JP4143463B2 - 絶縁監視装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、三相電路の対地絶縁抵抗を監視する絶縁監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の絶縁監視装置として、第3n次(但し、nは整数)高調波成分を測定して、三相電路の各相における第3n次高調波成分が、全ての相で同相となることを利用して、抵抗分と静電容量分を分離するものがある(例えば、特許文献1参照)。また、電路が一方の接地線と他方の接地線により接続され、該両接地線間に大地を通じて帰還する抵抗成分と静電容量の等価回路を形成し、この等価回路に低周波数電圧成分を印加して、等価回路に流れる低周波数電圧に起因する電流を測定することにより、電路の絶縁を監視するものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平06−043196号公報(段落番号0015、0016、図1及び図2)
【0004】
【特許文献2】
特開平11−14686号(段落番号0017〜0019、図1及び図6)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような第3n次高調波成分を測定する絶縁監視装置にあっては、三相電路の各相を一括して測定しているため、絶縁の劣化が生じた相を特定することができないという問題点があった。また、抵抗成分と静電容量の等価回路に低周波数電圧成分を印加するものはそのための装置が必要であり、装置が大きくなるという問題点があった。
この発明は、上記のような問題点を解決して、小形化が可能で対地絶縁の劣化が生じた相を特定できる絶縁監視装置を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る絶縁監視装置においては、三相の電路の零相電流を検出する零相電流検出手段、電路の電圧を検出する電圧検出手段、零相電流及び電圧の中の第1及び第2の周波数成分を抽出するものであって第1の周波数成分は基本波又は第3次の整数倍の高調波成分以外の高調波成分であり第2の周波数成分は第3次の整数倍の高調波成分以外の高調波成分であってかつ第1の周波数成分とは異なるものである指定周波数成分抽出手段、及び零相電流の中の第2の周波数成分を所定の補正電流に換算するとともに抽出された零相電流の中の第1の周波数成分、補正電流、三相のうちの任意の一つの相の電圧を基準電圧にして基準電圧に対する零相電流の中の第1及び第2の周波数成分の各位相差、零相電流の中の第1及び第2の周波数成分の周波数に基づき計算により三相のうちの二相の対地絶縁抵抗による漏れ電流を求めるものであって所定の補正電流は零相電流の中の第2の周波数成分を電圧の中の第2の周波数成分が電圧の中の第1の周波数成分に等しいとしたときの値に換算した電流である漏れ電流演算手段を備えたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
この発明に係わる絶縁監視装置は、三相電路の各相の対地静電容量分の漏れ電流量は漏れ電流の周波数に依存する特性を利用し、漏れ電流の2種類以上の周波数成分、例えば第1の周波数成分として基本波成分を、第2の周波数成分として第5次高調波成分を抽出することで、対地静電容量が0である状態、すなわち対地静電容量の影響を除去して、対地絶縁抵抗分の漏れ電流量だけを算出する。これにより、三相電路の絶縁抵抗を知り、三相電路の絶縁の監視を行うことができる。
【0008】
また、電流と電圧の、例えば基本波成分と、第3n次以外の高調波成分として第5次高調波成分の2種類の周波数成分について抽出し、測定した漏れ電流の周波数依存性及び各周波数における漏れ電流ベクトルを合成したベクトルの方向特性にもとづいて解析を行う。これにより、各相の対地絶縁抵抗分だけの合成漏れ電流の位相を算出することができ、これを分離することで三相電路のうちの2相の対地絶縁抵抗分による漏洩電流を知ることができる。低圧配電線等の三相電路は、通常そのうちの一つの相(一線)が接地されているので、接地されていない二つの相(他の2線)の絶縁抵抗を知ることにより、三相電路の絶縁状態を監視できる。
【0009】
さらに、第3n次高調波成分以外の高調波成分では、各相の位相はそれぞれ120度ずれており、内2相の合成ベクトルと残りの1相のベクトルは逆向きの成分を持ち、互いに打ち消し合っている。上記の第1及び第2の周波数成分に加えて、第3の周波数成分として第3n次高調波成分を抽出することで、打ち消しあっている量を算出することが可能であり、全ての相での対地絶縁抵抗分による漏洩電流を分離することが可能である。
【0010】
また、一般に基本波成分に比較して高調波成分の含有量は非常に少なく相対的に精度が劣る。そこで高精度に測定できる基本波電圧に基づいて必要な次数の高調波電圧を作成することにより、より精度を向上させることができる。
以上のようなこの発明の絶縁監視装置について、以下に具体的に説明する。
【0011】
実施の形態1.
図1〜図3は、この発明の実施の一形態を示すものであり、図1は絶縁監視装置の構成を示す構成図、図2は動作を説明するためのベクトル図、図3は絶縁監視装置の一実施例を示す構成図である。図1において、三相Δ結線された三相電源5のa,b,c各相に三相電路7を介してΔ結線された負荷6が接続されている。また、三相電源5のc相は接地線8にて接地されている。
【0012】
三相電路7の三相電源5に近い位置に零相変流器(ZCT)1が設置されており、三相電路7の零相電流を測定し、ZCT1からみて負荷6側の絶縁監視を行う。この零相電流は、三相電路7及び負荷6の対地絶縁抵抗と対地静電容量を経て、漏洩した漏れ電流である。そして、この漏れ電流は、この実施の形態においてはc相を接地しているので、三相電路7のa相及びb相並びに負荷によるものである。また、三相電路7の各相の電圧を測定する電圧測定器2が設置されている。
【0013】
ZCT1及び電圧測定器2の検出出力はそれぞれに対応して設けられた指定周波数抽出手段としての四つのバンドパスフィルタ9を経て演算処理装置3に接続されており、上記バンドパスフィルタ9にてZCT1及び電圧測定器2からの検出出力のうち所定の周波数成分として第1及び第2の周波数成分を抽出して上記第1及び第2の周波数成分の電流値及び電圧値を計測する。例えば、第1の周波数成分として基本波成分を、第2の周波数成分として第3n次高調波以外の高調波成分である第5次高調波成分を選定する。
【0014】
さらに、演算処理装置3にて電流と電圧の位相関係を求め、後述の解析アルゴリズムによって解析することで、三相電路7の漏れ電流から対地静電容量による漏れ電流分を除き、対地絶縁抵抗による漏れ電流分を算出する。そして、漏れ電流の原因となっている対地絶縁抵抗が低下した相を同定する。この実施の形態においては、三相電路7のうち二つの相(a,b相)について対地絶縁抵抗の劣化の有無を分別可能である。三相全てについて判別するためには別の装置(後述)を用いるが、この実施の形態においては、c相が接地されているので実質的にa及びb相について判定できればよいことになる。そして、解析を行った結果、漏れ電流量が所定値を超えたことが判明すれば、その旨及び該当相を液晶装置で構成された表示装置4に表示する。
【0015】
以下、演算処理装置3により漏れ電流が増加した相を同定するアルゴリズムの説明を行う。上記のような測定系を用いた場合、得られる情報は、漏れ電流及び三相電路7の電圧であり、これらよりバンドパスフィルタ9によって基本波成分、及び第3n次高調波成分以外の高調波成分である第M次高調波成分を抽出する。以下、この発明において、計算式が汎用性を有するようにするために第L次高調波成分と表現し、L=1とした場合は基本波成分であるということする。基本波成分、及び第M次高調波成分においては、三相電路7のa,b,c各相で120度づつ位相が異なっている。
【0016】
電圧位相の基準となる基準相として、測定した三相のうちの一つの相を選択する。基準相の選択基準はなく、いずれでも良い。この実施の形態ではa相を基準相とする。そして、図2に示すように、基準相aの電圧と第L次高調波漏れ電流成分I0l(基本波成分)との位相差θl、及び基準相aの電圧と第M次高調波漏れ電流成分I0mとの位相差θmを求める。ここに、第L次高調波漏れ電流I0l及び第M次高調波漏れ電流I0mは、バンドパスフィルタ9によって抽出された漏れ電流の各次数の高調波成分を、正規化したものである。この実施の形態では、三相電路7の電圧の高調波成分の計測を行っているが、高調波成分毎の含有率が異なるため、解析を行うためには正規化を行う必要がある。ここで言う正規化とは、選択した高調波成分の一方の電圧値と他方の電圧値が等しいときの電流値に補正することである。すなわち、第L次高調波電圧Vlと第M次高調波電圧Vmとが等しいときの電流に換算するために、抽出された漏れ電流の第M次高調波成分を第L次高調波電圧Vlを基準にして(Vl/Vm)倍して第M次高調波漏れ電流I0mとしたものである。
【0017】
電圧の測定については、各高調波成分とも同じ相から得られたものを用いればば良く、どの相の電圧を選択してもよい。また、正規化を行う上で基準となる電圧値は、できる限り大きな電圧値を持つ高調波電圧が好ましく、基本波成分を基準とするのが良い。このため、この実施の形態では、第L次高調波電圧Vl(L=1であり、基本波の電圧である)を基準とする。このとき基準相、漏れ電流I0(第L次高調波漏れ電流I0lと第M次高調波漏れ電流I0mとのベクトル和)、対地絶縁抵抗による漏れ電流Ir、及び対地静電容量による漏れ電流Ic(第L次高調波漏れ電流Iclと第M次高調波漏れ電流Icmとのベクトル和)の関係は、図2のようになる。
【0018】
対地絶縁抵抗及び対地静電容量による漏れ電流Ir、Icは複数の相によって合成されていることが多く、基準相に対する位相差は不明である。また、必ずしも電流IrとIc間の位相差が90度とは限らない。対地絶縁抵抗は、三相電路7の高調波の周波数に依らず一定であり、対地静電容量は、三相電路の高調波の周波数に反比例する特性があり、対地静電容量による漏れ電流Ic(Icl、Icmの合成)の量の比は、漏れ電流の次数(第L次高調波ならL)に依存するため、次の式(1)の関係が成立する。
Icl:L=Icm:M ・・(1)
【0019】
また、漏れ電流ベクトルを電流Ir及びIcに分離すると平行四辺形となり、各漏れ電流ベクトルI0l、I0m及びIrの終点は一つの直線上に乗る。この平行四辺形より、I0l及びI0mの終点をそれぞれ通りIrと平行な補助線を2本引いたとき、原点を通る任意の直線が上記2本の補助線にて切り取られる長さも、漏れ電流の次数に比例する。そして、以上の関係を満足するx(基準相と対地絶縁抵抗による漏れ電流Irとの位相差)は、一意に決定することができる。
【0020】
具体的に以上の関係を用いて解析すると電流Irと基準相との間の位相差xは、x+90=x’とおいて、次の式(2)にて得ることが可能である。
x’=90+arcTan{(a×M×I0l−b×L×I0m)/{c×M×I0l−×L×I0m}} ・・(2)
但し、
a=cos(90−θl)
b=cos(90−θm)
c=sin(90−θl)
=sin(90−θm)
・・(3)
【0021】
式(2)より、基準相とIrとの位相差xを得ることができ、漏れ電流I0l(基準値)と位相差θl、θm及びxと各漏れ電流の次数(L、M)より大きさ|Ir|を求めることができる。
|Ir|={(|I0l|×Cos(x’−θl)×M)/(M−L)}×{Tan(x’−θl)− Tan(x’−θm)} ・・(4)
以上より、電流Irと基準相(a相)の電圧との位相差x及び電流Irの大きさを求めることができる。
【0022】
位相差xを用いて、電流Irを三相電源5の3相のうち2相のa及びb相に分離することで、a及びb相での対地絶縁抵抗による第L次高調波電圧Vlに対する漏れ電流を算出することができる。ここに、第L次高調波電圧Vlは、上記正規化の基準にした基本波又は高調波の電圧値であり、バンドパスフィルタ9を介して電圧測定器2から得られた値である。そして、第L次高調波電圧Vlを上記a及びb相に分離された各漏れ電流で除算することにより、三相電路7のa,b相の対地絶縁抵抗を求めることができる。なお、基準とする電圧として第M次高調波電圧Vmを正規化(Vl/Vm倍)した電圧(=Vl)を用い、上記a及びb相に分離された各漏れ電流で除算することにより求めても良い。
【0023】
そして、これら漏れ電流や対地絶縁抵抗が所定値を超えないかどうかを監視することにより三相電路7のa及びb相の絶縁劣化の有無を監視し、異常があれば警報やその旨の表示をする。また、対地絶縁抵抗を求めることで、メガテストと同等の評価を行うことができる。メガテストとは、例えば所定のDC電圧を電路に印加し、その漏れ電流量を求めることで、対象電路の絶縁状態を評価する試験のことである。
なお、メガテストと同等の評価を行うために対地絶縁抵抗を求める場合は上記のように三相電路7の各相の電圧情報が必要であるが、各相の漏れ電流だけを評価するだけであれば、位相差xの基準となる基準相の電圧だけを計測すればよい。
【0024】
また、以上では演算処理装置3による解析に用いる周波数を基本波、及び第5次高調波としたが、周波数が既知であれば、直流以外の他の周波数を抽出して用いても、同様の方法にて解析を行うことが可能である。
【0025】
さらに、従来の絶縁監視装置においては、三相電路の対地静電容量がアンバランスな場合、三相電路が健全な場合でも対地静電容量を経て流れる電流のアンバランスを検出して、誤動作により誤警報を発することがある。これに対し、この実施の形態に示した絶縁検出装置によれば、漏れ電流(ZCT1の出力)から対地静電容量による寄与分を除いた対地絶縁抵抗による漏れ電流だけを検出することができ、信頼性の高い絶縁監視を行うことができる。
また、このような絶縁監視装置を用いることで対地絶縁抵抗が劣化している相を2相まで同定することが可能であり、一線が接地された三相電路の対地絶縁抵抗の監視に好適である。
【0026】
ZCT1及び電圧計測器2の出力から所定の周波数の出力を抽出する方法として、バンドパスフィルタ9を用いたが、これを用いず、演算処理装置3にて高速フーリエ変換(FFT)等の周波数解析を行うことで所定の周波数の出力を抽出しても同様の結果が得られる。また、図1では、三相電路7の全ての相に電圧測定器2を設置しているが、三相電路7では、各相の電圧の位相が120度づつシフトしており、演算にて容易に導出することが可能であるため、一つの相(基準とする相)の電圧を計測するだけでもよい。
【0027】
図1では、三相電路7の各相とグランド間の電圧を測定しているが、線間電圧を測定する方式でも良い。線間電圧であれば、三相電路7の各相とグランド間の電圧位相から60度位相がシフトしており、この位相差を補正することで、同様に適用可能である。図1では、三相電源5及び負荷6が共にΔ結線であるが、他の結線方式であっても同様の効果を奏する。
【0028】
この実施の形態では、零相電流を測定する電流検出手段として、ZCT1を用いたものを示しているが、零相電流が測定できるものであれば、他のものであってもよい。なお、表示装置4は、一般的に液晶装置などを用いるが、解析結果を報知できるものであれば、ディスプレイ、警報装置その他のものであってもよい。
【0029】
なお、図1では、三相電路7にZCT1を設置しているものを示したが、図3の様に、接地線8にZCT1を設置しても同様の結果が得られる。図3において、ZCT1の設置場所が異なること以外は図1に示したものと同様のものである。
【0030】
実施の形態2.
図4、図5は、さらにこの発明の他の実施の形態を示すものであり、図4は絶縁監視装置の構成を示す構成図、図5は動作を説明するためのベクトル図である。図4において、演算処理装置23にZCT1及び電圧測定器2の検出出力がバンドパスフィルタ9を介して入力される。この演算装置23は、解析アルゴリズムが図1に示した演算処理装置3とは異なる。その他の構成については、図1に示した実施の形態1と同様のものであるので、相当するものに同じ符号を付して説明を省略する。
【0031】
この実施の形態は、次のような条件が満たされる場合に、実施の形態1に示したものよりも高速に処理を行うことができる。なお、この条件を満たさない場合は、実施の形態1と同様の動作をする。
(ア)図5のように対地絶縁抵抗による漏れ電流Irの位相と対地静電容量による漏れ電流Icの位相が一致するか、又は180度異なる場合。電流IrとIcは複数相の電流が合成されたものであった場合、その合成割合によって如何なる位相にもなりうるので、この様な場合が存在しうる。
(イ)又は、対地静電容量による漏れ電流Icが三相間でバランスしており合成値が0となる場合。
なお、このとき測定される漏れ電流をI0としたとき、漏れ電流I0の基準相の電圧に対する位相差も0となるか、又は180度異なることになる。
【0032】
次に、演算処理装置23の動作について説明する。実施の形態1と同様に基本波成分(これを、以下の説明において便宜上、第L次高調波成分と呼ぶ場合がある)、及び第3n次高調波成分以外の高調波成分である第M次高調波成分について、その電圧及び電流を測定する。
電圧の基準相として、測定した三相のうちの一つの相を選択する。この実施の形態ではa相を基準相とする。
【0033】
基準相の電圧と電流の各高調波成分の位相差θl及び位相差θmを求める(図5参照)。次に求めた位相差θlと位相差θmとを比較し、それぞれの値が、0となるか、若しくは180度異なる場合、次の処理を用いて解析を行う。それ以外の場合は、実施の形態1と同様の動作を行い、各相毎の対地絶縁抵抗による漏れ電流を求める。この場合は、演算処理速度は実施の形態1のものと同様で速くならない。
【0034】
各周波数の位相差が上記の分岐条件(0度若しくは180度)に合致した場合、抽出した周波数の漏れ電流及び三相電路7の電圧を求める。この場合は、以下に説明する処理を行うことで、漏れ電流の算出速度を高速化できる。漏れ電流I0(I0l、I0mの合成)は、対地絶縁抵抗による漏れ電流Ir(Irl、Irmの合成)のベクトルと対地静電容量Ic(Icl、Icmの合成)のベクトルが合成されたものであるが、上記の分岐条件を満たす場合、I0はIrとIcのスカラー量の和又は差となる。
【0035】
各周波数における電圧値Vl、Vmが等しくなるように正規化した場合、対地絶縁抵抗は電流の周波数に依存せず一定であるので、IrlとIrmは等しく(Irl=Irm=Ir)、式(5)の関係が成立する。
I0l=Irl+Icl=Ir+Icl
I0m=Irm+Icm=Ir+(M/L)×Icl
I0l−I0m={(L−M)/L}×Icl
・・(5)
ゆえに、
Ir={L/(L−M)}×I0m−{M/(L−M)}×I0l
・・(6)
【0036】
各周波数の電圧を測定する相は、全ての周波数で同一の相の電圧を測定するのであれば、三相電路7のa又はb何れの相でもよい。以上より、対地静電容量による漏れ電流を除き、対地絶縁抵抗による漏れ電流の量を求めることができる。
また、この実施の形態では、電流IrとIcの位相が重なっているため(ベクトルが同一方向若しくは逆方向であるため)、実測されるIr及びIcはIrとIcとが合成された電流である漏れ電流I0と同位相である。よって、θl(=θm)を用いて、Irを三相電源5の3相のうちa及びbの2相に分離することで、当該2相での対地絶縁抵抗の劣化による漏れ電流量を知ることができる。
【0037】
なお、上記では分岐条件として、位相差が一致(0度差)、若しくは180度差としたが、上記の値を中心とした一定範囲内としても良い。例えば位相差の差が0±1度若しくは180度の場合、この実施の形態による解析を行い、違う場合、実施の形態1と同様の解析を行うなどである。
【0038】
この実施の形態では、第1及び第2の周波数成分を、基本波成分、及び第3n次高調波以外の高調波成分としたが、周波数が既知であれば、直流以外の他の周波数成分を抽出しても、同様の手法にて解析を行うことが可能である。
【0039】
この実施の形態に示した絶縁監視装置を用いれば、漏れ電流のIrとIc成分のベクトルが重なっている(同一方向若しくは逆方向)場合、若しくは、対地静電容量による漏れ電流Icがバランスしており、その合成値が0である場合における対地絶縁抵抗が劣化している相を2相まで簡略計算式により簡易な演算で高速に同定することが可能であり、それぞれの相の対地絶縁抵抗による漏れ電流を得て、当該二つの相の絶縁を監視することができる。
【0040】
実施の形態3.
図6〜図9は、さらにこの発明の他の実施の形態を示すものであり、図6は絶縁監視装置の構成を示す構成図、図7〜図9は動作を説明するためのベクトル図である。この実施の形態では、実施の形態1に示した絶縁監視装置に、第3n次高調波成分の測定手段を追加することにより、三相電路の全ての相について、対地絶縁抵抗による漏れ電流を求めるようにしたものである。
【0041】
図6において、三相電源5及び三相電路7は、図1と同様にΔ結線されているが非接地系の三相電路である。絶縁監視装置は、演算処理装置33及びバンドパスフィルタ39を有する。ZCT1及び電圧測定器2の出力は、バンドパスフィルタ39を介して演算処理装置33に入力される。その他の構成については、図1に示した実施の形態1と同様のものであるので、相当するものに同じ符号を付して説明を省略する。
【0042】
以下に、演算処理装置33が行う解析アルゴリズムを具体的に説明する。ZCT1及び電圧測定器2によりバンドパスフィルタ39を介して電圧及び漏れ電流の第1の周波数成分として基本波成分(第L次高調波成分)、及び第2の周波数成分として第3n次高調波成分以外の高調波成分である第M次高調波成分を抽出する。第3の周波数成分である第3n次高調波成分として第X次(但し、Xは3の整数倍)高調波成分を抽出する。
【0043】
次に実施の形態1と同様の処理を施し、第L次及び第M次高調波成分を用いて、対地絶縁抵抗による漏れ電流Irを求める。この電流Irは三相電路7の全ての相における漏れ電流分を合成したベクトルである。この電流Irを三相電路7の全ての相に分離して、三相電路の各相における対地絶縁抵抗による漏れ電流を求める。この合成ベクトルIrの構成を図7に示す。
【0044】
まず、この電流Irが存在する位相からその両隣にある2つの電圧位相(今回はa相とb相とする)に分離し、Ira1及びIrb1を求める。これらのベクトルは、本来3つのベクトルが合成されているものを、2つのベクトルに分離したのであるから、正確な値ではなく、残りの一相の漏れ電流ベクトルIrcによって相殺された分、誤差を含む。
【0045】
但し、この誤差Ira2及びIrb2はIrcとバランスしており、かつ、ベクトルIra2、ベクトルIrb2及びベクトルIrcは、それぞれ120度の位相差がある。すなわち、ベクトルIra2、ベクトルIrb2及びベクトルIrcからなる三角形は図8に示すように正三角形となり、次の式(7)の関係が成立する。
Ira2=Irb2=Irc ・・(7)
【0046】
次に、第3n次高調波成分を用いて、三相電路7の全ての相における対地絶縁抵抗による漏れ電流の合計値を求める。第3n次高調波成分は、三相電路7において、全ての相で同相となるので、その高調波成分によって流れる対地絶縁抵抗分の漏れ電流、対地静電容量分の漏れ電流は各相とも同相となる。そして、図9に示すように対地絶縁抵抗分Irtは、第3n次高調波電圧Voと同相であり、対地静電容量分Ictは90度位相が進んでいる。従って、第3n次高調波電圧Voとの位相差θを用いて、対地絶縁抵抗の三相電路7による漏れ電流の合計値Irtが得られる。IrtとIra、Irb及びIrcの関係を式(8)に示す。
Irt=Ira+Irb+Irc ・・(8)
【0047】
同様に、IrtをIra1、Irb1、Ira2、Irb2及びIrcを用いて記述すると式(9)となる。
Irt=Ira1+Irb1+(Ira2+Irb2+Irc)
= Ira1+Irb1+(3Irc) ・・(9)
ここに、式(9)の括弧内の値は、第3n高調波成分以外では、バランスしており、計測できなかった値である。
式(8)及び式(9)より、残りの相における対地絶縁抵抗による漏れ電流Irbを得ることができる。
【0048】
また、
Irb=(Irt−Ira1+Irb1)/3 ・・(10)
であるので、式(10)より、先に求めたIra1、Irb1を補正して、各相における正確な対地絶縁抵抗による漏れ電流Ira、Irbを求めることができる。すなわち、
Ira=Ira1+Ira2
=Ira1+Irc
=Ira1+(Irt−Ira1+Irb1)/3
Irb=Irb1+Irb2
=Irb1+Irc
=Irb1+(Irt−Ira1+Irb1)/3
・・(11)
以上より、三相電路7の全ての相における対地絶縁抵抗による漏れ電流を求めることが可能である。
【0049】
但し、第3n次高調波電流とその他の高調波電流若しくは基本波電流とでは、そのベクトル方向が異なるため、これら電流値により正規化することはできない。そこで、第L次高調波電圧Vl(実施の形態1記載の処理を施した際に、基準とした高調波成分(基本波成分のことである)の電圧)と第X次高調波電圧Vo(選択した第3n次高調波成分の電圧)とが等しくなるように正規化し、連立方程式を解くことにより求めればよい。
【0050】
また、第3n次高調波電圧と、その他の高調波又は基本波の電圧成分を正規化する際に、基準とするのは、できる限り値の大きな電圧成分である方が好ましく、一般に漏れ電流や電圧において最も含有率が高いのは基本波成分であるので、基本波成分を基準とするのが好ましい。よって、正規化の基準を、基本波成分の電圧とする。
【0051】
この実施の形態では、第1の周波数成分として基本波成分、第2の周波数成分として第3n次以外の高調波成分を選択したが、周波数が既知であれば、直流以外の他の周波数成分を用いても、同様の手法にて解析を行うことが可能である。従来の絶縁監視装置においては、三相交流の電路において対地静電容量がアンバランスな場合、電路が健全な場合でも対地静電容量を経て流れる電流の不平衡により誤警報を発することがある。この実施の形態に示した絶縁検出装置を用いることで、漏れ電流(ZCT1出力)から対地静電容量による影響分を除いて対地絶縁抵抗による漏れ電流だけを検出することができ、信頼性の高い絶縁監視を行うことができる。さらに、この実施の形態に示した絶縁監視装置を用いることで三相電路7の全ての相に対する対地絶縁抵抗の劣化を求めることが可能である。
【0052】
実施の形態4.
図10、図11は、さらにこの発明の他の実施の形態を示すものであり、図10は絶縁監視装置の構成を示す構成図、図11は動作を説明するためのベクトル図である。図10において、三相電源5及び三相電路7は、図1と同様にΔ結線であるが接地されていない非接地系の電路である。絶縁監視装置は、演算処理装置43及びバンドパスフィルタ39を有する。ZCT1及び電圧測定器2の出力は、バンドパスフィルタ39を介してバンドパスフィルタ43に入力される。その他の構成については、図6に示した実施の形態1と同様のものであるので、相当するものに同じ符号を付して説明を省略する。
【0053】
次に、演算処理装置43が行う解析アルゴリズムを具体的に説明する。先の実施の形態3に示した絶縁監視装置(図6参照)は、第3n次高調波成分の測定を追加することで、三相電路7の全ての相について、対地絶縁抵抗の劣化による漏れ電流を求めることができるようにしたものである。これに対し、この実施の形態においては、次のような条件が満たされる場合、高速に対地絶縁抵抗による漏れ電流を演算して求めることができる絶縁監視装置に関するものである。
【0054】
(ア)図5のように対地絶縁抵抗による漏れ電流Irの位相と対地静電容量による漏れ電流Icの位相とが一致するか、又は180度異なる場合。この場合、測定される漏れ電流I0の位相も基準相の電圧の位相に一致するか、又は180度異なることになる。電流IrとIcは複数相の電流が合成されたものであった場合、その合成割合によって如何なる位相にもなりうるので、この様な場合も存在しうる。
(イ)又は、対地静電容量による漏れ電流Icが三相間でバランスしており合成値が0である場合。
(ウ)さらに特殊な例として、図11に示すように対地絶縁抵抗による漏れ電流Irがバランスして、合成値が0となる場合。
【0055】
この実施の形態においては、演算処理装置43にて行う解析アルゴリズムが図6の演算処理装置33と異なる。以下に解析アルゴリズムを具体的に説明する。実施の形態3と同様に基本波成分(第L次と表す)、及び第3n次高調波成分以外の高調波成分として第M次高調波成分を抽出する。これに加えて、第3n次高調波成分として第X次高調波成分を抽出する。すなわち、第1、第2及び第3の周波数成分として、これら基本波成分(第L次高調波と表記)、第M次周波数成分及び第3n次周波数成分を選択し抽出する。
【0056】
次に、電圧の基準相として、測定したうち一つの相を選択する。この実施の形態ではa相を基準相とする。基準相aの電圧と電流の各抽出した第L次及び第M次周波成分との位相差θl及び位相差θmを求める。次に、求めた位相差θlと位相差θmとを比較し、処理の分岐条件として、互いの値(位相)が一致するか又は180度異なる場合は、下記の処理を用いて解析を行う。それ以外の場合は、実施の形態3に示したものと同様の解析を行い、各相毎の対地絶縁抵抗による漏れ電流を求める。
【0057】
なお、上記処理の分岐条件は、上記のように位相差が一致(0度差)若しくは180度差となった場合としないで、上記の値を中心とした一定範囲内の値としても良い。例えば、位相差の差が0±1度若しくは180度の場合、この実施の形態による解析を行い、違う場合、実施の形態3と同様の解析を行うなどである。
【0058】
各周波数の位相差が上記の分岐条件(0度若しくは180度)に合致した場合、抽出した周波数の周波数の漏れ電流及び三相電路7の電圧を求める。次に、実施の形態2記載の処理を施してIrベクトルを求め、これを2つの相に分離する。今回はa相及びb相に分離して、各相における対地絶縁抵抗による漏れ電流Ira及びIrbを得る。このIra及びIrbは、実施の形態3における電流Ira1及びIrc1に相当する。
【0059】
このIra1(=Ira)及びIrb1(=Irb)は、三相電路7の各相における対地絶縁抵抗による漏れ電流ベクトルがバランスして、見かけ上0である場合もあり、このときはIra1=Irb1=0となる。これらのベクトルは、本来3つのベクトルが合成されているものを、2つのベクトルに分離したのであるから、正確な値ではなく、残りの一相の漏れ電流ベクトルIrbによって相殺された分、誤差を含む。
【0060】
次に、この実施の形態では、第3n次高調波成分として第X次高調波成分を抽出する。第X次高調波電流は、全ての相が同相となるため、各相の対地絶縁抵抗及び対地静電容量による漏れ電流Ir及びIcも同相となる。図9に示すように、対地絶縁抵抗分Irtは第X次高調波電圧Voと同相であり、対地静電容量分Ictは90度位相が進んでいる。
【0061】
次に、実施の形態3に示したものと同様の処理を施すことで、それぞれの相の対地絶縁抵抗による漏れ電流だけを得ることができ、三相電路7の全ての相のおける対地絶縁抵抗による漏れ電流を測定することができる。
そして、この実施の形態による絶縁監視装置を用いれば、漏れ電流のIrとIc成分のベクトルが重なっている(同一方向若しくは逆方向)場合若しくは対地静電容量による漏れ電流Icがバランスしておりその合成値が0である場合、又は対地絶縁抵抗がバランスしておりその合成値が0である場合に、簡略計算式により高速に演算処理をして、対地絶縁抵抗が劣化している相を3相全て同定することが可能である。
【0062】
実施の形態5.
図12は、さらにこの発明の他の実施の形態である絶縁監視装置の構成を示す構成図である。図12において、演算処理装置53にZCT1及び電圧測定器52の検出出力がバンドパスフィルタ59を介して入力される。この演算処理装置53は、その動作(解析アルゴリズム)が図1の演算処理装置3と異なる。また、電圧測定器52は、その理由は後述するが、図1の電圧測定器2に比して要求される測定精度が低く安価なものを使用している。その他の構成については、図1に示した実施の形態1と同様のものであるので、相当するものに同じ符号を付して説明を省略する。
【0063】
この実施の形態は、実施の形態1による絶縁監視装置に比して、零相変流器1による測定データから抽出する周波数成分のデータを一つ増やすことで、電圧測定器52に要求される精度を低くできる絶縁監視装置である。以下に、具体的な例を用いて演算処理装置53の解析アルゴリズムの説明を行う。図12のような測定系を用いた場合、得られる情報は、漏れ電流及び三相電路7の電圧であり、これらよりバンドパスフィルタ59によって、第1の周波数として基本波成分(第L次高調波)を、第2及び第4の周波数成分として第3n次高調波成分以外の高調波成分である第M次(例えば第5次)及び第N次(例えば第7次)高調波成分を選定する。基本波成分、及び第3n次高調波以外の高調波成分では、三相電路7の各相で120度づつ位相が異なっている。
【0064】
電圧の基準相として、測定したうちのa又はb相のうちの一方を選択する。基準相の選択基準はなく、a、b2相のうちいずれでも良い。この実施の形態でxcはa相を基準相とする。まず、基準相の電圧と電流の各選択した周波数成分である第L,M,N次漏れ電流との位相差θl、θm及びθnを求める。
【0065】
ところで、この実施の形態では、三相電路7の電圧の高調波成分の計測を行っているが、電圧の高調波成分毎の含有率が異なるため、解析を行うためには正規化を行う必要がある。ここで言う正規化とは、実際に測定(抽出)された第L,M,N次電流成分のうちの一つを基準として、他の電流成分を次のようにして調整することである。すなわち、電圧と電流に関する連立方程式を解いて、電圧分を消去することにより、高調波成分の含有率に影響されないようにする。この基準として使用する電流成分は、測定値ができる限り大きいものが良く、好ましくは含有率の最も高い基本波成分を基準とするのが良い。従って、この実施の形態では、基本波成分(計算式上は第L次高調波成分として表し(L=1)、I0lとする)を基準とし、正規化された第L次、第M次及び第N次成分をそれぞれI0l、I0m、I0nで表すものとする。
【0066】
すると、基準相、各漏れ電流I0(I0l、I0m、I0nの合成)、対地絶縁抵抗による漏れ電流Ir、及び対地静電容量による漏れ電流Ic(Icl、Icm、Icnの合成)の関係は図11のようになる。対地静電容量及び対地絶縁抵抗による漏れ電流Ir、Icは複数の相によって合成されている場合が多く、基準相に対する位相差は不明である。また、必ずしもIrとIc間の位相差が90度とは限らない。
【0067】
対地絶縁抵抗は、電流の周波数に依らず一定であり、対地静電容量は、電流の周波数に反比例する特性があり、漏れ電流Ic(Icl、Icm、Icnの合成)の量の比は、漏れ電流の次数(第L次高調波ならL)に依存するため、式(12)の関係が成立する。
Icl:L=Icm:M=Icn:N ・・(12)
また、測定された各漏れ電流ベクトルをIrとIcに分離すると平行四辺形となり、各漏れ電流ベクトルI0l、I0m及び、I0nの終点は同一直線上に乗る。
【0068】
以上の関係を満たすように各漏れ電流ベクトルI0l、I0m及び、I0nを決定すれば、それが正規化(調整)された漏れ電流値である。なお、解析に使用する漏れ電流ベクトルが2つだけでは、電流Irと基準相の間の位相差xが未知数であるため、無数に解が存在するため正確に正規化することはできない。そのため解析に使用する周波数は3つ以上必要である。言い換えれば、3つ以上の周波数に対し上記の条件を満足する解(Irベクトル)は一意に決定することができる。この実施の形態では、第L次(基本波成分)、第M次及び第N次の高調波成分を使用している。
【0069】
具体的に以上の関係を用いて解析するとIrベクトルと基準相の間の位相差xは次式にて得ることができる。
x=arcTan{(α×β−β)/{α×β×(1−γ)}}+θn
・・(13)
但し、
α=Tan(θl−θn)
β=Tan(θm−θn)
γ={(N−M)×L}/{(N−L)×M}
・・(14)
【0070】
式(13)より、基準相とIrの位相差xを得ることができ、漏れ電流I0l(基準値)と位相差θl、θm、θn及びxと、各漏れ電流の次数(L、M、N)より次の式(15)にて漏れ電流の大きさ|Ir|を求めることができる。
|Ir|={(|I0l|×L×N)/( N−L)}×{Tan(x−θl)− Tan(x−θn)} ・・(15)
【0071】
なお、式(15)では、L次とN次の組み合わせを用いたが、他の組み合わせ(L次とM次等)でも同様の結果が得られる。
以上より、Irの位相差と大きさを求めることができる。位相差xを用いて、Irを三相電源5の3相のうち2相に分離することで、2相での対地絶縁抵抗の劣化による漏れ電流量を得ることができる。
【0072】
以上では、第一の周波数成分、第3n次高調波以外の高調波成分である第2の周波数成分としての第M次高調波成分の他にもう一つ第4の周波数成分である第N次周波数成分を使用している。しかし、実施の形態3あるいは実施の形態4に示したものと同様にこの実施の形態においても、第N次高調波成分に加えて第3の周波数成分としての第3次の整数倍の高調波成分(第X次高調波成分)例えば第3次高調波成分を測定(抽出)して所定の演算を行うようにすれば、同様に測定精度を要求されない安価な電圧測定器52を使用して、三相電路7の全ての相における対地絶縁抵抗による漏れ電流を求めることができる。具体的には、指定周波数抽出手段としての四つのバンドパスフィルタ(図12におけるバンドパスフィルタ59に相当するもの)が、例えば、第1の周波数成分として基本波を、第2の周波数成分として第5次高調波成分を、第3の周波数成分として第3次高調波成分を、第4の周波数成分として第7次高調波成分を抽出する。
以上のようにこの実施の形態においては、必要とされる三相電路7の電圧情報は位相情報だけとすることが可能であり、実施の形態1等の電圧測定器2と比較して測定精度を要求されない安価な電圧測定器52を使用することが可能である。
【0073】
実施の形態6.
図13、図14は、さらにこの発明の他の実施の形態を示すものであり、図13は絶縁監視装置の構成を示す構成図、図14は動作を説明するためのベクトル図である。図13において、電圧測定器52は1台だけ設けられている。ZCT1及び電圧測定器52の検出出力がバンドパスフィルタ9を介して演算処理装置13に入力される。この実施の形態においては、三相電路7において漏れ電流の高調波成分含有率が既知である場合、すなわち三相電路7の電圧値の絶対値を必要としない場合に用いることができる絶縁監視装置に関するものである。
【0074】
上記のように電圧の絶対値を必要としない場合、必要な情報は電圧の位相情報だけである。一般に漏れ電流に含まれる高調波成分の割合は、数%程度と非常に小さい。電圧測定器2の測定レンジは、測定対象である漏れ電流全体のスケールに合わせる必要があり、高調波成分は、この漏れ電流からバンドパスフィルタ9を用いて抽出するため、高調波成分で使用されるダイナミックレンジ(例えばA/D変換器が用いられる場合、そのレンジ)は通常の数十分の一となり、相対的に測定精度が低くなる。これらの高調波電圧の情報を得るためには、高精度の電圧測定器2が必要となる。
【0075】
これに対し、この実施の形態においては、漏れ電流の周波数成分は基本波成分が数十%と大多数を占めており、比較的高精度の測定を行うことができることに着目し、この基本波成分を用いて他の高調波電圧の位相を擬似的に作成することによって、測定精度の低下を抑制する。
【0076】
基本波成分と高調波成分の位相関係より、高調波成分は基本波成分を等分割した波形となる。例えば第3次高調波成分であれば、図14に示すように基本波成分10を3等分した波形11となる。
以上の関係より、電圧計測器2にて三相電路7のうち一相の電圧を測定し、バンドパスフィルタ9によって基本波成分を抽出することにより、三相電路7の各相の電圧位相情報を擬似的に作成することが可能である。
【0077】
この実施の形態の絶縁監視装置においては、高精度の電圧測定器2を多数用いなくても高調波電圧の位相情報を得ることが可能である。
この実施の形態は、実施の形態1における場合だけでなく、実施の形態2ないし実施の形態5に示した三相電路7において漏れ電流の高調波成分含有率が既知である場合、すなわち三相電路7の電圧値の絶対値を必要としない場合にも適用することができる。
【0078】
【発明の効果】
この発明は以上説明したように、三相の電路の零相電流を検出する零相電流検出手段、電路の電圧を検出する電圧検出手段、零相電流及び電圧の中の第1及び第2の周波数成分を抽出するものであって第1の周波数成分は基本波又は第3次の整数倍の高調波成分以外の高調波成分であり第2の周波数成分は第3次の整数倍の高調波成分以外の高調波成分であってかつ第1の周波数成分とは異なるものである指定周波数成分抽出手段、及び零相電流の中の第2の周波数成分を所定の補正電流に換算するとともに抽出された零相電流の中の第1の周波数成分、補正電流、三相のうちの任意の一つの相の電圧を基準電圧にして基準電圧に対する零相電流の中の第1及び第2の周波数成分の各位相差、零相電流の中の第1及び第2の周波数成分の周波数に基づき計算により三相のうちの二相の対地絶縁抵抗による漏れ電流を求めるものであって所定の補正電流は零相電流の中の第2の周波数成分を電圧の中の第2の周波数成分が電圧の中の第1の周波数成分に等しいとしたときの値に換算した電流である漏れ電流演算手段を備えたものであるので、低周波数電圧成分を印加するための装置等が不要で小形化が可能で対地絶縁の劣化が生じた相を特定できる絶縁監視装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の一形態である絶縁監視装置の構成を示す構成図である。
【図2】 動作を説明するためのベクトル図である。
【図3】 絶縁監視装置の一変形例を示す構成図である。
【図4】 この発明の他の実施の形態である絶縁監視装置の構成を示す構成図である。
【図5】 図4の絶縁監視装置の動作を説明するためのベクトル図である。
【図6】 さらに、この発明の他の実施の形態である絶縁監視装置の構成を示す構成図である。
【図7】 図6の絶縁監視装置の動作を説明するためのベクトル図である。
【図8】 図6の絶縁監視装置の動作を説明するためのベクトル図である。
【図9】 図6の絶縁監視装置の動作を説明するためのベクトル図である。
【図10】 さらに、この発明の他の実施の形態である絶縁監視装置の構成を示す構成図である。
【図11】 図10の絶縁監視装置の動作を説明するためのベクトル図である。
【図12】 さらに、この発明の他の実施の形態である絶縁監視装置の構成を示す構成図である。
【図13】 さらに、この発明の他の実施の形態である絶縁監視装置の構成を示す構成図である。
【図14】 図13の絶縁監視装置の動作を説明するためのベクトル図である。
【符号の説明】
1 ZCT、2,52 電圧測定器、
3,23,33,43,53,63 演算処理装置、5 三相電源、7 三相電路、
8 接地線、9,39,59 バンドパスフィルタ。

Claims (11)

  1. 三相の電路の零相電流を検出する零相電流検出手段、上記電路の電圧を検出する電圧検出手段、上記零相電流及び上記電圧の中の第1及び第2の周波数成分を抽出するものであって上記第1の周波数成分は基本波又は第3次の整数倍の高調波成分以外の高調波成分であり上記第2の周波数成分は第3次の整数倍の高調波成分以外の高調波成分であってかつ上記第1の周波数成分とは異なるものである指定周波数成分抽出手段、及び上記零相電流の中の上記第2の周波数成分を所定の補正電流に換算するとともに抽出された上記零相電流の中の上記第1の周波数成分、上記補正電流、上記三相のうちの任意の一つの相の電圧を基準電圧にして上記基準電圧に対する上記零相電流の中の上記第1及び第2の周波数成分の各位相差、上記零相電流の中の上記第1及び第2の周波数成分の周波数に基づき計算により上記三相のうちの二相の対地絶縁抵抗による漏れ電流を求めるものであって上記所定の補正電流は上記零相電流の中の上記第2の周波数成分を上記電圧の中の上記第2の周波数成分が上記電圧の中の上記第1の周波数成分に等しいとしたときの値に換算した電流である漏れ電流演算手段を備えた絶縁監視装置。
  2. 上記三相の電路は一相が接地された接地系電路であることを特徴とする請求項1に記載の絶縁監視装置。
  3. 上記指定周波数成分抽出手段は、上記第1の周波数成分として基本波を、上記第2の周波数成分として第5次高調波成分を抽出するものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の絶縁監視装置。
  4. 上記指定周波数成分抽出手段は上記零相電流及び上記電圧の中の上記第1及び第2の周波数成分に加えて第3の周波数成分を抽出するものであって上記第3の周波数成分は第3次の整数倍の高調波成分であり、上記漏れ電流演算手段は抽出された上記零相電流の中の上記第2及び第3の周波数成分を所定の第2及び第3の補正電流に補正するとともに上記零相電流の中の上記第1ないし第3の周波数成分の上記基準電圧に対する各位相差、上記零相電流の中の上記第1ないし第3の周波数成分の周波数に基づき計算により上記三相のおのおのについて対地絶縁抵抗による漏れ電流を求めるものであって上記所定の第2及び第3の補正電流は上記零相電流の中の上記第2の周波数成分を上記電圧の中の上記第2の周波数成分が上記電圧の中の上記第1の周波数成分に等しいとしたときの値に換算した電流及び上記零相電流の中の上記第3の周波数成分を上記電圧の中の上記第3の周波数成分が上記電圧の中の上記第1の周波数成分に等しいとしたときの値に換算した電流であることを特徴とする請求項1に記載の絶縁監視装置。
  5. 上記三相の電路は、非接地系電路であることを特徴とする請求項4に記載の絶縁監視装置。
  6. 上記指定周波数成分抽出手段は、上記第1の周波数成分として基本波を、上記第2の周波数成分として第5次高調波成分を、上記第3の周波数成分として第3次高調波成分を抽出するものであることを特徴とする請求項4に記載の絶縁監視装置。
  7. 上記漏れ電流演算手段は、上記零相電流中の上記第1の周波数成分であって上記電路の上記対地絶縁抵抗に基づく電流成分の位相と上記電路の上記対地静電容量に基づく電流成分の位相とのずれが所定の範囲にあるとき所定の簡略計算式を用いて上記二相又は三相について対地絶縁抵抗による漏れ電流を求めるものであることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の絶縁監視装置。
  8. 上記指定周波数成分抽出手段は上記零相電流及び上記電圧の中の上記第1及び第2の周波数成分に加えて第4の周波数成分を抽出するものであって上記第4の周波数成分は第3次の整数倍の高調波成分以外の周波数でかつ上記第1及び第2の周波数成分とは別の高調波成分であり、上記漏れ電流演算手段は抽出された上記零相電流の中の上記第2及び第4の周波数成分を所定の第2及び第4の補正電流に補正するとともに上記零相電流の中の上記第1、第2及び第4の周波数成分の上記基準電圧に対する各位相差、上記零相電流の中の上記第1、第2及び第4の周波数成分の周波数に基づき計算により上記三相のうちの二相について対地絶縁抵抗による漏れ電流を求めるものであって上記所定の第2及び第4の補正電流は上記零相電流の中の上記第2の周波数成分を上記電圧の中の上記第2の周波数成分が上記電圧の中の上記第1の周波数成分に等しいとしたときの値に換算した電流及び上記零相電流の中の上記第4の周波数成分を上記電圧の中の上記第4の周波数成分が上記電圧の中の上記第1の周波数成分に等しいとしたときの値に換算した電流であることを特徴とする請求項1に記載の絶縁監視装置。
  9. 上記指定周波数成分抽出手段は、上記第1の周波数成分として基本波を、上記第2の周波数成分として第5次高調波成分を、上記第4の周波数成分として第7次高調波成分を抽出するものであることを特徴とする請求項8に記載の絶縁監視装置。
  10. 上記指定周波数成分抽出手段は上零相電流及び上記電圧の中の上記第1及び第2の周波数成分に加えて第3及び第4の周波数成分を抽出するものであって上記第3の周波数成分は第3次の整数倍の高調波成分であり上記第4の周波数成分は第3次の整数倍の高調波成分以外の周波数でかつ上記第1及び第2の周波数成分とは別の高調波成分であり、上記漏れ電流演算手段は抽出された上記零相電流の中の上記第2ないし第4の周波数成分を所定の第2ないし第4の補正電流に補正するとともに上記零相電流の中の上記第1ないし第4の周波数成分の上記基準電圧に対する各位相差、上記零相電流の中の上記第1ないし第4の周波数成分の周波数に基づき計算により上記三相のおのおのについて対地絶縁抵抗による漏れ電流を求めるものであって上記所定の第2ないし第4の補正電流は上記零相電流の中の上記第2ないし第4の周波数成分を上記電圧の中の上記第2ないし第4の周波数成分が上記電圧の中の上記第1の周波数成分にそれぞれ等しいとしたときの値に換算した電流であることを特徴とする請求項1に記載の絶縁監視装置。
  11. 上記指定周波数成分抽出手段は、上記第1の周波数成分として基本波を、上記第2の周波数成分として第5次高調波成分を、上記第3の周波数成分として第3次高調波成分を、上記第4の周波数成分として第7次高調波成分を抽出するものであることを特徴とする請求項10に記載の絶縁監視装置。
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