のロアコア52内部で発生する渦電流が早期に消滅し、効率よく大きな磁束を流通させることができる。なお、方向性軟磁性粉末51aおよび52aは、純鉄粉等の軟磁性粉末を扁平加工して米粒形状に形成し、酸化被膜または樹脂被膜等の絶縁被膜を被覆したものである。
【0033】
ロアコア50を構成する方向性軟磁性圧粉材は、図6に示すように、従来のSMCを圧縮成形した軟磁性圧粉材に比べて磁束密度が大きく、B−H特性が向上している。したがって、参考例においては、従来の電磁アクチュエータに比べて電磁力を向上させることができる。また、参考例においては、第1のロアコア51と第2のロアコア52とが同程度のB−H特性を有しているため、第1のロアコア51と第2のロアコア52と接合部の角度αは略45°となっている。ここで、第1のロアコア51と第2のロアコア52との接合部は、電磁アクチュエータの実使用域における第1のロアコア51と第2のロアコア52との磁束密度の比で決定される所定の角度を有している。このため、ロアコイル53の通電時にロアコイル53の内部および外部を通る磁束が略均等となるように設定することができる。なお、アッパコア30については、天地がロアコア50と逆であること、ならびに外周および内周に例えばステンレス鋼等の非磁性材からなる強度部材35および82が配設されていることを除いて図1および図2に示すロアコア50と同一構成であるので、説明を省略する。
【0034】
上記の構成のバルブ駆動装置100において、アッパコイル33およびロアコイル53に無通電時、アーマチャ本体21がアッパコア30とロアコア50との略中間位置になるように、第1のスプリング41および第2のスプリング71のセット荷重が調整されている。このとき、バルブボディ1は、図5に示すように半開きの状態にある。そして、エンジン動作中は、アッパコイル33とロアコイル53とが交互に通電されて弁閉状態と弁開状態とを繰返す。
【0035】
次に、ロアコア50の製造方法について、図3および図4を用いて詳細に説明する。
まず、第1のロアコア51の作製方法について述べる。
【0036】
図3に示すように、円筒形状を軸方向に複数個に分割した形状となるように、所定形状の成形型を用いて、方向性軟磁性粉末51aを図3のX方向、すなわち円筒形状の軸方向と直交する方向から加熱しながら圧縮し成形する。このとき、上記の軸方向の上下に磁場発生用コイル6および7を配置し、磁場発生用コイル6および7により例えばN極およびS極の異極の磁場を発生させる。このようにして作製された方向性軟磁性圧粉材151は、方向性軟磁性粉末51aの長軸方向が円筒形状の軸方向に配向する。次に、上記の方向性軟磁性圧粉材151を複数個接合して円筒形状の第1のロアコア51が作製される。
【0037】
次に、第2のロアコア52の作製方法について述べる。
図4に示すように、略リング形状となるように、所定形状の成形型を用いて、方向性軟磁性粉末52aを図4のY方向、すなわち略リング形状の軸方向に加熱しながら圧縮し成形する。このとき、上記の軸方向の上下に磁場発生用コイル8および9を配置し、磁場発生用コイル8および9により例えばN極同士またはS極同士の同極の磁場を発生させる。このようにして作製された方向性軟磁性圧粉材152は、方向性軟磁性粉末52aの長軸方向が略リング形状の径方向に配向する。そして、第2のロアコア52が得られる。最後に、第1のロアコア51と第2のロアコア52との接合部が、電磁アクチュエータの実使用域における第1のロアコア51と第2のロアコア52との磁束密度の比で決定される所定の角度となるように、第1のロアコア51と第2のロアコア52とを接合してロアコア50が製造される。なお、アッパコア30についても、上記のロアコア50の製造方法と同様の方法により製造される。
【0038】
次に、ダンパ手段90の作動について説明する。
(1) 弁開時、アーマチャ本体21がロアコア50に着座する直前において、環状部材97が環状凸部99に衝突する。そして、アーマチャシャフト22とともに可動筒96が図5の下方に移動し、可動膜94および95が図5の下方に移動する。すると、密封容器内に充填されている作動油によりダンパ作用が発生する。したがって、アーマチャ本体21がロアコア50に直接衝突して大きな衝撃音が発生したり、アーマチャ本体21およびロアコア50が破損したりすることを防止することができる。
【0039】
(2) 弁閉時、アーマチャ本体21がアッパコア30に着座する直前において、環状部材98が環状凸部99に衝突する。そして、アーマチャシャフト22とともに可動筒96が図5の上方に移動し、可動膜94および95が図5の上方に移動する。すると、密封容器内に充填されている作動油によりダンパ作用が発生する。したがって、アーマチャ本体21がアッパコア30に直接衝突して大きな衝撃音が発生したり、アーマチャ本体21およびアッパコア30が破損したりすることを防止することができる。
【0040】
以上説明した本発明の参考例においては、第1のアッパコア31および第1のロアコア51の圧縮成形時に、円筒形状を軸方向に複数個に分割した形状となるように、方向性軟磁性粉末を円筒形状の軸方向と直交する方向から圧縮し成形するので、方向性軟磁性粉末の長軸方向が第1のアッパコア31および第1のロアコア51の軸方向に配向し、第1のアッパコア31および第1のロアコア51の軸方向の磁束を通り易くすることができる。このため、アッパコイル33またはロアコイル53への通電開始後および通電停止後において第1のアッパコア31または第1のロアコア51内部で発生する渦電流を早期に消滅させ、効率よく大きな磁束を流通させることができる。したがって、電磁力を向上し、消費電力を低減することができる。また、第1のアッパコア31および第1のロアコア51は、上記の方法により成形された複数個の成形体が接合されて、円筒形状に形成されるため、製造が容易で製造コストを低減することができる。
【0041】
さらに、参考例においては、第1のアッパコア31および第1のロアコア51の圧縮成形時に、円筒形状の軸方向の上下に異極の極性の磁場を発生させるので、方向性軟磁性粉末の長軸方向を円筒軸と同一方向に配向させることができる。したがって、B−H特性を確実に向上させ、電磁力を確実に向上させることができる。
【0042】
さらにまた、参考例においては、第1のアッパコア31と第2のアッパコア32との接合部、ならびに第1のロアコア51と第2のロアコア52との接合部は、電磁アクチュエータの実使用域における第1のアッパコア31と第2のアッパコア32との磁束密度の比、ならびに第1のロアコア51と第2のロアコア52との磁束密度の比で決定される所定の角度を有している。このため、アッパコイル33またはロアコイル53の通電時にアッパコイル33またはロアコイル53の内部および外部を通る磁束が略均等となるように設定することができる。したがって、アッパコア30およびロアコア50は、アッパコイル33およびロアコイル53で発生する磁界に対し、効率よく磁束を流通させて電磁力を向上し、消費電力を低減することができる。
【0043】
参考例では、作動油を充填した密封容器を有するダンパ手段90を備えたバルブ駆動装置100に本発明を適用した例について説明したが、本発明では、ダンパ手段に作動油を供給する手段、ならびにダンパ手段から作動油を排出する手段を備えたダンパ手段を備えたバルブ駆動装置に適用することは可能である。
【0044】
また参考例では、吸気弁を電磁力により駆動するバルブ駆動装置100に本発明を適用したが、排気弁を電磁力により駆動するバルブ駆動装置に適用可能であることはいうまでもない。
【0045】
また参考例では、バルブ駆動装置100に本発明の電磁アクチュエータを適用したが、電磁力により駆動可能なその他の装置に本発明の電磁アクチュエータを用いてもよい。
【0046】
(第実施例)
本発明の第実施例による電磁アクチュエータの製造方法を適用したアーマチャ本体を図7および図8に示す。図5に示す参考例と同一構成部分に同一符号を付す。
【0047】
図7および図8に示すように、円盤状のアーマチャ本体は、方向性軟磁性圧粉材121と、軟磁性鋼板123および124とから構成される。方向性軟磁性圧粉材121は、方向性軟磁性粉末が圧縮成形された、円盤形状を有する方向性軟磁性圧粉材から構成されており、図8に示すように、方向性軟磁性粉末121aは長軸方向が方向性軟磁性圧粉材121の径方向に配向している。すなわち、方向性軟磁性粉末121aは放射状の方向性を有している。第実施例のアーマチャ本体は、方向性軟磁性圧粉材121を用いることで、アーマチャ本体が電磁コアに吸着される前後においてアーマチャ本体内部で発生する渦電流を早期に消滅させることができる。なお、方向性軟磁性粉末121aは、純鉄粉等の軟磁性粉末を扁平加工して米粒形状に形成し、酸化被膜または樹脂被膜等の絶縁被膜を被覆したものである。ここで、軟磁性鋼板123および124は強度部材を兼ねている。
【0048】
また、アーマチャ本体の製造時においては、図4に示す参考例の方向性軟磁性圧粉材152と同様の方法により方向性軟磁性圧粉材121を作製する。すなわち、方向性軟磁性圧粉材121の圧縮成形時に、円盤形状の軸方向に圧縮し、この軸方向の上下に例えばN極同士またはS極同士の同極の極性の磁場を発生させることで、方向性軟磁性粉末121aが放射状の方向性を有するようにすることができる。
【0049】
実施例においては、方向性軟磁性粉末121aは放射状の方向性を有しているので、アーマチャ本体が電磁コアに吸着される前後においてアーマチャ本体内部で発生する渦電流を早期に消滅させることができる。したがって、電磁アクチュエータの作動応答性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電磁アクチュエータの製造方法をバルブ駆動装置用電磁アクチュエータに適用した参考例を示す断面図である。
【図2】 図1のII−II線断面図である。
【図3】 本発明の参考例による電磁アクチュエータの製造方法を説明するための模式図である。
【図4】 本発明の参考例による電磁アクチュエータの製造方法を説明するための模式図である。
【図5】 本発明の電磁アクチュエータの製造方法をバルブ駆動装置用電磁アクチュエータに適用した参考例の無通電時の状態を示す縦断面図である。
【図6】 方向性軟磁性圧粉材および軟磁性圧粉材のB−H特性を示す特性図である。
【図7】 本発明の第実施例による電磁アクチュエータの製造方法を適用したアーマチャ本体を示す断面図である。
【図8】 本発明の第実施例による電磁アクチュエータの製造方法を適用したアーマチャ本体の方向性軟磁性圧粉材を示す平面図である。
【符号の説明】
1 バルブボディ
20 アーマチャ(可動子)
21 アーマチャ本体(可動子本体)
22 アーマチャシャフト(可動子シャフト)
30 アッパコア(電磁コア)
31 第1のアッパコア(第1の電磁コア)
32 第2のアッパコア(第2の電磁コア)
33 アッパコイル(コイル部)
50 ロアコア(電磁コア)
51 第1のロアコア(第1の電磁コア)
51a 方向性軟磁性粉末
52 第2のロアコア(第2の電磁コア)
52a 方向性軟磁性粉末
53 ロアコイル(コイル部)
71 第2のスプリング
100 バルブ駆動装置
121 方向性軟磁性圧粉材
121a 方向性軟磁性粉末
151、152 方向性軟磁性圧粉材

Claims (3)

  1. 円盤状の磁性材からなる可動子本体と、
    前記可動子本体を吸引方向に移動させる電磁力を発生するコイル部と、
    軟磁性粉末を扁平加工してなる方向性軟磁性粉末が圧縮成形され、前記コイル部が巻回される第1の電磁コアとを備えた電磁アクチュエータを製造する方法であって、
    前記圧縮成形時に、円筒形状を軸方向に複数個に分割した形状となるように、前記方向性軟磁性粉末を前記軸方向と直交する方向から圧縮して成形し、前記軸方向の上下に異極の極性の磁場を発生させ、
    前記可動子本体は、前記方向性軟磁性粉末が圧縮成形され、放射状の方向性を有していることを特徴とする電磁アクチュエータの製造方法。
  2. 前記電磁アクチュエータは、前記可動子本体と対向し、前記方向性軟磁性粉末が圧縮成形されて第1の電磁コアに接合される第2の電磁コアを備え、
    前記第1の電磁コアと前記第2の電磁コアとの接合部は、前記電磁アクチュエータの実使用域における前記第1の電磁コアと前記第2の電磁コアとの磁束密度の比で決定される所定の角度を有していることを特徴とする請求項1記載の電磁アクチュエータの製造方法。
  3. 前記電磁アクチュエータは、内燃機関の吸気弁あるいは排気弁のバルブボディを電磁力により駆動することを特徴とする請求項1または2記載の電磁アクチュエータの製造方法。
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